説明

配線基板製造方法、タッチパネル式表示装置製造方法、露光装置、配線基板、タッチパネル、タッチパネル式表示装置

【課題】基板の表面と裏面に互いに異なるパターンの配線を形成できる配線基板製造方法、タッチパネル式表示装置製造方法、露光装置、配線基板、タッチパネル、タッチパネル式表示装置を提供する。
【解決手段】
直線偏光性を有する基板12の表面と裏面に、透明な導電性薄膜31a、31bと、感光性レジスト膜32a、32bとを順に形成し、感光性レジスト膜32a、32b上に、マスク37a、37bをそれぞれ配置し、マスク37a、37bに、基板12を透過しない方向に偏光された露光光を照射し、マスク37a、37bを透過した露光光を、感光性レジスト膜32a、32bにそれぞれ照射した後、現像し、現像された感光性レジスト膜32a’、32b’間に露出した導電性薄膜31a、31bを除去し、第一、第二の配線14a、14bを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板製造方法、タッチパネル式表示装置製造方法、露光装置、配線基板、タッチパネル、タッチパネル式表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、タッチパネルを指又はタッチペンで操作することにより、表示部の画像又は映像を操作することができるタッチパネル式表示装置の需要が拡大している。
タッチパネルに用いられる配線基板の構成に関しては、図8(a)〜(f)に示す第一〜第六の配線基板1111〜1116が知られている。
【0003】
図8(a)を参照し、第一の配線基板1111では、ガラス基板112の表面と裏面に第一、第二の配線114a、114bがそれぞれ形成されている。
図8(b)を参照し、第二の配線基板1112では、ガラス基板112の表面に第二の配線114bが形成され、第二の配線114b上に絶縁膜118が形成され、絶縁膜118上に第一の配線114aが形成されている。
【0004】
図8(c)を参照し、第三の配線基板1113では、表面に第一、第二の配線114a、114bが形成された二枚のガラス基板112a、112bが表面を向かい合わせて配置され、第一の配線114aと第二の配線114bとの間には絶縁膜118が配置されている。
図8(d)を参照し、第四の配線基板1114では、表面に第一、第二の配線114a、114bが形成された二枚のフィルム基板212a、212bが重ね合わされて配置されている。
【0005】
図8(e)を参照し、第五の配線基板1115では、表面に第一、第二の配線114a、114bが形成された二枚のフィルム基板212a、212bが背中合わせに配置され、第一、第二のフィルム基板212a、212bの裏面は貼り合わせ層119で互いに接着されている。
図8(f)を参照し、第六の配線基板1116では、フィルム基板212の表面と裏面に第一、第二の配線114a、114bがそれぞれ形成されている。
【0006】
第四〜第六の配線基板1114〜1116のフィルム基板212a、212b、212には、光透過性に優れるPETフィルムが多く用いられている。
フィルム基板を用いた第四〜第六の配線基板1114〜1116は、ガラス基板を用いた第一〜第三の配線基板1111〜1113に比べて軽く、柔軟性を有するという利点があるものの、フィルム基板の直線精度はガラス基板に比べて低く、露光パターンが必ずしも一直線でないため、第四、第五の配線基板1114、1115の製造工程では、貼り合わせをロール・ツー・ロール(RTR)化することができず、生産性が低いという問題があった。
【0007】
一方、第六の配線基板1116の製造工程では、貼り合わせが不要であり、かつフィルム基板の使用量を第四、第五の配線基板1114、1115に比べて減らすことができるという利点がある。
しかし、フィルム基板の表面と裏面に互いに異なる回路パターンを作成する必要があり、パターニングを行う露光工程において、表面(又は裏面)側のマスク(レチクル)を透過した紫外線が、表面(又は裏面)側の感光性レジスト膜とフィルム基板とを順に透過して、裏面(又は表面)側の感光性レジスト膜と化学反応してしまうという干渉問題が懸念されていた。
【0008】
特許文献1では、両面パターニングの露光工程における干渉問題を回避するために、表面側の感光性レジスト膜と裏面側の感光性レジスト膜との間に光を遮断する遮光層を設ける方法が開示されている。
しかし、遮光層が残留すると遮光層が陰になってディスプレイの機能が失われるため、遮光層を取り除く工程が必要になるという不都合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−198103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、従来技術より少ない工程で、基板の表面と裏面に互いに異なるパターンの配線を形成できる配線基板製造方法と、タッチパネル式表示装置製造方法と、露光装置と、配線基板と、タッチパネルと、タッチパネル式表示装置とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明は、光を透過する基板の表面と