説明

金属材料により規定される熱膨張係数に調整された組成を有するセラミック材料

セラミック材料はその使用条件に基づいて電位を分離するために金属と物質結合、たとえば接着またははんだ付けにより接合させなくてはならない場合に、熱負荷時に金属とセラミックとの熱膨張係数の違いに基づいて応力が生じる。金属は通常、セラミックよりも膨張率が高いため、セラミックは亀裂を生じるか、あるいははく離することさえある。セラミック層中の亀裂またははく離によって電位平衡に基づいてセラミック中の欠陥を介して短絡が生じる。従って本発明により、高い熱膨張係数を有するセラミックのベース材料に、実質的に該材料よりも低い熱膨張係数を有する少なくとも1の別のセラミック材料の割合を、該組成物から生じる材料の熱膨張係数が、該材料と物質結合により接合される金属材料の熱膨張係数と一致するような量で添加することを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック材料の熱膨張係数が、物質結合により接合される金属材料により規定される熱膨張係数と一致するように調整された組成を有する非導電性のセラミック材料、ならびにその製造方法に関する。
【0002】
非導電性セラミック材料は、15kV/mmより高いこともありうるその高い絶縁破壊抵抗に基づいて、電位を分離するために使用される。電位を分離するための使用条件によってセラミック材料を物質結合により、たとえば接着またはハンダ付けによって金属と接合させなくてはならない場合、熱負荷の際に金属とセラミックとの異なった熱膨張係数に基づいて応力が生じる。たとえば酸化アルミニウムの熱膨張係数は7×10-6/Kであり、酸化ジルコニウムの熱膨張係数は10×10-6/Kである。鋼の熱膨張係数は、その合金成分に応じて、9〜14×10-6/Kであり、たとえば慣用の炭素鋼は13×10-6/K、低炭素鋼は12×10-6/Kである。セラミックと金属との接合は通常、接着またはハンダ付け、たとえばはんだガラスによって行われる。しかし接着剤またははんだは、熱負荷の際に金属とセラミックとの間で現れる応力の違いを解消するものではない。金属は通常、セラミックよりも熱膨張率が高いので、セラミックは亀裂を生じるか、またははく離することもある。金属上のセラミック層が亀裂またははく離によって損傷されると、セラミック中の欠陥を介して電位平衡に基づいた短絡が生じる。
【0003】
理論的には、金属の熱膨張係数を、相応する合金組成によって、該金属上に固定されるセラミック材料の熱膨張係数に合わせて調整することは可能である。しかし通常は、たとえば高温用燃料電池の場合、その適用およびこのことにより条件付けられる機能的もしくは化学的要求によって金属の材料組成の変更は許されない。セラミック材料の特性は、その絶縁破壊抵抗、その密度、多孔度ならびに化学的および機械的作用に対する抵抗性に関して同様に維持されなくてはならない。
【0004】
特許文献DE19538034C1から、少なくとも1の電気絶縁層を有する高温用燃料電池が公知であり、該層は溶射によって鋼上に施与される。セラミック材料には、電気絶縁特性が良好であるが、金属上への付着が劣る材料が存在し、また金属上での付着は良好であるが、電気絶縁特性は要求を満足するものではない材料も存在する。この理由から、前記の特許に記載されているように、まず良好な付着性を有する酸化ジルコニウムからなる層が施与され、かつ引き続き良好な電気絶縁特性を有する高純度の酸化アルミニウムからなる層が施与される。それでもなお、酸化ジルコニウムと金属との間には、接着促進剤からなる層が必要である。特性を改善するために、複数の層が交互に数回施与され、かつ細孔は追加の層によって閉鎖される。このような製造方法は高価である。
【0005】
従って本発明の課題は、その熱膨張係数が、物質結合により接合される金属材料の熱膨張係数に合わせて調整されているセラミック材料を見出すことである。
【0006】
前記課題は、請求項1で請求されているセラミック材料によって、および該材料を製造するための請求項15に記載の方法によって解決される。本発明の有利な実施態様は、従属請求項で請求されている。
