説明

酸官能基を有する調節自在なブロック共重合体と、それを含む熱可塑性接着剤組成物

【課題】直鎖のエチレン系ブロック共重合体と、この共重合体の熱可塑性接着剤組成物での使用。
【解決手段】
(1)20℃以上のガラス遷移温度を有する少なくとも1種の第1ブロックAと、(2)15℃以下のガラス遷移温度を有する少なくとも1種の第2ブロックBと、(3)20℃以上のガラス遷移温度を有する少なくと1種の第3ブロックCとを有し、第1ブロックAと第3ブロックCとは互いに同一であるか、異なっており、第3ブロックCは少なくとも1つのCO2Hおよび/またはカルボキシレート−COO-官能基を有する少なくとも一種のモノマー単位を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調節自在なブロック共重合に関するものであり、特に、感圧性ホットメルト接着剤組成物(略記号HMPSAで公知)のような接着剤組成物や熱可塑性組成物で使用可能なブロック共重合に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、感圧性熱溶融性組成物、特に接着バンドや接着ラベルの用途で使用される接着剤のような接着剤組成物は、加工上の特性(熱安定性、粘性度等)と物性(接着力、凝集力および耐熱性等)とをバランスさせる必要がある。このことは一般的な熱可塑性組成物でも同じである。
【0003】
ポリマー分野では、メタアクリル酸またはアクリル酸のようなモノマーを添加し、塩基による酸官能基の中和によるアイオノマー効果を利用してポリマーのモジュラス値や耐熱性のようなポリマーの物性をコントロールできるということは公知である。
【0004】
しかし、上記ポリマーはこれら組成物で一般的に使用される成分、例えば粘着付与樹脂やオイルと非混和性であるため、上記種類のポリマーを接着剤組成物、特にホットメルト感圧接着剤組成物に組み込むことはこれまでは困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、単に酸官能基を中和することで物性(例えば機械特性、熱機械特性、流動特性)が調節でき、しかも、接着剤組成物または熱可塑性組成物に単に組み込むだけで、ポリマーのグレードに頼らずに、最終用途の所望物性が得られるような、新規なポリマーに対する強いニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の対象は、下記(1)〜(3):
(1)20℃以上、好ましくは60℃以上のガラス遷移温度を有する少なくとも1種の第1ブロックA、
(2)15℃以下、好ましくは-30℃以下のガラス遷移温度を有する少なくとも1種の第2ブロックB、
(3)20℃以上、好ましくは60℃以上のにガラス遷移温度を有する少なくと1種の第3ブロックC、
を有し、第1ブロックAと第3ブロックCとは互いに同一であるか、異なっており、第3ブロックCは少なくとも1つのCO2Hおよび/またはカルボキシレート−COO-官能基を有する少なくとも一種のモノマー単位を有することを特徴とする直鎖のエチレン系ブロック共重合体にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のコポリマーは、官能基−CO2Hの中和度をコントロールすることによって熱機械的特性および流動(レオロジー)特性のような物理特性(物性)を簡単に調節することができるという点で特に有利である。
【0008】
すなわち、上記定義のコポリマーから出発して、その酸官能基−CO2Hの全てまたは一部を中和することで凝集力(cohesion)を強くし、それよって弾性剪断弾性率(module elastique de cisaillement)、さらには温度耐熱性を増加させることができる。すなわち、コポリマーをイオン化するとそのガラス遷移温度が増加し、イオン相互作用によってポリマー鎖間に静電ブリッジができ、その機械強度を変えることができる。
【0009】
また、本発明のコポリマーから出発して、その酸官能基−CO2Hの全部または一部を中和することで溶融粘度を制御することができ、従って低剪断勾配(速度)での粘度を選択的に増加させ、一方、高剪断速度での粘度をより大きく増加させることができる(例えば、耐クリープ性を良くするため)。
【0010】
溶剤を含む配合物の場合には(例えば、固体粒子群を安定した懸濁状態に保つために)粘度の制御が極めて重要になるため、本発明のコポリマーは溶剤を含む配合物の場合に特に有利であることが分かる。
【0011】
本発明では、中和度を調節することで単一グレートのコポリマーのみを使用して所定分野に適した特性のポリマーにすることができる。
【0012】
さらに、本発明ポリマーに固有な特性(特に、各ブロックのガラス遷移温度)から、本発明コポリマーは接着剤組成物、熱可塑性組成物で一般的に使用されている各種成分を簡単に混合することができる。
【0013】
本発明のコポリマーは直鎖のエチレン系ブロック共重合体である。用語「エチレン系コポリマー」とはエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合で得られるコポリマーを意味する。用語「ブロック共重合体」とは複数(本発明の場合には少なくとも3つ)の互いに異なる、すなわち化学的種類が異なる一連のブロックから成るコポリマーを意味する。
【0014】
本発明のコポリマーは直鎖構造を有するポリマーである。これに対して、非直鎖構造を有するポリマーは例えば分岐鎖、星型、グラフト、その他の構造を有するポリマーである。直鎖のポリマーの製造に用いるモノマーは全て一官能性、すなわち重合可能な単一の官能基を有するモノマーだけである。重合開始剤は一官能性または二官能性である。
【0015】
本発明のコポリマーでは第1ブロックAと第3ブロックC(互いに同一でも異なっていてもよい)のそれぞれが20℃以上のガラス遷移温度を有し、そのブロックの少なくとも一つは少なくとも1つのCO2Hおよび/または−COO-官能基を有する少なくとも一つのモノマー単位を有する。一般に、このモノマー単位はそのブロック中に0.5〜99モル%、好ましくは3〜30%、より好ましくは3〜20モル%の量で含まれる。すなわち、一般に、これらの各ブロックは互いに異なる複数のタイプのモノマーに由来し、一つのコポリマーから成り、このコポリマーはランダム、交互または傾斜ブロックからなる。各ブロックでのモノマーの分布はランダムか、種類および/またはモノマーの反応性および/または使用した製造方法に応じて抑制されたものになる。
【0016】
用語「モノマー単位」とは本発明ではモノマーの重合後にモノマーから直接に得られる単位を示す。
【0017】
重合後に少なくとも1つの−CO2H官能基を有するモノマー単位となるブロックAおよび/またはCのモノマーとして使用可能なモノマーは下記の式(I)に対応するモノマーの中から選択することができる:
【化1】

【0018】
(ここで、
1は水素原子またはCp2p+1タイプの直鎖または分枝した炭化水素基(ここで、pは1〜12の整数)であり、
Zは−COO−、−CONH−、−CONCH3−、−OCO−または−O−、好ましくは−COO−および−CONH−の中から選択される二価の基であり、
xは0または1で、好ましくは1であり、
2は1〜30個のO、N、SおよびPの中から選択される異種原子を含んでいてもよい、1〜30の炭素原子を有する、直鎖、分岐鎖または環式の、芳香族でもよい、飽和または不飽和の二価の炭素基であり、
mは0または1に等しい整数である)
【0019】
式(I)では、R1が水素原子またはメチル基で、xが0で、mが0であるのが好ましい。
【0020】
2では、異種原子が存在するときには、その異種原子は基R2の鎖中に挿入されるか、基R2をヒドロキシまたはアミノ基(NH2、NHR'またはNR'R''のような基(R'およびR''は直鎖または分岐鎖のC1−C22アルキル基、特にメチル基またはエチル基を表す)を有する一つ以上の基で置換することができる。
【0021】
基R2は特に下記(1)〜(3)にすることができる:
(1)アルキレン基、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、tert-ブチレン、n-ヘキシレン、n-オクチレン、n-ドデシレン、n-オクタデシレン、n-テトラデシレン、n-ドコサニレン(docosanylene)基、
(2)(オルト、メタ、パラ)フェニレン基−C64−(このフェニレン基はO、N、SおよびPの中から選択される1〜8つの異種原子を有していてもよいC1〜C12アルキル基で置換されていてもよい)またはベンジレン基−C64−CH2−(このベンジレン基はO、N、SおよびPから選択される1〜8つの異種原子を有していてもよいC1〜C12アルキル基で置換されていてもよい)、
(3)式−CH2−CHOH−、−CH2−CH2−CHOH−、−CH2−CH2−CH(NH2)−、−CH2−CH(NH2)−、−CH2−CH2−CH(NHR')−、−CH2−CH(NHR')−、−CH2−CH2−CH(NR'R'')−、−CH2−CH(NR'R'')−、−CH2−CH=CH−を有する基(ここで、R'およびR''は直鎖または分枝鎖のC1−C18アルキル基、特にメチルまたはエチル基で、互いに同一または異なっていてよい)
【0022】
−CO2H官能基を有するモノマー単位を与えることができるモノマーの中で、特に好ましいものはアクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、ジアクリルな酸、ジメチルフマル酸、シトラコン酸、ビニル安息香酸、式CH2=CH-CONHCH(OH)COOHのアクリルアミドグリコール酸、式C3H5-CO2-CH=CH-CO2-C3H5のジアリルマレアート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ビニル結合を有する無水カルボン酸、これらの塩およびこれらの混合物である。上記エステルの場合にはエステルが重合後に加水分解されて−CO2H官能基を有する単位になる。
【0023】
ブロックAおよび/またはCで、重合後に少なくとも一つのカルボキシレート官能基を有するモノマー単位を与えるモノマーとして使用可能なモノマーは下記の式(II)に対応するモノマーの中から選択することができる:
【化2】

