説明

酢酸メチルの加水分解により酢酸及びアルコールを得る反応蒸留プロセス及びプラント

【課題】メタノール及び酢酸の純度を向上させ得る酢酸メチルの加水分解方法及びプラントの提供。
【解決手段】反応蒸留塔は、垂直分割型反応蒸留塔1として構成され、水及び酢酸メチルを含む供給材料を、少なくとも第1の整流区間32、第1のストリッピング区間34、及び第1の反応区間33を含む反応空間19の触媒と接触させ、水及び酢酸メチルをメタノール及び酢酸に加水分解する。第1の反応区間33に触媒が提供される。反応蒸留塔は、少なくとも第2の整流区間42及び第2のストリッピング区間44を有する生成物空間29を含む。第2のストリッピング区間44は、塔底38の少なくとも一部分を第1のストリッピング区間34と共用する。反応空間の塔頂部分45から第1の塔頂生成物が放出、塔底38から底部生成物が放出、生成物空間の塔頂部分46から第2の塔頂生成物が放出、生成物空間29から中間生成物が放出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酢酸メチルの加水分解により酢酸及びアルコールを得る反応蒸留プロセス及びプラントに関するものである。このプロセスは、副産物として酢酸メチルが形成されるポリ酢酸ビニルの生成において重要なプロセスである。酢酸メチルは、酢酸及びメタノールに変換され、次いで生成プロセスに再び供給される。
【背景技術】
【0002】
酢酸メチルの加水分解は、固定床反応器で実行され、それに続いて、蒸留及び抽出蒸留を含むいくつかの分離ステップが行われることが多い。しかし、固定床反応器の収率は、化学反応の平衡によって制限される。すなわち、酢酸メチルから酢酸及びメタノールへの変換は、平衡点までしか実行されない。その結果、相当な量の酢酸メチル及び水が固定床反応器内で未反応のまま残るため、大きな再循環流が必要になる。
【0003】
したがって、カルボン酸エステルから、対応するカルボン酸及びアルコールへの反応を行わせるために構造化パッキング、ランダム・パッキング、又はトレイを備える反応部が設けられた蒸留塔によって、このプロセスを改善することが考えられてきた。この化学反応が行われる塔の反応部には、Amberlystタイプの触媒で充填されたKATAPAK(商標)タイプの構造化パッキングなどの不均一性触媒が収容される。カルボン酸エステルを加水分解してカルボン酸及びアルコールを得る反応蒸留プラント及びプロセスは、欧州特許第1220825号に開示されている。反応蒸留塔の反応部では、反応物質であるカルボン酸エステル及び水から、カルボン酸及びアルコールなどの反応生成物を分離することが可能である。この分離の結果、この化学反応は平衡段階に到達しないので、100%の収率を得ることができる。
【0004】
従来技術で開示された反応蒸留の欠点は、すべての生成物及び変換されていない水が塔底を介して反応蒸留塔から出るため、他の分離塔での分離が必要になることである。この反応蒸留塔の塔頂生成物は、カルボン酸エステル、アルコール、及び低沸騰不純物を含有するわずかなパージ流にすぎない。塔底及び配管内での滞留する時間があるため、反対の反応が起こる可能性があり、酢酸メチルを含まないメタノールを生成することが困難になる。反対の反応、又は反応生成物であるカルボン酸及びメタノールからカルボン酸エステルが形成される逆反応が発生する。したがって、後の分離ユニット内でカルボン酸をアルコールから最終的に分離できるまでにカルボン酸及びアルコールが塔底及び後の熱交換器内に必然的に滞留する時間が長いため、欧州特許第1220825号に記載の反応蒸留塔からの生成物の純度は本質的に制限される。
【0005】
したがって、このプロセスは、Sulzer Technical Review 1/2007に公開されたStefan Sanderによる論文「Increased Purity at Reduced Costs」及びStefan Sanderらによる論文「Methyl Acetate Hydrolysis in a Reactive Divided Wall Column」、Trans IChemE, Chemical Engineering Research and Design、2007年、85(A1)、第149〜154頁で開示されているように、反応蒸留と後の分離を1つの垂直分割型の反応塔内に組み合わせることによって修正されてきた。
【0006】
しかし、実験データによれば、引用した論文に開示されている垂直分割型の塔を想定しても予見しても、欧州特許第1220825号と比較すると塔底内の滞留時間が長くなり、逆反応及び酢酸メチルの形成を促進するはずである。実験的な根拠によれば、還流は、反応蒸留塔への供給材料流の和の約5倍の大きさである。
【0007】