【0007】
本発明によるセラミック材料のベース材料のための1つの実施例は、酸化マグネシウム(MgO)である。純粋な酸化マグネシウムの熱膨張係数は、20〜800℃の範囲で14×10-6/Kである。酸化ジルコニウム(ZrO2)または酸化アルミニウム(Al23)、またはこれらの混合物の適切な添加によって、あるいはMgAl24の添加によって、そのつど、その熱膨張係数が金属材料、たとえば鋼の熱膨張係数に適合されている組成の材料を製造することができる。規定の温度範囲内での熱負荷の際に、本発明による材料の特性、たとえば熱伝導率、熱膨張係数、曲げ強さまたは密度は基本的に、たとえば新たな相の顕著な形成によって変化してはならない。特に透過する細孔、つまり通気孔が現れてはならない。
【0008】
材料によって条件付けられる不純物によって、特にCaOまたはSiO2によって、あるいはまた3質量%までのその適切な添加によって、新たな材料の焼結温度は、純粋なMgOに対して、1400℃〜1550℃の範囲にまで低下する。
【0009】
不純物または純粋なMgOへの酸化物材料の適切な添加によって、MgOの熱膨張係数もドープ成分1質量%あたり0.25×10-6/Kまで低下する。
【0010】
MgOへ添加すると、実質的にその他の材料よりも早くMgOの熱膨張係数を低下させるセラミック材料が存在する。たとえばAl23をMgOに添加する場合、MgOの熱膨張係数は、同じ量のZrO2を添加する場合よりも実質的に早く低下する。以下の表における対比からことのことは明らかである。そのつどの熱膨張係数を達成するために、そのつどZrO2およびAl23の量が質量%で記載されており、百分率として合計して100質量%までMgOが添加される。この表ではすでにMgOの熱膨張係数を低下させる、製造条件に基づいた不純物が考慮されているので、合計して100質量%となるMgOの実際の熱膨張係数は13.8×10-6/Kであり、かつここから低下が開始する。ZrO2を10質量%まで添加する場合、またはAl23を2.5質量%まで添加する場合、添加とMgOの熱膨張係数のそのつどの低下との間にほぼ線状の関連性が存在する。Al23を1質量%添加する場合、MgOの熱膨張係数は0.2×10-6/K低下する。この場合、MgOが既に製造条件に基づいて約1質量%のAl23を不純物として含有していることは取るに足らないものである。酸化ジルコニウムは約99.9%と極めて高い純度を有しているので、その不純物は無視することができる程度である。
【0011】
【表1】

【0012】
記載されているZrO2ならびにAl23の添加量の関連によって、そのつど、添加量の中間値を確認することができる曲線の推移をプロットすることができる。
【0013】
表から明らかであるように、MgOの熱膨張係数の大まかな変化のために、まずAl23を添加し、正確な調整のためにZrO2を添加することができる。このことを実施例に基づいて詳細に説明する:
13.3×10-6/Kの熱膨張係数を有する鋼を設定する。本発明によるセラミック材料の熱膨張係数は、以下の場合にこの値に調整される:
a)MgO90質量%に、10質量%の割合のZrO2を添加する、
b)MgO97.5質量%に、2.5質量%の割合のAl23を添加する、
c)MgO93.75質量%に、1.25質量%の割合のAl23と、5質量%の割合のZrO2を添加する。
【0014】
以下では実施例に基づいて本発明による材料の製造を記載する。該材料からたとえば薄板、有利には1mm未満の板を製造する。その際、有利にはd50<10μmの粒径を有する微粒子状の粉末を使用する。ZrO2の場合には、d50<1μmの粒径を有する単斜晶系の微粒子状粉末が有利である。焼結前成形体の形状付与は、フィルムキャスト法により行うが、しかしまたドライプレス法により行うこともできる。
【0015】