裏面に、所定パターンに形成され、光を透過する第一、第二の配線を有する配線基板を製造する配線基板製造方法であって、直線偏光性を有する前記基板の表面と裏面に、透明な第一、第二の導電性薄膜をそれぞれ形成し、前記第一、第二の導電性薄膜の表面に、第一、第二の感光性レジスト膜を形成し、前記第一、第二の感光性レジスト膜上に、第一、第二のマスクを配置し、前記第一、第二のマスクに、前記基板を透過しない方向に偏光された第一、第二の露光光を照射し、前記第一、第二のマスクを透過した前記第一、第二の露光光を、前記第一、第二の感光性レジスト膜にそれぞれ照射し、前記第一、第二の感光性レジスト膜の、前記第一、第二の露光光が照射された部分を化学変化させた後、現像し、前記現像された前記第一、第二の感光性レジスト膜間に露出した前記第一、第二の導電性薄膜を除去し、前記第一、第二の配線を形成する配線基板製造方法である。
本発明は配線基板製造方法であって、前記第一、第二の感光性レジスト膜を形成する前に、透明なフィルムを一軸延伸して前記基板を形成する配線基板製造方法である。
本発明は配線基板製造方法であって、前記第一、第二の感光性レジスト膜を形成する前に、透明な基板本体の表面に直線偏光性を有する偏光膜を貼り付けて前記基板を形成する配線基板製造方法である。
本発明は配線基板製造方法であって、前記第一、第二のマスクに前記第一、第二の露光光を照射する工程では、発光部から放射された光を、偏光面が互いに直交する主偏光光と副偏光光とに分離し、前記主偏光光と前記副偏光光のうちいずれか一方の偏光面を90°変換して他方の偏光面と一致させ、前記第一、第二の露光光を生成する配線基板製造方法である。
本発明は、光を透過する基板の表面と裏面に、所定パターンに形成され、光を透過する第一、第二の配線を有する配線基板と、光源上に配置され、透過軸が互いに直交する第一、第二の偏光板の間に配置された液晶部を有する表示部と、を有し、前記配線基板は前記表示部の前記第二の偏光板上に配置され、前記光源からの光が前記表示部と前記配線基板とを順に透過して外部に放出されるタッチパネル式表示装置を製造するタッチパネル表示装置製造方法であって、直線偏光性を有する前記基板の表面と裏面に、透明な第一、第二の導電性薄膜をそれぞれ形成し、前記第一、第二の導電性薄膜の表面に、第一、第二の感光性レジスト膜を形成し、前記第一、第二の感光性レジスト膜上に、第一、第二のマスクを配置し、前記第一、第二のマスクに、前記基板を透過しない方向に偏光された第一、第二の露光光を照射し、前記第一、第二のマスクを透過した前記第一、第二の露光光を、前記第一、第二の感光性レジスト膜にそれぞれ照射し、前記第一、第二の感光性レジスト膜の、前記第一、第二の露光光が照射された部分を化学変化させた後、現像し、前記現像された前記第一、第二の感光性レジスト膜間に露出した前記第一、第二の導電性薄膜を除去し、前記第一、第二の配線を形成した後、前記基板の透過軸を前記第二の偏光板の透過軸と平行に向けた状態で、前記配線基板を前記表示部の前記第二の偏光板上に配置するタッチパネル式表示装置製造方法である。
本発明はタッチパネル式表示装置製造方法であって、前記第一、第二の感光性レジスト膜を形成する前に、透明なフィルムを一軸延伸して前記基板を形成するタッチパネル式表示装置製造方法である。
本発明はタッチパネル式表示装置製造方法であって、前記第一、第二の感光性レジスト膜を形成する前に、透明な基板本体の表面に直線偏光性を有する偏光膜を貼り付けて前記基板を形成するタッチパネル式表示装置製造方法である。
本発明はタッチパネル式表示装置製造方法であって、前記第一、第二のマスクに前記第一、第二の露光光を照射する工程では、発光部から放射された光を、振動方向が互いに直交する主偏光光と副偏光光に分離し、前記主偏光光と前記副偏光光のうちいずれか一方の偏光面を90°変換して他方の偏光面と一致させ、前記第一、第二の露光光を生成するタッチパネル式表示装置製造方法である。
本発明は、第一、第二のマスクを保持する第一、第二のマスク保持部と、前記第一、第二のマスク保持部の間に配置され、処理対象物を保持する基板保持部と、前記第一、第二のマスク保持部に保持された前記第一、第二のマスクに、同一方向に直線偏光された第一、第二の露光光を照射する第一、第二の照明部と、を有する露光装置である。
本発明は露光装置であって、前記第一、第二の照明部は、光を放射する発光部と、前記発光部からの光を、振動方向が互いに直交する主偏光光と副偏光光に分離する偏光分離部と、前記主偏光光と前記副偏光光のうちいずれか一方の偏光面を90°変換して他方の偏光面と一致させる複屈折素子と、をそれぞれ有する露光装置である。
本発明は、光を透過する基板と、前記基板の表面に配置され、光を透過する第一の配線と、前記基板の裏面に配置され、光を透過する第二の配線と、を有する配線基板であって、前記基板は直線偏光性を有する配線基板である。
本発明は配線基板であって、前記基板は、一軸延伸されたフィルムである配線基板である。
本発明は配線基板であって、前記基板は、透明な基板本体と、前記基板本体の表面に配置され、直線偏光性を有する偏光膜と、を有する配線基板である。
