説明

酢酸カルシウムの液体組成物

本発明は、酢酸カルシウム、甘味料、及び味覚遮蔽剤の水性液体組成物に関する。また、個体に少なくとも酢酸カルシウムの水溶液を投与することにより個体の消化管内部でリンを結合する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年7月21日に出願された米国出願第60/832,093号に基づく優先権を主張すると共に、参照によりその全てを本願に引用する。
【0002】
本発明は、酢酸カルシウム、甘味料、及び味覚遮蔽剤の水性液体組成物、並びに個体に少なくとも酢酸カルシウムの水溶液を投与することにより個体の消化管内部でリンを結合する方法を提供することに関する。
【背景技術】
【0003】
製薬産業における研究及び開発努力の最大の焦点は、許容可能な経口医薬組成物の製剤化である。より具体的には、これらの努力は、消費者にとって口当たりのよい経口薬を作ることに集約される。当該分野の製薬業者の関心事の中で最重要なのは、口当たりがよく、同時に効果のある薬剤の開発である。問題となっている薬剤が末期疾患のケースで患者の病状を改善する又はそれらの症候を軽減することを目的とする場合、これらの研究努力は最も重要となる。慢性腎不全のような腎臓病は、そのような疾患の代表例である。
【0004】
慢性腎不全の場合、高リン酸血症(又はリン過剰滞留)は、続発性副甲状腺機能亢進症及び骨形成異常症を発生させる主な一因となる。一般的には制酸薬又は処方薬を使用して、食餌性リンと結合させ、それにより消化管内へのリン吸収を阻害することで高リン酸血症を管理又は抑制している。
【0005】
リン結合剤は、胃及び腸内でリンイオン形態のリンと結合する。このプロセスは、食餌性リンと結合化合物中の陽イオン間の化学反応によって生じると考えられる。本反応は、不溶性の、それ故非吸収性のリン化合物の形成をもたらす。いくつかのリン結合剤の陽イオンには、アルミニウム又はカルシウムがある。リンと結合するそれらの能力にかかわらず、患者は、効果を得るために多量の制酸剤を長期間にわたって服用しなければならない。したがって、剤サイズや口当たりの良さは、慢性腎臓病の患者にとって特に重要である。
【0006】
高リン酸血症を管理又は予防するのに効果的な処方薬は、通常酢酸カルシウムを含んでいる。酢酸カルシウム療法は、慢性腎臓病の最も効果的な管理方法の一つである。酢酸カルシウムを経口的に投与した場合、リンと結合する他のどのカルシウム含有結合剤よりも効果的である。単独で又は他の原料と組み合わせて使用すると、酢酸カルシウムは、消化管内でリンと結合し、血流中に吸収される摂取したリンの(すなわち、所与のリン「投与量」の)パーセンテージを減じる。本化合物は、食事時間に合わせて投与する場合に、リン吸収を減じる上で最も効果的である。これらの利益にもかかわらず、これまでに当該分野で知られている酢酸カルシウム療法は、その欠点を避けては通れなかった。
【0007】
酢酸カルシウムは固体であって、今までに丸剤や錠剤のような様々な固体剤形で処方されている。例えば、特許文献1〜3を参照されたい。しかし、酢酸カルシウムの剤形は、倍加した臨床的なジレンマを、特に透析患者(酢酸カルシウムで治療をしている患者集団のかなりの割合を占める)に対して露呈する。まず、末期腎臓病のような腎臓病に罹患し得る透析患者にとって、前記固体剤形は、そのバルクサイズが原因で飲み込みにくいことが判明している。前記患者は酢酸カルシウムの多量の服用を必要としており、その結果、数多くの丸剤を飲み込まなければならないので、この問題は深刻である。さらに、上記で述べたように、前記患者は食事前に丸剤を服用する必要がある。酢酸カルシウムの第3の、そして同様に望ましくない特性は、それらが口当たりの非常に悪い、かつ遮蔽(マスク)するのが困難な嫌な苦味を持っていることである。酢酸カルシウムの固体剤形は、腸内で崩壊可能な必要があるので、本目的達成のために処方される酢酸カルシウム丸剤の経口摂取では、しばしば酢酸カルシウムの粒子が患者の口内に残り、その粒子が特徴的な後味の悪さを残す。
【0008】
一方、酢酸カルシウムは水溶性であり、酢酸カルシウムの液体製剤は、本薬剤の固体剤形の上記欠点を多少なりとも解決するように思えるかもしれない。しかし、酢酸カルシウム溶液は、固体剤形のときよりも、一層強いまずさが何度も口内に残る。加えて、溶液化された酢酸カルシウムの味を遮蔽するのは非常に困難である。さらに、透析患者は、水分摂取量を制限されており、それ故、液体剤形は患者の治療計画をさらに複雑にし得る。
【0009】
したがって、酢酸カルシウムベースの治療に明確な利益があるにもかかわらず、患者は、一般にその医薬の適正量を摂取し損なうか、又はまずい医薬品を服用するのが嫌でその代用として制酸剤に走るであろう。前記発明者らは、固体剤形の欠点を打破でき、一方で液体製剤の上記有害性を同時に解決する酢酸カルシウムの液体製剤には全く気づいていない。それ故、まずい味を遮蔽する酢酸カルシウムの液体製剤の技術が当該分野で必要なこと、さらに量を制限できるほど透析治療を受けている腎臓病患者を治療するのに効果的であることを証明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,875,445号明細書