焼結前成形体は、ガスもしくは電気により加熱される炉中、1500℃〜1600℃の温度で、非反応性のベーキングプレート、たとえば焼結マグネシアからなるプレート上に載せて、理論密度が>95%になるまで焼結する。金属材料の熱膨張係数に調整するために、ZrO2を使用する場合には、堆積したZrO2を有する焼結マグネシア材料が生じるか、もしくはAl23を使用した場合には、MgAl24の割合を有する焼結マグネシア材料が生じる。
【0016】
前記の材料から製造されるセラミックシートをたとえばハンダガラスによって2枚の金属接合相手の間に接着する。2枚の鋼板の間に接着された厚さ0.4mmのセラミック板からなる複合材料を、空気中および還元雰囲気中で900℃まで繰り返し加熱した。その際、金属の接合相手は5Vまでの電位差を維持していた。このような複合材料は、−20℃〜900℃の範囲での温度変化において機械的に安定している。
【0017】
規定の熱膨張係数に調整するための材料組成に関するa)、b)およびc)に記載した実施例に基づいて、焼結セラミック体の製造を詳細に説明する。
【0018】
実施例a)について:
ベース材料として製造条件による通常の不純物を含有し、d50=10μmの粒径を有し、電融されたMgO 4500gおよびd50=0.5μmの粒径を有する単斜晶系のZrO2 500gからセラミックスラリーを製造した。従って質量比はMgO 90%(不純物も含む)対ZrO2 10%であった。MgOは、不純物として質量%で記載して0.3%のCaO、0.4%のSiO2、0.5%のAl23および0.1%のその他の酸化物、たとえばFe23およびB23を含有していた。
【0019】
溶剤として、キシレン920gおよびブタノール3050gの混合物を使用し、結合剤としてPVB800g、可塑剤としてフタル酸エステルを270gおよび分散剤として魚油を50g使用した。該スラリーをドクターブレード法によりシートへと加工し、該シートは乾燥させた後で0.3mmの厚さを有していた。
【0020】
該シートから200mm×200mmの板を打ち抜いて酸化雰囲気中1550℃の温度で焼結し、その際、該シートは非反応性のベーキングトレイの上に置かれていた。焼結された、厚さ0.2mmを有する板をレーザーによって成形した。
【0021】
焼結の際に、単斜晶系ZrO2は正方晶系のZrO2へと変化し、かつMgO構造の中の粒内および粒界に堆積した。MgOの粒径は20μm〜80μmであり、堆積したZrO2の粒径は約5μmであった。この堆積の際に、Al23とZrO2とからなる材料系から、曲げ強さの増大という公知の効果が得られた。純粋なMgOの曲げ強さは50〜70MPaであるが、これが120〜150MPaの範囲に高められた。
【0022】
実施例のセラミック成形部材は、20℃〜800℃の温度範囲で13.3×10-6/Kの熱膨張係数を有しており、かつ136MPaの曲げ強さを有していた。SEM検査は、通気孔、つまり通過する細孔を示さなかった。孔径は5μm〜10μmであり、かつ密度は3.6g/cm3であったが、これは理論密度の95%に相応していた。絶縁破壊抵抗は20kV/mmを越えていた。
【0023】
この成形部材を、ハンダガラスによって13.3×10-6/Kの熱膨張係数を有する金属製の接合相手と接合した。空気中または還元性雰囲気中、850℃における熱サイクルで電気抵抗は維持された。
【0024】
以下の実施例では酸化イットリウムによって部分的に安定化された酸化ジルコニウムを添加する。製造条件による通常の不純物を含有し、d50=10μmの粒径を有する電融されたMgO 4500gおよびY23 5モル%を含有し、部分的に安定化された、d50=1.0μmの粒径を有するZrO2 500gから、セラミックスラリーを製造した。従って質量比は、MgO90%(不純物を含む)対ZrO2 10%であった。MgOは、不純物として質量%でCaO 0.3%、SiO2 0.4%、Al23 0.5%およびその他の酸化物、たとえばFe23およびB23を0.1%含有していた。ZrO2中の構造安定化Y23が達成されるまで、全ての成分は熱膨張係数を低下させる。
【0025】
