説明

配線基板及びソルダーレジスト膜の位置ずれ検出方法

【課題】ソルダーレジスト膜の位置ずれを検出可能とした配線基板を提供する。
【解決手段】配線基板と、配線基板面に搭載される電子部品が電気的に接続されるパッドと、位置ずれ検出用の検出パターンとを含む配線層と、配線層を覆うように形成されるソルダーレジスト膜とを備えた配線基板であって、ソルダーレジスト膜9は、該ソルダーレジスト膜の位置ずれを検出する位置ずれ検出用開口部10eと、パッドを露出するパッド用開口部とを有し、検出パターン6は、位置ずれ検出用開口部10eの外周側に位置し、位置ずれ検出用開口部から検出パターンを確認することで、ソルダーレジスト膜の位置ずれを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ソルダーレジスト膜の位置ずれを検出する機能を備えた配線基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化及び高機能化に伴い、その電子機器に組み込まれる半導体装置の小型化、高密度化、多端子化が進んでおり、その半導体装置に要求される信頼性も益々増大する傾向にある。
【0003】
この半導体装置は、一般に半導体チップを配線基板に実装した構造となっているため、半導体チップの小型化及び高密度化に伴って、その半導体チップを実装する配線基板の接続端子も小型化及び高密度化が進んでいる。このため、半導体チップの実装方法として、フリップチップ実装が多く用いられている。
【0004】
このフリップチップ実装は、半導体チップに突起状の電極端子(バンプ)を形成しておき、配線基板のチップ実装面側のソルダーレジスト膜から露出させたパッドに、はんだ等の導電性材料を用いてバンプを電気的に接合させる方法である。
【0005】
前記ソルダーレジスト膜は、基板表面の所要位置が開口部で開口されるように、すなわちパッドを露出させるように、パターン露光やスクリーン印刷にて形成される。なお、上記従来技術に関連する先行技術として、特許文献1,2が開示されている。
【0006】
近年、半導体チップの小型化に伴い配線基板の高密度化が進んでいる現状では、ソルダーレジスト膜の開口部の位置ずれは、配線基板に半導体チップを搭載した半導体装置の歩留まりを低下させる要因となる。従って、配線基板への半導体チップの搭載に先立って、ソルダーレジスト膜の位置ずれを検出する必要がある。
【0007】
特許文献1に開示されたプリント配線基板では、ソルダーレジスト膜に位置ずれが発生しても不具合が発生しないようにする構成が開示されているが、半導体チップの搭載に先立って、ソルダーレジスト膜の位置ずれを検出するための構成は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002‐271009号公報
【特許文献2】特開2009‐88011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のようにパターン露光やスクリーン印刷でソルダーレジスト膜を形成すると、開口部の位置に誤差の範囲で位置ズレが生じる。開口部の位置ずれは、パッド面積の実質的な縮小を引き起こして接続不良の原因となったり、ソルダーレジスト膜で覆うべき配線が露出することにより、ショート不良の発生の原因となる。
【0010】
本発明の目的は、ソルダーレジスト膜の位置ずれを検出可能とした配線基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一観点によれば、配線基板と、前記配線基板面に搭載される電子部品が電気的に接続されるパッドと、位置ずれ検出用の検出パターンとを含む配線層と、前記配線層を覆うように形成されるソルダーレジスト膜とを備えた配線基板であって、前記ソルダーレジスト膜は、該ソルダーレジスト膜の位置ずれを検出する位置ずれ検出用開口部と、前記パッドを露出するパッド用開口部とを有し、前記検出パターンは、前記位置ずれ検出用開口部の外周側に位置し、前記位置ずれ検出用開口部から前記検出パターンを確認することで、前記ソルダーレジスト膜の位置ずれを検出する。
【0012】
この構成によれば、パッド用開口部及び位置ずれ検出用開口部に位置ずれが発生すると、位置ずれ検出用開口部で検出パターンが露出されて位置ずれが検出可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一観点によれば、ソルダーレジスト膜の位置ずれを検出可能とした配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一実施形態の配線基板のパッドレイアウトを示す正面図である。
