説明

酸素混合給湯装置

【課題】カランやシャワーヘッド等の給湯端末から高濃度の溶存酸素を有する湯水の供給を可能としたものである。
【解決手段】給水路2と、前記給水路2からの給水を加熱する加熱手段と、濃度99%以上の酸素生成手段13と、前記酸素生成手段13で生成した酸素を前記加熱手段で加熱した温水に混入する混入手段14とを具備したものである。したがって、溶存酸素濃度の高い湯水をシャワー8やカラン9からも使用することで、溶存酸素濃度の高い湯水を洗髪や身体の洗浄に用いることができ、溶存酸素が毛穴や角質から浸透することで、毛根の細胞や肌細胞の活性を高め、頭髪の育毛促進および美容効果をたかめることとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水中の溶存酸素濃度を高め、カランやシャワーなどの給湯端末から、溶存酸素濃度を高めた湯水を供給する酸素混合給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の酸素混合装置は、ジェットバス等の浴槽湯循環回路の湯水に高濃度の酸素を供給するものや(例えば特許文献1参照)、浴槽湯中に微細気泡として高濃度の酸素を供給するもの(例えば特許文献2、特許文献3参照)がある。また、浴槽水に高濃度の酸素を供給するものもある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図6は、特許文献1に記載された従来の酸素混合装置を示すもので、浴槽100にはポンプ101を介在させた循環管路102が接続されており、また、この循環管路102の途中には気体を供給する供給部103が設けてある。この供給部103に酸素富化空気を供給する酸素混合装置104が配置されている。浴槽1には循環管路102の往口105と復口106が設けてある。
【0004】
溶存酸素濃度を高めた湯水には、頭髪の育毛促進効果があることや水分の浸透促進効果があること知られている(例えば特許文献4参照)。
【特許文献1】特開平4-002347号公報
【特許文献2】特開2002-191949号公報
【特許文献3】特開2004−283810号公報
【特許文献4】特開平7-16304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の酸素混合給湯装置は、浴槽水の循環流路に高濃度の酸素を溶解させる構成であり、カランやシャワーヘッド等の給湯端末から溶存酸素濃度を高めた湯水を供給することはできなかった。そのため、通常の入浴形態では浴槽水に浸漬しない頭髪部や顔部には、溶存酸素濃度を高めた湯水を供給することができなかった。
【0006】
また、従来の溶解させる酸素濃度は30%程度であり、溶存酸素濃度を十分高めることができなかった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するため、一般家庭で設置されている給湯装置の給水路に酸素生成手段で生成させた100%近い高濃度酸素を混入する混入手段を備えることで、カランやシャワーヘッド等の給湯端末から、高濃度の溶存酸素を有する湯水の供給を可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の酸素混合給湯装置は、給水路と、給水路からの給水を加熱する加熱手段と、濃度99%以上の酸素生成手段と、前記酸素生成手段で生成した酸素を加熱手段で加熱した温水に混入する混入手段を備えた構成としたものであり、本発明によれば浴槽水のみでなく、シャワーやカランなどの給湯端末からも溶存酸素濃度を高めた湯水の供給を可能とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の酸素混合給湯装置は、溶存酸素濃度の高い湯水をシャワーやカランからも使用
することで、溶存酸素濃度の高い湯水を洗髪や身体の洗浄に用いることができ、溶存酸素が毛穴や角質から浸透することで、毛根の細胞や肌細胞の活性を高めることができ、頭髪の育毛促進および美容効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明における酸素混合給湯装置は、給水路と、給水路からの給水を加熱する加熱手段と、濃度99%以上の酸素生成手段と、前記酸素生成手段で生成した高濃度酸素を加熱手段で加熱した温水に混入する混入手段を備えた構成としてある。
【0011】
上記構成によって、給湯装置から供給されるすべての湯水の溶存酸素濃度を高めることができ、シャワーやカラン等の給湯端末からも、溶存酸素濃度を高めた湯水の供給を可能とすることができる。
