説明

重力脱水式の脱水装置

【課題】脱水塔の処理量を、従来の脱水塔の処理量の水準を保持しながら、脱水塔の筒の高さを抑制し、以て、建設コスト、ランニングコスト等の低減を図る。
【解決手段】ガスgと水wを反応させて生成したガスハイドレートaを、未反応の水と一緒に脱水塔5に導入し、該脱水塔5の下方から上方に向けて上昇させ、該上昇中に未反応の水を脱水塔5の側壁面に設けた濾過部7から塔外に流出させる重力脱水式の脱水装置である。前記脱水塔5を、内筒23と外筒24の二つの筒体より成る2重筒形構造の脱水塔22とし、かつ、前記内筒23と外筒24の両側壁面にそれぞれ脱水用の濾過体26a,26bを設けて、未反応の水を内筒に設けた濾過体26aと、外筒に設けた濾過体26bとの二つの濾過体より塔外に流出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重力脱水式の脱水装置、更に詳しくは、ガスと水を反応させて生成したガスハイドレートを、未反応の水と一緒に脱水塔に導入して、該脱水塔の下方から上方に向けて上昇させ、該上昇中に未反応の水を脱水塔の側壁面に設けた濾過部から塔外に流出させる重力脱水式の脱水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メタンなどの炭化水素を主成分とする天然ガスを貯蔵及び輸送する方法としては、天然ガスを液化温度まで冷却してLNG(液化天然ガス)とし、このLNGを貯蔵及び輸送する方法が一般的である。
【0003】
しかし、LNGの主成分であるメタンを液化させるには、−162℃という極低温が必要であり、こうした厳しい条件を維持しながら貯蔵及び輸送を行うためには、専用の貯蔵施設やLNG船が必要となる。
【0004】
こうした装置の製造及び維持管理には、非常に高いコストを要するため、上記の方法に代わる低コストの貯蔵及び輸送する方法が研究されてきた。
【0005】
こうした研究の結果、天然ガスと水を反応させて固体状態の水和物(以下、ガスハイドレートという。)を生成し、このガスハイドレートを貯蔵及び輸送する方法が見出され、注目を集めている。
【0006】
この方法では、LNGを取り扱う場合のような超低温条件を必要としないばかりでなく、ガスハイドレートが固体であるため、その取り扱いも比較的に容易である。
【0007】
ガスハイドレートとは、包接化合物(クラスレート化合物)の一種であって、複数の水分子により形成された立体かご型の包接格子(クラスレート)の中に、天然ガスの各成分を構成する分子、すなわち、メタン、エタン、プロパンなどが入り込み、包接された結晶構造を成すものである。例えば、メタンの水和物が安定に存在し得る条件下、すなわち、−30℃で、なおかつ、大気圧においては、気体の場合と比較して約1/170の体積となる。
【0008】
このように、ガスハイドレートは、比較的容易に得られる温度条件及び圧力条件下において製造可能であり、しかも、安定した保存が可能である。
【0009】
このガスハイドレートの製造を工業化して大量に製造しようとすると、天然ガスを水中に吹き込んでガスハイドレートを製造する方法(バブリング方式)(例えば、特許文献1参照。)、あるいは、ガス相内に水をスプレーしてガスハイドレートを製造する方法(スプレー方式)(例えば、特許文献2参照。)などがある。
【特許文献1】特開2003−80056号公報
【特許文献2】特開2003−105362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、いずれの場合も、生成直後のガスハイドレートは、未反応の水を含んだスラリー状態であるため、そのままの状態、あるいは、冷凍して氷の状態で貯蔵及び輸送すれば、水あるいは氷の分だけ、余分な費用がかかるという問題がある。
【0011】
このような問題を回避するために、スラリー状のガスハイドレートを脱水してガスハイドレートの濃度を高めることが行われているが、特許文献2の発明のように、スクリュープレス型脱水装置を使用して強制的に脱水する場合には、脱水後の濾液中にガスハイドレートの固体粒子が混入することが避けられない。このため、ガスハイドレートの回収率が低下するという問題がある。