上述の垂直分割型の反応塔で直面する別の問題は、生成物の品質を制御することが困難な点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1220825号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Stefan Sander、「Increased Purity at Reduced Costs」、Sulzer Technical Review 1/2007
【非特許文献2】Stefan Sander、「Methyl Acetate Hydrolysis in a Reactive Divided Wall Column」、Trans IChemE, Chemical Engineering Research and Design、2007年、85(A1)、第149〜154頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、生成物であるメタノール及び/又は酢酸の純度をさらに増大できる酢酸メチルの加水分解方法を設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る反応蒸留により酢酸メチルの加水分解から酢酸及びメタノールを得る方法は、塔頂、塔体、及び塔底を含む垂直分割型(divided wall column)反応蒸留塔として構成された反応蒸留塔内で実行される。塔体は、塔頂と塔底の間に設けられる。
【0012】
反応蒸留塔は、反応空間及び生成物空間をさらに含む。反応空間は、少なくとも第1の整流(rectification)区間及び第1の反応区間を含み、第1の反応区間内に加水分解触媒が提供される。第1の整流区間は、塔頂と第1の反応区間の間に構成される。反応蒸留塔は、第1のストリッピング(stripping)区間をさらに含み、第1のストリッピング区間は、塔底と第1の反応区間の間に設けられる。
【0013】
水及び酢酸メチルを含有する供給材料が反応空間に入り、加水分解触媒と接触し、酢酸及びメタノールに少なくとも部分的に加水分解される。反応空間の塔頂部分から、第1の塔頂生成物が放出される。塔底から底部生成物が放出され、生成物空間の塔頂部分から第2の塔頂生成物が放出される。生成物空間から、中間生成物が放出される。
【0014】
驚くべきことに、塔体にある生成物空間から中間生成物が放出される場合、反応空間及び生成物空間を独立して制御することによって、塔をより安定して動作させることが可能である。中間生成物は、垂直分割壁の上部と底部との間の位置で放出されることが好ましい。したがって、側流の抜き出しは、塔内で生成物空間内の流れ条件にしか影響を与えないはずである。垂直分割壁の存在のため、反応空間内の流れ条件には影響しない。さらに、少なくとも99%のメタノールを含有する中間生成物を放出することができる。
【0015】
反応空間は、液体の供給に影響されやすいことも分かった。したがって有利な具体例によれば、2つの凝縮器が提供される。第1の凝縮器は、反応空間の塔頂生成物を少なくとも部分的に凝縮させ、第2の凝縮器は、生成物空間の塔頂生成物を少なくとも部分的に凝縮させる。第1の凝縮器は、第2の凝縮器から独立して動作及び制御することができる。それによって、反応空間及び生成物空間の独立した制御が可能である。
【0016】
一具体例では、少なくとも50%の水を含有する第1の供給材料及び少なくとも15%の酢酸メチルを含有する第2の供給材料が反応空間に入り、加水分解触媒と接触し、酢酸及びメタノールに少なくとも部分的に加水分解され、反応空間の塔頂部分から第1の塔頂生成物が放出され、塔底から底部生成物が放出され、生成物空間の塔頂部分から第2の塔頂生成物が放出され、生成物空間から中間生成物が放出される。中間生成物は、少なくとも99%のメタノールを含有する。
【0017】
反応区間を出るメタノール、酢酸、並びに一部の酢酸メチル及び水は、ストリッピング区間内でさらに分離される。ストリッピング区間は、構造化パッキング、ランダム・パッキング、又はトレイなどの少なくとも1つの分離要素を収容することが好ましい。酢酸、水、及びメタノールが塔底の方向へ流れるのに対して、未反応の酢酸メチルは、塔底から上昇する蒸気によって再び反応区間内へ押し入れられる。
【0018】
塔底から上昇する蒸気は、高濃度のメタノール並びにより少量の水及び酢酸を含有する。この蒸気は、壁によって2つの蒸気部分に分離され、第1の蒸気部分は垂直分割型の塔の反応空間に入り、第2の蒸気部分は生成物空間に入る。
【0019】
生成物空間は、少なくとも第2の整流区間及び第2のストリッピング区間を含む。第2のストリッピング区間は、塔底の少なくとも一部分を第1のストリッピング区間と共用する。塔底から生じて生成物空間に入る第2の蒸気部分は、まず第2のストリッピング区間に到達し、その後第2の整流区間に到達する。第2のストリッピング区間と第2の整流区間はそれぞれ、少なくとも1つの分離要素、好ましくは構造化パッキングを収容することができる。第2のストリッピング区間では、酢酸及び水からメタノールが分離される。メタノールは、水及び酢酸と比較するとより低沸点の留分でありので、メタノールは中間導管で中間生成物として塔から出る。中間導管は、塔底導管と第2の塔頂放出導管との間に位置決めされる。酢酸及び水は、より高沸点の留分であるので、塔底導管を介して塔底から放出される。
