説明

金属化粧外装材およびその塗装方法

【課題】本発明は化粧面に馬目地タイル調凸ブロックを持つ横長尺外装材において、縦目地および表面様式を変化させた外装材に関するものである。
【解決手段】単色金属板の表面材と、芯材と、裏面材とからなる横長尺状の化粧面を持つ外装材において、該化粧面の上下方向幅を等分割する通しの横目地によって形成される複数の段と、各段を横断する複数の縦目地によって区画される複数のタイル調凸ブロックを有し、各タイル調凸ブロックには、上記目地底面から該タイル調凸ブロック上面までの高さと同じか、あるいは低い各種エンボスおよび又は、各種塗装や印刷が施され、相隣るタイル調凸ブロックの横幅長さは、数種類が順次繰り返され、また各段の縦目地が他段の縦目地軸線上で重ならないようにずれ、各タイル調凸ブロックの横幅内に突当たる他段の縦目地が1本のみ配設されていることを特徴とする金属化粧外装材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁として使用される金属化粧外装材およびその塗装方法に関するものである。さらに詳しくは、既存のロール塗装により、金属基板の表面模様を生かしつつ、自然感のある化粧表面を容易に形成できる金属化粧外装材およびその塗装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数条の横目地を所定の間隔で区分けした各段に、複数本の縦目地により複数の凸ブロックを形成した建材において、上記凸ブロック上面に多様な表面模様や塗装を施した塗装化粧板が提供されている(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】実開昭56−112321号のマイクロフィルム。
【特許文献2】特開2002−38691号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の外装材にあっては、横幅と縦幅とが定型化された規則性が目に付き、単調な印象を与える欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するために、横長尺板の上下働き幅を複数段(図では3段)に等分割する通しの横目地と、各段を横断する複数の縦目地とによって形成される複数のタイル調凸ブロックにおいて、相隣るタイル調凸ブロックが、数種類の横幅長さのものを順次繰り返すと共に、段毎の縦目地が、他段の縦目地軸線上で重ならないように左右にずれ、さらに各タイル調凸ブロック横幅内に突当たる縦目地が、1本のみ配設されていることを特徴とする金属化粧外装材を提供するものである。
【0006】
また、金属板の単色と異なる色調で塗装する限定塗装ロールを、上記タイル調凸ブロックの指定区画に同調させて塗布してなることを一態様とする金属化粧外装材を提供するものである。
【0007】
さらにタイル調凸ブロックと限定塗装ロールとの同調が、予め金属化粧外装材の両端、あるいは一方に設けた穴、マーキング、突起等の目印を検知し、又は化粧面柄の読み取り装置による発信を検知して行われることを一態様とする金属化粧外装材およびその塗装方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、(1)馬目地基調を維持しながら横幅の変化と表面様式の変化を相乗することで、新規な柄を持つ金属化粧外装材を提供することができる。(2)金属板に対するインクジェット印刷やフレキソロール塗装(印刷)にも容易に対応できる。(3)金属化粧面のタイル調凸ブロックと限定塗装ロールとの同調が、各種の目印又は、柄読み取り装置からの発信を検知して行われるため、安定した塗装ができる。等の効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の金属化粧外装材Aは、表面材Bが、ステンレス鋼板、普通鋼板、各種めっき鋼板、銅板、銅合金板、アルミニウム板、アルミニウム合金板等を基材Cとし、これら表面材Bの上に、樹脂系塗料Dを塗布し、焼付けて単色のベース塗膜を形成した単色塗装金属板を用いる。
【0010】
さらに実施例を示す図1〜図4によって説明する。図1は本発明の金属化粧外装材Aとその塗装方法を示す説明図、図2はその一部を拡大した説明図、図3は金属化粧外装材Aの正面図、図4は表面の一部を拡大して示す拡大図である。
本発明の金属化粧外装材Aは、図1〜3に示すように正面から見て、上下両端部に互いに嵌合可能な雄実部A1、雌実部A2を有し、雄、雌実部A1、A2間を化粧面1とした単色塗装金属板からなる表面材Bと、該表面材Bの裏面に充填する芯材Eと、芯材Eの露出面を覆う裏面材Fからなり、化粧面1の縦幅Wが300〜1000mm程度で左右方向に連続する長尺板であり、図では該金属化粧外装材表面Aに目地幅ΔW=5mmで2条の通しの横目地2を等間隔で設けることで上段31、中段32、下段33の三つの段3が形成されており、各段3を横断する複数本の縦目地4によって区画された複数のタイル調凸ブロック5を有している。
