説明

金属複合体及びオリゴヌクレオチドから作られた接合体、該接合体を含む薬剤、放射線診断におけるそれらの使用並びにそれらの製造のための方法

【課題】本発明は、オリゴヌクレオチドに接続している構成物により結合された複合剤又は複合体を含む化学的に修飾されたオリゴヌクレオチド接合体に関する。
【解決手段】この場合において、オリゴヌクレオチドは、天然のヌクレアーゼによるデグラデーションを防ぐ又は少なくとも大きく阻害する様に改良される。オリゴヌクレオチドラジカルは標的構造に特異的かつ高結合アフィニティーで結合することができ、これにより、結合複合剤又は複合体による特定の治療又は診断効果を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求の範囲、例えば複合薬剤又は複合体を含むオリゴヌクレオチド接合体を特徴とする対象に関する。これらの接合体は、診断及び治療の分野に用いられる。
【背景技術】
【0002】
像形成診断は、過去数十年の大きな進歩をとげ、続けて更に発展している。それは、主要な介入なしに生きている体の脈管系、ほとんどの器官及び多くの組織を目で見ることを可能にする。病気は、それらが体内の解剖学的構造の形状、大きさ、及び位置の明らかな変化を導くため、多くの場合、診断される。体の内側からのこのような解剖学的データは、X線技術、超音波診断及び磁気共鳴断層撮影法により得られうる。この言及された技術の各々の効果は、結果の像における組織及び体液の自然なコントラストの増強のための医薬剤の使用により改良され得る。
【0003】
問題の医薬剤は、腔又は管のコントラストを変える目的で体腔内に導入されるか又は血管内に注入される。更に、それらは生物内の血流により広がり、器官及び組織の可視性を変化させ得る。例外的な場合において、このような物質は体内における特定の構造に結合し、及び/又は後者により輸送及び/又は排出される。この方法において、機能は個々の場合において目で見えるようにして、病気を診断するのにも用いられ得る。
【0004】
これに対して、核の診断は、それ自体が可視化され得る物質を基礎とする。この場合、広範囲の放射線を発する放射性同位体が体内に導入される。生物内でのこれらの物質の広がりは、適切な検出器により追跡され得る。核の医療方法の利点は、放射性医薬剤として設計されたシグナル伝達性放射性物質の低い投与量での高い効果である。
【0005】
組織に影響を与えるα−もしくはβ−放射線又は他の毒性分解産物を放出する同位体が用いられるなら、放射性医薬剤は、治療目的のため、例えば腫瘍の破壊のためにも用いられ得る。有害でない同位体又は物質が体内に導入され、例えば中性子もしくはX線放射線、超音波又は放射性波によりそこでのみ医薬として有効な形態に転化することにおいても同じ結果が達成され得る。
【0006】
一般的な問題は、問題の器官及び組織の形状、構造及び循環の明らかな変化が利用できない場合の病理学的変化の診断及び限局化である。このような診断及び追跡調査は、例えば、転移のための調査を含む腫瘍病の場合、器官への組織の不十分な供給の評価、並びに特定の感染及び代謝病の場合において、決定的な重要なものである。
【0007】
新しい利用できる治療及び像形成診断法は、さもなければ検出不能な病理学的変化の部位において蓄積する医薬調整物の有効性にかなり依存する。
この場合における市販のコントラスト媒体は、全く支配的にいわゆる非特異的な調製物である。それらは、例えば注入によりそれらが導入される空間において受動的に広がる。
【0008】
過去に、検出され得、生きている生物内に広がる点で特異性を有することが予想され得る多くの物質及び物質クラスが同定されている。これの例は、抗体に加えて、レクチン、全ての型のレセプター結合物質、細胞、膜及び膜構成物、核酸、天然の代謝物及びそれらの誘導体、並びに無数の医薬物質である。ペプチドは、特別の関心と共に研究されている。
【0009】
米国特許第 4,707,352は、放射性同位体との標識複合分子に特別の過程を与えるが、金属イオンの結合のための十分に適した複合剤は記載されていない。
EP-A-0 285 057 は、生体内診断剤又は治療剤として用いるための、用いられるヌクレオチドの生体内不安定性のため適切でないヌクレオチド複合剤接合体を記載し、これは、適合性及び薬物速度論の他の要求にほとんど合致しない。
【0010】
例えば米国特許第 4,707,440のような多くの米国特許は、検出可能な化学基を含む修飾ポリマーを与える。このポリマーは、ポリヌクレオチド及びオリゴヌクレオチドであり得るが、それらは、天然のヌクレアーゼによるデグラデーションに対して安定でないばかりでなく、それらが標的構造に高結合アフィニティーで特異的に結合するように特定の方法により選択されない。これらの検出可能分子の特定の実例形態は、米国特許第 4,843,122号及び第 4,943,523号に言及される。この方法において改良された個々のヌクレオチドは、米国特許第 4,952,685号にクレームされる。像形成過程におけるこれらの薬剤の使用は、米国特許第 4,849,208号に開示される。
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、標的構造の検出のための特異的結合診断剤の調製である。これにより、例えば試験管内及び生体内の器官、組織及びそれらの病理学的変化の視覚化が可能となる。
この目的は、オリゴヌクレオチドラジカルに加えて、直接的結合又は接続する構成物により結合された複合物を示し、それらのオリゴヌクレオチドラジカルが、天然のヌクレアーゼによるデグラデーションが防がれ、又は少なくとも大きく阻害されるように修飾されるように修飾されているオリゴヌクレオチド接合体により達成される。
【0012】
本発明の対象は、次の通りである:
1.オリゴヌクレオチドラジカルN及びn置換基(B−K)(ここで、Bは、オリゴヌクレオチドラジカルへの直接の結合又はそれに接続する構成物を表し、Kは、外からの放射線により放射性同位体に転化され、外からの放射線を異なる質、異なるエネルギー含量、及び/又は異なる波長の放射線に転化する原子番号5,21〜29, 31, 39, 42〜44, 49, 57〜83又は85の要素の放射性金属同位体の複合剤もしくは複合体、又は安定な同位体を意味する)からなるオリゴヌクレオチド接合体であって、オリゴヌクレオチドラジカルNが、天然のヌクレアーゼによるデグラデーションを防ぐ又は少くとも重大に阻害する改良がなされていることを特徴とするオリゴヌクレオチド接合体。
【0013】
2.好ましい実施形態において一般式(I)
N−(B−K)n (I)
(ここで、Nは他の標的構造に高結合アフィニティーで特異的に結合するオリゴヌクレオチドであり、天然のヌクレアーゼによるデグラデーションを重大に削減する改良がなされており、
BはNとKとの間の接続を形成する化学結合又は接続構成物であり、
Kはシグナル伝達性又は治療的に活性な要素を示し得る複合リガンドであり、そして
nは1〜10の間の数である)
に表される本発明のオリゴヌクレオチド接合体。
【0014】
3.Nが5〜200 ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドである請求項1又は2に記載の化合物であって、
a)その糖ユニットの2’位置が、互いに独立して、次の基:
基−OR(ここで、Rは2までの水酸基を任意に含み、1〜5の酸素原子により任意に割り込まれている1〜20の炭素原子のアルキル基である)、
水素原子、
水酸基、
フッ素原子、
アミン基、
アミノ基、
及び互いに独立して基Rと任意にエーテル化された末端位置3'及び5'に存在する水酸基により占有されており、及び/又は
b)ヌクレオチド間結合として任意に用いられるホスホジエステルが、互いに独立して、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート又はアルキルホスホネート、好ましくはメチルホスフェートであり、及び/又は
c)3'−及び5'−位置における末端基がb)に記載されるヌクレオチド間結合により互いに分子内様式で結合され、及び/又は
d)それが3'−3'−又は5'−5'−位置に結合するb)に記載のヌクレオチド間結合を含み、及び/又は
e)それが、3−位置においてC2〜C20ヒドロキシアルキル基により各々エステル様に2つのチミジンに結合し、又は2'−又は3'−又は5'−位置において他の糖の水酸基と共に、エステル様に、類似置換されたチミジン基に結合するb)に記載のホスホジエステル結合を含み、及び/又は
f)3'−及び5'−位置における末端基がb)に記載のように任意に改良されたヌクレオチド間結合を含む
ことを特徴とする1又は2に記載の化合物。
【0015】
4.オリゴヌクレオチドNが15〜100 ヌクレオチドを含むことを特徴とする3に記載の化合物。
【0016】
5.Nが、他の標的構造に高結合アフィニティーで特異的に結合し、ランダムな配列を含むオリゴヌクレオチドの混合物が前記標的構造と一緒にされ、ここで特定のオリゴヌクレオチドはオリゴヌクレオチドの混合物に比較して前記標的構造に対する増加されたアフィニティーを示し、後者が前記オリゴヌクレオチド混合物の残りから分離され、その後前記標的構造に対して増加されたアフィニティーを有するオリゴヌクレオチドが、前記標的構造に結合するオリゴヌクレオチドの増加された部分を示すオリゴヌクレオチドの混合物を得るために増幅されることにおいて得られうるオリゴヌクレオチドであることを特徴とする1〜4のいずれか一に記載の化合物。
【0017】
6.Nが、他の標的構造に高結合アフィニティーで特異的に結合し、
a)最初に、DNA 鎖が、その3'末端上において、該DNA 鎖がRNA ポリメラーゼのためのプロモーターに相補的であり、同時にポリメラーゼ鎖反応(PCR)のプライマーに相補的である規定された配列を示すように、そして前記DNA 鎖がポリメラーゼ鎖反応のためのプライマー配列に相補的である5'末端上の規定された配列を示し、前記規定された配列間の配列がランダム配列を含むように化学合成により作製されること、及び
b)前記DNA 鎖がRNA ポリメラーゼにより相補的RNA 鎖に転写され、リボース単位の2'−位置において改良されたヌクレオチドが前記ポリメラーゼに供されること、及び
c)この様に製造されたRNA オリゴヌクレオチドが該オリゴヌクレオチドが特異的に結合すべき前記標的構造と一緒にされること、及び
d)前記標的構造に結合されたこれらのオリゴヌクレオチドが結合していないオリゴヌクレオチドからの標的構造と最初に一緒にされ、次に結合したオリゴヌクレオチドが前記標的構造から再び分離されること、及び
e)これらの標的構造特異的RNA オリゴヌクレオチドが相補的DNA 鎖において逆転写酵素により転写されること、及び
f)これらのDNA 鎖がポリメラーゼ鎖反応と共に規定されたプライマー配列を用いて増幅されること、及び
g)その後、この様にして増幅されたDNA オリゴヌクレオチドがRNA ポリメラーゼにより、RNA オリゴヌクレオチドにおける改良されたヌクレオチドで再び転写されること、及び
h)先に記載の選択ステップc)〜g)が、前記標的構造に対する高結合アフィニティーを特徴とするオリゴヌクレオチドが十分に選択されるまで任意にしばしば繰り返され、その後これにより得られたオリゴヌクレオチドの配列が任意に決定され得ることにおいて得られうるオリゴヌクレオチドであることを特徴とする1〜5のいずれか一に記載の化合物。
【0018】
7.前記標的構造が高分子、動物もしくはヒトのような高等生物の組織構造、動物もしくはヒトの器官もしくは器官の一部、細胞、腫瘍細胞又は腫瘍から選択されることを特徴とする6に記載の化合物。
【0019】
8.接続構成物Bが、
a)CH2−OH基により4'−位置において還元されたオリゴヌクレオチドラジカルNの4'端に、及び/又は
b)水素原子により3'−位置において還元されたオリゴヌクレオチドラジカルNの3’端に、及び/又は
c)2つのヌクレオチド各々の間のOH基により還元されたホスホジエステルブリッジに、及び/又は
d)5−,8−位置において各々水素原子により、及び/又は2−,4−及び6−位置においてアミノ基により還元された1〜10のヌクレオベースに
結合されていることを特徴とする1〜7のいずれか一に記載の化合物。
【0020】
9.Bが、前記複合剤又は複合物にX側において、オリゴヌクレオチドにZ側において接続された一般式:X−Y−Z1
〔ここで、Xは直接の結合、−NH又は−S基であり、
Yは、1〜2シクロヘキシレン、1〜5イミノ、1〜3フェニレン、1〜3フェニレンイミノ、1〜3フェニレノキシ、1〜3ヒドロキシフェニレン、1〜5アミド、1〜2ヒドラジド、1〜5カルボニル、1〜5エチレノキシ、ウレイド、チオウレイド、1〜2カルボキシアルキルイミノ、1〜2エステル基、Arの1〜3基(ここでArは、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜2ヘテロ原子及び/又は1〜2カルボニル基を任意に含む飽和もしくは不飽和5もしくは6員環を表す)、1〜10酸素、1〜5窒素及び/又は1〜5硫黄原子を任意に含み、及び/又は1〜5ヒドロキシ、1〜2メルカプト、1〜5オキソ、1〜5チオキソ、1〜3カルボキシ、1〜5カルボキシ−C1〜C4−アルキル、1〜5エステル、1〜3アミノ、1〜3ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、1〜3 C1〜C7−アルコキシ基により任意に置換された直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和のC1〜C20アルキレン基であり、
1 は、−CONH−CH2−4'、−NH−CO−4'、−O−P(O)R1−NH−CH2−4'、−O−P(O)R1−O−CH2−4'、−O−P(S)R1−O−3’又は−O−P(O)R'−O−3’(ここで、4'又は3'は末端の糖ユニットとの結合を示し、R1はO−、S−、C1〜C4 アルキル又はR2 及びR3 が水素もしくはC1〜C4 アルキル基を意味するNR2R3 基である)である〕
を有することを特徴とする8a)又は8b)に記載の化合物。
環状構造(Ar)として、特にN,S又はOのようなヘテロ原子を任意に含む3〜6、特に5又は6のC原子を有する環状飽和もしくは不飽和アルキレンが適切である。例として、シクロペンチレン、ピロリレン、フラニレン、チオフェニレン、イミダゾリレン、オキサゾリリデン、チアゾリレン、ピラゾリレン、ピロリジレン、ピリジレン、ピリミジレン、マレインイシジレン及びフタルイミジレン基が言及され得る。
【0021】
10.Bが、前記複合剤又は複合物にX側において、オリゴヌクレオチドにZ側において接続された一般式:X−Y−Z2
〔ここで、Z2 は、2つの隣接する糖ユニット:
【0022】
【化1】

【0023】
を結合するブリッジにおいて、基−NR2 −,−O−又は−S−を表し、X,Y、及びR2 は9に示される意味を有する〕
を有することを特徴とする8c)に記載の化合物。
接続構成物(9に従う)Z1 −Y−X又は(10に従う)Z2 −Y−XのラジカルYとしては、例として、ラジカル
【0024】
【化2】

が挙げられ得る。
【0025】
11.Bが、一般式:X−Y−Z3
〔ここでZ3 は−NH基又は前記ヌクレオベースへの直接の結合を表し、X及びYは9に示される意味を有する〕を有することを特徴とする8d)に記載の化合物。
例としては、ラジカル−CH2−CO−NH−CH2−CH(OH)−CH2−、−NH−CO−CH2−CO−NH−CH2−CH(OH)−CH2−、−CO−NH−CH2−CH2−NH−、−CH2−S−CH2−CH2−NH−、−CH2−S−CH2−CH2−、−(CH2)4−S−CH2−CH2−NH−、−CO−CH2−S−CH2−CH2−NH−、−CO−CH2−S−(CH2)6−NH−、−CH=CH−CO−NH−CH2−CH2−NH−、−CH=CH−CH2−NH−、−C≡C−CH2−NH−又は−CO−CH2−CH2−NH−CH2−CH2−NH−、
が挙げられ得る。
プリン塩基の場合における結合部位として、特に8−位置が適切であり、ピリミジン塩基の場合、5−位置が適切である。純粋に形式的には、この場合、各々の塩基の水素原子がラジカルB−Kにより置換される。しかし、結合は2−,4−又は6−位置に任意に含まれるアミノ基によってもおこり得、これにより例えば、グアニンにおける2−アミノ基により、アデニンにおける6−アミノ基により、又はシトシンにおける4−アミノ基によっておこる。この場合、各々のアミノ基の水素原子は各々ラジカルB−Kにより置換される。
【0026】
12.前記金属複合物が、像形成要素として、要素銅、ビスマス、テクネチウム、レニウム又はインジウムから選択される放射性同位体を含むことを特徴とする先のいずれか一に記載の化合物。
【0027】
13.本発明は、標的構造を検出するための方法であって、先のいずれか一に記載の化合物の一以上が、生体内又は試験管内においてシグナルを基にして研究されるべきサンプルと一緒にされ、オリゴヌクレオチドNが特異的かつ高結合アフィニティーで結合する標的構造が前記サンプル内に存在するか否かを検出することを特徴とする方法も含む。
14.病気の非侵襲性の診断のための方法であって、1〜12のいずれか一に記載の化合物の1以上が、生体内でシグナルを基にして研究されるべき標的構造と一緒にされ、オリゴヌクレオチドNが特異的に結合する標的構造が研究されるべき生物内に存在するか否かを検出することを特徴とする方法。
【0028】
15.本発明の対象は、放射線診断及び/又は、放射線治療における1〜12のいずれか一に記載の化合物の使用でもある。
【0029】
16.標的構造の生体内及び/又は試験管内検出のための診断キットであって、該診断キットが、少くとも1つの1〜12のいずれか一に記載の化合物を含むことを特徴とする診断キット。