【0020】
第2の整流区間を通って上昇する低沸騰点の留分は、酢酸メチル及び低沸騰点の不純物を含有する。第2の整流区間内へ運ばれるすべてのメタノールは、蒸留によって分離して中間生成物に添加することができる。第2の整流区間は、少なくとも1つの分離要素、好ましくは構造化パッキングを収容することもできる。
【0021】
この方法の特に好ましい具体例によれば、底部生成物は、酢酸及び水で実質上構成され、底部生成物内の不純物は、1%未満、好ましくは0.5%未満、特に好ましくは0.1%未満の量とすることができる。本明細書に記載する酢酸メチル、メタノール、水、酢酸など、流れの中の個々の成分の量に関するすべての百分率は重量百分率である。
【0022】
この方法の特に好ましい具体例によれば、第2の塔頂生成物は、メタノール及び酢酸メチルで実質上構成され、第2の塔頂生成物内の不純物は、1%未満、好ましくは0.5%未満、特に好ましくは0.1%未満の量である。
【0023】
逆反応、すなわちメタノール及び酢酸からの酢酸メチルの形成は、反応蒸留塔の第1のストリッピング区間内で発生する可能性がある。第1のストリッピング区間は、構造化パッキング、ランダム・パッキング、又はトレイなどの上部の分離要素と、構造化パッキング、ランダム・パッキング、又はトレイなどの下部の分離要素とを含むことができる。逆反応は、それぞれの上部若しくは下部の分離要素内又は分離要素上で発生する可能性がある。ここでは主に、これらの分離要素の上部部分内、及びこれらの2つの分離要素間の内部、並びに生成物空間内のメタノール分離部の底部部分内で発生する可能性がある。上述のこれらの部分すべてにおいて、相当な量でメタノール及び酢酸が発生し、逆反応を可能にする。反応蒸留塔は、塔底及び熱交換器にメタノールがほとんどないように設計することができるので、塔底内で逆反応が発生する可能性はほとんどない。
【0024】
形成された酢酸メチルの一部は、反応蒸留塔の生成物空間内に存在する。生成物空間の上部で、したがって第2の整流区間よりも上方でメタノールが取り出される場合、この部分に入ったすべての酢酸メチルはメタノール中にある。メタノールが側流生成物として取り出される場合、この流れの中の酢酸メチルの含有量は低減される。大部分の酢酸メチルは、この部分の上部でパージ流として取り出される。この変形形態によれば、塔頂のパージ流は、メタノール及び酢酸メチルのみを含有しており、反応蒸留塔の反応空間を通じて再循環させることができる。このパージ流の流量は、供給材料流の約1%である。
【0025】
この方法の有利な変形形態によれば、酢酸メチルを含有する前反応器の供給材料がまず前反応器に供給され、前反応器内で、酢酸メチルは水の存在下で加水分解触媒と接触し、それによって酢酸メチルは酢酸及びメタノールに部分的に分解され、酢酸メチル、酢酸、及びメタノールを含有する前反応器の生成物が前反応器から放出され、第1の供給材料として反応蒸留塔内へ供給される。
【0026】
触媒は、不均一性触媒として構成された加水分解触媒であることが有利である。この不均一性触媒は、Amberlyst48又はAmberlyst15などのイオン交換触媒であることが好ましい。
【0027】
酢酸及び水で実質上構成される底部生成物が、塔底から抜き出されると有利である。
【0028】
特に好ましい具体例によれば、反応空間の塔頂部分で反応空間から第1の塔頂生成物が抜き出され、生成物空間の塔頂部分で生成物空間から第2の塔頂生成物が抜き出される。この第2の塔頂生成物は、メタノール及び酢酸メチルで実質上構成される。
【0029】
本発明の方法を実行する酢酸メチル加水分解プラントは、次の特徴を有する。反応蒸留による酢酸メチルの加水分解を通じて酢酸及びメタノールを得る本発明による酢酸メチル加水分解プラントは、塔頂、塔体、及び塔底を有する垂直分割型の反応蒸留塔を含む。塔体は、塔頂と塔底との間に構成される。塔は、反応空間及び生成物空間をさらに含む。塔の長手方向軸線に対して平行に壁が構成され、この壁は、塔を反応空間と生成物空間とに分割する。反応空間は、少なくとも第1の整流区間及び第1の反応区間を含み、第1の反応区間内に加水分解触媒が提供される。第1の整流区間は、塔頂と第1の反応区間の間に構成される。塔は、第1のストリッピング区間をさらに含み、第1のストリッピング区間は、塔底と第1の反応区間の間に構成される。生成物空間は、少なくとも第2の整流区間及び第2のストリッピング区間を含む。第2のストリッピング区間は、塔底の少なくとも一部分を第1のストリッピング区間と共用する。
【0030】
酢酸メチル加水分解プラントは、塔底から底部生成物を抜き出すための塔底導管を有することが有利であり、底部生成物は、酢酸及び水で実質上構成される。
【0031】