【0012】
そこで、本発明者らは、図4の如く、重力を利用した重力脱水式の脱水装置を考えた。この脱水装置を含むガスハイドレート製造装置は、次のような構造となっている。
【0013】
すなわち、第1生成器1に水wと原料ガスである天然ガスgを供給して、天然ガスgと水wの水和物であるガスハイドレート(図示せず)を生成する。そのとき、第1生成器1内を攪拌機2で攪拌して低濃度のスラリーsとなるようにする。
【0014】
その際、第1生成器1内に伝熱管3を設けたり、あるいは、第1生成器1の外側に冷却ジャケット(図示せず)を設けて第1生成器1内を冷却する。
【0015】
この第1生成器1で製造された低濃度のガスハイドレートスラリーsは、スラリー供給ポンプ4によって円筒形の脱水塔5の底部に供給される。この脱水塔5は、その側壁面に金網、あるいは多孔質の焼結板などから成る脱液用の濾過体7を備えている。この濾過体7の外側には、排水ジャケット8を有している。
【0016】
濾過体7から脱水塔5の外側に流出した水(未反応水)wは、循環水ポンプ9によって第1生成器1に戻されるが、その間に循環水冷却器10によって所定の温度に冷却される。また、排水ジャケット8内に流出した未反応ガスgは、循環ガスブロワ11によって第1生成器1に戻される。
【0017】
脱水塔5によって脱水され、含水率の低下したガスハイドレートaは、脱水塔5の上端に設けたスクリューフィーダ等の搬送装置12によって第2生成器(図示せず)に供給され、更に、水和反応を利用した脱水が行われる。そして、ガスハイドレートの製造が進行するに連れ、第1生成器1には、ポンプ13によって水wが補給され、原料ガス圧縮機14によって天然ガスgが補給される。
【0018】
ところで、このガスハイドレート製造装置を大型化して、ガスハイドレートを量産しようとすると、従来の円筒形の脱水塔5は、その直径及び高さが大きなものとなる。脱水塔5の高さが増加すると、スラリー供給ポンプ4のポンプヘッドが高くなり、消費動力の増加するという問題がある。
【0019】
他方、脱水塔5の直径Dについては、例えば、2.4T/Dのプラントを想定した場合、脱水塔5の横断面積Aが約116.11(m2 )となり、脱水塔5の直径Dが約12(m)の大きさとなる。
【0020】
このように、脱水塔5の直径Dが増大すると、脱水塔5に設けた濾過体7の内側面に堆積するガスハイドレートaの堆積層の厚さが非常に厚くなり、脱水塔5の中心部Cの水が排水され難いという問題がある(図5参照。)。
【0021】
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、脱水塔の処理量を、従来の脱水塔の処理量の水準を保持しながら、脱水塔の筒の高さを抑制し、以て、建設コスト、ランニングコスト等の低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のように構成されている。
【0023】
請求項1に記載の発明は、ガスと水を反応させて生成したガスハイドレートを、未反応の水と一緒に脱水塔に導入して、該脱水塔の下方から上方に向けて上昇させ、該上昇中に未反応の水を脱水塔の側壁面に設けた濾過部から塔外に流出させる重力脱水式の脱水装置であって、前記脱水塔を、内筒と外筒の二つの筒体より成る2重筒形構造の脱水塔とし、かつ、前記内筒と外筒の両側壁面にそれぞれ脱水用の濾過体を設けて、未反応の水を内筒に設けた濾過体と、外筒に設けた濾過体との二つの濾過体より塔外に流出させることを特徴とする重力脱水式の脱水装置である。
【0024】
請求項2に記載の発明は、ガスと水を反応させて生成したガスハイドレートを、未反応の水と一緒に脱水塔に導入して、該脱水塔の下方から上方に向けて上昇させ、該上昇中に未反応の水を脱水塔の側壁面に設けた濾過部から塔外に流出させる重力脱水式の脱水装置であって、耐圧容器内に、内外両側壁面にそれぞれ脱水用の濾過体を設けた2重筒形構造の脱水塔を内蔵し、該脱水塔の中央の空洞内に筒形のガスハイドレート投入部を設けて、該ガスハイドレート投入部と前記耐圧容器との間に排水槽を形成し、更に、前記ガスハイドレート投入部内にガスハイドレート粉砕用の粉砕装置を設けると共に、前記ガスハイドレート投入部の下方にガスハイドレート排出装置を設け、前記脱水塔の上方にスクレーパを回転自在に設け、更に、前記脱水塔の下方にスラリー供給管を設け、かつ、前記排水槽に排水管を設けたことを特徴とする重力脱水式の脱水装置である。