【0030】
17.1〜4のいずれか一に記載の化合物であって、Nが、標的分子に対する特定の結合アフィニティーを有する非天然のオリゴヌクレオチドリガンドであり、前記標的分子が、ワトソン/クリック塩基対形成又は三重らせん結合に主に依存する機構により前記オリゴヌクレオチドリガンドに結合するポリヌクレオチド以外の三次元化学構造であり、前記オリゴヌクレオチドリガンドが前記標的分子により結合される周知の生理学的機能を有する核酸でないことを特徴とする化合物。
【0031】
本発明に従う接合体が診断剤として用いられるなら、複合剤は原子番号21,26〜27, 29, 31, 43又は49、好ましくは43又は49の要素の像形成放射性同位体を含む。本発明に従う接合体が治療剤として用いられるなら、先に記載されるものの他、更に原子番号5,22〜25,28, 42, 44, 57〜83及び85の要素の同位体も適切である。先に記載される要素の放射性同位体の他に、特に
a)外からの放射線により放射性同位体に転化され、
b)外かの放射線を異なる質、異なるエネルギー含量及び/又は異なる波長の放射線に転化する安定な同位体も処理の範囲において適切である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本発明のために有利に用いられ得る環状複合剤Kの選択を示す。“b”は接続構成物Bへの結合部位を示す。
【図2】図2は、本発明のために有利に用いられ得る開いた鎖の複合剤Kの選択を示す。 以下の実施例はより詳細にこれらの発明を示すはずである。
【図3】図3は、本発明のために有利に用いられ得る開いた鎖の複合剤Kの選択を示す。 以下の実施例はより詳細にこれらの発明を示すはずである。 本実施例に記載されるポリヌクレオチドは改良された化合物を含む。 それらは以下の意味を有する: A,U,C,G 2’−OCH3基を含むヌクレオチド *: ヌクレオチド間結合がメチルホスホネートである。 **: ヌクレオチド間結合がチオホスホネートである。 *** : ヌクレオチド間結合がジチオホスホネートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
オリゴヌクレオチドラジカルに結合した像形成又は治療に有効な置換基B−Kの数は、一方でオリゴヌクレオチドの値により限定されるが、10より大きくない。本発明に従うと、1又は2の置換基B−Kが好ましい。
主要なオリゴヌクレオチドラジカルNの値は限定されない。本発明のために、5〜200 ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドが実用的であり、特に15〜100 ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドが好ましい。
本発明に従って用いることができるオリゴヌクレオチドは、生体内で発生するヌクレアーゼによるデグラデーションに対して安定である。
【0034】
改良されていないオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドはエンドヌクレアーゼ及びエキソヌクレアーゼにより生体内で切断される。RNA 類におけるデグラデーション反応は、2'−水酸基の活性化と共に始まる。他の異化酵素は、例えばRNS のホスホジエステル結合を切断するリボザイムである(Science 26) ,709 (1993)を参照)。RNS 誘導体の生体内安定性は、他の置換基による2'−水酸基の部分的又は完全な置換により増加され得る。このような置換基は、例えば、アルコキシ基、特にメトキシ基(例えばChem. Pharm. Bull. 13, 1273 (1965), Biochemistry 10, 2581, (1971)を参照のこと)、水素原子、フッ素原子(例えばCan. J. Chem. 46, 1131 (1968) を参照のこと)又はアミノ基(例えばJ. Org. Chem. 42,714 (1977)を参照のこと)である。
【0035】
これらの置換体のいくつか及び他のものも1994年6月に出願された米国出願通し番号08/264,029号に開示される方法を用いてその2'−位置において誘導される。ヌクレオチド内結合を安定化するための他の可能性は、ホスホロチオエート(Trends Biochem. Sci. 14, 97 (1989))又はホスホロジチオエート(J. Chem. Soc., Chem. Commun. 591 (1983) 及び Nucleic Acids Res. 12, 9095 (1984))を形成する間のホスホジエステルブリッジにおける1又は2の酸素原子の置換、並びにホスホジエステルの代わりのアルキルホスホネートの使用(Ann. Rep. N. Y. Acad. Sci. 507, 220 (1988)) である。
【0036】
安定化は、リボースユニットの2'−位置における水酸基が、互いに独立して修飾されることで達成され得る。このような改良は、OR基、ハロゲン原子、特にフッ素原子、水素原子又はアミン基により、特にアミノ基によるこの水酸基の置換により達成され得る。アルコキシ基のラジカルRは、この場合、1〜2水酸基を任意に含み、1〜5の酸素原子により介在される、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル又はヘキシルのような1〜20のC原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基又はシクロペンチルもしくはシクロヘキシルのような4〜20のC原子を有する環状の未置換又は置換されたアルキル基を表す。安定化は、この3'−及び5'−位置における水酸基が任意にエーテル化されるために増加もされる。
【0037】
ポリヌクレオチドの他の安定化は、ヌクレオチド間結合として用いられるホスホジエステルが、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート又はアルキルホスホネートにより、特に好ましくは例えばメチルホスホネートのような低級アルキルホスホネートにより部分的又は完全に、互いに独立して置換されることにおいておこる。これらのヌクレオチド間結合は、3'及び5'−位置における末端基に結合され得、又は3'−3'−又は5'−5'−位置に接続もされる。ホスホジエステル結合は、ヌクレオベースの窒素又は炭素原子上に存在するヒドロキシアルキル基による更なる結合を可能にし、これにより、例えば2つのチミジンが3−位置に存在するヒドロキシアルキル鎖により結合され得、又は8−位置に存在する基により2つのプリン塩基が結合され得る。結合は、2'−又は3'−又は5'−位置における水酸基にもおこる。
【0038】
改良されたヌクレオチド間結合は、好ましくはポリヌクレオチドの端において任意におこり得、それらは特に好ましくはチミジンに結合される。
本発明に従って、用いられるオリゴヌクレオチドラジカルNは、特定のオリゴヌクレオチド配列に限定されない。しかし、核酸を除く標的構造に高結合アフィニティーで特異的に結合するこれらのオリゴヌクレオチドが好ましい。
本発明に従う接合体のための開始物質として必要とされる適切なオリゴヌクレオチドを同定するための方法は、米国特許第 5,270,163に記載される。SELEX と呼ばれるこの方法は、いずれかの要求される標的分子に対する核酸リガンドを作るのに用いられ得る。
【0039】
SELEX 法は、結合アフィニティー及び選択性の実質的にいずれかの要求される判定基準を用いる、候補のオリゴヌクレオチドの混合物からの選択、並びに結合、分配及び増幅の段階をおっての繰返しを含む。好ましくはランダムにされた配列のセグメントを含む核酸の混合物から開始して、SELEX 法は、結合のための好ましい条件下において標的に前記混合物を接触させるステップと、標的分子に特異的に結合した核酸から未結合の核酸を分けるステップと、前記核酸−標的複合体を解離するステップと、核酸−標的複合体から解離された核酸を増幅して核酸のリガンド−リッチな混合物を作るステップと、その後標的分子に対する高度に特異的な高アフィニティー核酸リガンドを作るのに必要とされるだけのサイクルを通して結合、分配、解離及び増幅のステップを再び繰り返すステップと、を含む。
【0040】
基本的なSELEX 法は、いくつかの特定の目的を達成するように改良されている。例えば、1992年10月14日に出願された米国特許出願通し番号07/960,093は、曲がったDNA のような特定の構造的特徴を有する核酸分子を選択するためにゲル電気泳動と組み合わせたSELEX の使用を記載する。1993年9月17日に出願された米国特許出願通し番号第08/123,935号は、標的分子に結合する及び/又は光架橋する及び/又は光不活性化することができる光反応基を含む核酸リガンドを選択するためのSELEX を基礎とする方法を記載する。1993年10月7日に出願された米国特許出願通し番号第08/134,028号は、密接に関連した分子間を識別することができる高度に特異的な核酸リガンドを同定するための方法を記載し、これはCounter-SELEX と呼ばれる。
【0041】
1993年10月25日に出願された米国特許出願通し番号08/143,564号は、標的分子に対して高い及び低いアフィニティーを有するオリゴヌクレオチド間を極めて効果的に分けることを達成するSELEX を基礎とした方法を記載する。1992年10月21日に出願された米国特許出願通し番号第07/964,624号は、SELEX が行われた後、改良された核酸リガンドを得るための方法を記載する。1995年3月8日に出願された米国特許出願通し番号08/400,440号は、その標的にリガンドを共有結合させるための方法を記載する。
【0042】
SELEX 法は、生体内安定性の改良又は送出・特徴の改良のようなリガンドに改良された特徴を与える改良されたヌクレオチドを含む高アフィニティー核酸リガンドの同定を含む。このような改良の例は、リボース及び/又はホスフェートにおける化学的置換及び/又は塩基置換を含む。改良された核酸を含むSELEX で同定された核酸リガンドは、ピリミジンの5−及び2’−位置において化学的に修飾された核酸誘導体を含むオリゴヌクレオチドを記載する1993年9月8日に出願された米国特許出願通し番号08/117,991号に記載される。米国特許出願通し番号第08/134,028(前掲)は、2'−アミノ(2'−NH2)、2'−フルオロ(2'−F)、及び/又は2'−O−メチル(2'−OMe)で修飾された1以上のヌクレオチドを含む高度に特異的な核酸リガンドを記載する。1994年6月22日に出願された米国特許出願通し番号第08/264,029号は、種々の2'−修飾ピリミジンを含むオリゴヌクレオチドを記載する。
【0043】
SELEX 法は、1994年8月2日に出願された米国特許出願通し番号08/284,063及び1994年8月28日に出願された通し番号08/234,997に記載されるような他の選択されたオリゴヌクレオチド及び非オリゴヌクレオチド機能単位と選択されたオリゴヌクレオチドを組み合わせることを含む。これらの出願は、他の分子の要求される特性を有するオリゴヌクレオチドの広範囲の形状及び他の特性、並びに効果的な増幅及び複製特性の組合せを許容する。
その最も基本的な形態において、SELEX 法は、次の一連のステップにより規定され得る。
【0044】
1)異なる配列の核酸の候補の混合物を調製する。この候補の混合物は、固定された配列の領域(即ち、候補の混合物のメンバーの各々は同じ位置に同じ配列を含む)及びランダムな配列を含む。固定された配列領域は、(a)以下に記載される増幅ステップを助けるため、(b)標的に結合することが知られている配列をまねるため、又は(c)候補の混合物において核酸の与えられた構造配置の濃縮を増強するためのいずれかで選択される。ランダムな配列は、全体的にランダムにされる(即ちいずれの位置において塩基を見い出す可能性も4のうち1つ)又は部分的にランダムにされる(例えばいずれの位置における塩基を見い出す可能性も0〜100 %の間のいずれかのレベルで選択され得る)。
【0045】
2)候補の混合物を、標的と候補の混合物との間の結合のために好ましい条件下において選択された標的と接触させる。これらの環境下で候補の混合物の標的と核酸との間の相互作用は、標的と標的のための最も強いアフィニティーを有する核酸との間の核酸−標的対を形成するとして考慮し得る。
【0046】
3)標的のための最も高いアフィニティーを有する核酸を標的に対するより低いアフィニティーを有する核酸から分ける。最も高いアフィニティーの核酸に相当する極めて少量の配列(及び核酸の可能なだけの分子)のみが候補の混合物内に存在するので、候補混合物中の核酸の重大な量(約5〜50%)が分配の間に保持されるように分配の判定基準をセットすることが一般に要求される。
【0047】
4)標的に対して比較的高いアフィニティーを有するように分配する間に選択された核酸を、標的に対して比較的高いアフィニティーを有する核酸において豊富である新しい候補の混合物を作るように、その後増幅される。
【0048】
5)先の分配及び増幅ステップを繰り返すことにより、新しく形成された候補の混合物はより少い特有の配列を含み、標的に対する核酸のアフィニティーの平均の程度は一般的に増加する。その極限までにするために、SELEX 法は、標的分子に対する最も高いアフィニティーを有するもとの候補の混合物から、これらの核酸を表す1又は少数の特有の核酸を含む候補の混合物を作り出すだろう。
【0049】
SELEX 特許及び出願は、極めて詳細にこの方法を記載する。この過程:候補混合物内の核酸を分けるための方法;及びリッチな候補混合物を作るために分けられた核酸を増幅するための方法に用いられ得る標的が含まれる。SELEX 特許及び出願は、蛋白質が核酸結合蛋白質である及びそうでない蛋白質標的の両方を含むいくつかの標的種に対して得られたリガンドも記載する。従って、SELEX 法は標的分子の高アフィニティーリガンドを供するために用いられ得る。
【0050】
標的分子は好ましくは蛋白質であるが、他の炭水化物、ペプチドグリカン及び種々の小分子も含み得る。慣用的な蛋白質の抗体と一緒に核酸抗体(オリゴヌクレオチドリガンド)が、生物の構造の一体的部分である分子との特定の相互作用を通して細胞表面又はウィルスのような標的生物の構造に用いられ得る。オリゴヌクレオチドリガンドは、それらが慣用的抗体のように自己寛容により限定されない点で有利である。また、SELEX は全体的に試験管内過程であるので、核酸抗体は、合成又は産生のために動物又は細胞培養を必要としない。公知であるように、核酸は相補的核酸配列と結合することができる。核酸のこの特性は、核酸分子の検出、定量及び単離のために広く利用される。これにより、本発明の方法は、核酸間の公知の結合能力を含むことを意図しない。特に、核酸抗体の使用に関連する本発明の方法は、核酸分子間の周知の結合アフィニティーを含むことを意図しない。
【0051】
いくつかの蛋白質は、核酸オペレーター配列に結合する調節蛋白質のような核酸配列に結合することにより機能することが知られている。それらの天然の部位に結合するための、特定の核酸結合蛋白質の周知の能力が、このような蛋白質の検出、定量、単離及び精製において用いられている。オリゴヌクレオチドリガンドの使用に関連する本発明の方法は、核酸結合性蛋白質とそれらが結合することが知られている核酸配列との間の周知の結合アフィニティーを含むことを意図しない。しかしながら、同じ核酸結合性蛋白質に結合する新規の非天然の配列は、SELEX を用いて開発され得る。特に、本発明のオリゴヌクレオチドリガンドは、ワトソン/クリック塩基対形成又は三重らせん結合に主に依存する機構を通して前記オリゴヌクレオチドに結合するポリヌクレオチド以外の三次元化学構造を含む標的分子に結合する。ここで、前記オリゴヌクレオチドリガンドは標的分子により結合される周知の生理学的機能を有する核酸ではない。
【0052】
SELEX が蛋白質に結合するであろう核酸配列の極めて迅速な決定を許容し、これにより未知のオペレーター及び本明細書に記載される出願のために後に用いられ得る結合部位配列の構造を決定するのに直ちに用いられ得る。これにより、SELEX は核酸に結合することが知られていない蛋白質の検出、定量、単離及び精製のための核酸分子の使用のための一般的方法である。更に、SELEX により単離され得る特定の核酸抗体は、その機能に影響を及ぼす、例えば特定の標的分子又は構造の機能を阻害、増強又は活性化するのにも用いられ得る。
【0053】
本発明に従う接合体に用いられるオリゴヌクレオチドは、以下に記載の方法に従う好ましい実施形態において得られる。
【0054】
これにより、適切なオリゴヌクレオチドは、ランダムな配列を含むオリゴヌクレオチドの混合物が標的構造と一緒にされ、ここで特定のオリゴヌクレオチドはオリゴヌクレオチドの混合物と比較して標的構造に対して増加されたアフィニティーを示し、後者はオリゴヌクレオチド混合物の残りから分離され、その後標的構造に対して増加されたアフィニティーを有するオリゴヌクレオチドが、標的構造に結合するオリゴヌクレオチドの増加された部分を示すオリゴヌクレオチドの混合物を得るために増幅されることにおいて得られうる。
【0055】
本方法において、最初に、DNA 鎖が化学合成による好ましい方法で製造される。3'末端において、このDNA 鎖は、RNA ポリメラーゼのためのプロモーターとして用いられ、同時にポリメラーゼ鎖反応(PCR)のためのプライマー配列に相補的である周知の配列を有する、この場合における特に好ましい実施形態において、T7 RNAポリメラーゼのためのプロモーターが含まれる。その後、ランダム配列がプロモーター上に合成される。ランダム配列は、適切な4つの塩基を同じ比率で合成機に与えることにおいて得られうる。これにより、完全にランダムなDNA 配列が生ずる。好ましい実施形態において、ランダム配列の長さは約15〜100 ヌクレオチドである。ポリメラーゼ鎖反応(PCR)に用いられ得る他のDNA 配列は、ランダム配列でこのDNA 断片上に合成される。