本発明は、前記配線基板と、前記基板の表面に、前記第一の配線の表面を覆って配置された、透明な絶縁物からなる第一の保護膜と、前記基板の裏面に、前記第二の配線の表面を覆って配置された、透明な絶縁物からなる第二の保護膜と、前記第一、第二の配線間の静電容量の変化を検出する制御装置と、を有するタッチパネルである。
本発明は、前記タッチパネルと、光を放射する表示部とを有し、前記表示部は、光源と、前記光源上に配置され、直線偏光性を有する第一の偏光板と、前記第一の偏光板上に、前記第一の偏光板と離間して配置され、直線偏光性を有する第二の偏光板と、前記第一の偏光板と前記第二の偏光板との間に配置された、光透過性を有する液晶部と、前記液晶部に電圧を印加する電源とを有し、前記第二の偏光板の透過軸は、前記第一の偏光板の透過軸に対して直交する向きに向けられ、前記配線基板は、前記基板の透過軸が前記第二の偏光板の透過軸に平行に向けられた状態で、前記第二の偏光板上に配置されたタッチパネル式表示装置である。
【発明の効果】
【0012】
基板の表面と裏面に互いに異なるパターンの配線を形成できるため、表面のみに配線が形成された二枚の基板を貼り合わせる従来の方法に比べて、配線基板の製造に必要な基板の使用量を減らすことができる。
遮光層を設ける従来の方法より少ない工程で、基板の表面と裏面に互いに異なるパターンの配線を形成できるため、配線基板の生産効率が上がる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)〜(e):本発明の配線基板製造方法を説明するための図
【図2】(a)、(b):基板形成工程を説明するための図
【図3】(a)、(b):エッチング工程と保護膜形成工程を説明するための図
【図4】本発明のタッチパネル式表示装置の内部構成図
【図5】(a):本発明のタッチパネルの第一の配線側の平面図 (b):単位検出部の平面図
【図6】本発明の露光装置の内部構成図
【図7】本発明の露光装置内に処理対象物と第一、第二のマスクとを配置した状態を説明するための図
【図8】(a)〜(f):タッチパネルに用いられる配線基板の構成を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<タッチパネル式表示装置の構造>
本発明のタッチパネル式表示装置の構造を説明する。
図4はタッチパネル式表示装置2の内部構成図である。
タッチパネル式表示装置2は、光を放射する表示部20と、表示部20上に配置された本発明のタッチパネル10とを有している。
【0015】
本実施例では、表示部20は、光源22と、光源22からの光を透過・遮蔽するシャッター23とを有しており、シャッター23は、第一、第二の偏光板24a、24bと、第一の偏光板24aと第二の偏光板24bとの間に配置された液晶部26と、液晶部26に電圧を印加する電源27とを有している。
【0016】
第一、第二の偏光板24a、24bは、透過軸を有し、偏光面が透過軸に平行な直線偏光光のみを透過させるようになっている。第一の偏光板24aは光源22上に配置され、第二の偏光板24bは第一の偏光板24a上に、第一の偏光板24aと離間して平行に対面して配置され、第二の偏光板24bの透過軸は第一の偏光板24aの透過軸に対して直交する向きに向けられている。
【0017】
液晶部26は、光透過性を有しており、電源27から電圧を印加されていない状態では、光源22から放射され、第一の偏光板24aを透過した光の偏光方向を90°回転させるようになっている。従って、光源22から放射されて第一の偏光板24aと液晶部26とを順に透過した光の偏光方向は、第二の偏光板24bの透過軸と平行であり、第二の偏光板24bを透過する。すなわち、液晶部26に電圧が印加されていない状態では、シャッター23は開いた状態になっている。
【0018】
一方、液晶部26は、電源27から電圧を印加された状態では、第一の偏光板24aを透過した光の偏光方向をそのまま維持するようになっている。従って、光源22から放射されて第一の偏光板24aと液晶部26を透過した光の偏光方向は、第二の偏光板24bの透過軸に対して直交しており、第二の偏光板24bで遮断される。すなわち、液晶部26に電圧印加された状態では、シャッター23は閉じた状態になっている。
【0019】
本発明のタッチパネル10は、光を透過する基板12の表面と裏面に、互いに異なる所定パターンに形成され、光を透過する第一、第二の配線14a、14bを有する配線基板11と、第一、第二の保護膜16a、16bと、第一、第二の配線14a、14b間の静電容量の変化を検出する制御装置17とを有している。
第一、第二の保護膜16a、16bは透明な絶縁物からなり、基板12の表面と裏面に、第一、第二の配線14a、14bの表面を覆ってそれぞれ配置されている。
【0020】
図5(a)は、本発明のタッチパネル10の第一の配線14a側の平面図である。
第一、第二の配線14a、14bは、直線状に延ばされた単位検出部18をそれぞれ複数個有している。各配線14a、14bでは、単位検出部18は互いに平行に配置されており、隣り合う二個の単位検出部18は互いに離間されている。
第一の配線14aの単位検出部18が延びる方向と、第二の配線14bの単位検出部18が延びる方向とは、基板12表面上で、互いに交差する向きに向けられている。
