説明

酸素富化装置

【課題】 空気中の含有成分の大部分を占める窒素と酸素の物理的性質の差異、中でも磁気的性質及び質量の差と流体的性質を有効に利用して酸素富化空気を製造することを課題とする。
【解決手段】 磁極に対して、常磁性体の酸素分子は反対極に磁化して磁極に吸引され反磁性体である窒素分子は同極に磁化して磁極から排斥される性質があることと、単一の棒磁石からの距離と異種磁極を対向して磁路ギャップを形成したときの磁極からの距離が同じであれば、磁路ギャップにおける磁束密度の方がはるかに大きい性質を利用して、直進流路に置かれた磁路ギャップの直後に酸素富化空気流入口と窒素富化空気流入口を配設して酸素富化空気はブロワ―等で吸気し、窒素富化空気は排風機で排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁界を利用した酸素富化空気を作る酸素富化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
標準大気圧における空気中に含まれる酸素ガスの重量百分率濃度は、約21パーセントであってヘンリーの法則に従った酸素ガスの分圧に比例して水中に溶解することは広く知られており、有機性廃水の活性汚泥法その他の好気性生物処理法における曝気処理には大量の空気を必要とするので、従来多大な曝気用動力費を必要としていた。さらに、高濃度有機性廃水を活性汚泥法その他の好気性生物処理法により処理する上で、酸素の溶解度及び溶解速度に限界があるために処理可能な有機質濃度にもおのずと限界があった。高濃度有機性廃水を好気性生物酸化処理を可能とすると共に多大な電力消費を低減する方法として超深層曝気方式が考案されたが、空気中には約79%の窒素を含むため活性汚泥等の浮遊粒子に窒素ガス微粒子が付着することによる生物処理液輸送及び固液分離操作への障害の原因となっていた。そこで、液体酸素による酸素ガスを曝気に使用することが行われていたが、空気から液体酸素を製造するためには空気を約200気圧程度での数段回の圧縮と放熱を繰り返し行うことが必要であると共に製造工場立地から消費地への輸送を必要としており、多大の動力費と輸送費を必要としている。又、燃焼装置及び内燃機関の技術分野においては、空気中の含有酸素濃度が21%よりも上昇すれば、送風機の大きさもより小型化すると共に動力費も低減すると共に二酸化炭素排出量も低減出来る。又、液体酸素及び液体窒素製造においても同様である。そこで、燃焼用空気供給手段で超電動コイルにより酸素と窒素の磁化率の違いを利用して酸素富化空気が作られることを開示している(例えば、特許文献1参照。)。又、ローターを内蔵したケーシングの内部空間に磁界を発生する磁界発生手段を設けていることが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。又、燃焼機器の空気取り入れ部に電磁コイルを設けた酸素富化装置を接続していることが開示されている (例えば、特許文献3参照。)。又、リング状磁石の同軸中心位置に導磁材を配設して酸素富化空気を作る方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。又、酸素富化膜で形成した箱状体又は袋状体に電磁石を収納して酸素富化空気を作る方法が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。そして又、有機性廃水を好気性生物酸化処理する技術分野において、」電磁石又は永久磁石を用いて、酸素及び窒素分子の物理的特性を利用した装置が出願されている(例えば、特許文献6)。
【0003】
【特許文献1】特開平1−228563
【特許文献2】特開平9−194201
【特許文献3】特開2000−054922
【特許文献4】特開2001−348208
【特許文献5】特開2003−112908
【特許文献6】特開2005−118731
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
標準大気圧における空気中に含まれる酸素ガスの重量百分率濃度は約21パーセントであるが、好気性生物処理における曝気操作又は各種燃焼における給気操作において空気中の酸素ガスの含有割合を大きくすることが出来れば、前記曝気操作においては消費電力費の低減、酸素溶解度の向上および処理効率の向上と、前記給気操作においては消費電力費の低減、燃焼効率の向上が期待できる。そこで、空気中の含有成分の大部分を占める窒素と酸素の物理的性質の差異、中でも磁気的性質及び質量の差と流体的性質を有効に利用することが課題である。
【0005】
又、酸素富化装置の空気流路の大部分を酸素富化操作に有効に利用することも課題である。
【0006】