好ましい具体例によれば、酢酸メチル加水分解プラントは、反応空間の塔頂部分から第1の塔頂生成物を抜き出すための第1の塔頂放出導管と、生成物空間の塔頂部分から第2の塔頂生成物を抜き出すための第2の塔頂放出導管とを備え、第2の塔頂生成物は、メタノール及び酢酸メチルで実質上構成される。
【0032】
したがって、第1の塔頂生成物の一部分を凝縮するための第1の凝縮器、第2の塔頂生成物の一部分を凝縮するための第2の凝縮器を設けることができる。
【0033】
さらに、第1の塔頂生成物の一部分を反応空間へ再循環させるための第1の還流導管を設けることができ、第2の塔頂生成物の一部分を生成物空間へ再循環させるための第2の還流導管を設けることができる。
【0034】
一具体例では、水を含有する第1の供給材料用の第1の供給導管及び酢酸メチルを含有する第2の供給材料用の第2の供給導管が設けられ、塔の反応空間から塔に入る。
【0035】
特に好ましい具体例によれば、前反応器への酢酸メチル及び水を含有する前反応器の供給材料用の前反応器の供給導管が設けられる。前反応器は、加水分解触媒を収容し、それによって酢酸メチルは、酢酸及びメタノールに部分的に分解可能である。前反応器からの酢酸メチル、酢酸、及びメタノールを含有する前反応器の生成物が設けられ、第2の供給導管から垂直分割型の反応蒸留塔へ供給される。
【0036】
大きな再循環流を伴う複数の蒸留塔を用いる周知の方法と比較すると、そのような再循環流を低減させることが本発明のさらなる利点である。それによって、エネルギー消費が低減される。
【0037】
欧州特許第1220821号と比較すると、本発明の利点は、より高純度のメタノールを得られることである。塔は、反応空間及び生成物空間を独立して制御できるため、より安定して動作させることができる。メタノールは、塔の生成物空間の垂直分割壁部内に構成される側流で塔から放出され、その結果、より高純度のメタノールが得られる。メタノールは、滞留時間が短い領域だけに存在することが分かった。このように生成物空間の垂直分割壁部からメタノールが抽出される場合、滞留時間は短い。
【0038】
欧州特許第1220821号の塔の欠点は、この開示によればメタノールが塔底内に存在するため、塔底及び塔底熱交換器内で滞留時間が長くなる影響をより受けやすくなることである。
【0039】
本発明によれば、メタノールが側流として除去されるため、驚くべきことに、塔底内にメタノールが存在することを回避し、したがって生成物の純度に悪影響を与えるはずのあらゆる逆反応を回避することが可能である。
【0040】
したがって、上記の具体例のいずれかの酢酸メチル加水分解プラントの反応区間内で、構造化パッキング又はトレイが使用される。
【0041】
具体的には、酢酸メチル加水分解プラントの反応区間内で使用される構造化パッキングの表面上には、加水分解触媒を提供することができ、それによって加水分解触媒は、具体的には構造化触媒パッキングを形成することができる。
【0042】
一具体例では、酢酸メチル加水分解プラント内で使用される構造化触媒パッキングは、少なくとも1つの保持デバイスを含むことができる。保持デバイスは、固体触媒材料用のバッグ又は流路の少なくとも1つを含むことができる。
【0043】
本発明について、次の図面に示す。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】従来技術によるプロセスを実行するプラントを示す図。
【図2】本発明の特に有利な実施例による酢酸メチルから酢酸及び水への加水分解を実行するプラントの体系を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1によれば、本明細書の導入部で引用した論文に開示されている酢酸メチルを酢酸及びメタノールに加水分解するための反応蒸留塔を示す。この垂直分割型の反応蒸留塔100は円筒形形状であり、220mmの内径を有する。垂直分割型の反応蒸留塔は、塔の円筒形部分内に垂直に構成された壁105を備え、壁105は、垂直分割型の反応蒸留塔の内側空間を、2つの部分空間である反応空間119と生成物空間129に分割する。これらの部分空間はそれぞれ、少なくとも1つの分離要素を収容する。図1による構成では、部分空間は同じ寸法であり、したがって分割壁は、反応蒸留塔を2つの半体に分割する。
【0046】
供給側の反応空間119は、Sulzer MellapakPlus(商標)752.Yとして知られている構造化パッキングである最も上の分離要素110と、最も上の分離要素110の下に構成されたSulzer Katapak(商標)−SP11として知られている構造化触媒パッキングの第1の分離要素111と、第1の分離要素111の下に構成されたSulzer Katapak(商標)−SP11の第2の分離要素112と、Sulzer MellapakPlus(商標)752.Yで構成される最も下の分離要素113とを収容する。
【0047】