【特許文献2】米国特許第4,870,105号明細書
【特許文献3】米国特許第6,576,665号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、一の実施形態において、少なくとも酢酸カルシウム、少なくとも一の多価アルコール、少なくとも一の甘味料、及び少なくとも一の味覚遮蔽剤の水溶液を含む液体医薬組成物を提供することによりこの必要性等を満たす。他の実施形態において、前記液体組成物は、約7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%又は21%の酢酸カルシウム(w/v)を含む。他の実施形態において、前記液体組成物は、約13〜15%、12〜16%又は11〜17%の酢酸カルシウム (w/v)を含み;及び他の実施形態で前記液体組成物は、約14%又は14.3%の酢酸カルシウム(w/v)を含む。さらなる他の実施形態において、前記液体組成物は、約2%、3%、4%、5%又は6%の酢酸カルシウム(w/v)を含む。
【0012】
一の実施形態において、本発明の組成物は、5ミリリットル(mL)で約710ミリグラムの水和酢酸カルシウムを提供し、他の実施形態では、本発明の組成物は、5ミリリットルで約667ミリグラムの無水酢酸カルシウムを提供する。別の実施形態において、本発明の組成物は、5ミリリットルの組成物あたり約5〜200ミリグラム等量のカルシウムを提供する。他の実施形態において、本発明の組成物は、5ミリリットルあたり約169ミリグラムのカルシウムを提供する。他の実施形態において、本発明の組成物は、5ミリリットルあたり約8又は約8.45ミリグラム当量のカルシウムを提供する。
【0013】
別の実施形態で、前記液体組成物は、約20%(w/v)〜約50%(w/v)の多価アルコール(糖アルコールとしても知られる)、又は約15%(w/v)〜約50%(w/v)の多価アルコールを含む。本発明の組成物に使用することのできる多価アルコールは、例えば、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、グリセリン、プロピレングリコール、エリトリトール及びそれらの組み合わせを含む。他の実施形態において、液体組成物は、約15%(w/v)〜約40%(w/v)のソルビトール若しくは約15%(w/v)〜約25%(w/v)のソルビトール、約16%(w/v)〜約26%(w/v)のソルビトール、又は約18%(w/v)〜約24%(w/v)のソルビトールを含み、他の実施形態では、液体組成物は、約21%(w/v)のソルビトールを含む。他の実施形態において、液体組成物は、約15%(w/v)〜約40%(w/v)のソルビトールとマルチトールの組み合わせを含む。他の実施形態において、液体組成物は、約15%(w/v)〜25%(w/v)のマルチトールを含み、また他の実施形態においては、前記組成物は約20%(w/v)のマルチトールを含む。他の実施形態で、液体組成物は、約1%(w/v)〜約25%(w/v)のグリセリンを含み、また他の実施形態では、液体組成物は約5%(w/v)のグリセリンを含む。他の実施形態において、液体組成物は、約1.5%〜約2.5%(w/v)のプロピレングリコールを含む。
【0014】
別の実施形態で、前記液体組成物の甘味料は、人工甘味料(当該分野では、「高甘味度甘味料」としても知られる)である。人工甘味料には、例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、及びサッカリンが含まれる。他の実施形態において、人工甘味料は、スクラロース及びサッカリンから選択される。他の実施形態においてスクラロースは、約0.35%(w/v)の濃度で存在し、他の実施形態において、スクラロースの濃度は、約0.1%(w/v)〜約0.8%(w/v)である。他の実施形態で、サッカリンの濃度は、約0.05%(w/v)〜約0.25%(w/v)、又は0.2%(w/v)〜約0.8%(w/v)であり、また、他の実施形態でサッカリンの濃度は約0.15%(w/v)である。
【0015】
本発明の組成物に使用するための適当な味覚遮蔽剤は、グリチルリチン酸モノアンモニウム(Magnasweet)である。本発明の実施形態において、グリチルリチン酸モノアンモニウムは、約0.05%(w/v)〜約0.3%(w/v)で組成物中に存在し、また他の実施形態において、グリチルリチン酸モノアンモニウムは、約0.2%(w/v)〜約0.8%(w/v)で組成物中に存在する。他の実施形態で、グリチルリチン酸モノアンモニウムは、約0.25%(w/v)で組成物中に存在する。
【0016】