【0021】
制御装置17は、各単位検出部18に電気的に接続されており、本実施例では、第一の配線14aの各単位検出部18に順に駆動電圧を印加して、第二の配線14bの各単位検出部18に流れる電流値を測定できるようになっている。
【0022】
配線基板11上に外部導体(例えば指又はタッチペン)が接触すると、接触部分の真下に位置する第一の配線14aの単位検出部18と外部導体との間にコンデンサが形成され、接触部分の真下に位置する第一の配線14aの単位検出部18と第二の配線14bの単位検出部18との間の静電容量が実質的に減少する。接触部分の真下に位置する第一の配線14aの単位検出部18に駆動電圧を印加すると、接触部分の真下に位置する第二の配線14bの単位検出部18に流れる電流値は、外部導体が接触していない状態の電流値である基準値より減少する。制御装置17は、第一の配線14aの単位検出部18に順に駆動電圧を印加しながら、第二の配線14bの単位検出部18に流れる電流値を基準値と比較して、変化量の最も大きい単位検出部18を特定することにより、接触部分の真下に位置する第一の配線14aの単位検出部18と第二の配線14bの単位検出部18とを特定する。特定された第一、第二の配線14a、14bの単位検出部18の交差位置から、接触部分の配線基板11上の位置が特定される。
【0023】
ここでは、単位検出部18は、図5(b)に示すように、直線状のライン部18aと、ライン部18a上に互いに離間して等間隔に設けられた複数の平面状のパット部18bとを有している。ここでは、パット部18bは四角形であり、一の対角線とライン部18aとが一致する向きに向けられて配置されているが、パット部18bの平面形状はこれに限定されず、三角形でもよいし、四角形であって、対向する二辺の各中点を結ぶ線分とライン部18aとが一致する向きに向けられて配置されていてもよい。
【0024】
図5(a)に示すように、第一、第二の配線14a、14bの単位検出部18のライン部18aは、互いに直交する向きに延ばされ、第一の配線14aの単位検出部18のパット部18bは、配線基板11を第一の配線14a側から見たときに、それぞれ重ならないように、第二の配線14bの単位検出部18のパット部18bの隙間を埋めて配置されている。
【0025】
そのため、配線基板11を第一の配線14a側から見たときに、単位検出部18が位置する範囲の光透過率は、単位検出部18の外側の隙間部分の光透過率とは異なるものの、隙間部分は狭くされており目立たず、配線基板11の表面内で光透過率が均一になるようにされている。
【0026】
また、配線基板11上に外部導体が接触したときに、接触部分の真下には、単位検出部18が配置されていないということがなく、少なくとも二以上の単位検出部18が配置されるようになり、接触面積が大きいと静電容量の変化が大きく、単位検出部18を流れる電流値の基準値からの変化が大きくなるため、基準値からの変化を検知できないという制御装置17の感応ミスを防ぐことができる。
【0027】
本発明の配線基板11では、基板12は直線偏光性を有している。ここでは、基板12は、一軸延伸された透明なフィルムであり、この一軸延伸方向に対して直交する方向に透過軸を有している。すなわち、基板12は、偏光面がこの透過軸に対して平行な直線偏光光のみを透過させるようになっている。
【0028】
なお、基板12は直線偏光性を有するならば、一軸延伸された透明なフィルムに限定されず、図2(b)を参照し、直線偏光性を持たない透明な基板本体12’の表面又は裏面のいずれか一方に直線偏光性を有する偏光膜13が貼り付けられたものも本発明に含まれる。
【0029】
図4を参照し、本発明では、配線基板11は、基板12の透過軸が第二の偏光板24bの透過軸と平行に向けられた状態で、表示部20の第二の偏光板24b上に配置されている。
表示部20の光源22から放出された光は、液晶部26に電圧が印加されていると、第一の偏光板24aと液晶部26と第二の偏光板24bとを順に透過した後、第二の保護膜16bを透過して、又は第二の保護膜16bと第二の配線14bとを順に透過して、基板12に入射する。ここで、第二の偏光板24bを透過した光は、偏光面が第二の偏光板24bの透過軸と平行な直線偏光光であり、すなわち偏光面が基板12の透過軸と平行である。そのため、入射した光は基板12を透過して、第一の保護膜16aを透過し、又は第一の配線14aと第一の保護膜16aとを順に透過して、外部に放出されるようになっている。
【0030】
なお、表示部20は、上述のような液晶表示装置に限られるものではなく、有機ELやCRTなどでもよい。
表示部20上には、画像又は映像が表示されるようになっており、このタッチパネル式表示装置2では、配線基板11上の位置と表示部20上の位置とが予め対応するようになっている。
【0031】
本実施例では、図5(a)を参照し、第一の配線14aの単位検出部18と、第二の配線14bの単位検出部18とは、互いに直交する方向に延ばされており、第一の配線14aの単位検出部18と直交する方向をX軸方向19aとし、第二の配線14bの単位検出部18と直交する方向をY軸方向19bとし、原点を表示部20上の所定位置に定めて、配線基板11上に(X、Y)座標系が設定されている。制御装置17には、第一の配線14aの各単位検出部18の配置位置と各X座標値とは一対一に対応づけられて記憶され、第二の配線14bの各単位検出部18の配置位置と各Y座標値とは一対一に対応づけられて記憶されている。