溶剤としてキシレン920gおよびブタノール3050gの混合物を使用し、結合剤としてPVB800g、可塑剤としてフタル酸エステル270g、および分散剤として魚油を50g使用した。該スラリーをドクターブレード法によりシートへと加工し、該シートは乾燥後に0.3mmの厚さを有していた。
【0026】
この方法経過は、前記の実施例に相応するものであった。
【0027】
実施例のセラミック成形部材は、20℃〜800℃の温度範囲で13.3×10-6/Kの熱膨張係数を有しており、かつ131MPaの曲げ強さを有していた。SEM検査は通気孔を示さなかった。孔径は5μm〜10μmであり、かつ密度は3.53g/cm3であったが、これは理論密度の94%に相応した。絶縁破壊強度は20kV/mmを越えていた。
【0028】
実施例b)について:
ベース材料として製造条件による通常の不純物を含有し、d50=10μmの粒径を有し、電融されたMgO 4500gおよびd50=2.0μmの粒径を有するAl23 112.5gから、セラミックのスラリーを製造した。従って質量比はMgO 97.5%(不純物も含む)対Al23 2.5%であった。MgOは、不純物として質量%で記載して0.3%のCaO、0.4%のSiO2、0.5%のAl23および0.1%の別の酸化物、たとえばFe23およびB23を含有していた。
【0029】
溶剤として、キシレン920gおよびブタノール3050gの混合物を使用し、結合剤としてPVB800g、可塑剤としてフタル酸エステルを270gおよび分散剤として魚油を50g使用した。該スラリーをドクターブレード法によりシートへと加工し、該シートは乾燥させた後で0.3mmの厚さを有していた。
【0030】
該シートから200mm×200mmの板を打ち抜いて酸化雰囲気中1550℃の温度で例a)における焼結条件と同じ条件で焼結し、その際、該シートは非反応性のベーキングプレートの上に置かれていた。焼結された、厚さ0.2mmを有する板をレーザーによって成形した。
【0031】
実施例のセラミック成形部材は、20℃〜800℃の温度範囲で13.3×10-6/Kの熱膨張係数を有しており、かつ110MPaの曲げ強さを有しており、5μm〜10μmの孔径を有する孤立気孔を有しており、かつ密度は3.36g/cm3であったが、これは理論密度の95%以上に相応していた。絶縁破壊抵抗は20kV/mmを越えていた。
【0032】
純粋なAl23の代わりに、熱膨張係数を制御するために等量のMgAl24をMgOに添加することができる。その際、1質量%のMgAl24は、0.72質量%のAl23に相応する。鋼の熱膨張係数である13.3×10-6/Kを達成するために、該物質混合物は、MgO 96.55質量%およびMgAl24 3.45質量%からなっている。方法の過程および焼結結果は、実施例b)に記載したものに相応する。
【0033】
実施例c)について:
ベース材料として製造条件による通常の不純物を含有し、d50=10μmの粒径を有し、電融されたMgO 4500gおよびd50=2.0μmの粒径を有するAl23 60.0gおよびd50=0.5μmの粒径を有する単斜晶系ZrO2 240gから、セラミックのスラリーを製造した。従って質量比はMgO 93.75%(不純物も含む)対Al23 1.25%およびZrO2 5%であった。MgOは、不純物として質量%で記載して0.3%のCaO、0.4%のSiO2、0.5%のAl23および0.1%の別の酸化物、たとえばFe23およびB23を含有していた。
【0034】
溶剤として、キシレン920gおよびブタノール3050gの混合物を使用し、結合剤としてPVB800g、可塑剤としてフタル酸エステルを270gおよび分散剤として魚油を50g使用した。該スラリーをドクターブレード法によりシートへと加工し、該シートは乾燥させた後で0.3mmの厚さを有していた。
【0035】
該シートから200mm×200mmの板を打ち抜いて酸化雰囲気中1550℃の温度で焼結し、その際、該シートは非反応性のベーキングプレートの上に置かれていた。焼結された、厚さ0.2mmを有する板をレーザーによって成形した。
【0036】