【図2】第一の実施形態の検出パターンのレイアウトを示す正面図である。
【図3】第一の実施形態の検出パターンのレイアウトを示す正面図である。
【図4】Ni/Auめっき工程後の位置ずれ検出用開口部を示す正面図である。
【図5】Ni/Auめっき工程後の位置ずれ検出用開口部を示す正面図である。
【図6】第二の実施形態の検出パターンを示す正面図である。
【図7】第二の実施形態の検出パターンを示す正面図である。
【図8】第二の実施形態の検出パターンを示す正面図である。
【図9】第二の実施形態のシートを示す正面図である。
【図10】第三の実施形態を示す正面図である。
【図11】第四の実施形態を示す正面図である。
【図12】第四の実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図面に従って説明する。図1に示す配線基板1の半導体チップ搭載面側の中央部には、搭載される半導体チップのバンプを接合するためのパッド2が形成されている。また、配線基板1の両端部には、他の半導体チップ等と接続するためのパッド3が形成されている。そして、パッド2,3は基板に形成された図示しない配線とそれぞれ接続され、その配線で配線基板1上に搭載される電子部品が接続されるようになっている。パッド2,3及び配線は、例えば銅の薄膜で形成される。
【0016】
配線基板1の対角線方向の角部には、位置合わせの基準となるアライメントマーク4a,4bが形成されている。
前記アライメントマーク4aは、例えば図2に示すように、鉤形にパターニングされ、ソルダーレジスト膜の開口から露出している。また、アライメントマーク4aはめっき給電線5と電気的に接続されている。
【0017】
前記アライメントマーク4aの周囲には、ソルダーレジスト膜9の位置ずれを検出するための矩形枠状の検出パターン6が形成されている。また、アライメントマーク4a、検出パターン6、めっき給電線5は交差部Cで交差して、電気的に接続されている。
【0018】
また、検出パターン6は後述するソルダーレジスト膜9の位置ずれ検出用開口部10eの開口縁の外周側に配置される。
前記アライメントマーク4bは、例えば図3に示すように、十字形にパターニングされ、ソルダーレジスト膜9の開口から露出している。また、アライメントマーク4bはめっき給電線7と電気的に接続されている。
【0019】
前記アライメントマーク4bの周囲には、ソルダーレジスト膜9の位置ずれを検出するための矩形形状の検出パターン8が形成されている。また、アライメントマーク4b、検出パターン6、めっき給電線5は交差部Cで交差して、電気的に接続されている。
【0020】
また、検出パターン8は後述するソルダーレジスト膜9の位置ずれ検出用開口部10fの開口縁の外周側に配置される。
前記パッド2,3や図示しない各配線及びめっき給電線5,7や検出パターン6,8の上層にはソルダーレジスト膜9が例えばスクリーン印刷により形成される。そして、図1に示すように、ソルダーレジスト膜9には前記パッド2,3を露出させるパッド用開口部10a〜10dと、アライメントマーク4a,4bを露出させる位置ずれ検出用開口部10e,10fが形成されている。
【0021】
ソルダーレジスト膜9の各開口部10a〜10fから露出する配線パターン(パッド2,3やアライメントマーク4a,4b等)は、パッド2,3に表面めっき層(例えばNi/Au;ニッケル−金)を形成する工程でめっきが施される。
【0022】
図2に示すように、前記アライメントマーク4aを露出させるように形成された位置ずれ検出用開口部10eは例えば一辺が0.5mmの矩形形状に形成され、位置ずれ検出用開口部10eに位置ずれが生じていないとき、その開口縁と前記検出パターン6との間隔t1は、例えば0.03mmとなるように設定されている。この間隔t1は、ソルダーレジスト膜9の位置ずれの許容値に設定されている。
【0023】
図3に示すように、前記アライメントマーク4bを露出させるように形成された位置ずれ検出用開口部10fは、例えば一辺が0.5mmの矩形形状に形成され、位置ずれ検出用開口部10fに位置ずれが生じていないとき、その開口縁と前記検出パターン8との間隔t2は、例えば0.05mmとなるように設定されている。
【0024】