【0024】
[ここで、
1、Z、x、R2およびmは上記の式(I)と同じ意味を有し、
X'+は式−N+R'6R'7の二価の基(ここで、R'6とR'7は互いに同一または異なり、下記の(i)〜(iv)を表す:
(i) 水素原子、
(ii)1〜8個のO、N、SおよびPの中から選択される異種原子を含んでいてもよい、1〜30の炭素原子を有する、直鎖、分岐鎖または環式の、芳香族でもよいアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチルまたはイソブチル基、
(iii) 式−(R'8O)yR'9のアルキレンオキシド基(ここで、R'8はC2−C4の直鎖または分枝鎖のアルキル基を表し、R'9は水素またはC1−C30の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表し、yは1〜250の整数を表す)
【0025】
(iv)全体で5、6、7または8つの原子、特に4、5、6または7つの炭素原子および/または2〜4つのO、SおよびNから選択される異種原子を有する飽和または不飽和の、芳香族でもよい、R'6とR'7とが窒素原子と一緒になって形成する環(NR'6R'7またはR'6NR'7)、(この環は、各々が5、6、7または8つの原子、特に4、5、6または7つの炭素原子および/または2〜4つのO、SおよびNから選択される異種原子を有する飽和または不飽和の、芳香族でもよい別の環と一体になっていてもよい)
3は、1〜18個のO、SおよびNから選択される異種原子を有していてもよい1〜30の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖または環式の、芳香族でもよい飽和または不飽和の二価の炭素基、
nは0または1である]
【0026】
基R3において、異種原子が存在する場合には、その異種原子は基R3の鎖中に挿入されているか、基R3がヒドロキシまたはアミノ基のようなそれを有する一つ以上の基で置換することができる。基R3としては特に下記(1)(2)を挙げることができる:
(1)アルキレン基(例えばメチレン、エチレン、プロピレン)n-ブチレン、イソブチレン、tert-ブチレン、n-ヘキシレン、n-オクチレン、n-ドデシレン、n-オクタデシレン、n-テトラデシレン、n-ドコサニレン基、
(2)(オルト、メタまたはパラ)フェニレン基-C64−(このフェニレン基はO、N、S、F、SiおよびPの中から選択される1〜5つの異種原子を有していてもよいC1〜C12アルキル基で置換されていてもよい)またはベンジレン基−C64−CH2−(このベンジレン基はO、N、SおよびPの中から選択される1〜5つの異種原子を有していてもよいC1〜C12アルキル基で置換されていてもよい)
【0027】
ブロックAおよび/またはCは、少なくとも1つの−CO2H官能基を有するモノマー単位以外に、非イオン性親水性モノマー、疎水性のモノマーおよびこれらの混合物の中から選択される追加のモノマーに由来する一つ以上の他のモノマー単位をさらに有することができる。
【0028】
これらの追加のモノマーは各ブロックで互いに同一でも異なっていてもよい。これらの追加のモノマーは、イオン性親水性モノマーと共重合可能なエチレン系モノマーで、その反応性係数とは無関係である。
【0029】
非イオン性親水性モノマーは少なくとも一つのブロックに(または各ブロックに)ブロックの重量に対して0〜98重量%、特に2〜92重量%、好ましくは3〜95重量%の量で存在することができる。
【0030】
疎水性のモノマーは少なくとも一つのブロックに(または各ブロックに)ブロックの重量に対して0〜98重量%、特に2〜95重量%、好ましくは3〜92重量%の量で存在することができる。
【0031】
本発明ポリマーを形成するための−CO2H官能基を有する上記モノマー単位の先駆モノマーと共重合可能な非イオン性親水性モノマーまたは疎水性モノマーの中では、下記(i)〜(v)が挙げられる(単独または混合物として):
(i) 2〜10の炭素原子を有するエチレン系炭化水素、例えばエチレン、イソプレンまたはブタジエン;
(ii)下記式の(メタ)アクリレート:
【化3】

【0032】
(ここで、R2は水素原子またはメチル(CH3)基であり、R3は下記(1)〜(7)を表す:
【0033】
(1)1〜30の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基(このアルキル基にはO、N、SおよびPの中から選択される一つ以上の異種原子が挿入されていてもよく、さらに、このアルキル基はOH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、−Si(R'4R'5R'6)および−Si(R'4R'5)O基の中から選択される一つ以上の置換基で置換されていてもよい)(ここで、R'4、R'5およびR'6は水素原子、C1〜C6アルキル基またはフェニル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい)、
【0034】
特に、R3はメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ヘキシル、エチルヘキシル、特に2−エチルヘキシル、オクチル、ラウリル、イソオクチル、イソデシル、ドデシル、シクロヘキシル、tert-ブチルシクロヘキシルまたはステアリル基、2−エチルペルフルオロヘキシルまたは2−エチルペルフルオロオクチル基またはC1−C4ヒドロキシアルキル基、例えば2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシブチル、2−ヒドロプロピル基;または、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル基、例えばメトオキシエチル、エトキシエチルおよびメトオキシプロピル基、
【0035】
(2)C3〜C12シクロアルキル基(例えばイソボルニル基);
(3)C3〜C20アリール基(例えばフェニル基);
(4)C4〜C30アラルキル基(C1〜C8アルキル基)、例えば2−フェニルエチル、t−ブチルベンジルまたはベンジル基;
(5)O、NおよびSの中から選択される一つ以上の異種原子を含む4〜12の環構成員を有する芳香族または非芳香族の複素環基、;
【0036】
(6)ヘテロシクロアルキル基(1〜4の炭素原子を有するアルキル)、例えばフルフリルメチルまたはテトラヒドロフルフリルメチル基;
上記のシクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環基、ヘテロシクロアルキル基は水酸基、ハロゲン原子および直鎖または分岐鎖のC1−C4アルキル基の中から選択される一つ以上の置換基で置換されていてもよく、上記のC1−C4アルキル基はO、N、SおよびPの中から選択される一つ以上の異種原子を含んでいてもよく、さらに、このアルキル基はOH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、−Si(R'4R'5R'6)および−Si(R'4R'5)O基の中から選択をされる一つ以上の置換基で置換されていてもよい(ここで、R'4、R'5およびR'6は水素原子、C1〜C6アルキル基またはフェニル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい);
【0037】
(7)−(OC24)m−OR''の基(ここで、m=5〜300、R''=HまたはC1〜C30アルキル)、例えば、−(OC2H4)m-OH、-(OC2H4)m-O-メチルまたは−(OC2H4)m-O-ベヘニル、または、−(OC36)m−OR''の基(ここで、m5〜300、R''=HまたはC1〜C30アルキル)、例えば−(OC3H6)m-OHおよび(OC24)mおよび(OC36)m基のランダム混合物またはブロック混合物;
【0038】
(iii)下記式の(メタ)アクリルアミド:
【化4】

【0039】
(ここで、
8はHまたはメチルを表し、
7およびR6は下記の(1)〜(8)を表し、互いに同一でも異なっていてもよい:
(1)水素原子;
(2)1〜30の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基(このアルキル基はOからN、SおよびPの中から選択される一つ以上の異種原子を含んでいてもよく、さらに、このアルキル基は−OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、−Si(R'4R'5R'6)および−Si(R'4R'5)O基の中から選択される置換基で置換されていてもよい)(ここで、R'4、R'5およびR'6は水素原子、C1〜C6アルキル基またはフェニル基を表す);
【0040】
特に、R6およびR7はメチル、エチル、プロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ヘキシル、エチルヘキシル、オクチル、ラウリル、イソオクチル、イソデシル、ドデシル、シクロヘキシル、t-ブチルシクロヘキシルまたはステアリル基、2-エチルペルフルオロヘキシルまたは2-エチルペルフルオロオクチル基またはC1〜C4ヒドロキシアルキル基、例えば2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシブチルそして、2−ヒドロプロピル基または(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、例えばメトキシエチル、エトキシエチルおよびメトオキシプロピル基;
【0041】
(3)C3〜C12シクロアルキル基(例えばイソボルニル基);
【0042】
(4)C3〜C20アリール基(例えばフェニル基);
【0043】
(5)C4〜C30アラルキル基(C1〜C8アルキル)、例えば2−フェニルエチル、t−ブチルベンジルまたはベンジル基
【0044】
(6)O、NおよびSの中から選択される一つ以上の異種原子を含む4〜12の環構成員を有する芳香族または非芳香族の複素環基;
【0045】
(7)ヘテロシクロアルキル基(C1〜C4アルキル)、例えばフルフリルメチルまたはテトラヒドロフルフリルメチル基;
上記シクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環基およびヘテロシクロアルキル基は水酸基、ハロゲン原子および直鎖または分岐鎖のC1〜C4アルキル基の中から選択される一つ以上の置換基によって置換されていてもよく、上記C1〜C4アルキル基はO、N、SおよびPの中から選択される一つ以上の異種原子を含むことができ、さらに、上記アルキル基は−OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、−Si(R'4R'5R'6)および−Si(R'4R'5)O基の中から選択をされる一つ以上の置換基で置換されていてもよい)(ここで、R'4、R'5およびR'6は水素原子、C1〜C6アルキル基またはフェニル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい);