生成物空間129は、Sulzer MellapakPlus(商標)752.Yとして知られている構造化パッキングである最も上の分離要素120と、最も上の分離要素120の下に構成されたSulzer MellapakPlus(商標)752.Yという構造化パッキングの第1の分離要素121と、第1の分離要素121の下に構成されたSulzer MellapakPlus(商標)752.Yで構成される第2の分離要素122と、Sulzer MellapakPlus(商標)752.Yで構成される最も下の分離要素123とを収容する。
【0048】
垂直分割型の反応蒸留塔100は、共通の塔頂空間106及び共通の塔底空間108をさらに含む。共通の塔頂空間106と共通の塔底空間108はどちらも、Sulzer MellapakPlus(商標)752.Yという構造化パッキングで構成される分離要素107、109を収容する。収集器及び分散器を含むパッキング部の全体的な高さは、14.3mである。図には収集器及び分散器を示さないが、収集器は、分離要素107、109、110、111、112、113、120、121、122、123それぞれの下に設けることができ、分散器は、これらの分離要素それぞれの上に設けることができる。
【0049】
反応空間に入る供給材料は、2つの導管である水用の上部供給導管114及び酢酸メチル用の下部供給導管115で構成される。塔底生成物は、塔底導管116を介して塔から出、中間生成物は、中間導管117を介して塔から出、塔頂生成物は、塔頂導管118を介して塔から出る。
【0050】
分離要素107の下で収集される液体は、この分離要素から抜き出されて導管126によって塔の外部へ誘導され、液体を2つの還流124、125に分割するための分割器127内へ供給される。2つの還流124、125はそれぞれ、反応空間119又は生成物空間129のいずれかに入る。
【0051】
塔内で、酢酸メチルの反応蒸留の実行を行った。この塔内で実行したプロセスの数量及び組成を表1に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
反応蒸留による酢酸メチルの加水分解を通じて酢酸及びメタノールを得るための図2に示す本発明による酢酸メチル加水分解プラントは、塔頂36、塔体37、及び塔底38を収容する垂直分割型の反応蒸留塔1を含む。垂直分割型の反応蒸留塔1の塔体37は円筒形形状である。塔体37は、塔頂36と塔底38との間に構成される。塔の直径は1.6m前後である。塔の全体的な高さは35m前後である。
【0054】
塔は、反応空間19及び生成物空間29を含む。塔の長手方向軸線35に対して平行に垂直壁5が構成される。壁5は、塔を反応空間19と生成物空間29とに分割する。図2では、壁は鉛直に延び、内側空間を少なくとも2つの部分空間、すなわち反応空間19と生成物空間29とに分割する。これらの部分空間はそれぞれ、少なくとも1つの分離要素を収容する。図2による実施例では、部分空間は同じ寸法であり、したがって分割壁5は、反応蒸留塔を2つの半体に分割する。
【0055】
供給側の反応空間19は、Sulzer MellapakPlus(商標)752.Yとして知られている構造化パッキングとしてそれぞれ構成される反応塔頂空間の上部分離要素6及び反応塔頂空間の下部分離要素10と、分離要素10の下に構成された構造化触媒パッキングSulzer Katapak(商標)−SP11で構成される第1の分離要素11と、第1の分離要素11の下に構成されたSulzer Katapak(商標)−SP11で構成される第2の分離要素12と、Sulzer MellapakPlus(商標)752.Yで構成される最も下の分離要素13とを収容する。
【0056】
生成物空間29は、Sulzer MellapakPlus(商標)752.Yとして知られている構造化パッキングとしてそれぞれ構成される生成物塔頂空間の上部分離要素7及び生成物塔頂空間の下部分離要素20と、生成物塔頂空間の下部分離要素20の下に構成されたSulzer MellapakPlus(商標)752.Yという構造化パッキングで構成される第1の分離要素21と、第1の分離要素21の下に構成されたSulzer MellapakPlus(商標)752.Yで構成される第2の分離要素22と、Sulzer MellapakPlus(商標)752.Yで構成される最も下の分離要素23とを収容する。
【0057】
反応空間19は、少なくとも第1の整流区間32及び第1の反応区間33を含み、第1の反応区間33内に加水分解触媒が提供される。加水分解触媒は、構造化触媒パッキングを形成するように構造化パッキングの表面上に提供されると有利である。適した構造化触媒パッキングのタイプは、たとえば米国特許第5417938号(Shelden)、米国特許第5470542号(Stringaro)、米国特許第5536699号(Ghelfi)に記載されている。これらの特許の内容を、参照により本明細書に援用する。構造化触媒パッキングという用語は、保持デバイス、たとえば固体触媒材料用のバッグを有し、内部に流路が存在する構造を意味すると理解されるべきである。