【0032】
このタッチパネル式表示装置2の使用者は、指又はタッチペンでタッチパネル10を操作することにより、表示部20上の画像又は映像を操作することができるようになっている。
上述の説明では、基板12は直線偏光性を有していたが、円偏光性を有する基板も本発明に含まれる。
【0033】
<露光装置の構造>
後述するタッチパネル式表示装置製造方法の露光工程で用いる本発明の露光装置の構造を説明する。
【0034】
図6は露光装置40の内部構成図である。
露光装置40は、筐体43と、筐体43内に配置され、第一、第二のマスクを保持する第一、第二のマスク保持部53a、53bと、第一のマスク保持部53aと第二のマスク保持部53bとの間に配置され、処理対象物を保持する基板保持部57と、第一、第二のマスク保持部53a、53bに保持された第一、第二のマスクに、同一方向に直線偏光された第一、第二の露光光を照射する第一、第二の照明部41a、41bとを有している。
【0035】
図7を参照し、処理対象物30と第一、第二のマスク37a、37bとを、基板保持部57と第一、第二のマスク保持部53a、53bとに保持させると、第一のマスク37aは処理対象物30の表面と対面し、第二のマスク37bは処理対象物30の前記表面とは逆の裏面と対面するようになっている。
【0036】
第一、第二の照明部41a、41bは、光を放射する発光部61a、61bと、発光部61a、61bからの光を、振動方向が互いに直交する主偏光光と副偏光光に分離する偏光分離部62a、62bと、主偏光光と副偏光光のうちいずれか一方の偏光面を90°変換して他方の偏光面と一致させる複屈折素子63a、63bとをそれぞれ有している。
【0037】
ここでは偏光分離部62a、62bは偏光ビームスプリッタアレイ(PBS)であり、平行四辺形状のプリズムが複数個、斜面同士を交互に貼り合わされて構成されている。複屈折素子63a、63bは半波長板である。
【0038】
偏光分離部62a、62bに入射した光はプリズムの斜面で、S偏光光とP偏光光とに分離される。ここではS偏光光を主偏光光とし、P偏光光を副偏光光とし、複屈折素子63a、63bは副偏光光の光路上に配置されており、副偏光光は複屈折素子63a、63bを通過する間に偏光面が90°回転されて、偏光面が主偏光光の偏光面と一致する。
【0039】
偏光分離部62a、62bで分離された主偏光光と、偏光分離部62a、62bで分離され、複屈折素子63a、63bで偏光面が90°回転された副偏光光とから、同一方向に直線偏光された第一、第二の露光光が生成されるようになっている。
【0040】
第一の照明部41aと第一のマスク37aとの間と、第二の照明部41bと第二のマスク37bとの間に、直線偏光性を有する偏光フィルタ(不図示)を、その透過軸が第一、第二の露光光の偏光面と平行に向く向きでそれぞれ配置してもよい。第一、第二の露光光が偏光フィルタを透過することにより、第一、第二の露光光の偏光面の単一性をより強くできる。
【0041】
上述の偏光分離部62a、62bと複屈折素子63a、63bとを省略して、偏光フィルタのみで発光部61a、61bからの光を直線偏光させてもよいが、この構成では、発光部61a、61bからの光が偏光フィルタで減光されて効率が悪く、かつ偏光フィルタが光を吸収して発熱し、偏光フィルタを冷却するための装置が必要になるため、偏光分離部62a、62bと複屈折素子63a、63bとを有する構成が好ましい。
【0042】
<タッチパネル式表示装置の製造方法>
本発明であるタッチパネル式表示装置2の製造方法を説明する。
(基板形成工程)
まず、図2(a)を参照し、直線偏光性を有する透明な基板12を用意する。
【0043】
本実施例では、透明なフィルムに有機系染料などの染料分子を染色・吸着させたのち、筒状の回転ローラなどで一方向に引き伸ばして一軸延伸させ、染料分子をこの一軸延伸方向に沿って規則的に並べて、一軸延伸方向と直交する方向に透過軸を有する基板12を形成する。
【0044】
なお、図2(b)を参照し、直線偏光性を持たない透明な基板本体12’の表面に、直線偏光性を有する偏光膜13(例えば上述の一軸延伸されたフィルム)を貼り付けて、直線偏光性を有する基板12を形成してもよい。
【0045】
(導電性薄膜形成工程)
次いで、図1(a)を参照し、基板12の表面と裏面に、透明な第一、第二の導電性薄膜31a、31bをそれぞれ形成する。
【0046】
ここでは、真空雰囲気中に、酸素ガスを流しながら、ITOのターゲットをスパッタして、スパッタ粒子を基板12の表面と裏面にそれぞれ到達させ、基板12の表面と裏面にITOの薄膜である第一、第二の導電性薄膜31a、31bをそれぞれ形成する。
なお、第一、第二の導電性薄膜31a、31bの材質は、透明な導電性物質であればITOに限定されるものではない。
【0047】
(感光性レジスト膜形成工程)