【0046】
(8)−(OC24)m−OR''の基(ここで、m=5〜300、R''=HまたはC1〜C30アルキル、例えば、−(OC2H4)m-OH、-(OC2H4)m-O-メチルまたは(OC2H4)m-O-ベヘニル);−(OC36)m−OR''の基(ここで、m=5〜300、R''=HまたはC1〜C30アルキル、例えば−(OC3H6)m-OH;または(OC24)mと(OC36)m基のランダム混合物およびブロック混合物。
【0047】
この種の追加のモノマーの例は、(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル−アクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、N− ウンデシル−アクリルアミドおよびN-(2-ヒドロキシプロピルメタクリルアミド系)である。
【0048】
(iv) 下記式のビニル化合物:
CH2=CH−R9
(ここで、
9は水酸基、ハロゲン(ClまたはF)、NH2基、−OR10基(ここで、R10はフェニル基またはC1〜C12アルキル基(モノマーはビニルまたはアリルエーテルである)、アセトアミド(NHCOCH3)基、OCOR11基(ここで、R11は2〜12の炭素を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基(モノマーはビニルまたはアリルエステルである)、C3〜C12シクロアルキル基、C3〜C20アリール基またはC4〜C30アラアリル基を表し、さらに、R9は下記(1)〜(6)の中から選択される:
【0049】
(1)1〜30の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基(このアルキル基はO、N、SおよびPから選択される一つ以上の異種原子を含むことができ、さらに、このアルキル基は−OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、−Si(R'4R'5R'6)および−Si(R'4R'5)O基の中から選択される一つ以上の置換基で置換さていてもよい)(ここで、R'4、R'5およびR'6は水素原子、C1〜C6アルキル基またはフェニル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい)
【0050】
(2)C3〜C12シクロアルキル基(例えばイソボルニル基またはシクロヘキサン基);
(3)C3〜C20アリール基(例えばフェニル基);
【0051】
(4)C4〜C30アリールアルキルまたはアルキルアリール基(C1〜C8アルキル基)、例えば2−フェニルエチルまたはベンジル基;
(5)O、NおよびSから選択される一つ以上の異種原子を含んでいてもよい4〜12の環構成員を有する芳香族または非芳香族の複素環基、例えばN−ビニルピロリドンおよびN−ビニルカプロラクタム;
【0052】
(6)ヘテロシクロアルキル基(1〜4の炭素原子を有するアルキル)、例えばフルフリルメチルまたはテトラヒドロフルフリルメチル基;
上記のシクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環基およびヘテロシクロアルキル基は水酸基、ハロゲン原子および1〜4の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基から選択される一つ以上の置換基で置換されていてもよく、上記アルキル基はO、N、SおよびPの中から選択される一つ以上の異種原子を有していてもよく、さらに、上記アルキル基は−OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、−Si(R'4R'5R'6)および−Si(R'4R'5)O基の中から選択される一つ以上の置換基で置換されていてもよい)(ここで、R'4、R'5およびR'6は水素原子、C1〜C6アルキル基またはフェニル基を表し、互いに同一でも異なっていもよい)
【0053】
この種の追加のモノマーの例はビニルシクロヘキサン、スチレン(疎水性)、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム(非イオン性親水性);酢酸ビニール、ビニルプロピオネート、酪酸ビニル、ビニルエチルヘキサノエート、ビニルネオノナノエート、ビニルネオドデカノエート(疎水性);ビニルジメチルエーテル、ビニルエチルエーテルおよびビニルイソブチルエーテルである。
【0054】
(v)式CH2=CH−CH2−R9またはCH2=C(CH3)−CH2−R9のアリル化合物(ここで、R9は上記と同じ意味を有する)。特にアリルジメチルエーテル、3-アリルオキシ-1,2-プロパンジオール(CH2=CHCH2OCH2CH(OH)CH2OH)および2-アリルオキシエチルアルコール(CH2=CHCH2OC2H4OH)が挙げられる。
(vi)(メタ)アクリル、(メタ)アクリルアミドまたはシリコーン化ビニルモノマー、例えばメタクリルオキシプロピルトリ(トリメチルシロキシ)シランまたはアクリルオキシプロピルポリジメチルシロキサンまたはシリコーン化された(メタ)アクリルアミド。
【0055】
追加のモノマー、特に非イオン性親水性モノマーとして特に好ましいものは下記(1)〜(8)を挙げることができる(単独または混合物として)(カッコ内の数値は各モノマーのTgである):
(1)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド(アルキル基は2〜4の炭素原子を有する)、特に、2-ヒドロキシエチルアクリレート(Tg=15℃)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(55℃)、2-ヒドロキシプロピルメタクリリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリリレート、N-(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド;
【0056】
(2)(C1-C4)アルコキシ(C1-C4)アルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド、例えばメトキシエチル、2-エトキシエチル、メトオキシプロピルおよびジ(2- エトキシエチル)(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド、特に、2-エトキシエチルメタクアクタレート;
(3)(メタ)アクリルアミドおよびN,N-ジメチル−アクリルアミド;
【0057】
(4)−(OC24)m−OR''基を有する(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド(ここで、m=5〜300、R''=HまたはC1〜C4アルキル、例えば、(メトキシ−またはヒドロキシ基で終わる)ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド、特に、ヒドロキシで終るポリエチレングリコールメタクリクリレート(n=8、10、12、45、90または200)およびメトオキシで終るポリエチレングリコールメタクリレート(n=8、10、12、45、90または200)(Tg=−55℃);
【0058】
(5)ビニルラクタム、例えばビニルピロリドンおよびビニルカプロラクタム;
(6)ビニールエーテル、例えばビニルジメチルエーテル(Tg=−34℃)およびビニルエチルエーテル;
(7)ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム;
(8)ポリサッカライドの(メタ)アクリレート、例えば蔗糖アクリレートおよびエチルグルコシド(メタ)アクリレート。
【0059】
追加のモノマー(特に疎水性モノマー)の中で好ましものとしては特に下記(1)〜(4)を挙げることがでる(単独または混合物として)(カッコ中の値はTgを表す):
(1)t-ブチルベンジルアクリレート、t-ブチルシクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート(94℃)、フルフリルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート(45℃)、t-ブチルアクリレート(50℃)、シクロヘキシルアクリレート(19℃)、ヒドロキシエチルアクリレート(15℃)、メチルアクリレート(10℃)、エチルアクリレート(-24℃)、イソブチルアクリレート(-24℃)、メトキシエチルアクリレート(-33℃)、n-ブチルアクリレート(-54℃)、エチルヘキシルアクリレート(-50℃)、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソデシルアクリレート;
【0060】
(2)t-ブチルベンジルメタクアクリレート、t-ブチルシクロヘキシルメタクアクリレート、イソボルニルメタアクリレート(111℃)、メチルメタアクリレート(100℃)、シクロヘキシルメタクアクリレート(83℃)、エチルメタアクリレート(65℃)、ベンジルメタアクリレート(54℃)、イソブチルメタアクリレート(53℃)、ブチルメタアクリレート(20℃)、n-ヘキシルメタアクリレート(-5℃)、エチルヘキシルメタアクリレート、オクチルメタアクリレート、ラウリルメタアクリレート、イソオクチルメタアクリレート、イソデシルメタアクリレート;
【0061】
(3)スチレン(100℃)、ビニルシクロヘキサン、酢酸ビニル(23℃)、ビニルメチルエーテル(-34℃)、ビニルネオナノエート、ビニルネオドデカノエート;
(4)N-ブチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジブチルアクリルアミド、N-t−ブチルアクリルアミド、N-オクチルアクリルアミド。
【0062】
本発明の一つの実施例ではブロックBは上記定義の非イオン性親水性および/または疎水性モノマーに由来するモノマー単位を有することができる。このブロックは一般にブロック共重合体の合成反応で生じる−CO2H官能基をさらに有することもできる。
【0063】
本発明の1つの好ましい実施例では、本発明コポリマーは一般にABCタイプのトリブロックコポリマーである(ここで、ブロックA、BおよびCは上記と同じ定義を有する)。
ブロックBはコポリマーの5〜95重量%、好ましくは50重量%以上の量で存在するのが有利である。
【0064】
本発明の一つの実施例ではブロックAおよび/またはCは下記(1)および(2)を有する:
(1)下記(i)(ii)の中から選択される非イオン性モノマーに由来するモノマー単位は:
(i) 式CH2=CH−R9のビニル化合物(R9は上記定義のもの)、例えばスチレン;
(ii)下記式のメタクリル酸エステル化合物:
【化5】

