説明

重金属を含む組成物の無害化装置

【課題】反応効率を高めつつ、装置の簡略化ならびに小型化を図ることができ、エネルギコストも低減することが可能な重金属を含む組成物の無害化装置を提供する。
【解決手段】酸またはアルカリ溶液を高圧流体として反応管10内に噴射して負圧を形成する負圧形成手段と、負圧形成手段により形成された負圧により貯留槽13から反応管10内に吸引された重金属を含む組成物と高圧流体との混練物を加温する加温手段と、加温された混練物に対して電磁波を照射する電磁波照射手段と、を備え、加温手段ならびに電磁波照射手段は、反応管10内の負圧形成手段よりも下流側に順次設けられていることを特徴とする重金属を含む組成物の無害化装置1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重金属を含む組成物を無害化する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、重金属を含む組成物、例えば都市ごみ等の焼却灰を無害化する装置が知られている。例えば、都市ごみ等の焼却灰は、アルカリ溶液と混合し、所定の温度に保った状態で電磁波を照射することにより無害化され、人工ゼオライトとして有効活用することができることも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、従来の焼却灰の無害化装置について説明する。図3は従来の焼却灰の無害化装置の構成を示す概略図である。図3に示すように、従来の焼却灰の無害化装置100は、原料となる焼却灰にアルカリ溶液を添加して加熱する加熱手段101と、これらをスラリー状の混練物とする混練手段102と、混練物を照射容器まで搬送する搬送手段103と、電磁波照射手段104とを備える。
【0004】
【特許文献1】特開2001−048525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図3に示すような従来の焼却灰の無害化装置100においては、加熱手段101による加熱工程と、混練手段102による混練工程と、電磁波照射手段104による電磁波照射工程とが分かれているため、搬送手段103による搬送工程における熱損失によって混練物の温度が低下して組成物とアルカリ溶液とが分離したり、混練物が凝固したりすることがある。また、各工程が分かれていることで、反応工程も複雑となるため、反応効率が低下しがちである。加えて、各工程が分かれていることで装置の大型化、複雑化を招き、また、装置の稼働に必要なエネルギも増大する。
そこで本発明は、反応効率を高めつつ、装置の簡略化ならびに小型化を図ることができ、エネルギコストも低減することが可能な重金属を含む組成物の無害化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の重金属を含む組成物の無害化装置は、酸またはアルカリ溶液を高圧流体として反応管内に噴射して負圧を形成する負圧形成手段と、前記負圧形成手段により形成された負圧により貯留槽から前記反応管内に吸引された重金属を含む組成物と前記高圧流体との混練物を加温する加温手段と、前記加温された混練物に対して電磁波を照射する電磁波照射手段と、を備え、前記加温手段ならびに前記電磁波照射手段は、前記反応管の、前記負圧形成手段よりも下流側に順次設けられていることを特徴とする。
【0007】
反応管内に高圧流体として噴射された酸またはアルカリ溶液と、負圧形成手段により吸引された重金属を含む組成物とが反応管内で混練、攪拌されながら反応管内を流れていく。そして、加温手段により加温され、さらに、電磁波照射手段により電磁波が照射されて無害化される。このように本発明によれば、加温手段ならびに電磁波照射手段が、反応管の、負圧形成手段よりも下流側に順次設けられていることにより、同一管内で重金属を含む組成物と酸またはアルカリ溶液との混練、攪拌ならびに、混練物の加温、電磁波照射を連続して行うことができるので、無害化工程の過程で熱損失が発生しにくく、反応効率を高めて、重金属を含む組成物の無害化を効率よく行うことができる。また、同一管内で連続して各工程が行われるので、装置の簡略化ならびに小型化を図ることができる。
【0008】
ここで、前記負圧形成手段は、反応管よりも口径が小さく、酸またはアルカリ溶液を高圧流体として反応管内に噴射する噴射ノズルと、反応管に設けられ、噴射ノズルから噴射された高圧流体にフッ化物を注入するフッ化物注入手段と、を備えるものである方が望ましい。
【0009】
