説明

金属片とセラミック材料でできている片の間のろう付けされた組み立て部

本発明は、金属部分、セラミック部分、およびろう付けにより上記部分の各々に組み立てられる少なくとも1つの接続用スペーサーを含む接続部に関する。前述の接続用スペーサー(10’)は、上述の部分にそれぞれろう付けされる少なくとも2つの平坦な領域(11、12)を有する変形可能な層からなる。更には、上記2つの平坦な領域(11、12)は、金属部分とセラミック部分に向かって交互に配向されている少なくとも2つの非ろう付け波状形(19、20)を有する、変形可能な領域(13’)により相互接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる熱機械的性質を示す2つの材料を共にろう付けする一般的な分野に関する。
【0002】
更に正確には、本発明は、金属片と、例えば炭化ケイ素(SiC)および/または炭素ベースのセラミック材料でできている片を共にろう付けすることに関する。
【背景技術】
【0003】
セラミック材料でできている片は中実の炭化ケイ素により構成され得る。これは、熱構造的な複合材、特に炭化ケイ素もしくは炭素繊維により補強されているセラミックマトリックス複合材(CMC)によっても構成され得る。
【0004】
熱構造的な複合材材料は、機械的性質を高温でも保持する一方で、構造部品の構成に好適である機械的性質を特徴とする。これらは、繊維補強物の細孔を少なくとも一部分充填する耐火性材料のマトリックスにより緻密化された繊維補強物により構成される。繊維用およびセラミック用の材料の選択は、通常、炭素とセラミック(すなわち、金属でもなく、もしくは有機でもない材料)、特に炭化ケイ素(SiC)の中から行われる。
【0005】
例として、本発明は、セラミック材料でできている片とチタン、アルミニウム、およびバナジウム(TA6V)の合金からできている金属片、またはニッケルをベースとし、組成NiCrl9Fel9Nb5Mo3を有する合金インコネル(Inconel)718(登録商標)からできている金属片とを組み立てるのに使用可能である。
【0006】
セラミック材料でできている片の機械的性質と、これらの性質が高温度で保たれるという事実によって、これらは、特に航空機用途(エンジン部品、フェアリング要素)において高レベルの熱機械的応力がかかる片の作製に特に好適な材料となる。セラミック材料は、炭化ケイ素もしくは炭素繊維により補強されると、金属材料に対する代替材料を構成し、特に重量軽減および運転寿命の点で多数の利点をもたらす。
【0007】
従来、セラミック材料からできた片と金属片は、リベット留めもしくはボルト留めタイプの機械的接続により共に組み立てられるが、このような接続は、時には、大きさ、実施困難性、または重量の理由で不適である可能性がある。
【0008】
更には、セラミック材料と共に使用され、ならびにセラミックの有機前駆体が伴われる知られている均質の組み立て方法は、セラミック材料と金属の間の不均質な組み立て体には好適でない。
【0009】
セラミック材料と金属の熱機械的および化学的挙動は極めて異なるために、2つのセラミック材料の間の均質な接続の作製に使用される知られているろう付け法は、金属へのセラミック材料の不均質ろう付けには使用が困難である可能性がある。
【0010】
チタン、アルミニウム、およびバナジウムをベースとする金属合金は、セラミック材料のそれの約2ないし3倍大きい膨張係数を有する。
【0011】
更に正確には、このような合金の500℃における膨張係数は、約10×10−6−1±15%であり、一方CMCに対する係数は約2.5×10−6−1から4.0×10−6−1±15%である。
【0012】
このように、30ミリメートル(mm)の組み立て体に対しては、組み立て体をろう付け組成物の固化温度から室温まで冷却する時0.2mmの膨張の食い違いが観察される。
【0013】
このような食い違いは、2つの片中に現れる高レベルの応力、特に、セラミックに隣接するろう付けされた接合部の区域中の圧縮力、および金属片に隣接する区域中の牽引力を生じる。これらの応力は、片の一方を破壊させるか、もしくはろう付けされた接合部の強度低下を生じさせる、局所的な変形を生じさせることがある。
【0014】
このような変形は金属片中で不可逆的である。セラミック片中では、特にCMCからできている場合、これらの変形は、脆性タイプの破壊を生じる可能性がある。応力が高すぎる場合には、このような破壊は突然に起こる可能性がある。破壊は、円筒形の応力印加下で継続的に蓄積する損傷によっても起こり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