本発明の組成物は、香料剤を含むこともできる。適当な香料剤には、液果香料、ルートビア香料、クリーム香料、チョコレート香料、ペパーミント香料、スペアミント香料、及びウィンターグリーン香料、並びにそれらの組合せが含まれる。適当な液果香料剤には、ブラックチェリー、イチゴ、サクランボ、ブルーベリー、ラズベリー等が含まれる。いわゆる「人工の」及び「天然の」香料剤が含まれる。本発明の組成物はまた、メントール香料を含んでいてもよい。
【0017】
本発明の組成物は、一以上の保存料を含むこともできる。保存料としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、ソルビン酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、及びそれらの組合せが含まれる。
【0018】
本発明の組成物は、ポビドンを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、前記組成物は、約0.5%(w/v)〜1.0%(w/v)のポビドンを含み、他の実施形態では、前記組成物は0.75%(w/v)のポビドンを含む。他の実施形態において、前記組成物は、約5%(w/v)未満、約4%(w/v)未満、約3%(w/v)未満、約2%(w/v)未満、又は約1%(w/v)未満のポビドンを含む。本発明の組成物で使用される代表的なポビドンは、ポビドン25である。
【0019】
他の実施形態において、上記の酢酸カルシウム組成物は、一以上の以下の成分、すなわち、マグネシウム塩、カルシウムペプチド組成物(例えば、いわゆるCPP−カルシウム)、又はポリビニルピロリドン(「PVP」及び「ポビドン」として知られる)を含まない。
【0020】
一の実施形態で、本発明の水性組成物は、約7〜21%(w/v)の酢酸カルシウム、ソルビトール、グリセリン、グリチルリチン酸モノアンモニウム、及びスクラロースを含む。このような組成物は、さらにブラックチェリー香料及びメントール香料を含んでいてもよい。このような組成物は、さらにプロピレングリコール、メチルパラベン、及びプロピルパラベンを含むことができる。
【0021】
一の実施形態において、本発明の水性組成物は、約14.3%(w/v)の酢酸カルシウム、約21%(w/v)のソルビトール、約5%(w/v)のグリセリン、約0.25%(w/v)のグリチルリチン酸モノアンモニウム及び約0.35%(w/v)のスクラロースを含む。このような組成物は、さらにブラックチェリー香料及びメントール香料を(例えば、各香料剤の量を0.2%(w/v)で)含んでいてもよい。このような組成物は、さらにプロピレングリコール(例えば、2%(w/v)の濃度で)、メチルパラベン(例えば、0.05%(w/v)の濃度で)、及びプロピルパラベン(例えば、0.005%(w/v)の濃度で)を含むことができる。他の実施形態で、ブラックチェリー香料及びメントール香料が、必要に応じて適量加えられる。
【0022】
好ましい実施形態において、本発明の水性組成物は、約7〜21%(w/v)の酢酸カルシウム、ソルビトール、グリセリン、グリチルリチン酸モノアンモニウム、及びスクラロースを含む。このような組成物は、さらにブラックチェリー香料及びメントール香料を含むことができる。このような組成物は、さらにプロピレングリコール、ポビドン、及びメチルパラベンを含んでいてもよい。
【0023】
好ましい実施形態において、本発明の水性組成物は、約14.3%(w/v)の酢酸カルシウム、約21%(w/v)のソルビトール、約5%(w/v)のグリセリン、約0.25%(w/v)のグリチルリチン酸モノアンモニウム、及び約0.35%(w/v)のスクラロースを含む。このような組成物は、さらにブラックチェリー香料及びメントール香料を(例えば、各香料剤の量を0.2%(w/v)で)含んでいてもよい。このような組成物は、さらにプロピレングリコール(例えば、2%(w/v)の濃度で)、メチルパラベン(例えば、0.2%(w/v)の濃度で)、及びポビドン(例えば、0.75%(w/v)の濃度で)を含むことができる。他の実施形態で、ブラックチェリー香料とメントール香料が、必要に応じて適量加えられる。
【0024】
好ましい実施形態において、本発明の水性組成物は、約7〜21%(w/v)の酢酸カルシウム、マルチトール、グリセリン、グリチルリチン酸モノアンモニウム、及びスクラロースを含む。このような組成物は、さらにブラックチェリー香料及びメントール香料を含んでいてもよい。このような組成物は、さらにプロピレングリコール、ポビドン、及びメチルパラベンを含んでいてもよい。
【0025】
好ましい実施形態において、本発明の水性組成物は、約14.3%(w/v)の酢酸カルシウム、約20%(w/v)のマルチトール、約5%(w/v)のグリセリン、約0.25%(w/v)のグリチルリチン酸モノアンモニウム、及び約0.35%(w/v)のスクラロースを含む。このような組成物は、さらにブラックチェリー香料及びメントール香料を(例えば、各香料剤の量を0.2%(w/v)で)含んでいてもよい。このような組成物は、さらにプロピレングリコール(例えば、2%(w/v)の濃度で)、メチルパラベン(例えば、0.2%(w/v)の濃度で)、及びポビドン(例えば、0.75%(w/v)の濃度で)を含むことができる。他の実施形態で、ブラックチェリー香料とメントール香料が、必要に応じて適量加えられる。