次いで、図1(b)を参照し、第一、第二の導電性薄膜31a、31bの表面に、液体状の感光性樹脂を塗布して、感光性樹脂の薄膜からなる第一、第二の感光性レジスト膜32a、32bを形成する。
【0048】
本実施例では、第一、第二の感光性レジスト膜32a、32bにはポジ型フォトレジストを用いるが、本発明はこれに限定されず、ネガ型フォトレジストを用いてもよい。
以下では、第一、第二の感光性レジスト膜32a、32bが形成された処理対象物に符号30を付して示す。
【0049】
(露光工程)
第一、第二の感光性レジスト膜32a、32bを形成した後、図7を参照し、処理対象物30を、露光装置40の筐体43内に搬入し、基板12の透過軸が第一、第二の照明部41a、41bから放出される第一、第二の露光光の偏光面と直交する向きに向けた状態で、基板保持部57に保持させる。
【0050】
次いで、第一、第二のマスク37a、37bを筐体43内に搬入し、第一、第二のマスク保持部53a、53bにそれぞれ保持させる。
第一、第二のマスク37a、37bは、光を透過する透光部36a、36bと、光を遮蔽する遮光部35a、35bとをそれぞれ有している。ここでは、第一、第二のマスク37a、37bは、表面上に互いに異なる所定のパターン(第一、第二の配線と同じパターン)でパターニングされたクロム膜が配置されたガラス基板であり、透光部36a、36bはガラス基板であり、遮光部35a、35bはクロム膜である。
【0051】
第一、第二のマスク37a、37bには、予め、互いのパターンの相対位置が第一、第二の配線の相対位置と一致するような所定の相対位置が定められており、この相対位置に配置されたときに第一、第二のマスク37a、37bの互いに重なりあう部分には、不図示のアライメントマークがそれぞれ設けられている。
【0052】
本実施例では、露光装置40は、第一、第二のマスク37a、37bの相対位置を位置合わせする位置合わせ装置50を有している。
位置合わせ装置50は、第一、第二のマスク保持部53a、53bを移動させるモーター55a、55bと、第一、第二のマスク保持部53a、53bの位置を観測するカメラ51a、51bと、カメラ51a、51bの観測結果に基づいて、第一、第二のマスク保持部53a、53bの移動量を決定する制御装置59とを有している。
【0053】
カメラ51a、51bは、ここでは第一、第二のマスク37a、37b上のアライメントマークを観測できる位置に配置されており、各アライメントマークをそれぞれ観測する。
制御装置59はカメラ51a、51bの観測結果に基づいて、第一のマスク37aのアライメントマークと第二のマスク37bのアライメントマークとの相対位置の誤差量を測定し、モーター55a、55bに制御信号を送って、誤差量がゼロになるように、第一、第二のマスク保持部53a、53bに保持された第一、第二のマスク37a、37bを相対的に移動させて位置合わせする。
【0054】
第一、第二のマスク37a、37bを位置合わせした後、第一、第二の照明部41a、41bから第一、第二のマスク37a、37bに第一、第二の露光光を照射させる。ここでは第一、第二の露光光は直線偏光された紫外線である。
【0055】
本実施例では、第一の露光光の照射と第二の露光光の照射とを同時に開始するが、第一の露光光の照射を開始した後で第二の露光光の照射を開始してもよいし、第二の露光光の照射を開始した後で第一の露光光の照射を開始してもよい。
第一、第二の露光光の照射期間を少なくとも一部重ねる方が、第一、第二の露光光の照射期間を分離するよりも、露光工程に要する時間を短縮できるため好ましい。
【0056】
第一、第二のマスク37a、37bのうち、遮光部35a、35bに入射する光は遮断され、透光部36a、36bに入射する光は透過して第一、第二の感光性レジスト膜32a、32bに入射する。
【0057】
ここでは、第一、第二の感光性レジスト膜32a、32bは光分解性樹脂(ポジ型フォトレジスト)からなり、図1(c)を参照し、光が照射された部分33a、33bは分解して現像液に可溶になり、光が照射されなかった部分34a、34bは分解せず、現像液に不溶である。
【0058】
第一、第二の感光性レジスト膜32a、32bに入射する光の一部は、第一、第二の感光性レジスト膜32a、32bに吸収され、他の部分は第一、第二の感光性レジスト膜32a、32bを通過して、第一、第二の導電性薄膜31a、31bに入射する。
【0059】
第一、第二の導電性薄膜31a、31bは透明であり、光は第一、第二の導電性薄膜31a、31bを透過して、基板12に入射するが、第一、第二の露光光の偏光面は基板12の透過軸と直交しており、第一、第二の露光光は基板12で遮断される。
そのため、第一の露光光が基板12を透過して第二の感光性レジスト膜32bを分解したり、第二の露光光が基板12を透過して第一の感光性レジスト膜32aを分解することはない。
【0060】
なお、基板12が右回り(又は左回り)の円偏光性を有する場合には、基板12を透過しない方向、すなわち左回り(又は右回り)に円偏光された第一、第二の露光光を第一、第二のマスク37a、37bに照射して、第一、第二の感光性レジスト膜32a、32bを露光してもよい。
【0061】
(現像工程)