【0058】
構造化パッキングは、本発明を実施するのに好ましい分離要素である。適した構造化パッキングのタイプには、上記で引用した文献に開示されたタイプが含まれる。本発明を実施するために使用できる他の分離要素には、ランダム・パッキング又はトレイが含まれ、それによって、構造化パッキング、ランダム・パッキング、又はトレイの組合せを分離要素として異なる区間で使用することができる。
【0059】
一実施例では、触媒は、そのような構造化パッキングの表面上に存在し、別の実施例では、触媒は、構造化パッキングの表面上若しくは本体内に構成されたバッグ内、構造化パッキングの隣接する層と層の間、又はそのような構造化パッキングの要素を形成するシートの層内に形成された溝内に収容される。他の触媒構成には、ランダム・パッキングを伴うバッグ内に構成された触媒、又はトレイ上に構成された触媒が含まれる。
【0060】
第1の整流区間32は、塔頂36と第1の反応区間33との間に設けられる。塔は、第1のストリッピング区間34をさらに含み、第1のストリッピング区間34は、塔底38と第1の反応区間33との間に設けられる。生成物空間29は、少なくとも第2の整流区間42及び第2のストリッピング区間44を含む。第2のストリッピング区間44は、塔底38の少なくとも一部分を第1のストリッピング区間34と共用する。
【0061】
このように、垂直分割型の反応蒸留塔は、共通の塔底空間8を含む。共通の塔底空間8は、Sulzer MellapakPlus(商標)752.Yという構造化パッキングで構成される分離要素9を収容する。分離要素が構造化パッキングで構成される場合、塔内の分離要素の完全な構成は、収集器及び分散器をさらに含む。図には収集器及び分散器を示さないが、収集器は、分離要素6、7、9、10、11、12、13、20、21、22、23それぞれの下に設けることができ、分散器は、これらの分離要素それぞれの上に設けることができる。収集器は、収集器に対して上流に構成された分離要素内を下へ流れる液体を収集する機能を有する。分散器は、分散器の下流に構成された分離要素全体にわたって液体を均一に分散させる機能を有する。
【0062】
酢酸メチル加水分解プラントの垂直分割型の塔は、塔底38から底部生成物を抜き出すための塔底導管16を有し、底部生成物は、酢酸及び水で実質上構成される。
【0063】
さらに、酢酸メチル加水分解プラントの垂直分割型の塔は、反応空間の塔頂部分45から第1の塔頂生成物を抜き出すための第1の塔頂放出導管18と、生成物空間の塔頂部分46から第2の塔頂生成物を抜き出すための第2の塔頂放出導管28とを備え、第2の塔頂生成物は、メタノール及び酢酸メチルで実質上構成される。塔頂生成物の蒸気は、反応空間の塔頂部分45及び生成物空間の塔頂部分46内に蓄積される。これらの蒸気は、放出導管26、27で塔頂から放出される。第1の塔頂生成物の一部分を凝縮するための第1の凝縮器30、第2の塔頂生成物の一部分を凝縮するための第2の凝縮器31が設けることができる。凝縮された蒸気の一部分は、第1の還流導管24又は第2の還流導管25内の還流として、それぞれの分離要素6、7の上の位置で塔内へ再循環される。
【0064】
このように、第1の塔頂生成物の一部分を反応空間19へ再循環させるための第1の還流導管24が設けられ、第2の塔頂生成物の一部分を生成物空間29へ再循環させるための第2の還流導管25が設けられる。
【0065】
一実施例では、水を含有する第1の供給材料用の第1の供給導管14及び酢酸メチルを含有する第2の供給材料用の第2の供給導管15が設けられ、塔1の反応空間19から塔1に入る。
【0066】
特に好ましい実施例によれば、前反応器2への酢酸メチル及び水を含有する前反応器の供給材料用の前反応器の供給導管3が設けられる。前反応器2は、加水分解触媒を収容し、それによって酢酸メチルは、酢酸及びメタノールに部分的に分解可能である。前反応器からの酢酸メチル、酢酸、及びメタノールを含有する前反応器の生成物が提供され、供給導管15から垂直分割型の反応蒸留塔1へ供給される。
【0067】
塔内で、SimSci(Invensys)からのPro/II(商標)というプロセス・シミュレーション・ソフトウェアを使用して、酢酸メチルの反応蒸留をシミュレートした。上記の塔内で実行したプロセスの数量及び組成を表2に示す。
【0068】
【表2】

【0069】
本発明によって反応蒸留による酢酸メチルの加水分解から酢酸及びメタノールを得る方法は、少なくとも50%の水を含有する第1の供給材料及び少なくとも15%の酢酸メチルを含有する第2の供給材料を反応蒸留塔内の加水分解触媒と接触させるステップと、それによって酢酸メチルを酢酸及びメタノールに少なくとも部分的に加水分解するステップとを含む。その結果得られる反応混合物は同時に、酢酸及びメタノールの成分に少なくとも部分的に分離される。第1及び第2の供給材料流は、塔の反応空間19に入り、水及び酢酸メチルからメタノール及び酢酸への加水分解を実行し、反応空間の塔頂部分45から第1の塔頂生成物が放出され、塔底38から底部生成物が放出され、生成物空間の塔頂部分46から第2の塔頂生成物が放出され、生成物空間29から中間生成物が放出される。中間生成物は、少なくとも99%のメタノールを含有する。