このように、本発明の主な目的は、金属片、セラミック材料でできている片、およびろう付けにより前記片の各々に組み立てられる少なくとも1つの中間接続要素を含み、中間接続要素がろう付けされた平坦な区域と変形可能な区域である変形可能なシートにより構成される組み立て体を提案することにより、このような欠点を軽減することである。
【0016】
例として、Ag−MnまたはAg−Cu−Tiタイプのろう付け組成物が選択され、500℃もの高温で強靭である組み立て体を得ることが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、セラミック材料でできている片と金属片の間の膨張の差は、変形可能なシートにより吸収される。
【0018】
このように、この組み立て体は、可能な限り弾性領域内に留まる一方で、膨張の差に対して熱機械的適応を示す。ろう付け後の冷却および運転中の熱サイクルに耐えることができるためには、セラミック材料でできている片と金属片の間の膨張の差を調整することが必要である。
【0019】
好ましい実施形態においては、セラミック材料でできている片は、炭化ケイ素および/または炭素をベースとする。
【0020】
例えば、セラミック材料片は中実の炭化ケイ素からできている。
【0021】
もう一つの実施形態においては、セラミック材料片は、炭化ケイ素もしくは炭素繊維により補強されているセラミックマトリックスを含む。
【0022】
好ましい実施形態においては、変形可能なシートは、金属片とセラミック材料でできている片に向かって交互に配向した少なくとも2つの変形可能な波状形を含む。
【0023】
好ましくは、変形可能な波状形の少なくとも1つは固定されておらず、このような固定されていない波状形がろう付けされた接続に対して可撓性の増大を保証する。
【0024】
有利には、固定されていない波状形の高さは、折り方向での剛性の改変に使用され得る。
【0025】
第1の変形形態においては、変形可能な波状形は同心である。
【0026】
この第1の変形形態においては、中間接続要素は、軸の近辺で実質的に円形である第1の平坦な区域、第1の平坦な区域の近辺で実質的に環形で同軸であり、上記第1の区域の直径よりも大きい内径を有する第2の平坦な区域、および上述の軸の近辺で回転対称を示す波状形を含む。
【0027】
この対称のために、このような接続要素は、最大応力線の方向に無関係に同一である挙動を示す。
【0028】
もう一つの変形形態においては、接続要素は、概ね、コンセルチナ(concertina)折りのテープの形である。
【0029】
本発明の有利な実施形態においては、組み立て体は、固定点の周りに半径方向に配設されている複数の中間接続要素を含む。
【0030】
このような接続要素によれば、ろう付けされた接合部中で応力は低く、剛性を調節することができる。
【0031】
有利には、中間接続要素を放射状星型配置で配設することによって、径方向に遮断(この遮断は複数の径方向に沿った空いた隙間により構成される)される同心の波状形が表われ、このような同心円から正接方向の応力を低減もしくは無くすことが可能となる。
【0032】
好ましくは、中間接続要素は、固定点の周りの複数の径方向に配置される。
【0033】
このような実施形態によって、金属片とセラミック材料片の間の組み立て体の固定度を増加させることが可能となる。
【0034】
上記に定義したように固定点の周りで、金属片の膨張による食い違いは、固定点からの距離と共に増加する。
【0035】
この配置の特別な実施形態においては、中間接続要素は、固定点から遠ざかると増大する可撓性のものである。
【0036】
このような実施形態は、食い違いの上述の増加を補償するような働きをする。
【0037】
本発明は、金属片が前記ノズルのケーシング(またはレバー)であり、セラミック材料でできている片がノズルのフラップである、上述の少なくとも1つの組み立て体を含む、ターボ機械ノズルも提供する。
【0038】
本発明は、金属片が前記室のケーシング(またはこれらの構成部分、または接合部、すなわちこの中の接続要素)であり、セラミック材料でできている片が前記室の構成部分である、上述の少なくとも1つの組み立て体を含む、ターボ機械燃焼室を提供することも追求する。
【0039】
本発明は、金属片が後燃焼ケーシング(または後燃焼装置のプラットホーム)であり、セラミック材料でできている片が火炎保持器のアームである、上述の少なくとも1つの組み立て体を含む、ターボ機械用の後燃焼装置も提供する。
【0040】
本発明は、上述の少なくとも1つの組み立て体を含む、ターボ機械も提供する。
【0041】
本発明の他の特性および利点は、添付の図面を参照しながらの次の説明から明白であるが、これらは限定的な性格を持たない実施形態を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