反応管内に反応管よりも口径が小さい噴射ノズルから酸またはアルカリ溶液の高圧流体が噴射されることにより、噴射ノズルの下流側に負圧領域が発生する。この負圧領域の発生により、貯留槽から重金属を含む組成物が反応管内に吸引される。ここで、噴射ノズルにより反応管内に噴射された酸またはアルカリ溶液の高圧流体に、フッ化物注入手段よりフッ化物が注入されることにより、噴射ノズルから噴射された高圧流体のキャビテーションの発生が防止され、エネルギ損失のない状態で、酸またはアルカリ溶液の高圧流体が、吸引された重金属を含む組成物と勢いよく衝突する。これにより、重金属を含む組成物が細かく破砕されながら、酸またはアルカリ溶液と混練され下流側へと押し流されていく。このようにして、細かく破砕されることで重金属を含む組成物の総表面積が増加するのに伴い、反応管内において、酸またはアルカリ溶液との反応効率だけでなく、次の加温工程、電磁波照射工程においても反応効率を高めることができる。また、本発明においては、高圧流体のキャビテーションの発生を防ぐために注入される気体がフッ化物であることにより、酸またはアルカリ溶液に接触した重金属を含む組成物の分解反応を促進させることができ、反応効率をさらに高めることができる。
【0010】
また、電磁波照射手段により電磁波が照射された混練物に付着する未反応物を、酸またはアルカリ溶液により溶出する溶出手段を備えるとよい。
【0011】
上記構成を備えることにより、電磁波が照射されて無害化された後の反応物の表面に付着している未反応物を洗浄することができ、重金属が含有されない純度の高い反応物を取り出すことができる。
【0012】
さらに、電磁波照射手段により電磁波が照射された混練物を固液分離する固液分離手段を備えるとよい。また、固液分離手段で分離された液体成分を回収して噴射ノズルへと供給する供給手段を備えるとよい。
【0013】
上記構成を備えることにより、固液分離された反応物のうち、固形物は骨材、盛土、埋め戻し材などに利用することができる。また、液体成分は回収して噴射ノズルや溶出手段へ供給手段により供給することにより、酸またはアルカリ溶液を閉サイクル内で繰り返し使用することができ、廃液の排出が少ない装置とすることができる。
【0014】
また、前記加温手段は、面状発熱体である方が望ましい。
【0015】
加温手段として面状発熱体を用いることにより、反応管を包むように面状発熱体を配置することで、反応管内を流れる混練物を直接的に、また均一に加温することができ、エネルギ効率の高い加温手段とすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、加温手段ならびに電磁波照射手段が、反応管内の負圧形成手段よりも下流側に順次設けられていることから、同一管内で重金属を含む組成物と酸またはアルカリ溶液との混練、攪拌ならびに、混練物の加温、電磁波照射を連続して行うことができるので、反応効率を高めつつ、装置の簡略化ならびに小型化を図ることができ、エネルギコストの低減も可能な重金属を含む組成物の無害化装置とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態における重金属を含む組成物の無害化装置の全体構成を示す図である。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態における重金属を含む組成物の無害化装置(以下、「無害化装置」と称す。)1は、酸またはアルカリ溶液(以下、「溶出液」と称す。)を貯留する貯留タンク11と、重金属を含む組成物(以下、「組成物」と称す。)が貯留される貯留槽13と、後述する高圧ポンプ12により高圧流体として噴射される溶出液および噴射された溶出液により形成される負圧により貯留槽13から吸引された組成物が混合・攪拌される混練管20と、混合・攪拌された組成物と溶出液との混練物を加温する面状発熱体30と、加温された混練物に対して電磁波を照射する電磁波照射装置40と、電磁波照射装置40により電磁波が照射された混練物に付着する未反応物を溶出液により溶出する溶出手段としての洗浄装置50と、電磁波照射装置40により電磁波が照射され、洗浄装置50により洗浄された混練物を固液分離する脱水機60と、を備える。
【0019】
貯留タンク11は、溶出液を貯留する従来公知のタンクであり、内周面が酸またはアルカリにより腐食されないようコーティングが施されている。貯留タンク11と混練管20とは連結管14によって連結されており、連結管14には高圧ポンプ12が設けられている。この高圧ポンプ12としては、プランジャポンプなどの従来公知の高圧ポンプを用いることができる。
