説明

重複材料の製造方法及び製造された重複材料を備えたパック

【課題】重複した重複材料の製造方法と、その方法により作られた包装紙を備えたパックとを提供する。
【解決手段】紙巻きたばこの箱用の透明な包装紙は、以下のようにして作られる。重複材料(1)のストリップを所定の方向(A)に供給通路に沿って前進させ、供給方向に対して横断的に延在している一連のスリット(4)を形成し、そして細いリボン(7)を重複材料(1)に接着させる。続いて重複材料はブレード(12)によりU字形ノッチ(10)を形成され、リボン(7)の端部にタブ(11)が形成され、そして紙葉(13)に切断される。紙葉は包装紙として使用され、リボンを引いて引き裂くと、二つの破断線が形成され包装紙の除去が容易になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は重複材料の製造方法及びその製造方法により作られた重複材料でおおわれたパックに関する。
【0002】
詳しくは、本発明はたばこ製品、特に紙巻きたばこの箱用のパックに関するものであって、このタイプのものを例にして説明を行なうが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0003】
従来の紙巻たばこの箱は保護用の外面の包装紙を備えていて、その包装紙は透明で熱収縮性の材料であり、一般に重複材料(overwrap material)と呼ばれている。
【0004】
包装機は、一連のパック各々を重複材料に包み、続いてその重複材料に熱を作用しパックの外面に対して収縮させる。
【0005】
外面の包装紙は、いわゆる幅のせまい引き裂きテープ又は引きはがしリボンを組み込んでいて、パックを開こうとする場合、それを用いて外面の包装紙を簡単かつ迅速に破くことができるようになっている。
【0006】
前述の包装紙、リボンはロールから連続的にほどかれ、溶接又は接着により接着され、重複材料のストリップに形成され所定の供給方向に連続的に移動してゆく。
【0007】
一連のU字形ノッチが重複材料に形成され、リボンの列に沿って位置決めされてゆく。各ノッチは、リボンの一方の端部を自由端とし、従ってタブを形成していて、そのタブはパックを容易に開くためにつかまれ引かれる。
【0008】
続いて、リボンを接着された包装材料のストリップが個々の紙葉に切断され、そして包装機に供給される。
【0009】
完成したパック周囲に位置決めされた包装紙を用いて、リボンが重複材料の内側で、すべての側面における端部の一方に隣接した外周囲に位置決めされ、重複材料が長手方向に引き裂くことができるようになっている。
【0010】
紙巻きたばこの箱の場合、リボンは端面の最上部近くに位置され、従って引き裂き線に沿って引くと、包装紙は二つの部分に分割され:小さな部分が端面をおおっていて、大きな部分が紙巻きたばこの箱の主ボデーをおおっている。
【0011】
この状態で、リボンにより引き裂かれた後に、それらを完全に取り除くためには包装紙の二つの部分を、力まかせに引きはがさねばならない。実際のところ、重複材料が熱収縮によりパックの外面に対してぴったりと接触しているので、引きはがすのは困難である。
【0012】
従って、大きな部分を除去するためにはさらに手で引き裂くか切断する必要があり、パックを損傷することになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、重複材料の製造方法及びその製造方法により作られた簡単に除去することのできる材料を備えたパックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述の目的は、請求項1−13のいずれか一項に記載の特徴を備えた重複材料の製造方法により達成されている。
【0015】
前述の目的は、請求項14〜26のいずれか一項に記載の特徴を備えた保護用の包装紙を有しているパックにおいて達成されている。
【0016】
添付図を参照し、例を用いて本発明を詳述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明における重複材料1の製造方法に関するものである。
【0018】
第一段階において、好ましくは透明で熱収縮性の重複材料1の連続ストリップが、所定の方向“A”における所定の供給通路“P”に沿って前進されている。
【0019】
次段階において、前述の方向“A”を横断している幾何学的要素を有している、少なくとも一つのスリット又は切り込み4が、前進しているストリップ1の所定区画2に備えられる。
【0020】
その段階において、適切な切断手段又は打ち抜き手段5によりそのようなスリット4が連続的に作り出されていて、その打ち抜き手段5は、ブレード6を担持している主ローラ5aと、マッチングアンビルローラ5bとからなる。二つのローラ5a及び5bは、前述の供給方向“A”に対し横断して延伸しているそれぞれの軸周囲でお互いに逆回転するようになっている。