【0011】
各タイル調凸ブロック5は、図4に示すように、上記目地底面6から該タイル調凸ブロック上面7までの高さdと8同じ、あるいは低いΔdの高さの各種エンボスおよび又は、図示しないが各種塗装や印刷が施され、相隣るタイル調凸ブロック5の横幅長さは、数種類(図2では、大L+dL、中L、小L−dLの3種類)が順次繰り返され、また各段3の縦目地4が他段の縦目地4の軸線上で重ならず、各タイル調凸ブロック5の横幅内に他段3の縦目地4が1本のみ配設されている。
【0012】
図1〜3のタイル調凸ブロック柄3の寸法は、例えば横幅は基準幅L=130mm(中幅)、L+dL=155mm(大幅)、L−dL=105mm(小幅)の3種類、dL=25mm、横目地幅ΔL=5mm、各段1の縦幅W/3=123mmに設定され、通常縦目地、横地幅はΔW=ΔLの関係となる。
【0013】
また塗装方法は、各段にタイル調凸ブロック5が加工され、かつ塗装された表面材Bに、芯材E、裏面材Fが積層一体化された金属化粧外装材Aに対し、矢印イ方向に回転する限定塗装ロール9(凸部に彫刻し、塗り部と逃げ部を持つフレキソロール)を用い、両端、あるいは一端に設けたマーキング、突起等の目印8、又は図示しない化粧面柄の読み取り装置による発信を検知して、塗料を塗布し、矢印ロ方向に移送し、焼付け乾燥して金属化粧外装材Aを得た。
【0014】
上記した塗装方法は、半製品を一旦製造ラインから取り出し、別工程によって指定凸ブロック5の限定塗装を行った一例を示したものであるが、製造ライン中で上記限定塗装を行うことや、あるいは限定塗装ロール9を複数本用いて多色塗装とすることも可能である。
【0015】
図5は、タイル調凸ブロック5、および低いエンボスを省略した金属化粧外装材Aのその他の実施例であり、(a)は大型建物用の金属化粧外装材A、(b)は上下両端が化粧面1よりも突出した差込型の雄、雌実部A1、A2を持つ金属化粧外装材Aを示している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本願発明に係る実施例を示す説明図である。
【図2】本願発明に係る実施例の一部を拡大して示す説明図である。
【図3】本願発明およびその他の実施例を示す正面図である。
【図4】本願発明の一部を拡大して示す断面図である。
【図5】本願発明のその他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0017】
A 金属化粧外装材
A1 雄実部
A2 雌実部
B 表面材
C 基材
D 樹脂系塗料
E 芯材
F 裏面材
1 化粧面
2 段
3 横目地
4 縦目地
5 タイル調凸ブロック
6 目地底面
7 タイル調凸ブロック上面
8 マークキング
9 限定塗装ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単色金属板の表面材と、芯材と、裏面材とからなる横長尺状の化粧面を持つ外装材において、該化粧面の上下方向幅を等分割する通しの横目地によって形成される複数の段と、各段を横断する複数の縦目地によって区画される複数のタイル調凸ブロックを有し、各タイル調凸ブロックには、上記目地底面から該タイル調凸ブロック上面までの高さと同じか、あるいは低い各種エンボスおよび又は、各種塗装や印刷が施され、相隣るタイル調凸ブロックの横幅長さは、数種類が順次繰り返され、また各段の縦目地が他段の縦目地軸線上で重ならないようにずれ、各タイル調凸ブロックの横幅内に突当たる他段の縦目地が1本のみ配設されていることを特徴とする金属化粧外装材。
【請求項2】
金属板の単色と異なる色調で塗装する限定塗装ロールを、上記タイル調凸ブロックの指定区画に同調させて塗布してなることを特徴とする請求項1に記載の金属化粧外装材。
【請求項3】
上記タイル調凸ブロックと限定塗装ロールとの同調が、予め金属化粧外装材の両端、あるいは一方に設けた穴、マーキング、突起等の目印、又は化粧面柄の読み取り装置による発信を検知して行われることを特徴とした請求項1、2に記載の金属化粧外装材およびその塗装方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−231580(P2007−231580A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−53519(P2006−53519)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000126333)株式会社アイジー技術研究所 (138)
【Fターム(参考)】