【0056】
このDNA 鎖の合成の後、後者はRNA ポリメラーゼの助けで補助的RNA 鎖において転写される。好ましい実施形態において、T7 RNAポリメラーゼがこの場合に用いられる。転写において、改良されたヌクレオチドがRNA ポリメラーゼに供される。特に好ましい実施形態において、リボースは2’−位置において修飾される。この場合、アルコキシ基、好ましくはメトキシ、アミノ又はフッ素による水素原子又は水酸基の置換が含まれ得る。この様に製造されたRNA オリゴヌクレオチドは、その後、選択過程に導入される。
【0057】
選択過程において、RNA オリゴヌクレオチドは標的構造と一緒にされる。標的構造はオリゴヌクレオチドが特異的に高アフィニティーで結合する構造を意味すると理解される。
このような構造は、例えば高分子、動物もしくはヒトのような高等生物の組織構造、器官もしくは器官の一部、細胞、特に腫瘍細胞もしくは腫瘍である。
この結合において、標的構造は絶対的に純粋な形態である必要はなく、それは器官上又は細胞表面上にも存在し得る。ストリンジェンシーは、ポリアミノ(tRNA、ヘパリン)、プラズマ又は完全な血液をSELEX 反応に加えることにより選択過程に適用され得る。
【0058】
単離された蛋白質がこれに含まれるなら、後者は固相例えばフィルターに結合され得る。選択において、RNA 混合物に比して過剰の標的構造が用いられる。インキュベーションにおいて、特定のオリゴヌクレオチド分子が標的構造に結合し、一方結合していないオリゴヌクレオチドは例えば洗浄により混合物から分離される。
その後、オリゴヌクレオチド分子は標的分子から分離されるか、又は適切な緩衝液もしくは溶媒で洗浄することにより除去される。
【0059】
逆転写酵素により、見い出されたRNA オリゴヌクレオチドは相補的DNA 鎖に転写される。
得られたDNA 鎖は両端においてプライマー配列(又はプロモーター配列)を示すので、見い出されたDNA 配列の増幅は、ポリメラーゼ鎖反応により簡単に行われ得る。
この様に増幅されたDNA オリゴヌクレオチドは、その後再びRNAオリゴヌクレオチドにRNA ポリメラーゼにより転写され、これにより得られたRNA オリゴヌクレオチドは、(先に記載の)更なる選択ステップに用いられ得る。
【0060】
第2の選択ステップにおいて標的分子から得られた結合性RNA オリゴヌクレオチドを分離した後、逆転写酵素により再びDNA に転写し、これにより得られた相補的DNA オリゴヌクレオチドをポリメラーゼ鎖反応により増幅し、その後RNA ポリメラーゼによりRNA オリゴヌクレオチドに再び転写する。これは更なる選択ステップに利用できる。
【0061】
選択ステップが数回繰り返されるなら、要求される高特異性及び高結合アフィニティーが得られうることがわかっている。まれに、1又は2の選択ステップの後程度早くに要求されるオリゴヌクレオチド配列が得られるだろう。標的構造とオリゴヌクレオチドとの間の要求される特異性及び結合アフィニティーが得られるとすぐに、オリゴヌクレオチドは配列決定され得、結果として特異的に結合するオリゴヌクレオチドの配列が決定され得る。
【0062】
この方法における特別の利点は、この方法が適切な蛋白質ばかりでなく生体内でも用いられ得ることである。しかし先に記載の選択方法は精製された標的構造においても行われ得る。しかし、生きている環境における標的構造にオリゴヌクレオチドの特異性を供することは、特に生体内診断に本質的である。それゆえ、選択過程は細胞もしくは細胞培養物において、組織もしくは組織セクションにおいて、灌流された器官において、並びに生きている生物においてでさえも行われ得る。
【0063】
この場合において、改良されたオリゴヌクレオチドがほとんどの遍在するRNA によるデグラデーションに耐えることができることが有利である。結果として要求されるオリゴヌクレオチド配列は、対応する天然のオリゴヌクレオチドがRNA により分解されるであろうので、生きている生物に選択方法において蓄積されたそれ自体である。
オリゴヌクレオチドラジカルNは、互いに独立して選択され得る1以上の構成物B、又は置換基B−Kを示し得る。要求されるのは、1〜10の同一の又は2〜10の異なる接続構成物Bである。特に好ましいのは、1又は2の接続構成物Bとのオリゴヌクレオチド接合体である。
【0064】
接続構成物Bは、複合剤又は複合体KでオリゴヌクレオチドラジカルNに接続する。
有利には、O,S及びNを有する多歯状(polydentate)、開いた鎖の又は環状の複合リガンドがドナー原子として用いられ得る。
【0065】
複合剤ラジカルKの例としては、水素原子、水酸基及び/又は酢酸基により還元されたポリアミノポリカルボン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンテトラ酢酸、1,4,7−トリアザシクロノナントリ酢酸、1,4,8,11−テトラアザテトラデカンテトラ酢酸、1,5,9−トリアザシクロドデカントリ酢酸、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカントリ酢酸、及び3,6,9,15−テトラアザビシクロ−〔9,3,1〕−ペンタデカ−1(15),11,13−トリエントリ酢酸があり得る。
【0066】
適切な複合剤は、例えばEP 0 485 045, EP 0 071 564及びEP 0 588 229に、DE 43 10 999及びDE 43 11 023に、並びにUS 4,965,392に記載される。
本発明に従う複合剤Kのための種々の可能性を示すために、いくらかの有利な構造が集められている図1〜3が参照される。これらの図は、選択として意味され、示される複合剤にいずれの様式においても本発明を限定しない。
【0067】
複合剤Kは、それらの金属イオンの形態における診断及び治療目的のための核医学において通常用いられる全ての放射性同位体を含む。診断又は治療用放射線を発するための外の放射線により発せられる安定な同位体、又は放射性同位体に外からの放射線により転化される同位体も用いられ得る。
本発明に従う適切な同位体は、原子番号5,21〜29,31,39,42〜44, 49, 57〜83又は85の要素から選択される。
【0068】
放射線医薬剤としての本発明に従う化合物の使用のために、複合剤は放射性要素を含む。生体内又は試験管内で有効な治療又は診断を達成することができる全ての放射性要素がこの目的に適する。要素銅、ビスマス、テクネチウム、レニウム及びインジウムの放射性同位体が好ましい。特に好ましいのは 99mTc−複合体である。
本発明に従う一般式Iの化合物が、例えばSc−43,Sc−44,Fe−52,Co−55,Ga−68又はCu−61のような陽電子放射性同位体を含むなら、これは陽電子放出断層撮影法(PET)において用いられ得る。
【0069】
本発明に従う一般式Iの化合物が例えばTc−99m又はIn−111 のようなγ−放射線放射性同位体を含むなら、それらは単一光子放出断層撮影法において用いられ得る。
本発明に従う化合物は、例えばIr−192 のような放射性同位体とのそれらの複合体において放射線療法においても用いられ得る。
【0070】
本発明に従う化合物は、放射線免疫療法又は放射線療法においても用いられ得る。後者は、用いられる同位体の量及び型によってのみ対応する診断から区別される。この場合において、目的は、最も小さい可能な範囲での高エネルギー軟波放射線による腫瘍の破壊である。適切なβ−放射性イオンは、例えばSc−46,Sc−47,Sc−48,Ga−72,Ga−73,Y−90,Re−186 又はRe−188 である。小さい半減期を示す適切なα−放射性イオンは、例えばAt−209 ,At−211 ,Bi−211 ,Bi−212 ,Bi−213 及びBi−214 であり、Bi−212が好ましい。適切な光子−及び電子−放射性イオンは、中性子捕獲により 157Gdから得られ得る 158Gdである。
【0071】
本発明に従う薬剤がR. L. Mills et al. (Nature 336, 787 (1988)) により提唱される放射線の変種における使用を意図するなら、中心のイオンは、例えば57Fe又は 151Euのようなメスバウアー同位体から得られなければならない。
【0072】
原子番号21〜29, 31, 39, 42〜44, 49, 57〜83又は85の要素の金属イオンを複合するために必要とされないこれらのカルボン酸基は、アルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物及び炭酸塩、特にナトリウム及びカリウム水酸化物、又はアンモニア及びアルキルアミン、のような無機もしくは有機塩基の塩、又はアミノ酸として、又はアミドのエステルとして任意に存在し得る。
【0073】
更に、粒子及び/又は放射線を発するように中性子により励起された化合物が用いられ得る、この場合に特に有効なのはガドリニウムである。有利には、これらの化合物は同位体ホウ素−10を含むものも用いられる。このように場合に、Kは次の構造:
【0074】
【化3】

(ここでXは1〜10の全ての数字を表す)を有する。
【0075】
本発明は、本発明に従う接合体の製造のための方法に更に関する。
これにより、接続構成物Bがオリゴヌクレオチドの5'末端に結合している接合体は、ホスホルアミジト誘導体(Tetrahedron 491925〜1963(1993))とのオリゴヌクレオチドの反応により得られうる。この端のために、オリゴヌクレオチドの5'−水酸基は一般式PR' (NR2'')OR''' のホスホルアミジトと反応される。この場合、R'は任意に置換され得る、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロピロキシ、ブチロキシ、ベンジロキシ又はフェニレトキシのような1〜20のC原子を含むN,NO2 ,Si又はSO2 を任意に含むアルキル、アルコキシ又はアリールアルコキシ基を表す。置換基として、特に、シアノ及びニトロ基が用いられる。有利には、例えば、メトキシ、β−シアノエトキシ又はニトロフェニルエトキシ基が用いられ得る。特に好ましいのは、β−シアノエトキシ基である。
【0076】
R''はC1〜C4アルキル基であり、エチル及びプロピル基が特に適する。好ましいのは、イソプロピル基である。R''' は、1〜20のC原子を有する、S,O,N,CN,NO2 又はハロゲンを任意に含むアルキル又はアリールアルキル基である。好ましくは、保護されたアミノ及びチオアルキル基並びに保護されたアミノ及びチオオキサアルキル基が用いられる。特に好ましいのは、6−アミノ−ヘキシル、6−チオヘキシル、3,6,9−トリオキサ−11−アミノ−ウンデシル及び3,6−ジオキサ−8−アミノ−オクタニル基である。保護基としては、一般的に通常のN−又はS−保護基が用いられる。例えば、トリフルオロアセチル、フタルイミド及びモノメトキシトリチル基が適切である。
【0077】
本発明の特に好ましい実施形態において、β−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ−6−(トリフルオロアセトアミド)−1−ヘキシル−ホスホルアミジトがホスホルアミジト誘導体として用いられる。
本発明の他の好ましい実施形態において、β−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ−(3,6,9−トリオキサ−11−フタルイミド−1−ウンデシル)−ホスホルアミジトがホスホルアミジト誘導体として用いられる。
本発明の他の実施形態において、接続構成物Bは、リン酸含有基により先に記載されるものに類似した様式においてオリゴヌクレオチドNの3'末端に結合される。
【0078】
オリゴヌクレオチドとホスホルアミジトとの間の先に記載の反応は、固相反応としておこり得、オリゴヌクレオチドは自動合成機のカラム上になお存在する。要求される配列のオリゴヌクレオチドが得られてオリゴヌクレオチドの5'−水酸基の露出が例えばトリクロロ酢酸でおこった後、それはホスホルアミジトと反応され、この反応産物が酸化され、遊離する。その後、これにより得られたオリゴヌクレオチド誘導体は末端アミノ又はチオール基上で任意に他のリンカー基により複合剤又は複合物Kに結合される。その後、オリゴヌクレオチド上のリン酸含有基による最初のステップにおけるラジカル結合が、任意に存在する付加的リンカー基、接続構成物Bと共に形成される。
【0079】
オリゴヌクレオチドと複合剤との間の結合は、オリゴヌクレオチドの5’−水酸基が、末端に結合可能なリン酸ラジカルを有する複合剤又は複合体と反応されるようにもおこり得る。このようなものは、次式:
a)
【0080】
【化4】

(ここで、Ra はβ−位置にシアノ基を任意に有するC1〜C6アルキル基を表し、
Rb は第2アミノ基を表し、そして
K及びBは先に示される意味を有する)、又は次式:
【0081】
b) O
【化5】

【0082】
(ここで、Rc はトリアルキルアンモニウムカチオンであり、K及びBは先に記載される意味を有する)又は次式:
【0083】
c)
【化6】

【0084】
(ここで、Rd は、1以上のハロゲン原子及び/又は1以上のニトロ基で任意に置換されたアリール基、又はβ−位置においてシアノ基で任意に置換されたC1〜C6アルキル基を表し、K,B及びRc は先に記載の意味を有する)により表され得、式a)のラジカルを用いる場合、カップリング反応の完了後にホスフェートへの酸化ステップがおこる。両方の場合において、ラジカル−ORa 又は−ORc は加水分解において任意に切断され得る。
【0085】
複合剤又は複合体Kとのリンカーによるオリゴヌクレオチド誘導体の結合は、自動合成機のカラム上の固相反応としてもおこり得る。本発明に従う化合物は、その後脱離により固体ビヒクルから単離され得る。
【0086】
オリゴヌクレオチドのリンカーとの結合は、末端ヌクレオチドの糖の5'−OH基ばかりでなく例えばアミノ又はカルボキシ基のような5'−OH基から生じ得る他の官能基によってもおこり得る。このようなアミノ又はカルボキシ基を有するヌクレオチドは周知であり、容易に作られ得る。5'−デオキシ−5'−アミノ−ウリジンの合成は、J. Med. Chem. 22, 1273 (1979) 及びChem. Lett. 6, 601 (1976) に記載される。4'−カルボキシ−5'−デオキシウリジンは、J. Med. Chem. 21, 1141 (1978) 、又はNucleic Acids Symp. Ser.,95(1981)に記載されるように利用できる。
【0087】
その後複合剤との結合は、当業者に公知であるカルボン酸又はアミノ基を有するリンカーによりおこる。その後、リンカーは、−NH−CH2−4'又は−CO−4'基と共に接続構成物Bを形成する。
本発明に従う接合体のヌクレオチドラジカル、接続構成物並びに複合剤もしくは複合体への分配は、純粋に形式的に、これにより実際の合成構造と独立しておこることが示され得る。これにより、例えば先に記載の場合において、基−NH−CH2−4'又は−CO−4'は接続構成物Bに属するとして考慮され、一方、CH2−OH基により4'−位置において還元されたオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドラジカルNとしてデザインされる。
【0088】
OHにより還元されたホスホジエステル又はホスホロチオエートブリッジへの接合構成物が生ずる接合体の製造方法は、最初に2つの糖ユニットがジヌクレオチドに結合することにある(例えばChem.Lett. 1305 (1993) を参照のこと)。この場合、最初に式:
【0089】
【化7】

【0090】
(ここで、Uは対応するアルキレン残基を表し、Vは保護されたアミノ又は硫黄基を表す)のトリエステルを生ずる。例えばアミノ保護基の切断の後、複合剤は、例えばアミド結合の形態において、アミノ基とのリンカーにより当業者に周知である方法において任意に結合され得る。その後、リンカーは基O−U−V’(ここでV’は基−NHを表す)と共に接続構成物Bを形成する。
【0091】
代わりの方法は、(例えば1,5−ジアミノペンタンとの反応により)介在的に通過するホスホジエステルがアミノリシスされることにある(Biochemistry 27, 7237 (1988) 又はJ. Am. Chem. Soc. 110, 4470 (1988)。
【0092】
これにより得られる式:
【化8】

【0093】
の化合物は、任意にリンカーにより、複合剤に先に記載のように結合され得る。
結合目的のために、ジヌクレオシド−ホスフェート−モノチオトリエステルも適する(J. Am. Chem. Soc. 111, 9117 (1983)及び Nucl. Acids Res. 20, 5205 (1992) を参照のこと)。
【0094】
ヌクレオベースは、ヌクレオチドに複合剤を結合させるために特に大きなバラエティーを供する。プリンの2−位置における、及びピリミジンの4−位置におけるアミノ基による結合は直接的におこり得る。しかし、プリン及びピリミジンを最初に改良して、これらの誘導された塩基を複合剤に(任意に付加的リンカーにより)結合させることがしばしば上り有利である。適切に誘導されたヌクレオベースは、例えば Biochemie〔Biochemistry〕71,319. (1989). Nucl. Acids Res. 16, 4937 (1988) 又はNucleosides Nucleotides10, 633 (1991)に記載される。