次に、上記のような配線基板1の作用及び製造方法について説明する。配線基板1は、周知の技術により絶縁層と配線層が交互に積層された構造を有している(図示なし)。配線基板1において、最表層に位置する絶縁層上にパッド2,3、アライメントマーク4a,4b、めっき給電線5,7及び検出パターン6,8や図示しない他の配線等を構成する配線パターンが形成される。
【0025】
次いで、配線パターン上にソルダーレジスト膜9を例えばスクリーン印刷を用いて形成する。ソルダーレジスト膜9には、アライメントマーク4a,4bを基準として演算される位置データに基づいてパッド用開口部10a〜10d及び位置ずれ検出用開口部10e,10fが形成される。
【0026】
次いで、パッド2,3に例えばNi/Auからなる表面めっき層(図示なし)を形成する。めっきは、めっき給電線5,7を通して電圧が供給されており、ソルダーレジスト膜9の各開口部10a〜10fから露出する配線パターン(パッド2,3やアライメントマーク4a,4b等)に施される。以上の製造方法により、パッド2,3に半導体チップの接合を可能とした配線基板1が形成される。
【0027】
本発明は、上記めっき工程後に、ソルダーレジスト膜9の位置ずれ検出用開口部10e,10fを確認することで、ソルダーレジスト膜9の位置ずれを検出することが可能となる。
【0028】
図4は、位置ずれ検出用開口部10eが位置ずれの許容値以内(例えば位置ずれ量が図2に示すt1=0.03mm未満)の正常な位置に形成されている場合を示す。この場合には、位置ずれ検出用開口部10eから露出するアライメントマーク4aだけが金色にめっきされる(図中塗潰し)。
【0029】
図5は、位置ずれ検出用開口部10eが位置ずれの許容値(例えば位置ずれ量が図2に示すt1=0.03mm以上)を超えて形成された場合を示す。この場合には、位置ずれ検出用開口部10eの位置ずれにより検出パターン6が露出するため、アライメントマーク4aだけでなく、露出した検出パターン6にもNi/Auめっきが施され、金色にめっきされる(図中塗潰し)。
【0030】
これは、本発明において、アライメントマーク4aと検出パターン6が同一のめっき給電線5と交差部Cを形成するように接続されており、めっき給電線5を介して電圧が供給されているためである。
【0031】
そして、めっきされて金色となった検出パターン8の形により、位置ずれ検出用開口部10eの少なくとも0.03mmの位置ずれと、位置ずれの方向を目視により確認可能である。
【0032】
また、前記アライメントマーク4bが露出される位置ずれ検出用開口部10fでは、同開口部10fの少なくとも0.05mmの位置ずれと、位置ずれの方向を目視により確認可能である。
【0033】
ちなみに、図2及び図3において、ソルダーレジスト膜9の位置ずれ量が0.04mmの場合、位置ずれ検出用開口部10eでは位置ずれ量がt1=0.03mm以上であるため、検出パターン6が露出するが、位置ずれ検出用開口部10fでは、位置ずれ量がt2=0.05mm以下であるため、検出パターン8は露出しない。
【0034】
位置ずれ検出用開口部10e,10fにおいて位置ずれが確認されれば、他のパッド用開口部10a〜10dでも同様な位置ずれが生じているので、この配線基板1を不良品として除外することが可能となる。
【0035】
上記のような配線基板1では、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)ソルダーレジスト膜9の位置ずれ検出用開口部10e,10fの周囲に設けた検出パターン6,8により、ソルダーレジスト膜9のパッド用開口部10a〜10dの位置ずれを検出することができる。従って、配線基板への半導体チップの装着工程に先立って、位置ずれが生じている配線基板を不良品として除外することができるので、配線基板に半導体チップを搭載した半導体装置の歩留まりを向上させることができる。
(2)ソルダーレジスト膜9のパッド用開口部10a〜10d及び位置ずれ検出用開口部10e,10fに許容値以上の位置ずれが生じていると、Ni/Auめっき工程で検出パターン6,8がNi/Auめっきされる。従って、Ni/Auめっき処理後に、開口部10e,10fに金色の検出パターン6,8が露出されたか否かを目視にて判定することにより、開口部10a〜10fの許容値以上の位置ずれを検出することができる。
(3)アライメントマーク4a,4bを露出させるための位置ずれ検出用開口部10e,10fの周囲に位置するように検出パターン6,8を形成して、アライメントマーク4a,4bと検出パターン6,8が同一のめっき給電線5,7と交差部Cを形成するように接続されている。従って、配線基板1上で検出パターン6,8を形成するためのスペースを別に設けることなく容易に確保、形成することができる。