【0021】
ブレード6はスリット4の形状により選択された外形を有していて、主ローラ5aの各回転毎に、アンビルローラ5bを打撃し、各ストローク毎にスリット4を作り出している。
【0022】
その後幅の狭いリボン7が重複材料1のストリップに当てられ;リボン7はロール8からほどかれ導入ローラ8aの下流側に、供給通路“P”に平行な通路“P1”に沿って連続的に導入され、供給方向“A”と平行に整列して前述のストリップの区画2に接着される。
【0023】
例示したように、リボン7は、従来の超音波式溶接ユニット3を用いて接着される。詳述はしない。
【0024】
スリット4はリボン7に接着される前に切り込まれているので、リボンは同一のスリットに対して位置決めすることができる。
【0025】
図1〜3において、リボン7はスリット4の中央部分4aをおおって置かれるので、スリットの両端部4bそれぞれはリボン7に関して反対側に位置することになる。
【0026】
代りに、リボン7は、図4に図示するようにスリット4の端部4bの一方をおおって置かれていて、この場合スリットはお互いにたがい違いになっているか、又は区画2の部分においてスリット4に隣接しているけれど完全に一致していない。
【0027】
図1の例において、スリット4はお互いに平行に切り込まれていてほぼ直線状であって、供給方向“A”に対し及びリボン7の長手方向に対して直角に延伸している。
【0028】
図2及び3の例において、スリット4はお互いに平行に切り込まれていて、リボン7の長手方向に対して傾斜した角度となっている。
【0029】
図4に図示するように、スリット4はお互いにリボン7に関して反対側にたがい違いになっていてもよい。
【0030】
図5及び6は別の例を図示していて、スリット4はV字形になっていて、各V字形の頂部9がリボンの列と一致している。
【0031】
V字形スリット4は、図5に図示するように、頂部9が細いリボン7の引き裂き方向“B”に沿って向くように配置されていてもよい。代りに、V字形スリット4は、図6に図示するように、頂部9がリボン7の引き裂き方向“B”の反対方向を向くように配置されていてもよい。
【0032】
リボン7を重複材料1のストリップに接着する段階の後に、ストリップの前述した区画にU字形ノッチ10を形成する段階が続く。
【0033】
U字形ノッチ10は事前に切り込まれた二つの連続するスリット4の間に位置していて、リボン7の端部の一方にプルタブ11を形成するようになっており、以下に説明する。一連のU字形ノッチ10は従来形のブレード12(図示せず)により形成され、リボン7が横断方向に切り込まれる。
【0034】
U字形ノッチ10が切り込まれた後に、図1に図示するように、重複材料1のストリップが個々の長さに分割され、又は紙葉13に分割され、続いてオーバラップユニットに供給されている。なおオーバラップユニットは従来形のものであって本発明においては付随的なものであり図示していない。
【0035】
重複材料1のストリップを紙葉に分割する段階は、それぞれのブレード14aを備えたお互いに反対方向に回転する一対のカッタローラ14により行なわれる。ローラ14により切断された各紙葉13は一連のスリットと一つのU字形ノッチ10を備えている。
【0036】
代りに、U字形ノッチ10が切り込まれた後に、重複材料1のストリップは、オーバラップユニットに使用するためのリール(図示せず)に巻き取られてもよい。
【0037】
前述に方法により得られた重複材料1は、図7及び8に図示したタイプのパック15に使用される。
【0038】
これに限定するものではないが、詳しくは、図7及び8におけるパック15は、紙巻きたばこの箱により構成されていて、重複材料1が紙巻きたばこの箱の周囲に保護用の外面の包装紙16を提供している。
【0039】
包装紙16は、パック15の一方の端部の外周囲を囲んで延在している前述したリボン7を備えている。さらに、リボン7はそれ自身の長手方向に平行に延伸している引き裂き方向“B”に沿って配置されていて、パック15の長手方向に対して横断する面となっている。
【0040】
図8に図示するように、包装紙16は手でリボン7のタブ11をつかんで引っぱることにより開くことができる。このことにより、リボン7が重複材料1を前述の引き裂き方向“B”に沿ってスリット4に達するまで破るようになっている。図7においてリボン7に直交しているスリット4はこの点において、リボン7の列から両側に分離され分岐された二つの新しい破断線17を作り出している。
【0041】
リボン7が引かれると、破断線17は包装紙16全体が引き裂き方向“B”に横断する方向に容易に引き裂かれるようにしていて、重複材料1を完全に除去することが容易になっている。