又、磁力によって空気中の酸素と窒素を効率良く分離することも課題である。
【0007】
そして又、酸素富化装置製造作業を容易にすると共に製造費を低減することも課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、以下に記載されるような技術構成とする。本発明に係る第一の態様は、ブロワ−等の曝気用空気供給装置又はボイラ等の燃焼装置に連通接続して設けられている磁界式の酸素富化装置である。当該酸素富化装置は空気流路部の先端部が空気取入口であって途中に酸素富化空気と窒素富化空気を分配する酸素富化空気分流部及び窒素富化空気分流部を空気流下流側に有する空気分流ダクト部を途中に配設していて、前記酸素富化空気分流部に続いて終端部を酸素富化空気送出口とした酸素富化空気流路部を配設すると共に前記窒素富化空気分流部に続いて終端部を窒素富化空気送出口とした窒素富化空気流路部を配設した非磁性体の空気供給ダクトを有しており、少なくとも空気取入口から空気分流ダクト部までは真直ぐな空気流路を形成しており、又、前記空気分流ダクト部の上流側直前には磁界発生手段の異種磁極を対向して磁路ギャップを形成すると共に空気流路を形成しており、そして又、前記酸素富化空気送出口にはブロワ−又は送風機を連通接続すると共に前記窒素富化空気送出口には排風機を連通接続して構成した酸素富化装置である。
【0009】
そして、対向する異種磁極の組合せ数としては一組でも良く、空気流路の大きさと磁極の大きさにより二組、三組-----のいずれの組数も選択出来る。
【0010】
又、磁界発生手段としては永久磁石、電磁石又は超電導コイル電磁石の何れでも選択は要求される性能により選択すべきものである。
【0011】
又、空気分岐ダクト部における酸素富化空気分流部及び窒素富化空気分流部の数量の選択は性能及び経済性において、前記窒素富化空気分流部の数量は一つが好ましく前記酸素富化空気分流部の組合せ数は一つ又は二つが選択出来る。但し、上記各数量を超えることを排除しない。
【0012】
又、本発明に係る第二の態様は、前記空気分流ダクト部の上流側直前に配設する異種磁極を対向して形成した磁路ギャップの二組以上を所要の間隔で直列配置することにより、相隣り合う磁極対の同種磁極によりスリットを形成する。
【0013】
又、本発明に係る第三の態様は、上記相隣り合う磁極対の同種磁極により形成されたスリットの代替として格子状又はメッシュ状磁極とすることも出来る。
【0014】
そして本発明に関わる第四の態様は、複数の永久磁石で磁極対の同種磁極の群を形成する手段として、所要の形状をした同一導磁体に前記永久磁石を吸引固着して構成することが出来る。
(作用)
【0015】
上記第一の課題解決手段による作用は次のようである。即ち、酸素富化装置において、常磁性体の酸素分子は磁界発生手段の磁極と対向した側が磁極と反対の磁極に磁化して前記磁界発生手段の磁極方向に吸引力を受けると共に反磁性体である窒素分子は前記磁界発生手段の磁極と対向した側が磁極と同じ磁極に磁化して前記磁界発生手段の磁極の反対方向に反発力を受ける。そして、磁極の直近に来た酸素分子は強力に吸引され酸素富化空気分流部へ移行すると共に窒素分子は逆に強力に反発されて窒素富化空気分流部へ移行する。尚、一つの酸素富化装置においては磁界発生手段の磁極対の磁極種を配設する方向の選択は、同一方向にすることが好ましいが、同一方向とする限りにおいて、磁極対の磁極種を配設する方向の選択は任意である。但し、一つの酸素富化装置においては磁界発生手段の磁極対の磁極種を配設する方向の選択は、異方向とすることも不可能ではない。
【0016】
磁界発生手段としては、永久磁石、電磁石又は超伝導型電磁石の何れでも使用出来、経済性と維持管理以外に何ら選択の支障になることはない。
【0017】
磁界発生手段の磁極と対象空気流とは直接に接触することが、磁極との距離が小さくなるために磁力の作用は大きい。
【0018】
又、折角分離した酸素と窒素の再混合を阻止するためには、流れは乱流よりも層流の方がこのましいので、酸素分子が酸素富化空気分流部に到達するまで又窒素分子が窒素富化空気分流部に到達するまで真直ぐな流路にすることが好ましい。
【0019】
又、真直ぐな空気流路において、磁極面磁束密度が同じでも、棒磁石からの垂直距離と同じ距離におけるN極とS極を対向させたときの磁束密度ははるかに大きくなるので、空気分流ダクト部に開口した酸素富化空気流入口の空気流上流側直前に異種磁極を対向して磁路ギャップを形成すると酸素分子を酸素富化空気分流部へ強力に吸引導入すると共に窒素分子を窒素富化空気分流部へ強力に吸引導入する。
【0020】