実施例のセラミック成形部材は、20℃〜800℃の温度範囲で13.3×10-6/Kの熱膨張係数を有しており、かつ115MPaの曲げ強さを有しており、5μm〜10μmの孔径を有する孤立気孔を有しており、かつ密度は3.5g/cm3であったが、これは理論密度の94%に相応していた。絶縁破壊抵抗は20kV/mmを越えていた。
【0037】
シートの代わりに成形体を製造することもできるが、この場合、その製造はドライプレス法により行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質結合により接合されている金属材料によって規定される熱膨張係数に合わせて調整された組成を有する非導電性セラミック材料において、高い熱膨張係数を有するセラミックのベース材料に、低い熱膨張係数を有する少なくとの1の別のセラミック材料の割合が添加されており、その添加量は、該組成物から製造される材料の熱膨張係数が、金属材料の熱膨張係数と一致する量であることを特徴とする、金属材料により規定される熱膨張係数に合わせて調整された組成を有する非導電性セラミック材料。
【請求項2】
高い熱膨張率を有するセラミック材料は、規定の熱膨張係数にほぼ近づけるための、熱膨張係数を顕著に低下させる作用を有する第一のセラミック材料の添加によって、および規定の熱膨張係数に正確に調整するための、熱膨張係数を低下させる作用が顕著でない第二のセラミック材料の添加によって、規定の熱膨張係数に調整されていることを特徴とする、請求項1記載のセラミック材料。
【請求項3】
ベース材料が酸化マグネシウム(MgO)であり、該酸化マグネシウムに二酸化ジルコニウム(ZrO2)が添加されており、その添加量は、これらから製造される材料が、物質結合により接合されている金属材料の熱膨張係数に相応する熱膨張係数を有する量であることを特徴とする、請求項1または2記載のセラミック材料。
【請求項4】
金属材料が鋼合金であり、該鋼の熱膨張係数は13.3×10-6/Kであり、かつドープ成分および/または3質量%までの不純物がその中に包含されていて、このことにより不純物により条件付けられる熱膨張係数が13.8×10-6/KであるMgO90質量%と、ZrO210質量%との物質混合物からなる、鋼板と接合されているセラミック体の材料は焼結されていることを特徴とする、請求項3記載のセラミック材料。
【請求項5】
曲げ強さ136MPa、細孔径5μm〜10μmを有する孤立気孔、理論密度の95%に相当する密度3.6g/cm3、および破壊強度20kV/mm以上を有することを特徴とする、請求項4記載のセラミック材料。
【請求項6】
ベース材料が酸化マグネシウム(MgO)であり、該酸化マグネシウムに酸化アルミニウム(Al23)が添加されており、その添加量は、これらから製造された材料が、物質結合により接合されている金属材料の熱膨張係数に相応する熱膨張係数を有する量であることを特徴とする、請求項1記載のセラミック材料。
【請求項7】
金属材料が鋼合金であり、該鋼の熱膨張係数は13.3×10-6/Kであり、かつドープ成分および/または3質量%までの不純物がその中に包含されていて、このことにより不純物により条件付けられる熱膨張係数が13.8×10-6/KであるMgO97.5質量%と、Al23 2.5質量%との物質混合物からなる、鋼板と接合されているセラミック体の材料は焼結されていることを特徴とする、請求項6記載のセラミック材料。
【請求項8】
曲げ破壊強さ110MPa、細孔径5μm〜10μmを有する孤立気孔、理論密度の95%以上に相応する密度3.36g/cm3、および破壊強度20kV/mm以上を有することを特徴とする、請求項7記載のセラミック材料。
【請求項9】
ベース材料が、酸化マグネシウム(MgO)であり、該酸化マグネシウムに、二酸化ジルコニウム(ZrO2)および酸化アルミニウム(Al23)が添加されており、その添加量は、これらから製造される材料が、物質結合により接合されている金属材料の熱膨張係数に相応する熱膨張係数を有する量であることを特徴とする、請求項1または2記載のセラミック材料。
【請求項10】