【0020】
貯留槽13は、石灰灰や都市ごみの焼却灰、アスベスト等の重金属を含む組成物を貯留するものであり、従来公知のものを用いることができる。この貯留槽13に貯留される組成物は、あらかじめ、粉砕機などを用いて細かく粉砕され、金属片などの異物が除去された状態のものを用いる方が望ましい。
【0021】
図2は、混練管20の断面図である。図2に示すように、混練管20には、貯留タンク11に貯留された溶出液を混練管20内に噴射する噴射ノズル21と、噴射ノズル21から噴射された高圧の溶出液にフッ化ガスを注入する注入手段としてのフッ化ガス導入管22と、貯留槽13に貯留された組成物が吸引される吸引口23とが設けられている。
【0022】
噴射ノズル21は、混練管20よりも口径が小さく形成されており、この噴射ノズル21の口径よりも径の大きい混練管20内に、高圧ポンプ12により高圧流体として溶出液を噴射することにより、混練管20内の噴射ノズル21の下流側に負圧領域を形成するものである。
【0023】
フッ化ガス導入管22は、混練管20の噴射ノズル21の先端よりも上流側に設けられている。フッ化ガス導入管22は連結管25によりフッ化ガスタンク24と連結されており、連結管25には、フッ化ガスタンク24に貯留されたフッ化ガスの混練管20内への注入圧を調整するポンプ26が設けられている。フッ化ガスタンク24に貯留されたフッ化ガスは、ポンプ26により注入圧が調整された状態でフッ化ガス導入管22より混練管20内に導入され、噴射ノズル21の外周を回るようにして下流側へと流れ、噴射ノズル21から混練管20内に噴射された溶出液のキャビテーションの発生を防止する。
【0024】
面状発熱体30は、混練管20にパイプ32を介して連結された加温管31に、この加温管31の外周面を覆うようにして取り付けられている。面状発熱体30としては、従来公知のものを用いることができるが、PTC(Positive Temperature Coefficient)特性を有する面状発熱体を用いる方が望ましい。PTC面状発熱体は均一な温度分布を示すので、PTC面状発熱体を用いることにより加温管31内を流れる混練物を均一に加温することができる。面状発熱体30による混練物の加温時間は、高圧ポンプ12の圧力を操作することで混練物の流速を調整したり、加温管31に取り付ける面状発熱体30の大きさや個数を変更して加温領域を調整したりすることによって調整される。
【0025】
電磁波照射装置40は、加温管31にパイプ42を介して連結された電磁波照射管41に設けられている。電磁波照射装置40は、電磁波照射管41内を流れる混練物に300MHz〜30GHz程度の電磁波を照射するものであり、これにより混練物の水熱反応を促進させて、重金属を含む組成物を分解して無害化するものである。
【0026】
洗浄装置50は、電磁波照射管41にパイプ53を介して連結された洗浄管51と、洗浄管51に設けられた溶出液導入口52からなる。溶出液導入口52からは、洗浄水としての酸またはアルカリの溶出液が洗浄管51内に噴射される。この洗浄装置50は、電磁波照射装置40により電磁波が照射された混練物に溶出液を噴射することにより、混練物に付着した未反応物を溶出して除去するものである。洗浄装置50により未反応物が除去された混練物は、一旦スラリータンク54に貯留される。スラリータンク54に貯留された混練物は、連結管55に設けられたポンプ56により脱水機60へと搬送される。
【0027】
脱水機60は、洗浄装置50で未反応物が除去された混練物を固液分離するものであり、遠心分離機や真空脱水機などの従来公知のものを用いることができる。脱水機60は、連結管61を介して循環装置70に連結されている。循環装置70には、脱水機60で分離された液体成分を回収して貯留タンク11ならびに溶出液導入口52へと供給するものである。循環装置70には、ウェッジワイヤスクリーン(図示せず)などのフィルタ71が設けられており、これにより液体成分に含まれる小さな固形成分は除去される。循環装置70と、貯留タンク11ならびに溶出液導入口52とは、分岐管73を介してそれぞれ連結されており、ポンプ72によりそれぞれ供給される。
【0028】
本実施の形態では、混練管20、加温管31、電磁波照射管41、洗浄管51ならびにパイプ32,42,53が反応管10として機能するものである。
【0029】
次に、本実施の形態における組成物の無害化の工程について詳細に説明する。