【0065】
(ここで、R2およびR3は上記定義のもの、例えばメチルメタアクリレート)
(2)アクリル酸またはメタアクリル酸の中から選択されるモノマーに由来する少なくとも1つの−CO2H官能基を有するモノマー単位。
【0066】
上記の非イオン性モノマーに由来するモノマー単位は例えばブロックの全重量の1〜99.5重量%の量で存在する。
上記の少なくとも1つの−CO2H官能基を有するモノマー単位は例えばブロックの全重量の0.5〜99重量%の量で存在する。
【0067】
本発明の一つの実施例では、ブロックBは下記式の(メタ)アクリレートの中から選択されるモノマーに由来するモノマー単位を有する:
【化6】

【0068】
(ここで、R2およびR3は上記定義を有する)
この定義に入り且つブロックBの組成物中に好ましく取り入れられるモノマーはn-ヘキシルメタアクリレート(Tg=−5℃)、エチルアクリレート(Tg=−24℃)、イソブチルアクリレート(Tg=−24℃)、ブチルアクリレート(Tg=−54℃)、エチルヘキシルアクリレート(Tg=−50℃)である。
【0069】
ブロックBは特にn−ブチルアクリレートに由来するモノマー単位から成ることができる。
【0070】
本発明のトリブロックコポリマーはポリ(スチレン-co- メタアクリル酸)-b- ポリ(n-ブチルアクリレート)-b- ポリ(スチレン-co- メタアクリル酸)、ポリ(メチルメタアクリレートco- メタアクリル酸)-b- ポリ(n-ブチルアクリレート)-b- ポリ(メチルメタアクリレートco- メタアクリル酸)から選択することができる。
より詳細には、ポリ(スチレン-co- メタアクリル酸)-b- ポリ(n-ブチルアクリレート)-b- ポリ(スチレン-co- メタアクリル酸)コポリマーでは、
(1)ポリ(n-ブチルアクリレート)ブロックはコポリマーの全重量の70重量%であり、
(2)各ポリ(スチレン-co-メタアクリル酸)ブロックはコポリマーの全重量の2重量%の量のメタアクリル酸に由来するモノマー単位と、コポリマーの全重量の12.5重量%の量のスチレンに由来するモノマー単位とから成り、
(3)重量平均分子量は372000 g/モルである。
【0071】
ポリ(メチルメタアクリレート-co-メタアクリル酸)-b- ポリ(n-ブチルアクリレート)-b-ポリ(メチルメタ−アクリレート-co-メタアクリル酸)コポリマーでは、
(1)ポリ(n-ブチルアクリレート)ブロックはコポリマーの全重量の35重量%であり、
(2)各ポリ(メチルメタアクリレートco-メタアクリル酸)ブロックはコポリマーの全重量の3.25重量%の量のメタアクリル酸に由来するモノマー単位と、コポリマーの全重量の29.25重量%の量のメチルメタアクリレートに由来するモノマー単位とから成り、
(3)重量平均分子量は150000 g/モルである。
【0072】
他のポリ(メチルメタアクリレートco-メタアクリレート)-b-ポリ(n-ブチルアクリレート)-b-ポリ(メチルメタアクリレートco-メタアクリレート)コポリマーでは、
(1)ポリ(n-ブチルアクリレート)ブロックはコポリマーの全重量の65重量%であり、
(2)各ポリ(メチルメタアクリレートco-メタアクリル酸)ブロックはコポリマーの全重量の1.6重量%の量のメタアクリル酸に由来するモノマー単位と、コポリマーの全重量の15.9重量%の量のメチルメタアクリレートに由来するモノマー単位とから成り、
(3)重量平均分子量は95000 g/モルである。
【0073】
本発明のブロック共重合体の重量平均分子量Mwは10000 g/モル以上であり、好ましくは50000 g/モル以上で、500000 g/モル以下、好ましくは300000 g/モル以下である。
【0074】
各ブロックまたは配列の重量平均分子量Mwは5000グラム/モル〜200000 g/モルの間、好ましくは10000 g/モル〜100000 g間の/モルの間であるのが有利である。
【0075】
本発明コポリマーの物性を調節するために、本発明コポリマーの酸官能基の中和度を調節することができる。そのためには−CO2H酸官能基を中和、特に、下記の無機塩基の中から選択される塩基によって中和するのが有利である:
(1)アルカリ金属水酸化物、例えばLiOH、NaOHまたはKOH、
(2)アルカリ土類金属水酸化物、例えばCa(OH)2
(3)金属水酸化物、例えば水酸化亜鉛、酢酸亜鉛、水酸化鉄または水酸化銅、
(4)メタロイド水酸化物、例えば水酸化アルミニウム。
【0076】
上記酸官能基は有機塩基、例えばアミン、例えば1気圧で200℃以上の沸点を有するアミンで中和することもできる。そうしたアミンとしては第1、第2または第3アルキルアミン、特にトリエチルアミンまたはブチルアミンを挙げることができる。この第1、第2または第3アルキルアミンは一つ以上の窒素および/または酸素原子を含むことができ、従って、例えば一つ以上のアルコール官能基を有することができ、特に2-アミノ-2-メチルプロパノール、トリエタノールアミンおよび2-ジメチル−アミノプロパノールにすることができる。また、リシン、3-(ジメチルアミノ)プロピルアミン、尿素を挙げることもできる。
【0077】
中和度は望まれる特性の関数で選択できる。
【0078】
中和度は1キログラムのコポリマー中に存在する酸官能基のモル数と1キログラムのポリマー当り混合された塩基の官能基のモル数との間の比率に対応し、この比率は0.1以上、好ましくは0.5以上にするのが有利である。
【0079】
上記ポリマーは当業者に公知の方法で製造できる。そうした方法の中ではアニオン重合、制御されたラジカル重合、例えばキサンタン、ジチオカルバメートまたはジチオエステルにより制御されたラジカル重合、ニトロオキシドタイプの先駆物質を用いた重合、原子移送ラジカル重合(ATRP)および基移送重合(transfert de group)を挙げることができる。
【0080】
例えば、本発明のブロック共重合体は下記文献に記載のリビングまたはプソイドリビングラジカル重合(制御されたラジカル重合ともよばれる)で得られる:
【非特許文献1】"New Method of ポリmer Synthesis", Blackie Academic & Professional, London, 1995, volume 2, page 1
【0081】
この制御されたラジカル重合とはフリーラジカル制御因子を用いることで一般に伝播種の消滅に至る二次反応(終端反応または移動反応)が伝達反応に比べてほとんど起こらないような重合である。この重合法が不完全なのはフリーラジカル濃度がモノマー濃度に対して大きくなった時に二次反応が再び決定的になり、質量分布が拡大する傾向がある点にある。
【0082】
リビング重合またはプセウド(疑似)リビング重合とはモノマーが無くなるまでポリマー鎖の成長が止らない重合であるということを思い出す必要がある。数平均分子量(Mn)は変換度とともに増加する。この重合は質量分(dispersity)が低いコポリマー、一般に質量多分散性指数(PI)が2以下のポリマーになる。
【0083】
アニオン重合はリビング重合の典型的な一つの例である。
【0084】
一方、プソイド-リビング重合は制御されたラジカル重合と関連する。制御されたラジカル重合の主要なタイプとしては下記を挙げることができる:
(1)ニトロオキシドを用いた制御されたラジカル重合。この重合方法および装置に関しては特に下記文献を挙げることができる。
【特許文献1】国際特許第WO 96/24620号公報
【非特許文献2】Fischer (Chemical Reviews, 2001, 101, 3581), by Tordo and Gnanou (J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 5929) and Hawker (J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 3904)
【0085】
(2)原子移送ラジカル重合(Atom Transfer Radical ポリmerization)。有機金属錯体の炭素-ハロゲン結合に可逆的に挿入する方法は下記文献に記載されている。
【特許文献2】国際特許第WO 96/30421号公報
【0086】
(3)キサンテート、ジチオエステル、トリチオカルボネートまたはカルバメート型の硫黄含有誘導体を用いた制御されたラジカル重合。これは下記文献に記載されている:
【特許文献3】フランス特許第FR 2821620号公報
【特許文献4】国際特許第WO 98/01478号公報
【特許文献5】国際特許第WO 99/35177号公報
【特許文献6】国際特許第WO 99/31144号公報
【特許文献7】国際特許第WO 98/58974号公報
【特許文献8】国際特許第WO 97/01478号公報
【非特許文献3】Rizzardo et al. (Macromolecules, 1998, 31, 5559)
【0087】
これらの重合法を用いることでコポリマーのポリマー鎖は同時、従って各瞬間に同じコモノマー比でに成長する。全ての鎖は同じ構造または類似した構造を有し、組成物の質量分布(dispersity)が低い。従って、この鎖の質量多分散性指数も低い。
【0088】
すなわち、重合は原子移送ラジカル重合(「ATRP」)またはニトロオキシドを用いた反応または「可逆的付加−断片化連鎖移動法(reversible addition-fragmentation chain transferrp,"RAFT"」または「逆ATRP法」とよばれるATRP法の逆反応によって行うことができる。
【0089】
原子移送ラジカル重合法は(金属/配位子錯体の存在下で)C−ハロゲン型の結合の形での成長によってラジカル種をブロックするものである。このタイプの重合では形成されたポリマーの質量が制御され、質量分布指数が低い。原子移送ラジカル重合では一般に下記(1)〜(3)の存在下で一種以上の重合可能なモノマーをラジカル重合させる:
(1)少なくとも一つの移動可能なハロゲン原子を有する開始剤、
(2)還元階段で上記開始剤および「休止(dormante)」ポリマー鎖と反応可能な遷移金属から成るハロゲン化合物、「連鎖移動剤」ともよばれる。
(3)遷移金属から成る上記化合物とσ結合で共有結合(遷移金属から成る上記化合物と避けられた形成ポリマーとの間の直接結合)を形成可能な、窒素(N)、酸素(O)、燐(P)または硫黄(S)の原子の中から選択されるリガンド。
ハロゲン原子は塩素または臭素原子であるのが好ましい。
【0090】
この方法は下記文献に記載されている。
【特許文献9】国際特許第WO 97/18247号公報
【非特許文献4】Matyjasezwski et al. published in JACS, 117, p 5614 (1995)
【0091】
ニトロオキシドを用いた反応によるラジカル重合法では成長するラジカル種をC-O-NRaRb型結合の形でブロックする。ここで、RaおよびRbは互いに独立して2〜30の炭素原子を有するアルキル基を表すか、窒素原子と一緒に4〜20の炭素原子を有する環、例えば2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル環を形成することができる。この重合方法は下記文献に記載されている。
【非特許文献5】「制御された高分子アーキテクチャを構築するためのユニークな方法」」CJ Hawker; Chem. Res. 1997, 30, 373-82
【非特許文献6】"Macromolecular engineering via living free radical ポリmerizations" published in Macromol. Chem. Phys. 1998, Vol. 199, pages 923 - 935
【特許文献10】国際特許第WO-A-99/03894号公報
【0092】
RAFT (Reversible Addition - Fragmentation Transfer ) 重合法は成長するラジカル種をCS型結合の形でブロックする。そのためにジチオ化合物、例えばジチオエステル(-C(S)S-)、ジチオベンゾエート(ジチオカルバメート)(-NC(S)S-)または、チオカーボネート(-OC(S)S-)(キサンテート)を使用する。これらの化合物は広範囲のモノマー鎖の成長を制御することができる。しかし、ジチオエステルはビニルエステルの重合を抑制するが、ジチオカルバメートはメタクリレートに対してはほとんど活性がないため、これらの化合物はある種の用途にした使用できない。この方法はRhodiaの下記文献に記載されている。
【特許文献11】国際特許第WO-A-98/58974 号公報
【非特許文献7】"A more versatile route to block coポリmers and other ポリmers of complex architecture by living radical ポリmerization: the RAFT process", published in Macromolecules, 1999, volume 32, pages 2071-2074
【0093】
上記特許文献11(国際特許第WO-A-98/58974 号公報)およびCSIROの下記文献には「RAFT」試薬としてジチオカルバメートを使用することが記載されている。
【特許文献12】国際特許第WO-A-99/31144号公報
【0094】
連鎖移動剤の濃度に対するモノマー濃度の割合を変えることによってポリマーの分子量を変えることができる。
一般に、重合は以下の(a)〜(c)の複数の階段に従って行う:
(a)最初のモノマーまたはモノマー混合物を重合して高分子開始剤または先駆物質を形成するための最初の階段、
(b)ポリマーを沈降で精製し、真空乾燥できる、
(c)高分子開始剤の末端にモノマーまたはモノマー混合物から成る第2のブロックを重合する第2階段。
【0095】
ブロック数に応じて階段(b)と(c)を必要に応じて繰り返す。これはABC型のトリブロックまたは(ABC)n型の多ブロックコポリマーの場合である(ここで、A、BおよびCは上記定義のものである)。
一般に、ABA型またはBAB型の対称なトリブロックポリマーを作る場合には一般に二官能性開始剤を使用する。
階段(a)および階段(b)の連鎖移動剤および溶剤は同一でも異なっていてもよい。
【0096】
本発明のブロックポリマーすなわち配列されたポリマーはモノマーを順番に投入する従来のラジカル重合法を使用して作ることができる。この場合にはブロックの種類の制御だけでよい(重量の制御ではない)。
すなわち、最初の階段で重合反応装置中でモノマーM1を重合し、例えば経時的なモノマーの消費量を制御し、M1の約95%が消費された段階で新しいモノマーM2を重合反応装置に導入する。これによってM1−M2型構造のブロックポリマーが簡単に得られる。
【0097】
既に述べたように、コポリマーの物性(例えば弾性剪断弾性率または耐熱性)は調節できる。本発明のポリマーは接着剤の分野および熱可塑性組成物の分野の用途で利用できる。すなわち、本発明は上記定義のコポリマーを組成物の全重量の少なくとも1重量%含む組成物に関するものである。この組成物は接着剤組成物にすることができる。この場合、コポリマーは組成物の全重量の少なくとも5重量%の量で存在するのが有利である。この接着剤組成物は添加剤、例えば粘着付与樹脂、オイルのような可塑剤を含むことができる。この場合、ホットメルト感圧接着剤(HMPSAの略号で知られている)組成物を形成する。
【0098】
理論に限られるものではないが、HMPSA組成物のガラス遷移温度はコポリマーの柔質相(すなわち、この場合には15℃以下のTgを有する相)、樹脂およびオイル(可塑剤の役割をする)のガラス遷移温度と、下記法則に従う柔質相中の各重量成分比とによって制御できる:
【化7】