鋼の熱膨張係数は13.3×10-6/Kであり、かつドープ成分および/または3質量%までの不純物がその中に包含されていて、このことにより不純物により条件付けられる熱膨張係数が13.8×10-6/KであるMgO93.75質量%と、Al23 1.25質量%およびZrO2 5質量%との物質混合物からなる、鋼板と接合されているセラミック体の材料は焼結されていることを特徴とする、請求項9記載のセラミック材料。
【請求項11】
曲げ破壊強さ115MPa、細孔径5μm〜10μmを有する孤立気孔、理論密度の94%に相応する密度3.5g/cm3、および破壊強度20kV/mm以上を有することを特徴とする、請求項10記載のセラミック材料。
【請求項12】
ベース材料が、酸化マグネシウム(MgO)であり、該酸化マグネシウムに、MgAl24が添加されており、その添加量は、これらから製造される材料が、物質結合により接合されている金属材料の熱膨張係数に相応する熱膨張係数を有する量であることを特徴とする、請求項1記載のセラミック材料。
【請求項13】
金属材料が鋼合金であり、鋼の熱膨張係数は13.3×10-6/Kであり、かつドープ成分および/または3質量%までの不純物がその中に包含されていて、このことにより不純物により条件付けられる熱膨張係数が13.8×10-6/KであるMgO96.55質量%と、MgAl24 3.45質量%との物質混合物からなる、鋼板と接合されているセラミック体の材料は焼結されていることを特徴とする、請求項12記載のセラミック材料。
【請求項14】
曲げ破壊強さ110MPa、細孔径5μm〜10μmを有する孤立気孔、理論密度の95%以上に相応する密度3.36g/cm3、および破壊強度20kV/mm以上を有することを特徴とする、請求項13記載のセラミック材料。
【請求項15】
セラミック材料の熱膨張係数が、物質結合により接合される金属材料によって規定される熱膨張係数と一致するように調整されている非導電性のセラミック材料の製造方法において、高い熱膨張係数を有するセラミックのベース材料に、該材料よりも低い熱膨張係数を有する少なくとも1の別のセラミック材料の割合を添加し、その添加量は、該組成物から製造される材料の熱膨張係数が、金属材料の熱膨張係数と一致する量であることを特徴とする、非導電性のセラミック材料の製造方法。
【請求項16】
セラミック材料にまず熱膨張係数を顕著に低下させる作用を有する第一のセラミック材料を添加して規定の熱膨張係数にほぼ近づけ、次いで熱膨張係数を顕著に低下させない作用を有する第二のセラミック材料を添加して、規定の熱膨張係数になるよう正確に調整することによって、高い熱膨張係数を有するセラミック材料を規定の熱膨張係数に調整することを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項17】
ベース材料である酸化マグネシウム(MgO)に酸化ジルコニウム(ZrO2)を添加し、その添加量は、製造される材料が、物質結合により接合される金属材料の熱膨張係数に相応する熱膨張係数を有する量であることを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項18】
少なくとも製造により条件付けられる慣用の不純物と、金属材料の規定の熱膨張係数に調整するために添加された量のZrO2を含有するベース材料であるMgOから焼結前成形体を製造し、該成形体を酸化雰囲気中で1550℃の温度で焼結して孤立気孔を有する材料からなる焼結体が得られることを特徴とする、請求項17記載の方法。
【請求項19】
金属材料が鋼合金であり、鋼の熱膨張係数は13.3×10-6/Kであり、かつ鋼板と接合される、不純物により条件付けられる熱膨張係数13.8×10-6/Kを有するMgO90質量%と、ZrO2 10質量%との物質混合物からなるセラミック体の材料を焼結することを特徴とする、請求項17または18記載の方法。
【請求項20】