【0095】
ヌクレオベースによる結合のための代わりの方法は、官能基化された基との臭素又はヨウ素のパラジウムで触媒されるカップリングにある(Biogenic and Medical Chemistry Letter V. 361 (1994))。これらの官能基化された基により、複合剤はその後、周知の方法に従い、他のリンカーによりヌクレオベースと任意に結合され得る。ピリミジンの5−位置における、及びプリンの8−位置における官能基化され基として、アクリルエステル又はアリルアミンが例として挙げられる(Nucl. Acids Res. 14 6115 (1986)及び Nucl. Acids Res. 16, 4077 (1988) を参照のこと)。
【0096】
5−位置で改良されたピリミジンを調製するため、特に5−位置においてカルボニル、アルケニル又はアリール基のような官能基を導入するための他の代わりの方法、並びにピリミジンの5−位置において修飾基をカップリングすることができる改良されたパラジウム触媒は、1993年6月14日に出願された米国特許出願通し番号08/076,735に記載される。前駆体として用いられるハロゲン誘導体は、例えばBiophys. J. 44,201 (1983), J. Am. Chem. Soc. 86, 1242 (1964) 又はChem. Commun. 17 (1967) に記載されるように得られうる。
【0097】
金属無含有オリゴヌクレオチド接合体からの本発明に従う金属複合体の製造は、DE 34 01 052に記載されるように行われる。ここでは、要求される金属同位体の金属酸化物又は金属塩(例えばニトレート、アセテート、カルボネート、クロライド又はスルフェート)を、水及び/又は(メタノール、エタノール又はイソプロパノールのような)低級アルコール中に溶解又は懸濁し、複合剤を含む等量のオリゴヌクレオチド接合体の溶液又は懸濁液と反応させ、その後、必要に応じて、存在する酸性ハロゲン原子が無機及び/又は有機塩基又はアミノ酸又は遊離カルボン酸基のカチオンにより置換され、アミノ酸アミドに転化されることによる。
【0098】
なお存在する可能性のある遊離酸基の中和は、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム又はカルシウムの無機塩基(例えばヒドロキシド、カルボネート又はビカルボネート)、及び/又は例えばエタノールアミン、モルホリン、グルカミン、N−メチル−及びN,N−ジメチル−グルカミンのような第1、第2及び第3アミン等のような有機塩基、並びに例えばリシン、アルギニン及びオルニチンのような塩基性アミノ酸の、又はもとの中性もしくは酸性アミノ酸のアミドの助けによりおこる。
【0099】
本発明に従う医薬剤の製造は、任意に、生薬に用いられる添加物を加え、水性媒体中に懸濁又は溶解した後、懸濁液又は溶液を任意に滅菌する又はろ過により滅菌することにより当該技術において周知である方法においても行われる。適切な添加物は、例えば(例えばトロメタアミンのような)生理学的に無毒な緩衝液、(例えばジエチレントリアミンペンタ酢酸のような)複合剤の添加物又は必要に応じて例えば塩化ナトリウムのような電解質、又は必要に応じて例えばアスコルビン酸のような酸化防止剤、又は特に経口形態の投与のための、マンニトールもしくは他の浸透性活性物質を含む。
【0100】
水又は生理食塩水中の本発明に従う薬剤の懸濁液又は溶液が腸の投与又は他の目的のために必要とされるなら、それらは生薬(例えばメチルセルロース、ラクトース、マンニトール)及び/又は界面活性剤(例えばレシチン、 TweenTR, MyrjTR) に用いられる1以上の補助剤と混合される。
本発明に従う医薬剤は、好ましくは、本発明に従うオリゴヌクレオチド接合体 0.1μmol/l〜3mmol/lを含み、一般的に、0.01nmol/kg〜60μmol/kgの量で投与される。それらは、腸内及び非経口投与を意図される。
【0101】
生体内の使用における核医療において、標識された化合物が、一般的に体重の10−10/kgより少ない量で投与され、正確な量は研究される体の領域の関数として、特に研究の各々の選択された方法の関数としても極めて多様であり得る。70kgの平均体重から始めると、診断的使用のための放射能の量は40〜1100MBq 、好ましくは 200〜800MBq、の間であり、治療的使用のためには、投与当り1〜500MBq、好ましくは10〜100MBqである。投与は、静脈内、動脈内、間隙、腹膜又は腫瘍内に通常、行われ、静脈内投与が好ましい一般に、問題の薬剤の 0.1〜20mlが研究当りに投与される。
【0102】
本発明は、標的構造を検出するための方法に更に関する。この場合、一以上の先に記載の化合物が生体内又は試験管内で研究されるべきサンプルと一緒にされる。この場合、オリゴヌクレオチドラジカルNは検出されるべき標的構造に対して特異的が高結合アフィニティーで結合する。
【0103】
標的構造がサンプル中に存在するなら、それはシグナルを基にしてそこで検出され得る。本方法は、特に病気の非侵襲性の診断に適する。この場合、1以上の先に記載の化合物が生体内に投与され、オリゴヌクレオチドラジカルNが特異的かつ高アフィニティーで結合する標的構造が研究されるべき生物内に存在するか否かがシグナルにより検出され得る。
【0104】
しかし、研究されるべきサンプル内の標的構造の単なる検出に加えて、それは特異的に破壊もされ得る。この点において、本発明の化合物は特に放射線療法、例えば癌療法に適する。
本発明の他の実施形態は、1以上の、先に記載の化合物を含む標的構造の生体内検出のための診断キットを含む。
【0105】
本発明に従う接合体及び薬剤は、放射線療法及び診断のための医薬剤に基づいて作られるべきであるという多くの要求がある。それらは、問題の標的構造に比して高いアフィニティー又は特異性により、特に区別される。周知のオリゴヌクレオチド接合体に比して、本発明の接合体は生体内安定性が特に高い。これは、2'−水酸基の置換、及びヌクレオチドの末端水酸基上の改良されたチミジン配列の組込みにより達成された。驚くことに、オリゴヌクレオチドの特異性は、この改良又は複合剤とのカップリングのいずれによっても大きく害されない。他の利点は、制御可能な薬物速度及び必要な適合性である。
【0106】
本発明の種々の他の目的、特徴及び付随する利点は、添付の図面と組み合わせて考える時により十分に理解されるのと同様により十分に歓迎されるだろう。
【0107】
更なる研究なしに、当業者は、先の記載を用いて本発明をその十分な程度まで利用すると確信される。それゆえ、以下の好ましい特定の実施形態は、単に示すだけのものとして作られ、いずれの方法においても開示の残りを限定するものではない。
先の及び以下の実施例において、全ての温度はセルシウム温度で間違いなく記載され、示さなければ、全ての部及び百分率は重量による。1994年7月14日に出願されたDE 44 24 922 5を含む先及び以下に言及される全ての出版物、特許、及び出願の全体の開示は引用により本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0108】
実施例1.
a)35mer −オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の5'−(6−アミノ−ヘキシル−リン酸エステル)
上流におかれた配列 T*T*T*T*T-3' の改良と共にSELEX 法に従って同定された30mer −オリゴヌクレオチド 5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUA-3' をPharmacla company の自動合成機において普通の方法で作製し(Oligonucleotides and Analogues, A PracticalApproach, Ed. F. Eckstein, Oxford University Press, Oxford,New York, Tokyo, 1991)、このオリゴヌクレオチドを固定化ビヒクルのカラム上にも存在させる。ジクロロメタン中のトリクロロ酢酸溶液との反応により、5'−水酸基を開放させる。カラムの充填は 35mer −オリゴヌクレオチド約10mgである。
【0109】
リンカーに結合させるために、カラムを、テトラゾリンの存在下で(Nucl. Acids. Res 16, 2659〜2669 (1988) に従って作られた)β−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ−6−(トリフルオロアセトアミド)−1−ヘキシル−ホスホルアミジトと反応させる。形成されたホスフェートの完全に保護されたホスホトリエステルへの酸化を、テトラヒドロフラン中のヨウ素と共に行う。その後、カラムをメタノール及び水の連続液中で洗浄する。固体ビヒクルから改良されたオリゴヌクレオチドを除去するため、カラムの成分をマルチバイアルに移し、30%アンモニア溶液5mlと混合して、この容器を密閉して55℃で一晩振とうする。その後0℃に冷やして遠心し、このビヒクルを5mlの水で洗浄して、組み合わされた水性相を凍結乾燥させる。
【0110】
精製のために、この固体材料を2mlの水にとり、 0.5M酢酸アンモニウム溶液2mlと混合して10mlエタノールと混合して、−20℃で一晩遠心し、残りを1mlのエタノール(−20℃)で洗浄し、最後に室温で真空中で乾燥させる。無色の粉体としてタイトルの化合物8mgを得る。
【0111】
b)10−〔5−(2−カルボキシフェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−4−アザ−ペンチル〕−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(DO3A)50g(144.3mmol)を 250mlの水に溶解して、そのpHを5N水酸化ナトリウム溶液で13に調節する。その後、 100mlのジオキサン中のN−(2,3−エポキシプロピル)−フタルイミド 38.12g(187.6mmol)の溶液を1時間内に準備し、50℃で24時間、撹拌して、5N水酸化ナトリウム溶液を加えて13に維持する。
【0112】
この溶液を10%塩酸でpH2に調整し、真空中で乾燥するまでエバポレートする。残ったものを少量の水に溶解し、イオン交換カラム(Reiley(R)=ポリ−(4−ビニル)−ピリジン、水で溶出する)で精製する。主な画分を真空内でのエバポレーションにより濃縮し、残りをRP−18(LiChroPrep(R)/テトラヒドロフラン/メタノール/水の移動溶媒:勾配)上のクロマトグラフィーによる最終精製にかける。主要画分のエバポレーションによる濃縮の後、アモルファス固体 63.57g(理論値の71%)を得る。
水成分: 8.5%
(無水物に関する)元素分析
Cld : C 52.90 H 6.57 N 12.34
Fnd : C 52.65 H 6.68 N 12.15
【0113】
c)10−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
実施例1bのタイトル化合物50g(88.1mmol) を24時間、濃塩酸 300ml中に還流する。それを乾燥するまでエバポレートし、残ったものを少量の水に溶かしてイオン交換カラム(Reiley(R)=ポリ−(4−ビニル)−ピリジン(水で溶出する))上で精製する。主要画分を乾燥するまでエバポレートする、
収率:ガラス質の固体39g(理論値の95%)
水成分:10.3%
(無水物に関する)元素分析:
Cld : C 48.68 H 7.93 N 16.70
Fnd : C 48.47 H 8.09 N 16.55
【0114】
d)10−(7−(4−ニトロフェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−7−(カルボキシメチル)−4−アザ−ヘプチル〕−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
3−(4−ニトロフェニル)−無水グルタル酸(J. Org. Chem.26, 3856 (1961)) 9.84g(41.8mmol) をジメチルホルムアミド 200ml/トリエチルアミン20mlの 200ml中の実施例1c)のタイトル化合物 14.62g(34.86mmol)に加え、室温で一晩撹拌する。それを乾燥するまで真空中でエバポレートする。残ったものをイソプロパノール/酢酸95:5から再結晶化する。
収率:黄色様固体 21.68g(理論値の95%)
水成分: 0.9%
(無水物に関する)元素分析:
Cld : C 51.37 H 6.47 N 12.84
Fnd : C 51.18 H 6.58 N 12.67
【0115】
e)10−〔7−(4−アミノフェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−7−(カルボキシメチル)−4−アザ−ヘプチル〕−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
実施例1d)のタイトル化合物21.0g(32.07mmol)をメタノール 250ml中に溶かし、5gのパラジウム触媒(C上10%Pd)を加える。それを一晩室温で水素化する。触媒をろ過して除き、ろ液を乾燥するまで真空中でエバポレートする。
収率:クリーム色の固体 19.63g(理論値の98%)
水成分: 0.8%
(無水物に関する)元素分析:
Cld : C 53.84 H 6.35 N 12.60
Fnd : C 53.73 H 6.45 N 12.51
【0116】
f)10−〔7−(4−イソチオシアナトフェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−7−(カルボキシメチル)−4−アザ−ヘプチル〕−1,4,7−トリス(カルボキシ−メチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
実施例1e)のタイトル化合物12.4g(19.27mmol)を 200mlの水中に溶解して50mlのクロロホルム中6.64g(57.8mmol) のチオホスジーンを加える。それを50℃で1時間、撹拌する。それを室温まで冷却して、有機相を分離して水相をクロロホルム 100mlで2回、振とうする。水相を乾燥するまでエバポレートして、残ったものを室温で 100mlのイソプロパノールで吸収的に沈殿させる。この固体をろ過しておとし、エーテルで洗浄する。真空中で一晩、乾燥させた後(40℃)、クリーム色の固体 12.74g(理論値の97%)を得る。
水成分: 3.1%
(無水物に関する)元素分析:
Cld : C 52.24 H 6.35 N 12.60 S 4.81
Fnd : C 52.37 H 6.44 N 12.48 S 4.83
【0117】
g)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の5−(6−アミノ−ヘキシル−リン酸エステル)及び10−〔7−(4−イソチオシアナト−フェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−7−(カルボキシメチル)−4−アザヘプチル〕−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンの接合体
実施例1a)で得られたオリゴヌクレオチド8mgを 2.5mlのNaHCO3/Na2CO3緩衝液(pH8.0)に溶かして、1mgの10−(7−(4−イソチオシアナトフェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−7−(カルボキシメチル)−4−アザ−ヘプチル〕−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(実施例1f)のタイトル化合物)と混合する。それを室温で5時間、撹拌して0.01M塩酸を加えることによりそのpHを 7.2に調節し、この溶液を排除限界 3,000の膜(Amicon YM3) を通して限外ろ過し、次に凍結乾燥する。要求される接合体7mgを得る。
【0118】
h)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の5−(6−アミノ−ヘキシル−リン酸エステル)及び10−〔7−(4−イソチオシアナトフェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−7−(カルボキシメチル)−4−アザヘプチル〕−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのチオウレア接合体の 111インジウム複合体
(2M酢酸ナトリウム溶液中 111インジウム(III )クロライドから、pHを 0.1M塩酸で 4.0に調節して作られる) 111インジウム(III )アセテート溶液(350μCi)15μlを、MES 緩衝液、pH6.2 (MES=2−(M−モルホリノ)エチルスルホン酸中実施例1g)のタイトル化合物1mgの溶液 135μlに加える。
【0119】
0.01M塩酸を加えることによりpHを 4.2にする。それを2M酢酸ナトリウム溶液でpH6にして、 0.1M EDTA =エチレンジアミン−テトラ酢酸ジナトリウム塩を複合体過剰 111インジウムに加える。これにより得られた標識された接合体(2h)の最終精製を、HPLC(排除クロマトグラフィー: TSK−400 /MES −緩衝液)により行う。標識接合体を含む画分を生理食塩水で希釈し、0.01M水酸化ナトリウム溶液でpH7.21に調節してろ過する。その後、これにより作られた溶液は放射線診断のための適した調製物となる。
【0120】
実施例2.