露光された処理対象物30を現像液に浸漬させて、現像すると、第一、第二の感光性レジスト膜32a、32bのうち、露光光が照射された部分33a、33bは現像液に溶解して除去され、露光光が照射されなかった部分34a、34bは現像液に溶解せずにそのまま残り、図1(d)を参照し、第一、第二のマスク37a、37bのパターンと同じパターンのレジスト膜が形成される。現像された第一、第二の感光性レジスト膜に符号32a’、32b’を付して示す。
【0062】
その後、処理対象物30を現像液から取り出し、処理対象物30に付着した現像液がなくなるまで純水で洗浄する。第一、第二の感光性レジスト膜32a、32bの一部が現像液に溶解して除去されたことにより、第一、第二の導電性薄膜31a、31bの表面の一部が露出する。
【0063】
(エッチング工程)
次いで、図1(e)を参照し、現像された第一の感光性レジスト膜32a’間に露出した第一の導電性薄膜31aと、現像された第二の感光性レジスト膜32b’間に露出した第二の導電性薄膜32bとをエッチングして除去し、現像された第一、第二の感光性レジスト膜32a’、32b’のパターンと同じパターンにパターニングされた前記第一、第二の配線14a、14bを形成する。
【0064】
次いで、現像された第一、第二の感光性レジスト膜32a’、32b’を溶解する溶液に処理対象物を浸漬すると、図3(a)を参照し、現像された第一、第二の感光性レジスト膜32a’、32b’が除去される。その後、処理対象物を溶液から取り出して、処理対象物に付着した溶液がなくなるまで純水で洗浄する。現像された第一、第二の感光性レジスト膜32a’、32b’が除去されたことにより、パターニングされた第一、第二の配線14a、14bが露出する。
【0065】
(保護膜形成工程)
次いで、図3(b)を参照し、第一、第二の配線14a、14bが露出しないように、基板12の表面と裏面に透明な絶縁物からなる第一、第二の保護膜16a、16bを形成し、配線基板11を完成させる。
【0066】
(組み立て工程)
次いで、図4を参照し、基板12の透過軸を第二の偏光板24bの透過軸と平行に向けた状態で、配線基板11を表示部20の第二の偏光板24b上に配置し、配線基板11に制御装置17を接続して、タッチパネル式表示装置2を完成させる。
【0067】
本発明の製造方法によると、基板12の表面と裏面に互いに異なるパターンの第一、第二の配線14a、14bを形成できるため、表面のみに配線が形成された二枚の基板を貼り合わせる従来の方法に比べて、配線基板11の製造に必要な基板12の使用量を減らすことができる。
また、遮光層を設ける従来の方法より少ない工程で、基板12の表面と裏面に互いに異なるパターンの配線14a、14bを形成できるため、配線基板11の生産効率が高くなっている。
【符号の説明】
【0068】
2……タッチパネル式表示装置
10……タッチパネル
11……配線基板
12……基板
12’……基板本体
13……偏光膜
14a、14b……第一、第二の配線
16a、16b……第一、第二の保護膜
20……表示部
22……光源
24a、24b……第一、第二の偏光板
26……液晶部
31a、31b……第一、第二の導電性薄膜
32a、32b……第一、第二の感光性レジスト膜
37a、37b……第一、第二のマスク
32a’、32b’……現像された第一、第二の感光性レジスト膜
40……露光装置
41a、41b……第一、第二の照明部
53a、53b……第一、第二のマスク保持部
57……基板保持部
61a、61b……発光部
62a、62b……偏光分離部
63a、63b……複屈折素子


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を透過する基板の表面と裏面に、所定パターンに形成され、光を透過する第一、第二の配線を有する配線基板を製造する配線基板製造方法であって、
直線偏光性を有する前記基板の表面と裏面に、透明な第一、第二の導電性薄膜をそれぞれ形成し、
前記第一、第二の導電性薄膜の表面に、第一、第二の感光性レジスト膜を形成し、
前記第一、第二の感光性レジスト膜上に、第一、第二のマスクを配置し、
前記第一、第二のマスクに、前記基板を透過しない方向に偏光された第一、第二の露光光を照射し、前記第一、第二のマスクを透過した前記第一、第二の露光光を、前記第一、第二の感光性レジスト膜にそれぞれ照射し、
前記第一、第二の感光性レジスト膜の、前記第一、第二の露光光が照射された部分を化学変化させた後、現像し、
前記現像された前記第一、第二の感光性レジスト膜間に露出した前記第一、第二の導電性薄膜を除去し、前記第一、第二の配線を形成する配線基板製造方法。
【請求項2】
前記第一、第二の感光性レジスト膜を形成する前に、透明なフィルムを一軸延伸して前記基板を形成する請求項1記載の配線基板製造方法。
【請求項3】
前記第一、第二の感光性レジスト膜を形成する前に、透明な基板本体の表面に直線偏光性を有する偏光膜を貼り付けて前記基板を形成する請求項1記載の配線基板製造方法。
【請求項4】