(4)位置ずれ検出用開口部10e,10fの周囲に位置するように検出パターン6,8を形成した。従って、Ni/Auめっきされた検出パターンが位置ずれ検出用開口部10e,10fのいずれの方向に露出されているかを検出することにより、パッド用開口部10a〜10d及び位置ずれ検出用開口部10e,10fの位置ずれの方向を検出することができる。
(5)位置ずれ検出用開口部10e,10fにおいて、検出パターン6,8と位置ずれ検出用開口部10e,10fの開口縁との間隔を異なる間隔としたので、めっき処理後の検出パターン6,8の露出具合を検出することにより、パッド用開口部10a〜10d及び位置ずれ検出用開口部10e,10fの位置ずれ量を検出することができる。
(第二の実施形態)
図6〜図9は、第二の実施形態を示す。第二の実施形態は、第一の実施形態におけるアライメントマーク4a,4bが形成されていない点で相違している。図9は、多数の配線基板を形成する短冊状のシート11を示す。シート11上には多数の配線基板12が形成される。これらの配線基板12は、第一の実施形態と同様に、パッド及び配線のパターニング後にソルダーレジスト膜が生成される。そして、ソルダーレジスト膜の開口部に露出されるパッドにNi/Auめっきが施されて、半導体チップを接合可能とした配線基板12が多数形成される。
【0036】
次いで、各配線基板12が1枚ずつに切断された後、半導体チップが搭載されて、半導体装置が形成される。
前記シート11の周囲の余白部には、ソルダーレジスト膜のパッド用開口部の位置ずれを検出するための検出パターン13a〜13cがパターニングされている。検出パターン13a〜13cは、第一の実施形態の検出パターン6,8と同様の方法で形成される。検出パターン13a〜13cは、位置ずれ検出用開口部14a〜14cの開口縁より外周側に位置しており、めっき給電線16とそれぞれ電気的に接続されている。
【0037】
図6に示すように、前記検出パターン13aは前記パッド及び配線と同時にパターニングされる矩形形状に形成されている。検出パターン13aの上層に形成されるソルダーレジスト膜15には、検出パターン13aの内側に開口する矩形形状の位置ずれ検出用開口部14aが形成されている。そして、位置ずれ検出用開口部14aに位置ずれが生じていないとき、位置ずれ検出用開口部14aの開口縁と前記検出パターン13aとの間隔t3は0.02mmとなるように設定されている。
【0038】
図7に示すように、前記検出パターン13bは一辺の長さが検出パターン13aより若干長い矩形形状に形成されている。検出パターン13bの上層に形成されるソルダーレジスト膜15には、検出パターン13bの内側に開口する矩形形状の位置ずれ検出用開口部14bが形成されている。位置ずれ検出用開口部14bの大きさは、前記位置ずれ検出用開口部14aと同一である。
【0039】
そして、位置ずれ検出用開口部14bに位置ずれが生じていないとき、位置ずれ検出用開口部14bの開口縁と前記検出パターン13bとの間隔t4は0.03mmとなるように設定されている。
【0040】
図8に示すように、前記検出パターン13cは一辺の長さが検出パターン13bより若干長い矩形形状に形成されている。検出パターン13cの上層に形成されるソルダーレジスト膜15には、検出パターン13cの内側に開口する矩形形状の位置ずれ検出用開口部14cが形成されている。位置ずれ検出用開口部14cの大きさは、前記開口部14a,14bと同一である。
【0041】
そして、位置ずれ検出用開口部14cに位置ずれが生じていないとき、位置ずれ検出用開口部14cの開口縁と前記検出パターン13cとの間隔t5は0.05mmとなるように設定されている。
【0042】
このような検出パターン13a〜13cを備えたシート11では、ソルダーレジスト膜15に位置ずれが生じていると、次の工程すなわちパッドへの表面めっき層形成を兼ねためっき工程(例えばNi/Auめっき)で、位置ずれ検出用開口部14a〜14cに露出している検出パターン13a〜13cにめっきが施される。そのため、位置ずれ検出用開口部14a〜14cを確認することでソルダーレジスト膜15の位置ずれを検出することが可能となる。
【0043】