【0026】
本発明は、別の実施形態において、個体の消化管内でリンを結合するための方法であって、上記のように、酢酸カルシウム水溶液を個体に投与することを含む方法を提供する。この点において、本発明は、透析を必要とする、及び/又は一以上の次の障害、すなわち腎臓病、腎疾患、末期腎臓病、及び慢性腎疾患に罹患している個体を治療する上で有用である。
【0027】
本明細書に記載の方法による本発明の酢酸カルシウム組成物の投与は、患者の薬剤投与遵守の強化、及び現在利用できる酢酸カルシウム薬及びリン結合剤の投与で見られるものよりも少ない副作用と関連する。リン結合剤を用いるこの改善された患者の薬剤投与遵守は、疾患の経過の管理を改善するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、酢酸カルシウムを極少量の溶液で、同時に効果的に味覚を遮蔽しながら処方することができるという驚くべき知見に基づいている。それ故、本発明の酢酸カルシウムの液体組成物は、酢酸カルシウムの固体製剤を上回る多くの利点を有しており、また酢酸カルシウムの投与を液体形態で試みる際に直面する限界を打破するものである。
【0029】
第1に、液体組成物は、あらゆる酢酸カルシウム丸剤を排除することで患者が多量の丸剤を摂取する必要性がない。またこれに関連して、他の医薬を服用している患者は、本発明の液体組成物と共に丸剤を飲み込むことができる。
【0030】
第2に、本発明の組成物は、極少量で処方することができ、またそれ故、透析患者の1日の水分摂取量に対しても無視しできる水分量で効果がある。
【0031】
第3に、患者は、もはや食事を始める際に多数の酢酸カルシウムの丸剤を一緒に飲み必要がない。本発明の組成物は、通常、食事の直前に経口で服用することができる。あるいは、患者は、本発明の組成物を食事の合間、又は食事の直前直後に飲むことができる。多数の丸剤を服用する必要がないため、全治療計画をより快適にし、それによって患者の遵守を高水準で確保する。
【0032】
第4に、本発明の組成物は、おいしく(すなわち、味がよく)、かつ酢酸カルシウムの味が遮蔽されていることから、患者が高水準で遵守することに寄与する。
【0033】
第5に、本発明の組成物は、ブドウ糖や果糖のような従来の甘味料を用いて作る液体医薬製剤と比較して低カロリー量及び/又は低血糖インデックスで処方することができる。本発明の組成物は、それ故、糖尿病患者への投与に適している。糖にはグラムあたり約4カロリーのカロリー量があることは、当該分野では公知である。上記のように、本発明の組成物では、甘味料はいわゆる人工甘味料(スクラロース、サッカリン等)を含むことができ、それらは、ノンカロリーか、又は無視できるカロリー量である。本発明の組成物の多価アルコール成分は、多少甘さを付与するが、多価アルコール(糖アルコール)は、単糖よりもグラムあたりのカロリーにほとんど寄与せず、また単糖よりも血糖インデックスがより低いことは当該分野では公知である。例えば、ソルビトールはグラムあたり約2.6カロリーを有し、またマルチトールはグラムあたり約3カロリーを有する。いくつかの実施形態で、本発明の組成物は、1ミリリットルあたりわずか約1カロリーしかなく、また他の実施形態で、本発明の組成物は、1ミリリットルあたりわずか約0.8カロリーしかない。
【0034】
上述のように、液体組成物の有利な点は、酢酸カルシウムが極少量の溶液で処方できることである。上述したように、通常の酢酸カルシウム濃度は、組成物の総量に対して約7%(w/v)〜約21%(w/v)に及ぶ。いくつかの実施形態で前記濃度は約12%(w/v)〜約16%(w/v)であり、他の実施形態で前記濃度は約14%(w/v)又は約14.3%(w/v)である。本発明の組成物における酢酸カルシウムは、水溶液中に存在する。さらなる他の実施形態で、本発明の組成物の酢酸カルシウム濃度は、約6%、5%、4%、3%又は2%(w/v)である。
【0035】
液体組成物は、通常、平均用量約10ml以下で酢酸カルシウムを供給する。いくつかの実施形態で、その容量は、約4ml〜約7mlに及び得る。投与量の具体例は約5mlの組成物であり、この量は、酢酸カルシウムの固体剤形、すなわち、丸剤の1錠相当を送達する。前記5ml用量は、約710ミリグラムの水和酢酸カルシウムを、又は約667ミリグラムの無水酢酸カルシウムを供給できる。それ故、例えば、たったスプーン1杯分の本発明の組成物(すなわち、〜1.5ml)で従来の酢酸カルシウム丸剤3錠に取って代わるであろう。他の実施形態で、5mlは、約1.065グラムの水和酢酸カルシウムを、又は約1.0グラムの無水酢酸カルシウムを供給する。
【0036】
