説明

金属線状体の表面平滑方法及び表面平滑装置

【課題】 本発明は、金属製の線材や棒材などの金属線状体の表面を研磨して平滑にする金属線状体の表面平滑方法を提供するものである。
【解決手段】 本発明は、属線状体10の外周に帯状の研磨シート20をこの金属線状体10と交差する方向から複数回螺旋状に巻き込み、この状態で、金属線状体10を一方向に走行させつつ、研磨シート20も回転走行させ、研磨シート20の研磨面と金属線状体10の外周との接触により研磨する金属線状体の表面平滑方法にあり、これにより、ダイスの焼き付きがなく、処理に長時間が短く、化学物質を使用することなく、簡単な構造で、良好な研磨効果が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製の線材や棒材などの表面を研磨して平滑にする金属線状体の表面平滑方法及び表面平滑装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器などの内部配線や電源供給用の配線材などには、金属製の線材や棒材など(以下これらを金属線状体という)が用いられている。
今日では直径20μm以下の金属線状体も開発されている。このような金属線状体の多くは、鋳造後、伸線、熱処理を繰り返すことにより生産されている。
【0003】
例えばTi製の金属線状体の伸線時には、伸線用ダイスとTiとの間で焼き付きが生じ易い。この焼き付きを防ぐため、Ti表面に密着性の良好な酸化膜やめっきなどの表面被膜を施し、その後潤滑剤を使用して伸線を行うことが多い。
【0004】
しかしながら、この方法では、表面の酸化膜やめっき被膜が損傷し表面が荒れたり、或いは、伸線後の膜除去処理時に表面が荒れたりして、良好な表面平滑が得られないという問題があった。金属線状体の用途、例えばフィルター材料として使用する場合には、表面粗さが大きいほどよいが、衣服材料の場合には、表面粗さが小さい方が好ましい。小さいと摩擦の影響を小さく抑えることができるからである。
つまり、用途によっては、金属線状体の表面平滑を高めることが極めて重要となる。
【0005】
このため、従来金属線状体の表面を平滑化させるため、例えば次のような方法が提案されている。(1)潤滑剤を二酸化モリブデンとして(加工率20%以下のもの)ダイスにより表面を平滑化する方法:特許文献1。(2)電解液を用い所定の電流を通電して振動を与えることで研磨する電解研磨方法:特許文献2。(3)化学物質を所定の割合で混合した溶液により化学的に研磨する化学研磨方法:特許文献3。(4)研磨剤(アルミナ微粒子など)を混ぜた溶体をノズルから吹き付けながら研磨ブラシを押圧して研磨する機械研磨方法:特許文献4。
【特許文献1】特開平04−279212号
【特許文献2】特開2005−206928号
【特許文献3】特開2002−052078号
【特許文献4】特開2001−040462号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のダイスを用いる方法では、上述したように焼き付きが起き易いという問題があった。特許文献2の電解研磨方法では、処理に長時間を要し、また、長尺な金属線状体には向かないという問題があった。特許文献3の化学研磨方法では、用いる化学物質(例えばフッ素など)によっては、安全性や廃液処理の点に問題があった。
特許文献4の機械研磨方法では、機械構造が複雑となり易く、また、研磨処理で線状体の全表面をカバーするのが難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、金属線状体の外周に帯状の研磨シートを巻き込み、この研磨シートにより研磨することで、上記従来技術の問題点を解消するようにした金属線状体の表面平滑方法及び表面平滑装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の本発明は、金属線状体の外周に帯状の研磨シートを当該金属線状体と交差する方向から複数回螺旋状に巻き込み、この状態で、前記金属線状体を一方向に走行させつつ、前記研磨シートも前記金属線状体上を回転走行させ、当該研磨シートの研磨面と前記金属線状体の外周との接触により研磨することを特徴とする金属線状体の表面平滑方法にある。
【0009】
請求項2記載の本発明は、前記金属線状体に対して、前記研磨シートを複数配置して研磨することを特徴とする請求項1記載の金属線状体の表面平滑方法にある。
【0010】