【0099】
(ここで、
「Wsoft」はコポリマーの15℃以下のTgを有するブロックの重量分率であり、
「Wres」は(20℃以下の)低Tg相中に含まれる樹脂の重量分率であり、
「Woil」は(20℃以下の)低Tg相中に含まれるオイルの重量分率であり、
「Tg,res」は1Hzの応力振動数で測定した樹脂のガラス遷移温度であり、
「Tg,oil」は純粋なコポリマーで1Hzの応力振動数で測定したオイルのガラス遷移温度であり、
「Tg,soft」は純粋なコポリマーで1Hzの応力振動数で測定した低Tg(本発明の場合には15℃以下)のブロックガラス遷移温度である。
【0100】
外界温度で接着性を有する組成物にするためには、ガラス遷移温度は外界温度以下であることが特に重要である。本発明では中和によってコポリマーのガラス遷移温度、従って、最終接着剤組成物が変わらないということを発見した。従って、通常の場合と同様に、ガラス遷移温度を変えずに製品または配合物の弾性係数を制御することができる。
【0101】
すなわち、コポリマーの中和度を利用することで、実質的に同じ原材料を使用して、最終接着剤組成物のモジュラスに変えることができ、従って、全ての用途分野に合せることができる。
【0102】
同様に、接着剤組成物で非常に重要な特性の1つは接着剤の温度挙動(耐熱性)である。この耐熱性は通常SAFT(またはPAFT)テストで特徴付けられる。このSAFT(またはPAFT)テストでは温度を0.4℃/分で規則的に増加させた時の、500g(または100g)の剪断(または剥離)静荷重に対するホットメルト接着の抵抗力を測定する。従って、このSAFT結果は、最大温度範囲内で遭遇する低速度変形(例えばクリープ)で、各組成物がモジュラス値を維持する能力を表しているということは当業者には明らかである。
【0103】
一般に、HMPSA組成物で可塑剤として使われるオイルはトリオクチルトリメリテートのようなトリメリテート(trimellitate)タイプの油か、ナフテン油を主とするオイル(例えば、シェル社のCATENEX N956)である。パラフィンタイプ(典型的にエクソンモービル社のPRImol 352オイル)または液体ポリブテンタイプ(典型はNAPVIS 10)のオイルの使用は勧められない。すなわち、これらはコポリマーと混和せず、特定の状況では混合物から滲出する。
【0104】
本発明では粘着付与樹脂は一般にロジン(例えばFORAL AX)、エステルガム(例えばFORAL F85)をベースにした樹脂、純粋モノマーとよばれる樹脂(例えばKRYSTALLEX F85)、ポリテルペン(例えばDRT社のDERCOLYTE A 115)、ヒドロキシル化したポリエステル(典型はDRT社のREAGEM 5110)、テルペン−スチレン(典型はDRT社のDERCOLYTE TS 105)、テルペン−ペンタエリスリトール(典型はDERTOLINE P2L)、テルペン−フェノールベースの樹脂(典型はDRT社のDERTOPHENE T105)である。
【0105】
本発明組成物は種々の分野、例えば衛生用品、木材、建設または包装の分野で接着剤として使用することができ、例えば接着バンド、接着パッチ、接着リボンを作ることができる。本発明は上記定義のコポリマーのホットメルト接着剤として使用に関するものでもある。
本発明組成物は熱可塑性組成物でもよい。この組成物は添加剤として一種以上の熱可塑性高分子、例えばポリメチルメタアクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニールをさらに含むことができる。
【0106】
本発明のコポリマーを使用することによって、反応性モノマーの中和レベルによって与えられるコポリマーのモジュラスレベルを制御することができる。
【0107】
このモジュラスレベルの制御はエラストマー領域のガラス遷移温度の増加なしに実行でき、それによって上記エラストマー領域によって与えられる耐衝撃性の強化特性を維持することができる。他方、本発明を用いるとコポリマーの熱可塑性相の温度安定度を増加させることができるという利点がある。これによって照明分野のような高温度に曝される用途で使用される製品の特性が改良される。
【0108】
さらに、低剪断勾配での粘度増加によるクリープに対する耐久性をってポリマーに与えることができる。これはパイプやチューブのように長期間にわたって応力を受ける部品の場合には大きな効果である。
【0109】
従って、射出成形、押出し成形、ラミネーション、熱成形された部品はその用途(ガラス、ヘッドライト用フレネルレンズ、自動車エンジンのような熱源に近接して使用される組成物)で優れた機械特性と耐熱強度とを示す。
【0110】
接着剤組成物または熱可塑性組成物は一般にその組成物のCO2H酸官能基の全部または一部を中和することで組成物の物性を調節する目的で、上記定義の無機または有機の塩基を含んでいる。全部または一部が中和された本発明コポリマーを含む組成物は、その製造プロセスにはコポリマーの液体媒体と無機または有機の塩基とを接触させる液体ルートか、溶融したコポリマーを無機または有機の塩基と接触させる溶融ルートで製造することができる。
【0111】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
[図1]〜[図15]は本発明コポリマーの物性に対する中和効果をグラフの形で表したものである。
【実施例】
【0112】
以下の実施例を説明するために、実施例で使用した方法およびテスト法を以下、定義する。
1) ブラベンター(Brabander)混合
以下の実施例で用いた各溶融混合物はRheocord社のマイクロ混連機(microcompounder)(混合室の容積=66cm3)で得た。混合条件(温度および速度)は混合物に合わせ、各実施例で特定した。混合時にローターのトルクを記録した。このトルクは実験条件下での各製品の粘度を表すのに非常に有効である。
2) DMTA(またはDMA)
測定値DMTA(またはDMA)(動的熱分析を意味する)は所定応力振動数(実施例では1Hz)での温度を関数とする粘弾性特性(G'、G''、tan d、eta*、その他)を測定する分析方法である(ここで、G'、G''、tan d、eta*はそれぞれ弾性モジュラス、ロスモジュラス(Pa)、G''/G'の比および粘度(Pa/s)に対応する。これらの測定値はRheometrics Scientific 社のARESタイプのレオメータで行った。
【0113】
3) 毛管レオロジ測定
毛管レオロジ測定値はダブルスリーブのROSAND RH7レオメータを用いて実施し、当業者に公知のBagleyおよびRabinowitchの修正値を加えた。溶融物で行ったこの測定値で所定温度での高剪断勾配、例えば可塑性物質の加工時または接着剤の配合時に通常用いられる高剪断勾配での溶融物の挙動を特徴付けることができる。
4) 動的粘弾性測定
動的粘弾性測定はRheometrics Scientific社のARES粘弾性メータ(プレート/プレート幾何形状25mm)で実行した。所定温度での動的応力振動数の関数とした各材料の粘弾性特性を求めた。
【0114】
5) 張力測定
張力はISO 527-2規格に従ってAdamel Lhomargy DY 30の機械で外界温度で50mm/分の牽引速度で測定した。Charly Robotで案内されたフライス盤を使用してテスト材料をタイプ5Aのテスト材料モデルに切断した。各材料で最低5回のテストを実行した。各サンプルの幾何形状からテスト材料の平均値での応力=f(変形)曲線の傾きから材料のヤング係数Eを求めた。
【0115】
実施例1
ポリ(スチレン-co-メタアクリル酸)-b-ポリ(n-ブチルアクリレート)-b-ポリ(スチレン-co-メタアクリル酸)コポリマー(PRC302)の製造方法
速度が可変な撹拌モーター、反応物の導入口、酸素を排出するための不活性ガス(例えば窒素)の導入管、測定プローブ(例えば温度計)、内部を循環する熱交換流体によって反応装置の内容物を加熱/冷却することができるジャケットとを備えた500ml容の反応装置中へ、136gのn-ブチルアクリレートと、3.47gのエチルベンゼン中に20重量%の「DIAMS」とよばれる下記式:
【0116】
【化8】

【0117】
の1,6-ジ[2-(N-tert-ブチル-N-(1-ジエチルホスホノ-2,2-ジメチルプロピル)-N-オキシル)プロピオネート]ヘキシレンアルコキシアミン溶液と、0.375gのエチルベンゼン中に10重量%の「SG1」とよばれる下記式:
【化9】

【0118】
のN-tert-1-ジエチルホスホノ-2,2-ジメチルプロピルニトロオキシド溶液とを導入した。それから反応媒体を114℃に加熱し、n-ブチルアクリレート(BuA)の変換度が約70%になるまでこの温度を6時間維持した。残留モノマーは75℃、200〜300 mbarで除去した。SECで求めたn-ブチルポリアクリレートのポリスチレン当量の分子量は分布ピーク(Mp)での重量で90140g/モルであり、数平均分子量(Mn)は57 730、重量平均分子量(Mw)は89650であり、多分散度指数は1.6である。
【0119】
合成の第2階段では、133gのトルエンと、35gのスチレン(S)と、6gのメタアクリル酸(MAA)とを上記で合成したポリ(n-ブチルアクリレート)を収用した反応装置中に導入した。窒素で脱気した後、温度を120℃に合せ、この温度に4時間維持した。残留したモノマーと溶剤とを蒸発させた後、顆粒してポリ(スチレン-co-メタアクリル酸)-b-ポリ(n-ブチルアクリレート)-b-ポリ(スチレン-co-メタアクリル酸)コポリマーの顆粒を回収した。得られたコポリマーの重量百分率で表した化学組成は以下の通り:PBuA/P(S/MAA)=70/30 (86,14)である。 SECで求めたポリメチルメタアクリレート当量のコポリマーの分子量は重量平均分子量(Mw)で372280g/モルであった。
PRC302 P(S/MAA)−PBuA−P(S/MAA)の特性
Mw =372 000 g/モル、PI 6.7、組成:12.5%S−2% MAA)−71% BuA−(12.5%S−2%MAA)
【0120】
実施例2
ポリ(メチルメタアクリレート−co-メタアクリル酸)-b-ポリ(n-ブチルアクリレート)-b-ポリ(メチルメタアクリレート−co-メタアクリル酸)コポリマー(DC59)の製法
速度が可変な撹拌モーター、反応物の導入口、酸素を排出するための不活性ガス(例えば窒素)の導入管、測定プローブ(例えば温度計)、内部を循環する熱交換流体によって反応装置の内容物を加熱/冷却することができるジャケットとを備えた20リットル容の反応装置中へ、11kgのn-ブチルアクリレートと、154gの「DIAMS」(ARKEMA社)とよばれる1,6-ジ[2-(N-tert-ブチル-N-(1-ジエチルホスホノ-2,2-ジメチルプロピル)-N-オキシル)プロピオナート]ヘキシレン・アルコキシ−アミンと、10.8gの「SG1」(ARKEMA社)とよばれるN-tert-1-ジエチルホスホノ-2,2-ジメチルプロピルニトロオキシドとを導入し、反応媒体を117℃に加熱し、n-ブチルアクリレートの変換度が約60%になるまでこの温度を6時間維持した。残留モノマーは75℃、200〜300 mbarで除去した。
【0121】
次に、ポリ(n- ブチルアクリレート)を5.9kgのトルエン中に希釈し、トルエン溶液を反応装置から取出した。SECで求めたポリ(n−ブチルアクリレートの分子量は分布ピークの重量(Mp)でポリスチレン当量で52726g/モル、数平均分子量(Mn)と46 100、重量平均分子量(Mw)は109000、多分散性指数は2.4である。
合成の第2階段では、上記で製造した5kgのポリ(n-ブチルアクリレート)のトルエン溶液と、4kgのトルエンと、8.01kgのメチルメタアクリレートと、0.9kgのメタアクリル酸とを反応装置に導入した。窒素で脱気後、温度を1時間30分間、100℃にし、次に、1時間30分間、120℃にした。残留モノマーおよび溶剤を蒸発させた後、造顆階段で顆粒の形でP(MMA/MAA)-PBuA-P(MMA/MAA)コポリマーを回収した。得られるコポリマーの化学組成は重量百分率で表して以下であった:PBuA/P(MMA/MAA) =35/65(90/10)。SECで求めた重量分布ピーク(Mp)でのコポリマーの分子量はポリメチルメタアクリレート当量で123100g/モルであり、数平均分子量(Mn)は75 620、重量平均分子量(Mw)は153300、多分散性指数は2.0である。
【0122】
DC59 P(MMA/MAA)−PBuA−P(MMA/MAA)の特性:
Mw=150000 g/モル、組成:(29.25%MMA−3.25% MAA−35%BuA−29.25%MMA−3.25%MAA)
【0123】
実施例3
ポリ(メチルメタクリレート)-co-メタアクリル酸)-b-ポリ(n-ブチルアクリレート)-b-ポリ(メチルメタクリレート-co-メタアクリル酸)コポリマー(PIL0407)の製法
速度が可変な撹拌モーター、反応物の導入口、酸素を排出するための不活性ガス(例えば窒素)の導入管、測定プローブ(例えば温度計)、内部を循環する熱交換流体によって反応装置の内容物を加熱/冷却することができるジャケットとを備えた20リットル容の反応装置中へ、11kgの「DIAMS」(ARKEMA社)とよばれるn-ブチルアクリレートと、154gの1,6-ジ[2-(N-tert-ブチル-N-(1-ジエチルホスホノ-2,2-ジメチルプロピル)-N-オキシル)プロピオナート]ヘキシレンアルコキシ−アミンと、10.8gの「SG1」(ARKEMA社)とよばれるN-tert-1-ジエチルホスホノ-2,2-ジメチルプロピルニトロオキシドとを導入する。それから反応媒体を117℃に加熱し、n-ブチルアクリレートの変換度が約60%になるまでこの温度を6時間維持した。残留モノマーは75℃、200〜300 mbarで除去した。次に、ポリ(n-ブチルアクリレート)を5.9kgのトルエン中に希釈し、トルエン溶液を反応装置から取出した。SECで求めた分布ピーク(Mp)でのポリ(n- ブチルアクリレート)の分子量はポリスチレン当量で52726g/モルであり、数平均分子量(Mn)は46100、重量平均分子量(Mw)は109000、多分散性指数は2.4である。
【0124】
合成の第2階段では、5kgの上記で製造したポリ(n- ブチルアクリレート)のトルエン溶液と、4.78kgのトルエンと、1.87kgのメチルメタアクリレート(MMA)と、0.21kgのメタアクリル酸(MAA)とを反応装置に導入した。窒素で脱気した後、温度を1時間30分、105℃に維持し、それから120℃に1時間30分維持した。残留モノマーおよび溶剤は蒸発させ、造粒階段で顆粒の形でP(MMA/MAA)−PBuA−P(MMA/MAA)コポリマーを回収した。得られるコポリマーの化学組成は重量百分率で表して以下のとおリ:PBuA/P(MMA/MAA)=73/27(90/10)。SECで求めたコポリマーの分子量は分布ピーク(Mp)でポリメチルメタアクリレート当量で77030 g/モルであり、数平均分子量(Mn)は50 940、重量平均分子量(Mw)は95 240、多分散度指数は1.9である。
【0125】
PIL0407の特性
PIL0407 P(MMA/MAA)−PBuA−P(MMA/MAA):
Mw=95000 g/モル、PI=1.9、組成:(15.9%MMA/1.6%MAA)−65% PBUA−(15.9% MMA/1.6%MAA)
【0126】
実施例4
この実施例では公平な弾性剪断モジュラスG'における溶剤ルートによるPRC302コポリマーの中和効果を示す。
PRC302コポリマーを溶剤、例えばTHFに溶かし、KOHを水に希釈した溶液を加えて、PRC302の酸官能基の当量当り1当量のOH−を導入する(例えば、5%のMAAを含むコポリマーの30g当量を中和する場合には、約5gの水に溶かした0.97gのKOHを導入する必要がある)。それから混合物を外界温度で数時間、撹拌した後、先ず最初に溶剤を60℃で蒸発させ、次いで、減圧乾燥器中で120℃で1時間放置して大部分の溶剤を除去する。
【0127】
同じ方法で、塩基を入れず、中和せずに調製したPRC302のサンプルも作った。
[図1]は上記の2つのサンプルをDMAで分析したものを示し、温度(℃)を関数とした弾性剪断モジュラスG'(Pa)の変化と、温度を関数としたtan dの変化とを示している。下記の[表1]は中和していないサンプルと比較した中和したPRC302の弾性剪断モジュラスの増加度を示している。
【0128】
【表1】