本発明の組成物は、味覚遮蔽剤を含む。当該分野で公知のいくつかの味覚遮蔽剤は、さらに甘味料として特徴付けられている。特定の化合物が甘味を付与することが認められているか否かにかかわらず、少なくとも口中で味覚を遮蔽することのできる性質を有していなければならない。この点において味覚遮蔽剤の一例として、グリチルリチン酸モノアンモニウム(Magnasweet:マグナスイート)がある。
【0037】
本発明の組成物は、甘味料も含む。限定はしないが、ショ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖等のような単糖を含む、様々な甘味料が挙げられる。他の実施形態で、本発明の組成物は、「低カロリーの」若しくは「ライトな(light)」、「無糖の」、又は「ノンカロリーの」ものである。上記のように、本発明の組成物において甘味料は、スクラロース、アセスルファムカリウム、サッカリン、及びアスパルテーム、又はそれらの組合せのような、いわゆる「人工甘味料」(「高甘味度甘味料」としても知られる)であってもよい。前記人工甘味料の使用は、カロリーの付加がなく、甘みを添加するのに好ましい。上記のように、本発明の組成物における多価アルコールは、多少の甘みと低カロリー量も提供することができる。また、(単糖と比較したときの)低血糖インデックスによれば、本発明の組成物は、低カロリー食に適したものである。さらに、低カロリー及び/又は低血糖インデックスである本発明の組成物は、糖尿病患者にも適しているであろう。
【0038】
当業者であれば、「無糖」とは、製品が糖を全く含まないか、又は取るに足らないほどの若しくは「生理学上無視し得る」程度の糖量を含んでいることを意味することがわかるだろう。この点に関して「無糖」とは、1食あたり0.5g未満の糖を意味する。「ノンカロリー」とは、1食あたり5カロリー未満を意味する。「ノン(free)」と同義の例として、「非含有」、「無し」、及び「ゼロ」が含まれる。人工甘味料及び/又は糖アルコールのみで甘みを付加された(そして、他の糖を全く含まない)製品は、「無糖」として分類することができる。用語「低カロリー」とは、参照量あたり40カロリー未満を意味することがわかる。
【0039】
一の実施形態で、前記組成物は、甘味料としてスクラロースを、多価アルコールとしてソルビトールを、そして味覚遮蔽剤としてグリチルリチン酸モノアンモニウムを含む。他の実施形態において、前記組成物は、甘味料としてスクラロースを、多価アルコールとしてソルビトール及びマルチトールを、そして味覚遮蔽剤としてグリチルリチン酸モノアンモニウムを含む。他の実施形態において、前記組成物は、甘味料としてスクラロースを、多価アルコールとしてマルチトールを、そして味覚遮蔽剤としてグリチルリチン酸モノアンモニウムを含む。
【0040】
上記のように、本発明の組成物は、口当たりのよい組成物とするために様々な濃度の酢酸カルシウム、味覚遮蔽剤、及び甘味料を考慮する。
【0041】
他の実施形態において、味覚遮蔽剤は、組成物の総量に対して約0.05% (w/v)〜約0.8% (w/v)の濃度で存在する。例えば、約0.05%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%及び0.8% (w/v)の濃度である。他の実施形態において、味覚遮蔽剤は、組成物の総量に対して約0.2%(w/v)〜約0.8% (w/v)の濃度で存在する。例えば、約0.25%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、及び0.8%(w/v)の濃度である。
【0042】
前述の事項によって規定され、かつ本明細書に記載の方法で使用するための好ましい組成物は、本組成物の総量に対して、約14%(w/v)の濃度で酢酸カルシウムを、約20%(w/v)の濃度でマルチトールを、約0.35% (w/v)の濃度でスクラロースを、そして約0.25% (w/v)の濃度でグリチルリチン酸モノアンモニウムを含む。
【0043】
前述の事項によって規定され、かつ本明細書に記載の方法で使用するための好ましい組成物は、本組成物の総量に対して、約14%(w/v)の濃度で酢酸カルシウムを、約21%(w/v)の濃度でソルビトールを、約0.35% (w/v)の濃度でスクラロースを、そして約0.25% (w/v)の濃度でグリチルリチン酸モノアンモニウムを含む。
【0044】
本発明の組成物は、香料剤を含むこともできる。適当な香料剤は、液果香料、ルートビア香料、クリーム香料、チョコレート香料、ペパーミント香料、スペアミント香料、ウィンターグリーン香料、及びそれらの組合せを含む。適当な液果香料は、ブラックチェリー香料、イチゴ香料、サクランンボ香料、ブルーベリー香料、ラズベリー香料等を含む。いわゆる「人工の」及び「天然の」香料剤が含まれる。本発明の組成物は、メントール香料も含むことができる。使用される香料剤の量は、味の好み及び組成物中の他の成分によって変わるであろうが、全組成物における極僅かなパーセンテージ量である。例えば、実施例1〜4において、人工ブラックチェリー香料とメントール香料は、それぞれ0.2%(w/v)の濃度で存在する。本発明の典型的組成物において、香料剤は、通常、酢酸カルシウム組成物のわずか1%(w/v)を構成するに過ぎない。