請求項3記載の本発明は、前記複数の研磨シートにあって、前記金属線状体の走行方向の送出側の研磨シートに対して、巻取側の研磨シートの研磨剤の粒径を小さくすることを特徴とする請求項2記載の金属線状体の表面平滑方法にある。
【0011】
請求項4記載の本発明は、前記研磨シートを長尺な環状テープとして、当該環状テープを、電動モータなどの駆動源により循環走行させることを特徴とする請求項1、2又は3記載の金属線状体の表面平滑方法にある。
【0012】
請求項5記載の本発明は、金属線状体の送り出しボビン側から巻き取りボビン側へ金属線状体を走行させる走行手段と、前記金属線状体の外周に当該金属線状体と交差する方向から複数回螺旋状に巻き込まれた帯状の研磨シートを張設させつつ保持する保持手段とを備えてなることを特徴とする金属線状体の表面平滑装置にある。
【0013】
請求項6記載の本発明は、前記保持手段が、電動モータなどの駆動源により回動される回転プーリを有し、当該回転プーリに、長尺な環状テープからなり前記金属線状体の外周に巻き込まれた帯状の研磨シートを巻回させたことを特徴とする請求項5記載の金属線状体の表面平滑装置にある。
【0014】
請求項7記載の本発明は、前記金属線状体の外周に巻き込まれた帯状の研磨シートの外周に当接させる研磨シートの保護カバーを備え、当該保護カバーが、前記研磨シートの外周に被せられる複数の分割カバー体からなることを特徴とする請求項5又は6記載の金属線状体の表面平滑装置にある。
【0015】
請求項8記載の本発明は、前記金属線状体の外周に巻き込まれた帯状の研磨シートの外周に当接させる研磨シートの保護カバーを備え、当該保護カバーが、前記研磨シートの外周に被せられる開閉可能な筒状の弾性カバー体からなることを特徴とする請求項5又は6記載の金属線状体の表面平滑装置にある。
【発明の効果】
【0016】
本発明の金属線状体の表面平滑方法及び表面平滑装置によると、帯状の研磨シートを用いることで、従来技術のように、焼き付きの原因となるダイスや、処理時間の掛かる電解液又は危険な化学物質、複雑な研磨ブラシを用いることが不要となるため、従来技術の問題点は根本的に解消される。
【0017】
また、表面平滑方法及び表面平滑装置では、帯状の研磨シートの採用により、独自の効果も得られる。例えば、金属線状体の外周への巻き込み回数を複数回と増やすこと(金属線状体との接触面積の増加)で、研磨効率を上げることができる。研磨シートの巻き込み回数には、自ずから限界があるため(金属線状体との摩擦抵抗が増大するため)、研磨シートを複数設置することで、研磨効率を上げることもできる。複数の研磨シートを設置する場合、金属線状体の走行方向の送出側の研磨シートに対して、巻取側の研磨シートの研磨剤の粒径を小さくすることで、送出側を荒削りとし、巻取側を仕上げ削りとして、より良好な研磨効果を得ることもできる。
【0018】
また、研磨シートを長尺な環状テープとして、この環状テープを電動モータなどの駆動源により循環走行させることで、研磨シートの耐久性の向上や取換え時間の長期間化を図ることができる。研磨シートの循環走行も、電動モータなどの駆動源に連結された回転プーリで簡単に行うことができる。研磨シートの巻き込み部に保護カバーを設けて、研磨効率の向上を図ることができる。保護カバーとして、複数の分割カバー体や筒状の弾性カバー体により簡単に対応することができる。
研磨シートの巻き込み部に液状の潤滑剤を供給することで、良好な滑り性や摩擦熱に対する冷却効果が得られる。結果として、研磨効率の向上が図られる。潤滑剤の供給は、潤滑剤の供給ノズルや供給槽により簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明に係る金属線状体の表面平滑方法及び表面平滑装置の一例を示したものである。図中、10は研磨対象となる金属製の線材や棒材などの金属線状体である。その金属材料としては、特に限界されない。よく用いるものとして、Ti線やTi合金線、通常の金属線にTiやTi合金を被覆させたTiクラッド線、Ti合金クラッド線などが挙げられる。これらの線材の伸線後、表面平滑のため研磨が行われる。対象金属線状体10の太さ(外径)も、特に限定されないが、例えば0.005mm程度の細いものにも対応することができる。
【0020】
100は上記金属線状体10の表面を研磨する表面平滑装置である。110は金属線状体10の送り出しボビン111と巻き取りボビン112からなる金属線状体10の走行手段である。送り出しボビン111と巻き取りボビン112には、図示しないが、電動モータなどの駆動源が連結され、それらの回動により、金属線状体10が所望の速度で、送り出しボビン111側から巻き取りボビン112側へ走行するようになっている。