【0012】
第2の発明における酸素混合給湯装置は、酸素生成手段と混入手段をシャワーヘッドに設けたものである。
【0013】
上記構成によって、酸素を混入させてから頭髪や皮膚に湯水が当たるまでの時間を短くすることで、溶存酸素量の低下を抑えることができる。
【0014】
第3の発明の酸素混合供給装置における混入手段は、酸素を微細気泡として温水に混入させるものである。
【0015】
上記構成は、混入手段を高濃度酸素を微細気泡として温水に混入する加圧混入手段を有する構成としてあり、高濃度酸素を溶解することで溶存酸素濃度を高めるだけでなく、さらに微細気泡として加圧混入することで、溶存酸素を過飽和状態にまで溶解することが可能となり、より高濃度の溶存酸素水を得ることができるとともに、微細気泡を含んだ水を供給することで、気泡がはじけるときに放出される超音波の洗浄効果を得ることができる。さらに、微細気泡であるため毛穴の中に入り込み洗浄を行うため、毛穴の汚れを洗浄することで溶存酸素が毛穴から入り込みやすくなり、微細気泡と溶存酸素の相乗効果で、育毛促進効果や美容効果を高めることができる。
【0016】
第4の発明の酸素混合給湯装置における酸素生成手段は、両面に電極を形成させた固体電解質と、それを加熱するヒータと、そのヒータを覆う断熱材と、固体電解質に電圧を印加する電源とを有し、大気中から酸素を分離する構成である。
【0017】
上記構成によって、加圧ポンプや加圧ポンプを必要とせずに100%に近い酸素を供給することができるため、コンパクトにすることができ、シャワーヘッドや洗面台等への設置も容易となる。
【0018】
第5の発明の酸素混合給湯装置における固体電解質は、ランタンガレート系の金属酸化物である。
【0019】
ランタンガレートはランタンとガリウムを主成分としたペロブスカイト型複合金属酸化物であり、400℃以上で高い酸素イオン導電性を有す。したがって酸素生成のための動作温度を抑えることができ、効率的に酸素を発生させることができる。
【0020】
第6の発明の酸素混合給湯装置における断熱材は、表面に撥水処理加工を施したものである。
【0021】
分離前の空気や分離後の酸素は、断熱材を通過するが、断熱材の主原料は、シリカやア
ルミナの吸水性のあるものである。その表面に撥水処理を行うことで、断熱材の吸水を抑え、通気性の劣化や断熱性能の低下を防ぐことができる。
【0022】
第7の発明の酸素混合給湯装置における電源は、蓄電池を使用するものである。
【0023】
上記構成によって、電源が通常無い場所である浴室内でも使用できる。また、リード線が不要なため、使い勝手が向上する。
【0024】
第8の発明における酸素混合給湯装置は、加圧混入手段を給湯装置本体に設け、給湯装置本体内で加圧混入した高濃度酸素を再び微細気泡化する微細化手段をシャワーヘッド、カラン端末、浴槽内噴出アダプタ直前、洗面台の少なくとも1つ以上に設けた構成としており、加圧混入部で一旦溶解した微細気泡が、給水路内で析出し気泡径が大きくなった場合においても、噴出直前で再度気泡を微細化することができる。
【0025】
第9の発明における酸素混合装置は、微細化手段を絞り部で構成することで、加圧混入された高濃度酸素を再度端末部で衝撃波により微細気泡化することができ、簡単な構成で、溶存酸素の高い水を得ることができる。
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、この実施例では、通常の給湯器の使用として温水を想定しているが、温めずに水として使用しても良い。
【0027】
(実施の形態1)
図1〜図3において、給湯装置1は給水路2と給湯回路3、および追炊き循環回路4を有する熱交換器5と、熱交換器5を加熱するバーナー6と、バーナー6に燃焼空気を送るバーナーファン7を設けている。
【0028】
給水路2の水は熱交換器5で加熱されお湯となり、給湯回路3を経てシャワーヘッド8やカラン9から供給される。また、追炊き循環回路4に設けた風呂ポンプ10で循環される浴槽水は熱交換器5で加熱された後、追炊き循環回路4を経て追炊きアダプタ11から浴槽12に供給される。
【0029】
給湯回路3には酸素生成手段13で生成した高濃度酸素を混入する混入手段14が設けてある。
【0030】
酸素生成手段13は、酸素イオン伝導体である固体電解質15を挟持する一対のカソード電極16とアノード電極17とを備え、カソード電極16を空気に曝露して固体電解質15とアノード電極17とヒータ18が埋め込まれた断熱材19をケース20内に収納するとともに、カソード電極16とアノード電極17の間に電圧を印加する電源21を有する。