すなわち、位置ずれ検出用開口部14a〜14cの位置ずれが0.02mm未満のときには、検出パターン13a〜13cのいずれにもNi/Auめっきされる部分は発生しない。位置ずれ検出用開口部14a〜14cの位置ずれが0.02mm以上で0.03mm未満のとき、検出パターン13aだけにNi/Auめっきされる部分が発生する。また、位置ずれ検出用開口部14a〜14cの位置ずれが0.03mm以上で0.05mm未満のとき、検出パターン13a,13bにNi/Auめっきされる部分が発生する。さらに、位置ずれ検出用開口部14a〜14cの位置ずれが0.05mm以上のとき、検出パターン13a〜13cの全てにNi/Auめっきされる部分が発生する。
【0044】
従って、Ni/Auめっき工程後に、検出パターン13a〜13cのいずれにNi/Auめっきされる部分が発生されるかを検出することにより、位置ずれ検出用開口部14a〜14cの位置ずれ量を検出することができる。
【0045】
また、各検出パターン13a〜13cでNi/Auめっきされる部分の方向を検出することにより、位置ずれ検出用開口部14a〜14cの位置ずれの方向を検出することができる。
【0046】
上記のような配線基板12では、第一の実施形態で得られた作用効果(1)(2)に加えて、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)位置ずれ検出用開口部14a〜14cの開口縁と検出パターン13a〜13cとの間隔を3段階に設定したので、位置ずれ検出用開口部14a〜14cの位置ずれ量すなわちパッド用開口部の位置ずれ量を4段階で検出することができる。
(2)検出パターン13a〜13cでNi/Auめっきされる方向を検出することにより、位置ずれ検出用開口部14a〜14cの位置ずれの方向を検出することができる。
(3)検出パターン13a,13b及び開口部14a〜14cをシート11の余白部に設けたので、各配線基板12に検出パターンを形成する必要はなく、検出パターンをレイアウトするスペースを容易に確保することができる。また、シート11の一箇所に設けた検出パターン13a〜13cでシート11上に形成される多数の配線基板12のソルダーレジスト膜15のパッド用開口部の位置ずれを検出することができる。
(第三の実施形態)
図10は、第三の実施形態を示す。この実施形態は、例えば前記第二の実施形態の検出パターン13aに対しめっき給電線を接続しないように構成した。その他の構成は、第二の実施形態と同様である。
【0047】
このような構成により、ソルダーレジスト膜15に位置ずれが生じて、検出パターン13aが開口部14aに露出する状態となっても、Ni/Auめっき工程で検出パターン13aにNi/Auめっきが施されることはない。
【0048】
しかし、開口部14aに露出される検出パターン13aは、他の部分と色調が異なるため、目視にて確認することができる。従って、開口部14aに露出される検出パターン13aを確認することにより、ソルダーレジスト膜15の位置ずれを検出することができる。
(第四の実施形態)
図11及び図12は、第四の実施形態を示す。図11は、ソルダーレジスト膜21の位置ずれ検出用開口部22及び検出パターン23を円形としたものである。
【0049】
検出パターン23は円形の内辺23aと外辺23bとを備える円形の枠状に形成され、位置ずれ検出用開口部22は内辺23aの内側に位置している。そして、位置ずれ検出用開口部22の開口縁22aと検出パターン23の内辺23a及び外辺23bとは並行に配置されて、相似形となっている。
【0050】
また、検出パターン23の内辺23aと位置ずれ検出用開口部22の開口縁との距離t6は、上記各実施形態と同様にソルダーレジスト膜21の位置ずれの許容値に設定されている。
【0051】
図12は、ソルダーレジスト膜21の位置ずれ検出用開口部24及び検出パターン25を矩形形状としたものである。
検出パターン25は内辺25a〜25dと外辺25e〜25hとを備える矩形の枠状に形成され、位置ずれ検出用開口部24は内辺25a〜25dの内側に位置している。そして、位置ずれ検出用開口部24の開口縁24a〜24dと検出パターン25の内辺25a〜25d及び外辺25e〜25hとは並行に配置されて、相似形となっている。
【0052】
また、検出パターン25の内辺25a〜25dと位置ずれ検出用開口部24の開口縁24a〜24dとの距離t7は、上記各実施形態と同様にソルダーレジスト膜21の位置ずれの許容値に設定されている。
【0053】
このような構成により、ソルダーレジスト膜21に許容値以上の位置ずれが発生すると、位置ずれ検出用開口部22,24に検出パターン23,25が露出されるので、第三の実施形態と同様に、ソルダーレジスト膜21の位置ずれを検出することができる。また、検出パターン23,25にめっき給電線を接続してもよい。