又、上記第二の課題解決手段による作用は次のようである。即ち、前記空気分流ダクト部の上流側直前に配設する異種磁極を対向して形成した磁路ギャップの二組以上を所要の間隔で直列配置することにより、相隣り合う磁極対の同種磁極により形成されたスリットを通って酸素分子は容易に酸素富化空気分流部へ移行すると共に窒素分子は窒素富化空気分流部へ容易に移行する流路を確保出来る。
【0021】
又、上記第三の課題解決手段による作用は次のようである。即ち、前記酸素分子は酸素富化空気分流部へ移行すると共に窒素分子は窒素富化空気分流部へ移行する流路を確保する方策としては上記相隣り合う磁極対の同種磁極により形成されたスリットの代替として格子状又はメッシュ状磁極とすることにより酸素分子は酸素富化空気分流部へ容易に移行すると共に窒素分子は窒素富化空気分流部へ容易に移行する流路を確保出来る。
【0022】
又、第四の課題解決手段による作用は、複数の永久磁石で磁極対の同種磁極の群を形成する手段として、所要の形状をした同一導磁体に吸引固着して構成することにより、製作が容易な複数の棒状永久磁石で容易に位置決めして構成作業が進められる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を発揮する。
【0024】
少なくとも空気取入口から空気分流ダクト部までは真直ぐな空気流路を形成し、又、前記空気分流ダクト部の上流側直前には異種磁極を対向して磁路ギャップを形成すると共に空気流路を形成することにより酸素分子と窒素分子の質量の差による慣性力効果に加え前記磁路ギャップによる強力な磁力により酸素富化空気分岐部へ酸素分子を強力に且つ効率良く吸引導入する酸素富化装置を提供出来る効果を発揮する。
【0025】
又、異種磁極を対向して形成した磁路ギャップの二組以上を所要の間隔で直列配置することにより、相隣り合う磁極対の同種磁極によりスリットを形成することにより酸素分子を酸素富化空気分流ダクト部へ吸引導入する確率がさらに高まると共に窒素分子を窒素富化空気分流ダクト部へ吸引導入する確率がさらに高まる効果を発揮する。
【0026】
又、上記相隣り合う磁極対の同種磁極により形成されたスリットの代替として格子状又はメッシュ状磁極とすることにより酸素分子が酸素富化空気分流部へ容易に移行する流路が確保される共に窒素分子が窒素富化空気分流部へ容易に移行する流路が確保されるので、層流を維持し易くなり、酸素分子を酸素富化空気分流ダクト部へ吸引導入する確率がさらに高まると共に窒素分子を窒素富化空気分流ダクト部へ吸引導入する確率がさらに高まる効果を発揮する。そして、構造が単純化され製作が容易になる効果も発揮する。
【0027】
又、複数の永久磁石で磁極対の同種磁極の群を形成する手段として、所要の形状をした同一導磁体に吸引固着して構成することにより、製作が容易な複数の棒状永久磁石で容易に位置決めして組立て作業が進められるので製作費を低く押えられる効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図16に基づいて説明する。
【0029】
第一の実施例を示す図1、図2、図3及び図4において、酸素富化装置1の構成を説明する。2は酸素富化空気を吸引するブロワー、3は窒素富化空気を排出する排風機で、非磁性体のダクトは空気流部ダクト4、空気分流部ダクト5、窒素富化空気流部ダクト6、酸素富化空気流部ダクト7で構成され、前記空気流部ダクト4には空気取入口8を有して大気に開放され、前記窒素富化空気流部ダクト6には窒素富化空気排出口9を有して排風機3に連通接続され、前記酸素富化空気流部ダクト7には酸素富化空気排出口10を有してブロワー2に連通接続し、前記空気分流部ダクト5の空気流上流側には前記空気流部ダクト4を又空気流下流側には前記窒素富化空気流部ダクト6を連通接続しており、又前記酸素富化空気流部ダクト7の前記酸素富化空気排出口10の空気流上流側他端である酸素富化空気流入口11を前記空気分流部ダクト5に開口している共に前記空気分流部ダクト5と前記酸素富化空気流部ダクト7で形成する窒素富化空気流入口12を前記空気分流部ダクト5に開口している。そして、前記酸素富化空気流入口11の空気流上流側直前に2個の棒状永久磁石13の異種磁極を対向して磁路ギャップ14を形成している。又、前記2個の棒状永久磁石13は該棒状永久磁石13の磁極面を前記酸素富化空気流部ダクト7の内面位置と同位置にすると共に前記空気分流部ダクト5を貫通して該空気分流部ダクト5に支持固着されている。ここで前記棒状永久磁石13が前記空気分流部ダクト5を貫通する部分には該空気分流部ダクト5の内外の空気漏れを遮断するシールをしている。
【0030】