【0045】
本発明の液体組成物中に存在し得る他の成分には、緩衝剤(クエン酸又はその塩のようなもの)、界面活性剤、増粘剤(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等のようなもの)、保存料(メチル及びプロピルバラベン等)、抗酸化剤(安息香酸塩等)、キレート剤(EDTA及びその塩等)が含まれる。本発明の液体組成物中に存在する保存料の量及び種類は、当業者に公知の手段で決定され得る。例えば、メチルパラベンは、0.01%(w/v)〜約0.2%(w/v)、又は約0.1%(w/v)〜約0.3%(w/v)の濃度で使用することができ、プロピルパラベンは、約0.001% (w/v)〜約0.05%(w/v)の濃度で使用することができる。ポビドンは、約0.5%(w/v)〜約1.0% (w/v)の濃度で使用することができる。
【0046】
好ましい実施形態で、メチルパラベンの濃度は約0.2%(w/v)、及びポビドンの濃度は約0.75%(w/v)である。他の実施形態で、メチルパラベンの濃度は約0.05%(w/v)、及びプロピルパラベンの濃度は約0.005% (w/v)であり、別の実施形態で、メチルパラベンの濃度は約0.01%(w/v)、及びプロピルパラベンの濃度は約0.025%(w/v)である。
【0047】
上記のように、本発明の組成物は、一以上の以下の成分、すなわちマグネシウム塩、カルシウムペプチド化合物(例えば、いわゆるCPP-カルシウム)又はポリビニルピロリドン(PVP)を含まない液体酢酸カルシウム組成物も含む。
【0048】
様々な実施形態において、本発明の組成物は、約6.0〜約7.0の最終pHを有するように製剤化することができる。あるいは、pHは約6.0〜約7.2とすることができる。一の実施形態で、本発明の組成物のpHは、約6.8である。
【0049】
本明細書に記載の液体組成物のいずれかの実施形態は、個体の消化管内でリンを結合する本発明の方法での使用に適している。本方法は、少なくとも本明細書で記載した酢酸カルシウムの水溶液を個体に投与することを含む。一の実施形態で、組成物の投与は経口摂取である。上記のように、高リン酸血症を治療するために酢酸カルシウムを使用することは当該分野で周知である。それ故、この病気を治療するのに必要な投与量も、患者の状態、病歴、及び必要性によって容易に決定することができる。この関連で、上記のように、酢酸カルシウムによって供給されるカルシウムの通常投与量は、おおよそ一服あたり約10〜約200ミリグラム当量のカルシウムである。本発明の組成物の通常の投与計画は、1日あたり約スプーン1杯(約15ml)を3回であり、これは患者の必要性に応じて変化しえる。
【0050】
さらに、当業者は、所与の時間に服用すべき投与量や分量が個体によって変化すること、及び、必要に応じて、例えばリン及びカルシウムの血清レベルのモニタリングによって、調整され得ることを理解している。この点に関して、本発明の組成物は、飲食時間に合わせて投与されることが好ましい。一の実施形態において、一服分の本発明の組成物は、食事直前に経口で服用され、他の服用は、食事直後に経口で摂取される。本明細書で論じたように、食事前後で投与される全用量を全て食事直前に服用してもよい。
【0051】
いくつかの実施形態において、治療を受けるべき個体は、透析治療を必要としており、それ故にそのような透析治療を受けるかもしれない。多くの実施形態で、前記個体は、例えば、末期腎臓病又は慢性腎疾患のような腎臓病に罹患している。
【0052】
(実施例)
以下の実施例は、上記に説明した本発明をより具体的に示す例示に過ぎず、本発明の範囲を何ら限定するものではない。さらに、本明細書で引用した全ての文献は、米国特許を含めて、その全てを本明細書に記載したものとして援用する。
【実施例1】
【0053】
酢酸カルシウム液体組成物を調製するための一般的方法
酢酸カルシウム及び甘味料を水に溶解する。香料及びグリセリン(USP:米国薬局方)を互いに混合して、最終的に均一な溶液を得る。味覚遮蔽剤を添加し、酢酸カルシウム溶液と混合する。パラベン保存料をプロピレングリコールに溶解する。任意で付加的な味覚遮蔽剤又は甘味料を前記酢酸カルシウム溶液に混合する。他のあらゆる多価アルコールを含む全溶液を、まとめて撹拌し、純水を適量加えて均一な溶液とする。
【実施例2】
【0054】
酢酸カルシウム液体組成物
実施例1の一般的方法により、1.0Lの液体酢酸カルシウム組成物を以下の濃度及び割合の成分を用いて調製した。
【0055】

【0056】