ベース材料である酸化マグネシウム(MgO)に酸化アルミニウム(Al23)を添加し、その添加量は、製造される材料が、物質結合により接合される金属材料の熱膨張係数に相応する熱膨張係数を有する量であることを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項21】
少なくとも製造により条件付けられる慣用の不純物と、金属材料の規定の熱膨張係数に調整するために添加された量のAl23とを含有するベース材料であるMgOから焼結前成形体を製造し、該成形体を、酸化雰囲気中1550℃の温度で焼結して、孤立気孔を有する材料からなる焼結体が得られることを特徴とする、請求項20記載の方法。
【請求項22】
金属材料が鋼合金であり、該鋼の熱膨張係数は13.3×10-6/Kであり、かつ鋼板と接合される、不純物により条件付けられる熱膨張係数13.8×10-6/Kを有するMgO97.5質量%と、Al23 2.5質量%との物質混合物からなるセラミック体の材料を焼結することを特徴とする、請求項20または21記載の方法。
【請求項23】
ベース材料である酸化マグネシウム(MgO)に酸化ジルコニウム(ZrO2)と酸化アルミニウム(Al23)とを添加し、その添加量は、製造される材料が、物質結合により接合される金属材料の熱膨張係数に相応する熱膨張係数を有する量であることを特徴とする、請求項15または16記載の方法。
【請求項24】
少なくとも製造により条件付けられる慣用の不純物と、金属材料の規定の熱膨張係数に調整するために添加された量のAl23およびZrO2とを含有するベース材料であるMgOから焼結前成形体を製造し、該成形体を酸化雰囲気中1550℃の温度で焼結して、孤立気孔を有する材料からなる焼結体が得られることを特徴とする、請求項23記載の方法。
【請求項25】
金属材料が鋼合金であり、鋼の熱膨張係数は13.3×10-6/Kであり、かつ鋼板と接合される、不純物により条件付けられる熱膨張係数13.8×10-6/Kを有するMgO93.75質量%と、Al23 1.25質量%およびZrO2 5質量%との物質混合物からなるセラミック体の材料を焼結することを特徴とする、請求項23または24記載の方法。
【請求項26】
ベース材料である酸化マグネシウム(MgO)にMgAl24を添加し、その添加量は、製造される材料が、物質結合により接合される金属材料の熱膨張係数に相応する熱膨張係数を有する量であることを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項27】
少なくとも製造により条件付けられる慣用の不純物と、金属材料の規定の熱膨張係数に調整するために添加された量のMgAl24を含有するベース材料であるMgOから焼結前成形体を製造し、該成形体を、酸化雰囲気中1550℃の温度で焼結して、孤立気孔を有する材料からなる焼結体が得られることを特徴とする、請求項26記載の方法。
【請求項28】
金属材料が鋼合金であり、鋼の熱膨張係数は13.3×10-6/Kであり、かつ鋼板と接合される、不純物により条件付けられる熱膨張係数13.8×10-6/Kを有するMgO96.55質量%と、MgAl24 3.45質量%との物質混合物からなるセラミック体の材料を焼結することを特徴とする、請求項26または27記載の方法。

【公表番号】特表2010−524816(P2010−524816A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503457(P2010−503457)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【国際出願番号】PCT/EP2008/054190
【国際公開番号】WO2008/128885
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(508095614)セラムテック アクチエンゲゼルシャフト (36)
【氏名又は名称原語表記】CeramTec AG
【住所又は居所原語表記】Fabrikstrasse 23−29, D−73207 Plochingen, Germany
【Fターム(参考)】