混練管20内に噴射ノズル21から溶出液が高圧流体として噴射されることにより、噴射ノズル21の下流側に負圧領域が発生する。この負圧領域の発生により、貯留槽13に貯留された組成物が吸引口23から混練管20内に吸引される。
【0030】
ここで、噴射ノズル21により混練管20内に噴射された溶出液に、フッ化ガス導入管22から圧力が調整された状態でフッ化ガスが注入されることにより、噴射ノズル21から噴射された溶出液のキャビテーションの発生が防止され、エネルギ損失のない状態で、溶出液が、吸引された組成物と勢いよく衝突する。これにより、組成物が細かく衝撃破砕されながら、溶出液と混練され下流側へと押し流されていく。このようにして、細かく破砕されることで組成物の総表面積が増加するのに伴い、混練管20内において、溶出液との反応効率が高まる。さらに、混練管20内にフッ化ガスが注入されることにより、組成物はフッ化ガスによっても細かく破砕されて混練されるので、組成物の水熱反応がさらに促進されることとなる。
【0031】
溶出液ならびにフッ化ガスと混練された状態で混練管20内を押し流されていく混練物は、混練物どうしの粒子間衝突によってさらに細かく破砕されながら混練管20内を流れていき、パイプ32を通過して面状発熱体30が設けられた加温管31へと流れていく。
【0032】
そして、面状発熱体30によって、混練物は、水熱反応を促進させる温度範囲、具体的には30〜180℃程度に加温される。そして加温された状態で、パイプ42を通過して電磁波照射装置40が設けられた電磁波照射管41へと流れていく。電磁波照射管41に到達した混練物は、電磁波照射装置40により電磁波が照射され、混練物の粒子内部からの発熱により水熱反応が進行し、短時間で混練物が無害化される。混練物は、上流側の混練管20内を流れる過程で細かく破砕された状態となっているので、組成物の総表面積が増加するのに伴い、面状発熱体30による加温工程や電磁波照射装置40による電磁波照射工程においても高い反応効率を示す。
【0033】
電磁波照射装置40により電磁波が照射された混練物は、さらに下流へと流されていく。このとき、混練物の表面には未反応物が付着しているが、下流側へと流れる際に、フッ化ガス導入管22によって混練管20内に導入されたフッ化ガスとさらに混練されながら流れていくので、これにより、未反応物が溶出されていき、混練物が洗浄される。また、混練物は、電磁波照射装置40の下流側に設けられた洗浄装置50において、溶出液導入口52からの溶出液の噴射によりさらに洗浄される。これにより、混練物の表面に付着する未反応物がほぼ完全に取り除かれ、重金属が含有されない純度の高い反応物の状態となる。
【0034】
このように、本実施の形態によれば、混練管20、加温管31、電磁波照射管41、洗浄管51ならびにパイプ32,42,53からなる連続管としての反応管10に、上流側から、負圧を形成する噴射ノズル21、混練物を加温する面状発熱体30、混練物に電磁波を照射する電磁波照射装置40が順次設けられていることから、組成物と溶出液との混練・攪拌、混練物の加温ならびに電磁波照射を同一管内で連続して行うことができるので、各工程における反応効率を高めつつ、無害化装置1の簡略化ならびに小型化を図ることができ、エネルギコストの低減も実現することができる。
【0035】
なお、噴射ノズル21の下流側に負圧を形成しやすくするとともに、混練管20内で混練された混練物の搬送力を高めるために、混練管20を下流側が上流側よりも上方となるように傾いた状態で配置したり、混練管20の下流側に逆U字形の連結管を接続したりするとよい。このような構成とすることにより、混練管20内で溶出液と組成物の混練が進むにつれ、混練管20の下流側において混練物が混練管20を徐々に塞いでいきやすくなるので、噴射ノズル21の下流側における負圧の形成が容易になるとともに、噴射ノズル21から噴射される溶出液の噴射圧により、強力な押圧力で混練物を混練管20より下流側に押し流すことができる。
【0036】
未反応物がほぼ完全に取り除かれた混練物は、脱水機60により固液分離される。脱水機60で固液分離されることにより、固形物は、骨材や盛土、埋め戻し材などに利用することが可能となる。また、液体成分は、循環装置70で回収されフィルタ71により細かい固形成分が除去された後、分岐管73を介して貯留タンク11ならびに溶出液導入口52へと供給することができる。これにより、本実施の形態の無害化装置1で用いる溶出液を閉サイクル内で循環して繰り返し使用することができ、廃液の排出を抑えることができる。なお、混練物に付着した不純物を取り除くために、脱水機60で固液分離する前に、混練物を水で洗浄する工程を加えるとよい。