図1は、本発明による第1の組み立て体での使用に好適な接続要素10を示す。例として、これは、軸Δの近辺で円形である第1の平坦な区域11と、軸Δの近辺で環形である第2の平坦な区域12を形成し、これらの2つの区域を実質的に円錐台を形成する変形可能な区域13により相互接続するように、型打ちされた平面変形可能な材料により構成される。環形区域12の内径は円形区域11の直径よりも大きい。実質的に円錐形の壁13は、平坦な区域11および12に垂直な方向に対してより大きな程度またはより小さい程度で傾斜になり得る。
【0043】
図2は、図1に示すように接続要素10を用いて作製される本発明の組み立て体14中の断面II−II(図1を参照)を示す。
【0044】
この組み立て体においては、第1のろう付けされた接合部15は、金属片16と接続要素10の円形平坦な区域11の間に作製される。第2のろう付けされた接合部17は、好ましくは同一のろう付け組成物を用いて、セラミック材料片18、例えばCMCと接続要素10の環形の平坦な区域12の間に作製される。
【0045】
図1および図2で示され、使用される接続要素10は、実質的に円筒形の型打ち要素を用いて切り出し、型打ちすることにより変形可能な材料の板から入手可能である。
【0046】
接続要素用の約2mmの垂直の高さもしくは大きさは、航空機用途には適切であるが、この大きさは異なる用途に特定の要求の関数として改変可能であるということが理解される。接続要素10の種々の部分の比率も意図される用途の関数として改変され得る。
【0047】
この問題に関しては、接続要素10の幾何学的パラメーターを改変することによって、観察される応力の大きさが改変され得るということが観察されなければならない。
【0048】
2mmの提案された大きさによって、約10センチメートルのオーダーの大きさを有する片に対しては正接方向で可撓性を得ることが可能となる。膨張の差の影響の下、例えば熱サイクル時に、接続要素10の円錐形の部分13は、組み立て体の強度を損なうことなくこの膨張の差を完全に、もしくは部分的に吸収することができる。接続要素を作製する材料は変形可能であるので、円筒形の部分の変形は全体として組み立て体には少しも重要でない。
【0049】
それにも拘わらず、図2に示す実施形態においては、ろう付けされた接合部、および接続要素の膜中の剪断において高レベルの応力を観察することができる。
【0050】
図3を参照しながら下記に述べる接続要素10’は、この欠点を軽減するように働く。
【0051】
接続要素10’は、軸Δの近辺で軸対称であり、変形可能な区域13’を有し、該区域13’は、軸Δの近辺でそれぞれ円形および環形である平坦な区域11および12に対して上方および下方に交互に配向されている少なくとも2つの固定されていない波状形19および20を含むような形状である。有利には、この構造物は、型打ちされた変形可能な材料からなお作製される。変形可能な区域13’中で固定されていない、すなわちろう付けされていない波状形の存在によって、構造物はより可撓性となる。
【0052】
図5は接続要素10’の断面V−V(図3を参照のこと)を示す。平坦な区域11および12は、2つの固定されていない波状形19および20を有する変形可能な区域13’により相互接続される。
【0053】
図3および図5においては、波状形19および20は、実質的に平坦であるように示されるが、これらは他の形状を同じように有することができ、例えば正弦曲線であることができるということが観察されなければならない。
【0054】
図1に示した接続要素に対して述べたものと類似の大きさ、体積、および比率の考慮は、図3に要素に同様にあてはまる。
【0055】
型打ちシートの厚さの変化、波状形の曲率半径r1、r2、r3、r4、r5、およびr6、波状形の寸法l1、l2、波状形19および20を特性化する高さh1、h2、およびh3、波状形と平坦な区域の垂線の間の角度alpl、alp2、およびalp3、および上記平坦な区域の寸法l0、l3は、すべて、応力および要素の剛性を精緻化するための多数のパラメーターとして想定され、多数のパラメーターを構成するということが観察されなければならない。
【0056】
図1および図3の実施形態においては、剪断における得られる組み立て体の剛性は、組み立て体平面中で等方的であるという利点を有する。
【0057】
図3で示す特性を有する接続要素を用いる組み立て体中のろう付けされた接合部で観察される剪断応力は、図1で示す接続要素を用いる組み立て体中で観察されるものよりも小さい。
【0058】