【0129】
本実施例は、外界温度で低Tg相のガラス遷移温度を変えずにコポリマーの弾性剪断モジュラスG'のレベルを改善できることが当業者には明らかである。このことはG'で表される機械強度を材料のエラストマー特性に影響を及ぼすこと無しに増加できることを意味している。温度を関数とするG'、G''およびtan dの変化を示す曲線は、中和をしなかったサンプルと水酸化カリウム溶液で中和したサンプルとの間の測定値の差から分かるように、低変形速度に対して製品の耐熱性をおよび幅に増加させることができることを示している。
【0130】
実施例5
この実施例は粘度、弾性剪断モジュラスG'、ヤング係数および低剪断勾配の粘性化でのPRC302コポリマーの溶剤ルートによる中和効果を示す。
PRC 302コポリマーをBrabender混合機で180℃の温度で1時間、KOH(ペレットを粉砕して粉末の形にした)を導入しまたは導入せずに溶融混連した。
[図2]はKOHを加えたサンプル(製品)と対照サンプルとで混合物のトルクの変化を比較したものである。[表2]は使用した混合物の各種情報をまとめたものである。
【0131】
【表2】

【0132】
「V」は混合機ローターの回転速度に対応し、「Tmax」は剪断現象によって生じる自己加熱温度に対応する。
KOHを加えたサンプルと加えないサンプルとの間にはトルク・レベルの違いが明らかに記録され、塩基による中和後に粘度が増加し、追加を加えた後だけは増加しないことが当業者には明らかである。
[図3]はこれらの2つのサンプルのDMAと弾性剪断モジュラスとを比較したものである。
[表3]は結果をまとめたものである。
【0133】
【表3】

【0134】
溶液による中和と同様に、溶融ルートでの中和でも、製品の弾性剪断モジュラスのレベルを低Tg相のガラス遷移温度を飢えずに外界温度で改善できるということは理解できよう。
また、測定値が示すように、低変形速度での製品の耐熱性を大幅に増加できるということも明らかである。この中和効果を外界温度でのサンプル上の張力測定で示すこともできる。
[図4]は中和したサンプルと中和していないサンプルの50mm/分での張力曲線を示す。
[表4]は結果をまとめたものである。
【0135】
【表4】

【0136】
この表から中和の後にヤング係数がファクタ6の次数で増加することが分かる。
[図5]は2つのサンプルの210℃での毛管レオロジを示す。中和は低剪断勾配でのサンプルの粘度を大きくするが、加工時の場合のような高剪断勾配での差は小さい。
【0137】
実施例6
本発明の製品特性の調節を可能にする中和は種々の塩基を用いて行なうことができる。例えば、高い融点を有する固形物であるKOHの代わりに高い沸点(160℃)を有する液体の2-アミノ-2-メチルプロパノール(2A2MP)が使用できることは有益である。比較例として酢酸亜鉛も用いた。[表5]には使用した各種混合物の情報がまとめて示してある。
【0138】
【表5】

【0139】
[図6]には時間を関数とする混合物のトルクを示してある。これらの結果はコポリマーの反応性モノマーの中和は種々の塩基で可能であることを示している。[図7]は各種サンプルのDMAの比較を示している。[表6]はモジュラスの増加を示している。
【0140】
【表6】

【0141】
KOHの場合と同様に、柔質相のTgに影響を及ぼさずにモジュラスのレベルを制御することができ、耐熱性を上げることができる。このことは[図8]にも示されている。
[表7]は結果を示している。
【0142】
【表7】

【0143】
酢酸亜鉛で中和したサンプルは引張応力が高くなる:DMAの場合と同様に、サンプルのモジュラスはわずかに増加するが、水酸化カリウムの場合よりは小さい。
【0144】
実施例7
アイオノマーを使用して所定コポリマーの特性を調節できるという原則は、反応基を含む本発明の全てのコポリマーに適用できる。すなわち、PIL 0407のようなPSA接着剤の用途を目的とする「任意のアクリル」コポリマーまたはDC 59のような熱可塑性材料の用途を目的とする「任意のアクリル」コポリマーにすることができる。
[表8]はこれらの2つのコポリマーを溶融ルートで用いた混合物の結果である。
【0145】
【表8】

【0146】
[図9]および[図10]はDC 59との混合物の中和効果を示している。[図9]は時間を関数とする混合物のトルクの変化を示し、[図10]は時間を関数とする材料温度の変化を示す。塩基を含む混合物では中和反応によってセット温度に対して加熱が見られ、粘度増加は塩基を含まないサンプルよりはるかに大きいことがわかる。
[図11]と[図9]はコポリマーの機械特性の増加に関する中和効果をPIL 0407で非混合サンプルと比較して示している。[表9]は結果をまとめたものである。
【0147】
【表9】

【0148】
中和したコポリマーは柔質相のTgを変えずに外界温度でのモジュラスのみを2倍にする。このことはHMPSA配合物の場合、中和をしていない同じコポリマーに対して製品のモジュラスを2倍にできるということを意味している。このコポリマーは、中和していないサンプルと比較して弾性係数が温度に対してほとんど変化しないことが示すように、中和後の熱安定性も良い。後者の事実は温度を関数とするtanデルタの変化にも見られる。すなわち、PIL 0407は中和後により弾性的、より非粘性的な挙動を示す(tan.deltaのレベルが低い)。これらの全ての要素はHMPSA配合物に表れ、非中和製品に対して耐熱性(またはSAFT)が改善される。
本実施例では、180℃より160℃での中和が効率的であることがわかる([表8]の混合物のトルクレベル、[表9]のモジュラスレベル、グラフ11ではtan が低い)。すなわち、各製品の熱機械的特性を合わせるための他のパラメータとして中和温度を使うことができる。
【0149】
実施例8
溶剤ルートまたは溶融ルートでの中和によって本発明のコポリマーの熱機械的特性を合わせることができるということを見出した。さらに、純粋なコポリマーのレベルだけでなく、コポリマーの配合物のレベルでの中和も可能である。こうした中和が可能であることによって、ホットメルト感圧接着剤を形成する各種成分を混合する際に、配合者は単一原材料のみを取扱わなければならないという制約なしに、混合物の特性を用途に合わせて完全に自由に配合ができる。
この概念を例示するために、70%のPRC 302コポリマーと、30%の混合物(20%のトリオクチルトリメリテート(trioctyl trimellitate)可塑剤と80%のForal AX樹脂とから成る)とからHMPSA配合物を作った。参照混合物の特性を1当量のKOHまたは1当量の2-アミノ-2-メチルプロパノールで中和した同じ混合物と比較した。混合はBrabender混合機で150℃で行なった:テストした3つの混合物の特性は[表10]に示してある。
【0150】
【表10】

【0151】
[図12]は参照サンプルと2-アミノ-2-メチルプロパノールで中和したHMPSAのBrabender中の混合物のトルクを比較したものである。
[図13]は参照配合物と水酸化カリウムで中和したサンプルの流動特性を160℃で毛管レオロジを用いて比較したグラフである。この測定は160℃で高剪断勾配(eta=f (剪断勾配))での毛管レオロジおよび低剪断勾配(eta* = f(応力振動数))での動的粘弾性を用い、当業者に周知のCox−Merz則を加えて行った。参照サンプルに対するある中和された配合物の粘度および弾性の各振動数(または剪断勾配)の比を示す[図14]に示すように、本実施例から、中和によって高剪断勾配での粘度がわずかに影響を受けたとしても低剪断勾配での粘度および伸度の増加が非常により大きいということが分る。このことは製品に耐クリープ性を必要とする全ての用途で有利である。
参照サンプルと2-アミノ-2-メチルプロパノールまたはKOHで中和した配合物の熱機械的特性をDMAで評価した。測定結果は[図15]に示してある。[表11]は結果をまとめたものである。
【0152】
【表11】