【0031】
固体電解質15は、酸素イオン導電性を有する金属酸化物であり、イットリア安定化ジルコニア等の汎用的な固体電解質でも良いが、ランタンとガリウムを組成に持つランタンガレート系のペロブスカイト型酸化物がより好ましい。特に輸率がほぼ1.0となるよう他の金属を添加したものが好ましい。本実施の形態ではストロンチウムとマグネシウムを添加して焼結させたランタンガレート(La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3)を、一辺20mm、厚み0.2mmに加工して用いる。
【0032】
アノード電極17とカソード電極16には、白金や銀などの貴金属、サマリウムとコバルトから成る金属酸化物などを用いる。これらの電極は、スクリーン印刷による塗布や蒸
着、スパッタリング等によって形成できる。本実施の形態では、スクリーン印刷によって、サマリウムとコバルトを組成とした複合酸化物(Sm0.5Sr0.5CoO3)を10〜20μmの厚みで成形し、さらにその上に金の電極を5〜10μmの厚みで積層させた。
【0033】
そして、その外周を断熱材19によって覆った。ここで断熱材19は、シリカの粉末を充填して形成された多孔体で、通気性と断熱性を併せ持つものである。断熱材の厚みは約10mmである。
【0034】
さらに断熱材の表面2〜3mmには、フッ素系のシランカップリング剤の脱水素反応によって撥水加工を施している。
【0035】
そして、アノード電極17から発生する酸素は噴出し口22から酸素配管23に搬送される。混入手段14は、エゼクタであり、その負圧側は逆止弁24、流量調節弁25を介して酸素配管23と接続されている。
【0036】
また、切り替え手段26a、26bにより、混入手段14に供給される湯水は、給湯回路3からの湯水と追い炊き循環回路4で循環する浴槽水とを切り替えられる構成となっており、浴槽水を循環する際にも混合手段14を介して、高濃度酸素を混合することができ、追い炊きアダプタ11を介して、高濃度酸素を混合した湯水が浴槽水に噴出される。
【0037】
次にその動作、作用について説明する。
【0038】
使用者がシャワーヘッド8もしくはカラン9から湯を得ようと給湯回路3に設けた混入手段に湯水が供給された時、そのエゼクタ作用で酸素配管23は負圧となり、給湯回路3の湯水に酸素配管23内の空気が混入される。
【0039】
なお、酸素配管23には逆止弁24および流量調節弁25が設けられているため、酸素配管23内に給湯回路3の湯水が逆流することを防止でき、酸素生成手段を保護することができる。
【0040】
図2に示す酸素生成手段13では、ヒータ電源(図示せず)を入力することによってヒータ18の温度が上昇し、固体電解質15が加熱される。そして所定の温度になったとき、電源21によりカソード電極16とアノード電極17の間に電圧を印加すると、曝露されたカソード電極16上では空気中の酸素が電子を受けてイオン化し固体電解質15内を酸素イオンとして移動できるようになる。
【0041】
そして、アノード電極17まで移動した酸素イオンは電子を放出して酸素分子となり、高濃度酸素を生成することができる。
【0042】
湯水に溶解する気体の量は、溶解度およびヘンリーの法則により定められており40℃のお湯に溶解することができる酸素は、最大で約40ppmであり、通常の酸素濃度20%空気に接している場合は、約8ppmとなる。溶解する空気の酸素濃度は溶存酸素を高めるためには非常に重要であり、本実施の形態に示すように、高濃度の酸素を混合することで、溶存酸素濃度を高めた湯水を得ることができる。なお、本実施の形態では、酸素濃度ほぼ100%の酸素を発生させる方式であるが、空気によって薄めて使用することもできる。
【0043】
さらに、混入手段14のエゼクタにより高濃度酸素を混入することで、短時間で高濃度溶存酸素水を得ることができ、そして、シャワーヘッド8やカラン9から溶存酸素富化水
を得ることができ、入浴者が溶存酸素富化水をシャワー水として使用した場合、溶存酸素が角質及び毛穴から浸透し、細胞を活性化することが可能となる。
【0044】
例えば、頭皮に使用した場合には、毛穴から毛根へと溶存酸素水が供給されることで、毛根の細胞が活性化し育毛促進効果を得ることができる。さらに、身体に使用した場合にも同様に、角質層より溶存酸素として肌に酸素が吸収され、図3に示すように肌への水分の浸透を促進するとともに肌細胞を活性化することができ、肌細胞を活性化することで、細胞の新陳代謝が促進され美肌効果を得ることができる。
【0045】