70%のソルビトール溶液を使用したので、最終組成物中のソルビトール化合物の%は、21%であることに留意されたい。本組成物は、1ミリリットルあたり約0.5カロリーを含む。多数の人々が通常投与量レベルにおける本組成物の味を検証し、本組成物を検証した全員がおいしい及び/又は「よい」風味があると本組成物を評価した。本組成物は患者への投与に適しており、また、組成物の特性(限定はしないが、味の良さと、高濃度のカルシウムを有する少量の液体を含む)を考えれば、これらの患者は自分たちに必要な医薬量に従うことが期待されると決定された。カロリー摂取制限する必要がある患者にとっても、本組成物は低カロリー量のため適している。
【0057】
他の例において、本実施例の酢酸カルシウム液体組成物は、0.1%(w/v)のメチルパラベン及び0.025%(w/v)のプロピルパラベンを用いて製剤化される。さらに他の例において、香料剤を効果のある最小限量を用いて適量加えて、口当たりの良い味にする。
【実施例3】
【0058】
実施例1の一般的な方法に続いて、1.0Lの液体酢酸カルシウム組成物を以下の濃度及び割合の成分を用いて調製した。
【0059】

【0060】
70%のソルビトール溶液を使用したので、最終組成物中のソルビトール化合物の%は、21%であることに留意されたい。本組成物は、1ミリリットルあたり約0.5カロリーを含んでいる。多数の人々が通常投与量レベルにおける本組成物の味を検証し、本組成物を検証した全員がおいしい及び/又は「よい」風味があると本組成物を評価した。本組成物は患者への投与に適しており、また、組成物の特性(限定はしないが、味の良さと、高濃度のカルシウムを有する少量の液体を含む)を考えれば、これらの患者は自分たちに必要な医薬量に従うことが期待されると決定された。カロリー摂取制限する必要がある患者にとっても、本組成物は低カロリー量のため適している。
【実施例4】
【0061】
以下に記載の一般的方法により、2.0Lの液体酢酸カルシウム組成物を以下の濃度と割合の成分を用いて調製した。
【0062】

【0063】
酢酸カルシウムを1リットルの水に溶解し、スクラロースをその水性混合物中に加えた。続いて、マルチトールを撹拌しながら添加した。それからグリセリンを、その後Magnasweetを撹拌しながら添加し、続いてポビドンを加えて、溶解するまで混合した。メチルパラベンをプロピレングリコールに溶解し、前記水性混合物に撹拌しながら加えた。その後、香料を撹拌しながら添加した。付加的な水を総量が2リットルになるように添加した。
【0064】
この組成物は、1ミリリットルあたり約0.4カロリーを含む。多数の人々が通常投与量レベルにおける本組成物の味を検証し、本組成物を検証した全員がおいしい及び/又は「よい」風味があると本組成物を評価した。本組成物は患者への投与に適しており、また、組成物の特性(限定はしないが、味の良さと、高濃度のカルシウムを有する少量の液体を含む)を考えれば、これらの患者は自分たちに必要な医薬量に従うことが期待されると決定された。カロリー摂取制限する必要がある患者にとっても、本組成物は低カロリー量のため適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも
(a)約7〜21%(w/v)の酢酸カルシウム、
(b)甘味料、
(c)多価アルコール、及び
(d)味覚遮蔽剤、
の水溶液を含む液体医薬組成物。
【請求項2】
前記酢酸カルシウムが前記組成物の総量に対して約12%(w/v)〜約16%(w/v)の濃度で存在する、請求項1に記載の液体医薬組成物。
【請求項3】
前記酢酸カルシウムが約14%(w/v)の濃度で存在する、請求項2に記載の液体医薬組成物。
【請求項4】
前記多価アルコールの全濃度が前記組成物の総量に対して約15%(w/v)〜約50%(w/v)である、請求項1に記載の液体医薬組成物。
【請求項5】
前記多価アルコールがソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、キシリトール、マルチトール及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の液体医薬組成物。
【請求項6】
前記組成物が約15%(w/v)〜約40%(w/v)のソルビトールを含む、請求項5に記載の液体医薬組成物。
【請求項7】
前記組成物が約21%(w/v)のソルビトールを含む、請求項5に記載の液体医薬組成物。
【請求項8】
前記組成物が約15%(w/v)〜約25%(w/v)のマルチトールを含む、請求項5に記載の液体医薬組成物。
【請求項9】
前記組成物が約20%(w/v)のマルチトールを含む、請求項8に記載の液体医薬組成物。
【請求項10】
前記組成物が約1%(w/v)〜約25%(w/v)のグリセリンをさらに含む、請求項7に記載の液体医薬組成物。
【請求項11】
前記グリセリンが約5%(w/v)の濃度で存在する、請求項10に記載の液体医薬組成物。
【請求項12】
前記甘味料が人工甘味料である、請求項1に記載の液体医薬組成物。
【請求項13】