【0025】
請求項3に記載の発明は、前記粉砕装置と、前記スクレーパとを共通の回転軸に設けることを特徴とする請求項2記載の重力脱水式の脱水装置である。
【0026】
請求項4に記載の発明は、前記ガスハイドレート排出装置として、スクリューフィーダーを適用することを特徴とする請求項2記載の重力脱水式の脱水装置である。
【発明の効果】
【0027】
上記のように、請求項1に記載の発明は、ガスと水を反応させて生成したガスハイドレートを、未反応の水と一緒に脱水塔に導入して、該脱水塔の下方から上方に向けて上昇させ、該上昇中に未反応の水を脱水塔の側壁面に設けた濾過部から塔外に流出させる重力脱水式の脱水装置であって、前記脱水塔を、内筒と外筒の二つの筒体より成る2重筒形構造の脱水塔とし、かつ、前記内筒と外筒の両側壁面にそれぞれ脱水用の濾過体を設けて、未反応の水を内筒に設けた濾過体と、外筒に設けた濾過体との二つの濾過体より塔外に流出させるので、本発明の脱水塔の横断面積Aが、従来の円筒型の脱水塔の横断面積Aと同じであっても、本発明は、脱水塔の内外両筒間の間隔Wが(D0 −D1 )/2となり、従来のものに比べて脱水塔の内外両筒間の間隔Wが大幅に縮小する(図2参照。)。
【0028】
例えば、2.4T/Dのプラントを想定し、なおかつ、外筒の直径D0 を14.04(m)と想定した場合、内筒の直径D1 が7.02(m)となり、脱水塔の内外両筒間の間隔W(=(D0 −D1 )/2)が約3.5(m)となる。
【0029】
従って、従来の円筒型の脱水塔の直径Dが約12(m)であるのに対し、本発明の2重筒形構造の脱水塔は、内筒と外筒との間の間隔Wがが約3.5(m)となることから、本発明の2重筒形構造の脱水塔は、従来の円筒型の脱水塔に比べて脱水が円滑に行えるようになった。
【0030】
その結果、脱水塔の処理量を従来の脱水塔の処理量の水準を保持しながら、脱水塔の筒の高さを抑制し、以て、建設コスト、ランニングコスト等の低減を図ることが可能となった。
【0031】
請求項2に記載の発明は、ガスと水を反応させて生成したガスハイドレートを、未反応の水と一緒に脱水塔に導入して、該脱水塔の下方から上方に向けて上昇させ、該上昇中に未反応の水を脱水塔の側壁面に設けた濾過部から塔外に流出させる重力脱水式の脱水装置であって、耐圧容器内に、内外両側壁面にそれぞれ脱水用の濾過体を設けた2重筒形構造の脱水塔を内蔵し、該脱水塔の中央の空洞内に筒形のガスハイドレート投入部を設けて、該ガスハイドレート投入部と前記耐圧容器との間に排水槽を形成し、更に、前記ガスハイドレート投入部内にガスハイドレート粉砕用の粉砕装置を設けると共に、前記ガスハイドレート投入部の下方にガスハイドレート排出装置を設け、前記脱水塔の上方にスクレーパを回転自在に設け、更に、前記脱水塔の下方にスラリー供給管を設け、かつ、前記排水槽に排水管を設けたので、既に説明した効果に加え、脱水塔の上方のスクレーパと、ガスハイドレート投入部下方のガスハイドレート排出装置を用いて脱水後のガスハイドレートを円滑に送出することができる。
【0032】
請求項3に記載の発明は、前記粉砕装置と、前記スクレーパとを共通の回転軸に取り付けたので、部品点数を低減することができる。
【0033】
請求項4に記載の発明は、前記ガスハイドレート排出装置として、スクリューフィーダーを適用するので、脱水後のガスハイドレートを円滑に移送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0035】
図1は、本発明の係る重力脱水式の脱水装置の断面図である。図2は図1のX−X線断面図、図3は図1のY−Y線断面図である。
【0036】