【0153】
[表11]に示すように、中和することによって配合物のモジュラスが増加でき、その大きさは使用する塩基で制御できる。この増加は外界温度だけでなく高温でも達成でき、各配合物のSAFT特性を改善することができる。この増加は柔質相のTgを増加させずに得られる。
従って、中和によってポリマーの量を減らして所定モジュラスを有する配合物を得ることができ、製品の全体価格を下げることができる。しかし、製品の中和レベルを正しく制御しなければならない。すなわち、本実施例では中和によって凝集力を更に強化したポリマーの部分を大きくして、タックが少なく結合力が大きい製品を作った。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】温度(℃)を関数とした弾性剪断モジュラスG'(Pa)の変化と、温度を関数としたtan dの変化を示す図。
【図2】KOHを加えたサンプル(製品)と対照サンプルとで混合物のトルクの変化を比較した図。
【図3】2つのサンプルのDMAと弾性剪断モジュラスとを比較した図。
【図4】[中和したサンプルと中和していないサンプルの50mm/分での張力曲線を示す図。
【図5】2つのサンプルの210℃での毛管レオロジを示す図。
【図6】時間を関数とする混合物のトルクを示す図。
【図7】各種サンプルのDMAの比較を示す図。
【図8】柔質相のTgに影響を及ぼさずにモジュラスのレベルを制御することができ、耐熱性を上げることができることを示す図。
【図9】時間を関数とする混合物のトルクの変化を示す図。
【図10】時間を関数とする材料温度の変化を示す図。
【図11】コポリマーの機械特性の増加に関する中和効果をPIL 0407で非混合サンプルと比較した図。
【図12】参照サンプルと2-アミノ-2-メチルプロパノールで中和したHMPSAのBrabender中の混合物のトルクを比較した図。
【図13】参照配合物と水酸化カリウムで中和したサンプルの流動特性を160℃で毛管レオロジを用いて比較したグラフ。
【図14】参照サンプルに対するある中和された配合物の粘度および弾性の各振動数(または剪断勾配)の比を示す図。
【図15】参照サンプルと2-アミノ-2-メチルプロパノールまたはKOHで中和した配合物の熱機械的特性をDMAで評価した図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(1)〜(3):
(1)20℃以上のガラス遷移温度を有する少なくとも1種の第1ブロックAと、
(2)15℃以下のガラス遷移温度を有する少なくとも1種の第2ブロックBと、
(3)20℃以上のガラス遷移温度を有する少なくと1種の第3ブロックCと
を有し、第1ブロックAと第3ブロックCとは互いに同一であるか、異なっており、第3ブロックCは少なくとも1つのCO2Hおよび/またはカルボキシレート−COO-官能基を有する少なくとも一種のモノマー単位を有することを特徴とする直鎖のエチレン系ブロック共重合体。
【請求項2】
上記CO2Hおよび/または−COO-官能基を有する上記モノマー単位が0.5〜99モル%の量で存在する請求項1に記載のコポリマー。
【請求項3】
上記CO2H官能基を有する上記モノマー単位が3〜30モル%の量で存在する請求項2に記載のコポリマー。
【請求項4】
第1ブロックAおよび/または第3ブロックCが60℃以上のにガラス遷移温度を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項5】
第2ブロックBが-30℃以下のでガラス遷移温度を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項6】
少なくとも1つのCO2H官能基を有する上記モノマー単位が下記の式(I)に対応するモノマーからのものである請求項1〜5のいずれか一項に記載のコポリマー:

(ここで、
1は水素原子またはCp2p+1タイプの直鎖または分枝した炭化水素基(ここで、pは1〜12の整数)であり、
Zは−COO−、−CONH−、−CONCH3−、−OCO−または−O−、好ましくは−COO−および−CONH−の中から選択される二価の基であり、
xは0または1であり、
2は1〜30個のO、N、SおよびPの中から選択される異種原子を含んでいてもよい、1〜30の炭素原子を有する、直鎖、分岐鎖または環式の、芳香族でもよい、飽和または不飽和の二価の炭素基であり、
mは0または1に等しい整数である)
【請求項7】
式(I)のR1が水素原子またはメチル基であり、xが0で、mが0である請求項6に記載のコポリマー。
【請求項8】
2が下記(1)〜(3)である請求項6に記載のコポリマー:
(1)アルキレン基、
(2)必要に応じて1〜8個のO、N、SおよびPから選択される異種原子を含んでいてもよいC1−C12アルキル基で置換されていてもよい(オルト、メタまたはパラ)フェニレン基−C6H4−、または、必要に応じて1〜8個のO、N、SおよびPから選択される異種原子を含んでいてもよいC1−C12アルキル基で置換されていてもよいベンジレン基−C64−CH2−、
(3)式−CH2−CHOH−、−CH2−CH2−CHOH−、−CH2−CH2−CH(NH2)−、−CH2−CH(NH2)−、−CH2−CH2−CH(NHR')−、−CH2−CH(NHR')−、−CH2−CH2−CH(NR'R'')−、−CH2−CH(NR'R'')−、−CH2−CH=CH−)R'を有する基(ここで、R'およびR''はC1−C18の直鎖または分枝鎖のアルキル基を表す)
【請求項9】
少なくとも1つのCO2H官能基を有する上記モノマー単位が、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、ジアクリル酸、ジメチルフマル酸、シトラコン酸、ビニル安息香酸、式CH2=CH−CONHCH(OH)COOHのアクリルアミドグリコール酸、式C35−CO2−CH=CH−CO2−C35のジアリルマレアート、ブチル(メタ)アクリレート、ビニル結合を有する無水カルボン酸、これらの塩および混合物の中から選択されるモノマーに由来する請求項1〜5のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項10】
少なくとも1つのカルボキシレート官能基−COO-を有する上記モノマー単位が式(II)の両性モノマーに由来する請求項1〜5のいずれか一項に記載のコポリマー:

[ここで、
1、Z、x、R2およびmは請求項6の式(I)と同じ意味を有し、
X'+は式−N+R'6R'7の二価の基(ここで、R'6とR'7は互いに同一または異なり、下記の(i)〜(iv)を表す:
(i) 水素原子、
(ii)1〜8個のO、N、SおよびPの中から選択される異種原子を含んでいてもよい、1〜30の炭素原子を有する、直鎖、分岐鎖または環式の、芳香族でもよい、アルキル基、
(iii) 式−(R'8O)yR'9のアルキレンオキシド基(ここで、R'8はC2−C4の直鎖または分枝鎖のアルキル基を表し、R'9は水素またはC1−C30の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表し、yは1〜250の整数を表す)
(iv)全体で5、6、7または8つの原子、特に4、5、6または7つの炭素原子および/または2〜4つのO、SおよびNから選択される異種原子を有する飽和または不飽和の、芳香族でもよい、R'6とR'7とが窒素原子と一緒になって形成する環(NR'6R'7またはR'6NR'7)、(この環は、各々が5、6、7または8つの原子、特に4、5、6または7つの炭素原子および/または2〜4つのO、SおよびNから選択される異種原子を有する飽和または不飽和の、芳香族でもよい別の環と一体になっていてもよい)
3は、1〜18個のO、SおよびNから選択される異種原子を有していてもよい1〜30の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖または環式の、芳香族でもよい飽和または不飽和の二価の炭素基、
nは0または1である]
【請求項11】
3が下記(1)または(2)である請求項10に記載のコポリマー:
(1)アルキレン基、
(2)1〜5個のO、N、S、F、SiおよびPの中から選択される異種原子を含んでいてもよいC1−C12のアルキル基で置換されていてもよい(オルト、メタまたはパラ)フェニレン基−C64−、または、1〜5個のO、N、S、F、SiおよびPの中から選択される異種原子を含んでいてもよいC1−C12のアルキル基で置換されていてもよいベンジレン基−C64−CH2
【請求項12】
第1ブロックAおよび/または第3のブロックCが非イオン性親水性モノマー、疎水性モノマーおよびこれらの混合物の中から選択される追加のモノマーに由来する一種以上のモノマー単位をさらに含む請求1〜11のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項13】
上記の追加のモノマーが下記(i)〜(iv)の中から単独または混合物として選択をされる請求項12に記載のコポリマー:
(i) 2〜10の炭素を有するエチレン系炭化水素、
(ii)下記式の(メタ)アクリレート:

(ここで、
2は水素原子またはメチル(CH3)基であり、
3は下記の(1)〜(7)を表す:
(1)1〜30の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基(このアルキル基には必要に応じてO、N、SおよびPの中から選択される一つ以上の異種原子が挿入されていてもよく、さらに、このアルキル基はOH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、−Si(R'4R'5R'6)および−Si(R'4R'5)O基の中から選択される一つ以上の置換基で置換されていてもよい)(ここで、R'4、R'5およびR'6は水素原子、C1〜C6アルキル基またはフェニル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい)
(2)C3〜C12シクロアルキル基、
(3)C320アリール基、
(4)C4−C30アラルキル基(C1〜C8アルキル基)
(5)O、NおよびSの中から選択される一つ以上の異種原子を含んでいる、芳香族または非芳香族の4〜12の環構成員を有する複素環基、(6)ヘテロシクロアルキル基(1〜4の炭素原子を有するアルキル基)、
上記のシクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環基およびヘテロシクロアルキル基は水酸基、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC1−C4アルキル基の中から選択される一つ以上の置換基で置換されていてもよく、このC1−C4アルキル基は一つ以上のO、N、SおよびPから選択される異種原子が挿入されていてもよく、さらに、−OH基、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、−Si(R'4R'5R'6)および−Si(R'4R'5)O基の中から選択される一つ以上の置換基で置換されていてもよい(ここで、R'4、R'5およびR'6は水素原子、C1〜C6アルキル基またはフェニル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい)、
(7)−(OC24)m−OR''基(ここで、m=5〜300、R''=HまたはC1〜C30アルキル)、−(OC36)m−OR''基(ここで、m=5〜300、R''=HまたはC1〜C30アルキル基)または(OC24)m基と(OC36)m基のブロックのランダムな混合物、
(iii)下記式の(メタ)アクリルアミド:

[ここで、
8はHかメチルを表し、
7およびR6は互いに同一でも異なっていてよく、下記(1)〜(8)のいずれかを表す:
(1)水素原子、
(2)1〜30の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基(このアルキル基にはO、N、SおよびPの中から選択される一つ以上の異種原子が挿入されていてもよく、さらに、このアルキル基は−OH基、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、−Si(R'4R'5R'6)および−Si(R'4R'5)O基の中から選択される一つ以上の置換基で置換されていてもよい)(ここで、R'4、R'5およびR'6は水素原子、C1〜C6アルキル基またはフェニル基を表す)
(3)C3〜C12シクロアルキル基、
(4)C3〜C20アリール基、
(5)C4〜C30アラルキル基(C1〜C8アルキル基)
(6)O、NおよびSの中から選択される一つ以上の異種原子を含む4〜12の環構成員を有する芳香族または非芳香族の複素環基、
(7)ヘテロシクロアルキル基(C1−C4アルキル基)、
上記のシクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環基およびヘテロシクロアルキル基は水酸基、ハロゲン原子および直鎖または分岐鎖のC1−C4アルキル基の中から選択される一つ以上の置換基によって置換されていてもよく、このC1−C4アルキル基にはO、N、SおよびPの中から選択される一つ以上の異種原子が挿入されていてもよく、さらに、上記C1−C4アルキル基は−OH基、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、−Si(R'4R'5R'6)および−Si(R'4R'5)O基の中から選択される一つ以上の置換基で置換されていてもよい(ここで、R'4、R'5およびR'6は水素原子、C1〜C6アルキル基またはフェニル基を表し、互いに同一でも異なっていもよい)
(8)−(OC24)m−OR''基(ここで、m=5〜300、R''=HまたはC1〜C30アルキル)、−(OC36)m−OR''基(ここで、m=5〜300、R''=HまたはC1〜C30アルキル基)または(OC24)mと(OC36)m基のブロックのランダム混合物](iv)下記式のビニル化合物:
CH2=CH−R9
[ここで、
9は水酸基、ハロゲン(ClまたはF)、NH2基、−OR10基(ここで、R10はフェニル基またはC1〜C12アルキル基(モノマーはビニルまたはアリルエーテルである)、アセトアミド(NHCOCH3)基、OCOR11基(ここで、R11は2〜12の炭素を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基(モノマーはビニルまたはアリルエステルである)、C3−C12シクロアルキル基、C3−C20アリール基またはC4−C30のアラアリル基を表し、さらに、R9は下記(1)か(5)の中から選択することもできる:
(1)1〜30の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基(このアルキル基にはO、N、SおよびPの中から選択される一つ以上の異種原子が挿入されていてもよく、また、上記アルキル基は−OH基、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、−Si(R'4R'5R'6)および−Si(R'4R'5)O基の中から選択される一つ以上の置換基で置換されていてもよい(ここで、R'4、R'5およびR'6は水素原子、C1〜C6アルキル基またはフェニル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい)
(2)C3〜C12シクロアルキル基、
(3)C3〜C20アリール基、
(4)C4〜C30アリールアルキルまたはアルキルアリール基(C1〜C8アルキル基)、
(5)O、NおよびSの中から選択される一つ以上の異種原子を有する芳香族または非芳香族の4〜12の環構成員を有する複素環基、
(6)ヘテロシクロアルキル基(1〜4の炭素原子を有するアルキル基)、
上記のシクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環およびヘテロシクロアルキル基は水酸基、ハロゲン原子およびO、N、SおよびPの中から選択される一つ以上の異種原子が挿入されていてもよい1〜4つの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基の中から選択される一つ以上の置換基によって置換されていてもよく、さらに、上記アルキル基は−OH基、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、−Si(R'4R'5R'6)および−Si(R'4R'5)O基の中から選択をされる一つ以上の置換基で置換されていてもよい(ここで、R'4、R'5およびR'6は水素原子、C1〜C6アルキル基またはフェニル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい)]
(v)下記式のアリル化合物:
CH2=CH−CH2−R9、または
CH2=C(CH3)−CH2−R9
(ここで、R9は上記と同じ意味を有する)
(vi)(メタ)アクリルモノマー、(メタ)アクリルアミドモノマーまたはシリコーン含有ビニルモノマー
【請求項14】
上記の追加のモノマーが下記の(1)〜(8)の中から単独または混合物として選択される請求項12に記載のコポリマー:
(1)アルキル基が2〜4つの炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド、
(2)(C1-C4)アルコキシ(C1-C4)アルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド、
(3)(メタ)アクリルアミドおN,N-ジメチル−アクリルアミド、
(4)式−(OC24)m−OR''基を有する(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド(m=5〜300、R''=HまたはC1〜C4アルキル基)
(5)ビニルラクタム、
(6)ビニールエーテル、
(7)ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドンまたはN-ビニルカプロラクタム、
(8)多糖の(メタ)アクリレート、例えばサッカロースアクリレートおよびエチルグルコシド(メタ)アクリレート。
【請求項15】
上記の追加のモノマーが下記(1)〜(4)の中から単独または混合物として選択される請求項12に記載のコポリマー:
(1)t-ブチルベンジルアクリレート、t-ブチルシクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート(94℃)、フルフリルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート(45℃)、tブチルアクリレート(50℃)、シクロヘキシルアクリレート(19℃)、ヒドロキシエチルアクリレート(15℃)、メチルアクリレート(10℃)、エチルアクリレート(-24℃)、イソブチルアクリレート(-24℃)、メトキシエチルアクリレート(-33℃)、n-ブチルアクリレート(-54℃)、エチルヘキシルアクリレート(-50℃)、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソデシルアクリレート;
(2)t-ブチルベンジルメタアクリレート、t-ブチル−シクロヘキシルメタアクリレート、イソボルニルメタアクリレート(111℃)、メチルメタアクリレート(100℃)、シクロヘキシルメタアクリレート(83℃)、エチルメタアクリレート(65℃)、ベンジルメタアクリレート(54℃)、イソブチルメタアクリレート(53℃)、ブチルメタアクリレート(20℃)、n-ヘキシルメタアクリレート(-5℃)、エチルヘキシルメタアクリレート、オクチルメタアクリレート、ラウリルメタアクリレート、イソオクチルメタアクリレート、イソデシルメタアクリレート、
(3)スチレン(100℃)、ビニルシクロヘキサン、酢酸ビニル(23℃)、ビニルメチルエーテル(-34℃)、ビニルネオノナノエート、ビニルネオドデカノエート;
(4)N-ブチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジブチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-オクチルアクリルアミド。
【請求項16】
ブロックBが上記定義のような非イオン性親水性および/または疎水性のモノマーに由来するモノマー単位を有する請求項1〜15のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項17】
A−B−Cタイプのトリブロックコポリマーである請求項1〜16のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項18】
ブロックBがコポリマー重量の5〜95重量%の量で存在する請求項17に記載のコポリマー。
【請求項19】
ブロックBがコポリマー重量の50重量%以上の量で存在する請求項17に記載のコポリマー。
【請求項20】
ブロックAおよび/またはCが下記(1)または(2)から成る請求項17〜19のいずれか一項に記載のコポリマー:
(1)下記(a)〜(c)の中から選択される非イオン性モノマーに由来するモノマー単位:
(a)式:CH2=CH−R9のビニル化合物(ここで、R9は請求項13で定義のもの)
(b)下記式のメタクリリレート化合物:

(ここで、R2およびR3は請求項13で定義のもの)
(c)上記の混合物、
(2)アクリル酸またはメタアクリル酸から選択されるモノマーに由来する少なくとも1つの−CO2H官能基を有するモノマー単位。
【請求項21】
上記の非イオン性モノマーに由来するモノマー単位がブロックの全重量に対して1〜99.5重量%の量で存在する請求項20に記載のコポリマー。
【請求項22】
上記の少なくとも1つの−CO2H官能基を有するモノマー単位がブロックの全重量に対して0.5〜99重量%のまで量で存在する請求項20または21に記載のコポリマー。
【請求項23】
ブロックBが下記式:

(ここで、R2およびR3は請求項13に定義のもの)
の(メタ)アクリレートから選択されるモノマーに由来するモノマー単位を有する請求項20〜22のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項24】
(メタ)アクリレートモノマーがn-ヘキシルメタアクリレート(Tg=-5℃)、エチルアクリレート(Tg=-24℃)、イソブチルアクリレート(Tg=-24℃)、n-ブチルアクリレート(Tg=-54℃)、エチルヘキシルアクリレート(Tg=-50℃)の中から選択される請求項23に記載のコポリマー。
【請求項25】
上記トリブロックコポリマーがポリ(スチレン-co-メタアクリル酸)-b-ポリ(n-ブチルアクリレート)-b-ポリ(スチレン-co-メタアクリル酸)、ポリ(メチルメタアクリレート-co-メタアクリル酸)-b-ポリ(n-ブチルアクリレート)-b-ポリ(メチルメタアクリレート-co-メタアクリル酸)の中から選択される請求項17〜24のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項26】
上記のポリ(スチレン-co-メタアクリル酸)-b-ポリ(n-ブチルアクリレート)-b-ポリ(スチレン-co-メタアクリル酸)コポリマーが、
(1)ポリ(n-ブチルアクリレート)ブロックをコポリマーの全重量の71重量%の量で含み、
(2)各ポリ(スチレン-co-メタアクリル酸)ブロックがコポリマーの全重量の2重量%の量のメタアクリル酸に由来するモノマー単位と、コポリマーの全重量の12.5重量%の量のスチレンに由来するモノマー単位とを有し、
(3)372000 g/モルの重量平均分子量を有する、
請求項25に記載のコポリマー。
【請求項27】
ポリ(メチルメタクリレート-co-メタアクリル酸)-b-ポリ(n-ブチルアクリレート)-b-ポリ(メチルメタクアクリレート-co-メタアクリル酸)コポリマーが、
(1)ポリ(n-ブチルアクリレート)ブロックをコポリマーの全重量の35重量%の量で含み、
(2)各ポリ(メチルメタアクリレート-co-メタアクリル酸)ブロックがコポリマーの全重量の3.25重量%の量のメタアクリル酸に由来するモノマー単位と、コポリマーの全重量の29.25%の量のメチルメタアクリレートに由来するモノマー単位とを有し、
(3)150000 g/モルの重量平均分子量を有する、
請求項25に記載のコポリマー。
【請求項28】
ポリ(メチルメタアクリレートco- メタアクリル酸)-b-ポリ(n-ブチルアクリレート)-b-ポリ(メチルメタアクリレート-co-メタアクリル酸)コポリマーが、
(1)ポリ(n-ブチルアクリレート)ブロックをコポリマーの全重量の65重量%の量で含み、
(2)各ポリ(メチルメタアクリレートco-メタアクリル酸)ブロックがコポリマーの全重量の1.6重量%の量のメタアクリル酸に由来するモノマー単位と、コポリマーの全重量の15.9重量%の量のメチルメタアクリレートに由来するモノマー単位とを有し、
(3)95000 g/モルの重量平均分子量を有する、
請求項25に記載のコポリマー。
【請求項29】
請求項1〜28のいずれか一項に定義のコポリマーを、組成物の全重量に対して少なくとも1重量%で含む組成物。
【請求項30】
上記コポリマーが無機または有機の塩基によって完全または部分的に中和されている請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
無機の塩基がアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、金属水酸化物およびメタロイド水酸化物の中から選択される請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
有機の塩基がアミンである請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
アミンが1気圧で200℃以上の沸点を有するアミンである請求項31に記載の組成物。
【請求項34】
中和度が0.1以上、好ましくは0.5以上である請求項30〜33のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
接着剤組成物である請求項29〜34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項36】
コポリマーが組成物の全重量に対して少なくとも5重量%の量で存在する請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
粘着付与樹脂および可塑剤の中から選択される添加剤をさらに含む請求項35または36に記載の組成物組成。
【請求項38】
可塑剤がトリメリテートタイプのオイルおよびナフテンを主成分とするオイルの中から選択される請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
粘着付与樹脂がロジン、エステルガム、ポリテルペン、ヒドロキシル化したポリエステル、テルペン-スチレン、テルペン-ペンタエリスリトールまたはテルペン-フェノールをベースにした樹脂の中から選択される請求項37に記載の組成物。
【請求項40】
請求項35〜39のいずれか一項に記載の組成物を有する接着剤バンド、ストリップおよびリボン。
【請求項41】
熱可塑性組成物である請求項29〜34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項42】
一種以上の熱可塑性ポリマーをさらに含む請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
上記熱可塑性ポリマーがポリメチルメタアクリレート、ポリスチレンおよびポリ塩化ビニールの中から選択される請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
上記コポリマーの液体媒体を無機または有機の塩基と接触させる階段を含む、請求項30に記載の組成物の製造方法。
【請求項45】
上記コポリマーを溶融させて無機または有機の塩基と接触させる階段を含む請求項30に記載の組成物の製造方法。
【請求項46】
請求項1〜28のいずれか一項に定義のコポリマーのホットメルト接着剤としての使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2008−534765(P2008−534765A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504820(P2008−504820)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【国際出願番号】PCT/FR2006/050321
【国際公開番号】WO2006/106277
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(591004685)アルケマ フランス (112)
【Fターム(参考)】