【0021】
120は金属線状体10の外周に、この金属線状体10と交差する方向(例えば直交方向)から複数回螺旋状に巻き込まれた帯状の研磨シート20を張設させつつ保持する保持手段である。この保持手段120は、図2、図3に示すように、電動モータなどの駆動源121により回動される回転プーリ122を有し、これに、金属線状体10の外周に巻き込まれた帯状の研磨シート20を、長尺な環状テープとして、巻回させてある。
【0022】
従って、帯状の研磨シート20を、回転プーリ122と金属線状体10との間で弛みなく適宜張設させた状態で、回転プーリ122を回動させれば、帯状の研磨シート20は循環走行される。勿論このとき、研磨シート20の研磨面(層)は、金属線状体10の外周と接触する側とする。なお、ここで、図示しないが、保持手段120の保持フレーム側などにあっては、少なくとも回転プーリ122を、図2の矢印aに示すように、金属線状体10に対して、進退可能な構造としておく。研磨シート20の張設(適当な張力で張った状態)に先立って、回転プーリ122と金属線状体10との間隔を縮めて、セッテングする必要があるからである。
【0023】
帯状の研磨シート20の研磨面の研磨剤としては、特に限定されない。ただし、Ti線やTi合金線、Tiクラッド(めっき)線、Ti合金クラッド線などのTi含有線の場合には、炭素(C)を含有しない、ホワイトアルミナ(WA)、酸化セリウム、二酸化シリコンなどを主体とする研磨剤の使用が望ましい。Ti含有線では炭素含有の研磨剤の場合、研磨時両者が反応して表面状態の悪化を招く恐れがあるからである。
【0024】
この研磨シート20の研磨剤が設けられるベースシート地としては、使用時の張設や循環走行に耐える強度のあるものであれば、特に限定されない。例えば、十分な強度を有するプラスチックシート、布地、金属シート、ガラス繊維シート、ベルト地、これらの各種の複合シートなどが使用できる。研磨剤はベースシート地に接着するか、熱処理などで一体的に設けるものとする。また、ベースシート地に研磨剤を混練させたものであってもよいし、バフシートに化学研磨液(潤滑剤と酸又はアルカリとの混合液)を滴下するようにすることでもよい。シート地の幅も線状体の太さ合わせて、例えば1.5〜10mm程度とするとよい。
【0025】
この研磨シート20は、長尺な環状テープとして、金属線状体10に複数回螺旋状に巻き込むと共に、回転プーリ122にも巻回させる必要がある。
このため、始動のセッテング時、研磨シート20を単なる長尺なテープとして用意し、金属線状体10への螺旋状の巻き込みや回転プーリ122への巻回後、テープの両端部を、弛めの状態で接続するものとする。研磨シート20が当初から長尺な環状テープの場合、環状テープの一箇所を切断して、上記巻き込みや巻回後、テープ両端部を、弛めの状態で接続すればよい。これらの巻き込みや巻回は、手作業で行うものとする。なお、巻き込みや巻回用のロボット機構により、自動的に行うことも可能である。
また、研磨シート20の巻き込み回数は、多いほど研磨効果の向上が期待できるが、一方で巻き込み回数が増えるほど、摩擦抵抗が増大するため、サンプル試験を実施するなどして、最適巻き込み回数を設定するものとする。さらに、研磨シート20の長さが長いほど、単位長さ当たりの消耗度を抑えることができるため、循環走行に支障のない範囲で、回転プーリ122と金属線状体10間の間隔を大きくするとよい。或いは、回転プーリ122と金属線状体10の間に故意に走行を延ばすための回転コロを設けてもよい。
【0026】
このような研磨シート20は、金属線状体10の走行ラインに対して、一箇所での設置でもよいが、図1に示すように、複数箇所(3箇所など)とすることもできる。
各設置部分における研磨シート20の場合、その研磨層の研磨剤の粒径(粗さ)は、同一でもよいが、金属線状体10の走行方向の送出側(送り出しボビン111側)の研磨シートに対して、巻取側(巻き取りボビン112側)の研磨シートの研磨剤の粒径を小さくすることが望ましい。これにより、送出側を荒削りとし、巻取側を仕上げ削りとすることができる。結果として、きめ細かい、より良好な研磨効果が得られる。
【0027】