【0070】
表1による70.3%という中間生成物117の純度と比較すると、表2による到達した中間生成物17の純度は99.8%であった。
【0071】
中間生成物は、反応区間33内の化学反応の完了直後に酢酸からメタノールを分離するのに役立つ。それによって、メタノールと酢酸との間の長時間の接触が回避される。したがって、垂直分割型の塔の生成物空間29内の蒸留によって反応生成物であるメタノール及び酢酸が分離されるため、逆反応の可能性は大いに低減される。
【0072】
本明細書及び引用した記事に開示されている従来技術の様々な例示的な条件では、驚くべきことに、中間生成物の純度の増大に加えて、表2に開示した計算されたデータによれば、供給材料流の和が、第1の塔頂生成物及び第2の塔頂生成物を再循環させた部分の和と同じ程度であり、約9570kg/時であることが明らかになった。これは、従来技術と比較すると、塔内における成分の滞留時間がかなり低減されたことを意味するだけでなく、本発明に記載の方法のエネルギー消費がかなり低くなったことも意味する。表1による方法の再循環流は、表2に示す実験設備の再循環流よりも約5倍大きいため、表1による解決策と比較すると、エネルギー消費を1/5も低くすることができる。
【0073】
酢酸メチルを含有する前反応器の供給材料がまず前反応器2に供給され、前反応器2内で、酢酸メチルは水の存在下で加水分解触媒と接触し、それによって酢酸メチルは酢酸及びメタノールに部分的に分解され、酢酸メチル、酢酸、及びメタノールを含有する前反応器の生成物が前反応器2から放出され、第1の供給材料として反応蒸留塔内へ供給される。
【0074】
塔底から抜き出される底部生成物は、酢酸及び水で実質上構成される。反応空間の塔頂部分45で反応空間19から第1の塔頂生成物が抜き出され、生成物空間の塔頂部分46で生成物空間29から第2の塔頂生成物が抜き出され、第2の塔頂生成物は、メタノール及び酢酸メチルで実質上構成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塔頂(36)、塔体(37)及び塔底(38)を含む垂直分割型の反応蒸留塔(1)として構成された反応蒸留塔(1)内での反応蒸留による酢酸メチルの加水分解により酢酸及びメタノールを得る方法であって、
前記塔体(37)が前記塔頂(36)と前記塔底(38)の間に配置され、
前記反応蒸留塔が反応空間(19)及び生成物空間(29)をさらに含み、前記反応空間(19)が少なくとも第1の整流区間(32)及び第1の反応区間(33)を含み、前記第1の反応区間(33)内に触媒が備えられ、前記第1の整流区間(32)が前記塔頂(36)と前記第1の反応区間(33)の間に配置され、
前記反応蒸留塔が第1のストリッピング区間(34)をさらに含み、前記第1のストリッピング区間(34)が前記塔底(38)と前記第1の反応区間(33)との間に配置され、前記生成物空間(29)が少なくとも第2の整流区間(42)及び第2のストリッピング区間(44)を含み、それによって水及び酢酸メチルを含有する供給材料が前記反応空間(19)に入り、前記加水分解触媒と接触して酢酸及びメタノールに少なくとも部分的に加水分解される、酢酸メチルの加水分解により酢酸及びメタノールを得る方法において、
前記第2のストリッピング区間(44)が、前記塔底(38)の少なくとも一部分を前記第1のストリッピング区間(34)と共用し、前記反応空間の塔頂部分(45)から第1の塔頂生成物が放出され、前記塔底(38)から底部生成物が放出され、前記生成物空間の塔頂部分(46)から第2の塔頂生成物が放出され、前記生成物空間(29)から中間生成物が放出されることを特徴とする酢酸メチルの加水分解により酢酸及びメタノールを得る方法。
【請求項2】
前記底部生成物内のメタノール及び酢酸メチルの量が、1%未満、好ましくは0.5%未満、特に好ましくは0.1%未満である、請求項1に記載された酢酸メチルの加水分解により酢酸及びメタノールを得る方法。
【請求項3】
前記第2の塔頂生成物が、メタノール及び酢酸メチルから実質上構成される、請求項1又は請求項2に記載された酢酸メチルの加水分解により酢酸及びメタノールを得る方法。
【請求項4】
前記第2の塔頂生成物内の不純物の量が、1%未満、好ましくは0.5%未満、特に好ましくは0.1%未満である、請求項3に記載された酢酸メチルの加水分解により酢酸及びメタノールを得る方法。
【請求項5】