前記第一、第二のマスクに前記第一、第二の露光光を照射する工程では、発光部から放射された光を、偏光面が互いに直交する主偏光光と副偏光光とに分離し、前記主偏光光と前記副偏光光のうちいずれか一方の偏光面を90°変換して他方の偏光面と一致させ、前記第一、第二の露光光を生成する請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の配線基板製造方法。
【請求項5】
光を透過する基板の表面と裏面に、所定パターンに形成され、光を透過する第一、第二の配線を有する配線基板と、
光源上に配置され、透過軸が互いに直交する第一、第二の偏光板の間に配置された液晶部を有する表示部と、
を有し、前記配線基板は前記表示部の前記第二の偏光板上に配置され、前記光源からの光が前記表示部と前記配線基板とを順に透過して外部に放出されるタッチパネル式表示装置を製造するタッチパネル表示装置製造方法であって、
直線偏光性を有する前記基板の表面と裏面に、透明な第一、第二の導電性薄膜をそれぞれ形成し、
前記第一、第二の導電性薄膜の表面に、第一、第二の感光性レジスト膜を形成し、
前記第一、第二の感光性レジスト膜上に、第一、第二のマスクを配置し、
前記第一、第二のマスクに、前記基板を透過しない方向に偏光された第一、第二の露光光を照射し、前記第一、第二のマスクを透過した前記第一、第二の露光光を、前記第一、第二の感光性レジスト膜にそれぞれ照射し、
前記第一、第二の感光性レジスト膜の、前記第一、第二の露光光が照射された部分を化学変化させた後、現像し、
前記現像された前記第一、第二の感光性レジスト膜間に露出した前記第一、第二の導電性薄膜を除去し、前記第一、第二の配線を形成した後、
前記基板の透過軸を前記第二の偏光板の透過軸と平行に向けた状態で、前記配線基板を前記表示部の前記第二の偏光板上に配置するタッチパネル式表示装置製造方法。
【請求項6】
前記第一、第二の感光性レジスト膜を形成する前に、透明なフィルムを一軸延伸して前記基板を形成する請求項5記載のタッチパネル式表示装置製造方法。
【請求項7】
前記第一、第二の感光性レジスト膜を形成する前に、透明な基板本体の表面に直線偏光性を有する偏光膜を貼り付けて前記基板を形成する請求項5記載のタッチパネル式表示装置製造方法。
【請求項8】
前記第一、第二のマスクに前記第一、第二の露光光を照射する工程では、発光部から放射された光を、振動方向が互いに直交する主偏光光と副偏光光に分離し、前記主偏光光と前記副偏光光のうちいずれか一方の偏光面を90°変換して他方の偏光面と一致させ、前記第一、第二の露光光を生成する請求項5乃至請求項7のいずれか1項記載のタッチパネル式表示装置製造方法。
【請求項9】
第一、第二のマスクを保持する第一、第二のマスク保持部と、
前記第一、第二のマスク保持部の間に配置され、処理対象物を保持する基板保持部と、
前記第一、第二のマスク保持部に保持された前記第一、第二のマスクに、同一方向に直線偏光された第一、第二の露光光を照射する第一、第二の照明部と、
を有する露光装置。
【請求項10】
前記第一、第二の照明部は、
光を放射する発光部と、
前記発光部からの光を、振動方向が互いに直交する主偏光光と副偏光光に分離する偏光分離部と、
前記主偏光光と前記副偏光光のうちいずれか一方の偏光面を90°変換して他方の偏光面と一致させる複屈折素子と、
をそれぞれ有する請求項9記載の露光装置。
【請求項11】
光を透過する基板と、
前記基板の表面に配置され、光を透過する第一の配線と、
前記基板の裏面に配置され、光を透過する第二の配線と、
を有する配線基板であって、
前記基板は直線偏光性を有する配線基板。
【請求項12】
前記基板は、一軸延伸されたフィルムである請求項11記載の配線基板。
【請求項13】
前記基板は、透明な基板本体と、前記基板本体の表面に配置され、直線偏光性を有する偏光膜と、を有する請求項11記載の配線基板。
【請求項14】
請求項11乃至請求項13記載の配線基板と、
前記基板の表面に、前記第一の配線の表面を覆って配置された、透明な絶縁物からなる第一の保護膜と、
前記基板の裏面に、前記第二の配線の表面を覆って配置された、透明な絶縁物からなる第二の保護膜と、
前記第一、第二の配線間の静電容量の変化を検出する制御装置と、
を有するタッチパネル。
【請求項15】
請求項14記載のタッチパネルと、
光を放射する表示部とを有し、
前記表示部は、
光源と、
前記光源上に配置され、直線偏光性を有する第一の偏光板と、
前記第一の偏光板上に、前記第一の偏光板と離間して配置され、直線偏光性を有する第二の偏光板と、
前記第一の偏光板と前記第二の偏光板との間に配置された、光透過性を有する液晶部と、
前記液晶部に電圧を印加する電源とを有し、
前記第二の偏光板の透過軸は、前記第一の偏光板の透過軸に対して直交する向きに向けられ、
前記配線基板は、前記基板の透過軸が前記第二の偏光板の透過軸に平行に向けられた状態で、前記第二の偏光板上に配置されたタッチパネル式表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−89150(P2013−89150A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231325(P2011−231325)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】