【0042】
図5及び6に図示するV字形スリット4の場合、二つの破断線17が形成され、リボンの両側に付加物18を作り出し、そこから包装紙16がパック15の端部に向けて端面を囲む外周囲で引き裂けるようになっている。
【0043】
図7及び8に図示する包装紙16はただ一つのスリット4を備えているけれども、パック15のサイズに応じて重複材料1の除去を容易にするためにいずれの数のスリット4が備えられていてもよい。
【0044】
自明のことであるが、パック15はリボン7で引き裂かれてしまうと、包装紙16から引き出す必要はない。実際のところ、リボン7を引っぱることにより破断線17が形成され、包装紙16を完全に引き裂くことが可能になり、重複材料がパック15の外面に詰まるようなことはない。従ってパック15は、外表面にまとわりつく重複材料1の部分を除去しようとする際に生じるかも知れないいずれの損傷をももたらさない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明における重複材料の準備段階を図示する斜視図である。
【図2】図2は、図1における上から見た実施形態の一つを図示している。
【図3】図3は、図1における上から見た実施形態の一つを図示している。
【図4】図4は、図1における上から見た実施形態の一つを図示している。
【図5】図5は、図1における上から見た実施形態の一つを図示している。
【図6】図6は、図1における上から見た実施形態の一つを図示している。
【図7】図7は、重複材料で包装された紙巻きたばこの箱の斜視図である。
【図8】図8は、重複材料で包装された紙巻きたばこの箱の斜視図であって、重複材料を破いているものである。
【符号の説明】
【0046】
1 重複材料
4 スリット
7 リボン
10 U字形ノッチ
11 タブ
16 包装紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重複材料の製造方法であって:
重複材料(1)の連続的なストリップを所定の供給方向(A)における所定の供給通路(P)に沿って前進させる段階と;
前記供給方向(A)を横断する幾何学的要素を有している少なくとも一つのスリット又は切り込み(4)を作るように、前記重複材料(1)のストリップの所定区画(2)を加工する段階と;
前記所定区画(2)に沿って前記重複材料(1)のストリップに、幅の狭いリボン(7)を接着させる段階と;
を含んでいることを特徴とする、重複材料の製造方法。
【請求項2】
幅の狭い前記リボン(7)を接着させる段階に先立って、少なくとも一つのスリット(4)を作る段階が行なわれる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記リボン(7)を接着させる前記段階の後で、前記重複材料(1)のストリップの前記所定区画(2)に少なくとも一つのU字形ノッチ(10)を作る段階を含んでいる、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
幅の狭い前記リボン(7)を接着させる前記段階が、前記少なくとも一つのスリット(4)の一部分(4a)に一致するように前記リボン(7)を置く段階を含んでいる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
幅の狭い前記リボン(7)を接着させる前記段階が、前記少なくとも一つのスリット(4)に沿って前記リボン(7)を置く段階を含んでいる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記少なくとも一つのスリット(4)を作る前記段階が、幅の狭い前記リボン(7)の長手方向に対して直角に前記スリット(4)を置く段階を含んでいる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記少なくとも一つのスリット(4)を作る前記段階が、幅の狭い前記リボン(7)の長手方向に対して傾斜した角度で前記スリット(4)を置く段階を含んでいる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記少なくとも一つのスリット(4)を作る前記段階が、頂部(9)を備えたV字形のスリット(4)を形成する段階を含んでいて、前記頂部(9)をおおって前記リボン(7)が接着されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
V字形の前記少なくとも一つのスリット(4)は、前記頂部(9)が幅の狭い前記リボン(7)の引き裂き方向(B)に一致する方向に向くように配置されている、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