a)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の5'(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)及びN−〔2−アミノ−3−(4−イソチオシアナトフェニル)−プロピル〕−トランス−シクロ−ヘキサン−1,2−ジアミン−N,N’−N',N'',N''' −ペンタ酢酸の接合体
実施例1a)で得られたオリゴヌクレオチド8mgを 2.5mlのNaHCO3/Na2CO3緩衝液(pH8.0)中に溶解し、1mgのN−〔2−アミノ−3−(p−イソチオシアナトフェニル)プロピル〕−トランス−シクロヘキサン−1,2−ジアミン−N,N'',N’,N'',N'''−ペンタ酢酸を加える(Bioconjugate Chem.,59 (1990) に従って作られる)。それを室温で5時間、撹拌した後、 0.1M塩酸でpH7.2 に調節し、この溶液を排除限界 3,000(Amicon YM3) の膜を通して限外ろ過する。凍結乾燥させた後、チオウレア接合体2a)の6mgを得る。
【0121】
b)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の5'(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)及びN−(2−アミノ−3−(4−イソチオシアナトフェニル)−プロピル〕−トランス−シクロヘキサン−1,2−ジアミン−N,N',N',N'',N''' −ペンタ酢酸の接合体のビスマス−212 複合体 0.1Mの塩酸中の 212ビスマス−テトラヨウ化物溶液を2M酢酸でpH4にする。約3mCiの活性のこの溶液のアリコートを実施例2a)のタイトル化合物1mgに加え、0.02M MES−緩衝液 0.5ml中に溶かして、0.15M塩化ナトリウム溶液 0.5mlを加える。それを室温で20分間、撹拌する。それを2M酢酸ナトリウム溶液でpH6にして0.01M Na2 EDTA 溶液20μlを加える。それを20分間、撹拌する。
【0122】
複合体の精製をHPLC(排除クロマトグラフィー: TSK−400 /MES−緩衝液)により行う。放射性接合体画分を組み合わせて、生理食塩水で希釈し、0.01M水酸化ナトリウムでpH7.2 に調節する。ろ過の後、放射線療法に適した調製物が得られる。
【0123】
実施例3
a)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の5'(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)及びN−〔2−アミノ−3−(4−イソチオシアナトフェニル)−プロピル〕−トランス−シクロ−ヘキサン−1,2−ジアミン−N,N'-N',N'',N''' −ペンタ酢酸の接合体のインジウム−111 複合体(2M酢酸ナトリウム溶液中 111インジウム(III)クロライドから、 0.1M塩酸でpHを 4.0に調節して作られた) 111インジウム(III)アセテート溶液(350μCi)15μlの15mlを MES−緩衝液、pH6.2 (MES=2−(N−モルホリノ)エチルスルホン酸)中1mgの実施例2a)のタイトル化合物の溶液の 0.5mlに加える。0.01M塩酸を加えることによりpHを 5.0にする。
【0124】
それをpH5.0 で37℃で1時間、撹拌する。それを2M酢酸ナトリウム溶液でpH6にして、10μlの 0.1M Na2 EDTA =エチレンジアミン−テトラ酢酸ジナトリウム塩を、複合過剰 111インジウムに加える。これにより得られる標識接合体(1h)の最終精製をHPLC(排除クロマトグラフィー: TSK−400 /MES −緩衝液)により行う。標識された接合体を含む画分を生理食塩水で希釈して0.01M水酸化ナトリウム溶液でpH7.2 に調節し、ろ過する。これにより作られる溶液は、その後放射線診断のために適する調製物である。
【0125】
実施例4.
a)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGCAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の5'−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び2−(4−イソチオシアナト−ベンジル)−ジエチレントリアミン−N,N,N',N'',N''−ペンタ酢酸の接合体
実施例1a)で得られたオリゴヌクレオチド8mgを 2.5mlのNaHCO3/Na2CO3緩衝液(pH8.0)中に溶かして、1mgの2−(4−イソチオシアナト−ベンジル)−ジエチレントリアミン−N,N',N',N'',N''−ペンタ酢酸を加える(Bioconjugate Chem.,187(1990)に従って作られたもの)。それを室温で5時間、撹拌した後、0.01M塩酸でpH7.2 に調節して、この溶液を排除限界 3,000の膜(Amicon YM3) を通して限外ろ過する。凍結乾燥した後、チオウレア接合体6mgを得る。
【0126】
b)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGCAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の5'−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び2−(4−イソチオシアナト−ベンジル)−ジエチレントリアミン−N,N,N',N'',N''−ペンタ酢酸の接合体のイットリウム−90複合体
0.05M酢酸アンモニウム溶液(約 380mCi) 中に溶かされた90イットリウムの溶液をpH6の0.05M酢酸アンモニウム溶液中1mgの実施例4a)のチオウレア誘導体に加え、3M酢酸でpH5.2 に調整し、室温で1時間、撹拌する。それを0.01M水酸化ナトリウム溶液でpH7.0 に調節してこの接合体をHPLC(TSK−400/MES −緩衝液)により精製する。主要画分を組み合わせ、生理食塩水で希釈して0.01M水酸化ナトリウム溶液でpH7.2 にする。ろ過の後、放射線療法に適した調製物が得られる。
【0127】
実施例5.
a)35mer −オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
(セリンプロテアーゼのための改良されたリガンド)の5'−(6−メルカプト−1−ヘキシル−リン酸エステル)
糖ユニットにおいて5チミジンの5'−結合配列により修飾されたSELEX 法に従って同定された30mer −オリゴヌクレオチド
5'-AGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
(米国特許第 5,270,163号の配列番号:13)をPharmacia companyの自動合成機において通常の方法で作り(Oligonucleotides and Analogues, A Practical Approach, Ed. F. Eckstein, Oxford University Press, Oxford New York, Tokyo, 1991) 、このオリゴヌクレオチドも固体ビヒクルのカラム上に存在させる。
【0128】
ジクロロメタン中のトリクロロ酢酸溶液との反応により、5'−ヒドロキシル基を開く。カラムの充填は約10mgの35mer −オリゴヌクレオチドである。リンカーと結合させるために、カラムを、テトラゾリンの存在下でアセトニトリル中の50μmol のβ−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ−S−トリチル−6−メルカプト−ホスホルアミジトの溶液と反応させる。形成されたホスファイトの完全に保護されたホスホトリエステルへの酸化をテトラヒドロフラン中のイオジンで行う。その後、カラムをメタノール及び水で連続的に洗浄する。固体ビヒクルから改良されたオリゴヌクレオチドを除去するために、カラムの成分をマルチバイアルに移し、30%アンモニア溶液5mlと混合し、この容器を密閉して55℃で一晩振とうする。それをその後0℃まで冷却し、遠心してビヒクルを5mlの水で洗浄し、組み合わされた水相を凍結乾燥させる。
【0129】
精製のために、固体材料を2mlの水にとり、 0.5M酢酸アンモニウム溶液2mlと混合して10mlエタノールと混合し、それを−20℃で一晩安置して遠心し、残ったものを1mlのエタノールで洗浄し(20℃)、最後に室温で真空中で乾燥させる。
9mgのS−トリチル化タイトル化合物を得る。トリチル保護基を切断するために、産物を 0.5mlの水に溶かして、 0.1mlの1M硝酸銀溶液と混合し、室温で1時間、撹拌する。その後、それを 0.1mlの1Mジチオトレイトール溶液と混合する。15分後、それを遠心し、その上清の溶液を酢酸エチルで数回抽出する。凍結乾燥した後、要求されるタイトル化合物8mgを水溶液から得る。
【0130】
b)4−ベンジロキシ−N−メタンスルホニル−フェニルアラニン−メチルエステル
メタンスルホン酸クロライド 19.58gを0℃において 300mlのピリジン中50gの4−ベンジロキシ−フェニルアラニン−メチル−エステル−ヒドロクロライド中に入れ、0℃で3時間、撹拌する。それを乾燥するまで真空中でエバポレートして、残ったものをジクロロメタン 500ml中に溶かす。それを各々5N塩酸で2回、振とうして出し、硫酸マグネシウム上で乾燥させて真空中でのエバポレーションにより濃縮する。残ったものを 150mlのメタノールから再結晶化する。
収率:無色結晶性粉体 53.64g
【0131】
c)2−(4−ベンジロキシベンジル)−1−メタンスルホニル−1,4,7−トリアザ−ヘプタン−3−オン
4−ベンジロキシ−N−メタンスルホニル−フェニルアラニン−メチルエステル37.2g及び1,2−ジアミノエタン 1.2lを80℃で3時間、撹拌する。残ったものを乾燥するまでエバポレートして、 200mlの水で吸収的に沈殿させ、この沈殿物を吸い出げて出し、水で中性に洗浄し、60℃で一晩乾燥させる。
収率:クリーム色のアモルファス粉体 37.68g
【0132】
d)2−(4−ベンジロキシベンジル)−1−メタンスルホニル−7−(tert−ブチロキシカルボニル)−1,4,7−トリアザヘプタン−3−オン
200mlクロロホルム中2−(4−ベンジロキシベンジル)−1−メタンスルホニル−1,4,7−トリアザヘプタン−3−オン 16.23g及びトリエチルアミン4.76gの溶液を0℃で50mlクロロホルム中 10.27gのジ−tert−ブチル−ジカルボネートの溶液と混合する。それを室温で5時間、撹拌して5%炭酸ナトリウム溶液及び水と共に振とうして、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空におけるエバポレーションにより濃縮する。この残ったものをメタノール 100mlから再結晶化する。
収率:泡状固体 20.19g
【0133】
e)2−(4−ヒドロキシベンジル)−1−メタンスルホニル−7−(tert−ブチロキシカルボニル)−1,4,7−トリアザヘプタン−3−オン
ジクロロメタン 300ml中に溶かされた20gの2−(4−ヒドロキシベンジル)−1−メタンスルホニル−7−(tert−ブチロキシカルボニル)−1,4,7−トリアザヘプタン−3−オンを水素雰囲気下で一晩、パラジウム−炭素(10%)4gと共に撹拌する。それをろ過してその溶液を真空におけるエバポレーションにより濃縮する。
収率:数分後に硬化するガラス質の泡 16.17g
【0134】
f)2−〔4−(3−オキサプロピオン酸−ベンジルエステル)−ベンジル〕−1−メタンスルホニル−7−(tert−ブチロキシカルボニル)−1,4,7−トリアザヘプタン−3−オン
15gの2−(4−ヒドロキシベンジル)−1−メタンスルホニル−7−(tert−ブチロキシカルボニル)−1,4,7−トリアザヘプタン−3−オン、8.56gのブロモ酢酸−ベンジルエステル及び 13.18gの炭酸カリウムを24時間、 300mlのアセトニトリル中で還流させる。それをろ過して乾燥するまで真空中でエバポレートする。この残りのものをジクロロメタン 200ml中に溶かして、各々50mlの水と共に2回振とうする。この有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中のエバポレーションにより濃縮する。この残ったものを溶離液としてジクロロメタン−ヘキサン−アセトン(20/10/1)でクロマトグラフィーを行う。
収率:泡状固体 10.06g
【0135】
g)2−〔4−(3−オキサプロピオン酸−ベンジルエステル)−ベンジル〕−1−メタンスルホニル−1,4,7−トリアザヘプタン−3−オン
10gの2−〔4−(3−オキサプロピオン酸−ベンジルエステル)−ベンジル〕−1−メタンスルホニル−7−(tert−ブチロキシカルボニル)−1,4,7−トリアザヘプタン−3−オンを 100mlのトリフルオロ酢酸と共に室温で1時間、撹拌する。それを乾燥するまで真空中でエバポレートする。
収率:放置の間に硬化するガラス様泡 9.2g
【0136】
h)9−クロロ−1−メタンスルホニル−2−〔4−(3−オキサプロピオン酸−ベンジルエステル)−ベンジル〕−1,4,7−トリアザ−3,8−ジオン
9gの2−〔4−(3−オキサプロピオン酸−ベンジルエステル)−ベンジル〕−1−メタンスルホニル−1,4,7−トリアザヘプタン−3−オン及び1.78gのトリエチルアミンを 200mlのクロロホルム中に溶かす。0℃において、20mlのクロロホルム中に溶かされたクロロアセチルクロライド1.98gを30分収内に充填し、その後0℃で2時間、撹拌する。それを5%塩酸 100mlで、各々水50mlで2回、洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、乾燥するまで真空中でエバポレートする。残ったものを溶離液としてジクロロメタン−エチルアセテート(20/1)を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィーを行う。
収率:ろう状固体6.97g
【0137】
i)9−クロロ−1−メタンスルホニル−2−〔4−(3−オキサプロピオン酸−ベンジルエステル)−ベンジル〕−1,4,7−トリアザ−3,8−ジオン
150mlのジクロロメタン中に溶かされた 6.5gの9−クロロ−1−メタンスルホニル−2−〔4−(3−オキサプロピオン酸−ベンジルエステル)−ベンジル〕−1,4,7−トリアザ−3,8−ジオンを水素雰囲気下で2gのパラジウム−炭素(10%)と共に一晩撹拌する。それをろ過して、この溶液を真空におけるエバポレーションにより濃縮する。
収率:ガラス状固体5.33g
【0138】
j)10−アセチル−2−〔4−(3−オキサプロピオン酸)−ベンジル〕−1−(メタンスルホニル)−10−チア−1,4,7−トリアザデカン−3,8−ジオン
80mlのクロロホルム中に溶解された5gの9−クロロ−1−メタンスルホニル−2−〔4−(3−オキサプロピオン酸−ベンジルエステル)−ベンジル〕−1,4,7−トリアザ−3,8−ジオンを10分間、1.98gのトリエチルアミン及び0.74gのチオ酢酸で還流させる。この溶液を 200mlの氷冷5%塩酸に注ぎ、有機相を分離して硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空におけるエバポレーションにより濃縮する。ヘキサン−酢酸エチル(3/1)でのシリカゲル上でのクロマトグラフィーの後、要求される化合物4.64gをガラス様固体として得る。
【0139】
k)10−アセチル−2−〔4−(3−オキサプロピオン酸)−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)−エステル)−ベンジル〕−1−(メタンスルホニル)−10−チア−1,4,7−トリアザデカン−3,8−ジオン
4gの10−アセチル−2−〔4−(3−オキサプロピオン酸)−ベンジル〕−1−(メタンスルホニル)−10−チア−1,4,7−トリアザデカン−3,8−ジオン、1.91gのジシクロヘキシルカルボジイミド、4gのN−ヒドロキシスクシニミド及び30mgの4−ジメチルアミノピリジンを室温で20mlのクロロホルム中で24時間、撹拌する。その後、それを20mlのジエチルエーテルと混合し、ろ過して、残ったものを真空でのエバポレーションにより濃縮する。残ったものを溶離液としてジクロロメタン−ジオキサン(10/1)を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィーを行う。
収率:クリーム色固体3.47g
元素分析:
Cld : C 46.15 H 4.93 N 9.78 S 11.20
Fnd : C 46.03 H 4.83 N 9.64 S 11.05
【0140】
l)10−アセチル−2−{4−〔3−オキサプロピオン酸−(6−マレイミド−ヘキサノイル)−ヒドラジド〕−ベンジル}−1−メタンスルホニル−10−チア−1,4,7−トリアザデカン−3,8−ジオン
3gの10−アセチル−2−〔4−(3−オキサプロピオン酸−(2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル)−エステル)−ベンジル〕−1−(メタンスルホニル)−10−チア−1,4,7−トリアザデカン−3,8−ジエン及び1.17gの6−マレイミドカプロン酸ヒドラジド(Science 261, 212 (1993))を60℃で5時間、40mlのジメチルホルムアミド中で撹拌する。激しく撹拌しながら、 100mlの水を充填して、沈殿した沈殿物からろ過して出す。それを真空中で乾燥させて、残ったものを溶離液としてジクロロメタン/ジオキサン(10/1)を用いるシリカゲルカラム上でのFLASH クロマトグラフィーにより精製する。 2.8gのタイトル化合物を白色固体として得る。
【0141】
(無水物に関する)元素分析:
Cld : C 49.25 H 5.61 N 12.30 S 9.39
Fnd : C 49.33 H 5.95 N 12.43 S 9.11
m)35mer オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
の5’−(6−メルカプト−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び10−アセチル−2−{4−〔3−オキサプロピオン酸−(6−マレイミド)−ヘキサノイル)−ヒドラジド〕−ベンジル}−1−メタンスルホニル−10−チア−1,4,7−トリアザデカン−3,8−ジオン
実施例5a)に従って作られたチオール含有オリゴヌクレオチド5mgを 0.2mlのジメチルホルムアミド中に溶解された実施例5l)に従って作られたマレイミド誘導体1mgと2mlのリン酸緩衝液(pH7.4)中で混合する。それを2時間、室温で放置し、その溶液を排除限界 3,000 (Amicon YM3) の膜を通す限外ろ過を行った後、凍結乾燥させる。5mgの要求される接合体を得る。
【0142】
n)35mer −オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
の5’−(6−メルカプト−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び10−アセチル−2−{4−〔3−オキサプロピオン酸−(6−マレイミド)−ヘキサノイル)−ヒドラジド〕−ベンジル}−1−メタンスルホニル−10−チア−1,4,7−トリアザデカン−3,8−ジオンの接合体のテクネチウム−99m複合体
0.2M NaHCO3 中D−グルカル酸カリウム(12mg/ml)及び塩化スズ(II)(100μg/ml)の1mlをバイアル内で凍結乾燥させ、その後Mo−99/Tc−99mジェネレーターからの〔Tc−99m〕−ナトリウムペルテクネテート溶液(1ml,1mCi)と混合する。室温で15分おいた後、アリコートを取り除き、 0.2M NaHCO3 溶液中に溶かされた実施例5m)の接合体(1mg/ml)の同量と混合する。15分後、薄層クロマトグラフィー及びHPLCは、98%超の放射能が接合体により取り込まれていることを示した。
【0143】
実施例6.