以下、上記構成の動作を説明する。排風機3から排出される窒素富化空気量とブロワー2から排出される酸素富化空気量を合計した量が空気取入口8から吸引された空気は空気分流部ダクトに達すると、酸素富化空気流入口11正面の酸素分子と2個の棒状永久磁石13の異種磁極を対向して形成した磁路ギャップ14による強力な磁力により吸引された酸素分子は酸素富化空気流入口11に流入すると共に窒素富化空気流入口12正面の窒素分子と2個の棒状永久磁石13の異種磁極を対向して形成した磁路ギャップ14による強力な磁力により排斥された窒素分子は窒素富化空気流入口12に流入する。そして、酸素富化空気は前記ブロワー2で送出され窒素富化空気は排風機3排出されている。
【0031】
図5においては、図3における2個の棒状永久磁石13の代替として1個の馬蹄形永久磁石15を配設したものである。
【0032】
図6においては、図3における2個の棒状永久磁石13の代替として1個の馬蹄形電磁石16を配設したものである。
【0033】
図7及び図8においては、図1及び図3における2個の棒状永久磁石13の代替として2個の板状永久磁石17を配設したもので、支持具18で酸素富化空気部ダクト7に固着している。
【0034】
第二の実施例を示す図9においては、図3における2個の棒状永久磁石13の代替として6個の棒状永久磁石19を片側に3個ずつ所要の間隔で配設することによりスリット20を形成したものである。
【0035】
図10においては、図9における6個の棒状永久磁石19の代替として6個の板状永久磁石21を片側に3個ずつ所要の間隔で配設することによりスリット22を形成したものである。
【0036】
図11、図12、図13及び図14において、図1、図2、図3及び図4における外側配設の窒素富化空気ダクト6を内側配設とし、又内側配設の酸素富化空気ダクト7を外側配設とすると共に酸素富化空気流入口11から新たに配設するマニホールドチャンバ23まで2列とし、該マニホールドチャンバ23からブロワーまでは1列としている。そして、2列の前記酸素富化空気流入口11の空気流上流側直前に1列当たり6個の板状永久磁石21を片側に3個づつスリット22を形成すると共に異種磁極を対向して磁路ギャップ14を形成している。又、1列当たり6個の前記板状永久磁石21は該板状永久磁石21の磁極面を前記酸素富化空気流部ダクト7の内面位置と同位置にすると共に6個の内3個は前記空気分流部ダクト5を貫通して該空気分流部ダクト5に支持固着され他の3個は支持具18で支持固着されている。ここで前記板状永久磁石21が前記空気分流部ダクト5を貫通する部分には該空気分流部ダクト5の内外の空気漏れを遮断するシールをしている。
非磁性体のダクトは空気流部ダクト4、空気分流部ダクト24、窒素富化空気流部ダクト25、酸素富化空気流部ダクト26で構成され、前記空気流部ダクト4には空気取入口8を有して大気に開放され、前記窒素富化空気流部ダクト25には窒素富化空気排出口9を有して排風機3に連通接続され、前記酸素富化空気流部ダクト26Bには酸素富化空気排出口10を有してブロワー2に連通接続し、前記空気分流部ダクト24の空気流上流側には前記空気流部ダクト4を又空気流下流側には前記酸素富化空気流部ダクト26Aを連通接続しており、又前記窒素富化空気流部ダクト25の前記窒素富化空気排出口9の空気流上流側他端である窒素富化空気流入口27を前記空気分流部ダクト24に開口している共に前記空気分流部ダクト24と前記窒素富化空気流部ダクト25で形成する2箇所の酸素富化空気流入口28を前記空気分流部ダクト5に開口している。そして、2箇所にある前記酸素富化空気流入口28の空気流上流側直前に1箇所に付各6個の板状永久磁石21の異種磁極を対向して磁路ギャップ14を形成している。又、前記6個の板状永久磁石21は該板状永久磁石21の磁極面を前記酸素富化空気流部ダクト26及び又前記窒素富化空気流部ダクト25の内面位置と同位置にすると共に前記空気分流部ダクト24を貫通して該空気分流部ダクト24に支持固着されている。ここで前記板状永久磁石21が前記空気分流部ダクト24を貫通する部分には該空気分流部ダクト24の内外の空気漏れを遮断するシールをしている。
【0037】
以下、上記構成の動作を説明する。排風機3から排出される窒素富化空気量とブロワー2から排出される酸素富化空気量を合計した量が空気取入口8から吸引された空気は空気分流部ダクト5に達すると、2箇所の酸素富化空気流入口28正面の酸素分子と酸素富化空気流入口28の1箇所あたり6個の板状永久磁石21の異種磁極を対向して形成した磁路ギャップ14による強力な磁力により吸引された酸素分子は酸素富化空気流入口28に流入すると共に窒素富化空気流入口27正面の窒素分子と酸素富化空気流入口28の1箇所あたり6個の板状永久磁石21の異種磁極を対向して形成した磁路ギャップ14による強力な磁力により排斥された窒素分子は窒素富化空気流入口27に流入する。そして、酸素富化空気は前記ブロワー2で送出され窒素富化空気は排風機3で排出されている。