このような構成の表面平滑装置100により、金属線状体の表面平滑方法を実施するには、先ず、研磨対象の金属線状体10を、上述したように、走行手段110の送り出しボビン111側と巻き取りボビン112側間にセットする。次に、上述したように、研磨シート20を、複数回螺旋状に巻き込むと共に、回転プーリ122にも巻回させる。
このセッテングが終了したら、走行手段110を駆動させると共に、保持手段120の回転プーリ122を回動させる。そうすると、金属線状体10が走行され、研磨シート20が循環走行されるため、金属線状体10の外周表面は、走行方向に進行しながら、研磨シート20により連続的に研磨される。
【0028】
このとき、研磨シート20を複数箇所に設置すれば、一箇所での研磨層の消耗分(量)が少なくて済むため、研磨シート20の耐久性の向上や取換え時間の長期間化を図ることができる。また、各箇所での研磨量を小さくすることで、線状体の高速走行化も期待できる。さらに、各設置部分における研磨シート20の研磨剤の粒径を、上述したように、変えれば、きめ細かい研磨効果が得られる。
【0029】
このような研磨において、図2に示すような、研磨シート20の螺旋状の巻き込み部21にあっては、金属線状体10の外周との接触をより安定したものとする必要がある。
このため、例えば図4〜図5に示すように、研磨シート20の外周に被せられる保護カバー130Aを当接させるとよい。この保護カバー130Aは、複数(2個、これ以上も可)の分割カバー体131、131からなり、この分割カバー体131、131の湾曲内壁面131a、131aが研磨シート20の外周に当接される。
図示しないが、各分割カバー体131、131は、例えば油圧シリンダ機構や電磁ソレノイド機構などの進退手段の進退部(進退ロッドなど)132、132により、進退されるようになっている。
【0030】
この保護カバー130Aが、研磨シート20の循環走行を損なわない範囲で、その研磨面を金属線状体10の外周に押し付けるため、安定した接触が得られる。また、研磨中の金属線状体10の不要な揺動(ブレなど)を防止することもできる。従って、これらの作用により、研磨効率の良好な向上が図られる。
【0031】
図6〜図7は、他の保護カバー130Bを示したものである。これは、研磨シート20の巻き込み部21の外周に被せられる開閉可能な筒状の弾性カバー体133からなる。
この弾性カバー体133は、弾性に富むプラスチック板やバネ性に富む金属製薄板、合金薄板などで形成するとよい。また、形状記憶特性を有する樹脂や合金で形成することもできる。予め研磨シート20の外周(外径)を記憶させた形状記憶材料による筒体の場合、特に安定した接触効果や揺動防止効果が得られる。
【0032】
この保護カバー130Bのセッテングにあたっては、例えば図7に示すように、筒状の長手方向に開閉可能とする縁部133aを開き、金属線状体10の外周に圧入する形で嵌め込めばよい。形状記憶特性の樹脂製や合金製の場合には、嵌め込み後、熱処理して記憶形状に戻せばよい。この保護カバー130Bの場合、低コストで、保護カバー130Aと同様の作用、効果が得られる利点がある。
【0033】
また、この研磨において、研磨シート20の螺旋状の巻き込み部21部分では、摩擦熱が発生し易いため、冷却効果を兼ねた液状の潤滑剤を供給することが望ましい。
例えば、図8や図9に示すような、液状の潤滑剤の供給手段140A、140Bを設けるとよい。潤滑剤の供給手段140Aは、研磨シート20の螺旋状の巻き込み部21に潤滑剤を供給する供給ノズル141と、潤滑剤の受け部(容器)142aや配管142bなどの潤滑剤供給系統142からなる。潤滑剤の供給手段140Bは、研磨シート20の螺旋状の巻き込み部21が浸される潤滑剤の供給槽145とこの槽に潤滑剤を供給するためのポンプ(図示省略)や配管などの潤滑剤供給系統146からなる。
【0034】
この液状の潤滑剤の供給により、研磨シート20の螺旋状の巻き込み部21部分において、良好な滑り性が得られる。この滑り性により、金属線状体10の走行や研磨シート20の循環走行の高速走行化も可能となる。また、摩擦熱に対して冷却効果が得られる。
結果として、研磨効率の向上が図られる。ここで、用いる液状の潤滑剤は、特に限定されない。単なる水だけでもよい。また、研磨効果を高めるための研磨剤成分を混入した液体や、滑り性を高めるための成分を混入した液体などでもよい。このようなものとして、例えば、Tiの場合には、懸濁液としてOP−S懸濁液(丸本ストルアス社製)など挙げることができる。
【0035】