V字形の前記少なくとも一つのスリット(4)は、前記頂部(9)が幅の狭い前記リボン(7)の引き裂き方向(B)と対向する方向に向くように配置されている、請求項8に記載の製造方法。
【請求項11】
前記重複材料のストリップの前記所定区画(2)に一連のスリット(4)を作る段階を含んでいる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項12】
前記少なくとも一つのU字形ノッチ(10)を作る前記段階に続いて、前記重複材料のストリップ(1)を個々の紙葉(13)に分割し、そして前記紙葉(13)をオーバラップユニットへ供給する段階とをさらに含んでいる、請求項3〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項13】
幅の狭い前記リボン(7)を接着する前記段階に続いて、オーバラップユニットに使用するためのリールに前記重複材料のストリップを巻き取る段階を含んでいる、請求項2〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項14】
保護用の包装紙(16)を備えたパックであって、前記包装紙(16)が重複材料(1)の紙葉と、前記重複材料(1)の所定区画(2)に接着された幅の狭いリボン(7)とにより構成されている、パックにおいて:
前記包装紙(16)が、少なくとも一つのスリット(4)を提供していて、前記少なくとも一つのスリット(4)は前記重複材料(1)の前記所定区画(2)に作られており、そして幅の狭い前記リボン(7)の長手方向を横断している幾何学的要素を有していることを特徴とする、
パック。
【請求項15】
前記少なくとも一つのスリット(4)がほぼ直線状である、請求項14に記載のパック。
【請求項16】
前記リボン(7)が、前記少なくとも一つのスリット(4)の両端部(4b)の間に位置する中央部分(4a)をおおって置かれている、請求項15に記載のパック。
【請求項17】
前記リボン(7)が、前記少なくとも一つのスリット(4)の一方の端部(4b)をおおって置かれている、請求項15に記載のパック。
【請求項18】
前記スリット(4)が、前記リボン(7)の横に位置している、請求項15に記載のパック。
【請求項19】
前記少なくとも一つのスリット(4)が、前記リボン(7)の長手方向に対して直角に延在している、請求項14〜18のいずれか一項に記載のパック。
【請求項20】
前記少なくとも一つのスリット(4)が、前記リボン(7)の長手方向に対して傾斜した角度で延在している、請求項14〜18のいずれか一項に記載のパック。
【請求項21】
前記少なくとも一つのスリット(4)が、頂部(9)を備えたV字形形状であって、幅の狭い前記リボン(7)が前記頂部(9)をおおって置かれている、請求項14に記載のパック。
【請求項22】
前記少なくとも一つのスリット(4)の前記頂部(9)が前記リボンの引き裂き方向(B)と一致する方向を向いている、請求項21に記載のパック。
【請求項23】
前記少なくとも一つのスリット(4)の前記頂部(9)が前記リボンの引き裂き方向(B)と対向する方向を向いている、請求項21に記載のパック。
【請求項24】
外面の前記包装紙(16)がU字形のノッチ(10)を提供していて、前記U字形のノッチ(10)は前記重複材料(1)の前記所定区画(2)に作られていて、そして前記包装紙(16)を引き裂くためにつかんで引くことのできるように前記リボン(7)の一方の端部にタブ(11)を形成している、請求項14〜23のいずれか一項に記載のパック。
【請求項25】
前記包装紙(16)が一連のスリット(4)を備えていて、前記スリット(4)は前記重複材料のストリップの所定区画(2)に作られ、そしてお互いに離間している、請求項14〜24のいずれか一項に記載のパック。
【請求項26】
請求項14〜25のいずれか一項に記載のパック(15)を備えていることを特徴とする、紙巻きたばこの箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−261689(P2007−261689A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−76561(P2007−76561)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(392003937)ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ (102)
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】