a)35mer −オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の5’−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)及びS−ベンゾイルMAG3−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルエステルの接合体
0.2mlのジメチルホルムアミドに溶解された(US 4,965,392に従って作られた)3mgのS−ベンゾイルMAG3−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルエステルを 0.5mlの 0.1Mリン酸緩衝液(pH7)に溶かされた実施例1a)のタイトル化合物8mgに加え、室温で3時間、撹拌する。それを水で希釈してその溶液を限外ろ過(Amicon YM3、排除限外 3,000) にかける。凍結乾燥後、5mgの接合体6a)を得る。
【0144】
b)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の5'−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)及びS−ベンゾイルMAG3−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルエステルの接合体の 99mテクネチウム複合体
実施例6a)のタイトル化合物1mgを 200μlの水に溶かし、pH8.5 の 0.1Mリン酸緩衝液1mlと混合する。 99mテクネチウム−(V)−グルカネート溶液 200μl(約15mCi)をこの混合物に加えて室温で15分間おく。(HPLCにより測定された)残ったものの収率は約95%である。
【0145】
実施例7.
a)35mer −オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の5'−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−4,5−ビス(メルカプトアセタミド)−ペンタン酸エステルの 99mテクネチウム複合体の接合体
0.6mlのリン酸緩衝液に溶解された実施例1a)のタイトル化合物3mgを、2mlのリン酸緩衝液pH7.2 に溶解された(J. Nucl. Med. 32, 1445 (1991) に従って作られた)2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−4,5−ビス(メルカプトアセタミド)−ペンタン酸エステル約 100mCiに加える。それを 1.0M炭酸カリウム緩衝液でpH10に調節して室温で20分間、撹拌する。最終的な精製のために、この溶液をSephadex colum (Pharmacia)に加え、塩化ナトリウム溶液75mmolで溶出する。主要画分を組み合わせて、生理食塩水で希釈してろ過する。これにより得られた溶液は、放射線診断の研究のために用いられ得る。
【0146】
実施例8.
a)35mer −オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
の5'−(6−メルカプト−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び5'(N−マレイミド)−3−オキサペンチル−{2−〔3−カルボキシベンゾイル)−チオ〕−アセチル}−グリシルグリシルグリシネートの接合体
5mgの実施例5a)に従って作られたチオ含有オリゴヌクレオチドを、N2 下で、2mlのリン酸緩衝液(pH7.4)中で、 0.2mlのジメチルホルムアミド中に溶解された(Bioconj. Chem.,431 (1990)に従って作られた)1mgの5−(N−マレイミド)−3−オキサペンチル−{2−〔3−カルボキシ−ベンゾイル)−チオ〕−アセチル}−グリシル−グリシルグリシネートと混合する。それを膜(Amicon YM3) を通して限外ろ過し、その後凍結乾燥する。 5.5mgの要求される接合体が得られる。
【0147】
b)35mer オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
の5’−(6−メルカプト−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び5’(N−マレイミド)−3−オキサペンチル−{2−〔3−カルボキシベンゾイル)−チオ〕−アセチル}−グリシルグリシルグリシネートのテクネチウム−99m複合体
0.2M NaHCO3 中D−グルカル酸カリウム(12mg/ml)及び塩化スズ(II)(100μg/ml)の溶液1mlをバイアル内で凍結乾燥させて、その後Mo−99/Tc−99mジェネレーターからの〔Tc−99m〕−ナトリウムペルテクネテート溶液(1ml,1mCi)と混合する。室温で15分おいた後、アリコートを取り出し、 0.2M NaHCO3 溶液に溶解された実施例8a)の接合体(1mg/ml)の同量と混合する。凍結乾燥により物質を単離することができる。HPLCにより測定された残ったものの収率は96%超である。
【0148】
実施例9.
a)35mer −オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
の5’−(6−メルカプト−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び1−〔6−(2−ビニル−6−ヘキシロキシメチル)−ピリジン〕−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンの接合体
リン酸緩衝液(pH7.4)2ml中の実施例5a)に従って作られたチオ含有オリゴヌクレオチド4mgの溶液を、N2 下において、 0.5mlのジメチルホルムアミドに溶かされた(EP 0 588 229に従って作られた)1mgの1−〔6−(2−ビニル−6−ヘキシル−オキシメチル)−ピリジン〕−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンと混合する。それを35℃で4時間、撹拌し、10mlのエタノールと混合し、その産物を遠心により単離する。50mmolトリエチルアンモニウムアセテート(pH7)アセトニトリル勾配を用いる1×25cmカラムでの逆相クロマトグラフィーにより精製を行う。組み合わされた画分を凍結乾燥し、1mlの水に溶かしてSephadex G-10 カラムで脱塩する。タイトル化合物(約4mg)を凍結乾燥により単離する。
【0149】
b)35mer −オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
の5'−(6−メルカプト−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び1−〔6−(2−ビニル−6−ヘキシロキシメチル)−ピリジン〕−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンの接合体のTc−99m複合体
実施例8b)に記載されるような手順を行う。HPLCによる残ったものの収率は92%である。
【0150】
実施例10.
a)35mer オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
の5'−(6−メルカプト−1−ヘキシル−リン酸エステル)及びN−〔4−ヒドロキシ−3−(1,4,8,11−テトラアザ−シクロテトラデク−5−イル)−ベンジル〕−2−(6−ビニル−ピリジン−2−イルメトキシ)−アセタミドの接合体
リン酸緩衝液(pH8.0)2ml中の実施例5a)に従って作られたチオール含有オリゴヌクレオチドの 6.5mgの溶液を、 0.1mlのジメチルホルムアミドに溶かされた(J. Chem. Soc., Chem. Commun. 156 (1988) に従って作られた)N−〔4−ヒドロキシ−3−(1,4,8,11−テトラアザ−シクロテトラデク−5−イル〕−ベンジル−2−(6−ビニル−ピリジン−2−イルメトキシ)−アセタミド 1.2mgと混合する。
【0151】
それを35℃で窒素下で4時間、撹拌して10mlのエタノールと混合し、その産物を遠心により単離する。50mmolトリエチルアンモニウムアセテート(pH7)/アセトニトリル勾配を用いる1×25cmカラムでの逆相クロマトグラフィーにより精製を行う。組み合わされた画分をSephadex-G-10 カラムで脱塩する。凍結乾燥することにより、5mgのタイトル化合物を白色粉体として得る。
【0152】
b)35mer オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
の5'−(6−メルカプト−1−ヘキシル−ホスホン酸エステル)及びN−〔4−ヒドロキシ−3−(1,4,8,11−テトラアザ−シクロテトラデク−5−イル)−ベンジル〕−2−(6−ビニル−ピリジン−2−イルメトキシ)−アセタミドの接合体の銅−64複合体
10a)に従って得られた接合体1mgを64CuCl2 10, 2mCi)を含む1mlのリン酸緩衝液中でインキュベートする。HPLCにより1時間後に測定された残ったものの収率は98%超である。その産物を凍結乾燥により単離する。
【0153】
実施例11.
a)35mer オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
の5'−(6−メルカプト−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−2−〔(5−アザ−8−マレイミド−6−オキソ)−オクタン〕−1,4,7,10−テトラ酢酸の接合体
(J. Chem. Soc., Chem. Commun. 796, (1989)に従って作られた)1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−2−〔(5−アザ−8−マレイミド−6−オキソ)−オクタン〕−1,4,7,10−テトラ酢酸1mgをN2 下において2mlのリン酸緩衝液(pH8)中で実施例5a)に従って作られたチオール含有オリゴヌクレオチド5mgの溶液に加える。それを35℃で3時間、撹拌してイソプロピルアルコール10mlと混合してその産物を遠心により単離する。25mmolトリエチルアンモニウムアセテート(pH7)/アセトニトリル勾配を用いる1×25cmカラムでの逆相クロマトグラフィーにより精製を行う。組み合わされた画分を真空でのエバポレーションによりゆっくりと濃縮し、少量の水に溶かしてSephadex-G-10 カラムで脱塩する。凍結乾燥することにより、4mgのタイトル化合物を白色粉体として得る。
【0154】
b)35mer オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
の5'−(6−メルカプト−1−ヘキシル−ホスホン酸エステル)及び1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−2−〔(5−アザ−8−マレイミド−6−オキソ)−オクタン〕−1,4,7,10−テトラ酢酸の接合体のイットリウム−90複合体
1mlの0.05M酢酸アンモニウム溶液に溶解された90Y−アセテート(1mCi)を1mgの実施例11a)に従って作られた接合体と混合し、1時間、85℃に加熱する。HPLCにより測定された残ったものの収率は95%超である。この産物を凍結乾燥により単離する。
【0155】
実施例12.
a)35mer オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
の5'−(6−メルカプト−1−ヘキシル−ホスホン酸エステル)及び1,4,7−トリアザシクロノナン−2−〔(5−アザ−8−マレイミド−6−オキソ)−オクタン〕−1,4,7−トリ酢酸の接合体
(J. Chem. Soc., Chem. Commun. 794, (1989)に従って作られた)1,4,7,10−トリアザシクロノナン−2−〔(5−アザ−8−マレイミド−6−オキソ)−オクタン〕−1,4,7−トリ酢酸をN2 下において、2mlのリン酸緩衝液(pH8)中の実施例5a)に従って作られたチオール含有オリゴヌクレオチド5mgの溶液に加える。
【0156】
それを35℃で6時間、撹拌し、10mlのイソプロパノールの10mlに混合し、その産物を遠心により単離する。25mmolのトリエチルアンモニウムアセテート(pH7)/アセトニトリル勾配を用いる1×25cmカラムでの逆相クロマトグラフィーにより精製を行う。組み合わせた画分を真空でのエバポレーションによりゆっくりと濃縮し、少量の水に溶かして、Sephadex-G-10 カラムにより脱塩する。凍結乾燥することにより、3mgのタイトル化合物を白色粉体として得る。
【0157】
b)35mer オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
の5'−(6−メルカプト−1−ヘキシル−ホスホン酸エステル)及び1,4,7−トリアザシクロノナン−2−〔(5−アザ−8−マレイミド−6−オキソ)−オクタン〕−1,4,7−トリ酢酸の接合体のガリウム−67複合体
実施例12a)に従って作られた接合体20mgをpH4.5 の 0.1Mクエン酸緩衝液 0.5mlに溶かして、 0.1mlのガリウム−67−クエン酸溶液(0.2mCi)と混合する。室温に2時間放置し、この産物をSephadex-G-10 カラムで脱塩する。凍結乾燥した後、17mgのタイトル化合物を白色粉体として得る。
【0158】
実施例13.
a)5'-O-(4,4'−ジメトキシトリチル)−5−(プロプ−2−エン−1−オン)−2’−デオキシウリジンのホスファイト化
50mgの4−ジメチルアミノピリジン、3mlのジイソプロピルエチルアミン及び 962μl(4.31mmol) の2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルクロロホスホルアミジトを、50mlのテトラヒドロフラン中の(Nucleosides & Nucleotides 13, 939〜944, (1994) に従って作られた) 2.1g(3.59mmol) の5'−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−5−(プロップ−2−エン−1−オン)−2’−デオキシウリジンの撹拌溶液に連続的に加える。
【0159】
約30分後に、白色沈殿を形成する。それをろ過し、その溶液を真空におけるエバポレーションにより濃縮し、その残りをジクロロメタンと5%重炭酸ナトリウムとの間に広げる。ジクロロメタン相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空におけるエバポレーションにより濃縮する。残ったものをジクロロメタン/ヘキサン/ジイソプロピルエチルアミン(80:18:2)で溶出する。 1.8gの要求される化合物を白色泡として得る。
原素分析:
Cld : C 64.28 H 6.29 N 7.14 P 3.95
Fnd : C 64.02 H 6.60 N 7.21 P 4.09
【0160】
b)36mer オリゴヌクレオチド
U*T*T*T*T*TCUCAUGGAGCCAAGACGAAUAGCUACAUA-3'
及び10−(4−アザ−2−ヒドロキシ−5−イミノ−8−メルカプト−オクタン)−1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンの接合体
* :5−(プロプ−2−エン−1−オン)−2'−デオキシウリジン
SELEX 法に従って同定された30mer −オリゴヌクレオチドをPharmacia company の自動合成機における通常の方法において5’−結合配列5'-T*T*T*T*Tの修飾により作り(Oligonucleotides and Analogues, A Practical Approach, Ed. F. Eckstein, Oxford University Press, Oxford, New York, Tokyo, 1991 を参照のこと)、このオリゴヌクレオチドを固体ビヒクルのカラム上に存在させる。ジクロロメタン内のトリクロロ酢酸溶液との反応により、5’−ヒドロキシ基を開いた。カラムの充填は10mgの35mer −オリゴヌクレオチドである。
【0161】
5’−水酸基をテトラゾリンの存在下で実施例13a)に従って得られるホスホルアミジトと反応させる。その後、ホスファイトをヨウ素溶液での処理によりホスホトリエステルに転化し末端のDMT 基をジクロロメタン中でのトリクロロ酢酸溶液との反応により切断する。末端の2'−デオキシウリジン上に存在するα,β−不飽和カルボニル系へチオール基を加えるため、それをテトラヒドロフラン中の10−(4−アザ−2−ヒドロキシ−5−イミノ−8−メルカプト−オクタン)−1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン* )と反応させ、メタノール及び水の連続液で洗浄する。固体ビヒクルから修飾されたオリゴヌクレオチドを除去するため、カラムの成分をマルチバイアルに移し、5mlの30%アンモニア溶液と混合し、この容器を密閉して55℃で一晩振とうする。その後、それを0℃に冷やして遠心し、ビヒクルを5mlの水で洗浄して、組み合わされた水相を凍結乾燥させる。
【0162】
精製のために、固体材料を2mlの水に取り、2mlの 0.5Mアンモニウムアセテート溶液と混合して10mlのエタノールと混合し、それを−20℃で一晩おいて、遠心し、残ったものを1mlのエタノール(−20℃)で洗浄し、最後に室温で真空中で乾燥させる。
6mgのタイトル化合物を無色の粉体として得る。
【0163】
*)10−(4−アザ−2−ヒドロキシ−5−イミノ−8−メルカプト−オクタン)−1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンは以下に記載のように得られる:
15.7mlの1N水酸化ナトリウム溶液及び 480mg(3.49mmol)の2−イミノテトラヒドロチオフェンヒドロクロライドを50mlの水及び50mlのメタノールの混合物中の1.46g(3.49mmol)の10−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(実施例1cを参照のこと)の溶液に加えて、室温で3時間、撹拌して開始容量の約1/4まで真空におけるエバポレーションにより濃縮し、pHが11となるまでアニオン交換体(IRA 410)で撹拌する。
【0164】
この溶液をろ過して、小さな部分で撹拌しながらpHが3.5 となるまで十分なカチオン交換体と混合する。ろ過した後、この溶液を凍結乾燥する。1.39gの要求される物質を水成分 4.9%で白い粉体として得る。
(無水物に関する)元素分析:
Cld : C 48.45 H 7.74 N 16.14 S 6.16
Fnd : C 48.30 H 7.98 N 16.05 S 6.44
【0165】
c)36mer オリゴヌクレオチド
U*T*T*T*T*TCUCAUGGAGCCAAGACGAAUAGCUACAUA-3'
及び10−(4−アザ−2−ヒドロキシ−5−イミノ−8−メルカプト−オクタン)−1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンの接合体のイットリウム−90複合体
* :5−(プロプ−2−エン−1−オン)−2’−デオキシウリジン
0.05M酢酸アンモニウム溶液(約 380mCi)中に溶解された90イットリウムの溶液をpH6の0.05M酢酸アンモニウム溶液 0.5ml中の1mgの実施例13b)のチオ誘導体に加え、3M酢酸でpH5.2 に調節して室温で1時間、撹拌する。それを0.01M水酸化ナトリウム溶液でpH7.0 に調節し、この接合体をHPLC(TSK−400 /−MES −緩衝液)により精製する。主要画分を組み合わせて、生理食塩水で希釈して、0.01M水酸化ナトリウム溶液でpH7.2 にする。ろ過の後、放射線療法に適した調製物を得る。
【0166】
実施例14.