図1において、符号20は、重力脱水式の脱水装置であり、耐圧容器(耐圧殻ともいう。)21の中に脱水塔22を内蔵している。この脱水塔22は、図2に示すように、直径D1 の内筒23と、それより直径D0 の大きい外筒24により形成された2重筒形構造となっている。
【0037】
なお、上記内筒23の上端は、外筒24の上端より、若干、低くなっており、脱水塔22の上端開口部25が逆円錐台状になっている。
【0038】
また、脱水塔22は、図1に示すように、所定の高さの部位に脱水用の濾過体26a及び26bを設けている。すなわち、内筒23は、金網や多孔質の焼結板等で形成した円環状の脱液用濾過体26aを所定の高さの部位に設けている。また、外筒24は、前記濾過体26aと同様の方法で形成した脱液用濾過体26bを前記濾過体26aと同様の高さの部位に設けている。
【0039】
この脱水塔22は、その中央の空洞27内に円筒形のガスハイドレート投入部28を設けて、ガスハイドレート投入部28と耐圧容器21との間に排水槽29を形成している。この排水槽29は、円環状の底板30を有している。また、脱水塔の外筒24と耐圧容器21との間の隙間は、円環状の遮蔽板31によって塞いでいる。
【0040】
更に、この脱水塔22は、ガスハイドレート投入部28の中にガスハイドレート粉砕用の粉砕装置32を設けている。この粉砕装置32は、耐圧容器21の上部を貫通している垂直な回転軸33の下端部に放射状に設けた複数の平板状のブレード34によって形成されている(図2参照。)。
【0041】
この粉砕装置32は、平板状のブレードに限らず、例えば、棒体のようなものでもよい。要は、ガスハイドレートの固まりを細かに粉砕できるものであればよい。なお、回転軸33は、モーター35によって回転するようになっている。
【0042】
また、この円筒状のガスハイドレート投入部28の下方にガスハイドレート排出装置36を設けている。このガスハイドレート排出装置36は、複数台(例えば、2台)のスクリューフィーダー37を平行に設けることにより形成されている。なお、脱水後のガスハイドレートを円滑に排出できるものであれば、スクリューフィーダー以外のものでもよい。
【0043】
また、この脱水塔22の上方にスクレーパ38を設けている。このスクレーパ38は、3枚のヘラ又はブレード39を上記回転軸33に放射状に設けることにより形成されている(図2参照。)。しかし、脱水後のガスハイドレートを脱水塔22から掻き落とすことができるものであれば、ヘラ又はブレード以外のものでもよい。
【0044】
更に、この脱水塔22の下部には、脱水塔22の接線方向にスラリー供給管40を設け、スラリー供給管40から脱水塔22の下部に供給されたガスハイドレートスラリーsが脱水塔22内を旋回するようになっている。
【0045】
更に、上記排水槽29に排水管41を設け、脱水された未反応水(ブラインともいう。)wを図示しない生成器に戻すようになっている。また、上記耐圧容器21に配管42を設けて耐圧容器21内の未反応の天然ガスgを図示しない第1再生器に戻すようになっている。
【0046】
ここで、外筒24の直径をD0 、内筒23の直径をD1 、脱水塔22の横断面積をAとすると、内筒23の直径D1 は、次のようになる。
【0047】
すなわち、
1 =2√((D0 /2)2 −(A/π))
【0048】
従って、例えば、2.4T/Dのプラントを想定し、なおかつ、外筒24の直径D0 を14.04(m)、脱水塔22の横断面積Aを従来の円筒形の脱水塔の横断面積と同様に116.11(m2 )と想定すると、内筒23の直径D1 が7.02(m)となり、脱水塔22の内外両筒間の間隔W(=(D0 −D1 )/2)が約3.5(m)となる。
【0049】
次に、この脱水装置の作用について説明する。
【0050】
図1に示すように、スラリー供給管40から2重筒形構造の脱水塔22にガスハイドレートスラリーsを供給すると、このガスハイドレートスラリーsは、図2に示すように、脱水塔22内を旋回しながら、内筒23と外筒24との間を下方から上方に向って上昇する。
【0051】
そして、脱水塔22の内筒23に設けた円環状の濾過体26aと、外筒24に設けた円環状の濾過体26bの位置に達すると、ガスハイドレートスラリーsに含まれている未反応水wは、濾過体26a及び26bを通過して塔外に排出される。