酢酸メチルを含有する前反応器の供給材料がまず前反応器(2)に供給され、前記前反応器(2)内で、前記酢酸メチルが水の存在下で加水分解触媒と接触し、それによって前記酢酸メチルが酢酸及びメタノールに部分的に分解され、酢酸メチル、酢酸、及びメタノールを含有する前反応器の生成物が前記前反応器(2)から放出され、前記第1の供給材料として前記反応蒸留塔内へ供給される、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載された酢酸メチルの加水分解により酢酸及びメタノールを得る方法。
【請求項6】
塔頂(36)、塔体(37)、及び塔底(38)を含む垂直分割型の反応蒸留塔(1)を含む反応蒸留による酢酸メチルの加水分解を通じて酢酸及びメタノールを得る酢酸メチル加水分解プラントであって、
前記塔体(37)が前記塔頂(36)と前記塔底(38)の間に配置され、
前記反応蒸留塔が反応空間(19)及び生成物空間(29)をさらに含み、
壁(5)が、前記反応蒸留塔の長手方向軸線(35)に対して平行に設けられ、前記壁(5)が、前記反応蒸留塔を前記反応空間(19)と前記生成物空間(29)に分割し、前記反応空間(19)が少なくとも第1の整流区間(32)及び第1の反応区間(33)を含み、前記第1の反応区間(33)内に触媒が備えられ、前記第1の整流区間(32)が前記塔頂(36)と前記第1の反応区間(33)との間に配置され、
前記反応蒸留塔が第1のストリッピング区間(34)をさらに含み、前記第1のストリッピング区間(34)が前記塔底(38)と前記第1の反応区間(33)との間に配置され、前記生成物空間(29)が少なくとも第2の整流区間(42)及び第2のストリッピング区間(44)を含む、酢酸メチル加水分解プラントにおいて、
前記第2のストリッピング区間(44)が、前記塔底(38)の少なくとも一部分を前記第1のストリッピング区間(34)と共用することを特徴とする酢酸メチル加水分解プラント。
【請求項7】
前記塔底(38)から底部生成物を抜き出すための塔底導管(16)が設けられ、前記底部生成物が、酢酸及び水から実質上構成される、請求項6に記載された酢酸メチル加水分解プラント。
【請求項8】
反応空間の塔頂部分(45)から第1の塔頂生成物を抜き出すための第1の塔頂放出導管(18)が設けられ、前記生成物空間の塔頂部分(46)から第2の塔頂生成物を抜き出すための第2の塔頂放出導管(28)が設けられ、前記第2の塔頂生成物が、メタノール及び酢酸メチルから実質上構成される、請求項6又は請求項7に記載された酢酸メチル加水分解プラント。
【請求項9】
前記第1の塔頂生成物の一部分又はすべてを凝縮するための第1の凝縮器(30)が設けられ、前記第2の塔頂生成物の一部分又はすべてを凝縮するための第2の凝縮器(31)が設けられる、請求項8に記載された酢酸メチル加水分解プラント。
【請求項10】
前記第1の塔頂生成物の一部分を前記反応空間(19)へ再循環させるための第1の還流導管(24)が設けられ、前記第2の塔頂生成物の一部分を前記生成物空間(29)へ再循環させるための第2の還流導管(25)が設けられる、請求項9に記載された酢酸メチル加水分解プラント。
【請求項11】
水を含有する第1の供給材料用の第1の供給導管(14)及び酢酸メチルを含有する第2の供給材料用の第2の供給導管(15)が設けられ、前記反応蒸留塔の前記反応空間(19)から前記反応蒸留塔(1)に入るようになっている、請求項6から請求項10までのいずれか一項に記載された酢酸メチル加水分解プラント。
【請求項12】
前反応器(2)への酢酸メチル及び水を含有する前反応器供給材料用の前反応器供給導管(3)が設けられ、前記前反応器(2)が加水分解触媒を収容し、それによって前記酢酸メチルが、酢酸及びメタノールに部分的に分解可能であり、前記前反応器からの酢酸メチル、酢酸、及びメタノールを含有する前反応器の生成物が、前記第2の供給導管(15)から前記垂直分割型の反応蒸留塔(1)へ供給されるようになっている、請求項6から請求項11までのいずれか一項に記載された酢酸メチル加水分解プラント。
【請求項13】
構造化パッキングの表面上に加水分解触媒を備えることができ、構造化触媒パッキングを形成することができる請求項6から請求項12までのいずれか一項に記載された酢酸メチル加水分解プラントの前記反応区間における構造化パッキング又はトレイの使用。
【請求項14】
前記構造化触媒パッキングが少なくとも1つの保持デバイスを含む、請求項13に記載された構造化パッキング又はトレイの使用。
【請求項15】
前記保持デバイスが固体触媒材料用のバッグ又は流路の少なくとも1つを含む、請求項14に記載された構造化パッキング又はトレイの使用。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−201684(P2012−201684A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−47531(P2012−47531)
【出願日】平成24年3月5日(2012.3.5)
【出願人】(505150095)スルザー ケムテック アクチェンゲゼルシャフト (40)
【Fターム(参考)】