a)S−(トリフェニルメチル−メルカプトアセチル)−グリシル−グリシンメチルエステル
3.34g(10mmol)のS−トリフェニルメチルメルカプト酢酸及び1.83g(10mmol)のグリシルグリシンメチルエステルヒドロクロライドを 250mlの無水ジクロロメタンに懸濁する。1.01gの(10mmol)のトリエチルアミンを加えた後、50mlの無水ジクロロメタン中に溶解された2.06g(10mmol)のジシクロヘキシルカルボジイミドを氷冷しながら入れる。それを0℃で1時間、室温で18時間、撹拌する。それをろ過して、エバポレーションにより濃縮し、シリカゲル上でクロマトグラフィーを行う(溶離液CH2Cl2/MeOH:10%〜30%)
収率:3.56g(理論値の77.0%),白色粉体
元素分析:
Cld :C 67.51 H 5.67 N 6.06 O 13.84 S 11.20
Fnd :C 67.37 H 6.02 N 5.91 S 6.73
【0167】
b)〔S−(トリフェニルメチル−メルカプトアセチル)−グリシル−グリシンアミジル〕−6−ヘキサノール
実施例14a)下で作られたS−(トリフェニル−メチル−メルカプトアセチル)−グリシル−グリシンメチルエステル4.63g(10mmol) をアルゴン雰囲気下で2時間、6−アミノ−ヘキサノール 11.72g(100mmol) /1,4−ジオキサン50ml中で 100℃に加熱する。その後、反応バッチを 100mlのジクロロメタン及び 100mlの水の混合物上に注ぐ。撹拌及び氷冷しながら10M塩酸でpHを6に調節し、有機相を分離して硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒のエバポレーションの後、その粗産物をシリカゲル(溶離液: CH2Cl/MeOH:10%〜50%)で精製する。
収率:2.97g(理論値の54.2%),白白粉体
元素分析:
Cld :C 67.98 H 6.81 N 7.67 O 11.68 S 5.85
Fnd :C 67.72 H 6.93 N 7.93 S 5.64
【0168】
c)O−{〔S−(トリフェニルメチル−メルカプトアセチル)−グリシル−グリシン−アミジル〕−6−ヘキシ−1−イル}−ジイソプロピルアミド−O'−メチル−亜リン酸ジエステル
実施例14b)下で作られた5.48g(10mmol) の〔S−(トリフェニルメチル−メルカプトアセチル)−グリシル−グリシンアミジル〕−6−ヘキサノールを 100mlの無水ジクロロメタンに溶かす。5.17g(40mmol) のジイソプロピルエチルアミンをアルゴン雰囲気下で加え、50mlの無水ジクロロメタンに溶解された3.95g(20mmol)の亜リン酸モノメチルエステルジイソプロピルアミドクロライドを0℃で入れる。それを0℃で 0.5時間、その後室温で2時間、撹拌する。作用させるために、それを氷冷下で 320mg(10mmol)の無水メタノールと混合し、濃縮後、シリカゲル(溶離液:CH2Cl2/MeOH:95%:5/5%トリエチルアミン)でクロマトグラフィーを行う。
収率:1.98g(理論値の27.9%),無色の油
【0169】
d)35mer オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TCUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUA-3'
の5'−〔(メルカプトアセチル−グリシル−グリシル−アミジル)−6−ヘキシ−1−イル〕−亜リン酸エステル5’結合配列 5'-T*T*T*T*T の修飾を有するSELEX 法に従って同定された30mer −オリゴヌクレオチドをPharmacia company の自動合成機により作り(Oligonucleotides and Analogues, A Practical Approach, Ed. F. Eckstein, Oxford University Press, Oxford, New York, Tokyo, 1991)、この保護された形態におけるオリゴヌクレオチドも固体ビヒクルのカラム上におく。カラムの充填は約15mgの35mer −オリゴヌクレオチドである。5'−DMT −保護基の切断(トリクロロ酢酸/ジクロロメタン)後、それを実施例14c)下に記載されるホスホルアミジトと標準的な方法に従い結合させる。
【0170】
テトラヒドロフラン中でのヨウ素での酸化の後、接合体とビヒクルから切断する。この場合、材料を30%アンモニア溶液10mlと混合し、その容器を密閉して55℃で一晩、振とうする。それを0℃に冷却して遠心し、このビヒクルを10mlの水で洗浄して、組み合わされた水相を凍結乾燥させる。
【0171】
精製のために、その材料を5mlの水にとり、4mlの 0.5M酢酸アンモニウム溶液4mlと混合して20mlのエタノールと混合する。沈殿させるために、それを一晩冷却し(−20℃)、遠心して残ったものを1mlのエタノール(−20℃)で洗浄し、真空中で乾燥させる。9mgの白色粉体を得る。
【0172】
S−トリチル保護基の切断のために、その材料を5mlの50mmolトリエチルアンモニウムアセテート溶液(pH7.0)にとり、 500μlの 0.1M硝酸銀溶液と共に30分間、インキュベートする。その後、 500μlの0.14Mジチオトレイトール溶液を加えて更に30分間、インキュベートする。遠心の後、透明な上清をSephadex G-10 で脱塩する。産物を含む画分を凍結乾燥させる。4mgの接合体を白色粉体として得る。
【0173】
e)35mer オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TCUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUA-3'
の接合体5'−〔(メルカプトアセチル−グリシル−グリシル−アミジル)−6−ヘキシ−1−イル〕−リン酸エステルのテクネチウム−99m複合体
1mgの接合体14d)を 0.1Mリン酸水素二ナトリウム緩衝液(pH=9.5)1mlに溶かす。10mgの酒石酸二ナトリウムを加えた後、それをナトリウムペルテクネテート溶液(1mCi)と混合して、その後10mlの塩化スズ(II)溶液(5mgの SnCl2/1mlの0.01M HCl) に混合する。残ったものの収率(約93%)をHPLCにより測定する。
【0174】
実施例15
a)O−{〔S−(トリフェニルメチル−メルカプトアセチル)−グリシル−グリシン−アミジル〕−6−ヘキシ−1−イル}−トルエンスルホン酸エステル
実施例14b)下で作られた5.48g(10mmol) の〔S−(トリフェニルメチル−メルカプトアセチル)−グリシル−グリシンアミジル〕−6−ヘキサノールを 100mlの無水ジクロロメタンに溶かす。1.01g(10mmol) のトリエチルアミン及び1.91g(10mmol) のp−トルエンスルホン酸クロライドを加えて室温で24時間撹拌する。その後、それを遠心してシリカゲル(溶離液:CH2Cl2/MeOH:95:5)でクロマトグラフィーを行う。
収率:4.32g(理論値の61.5%),無色の油
元素分析:
Cld :C 65.03 H 6.18 N 5.99 O 13.68 S 9.14
Fnd :C 64.93 H 6.32 N 5.78 S 8.87
【0175】
b)35mer オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TCUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUA-3'
の5'−〔(メルカプトアセチル−グリシル−グリシルアミジル)−6−ヘキシ−1−イル〕−リン酸エステル
5’結合配列 5'-T*T*T*T*T の修飾を有するSELEX 法に従って同定された30mer −オリゴヌクレオチドをPharmacia company の自動合成機により作り(Oligonucleotides and Analogues, A Practical Approach, Ed. F. Eckstein, Oxford University Press, Oxford, New York, Tokyo, 1991 を参照のこと)、この保護された形態のオリゴヌクレオチドを固体ビヒクルのカラムにかける。カラムの充填は35mer −オリゴヌクレオチド約15mgである。5’−DMT −保護基の切断(トリクロロ酢酸/ジクロロメタン)の後、それをS−トリチル−6−メルカプト−ヘキシル−ホスホルアミジトと標準的な方法に従って結合させる。テトラヒドロフラン中でのヨウ素での酸化の後、このトリチル保護化合物をビヒクルから切断して単離し精製する(実施例14dを参照)。
【0176】
S−トリチル保護基の切断、SH基を有するオリゴヌクレオチドの単離、及び精製を実施例14d)下に記載されるように行う(6mg)。
結合のために、 0.1M炭酸ナトリウム溶液 500μl中のSH基を有する35mer −オリゴヌクレオチド(6mg)をアルゴン雰囲気下で、500μlのジメチルホルムアミドに溶解されたトルエンスルホン酸エステル15a)と混合する。30分後、それを中和して、5mlの容量まで水で希釈する。遠心の後、透明な上清を凍結乾燥させる。
S−トリチル基の切断のために、14d)下に記載されるような方法を行う。精製の後、4mgの接合体を得る。
【0177】
c)35mer オリゴヌクレオチド
5'-T*T*T*T*TCUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUA-3'
の接合体5'−〔(メルカプトアセチル−グリシル−グリシンアミジル)−6−ヘキシ−1−イル〕−リン酸エステルのトリチウム−99m複合体
実施例15b)下に記載される接合体1mgを1mlの 0.1Mリン酸水素二ナトリウム、緩衝液(pH=9.5)に溶かす。10mgの酒石酸二ナトリウムを加えた後、それをナトリウムペルテクネテート溶液(1mCi)と混合し、その後10μlの塩化スズ(II)溶液(5mgの SnCl2/1mlの0.01M HCl) と混合する。残ったものの収率(約95%)をHPLCにより決定する。
【0178】
実施例16.
a)N−〔3−チア−5−(トリフェニルメチルメルカプト)−1−オキソ−ペンチ−1−イル〕−S−トリフェニルメチル−システインメチルエステル
2.69g(10mmol) のN−〔3−チア−5−(トリフェニルメチルメルカプト)−1−オキソ−ペンチ−1−イル〕−S−トリフェニルメチル−システインメチルエステル(DE 43 10 999に従う製造)を、 100mlの無水ジクロロメタン中に、5.58g(20mmol)のトリフェニルメチルクロライドと共に溶解する。2.02g(20mmol)のトリエチルアミンを加えた後、それを室温でアルゴン雰囲気下で一晩撹拌する。作用させるために、その有機相を3回、各々1%クエン酸溶液、飽和重炭酸ナトリウム溶液及び水で洗浄する。硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、それをエバポレーションにより濃縮してシリカゲル(溶離液:CH2Cl2/MeOH:95:5)で精製する。
収率:無色の油の4.53g(理論値の60.1%)
元素分析:
Cld :C 73.27 H 5.75 N 1.86 O 6.37 S 12.76
Fnd :C 73.31 H 5.48 N 1.63 S 12.49
【0179】
b)N−〔3−チア−5−(トリフェニルメチルメルカプト)−1−オキソ−ペンチ−1−イル〕−S−トリフェニルメチル−N’−(6−ヒドロキシ−ヘキシ−1−イル)システインアミド
実施例16a)下に記載されるN−〔3−チア−5−(トリフェニルメチルメルカプト)−1−オキソ−ペンチ−1−イル〕−S−システインメチルエステルを、2時間、アルゴン雰囲気下で 11.72g(100mmol)の6−アミノヘキサノール/50mlの1,4−ジオキサン中で 100℃に加熱する。その後、反応バッチを 100mlのジクロロメタン及び 100mlの水の混合物上に注ぐ。撹拌及び氷冷しながら、それを10M塩酸でpH6に調節し、その有機相を分離して硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒のエバポレーションの後、粗産物をシリカゲル(溶離液:CH2Cl2/MeOH:5%〜50%)で精製する。
元素分析:
Cld :C 72.99 H 6.49 N 3.34 O 5.72 S 11.46
Fnd :C 72.73 H 6.62 N 3.11 S 11.17
【0180】
c)O−{{〔N−〔3−チア−5−(トリフェニルメルチメルカプト)−1−オキソ−ペンチ−1−イル〕−S−トリフェニルメチル−システニル}−2−アミノ−エチ−1−イル}−ジイソプロピルアミド−O'−メチル亜リン酸ジエステル
実施例16b)下で作られたN−〔3−チア−5−(トリフェニルメチルメルカプト)−1−オキソ−ペンチ−1−イル〕−S−トリフェニルメチル〕−N’−(6−ヒドロキシ−ヘキシ−1−イル)システインアミドを 200mlの無水ジクロロメタン中に溶かす。5.17g(40mmol) のジイソプロピルエチルアミンをアルゴン雰囲気下で加え、50mlの無水ジクロロメタンに溶解された3.95g(20mmol) の亜リン酸モノメチルエステル−ジイソプロピルアミド−クロライドを0℃において入れる。それを0℃で 0.5時間、撹拌した後、 1.5時間、室温で撹拌する。作用させるために、氷冷しながら、無水メタノール 320mg(10mmol)と混合し、濃縮した後、シリカゲル上でクロマトグラフィーを行う(溶離液:CH2Cl2/MeOH:95:5/5%(トリエチルアミン))
収率:黄色状油の5.37g(理論値の53.7%)
【0181】
d)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の5'−〔N−(3−チア−5−メルカプト−1−オキソ−ペンチ−1−イル〕−システイン−N'−〔6−ヒドロキシ−ヘキシ−1−イル)−アミド〕−リン酸エステル
SELEX 法に従って同定された30mer −オリゴヌクレオチドをPharmacia company の自動合成機により、上流に位置する配列 T*T*T*T*T-3' の修飾で作り(Oligonucleotides and Analogues, A Practical Approach, Editor F. Eckstein, Oxford University Press, Oxford, New York, Tokyo, 1991を参照のこと)、保護形態におけるオリゴヌクレオチドも固体ビヒクルのカラム上におく。カラムの充填は35mer −オリゴヌクレオチド約15mgである。5'−DMT −保護基(トリクロロ酢酸/ジクロロメタン)の切断の後、それを標準的な方法に従ってホスホルアミジト(16c)とカップリングし、その後酸化する。
【0182】
塩基保護基のビヒクルからの切断及びビス−S−トリチル−保護接合体の精製を14d)下に記載されるように行う(約12mg)。
S−トリチル保護基の切断のために、その材料を5mlの50mmolのトリエチルアンモニウムアセテート溶液(pH=7.0)中にとり、30分間、 500μlの 0.1M窒化銀溶液と共にインキュベートする。その後、 500μlの0.14Mジチオトレイトール溶液を加え、更に30分間、インキュベートする。遠心後、透明な上清をSephadex G-10 で脱塩する。この産物を含む画分を凍結乾燥させる。5mgの白色粉体を得る。
【0183】
e)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の接合体5'−〔N−(3−チア−5−メルカプト−1−オキソ−ヘンチ−1−イル〕−システイン−N’−(6−ヒドロキシ−ヘキシ−1−イル)−アミド〕−リン酸エステルのテクネチウム−99m複合体
実施例16d下に記載される接合体1mgを1mlの 0.1Mリン酸水素二ナトリウム緩衝液(pH=9.5)中に溶かす。10mgの酒石酸二ナトリウムを加えた後、それをナトリウムペルテクネテート溶液(1mCi)と混合し、その後10μlの塩化スズ(II)溶液(5mgの SnCl2/1mlの0.01M HCl) と混合する。残ったものの収率(約96%)をHPLCにより決定する。
【0184】
実施例17.