図3は、溶存酸素富化水入浴は、通常入浴および高濃度酸素を吸引しながらの入浴と比較して、入浴5分後の角層水分量が高く、溶存酸素富化水が肌への水分の浸透を促進していることを示している。
【0046】
使用者が追い炊きを行う際には、切り替え手段24により追い炊き回路4を循環する浴槽水に高濃度酸素が供給され、浴槽水中に溶存酸素富化水を供給することが可能となり、溶存酸素富化水の美肌効果を得ることができる。さらに、溶解し切れなかった高濃度酸素を吸入することで入浴中にも酸素不足に陥りにくくなり、長湯が可能で温浴効果を促進できる。
【0047】
また、酸素吸入による覚醒作用を発揮できるとともに心拍数の増加を抑制できる。これにより、高濃度酸素の効果を最大限に発揮させて美容かつ健康的な入浴ができるようになる。
【0048】
なお、浴室内に切り替え手段24を切り替えるためのスイッチ(図示せず)を設け、スイッチをオンすることで、切り替え手段24を切り替えるとともに、風呂ポンプを動作させる構成とすることで、追い炊きとは別に浴槽水に高濃度酸素を供給することも可能であることはもちろんである。
【0049】
このように、100%に近い酸素濃度のガスを溶解させることができるため、溶存酸素濃度の高い湯水を得ることができ、育毛促進効果および美容効果を得ることができる。
【0050】
(実施の形態2)
図4とともに実施の形態2を説明する。なお、実施の形態1と同一作用を発揮する構成についての説明は同実施の形態1のものを援用する。
【0051】
実施の形態1と異なる点は、酸素生成手段13がシャワーヘッド8の内部に設置されている点である。
【0052】
図4において、シャワーヘッド8には、酸素生成手段13と湯水路27に流れる湯水に酸素を混入させるための混入手段14によって構成されている。そして酸素生成手段13を動作させるための電源として蓄電池(図示せず)を用いている。蓄電池は、リチウムイオン電池とニッケル水素電池のどちらでも良い。
【0053】
また、アタプタ28の部分でシャワーヘッドの取り外しができ、充電することも可能である。
【0054】
次にその動作、作用について説明する。
【0055】
使用者がシャワーヘッド8から湯を得ようと湯水路27に設けた混入手段14に湯水が供給された時、そのエゼクタ作用で湯水路27が負圧となり酸素が混入される。
【0056】
なお、酸素生成手段13と混入手段14の間には逆止弁24が設けられているため、湯水が逆流することを防止でき、酸素生成手段13を保護することができる。
【0057】
始めに、図2に示す酸素生成手段13の蓄電池(図示せず)に繋がったヒータ電源を入力することによってヒータ18の温度が上昇し、固体電解質15が加熱される。そして所定の温度になったとき、ヒータ電源が切れ、蓄電池との結線が切り替わり電源21に電力が供給される。
【0058】
このようにカソード電極16とアノード電極17の間に電圧を印加すると、曝露されたカソード電極16上では空気中の酸素が電子を受けてイオン化し固体電解質15内を酸素イオンとして移動できるようになる。そしてアノード電極17まで移動した酸素イオンは電子を放出して酸素分子となり、高濃度酸素を生成することができる。
【0059】
そして、使用後は、アダプタ28によってシャワーヘッドを切り離し、充電を行う。
【0060】
このように、シャワーヘッド8から濃度100%に近い酸素を混入させることで、溶存酸素濃度の低下を抑えることができる。そして、入浴者が溶存酸素富化水をシャワー水として使用した場合、溶存酸素が角質及び毛穴から浸透し、細胞を活性化することが可能となる。
【0061】
(実施の形態3)
図5とともに実施の形態3を説明する。なお、実施の形態1と同一作用を発揮する構成についての説明は同実施の形態1のものを援用する。
【0062】
実施の形態1と異なる点は、加圧混合手段を給湯装置本体に設け、給湯装置本体内で加圧混入した高濃度酸素を再び微細気泡化する微細化手段をシャワー端末、カラン端末、浴槽内噴出アダプタ直前、洗面台の少なくとも1つ以上に設けた構成としていることである。
【0063】
図5において、シャワーヘッド8の端末直前に絞り部29、カラン9の端末直前に絞り部30、追い炊きアダプタ11の端末直前に絞り部31、さらに酸素配管23には加圧ポンプ32が設けてある。
【0064】
以上のように構成された酸素混合給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0065】
使用者がシャワーヘッド8もしくはカラン9から湯を得ようと給湯回路3に設けた混入手段14に湯水が供給された時、そのエゼクタ作用により酸素配管23は負圧となる。