【0038】
図15、図16及び図17においては、図10における6個の板状永久磁石21の代替として2個の格子板状永久磁石29A、29Bを配設したものである。
【0039】
第四の実施例を示す図18及び図19においては、2枚の格子板状導磁体30A,30Bにそれぞれ7枚の板状永久磁石31を吸引固着している。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第一の実施例を示す酸素富化装置の縦断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図4】図1のC−C線に沿う断面図である。
【図5】図3の棒状永久磁石13の代替として馬蹄形永久磁石とした断面図である。
【図6】図3の棒状永久磁石13の代替として馬蹄形電磁石とした断面図である。
【図7】図1の棒状永久磁石13の代替として板状永久磁石17とした酸素富化装置の縦断面図である。
【図8】図3の棒状永久磁石13の代替として板状永久磁石17とした酸素富化装置の縦断面図である。
【図9】第二の実施例を示す図3の2個の棒状永久磁石13の代替として6個の棒状永久磁石19とした酸素富化装置の縦断面図である。
【図10】図9の6個の棒状永久磁石13の代替として6個の板状永久磁石21とした酸素富化装置の縦断面図である。
【図11】酸素富化空気流入口28を2箇所にした酸素富化装置の縦断面図である。
【図12】図11のD−D線に沿う断面図である。
【図13】図11のE−E線に沿う断面図である。
【図14】図11のF−F線に沿う断面図である。
【図15】図10における6個の板状永久磁石21の代替として2個の格子板状永久磁石29を配設した横断面図である。
【図16】図15のG―G線に沿う断面図である。
【図17】図15のH―H線に沿う断面図である。
【図18】第三の実施例を示す正面図である。
【図19】図18のI―I線に方向矢視図である
【符号の説明】
【0041】
1 酸素富化装置
2 ブロワ―
3 排風機
4 空気流部ダクト
5、24 空気分流部ダクト
6、25 窒素富化空気流部ダクト
7、26A、26B 酸素富化空気流部ダクト
8 空気取入口
9 窒素富化空気排出口
10 酸素富化空気送出口
11、28 酸素富化空気流入口
12、27 窒素富化空気流入口
13、19 棒状永久磁石
14 磁路ギャップ
15 馬蹄形永久磁石
16 馬蹄形電磁石
17、21、31 板状永久磁石
18 支持具
20、22 スリット
23 マニホールドチャンバ
29A、29B 格子板状永久磁石
30A、30B 格子板状導磁体格子板状導磁体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気取入口に連続一体状とした空気流通路部と、該空気流通路部の終端に空気分流ダクト部により分岐して連通接続した該空気分流ダクト部に後置した酸素富化空気流路及び窒素富化空気流路とで構成すると共に少なくとも前記空気取入口から空気分流ダクト部までを真直ぐとした非磁性体の本体ダクトと前記分流手段の空気流上流側に異種磁極を対向して磁路ギャップを形成すると共に空気流路を形成し、前記酸素富化空気流路の酸素富化空気送出口にブロワ又は送風機等の空気供給手段を後置して連通接続すると共に前記窒素富化空気流路の窒素富化空気送出口に排風手段を後置して連通接続することを特徴とする酸素富化装置。
【請求項2】
空気分流ダクト部の上流側直前に配設する異種磁極を対向して形成した磁路ギャップの二組以上を所要の間隔で直列配置することにより、相隣り合う磁極対の同種磁極によりスリットを形成したことを特徴とする請求項1記載の酸素富化装置。
【請求項3】
分流手段の空気流上流側に格子状又はメッシュ状の異種磁極を対向して磁路ギャップを形成すると共に空気流路を形成することを特徴とする請求項1記載の酸素富化装置。
【請求項4】
スリット状又は格子状の所要の形状をした同一導磁体に複数の永久磁石を吸引固着して磁極対の同種磁極群を形成したことを
複数の永久磁石で磁極対の同種磁極の群を形成する手段として、所要の形状をした同一導磁体に吸引固着して構成する特徴とする請求項1記載の酸素富化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−277029(P2007−277029A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−103196(P2006−103196)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【出願人】(594083302)
【Fターム(参考)】