【0054】
この実施形態では、位置ずれ検出用開口部及び検出パターンを円形若しくは矩形としたが、任意の多角形としてもよい。つまり、位置ずれ検出用開口部と検出パターンとを異なる大きさの同一図形、すなわち相似図形とし、位置ずれ検出用開口部の開口縁と検出パターンとの間にソルダーレジスト膜の位置ずれの許容値を確保すればよい。
【0055】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・パッド用開口部に露出されるパッド及び位置ずれ検出用開口部に露出される検出パターンに対し、Ni/Auに代えてはんだ膜を形成してもよい。はんだ膜による銀色の検出パターンを検出することにより、上記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
・本発明において、位置ずれ検出用開口部と、位置ずれ検出用開口部の外周側に配置される検出パターンは、同一の形状(相似形)とする方がソルダーレジスト膜の位置ずれの検出確認が容易である。しかし、これに限らず、別々の形状を用いてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1,12…配線基板、2,3…パッド、4a,4b…アライメントマーク、5,16…めっき給電層(めっき給電線)、6,8,13a〜13c…検出パターン、9,15…ソルダーレジスト膜、10a〜10d…パッド用開口部、10e,10f,14a〜14c…位置ずれ検出用開口部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板と、
前記配線基板上に搭載される電子部品を電気的に接続するパッドと、位置ずれ検出用の検出パターンとを含む配線層と、
前記配線層を覆うように形成されるソルダーレジスト膜と
を備えた配線基板であって、
前記ソルダーレジスト膜は、該ソルダーレジスト膜の位置ずれを検出する位置ずれ検出用開口部と、前記パッドを露出するパッド用開口部とを有し、
前記検出パターンは、前記位置ずれ検出用開口部の外周側に位置し、前記位置ずれ検出用開口部から前記検出パターンを確認することで、前記ソルダーレジスト膜の位置ずれを検出することを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記配線層は、前記パッドに表面めっき層を形成するためのめっき給電層を含み、前記検出パターンは前記めっき給電層と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
【請求項3】
前記検出パターンは、前記位置ずれ検出用開口部の外周に枠状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の配線基板。
【請求項4】
前記検出パターン及び前記位置ずれ検出用開口部を複数設け、前記検出パターンと前記位置ずれ検出用開口部の開口端縁との間隔がそれぞれ異なっていることを特徴とする請求項1又は2記載の配線基板。
【請求項5】
前記位置ずれ検出用開口部からアライメントマークが露出され、該アライメントマークは前記検出パターン及びめっき給電層と交差して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項6】
前記検出パターンの枠状形状は、前記位置ずれ検出用開口部の開口縁と相似形であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項7】
パッドと位置ずれ検出用の検出パターンとを含む配線層を配線基板に形成し、ソルダーレジスト膜の位置ずれを検出する位置ずれ検出用開口部と前記パッドを露出するパッド用開口部とを有するソルダーレジスト膜で前記配線層を覆い、前記検出パターンを前記位置ずれ検出用開口部の外周側に位置させ、前記位置ずれ検出用開口部から前記検出パターンを確認することで、前記ソルダーレジスト膜の位置ずれを検出することを特徴とするソルダーレジスト膜の位置ずれ検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−134314(P2012−134314A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284837(P2010−284837)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】