なお、本発明の場合、研磨シート20の保護カバー130A、130Bは、上記と同種の作用、効果を有するものであれば、上記構成のものに限定されない。また、潤滑剤の供給手段140A、140Bも、研磨シート20の螺旋状の巻き込み部21部分に潤滑剤を供給する構造であれば、上記構成のものに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る金属線状体の表面平滑方法及び表面平滑装置の一例を示した概略説明図である。
【図2】図1の表面平滑装置における研磨シートの保持手段の拡大概略説明図である。
【図3】図2の表面平滑装置における他の方向からの保持手段の拡大概略説明図である。
【図4】本発明に係る金属線状体の表面平滑方法及び表面平滑装置の他の例を示した研磨シートの保護カバーを示した拡大縦断面図である。
【図5】図4の保護カバーの他の方向のからの拡大縦断面図である。
【図6】本発明に係る金属線状体の表面平滑方法及び表面平滑装置における研磨シートの保護カバーの他の例を示した拡大概断面図である。
【図7】図6の保護カバーの使用前の拡大縦断面図である。
【図8】本発明に係る金属線状体の表面平滑方法及び表面平滑装置の他の例を示した潤滑剤の供給手段を示した拡大概略説明図である。
【図9】本発明に係る金属線状体の表面平滑方法及び表面平滑装置の他の例を示した潤滑剤の供給手段を示した拡大概略説明図である。
【符号の説明】
【0037】
10・・・金属線状体、20・・・研磨シート、21・・・研磨シートの螺旋状の巻き込み部、100・・・金属線状体の表面平滑装置、110・・・金属線状体の走行手段、111・・・送り出しボビン、112・・・巻き取りボビン、120・・・研磨シートの保持手段、121・・・駆動源、122・・・回転プーリ、130A、130B・・・保護カバー、131・・・分割カバー体、132・・・進退手段の進退部、133・・・筒状の弾性カバー体、140A、140B・・・潤滑剤の供給手段、141・・・潤滑剤の供給ノズル、142・・・潤滑剤供給系統、145・・・潤滑剤の供給槽、146・・・潤滑剤供給系統

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属線状体の外周に帯状の研磨シートを当該金属線状体と交差する方向から複数回螺旋状に巻き込み、この状態で、前記金属線状体を一方向に走行させつつ、前記研磨シートも前記金属線状体上を回転走行させ、当該研磨シートの研磨面と前記金属線状体の外周との接触により研磨することを特徴とする金属線状体の表面平滑方法。
【請求項2】
前記金属線状体に対して、前記研磨シートを複数配置して研磨することを特徴とする請求項1記載の金属線状体の表面平滑方法。
【請求項3】
前記複数の研磨シートにあって、前記金属線状体の走行方向の送出側の研磨シートに対して、巻取側の研磨シートの研磨剤の粒径を小さくすることを特徴とする請求項2記載の金属線状体の表面平滑方法。
【請求項4】
前記研磨シートを長尺な環状テープとして、当該環状テープを、電動モータなどの駆動源により循環走行させることを特徴とする請求項1、2又は3記載の金属線状体の表面平滑方法。
【請求項5】
金属線状体の送り出しボビン側から巻き取りボビン側へ金属線状体を走行させる走行手段と、前記金属線状体の外周に当該金属線状体と交差する方向から複数回螺旋状に巻き込まれた帯状の研磨シートを張設させつつ保持する保持手段とを備えてなることを特徴とする金属線状体の表面平滑装置。
【請求項6】
前記保持手段が、電動モータなどの駆動源により回動される回転プーリを有し、当該回転プーリに、長尺な環状テープからなり前記金属線状体の外周に巻き込まれた帯状の研磨シートを巻回させたことを特徴とする請求項6記載の金属線状体の表面平滑装置。
【請求項7】
前記金属線状体の外周に巻き込まれた帯状の研磨シートの外周に当接させる研磨シートの保護カバーを備え、当該保護カバーが、前記研磨シートの外周に被せられる複数の分割カバー体からなることを特徴とする請求項5又は6記載の金属線状体の表面平滑装置。
【請求項8】
前記金属線状体の外周に巻き込まれた帯状の研磨シートの外周に当接させる研磨シートの保護カバーを備え、当該保護カバーが、前記研磨シートの外周に被せられる開閉可能な筒状の弾性カバー体からなることを特徴とする請求項5又は6記載の金属線状体の表面平滑装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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