【0037】
なお、電磁波照射装置40により電磁波が照射された混練物の十分な反応時間を確保するため、電磁波照射装置40と洗浄装置50の間、もしくは洗浄装置50よりも下流側に、混練物を攪拌する攪拌手段や電磁波照射手段を備えた養生装置を設ける構成としてもよい。
【0038】
本実施の形態における無害化装置1で無害化される組成物は、石灰灰や焼却灰、アスベスト等などが挙げられるが、たとえば、石灰灰や焼却灰を組成物として用いる場合には、溶出液としてアルカリ溶液を用いると、無害化した後の反応物として人工ゼオライトを得ることができる。この場合、後工程で、得られた人工ゼオライトに様々な機能性を持たせる処理を行うことにより、機能性人工ゼオライトを得ることができる。また、アスベストを組成物として用いる場合には、溶出液として酸を用いる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明によれば、重金属を含む組成物の無害化装置として有用である。特に、装置の簡略化ならびに小型化を図ることができ、エネルギコストも低減することが可能な重金属を含む組成物の無害化装置として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態における重金属を含む組成物の無害化装置の全体構成を示す図である。
【図2】混練管の断面図である。
【図3】従来の重金属を含む組成物の無害化装置の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0041】
1 無害化装置
10 反応管
11 貯留タンク
12 高圧ポンプ
13 貯留槽
14 連結管
20 混練管
21 噴射ノズル
22 フッ化ガス導入管
23 吸引口
24 フッ化ガスタンク
25 連結管
26 ポンプ
30 面状発熱体
31 加温管
32 パイプ
40 電磁波照射装置
41 電磁波照射管
42 パイプ
50 洗浄装置
51 洗浄管
52 溶出液導入口
53 パイプ
54 スラリータンク
55 連結管
56 ポンプ
60 脱水機
61 連結管
70 循環装置
71 フィルタ
72 ポンプ
73 分岐管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸またはアルカリ溶液を高圧流体として反応管内に噴射して負圧を形成する負圧形成手段と、
前記負圧形成手段により形成された負圧により貯留槽から前記反応管内に吸引された重金属を含む組成物と前記高圧流体との混練物を加温する加温手段と、
前記加温された混練物に対して電磁波を照射する電磁波照射手段と、を備え、
前記加温手段ならびに前記電磁波照射手段は、前記反応管の、前記負圧形成手段よりも下流側に順次設けられていることを特徴とする重金属を含む組成物の無害化装置。
【請求項2】
前記負圧形成手段は、前記反応管よりも口径が小さく、前記酸またはアルカリ溶液を高圧流体として前記反応管内に噴射する噴射ノズルと、前記反応管に設けられ、前記噴射ノズルから噴射された前記高圧流体にフッ化物を注入するフッ化物注入手段と、を備えるものである請求項1記載の重金属を含む組成物の無害化装置。
【請求項3】
前記電磁波照射手段により電磁波が照射された混練物に付着する未反応物を、酸またはアルカリ溶液により溶出する溶出手段を備えた請求項1または2に記載の重金属を含む組成物の無害化装置。
【請求項4】
前記電磁波照射手段により電磁波が照射された混練物を固液分離する固液分離手段を備えた請求項1から3のいずれかの項に記載の重金属を含む組成物の無害化装置。
【請求項5】
前記固液分離手段で分離された液体成分を回収して前記噴射ノズルまたは前記溶出手段へと供給する供給手段を備えた請求項4に記載の重金属を含む組成物の無害化装置。
【請求項6】
前記加温手段は、面状発熱体である請求項1から5のいずれかの項に記載の重金属を含む組成物の無害化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−272538(P2008−272538A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202363(P2006−202363)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(506254156)
【Fターム(参考)】