前記人工甘味料がスクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム及びサッカリンからなる群より選択される、請求項12に記載の液体医薬組成物。
【請求項14】
前記人工甘味料がスクラロース及びサッカリンからなる群より選択される、請求項13に記載の液体医薬組成物。
【請求項15】
前記スクラロースが約0.35%(w/v)の濃度で存在し、又は前記サッカリンが約0.15%(w/v)の濃度で存在する、請求項14に記載の液体医薬組成物。
【請求項16】
少なくとも一の香料剤をさらに含む、請求項1に記載の液体医薬組成物。
【請求項17】
前記香料剤が液果香料、ルートビア香料、クリーム香料、チョコレート香料、ペパーミント香料、スペアミント香料及びウィンターグリーン香料からなる群より選択される、請求項16に記載の液体医薬組成物。
【請求項18】
メントール香料をさらに含む、請求項17に記載の液体医薬組成物。
【請求項19】
前記香料剤がブラックチェリー香料である、請求項17に記載の液体医薬組成物。
【請求項20】
前記ブラックチェリー香料が人工ブラックチェリー香料である、請求項19に記載の液体医薬組成物。
【請求項21】
少なくとも一の保存料をさらに含む、請求項1に記載の液体医薬組成物。
【請求項22】
前記保存料がメチルパラベン、プロピルパラベン、ソルビン酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項21に記載の液体医薬組成物。
【請求項23】
前記保存料がメチルパラベンである、請求項22に記載の液体医薬組成物。
【請求項24】
ポリビニルピロリドン(PVP)をさらに含む、請求項23に記載の液体医薬組成物。
【請求項25】
プロピレングリコールをさらに含む、請求項21に記載の液体医薬組成物。
【請求項26】
前記組成物のpHが約6.0〜約7.2である、請求項1に記載の液体医薬組成物。
【請求項27】
水溶液を含む液体医薬組成物であって、
該水溶液が少なくとも
(a)前記水溶液の5ミリリットルあたり5〜200ミリグラム当量のカルシウム、
(b)甘味料、
(c)多価アルコール、及び
(d)味覚遮蔽剤、
の水溶液である、前記液体医薬組成物。
【請求項28】
約21%(w/v)のソルビトール、約14%(w/v)の酢酸カルシウム、約5%(w/v)のグリセリン、約2%(w/v)のプロピレングリコール、約0.25%(w/v)のグリチルリチン酸モノアンモニウム、約0.35%(w/v)のスクラロース、約0.75%(w/v)のポリビニルピロリドン、約0.2%(w/v)のメチルパラベン、約0.2%(w/v)の人工ブラックチェリー香料、及び約0.2%(w/v)のメントール香料を含む、請求項1に記載の液体医薬組成物。
【請求項29】
約20%(w/v)のマルチトール、約14%(w/v)の酢酸カルシウム、約5%(w/v)のグリセリン、約2%(w/v)のプロピレングリコール、約0.25%(w/v)のグリチルリチン酸モノアンモニウム、約0.35%(w/v)のスクラロース、約0.75%(w/v)のポリビニルピロリドン、約0.2%(w/v)のメチルパラベン、約0.2%(w/v)の人工ブラックチェリー香料、及び約0.2%(w/v)のメントール香料を含む、請求項1に記載の液体医薬組成物。
【請求項30】
5ミリリットルの前記組成物が約710ミリグラムの水和酢酸カルシウムを含む、請求項1に記載の液体医薬組成物。
【請求項31】
5ミリリットルの前記組成物が約667ミリグラムの無水酢酸カルシウムを含む、請求項1に記載の液体医薬組成物
【請求項32】
5ミリリットルの前記組成物が約169ミリグラムのカルシウムを含む、請求項1に記載の液体医薬組成物
【請求項33】
前記組成物が無糖である、請求項1に記載の液体医薬組成物。
【請求項34】
前記組成物が低カロリーである、請求項1に記載の液体医薬組成物。
【請求項35】
前記組成物がノンカロリーである、請求項1に記載の液体医薬組成物。
【請求項36】
約8ミリグラム当量のカルシウムを含む、請求項1に記載の液体医薬組成物。
【請求項37】
約7%(w/v)〜約21%(w/v)の酢酸カルシウムを含む水溶液を個体に投与することを含む、前記個体の消化管内部でリンを結合するための方法。
【請求項38】
前記個体が透析を必要とする、及び/又は腎臓病、腎疾患、末期腎臓病、慢性腎疾患の一以上の障害に罹患している、請求項37に記載の方法。

【公表番号】特表2009−544615(P2009−544615A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−520849(P2009−520849)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/016415
【国際公開番号】WO2008/011126
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(509018580)ライン ラボラトリーズ (1)
【Fターム(参考)】