【0052】
すなわち、内筒23に装着した濾過体26aから排出された未反応水wは、内筒23の壁面を伝って排水槽29に流下し、外筒24に装着した濾過体26bから排出された未反応水wは、外筒24の壁面を伝って排水槽29に流下する。
【0053】
脱水塔22の濾過体26a,26bを通過する間に脱水され、含水率が約40〜50%となったガスハイドレートaは、順次、上方に押し上げられる。そして、脱水塔22の上部開口部25に達すると、スクレーパ38によって脱水塔22の中央に設けた円筒状のガスハイドレート投入部28内に掻き落とされる。
【0054】
ガスハイドレート投入部28内に掻き落とされたガスハイドレートaの固まりは、ガスハイドレート投入部28内に設けた粉砕装置32によって細かく粉砕されてガスハイドレート投入部28の下部に落下する。
【0055】
ガスハイドレート投入部28の下部に落下したガスハイドレートaは、2軸のスクリューフィーダー37によって次工程、例えば、第2生成器に搬送される。
【0056】
他方、上記排水槽29に流下した未反応水wは、排水管41を経て図示しない第1生成器に戻される。また、耐圧容器21の上部空間内の天然ガスgは、配管42を経て第1生成器に戻される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の係る重力脱水式の脱水装置の断面図である。
【図2】図2は図1のX−X線断面図である。
【図3】図3は図1のY−Y線断面図である。
【図4】従来のガスハイドレート生成装置の構成図である。
【図5】脱水塔の要部拡大説明図である。
【符号の説明】
【0058】
a ガスハイドレート
g ガス
w 水
5 脱水塔
7 濾過部
22 2重筒形構造の脱水塔
23 内筒
24 外筒
26a,26b 脱水用の濾過体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスと水を反応させて生成したガスハイドレートを、未反応の水と一緒に脱水塔に導入して、該脱水塔の下方から上方に向けて上昇させ、該上昇中に未反応の水を脱水塔の側壁面に設けた濾過部から塔外に流出させる重力脱水式の脱水装置であって、前記脱水塔を、内筒と外筒の二つの筒体より成る2重筒形構造の脱水塔とし、かつ、前記内筒と外筒の両側壁面にそれぞれ脱水用の濾過体を設けて、未反応の水を内筒に設けた濾過体と、外筒に設けた濾過体との二つの濾過体より塔外に流出させることを特徴とする重力脱水式の脱水装置。
【請求項2】
ガスと水を反応させて生成したガスハイドレートを、未反応の水と一緒に脱水塔に導入して、該脱水塔の下方から上方に向けて上昇させ、該上昇中に未反応の水を脱水塔の側壁面に設けた濾過部から塔外に流出させる重力脱水式の脱水装置であって、耐圧容器内に、内外両側壁面にそれぞれ脱水用の濾過体を設けた2重筒形構造の脱水塔を内蔵し、該脱水塔の中央の空洞内に筒形のガスハイドレート投入部を設けて、該ガスハイドレート投入部と前記耐圧容器との間に排水槽を形成し、更に、前記ガスハイドレート投入部内にガスハイドレート粉砕用の粉砕装置を設けると共に、前記ガスハイドレート投入部の下方にガスハイドレート排出装置を設け、前記脱水塔の上方にスクレーパを回転自在に設け、更に、前記脱水塔の下方にスラリー供給管を設け、かつ、前記排水槽に排水管を設けたことを特徴とする重力脱水式の脱水装置。
【請求項3】
前記粉砕装置と、前記スクレーパとを共通の回転軸に設けることを特徴とする請求項2記載の重力脱水式の脱水装置。
【請求項4】
前記ガスハイドレート排出装置として、スクリューフィーダーを適用することを特徴とする請求項2記載の重力脱水式の脱水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−257359(P2006−257359A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−79924(P2005−79924)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】