図4は、本発明によるもう一つの組み立て体中で使用可能な接続要素10’’を示す。この実施形態においては、接続要素10’’は、概ねコンセルチナ折りのテープの形である。図4で示す実施例においては、テープの断面は図5に示すのと同一である。このような接続要素は型打ちされた構造物であることもでき、もしくは有利には折ることにより、もしくは方向Yに沿って直線で押し出すことにより得ることができる。押し出した場合には、ならびに図6に示すように、波状形の表面22が得られ、波型は方向Yに沿って延びる。
【0059】
次に、接続要素10’’は、上記波状形の表面22からLミリメートルごとに切断される。
【0060】
例えばワイヤー機械加工によりインコネル718などの金属から作られる片を機械加工することを想定することも可能である。
【0061】
この実施形態における中間要素10’’は、方向X(正接方向の剛性)により構成される変形に好ましい方向と、方向Y(横断方向の剛性)により構成される剛直な方向を有する。
【0062】
この実施形態におけるろう付けされた接合部中で観察される応力は低い。次に、得られる組み立て体は、図1および3に示すように、軸対称の接続要素10もしくは10’をベースとする他の実施形態において観察されるものよりも低い剛性を有する。
【0063】
このテープの幾何学的パラメーターを改変して、正接方向の最低の剛性(すなわち、方向Xで)と、法線方向の最高の剛性(方向Zで)を求めてろう付けされた接合部および構造物それ自体中で最低の最大応力を得ることができる。
【0064】
このように、テープ厚さ、波状形の曲率半径r1、r2、r3、r4、r5、およびr6、波状形の寸法l1、l2、波状形の高さh1、h2、およびh3、平坦な区域の垂線に対して波状形により作られる角度alp1、alp2、およびalp3、および上記平坦な区域の寸法l0、l3を改変することが可能である。
【0065】
3つの高さh1、h2、h3は、変形可能な区域13’の2つの固定されていない波状形19および20を特性化する。図5に示すように、これらの第1、第2、および第3の高さh1、h2、h3は、第1の平坦な区域11と波状形19の底部の間、波状形19の底部と波状形20の頂部の間、ならびに波状形20の頂部と第2の平坦な区域12の間でそれぞれ延びるプロフィールにおいて実質的に直線状であるテープの部分の高さに相当する。
【0066】
当業者ならば、高さh2は、高さh1未満であるか、もしくはそれに等しいように選択されるということが理解される。
【0067】
それにも拘わらず、固定されていない波状形に対して最小曲率半径を考慮することも有利である。次いで有利には、h2の値は、h1の1/3よりも大きいか、もしくはそれに等しいように選択される。
【0068】
この明細書中で述べられる実施例においては、組み立てられた片の間の接続は、2mmを超えてはならないということが必要とされるので、選択された、および提案されている値は、十分の数ミリメートルに限定される。しかしながら、hlとh2が大きいほど、変形は拡がり、応力は低くなる。
【0069】
下記の表は、インコネル718(登録商標)からできている合金テープにより最大応力と剛性の間の良好な妥協点を得るのに好適な、幾何学的パラメーターの組の例を示す。
【表1】

【0070】
組み立て体平面に平行な剪断における剛性を増大させるために、図7に示すように、複数の中間接続要素10’を固定点23の周りに径方向に配設する。
【0071】
この実施形態においては、変形可能なシートは、固定点23に向けて方向付けされる。接続要素10’’を同心に配置することにより、同心配列の中心点23に対して組み立てられた片の間でゼロ相対変位が強制される。これは、組み立て体を組み立て体平面中で固定する。これら自体の変形方向が固定点23を指すように中間要素10’’を配置することができる。
【0072】
この配設は、正接方向の剛性の欠如を軽減させる。次いで一緒に組み立てられる2つの片の冷却時の相対的な変形が固定点23である組み立て体の中心に向かって配向され、したがって組み立てられる2つの片の間の相対的な動きはない。次に、膨張の差による変形は同心的に吸収される。好ましい変形方向に垂直な方向での構造物の剛性がより大きいために、全体的な剛性が得られる。
【0073】
加えて、組み立て体に対する片の間の相対的な変位が固定点においてゼロであること、ならびに周囲に対して増大するということを仮定すると、固定点から離れる時に増大する可撓性の構造物を使用することは有利である。これは、固定点の領域における正接方向の剛性を改善するように働く。
【0074】