【0066】
さらにエゼクタ作用により吸引されるだけでなく、加圧ポンプ32による圧力がプラスされるため、混入手段14に混入する空気は加圧された状態となり、給湯回路3の湯水に酸素配管23内の空気を加圧混入することで微細な気泡として混入させることができる。このように、給湯機本体内で生成した溶存酸素富化水は給湯回路4により、浴室内に搬送され、シャワーヘッド8およびカラン9、ないしは切り替え手段によって追い炊きアダプタ11より噴出する。
【0067】
使用者がシャワーヘッド8より湯を得ようとした場合には、そのシャワーヘッド8の端末直前に設けた絞り部29に湯水が流れて湯水は再度加圧され、混合手段14で一旦溶解した微細気泡が給水路内で析出し気泡径が大きくなった場合においても、端末直前に設けた絞り部29で再度加圧することで、噴出直前に再度気泡を微細化することができ、再度
溶存酸素濃度をたかめることができる。
【0068】
このように、本実施の形態によれば、給湯機本体と浴室の距離が離れている場合など、配管距離が長くなり加圧混入部で一旦溶解した微細気泡が、給水路内で析出し気泡径が大きくなった場合においても、噴出直前で再度気泡を微細化することができるため、安定して溶存酸素富化水を得ることができる。
【0069】
さらに、微細化手段を絞り部で構成することで、加圧混入された高濃度酸素を再度端末部で衝撃波により微細気泡化することができ、簡単な構成で、溶存酸素富化水を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
以上のように本発明にかかる酸素混合給湯装置は、高濃度酸素を微細気泡として湯水に混入することで、溶存酸素富化水をえることができるため、水生生物の養殖用装置や、水耕栽培装置、飲料水や食品の改質装置、健康福祉機器、気液反応装置等の用途へも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態1における酸素混合給湯装置の構成図
【図2】同酸素生成手段の構成図
【図3】同酸素混合給湯装置の浴水入浴後の肌水分変化図
【図4】本発明の実施の形態2における酸素混合給湯装置の構成図
【図5】本発明の実施の形態3における微細化手段の構成図
【図6】従来の微細気泡発生装置の構成図
【符号の説明】
【0072】
1 給湯装置
2 給水路
8 シャワーヘッド
9 カラン
11 追炊きアダプタ
12 浴槽
13 酸素生成手段
14 混入手段
15 固体電解質
16 カソード電極
17 アノード電極
18 ヒータ
19 断熱材
21 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水路と、前記給水路からの給水を加熱する加熱手段と、濃度99%以上の酸素生成手段と、前記酸素生成手段で生成した酸素を前記加熱手段で加熱した温水に混入する混入手段とを具備した酸素混合給湯装置。
【請求項2】
酸素生成手段と混入手段をシャワーヘッドに設けた請求項1に記載の酸素混合給湯装置。
【請求項3】
混入手段は、酸素を微細気泡として温水に混入させる加圧混入手段である請求項1または2に記載の酸素混合給湯装置。
【請求項4】
酸素生成手段は、酸素イオン導電性を有する固体電解質と、前記固体電解質の両面に形成された電極と、前記固体電解質及び前記電極を加熱するヒータと、前記固体電解質と前記ヒータを覆う断熱材と、前記電極の間に電圧を印加する電源とを有し、大気中から酸素を分離するようにした請求項1または2に記載の酸素混合給湯装置。
【請求項5】
固体電解質がランタンガレート系の金属酸化物である請求項4に記載の酸素混合給湯装置。
【請求項6】
断熱材の表面に撥水処理を施した請求項4に記載の酸素混合給湯装置。
【請求項7】
電源として蓄電池を使用した請求項4に記載の酸素混合給湯装置。
【請求項8】
加圧混入手段を給湯装置本体に設け、給湯装置本体内で加圧混入した酸素を再び微細気泡化する微細化手段をシャワーヘッド、カラン端末、浴槽内噴出アダプタ直前、洗面台の少なくとも1つ以上に設けた請求項3に記載の酸素混合給湯装置。
【請求項9】
微細化手段は絞り部を有する請求項8に記載の酸素混合給湯装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−211993(P2007−211993A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−29359(P2006−29359)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】