図8は、図7に示すものに対応する星型構造により中間接続要素10’’を位置決めする目的で形成されている開口部または穴31を有する、組み立て体片30の特別な実施形態を示す。この配列によって、好ましくは金属片であるか、もしくは場合によってはセラミック材料からできている片である、片30中に中間接続要素10’’を係留させることが可能になる。
【0075】
本発明を実施することによって、弾性領域内に留まるように選択される材料でできている中間要素が必要とされる。機械的脆弱化におけるより大きな許容度、すなわち改善された可撓性を有するために、可能な限り強固である材料から中間接続要素を作製することも重要である。
【0076】
図9Aおよび図9Bは、中間要素用の材料を選択する場合に考慮される必要のある性質を示す。図9Aには、組み立て対象の金属片に対する曲線HXと比較するために、中実ならびに延性である中間接続要素の機械的性質を表す曲線IMDが示されている。機械的性質PP(弾性限界、破裂強度)の低下が観察可能である。
【0077】
曲線MPは、ろう付け化合物の固化温度に相当する温度Tでろう付けするための中間接続要素の潜在的に理想的な機械的性質を表す。
【0078】
固化温度T以下で、理想的には、中間要素は、組み立て体(HX)に対しては延性材料としての挙動が可能であるように金属片のそれよりも弱い機械的性質を有しなければならない。運転温度Tにおいて少なくとも充分である機械的強度性質を有することも必要である。ここで、運転温度Tは経験的に上述の摂氏での固化温度Tの約2/3であり、
=3/2T
(ここで、TおよびTは摂氏で表される)
のように書くことができる。
【0079】
しかしながら、当業者ならば、曲線MPにより表されるこれらの要求は、中実および延性である中間要素によっては達成不可能であるということを知っている。このような材料について観察される性質PPの低下を軽減するには、組み立て体を過大な寸法とすることが必要である。
【0080】
図9Bは、本発明での使用に有利に好適な変形可能な中間接続要素用の材料の機械的性質に対する曲線ISCを示す。この曲線は、高い運転温度で僅かしか劣化しない機械的性質を有する高度に耐火性の材料(例えば、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、チタンをベースとする合金)に対応する。
【0081】
図9Aにおけるように性質PPの低下を観察する代わりに、構造的な脆弱化マージンMASが見られる。このマージンは制御可能であり、構造物の可撓性の任意な調整に使用される。
【0082】
変形可能な中間接続要素は、一次元(1D)の波状形のシート、型打ちシート、または実際には二次元(2D)で交差する波型付きのシートの形でもあり得る。
【0083】
例として、これらの構造物を作製するための材料は、FeCrAlYベースの合金の一次元のうねったシート、Haynes230(型打ちシート)の二次元の波型シート、Nimonic75(一次元の波型シートの波型くぼみ中に挿入され、ろう付けされた一次元の波型テープ、図示していない実施形態)の交差した二次元の波型シートから選択可能である。
【0084】
このような構造物は、限定的に羅列するのではないが、特にSiCベースのセラミック材料でできている部品とインコネル718またはTA6V合金をベースとする金属部品とを組み立てるのに使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明による第1の組み立て体での使用に好適な接続要素を示す。
【図2】図1の接続片を用いる本発明の組み立て体の断面図である。
【図3】本発明による第2の組み立て体での使用に好適な接続要素を示す。
【図4】本発明による第3の組み立て体での使用に好適な接続要素を示す。
【図5】図3および図4の接続要素の一部の断面図である。
【図6】図5で示す種類の中間接続要素が得られる波状形の表面を示す。
【図7】本発明の有利な実施形態を示す。
【図8】本発明による組み立て体のために接続要素の位置付けおよび係留を容易にするのに形成される開口部を有する片の特別な実施形態を示す。
【図9A】延性である要素の中間要素の作製に使用される好適な材料に対して温度の関数として機械的性質を示す曲線である。
【図9B】可逆的に変形可能な要素の中間要素の作製に使用される好適な材料に対して温度の関数として機械的性質を示す曲線である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属片(16)とセラミック材料からできた片(18)を含む組み立て体であって、前記片(16、18)の各々にろう付けにより組み立てられた少なくとも1つの中間接続要素(10’、10’’)を含み、前記中間接続要素が、前記金属片(16)と前記セラミック材料でできている片(18)に向かって交互に配向された少なくとも2つの固定されていない波状形(19、20)を有する変形可能な区域(13’)により相互接続され、前記2つの片(16、18)の各々にろう付けされている少なくとも2つの平坦な区域(11、12)を有する変形可能なシートにより構成されていることを特徴とする、組み立て体(14)。
【請求項2】
前記セラミック材料でできている片(18)が炭化ケイ素および/または炭素をベースとする、請求項1に記載の組み立て体。
【請求項3】
前記セラミック材料でできている片(18)が中実の炭化ケイ素でできている、請求項2に記載の組み立て体。
【請求項4】
前記セラミック材料でできている片(18)が炭化ケイ素もしくは炭素繊維により補強されているセラミックマトリックスを含む、請求項2に記載の組み立て体。
【請求項5】
前記変形可能な区域(13’)が3つの高さ(hl、h2、h3)を特徴とする2つの固定されていない波状形(19、20)を有し、これらの3つの高さは第2の高さ(h2)の値が第1の高さ(hl)の値の1/3よりも大きいか、もしくはこれに等しいようなものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の組み立て体。
【請求項6】
前記固定されていない波状形(19、20)が同心である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組み立て体。
【請求項7】
前記中間接続要素(10’)が軸(Δ)の近辺で実質的に円形である第1の平坦な区域(11)、前記第1の区域の近辺で実質的に環形で同軸であり、前記第1の区域の直径よりも大きい内径である第2の平坦な区域(12)、および前記軸(Δ)の近辺で回転対称になっている3つの波状形を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組み立て体。
【請求項8】
前記中間接続要素(10’’)が概ね主方向(X)でコンセルチナ折りされているテープの形である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組み立て体。
【請求項9】
複数の中間接続要素(10’’)が固定点(23)の周りで径方向に配列されている、請求項8に記載の組み立て体。
【請求項10】
前記中間接続要素(10’’)が配列されて、主方向(X)が前記固定点(23)の近辺で複数の径方向で整列している、請求項9に記載の組み立て体。
【請求項11】
複数の中間接続要素が、中間要素(10’’)が前記固定点(23)から遠ざかると増大する可撓性のものであるような、請求項9または10に記載の組み立て体。
【請求項12】
前記金属片(16)がノズルのケーシングであり、前記セラミック材料でできている片(18)がノズルのフラップである、請求項1から11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組み立て体を含む、ターボ機械ノズル。
【請求項13】
前記金属片(16)が室のケーシングであり、前記セラミック材料でできている片(18)が室の構成部分である、請求項1から11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組み立て体を含む、ターボ機械燃焼室。
【請求項14】
前記金属片(16)が後燃焼ケーシングであり、前記セラミック材料でできている片(18)が火炎保持器アームである、請求項1から11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組み立て体を含む、ターボ機械の前燃焼装置。
【請求項15】
請求項1から11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組み立て体を含む、ターボ機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【公表番号】特表2009−518271(P2009−518271A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543883(P2008−543883)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【国際出願番号】PCT/FR2006/051319
【国際公開番号】WO2007/066053
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(505277691)スネクマ (567)
【出願人】(596048569)コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク (53)
【Fターム(参考)】