a)O−{N−(3−チア−5−(トリフェニルメチルメルカプト)−1−オキソ−ペンチ−1−イル〕−S−トリフェニルメチル−N'−(6−ヒドロキシ−ヘキシ−1−イル)システイン−イミジル}−p−トルエンスルホン酸エステル
実施例16b下で作られたN−{3−チア−5−(トリフェニル−メチルメルカプト)−1−オキソ−ペンチ−1−イル}−S−トリフェニルメチル−N’−(6−ヒドロキシ−ヘキシ−1−イル)システインアミドを 200mlの無水ジクロロメタン中に溶かす。1.01g(10mmol) のトリエチルアミン、1.91g(10mmol)のp−トルエンスルホン酸クロライドを加え、室温で20時間、撹拌する。その後、それを濃縮してシリカゲル上でクロマトグラフィーを行う(溶離液:CH2Cl2/MeOH:97:3)。
収率:6.44g(理論値の67.0%)の黄色状油
元素分析:
Cld :C 72.47 H 6.29 N 2.91 O 8.32 S 10.01
Fnd :C 72.19 H 6.47 N 2.68 S 9.83
【0185】
b)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の5'−〔(メルカプトアセチル−グリシル−グリシン−アミジル)−13−トリデク−7−チオ−1−イル〕−リン酸エステル
SELEX 法に従って同定される30mer −オリゴヌクレオチドを、Pharmacia company の自動合成機により、上流に位置した配列 T*T*T*T*T-3' の修飾と共に作り(Oligonucleotides and Analogues, APractical Approach, Editor F. Eckstein, Oxford University Press, Oxford, New York, Tokyo, 1991)、この保護された形態におけるオリゴヌクレオチドも固体ビヒクルのカラム上におく。カラムの充填は約15mgの35mer −オリゴヌクレオチドである。5'−DMT保護基(トリクロロ酢酸/ジクロロメタン)の切断の後、それを標準的な方法に従ってS−トリチル−6−メルカプトヘキシル−ホスホルアミジトとカップリングする。
【0186】
テトラヒドロフラン中でのヨウ素での酸化の後、トリチル保護化合物をビヒクルから切断し、単離して、精製する(実施例14dを参照のこと)。
S−トリチル保護基の切断のために、SH−基含有オリゴヌクレオチドの単離及び精製を、実施例14d)下に記載されるように行う。
カップリングのために、 0.1M炭酸ナトリウム溶液 550μl中のSH−基含有30mer −オリゴヌクレオチド(7mg)をアルゴン雰囲気下で 180mgのトルエンスルホン酸エステル17a)と混合し、 500μlのジメチルホルムアミド中に溶解させる。30分後、それを中和して水で5mlの容量に希釈する。遠心の後、その透明な上清を凍結乾燥させる。S−トリチル基の切断のために、手順を14d)下に記載されるように行う。精製後、4.3gの接合体を得る。
【0187】
c)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の接合体5'−〔(メルカプトアセチル−グリシル−グリシン−アミジル)−13−トリデカ−7−チオ−1−イル〕−リン酸エステル実施例17b)下に記載される接合体1mgを1mlの 0.1Mリン酸水素二ナトリウム緩衝液(pH=9.5)に溶かす。10mgの酒石酸二ナトリウムを加えた後、それをナトリウムペルテクネテート溶液(1mCi)と混合し、その後10μlの塩化スズ(II)(5mgの SnCl2/1mlの0.01M HCl) と混合する。残ったものの収率(約93%)をHPLCにより決定する。
【0188】
実施例18.
a)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
の5'−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)及びN−(テトラヒドロ−2−オキソ−チオフェン−3−イル)−チオジグリコール酸モノアミドの接合体
SELEX 法に従って同定された30mer −オリゴヌクレオチドをPharmacia company の自動合成機により上流に位置した配列 T*T*T*T*T-3' の修飾と共に作り(Oligonucleotides and Analogues, A Practical Approach, Editor F. Eckstein, Oxford University Press, Oxford, New York, Tokyo, 1991)、その保護形態におけるオリゴヌクレオチドを固体ビヒクルのカラム上にものせる。カラムの充填は、約15mgの35mer −オリゴヌクレオチドである。5'−DMT−保護基の切断(トリクロロ酢酸/ジクロロメタン)の後、それを標準的方法に従ってN−トリフルオロアセチルアミノヘキシルホスホルアミジトとカップリングする。
【0189】
テトラヒドロフラン中でのヨウ素での酸化の後、アミノ基含有オリゴヌクレオチドをビヒクルから切断し、1b)下に記載されるように精製する(9.3mg)。
N−(テトラヒドロ−2−オキソ−チオフェン−3−イル)−チオジグリコール酸モノアミド(DE 43 11 023) とのカップリングのために、5mgのアミノ基含有オリゴヌクレオチドを1mlの2M炭酸ナトリウム溶液に溶かす。 100mgのチオラクトン誘導体を加えた後、それを室温で4時間、インキュベートする。その後、それを中和して 3,000の排除限界の膜(Amicon YM3) を通す限外ろ過により脱塩する。凍結乾燥後、それを凍結乾燥させる。 6.3mgの要求される接合体を得る。
【0190】
b)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'
及びN−(テトラヒドロ−2−オキソ−チオフェン−3−イル)−チオジグリコール酸モノアミドの接合体5'−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)のテクネチウム−99m複合体
実施例18a)下に記載されるSH−基含有接合体1mgを1mlの 0.1Mリン酸水素二ナトリウム緩衝液(pH=9.5)に溶かす。10mgの酒石酸二ナトリウムを加えた後、それをナトリウムペルテクネテート溶液(1mCi)と混合し、その後10μlの塩化スズ(II)溶液(5mgの SnCl2/1mlの0.01M HCl) と混合する。その残ったものの収率(94%)をHPLCにより決定する。
【0191】
実施例19.
a)32mer −オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT-3'−3'T-5'
の5'−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)
ビヒクル上に5'−位置に結合した上流に位置したチミジン配列-T3'−3'T-5'の修飾を有するSELEX 法に従って同定された30mer −オリゴヌクレオチド 5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUA-3' をPharmacia company の自動合成機において通常の方法により作り(Oligonucleotides and Analogues, A Practical Approach, Editor F. Eckstein, Oxford University Press, Oxford, New York, Tokyo, 1991)、そのオリゴヌクレオチドを固体ビヒクルのカラム上にもおく。ジクロロメタン中トリクロロ酢酸との反応により、5’−水酸基を開く。カラムの充填は、その32mer −オリゴヌクレオチド約10mgである。
【0192】
リンカーと結合させるために、カラムをテトラゾリンの存在下で(NuCl. Acids. Res. 16, 2659〜2669 (1988) に従って作られた)50μmol のβ−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ−6−(トリフルオロアセトアミド)−1−ヘキシル−ホスホルアミジトのアセトニトリル溶液と反応させる。完全に保護されたホスホトリエステルへの形成されたホスファイトの酸化をテトラヒドロフラン中のヨウ素で行う。その後、カラムをメタノール及び水の連続液で洗浄する。固体ビヒクルから修飾されたオリゴヌクレオチドを除去するために、カラムの成分をマルチバイアル内に移し、5mlの30%アンモニア溶液と混合し、この容器を密閉して55℃で一晩振とうする。その後、それを0℃に冷却し、遠心してビヒクルを5mlの水で洗浄して、組み合わされた水性相を凍結乾燥させる。
【0193】
精製のために、その固体材料を2mlの水中にとり、2mlの 0.5M酢酸アンモニウムと混合し、10mlのエタノールと混合し、それを−20℃で一晩おき、遠心して、その残りを1mlのエタノール(−20℃)で洗浄し、最後に室温にて真空中で乾燥させる。
8mgのタイトル化合物を無色の粉体として得る。
【0194】
b)32mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT-3'−3'T-5'
の5'−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び10−〔7−(4−イソチオシアナトフェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−7−(カルボキシメチル)−4−アザヘプチル〕−1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンの接合体
実施例19a)において得られたオリゴヌクレオチド8mgを 2.5mlのNaHCO3/Na2CO3緩衝液(pH8.0)中に溶かし、1mgの10−〔7−(4−イソチオシアナトフェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−7−(カルボキシメチル)−4−アザ−ヘプチル〕−1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(実施例1fのタイトル化合物)と混合する。それを室温で5時間、撹拌し、0.01M塩酸を加えることによりそのpHを 7.2に調節し、その溶液を排除限界 3,000の膜(Amicon YM3) を通して限外ろ過し、その後、凍結乾燥する。7mgの要求される接合体を得る。
【0195】
c)32mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT-3'−3'T-5'
の5’−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び10−〔7−(4−イソチオシアナトフェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−7−(カルボキシメチル)−4−アザ−ヘプチル〕−1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンの接合体の 111インジウム複合体
(2M酢酸ナトリウム溶液中の 111インジウム(III )クロライドから、 0.1M塩酸でpHを 4.0に調節して作られた15μlの 111インジウム(III )アセテート溶液を、MES 緩衝液、pH6.2 (MES=2−(N−モルホリノ)エチルスルホン酸)中の1mgの実施例19b)のタイトル化合物の溶液 135μlに加える。
【0196】
そのpHを0.01M塩酸を加えることにより 4.2にする。それをpH4.2 で37℃において1時間、撹拌する。それを2M酢酸ナトリウム溶液でpH6にして10μlの 0.1M Na2EDTA溶液(Na2EDTA =エチレンジアミン−テトラ酢酸二ナトリウム塩)10μlを複合体過剰 111インジウムに加える。これにより得られた標識された接合体(1h)の最終精製をHPLC(排除クロマトグラフィー:TSK −400 /MES −緩衝液)により行う。標識された接合体を含む画分を生理食塩水で希釈して0.01M水酸化ナトリウム溶液でpH7.2 に調節してろ過する。その後、これにより作られた溶液は放射線診断のための適切な調製物となる。
【0197】
実施例20.
35mer オリゴヌクレオチド
5'-T***T***T***T***TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
の5'−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)
SELEX 法に従って同定された30mer −オリゴヌクレオチド 5'-TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'(米国特許第 5,270,163号の配列番号:13)をPharmacia company の自動合成機において通常の方法において作り(Oligonucleotides and Analogues, A PracticalApproach, Ed. F. Eckstein, Oxford University Press, Oxford,New York, Tokyo, 1991 を参照のこと)、そのオリゴヌクレオチドを固体ビヒクルのカラムにもおく。その4つの最終的チミジンを“Oligonucleotides and Analogues, ”pp.109〜135 においてG. Blaton et al により記載される技術に従って5'−末端上に存在するチミジンに、ホスホロジチオエートにより結合させる。
【0198】
この目的のために、最初に5'−水酸基をトリクロロ酢酸での処理により開く。その後、5'−DMTO−チミジンの3’−水酸基をジアミジト中のトリス−ピロリジノホスファイン及びテトラゾールで転化し、2,4−ジクロロベンジルメルカプタンを加えることによりホスホロチオアミジトに転化する。この化合物をテトラゾールで活性化し、オリゴヌクレオチドの5'−水酸基と反応させてチオホスフェートトリエステルにする。ホスホロジチオエートへの酸化をカーボンジスルフィド、ピリジン、トリエチルアミン95:95:10の溶液中の硫黄元素で行う。ベンジル基はまだ除去されていない。同様に、3の更なるチミジンも結合させる。カラムの充填は約10mgの35mer −オリゴヌクレオチドである。その後、5'−水酸基を再び開く。
【0199】
リンカーと結合するために、カラムをテトラゾリンの存在下で50μmol の実施例における2−シアノエチル−N,N'−ジイソプロピルアミノ−6−(トリフルオロアセトアミド)−1−ヘキシルホスホルアミジト(lit のアセトリトリル溶液と反応させる。形成されたホスファイトのホスホトリエステルへの酸化をテトラヒドロフラン中のヨウ素で行う。その後、カラムをメタノール及び水で連続的に洗う。その後、ジチオネート結合の保護基をチオフェノール/トリエチルアミン/ジオキサン1:2:2の溶液に2時間おいて除去する。その後、カラムをメタノールでその容量で各々3回、洗浄し、その後エステルで洗浄して乾燥させる。固体ビヒクルから修飾されたオリゴヌクレオチドを除去するために、カラムの成分をマルチバイアル内に移し、5mlの30%アンモニア溶液と混合し、容器を密閉して、55℃で一晩、振とうする。その後、それを0℃に冷やして、遠心し、ビヒクルを5mlの水で洗浄し、その組み合わされた水相を凍結乾燥させる。
【0200】
精製するために、固体材料を2mlの水にとり、2mlの 0.5M酢酸アンモニウム溶液と混合し、10mlのエタノールと混合し、それを−20℃で一晩おき、遠心し、残ったものを1mlのエタノール(−20℃)で洗浄し、最後に室温で真空中で乾燥させる。
8mgのタイトル化合物を無色の粉体として得る。
【0201】
b)35mer オリゴヌクレオチド
5'-T***T***T***T***TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
の5'−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び10−〔7−(4−イソチオシアナト−フェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−7−(カルボキシメチル)−4−アザ−ヘプチル〕−1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンの接合体
実施例20a)において得られたオリゴヌクレオチド8mgを 2.5mlのNaHCO3/Na2CO3緩衝液(pH8.0)に溶かして、1mgの10−〔7−(4−イソチオシアナトフェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−7−(カルボキシメチル)−4−アザ−ヘプチル〕−1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(実施例1fのタイトル化合物)中に溶かす。それを室温で5時間、撹拌し、そのpHを0.01M塩酸を加えることにより 7.2に調節し、その溶液を排除限界 3,000の膜(Amicon YM3) を通して限外ろ過し、その後凍結乾燥する。
7mgの要求される接合体を得る。
【0202】
c)35mer オリゴヌクレオチド
5'-T***T***T***T***TAGGAGGAGGAGGGAGAGCGCAAAUGAGAUU-3'
の5'−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び10−〔7−(4−イソチオシアナトフェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−7−(カルボキシメチル)−4−アザ−ヘプチル〕−1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンの接合体の 111インジウム複合体
(2M酢酸ナトリウム溶液中の 111インジウム(III )クロライドから、 0.1M塩酸でpHを 4.0に調節して作られた) 111インジウム(III )アセテート溶液(350μCi)15μlをMES 緩衝液、pH6.2 (MES=2−(N−モルホリノ)−エチルスルホン酸)中の実施例20b)のタイトル化合物1mgの溶液 135μlに加える。
【0203】
そのpHを0.01M塩酸を加えることにより 4.2にする。それをpH4.2 において37℃で1時間、撹拌する。それを2M酢酸ナトリウム溶液でpH6にし、10μlの 0.1M Na2EDTA=エチレンジアミン−テトラ酢酸二ナトリウム塩を複合過剰 111インジウムに加える。これにより得られた接合体(1h)の最終精製をHPLC(排除クロマトグラフィー:TSK −400/MES −緩衝液)により行う。標識された接合体を含む画分を生理食塩水で希釈し、0.01M水酸化ナトリウム溶液でpH7.2 に調節し、ろ過する。これにより作られた溶液は、その後、放射線診断のための適切な調製物となる。
【0204】
実施例21.
a)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT**T**T**T**T-3'
の5'−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)
上流に位置した配列 T**T**T**T**T-3' の修飾を有するSELEX 法に従って同定された30mer −オリゴヌクレオチド 5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUA-3' を、シアノエチルホスフェート基を3’によりビヒクル上に作ることにより接続された5のチミジンの配列により最初に得る。
【0205】
この化合物のアセトニトリル中のテトラエチルチウラムの 0.5M溶液との反応により、ホスホノチオエートへのスルホン化を15分以内に行い、その後、遊離5’−水酸基を35mer オリゴヌクレオチドリウムのための開始材料とする。全体の合成をPharmacia company の自動合成機において通常の方法で行い(Oligonucleotides and Analogues, A Practical Approach, Editor F. Eckstein, Oxford University Press, Oxford, New York, Tokyo, 1991)、そのオリゴヌクレオチドを固体ビヒクルのカラム上にもおく。ジクロロメタン中のトリクロロ酢酸溶液との反応により、5’−水酸基を開く。
【0206】
カラムの充填は約10mgの35mer −オリゴヌクレオチドである。リンカーと結合させるため、カラムをテトラゾールの存在下で(NuCl. Acids. Res. 16, 2659〜2669 (1988) に従って作られた)50μmol のβ−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ−6−(トリフルオロアセトアミド)−1−ヘキシル−ホスホルアミジトのアセトニトリル溶液と反応させる。このような方法で形成されたホスファイトの完全に保護されたホスホトリエステルへの酸化を、テトラヒドロフラン中のヨウ素で行う。その後、カラムをメタノール及び水で連続的に洗浄する。固体ビヒクルから修飾されたオリゴヌクレオチドを除去し、シアノエチル基を除去するため、カラムの成分をマルチバイアルに移し、5mlの30%アンモニア溶液と混合し、その容器を密閉して55℃で一晩振とうする。その後、それを0℃に冷やし、遠心し、そのビヒクルを5mlの水で洗浄し、その組み合わされた水相を凍結乾燥させる。
【0207】
精製のために、その固体材料を2mlの水にとり、2mlの酢酸アンモニウム溶液と混合し、10mlのエタノールと混合し、それを−20℃で一晩おき、遠心して、残ったものを1mlのエタノール(−20℃)で洗浄して最後に室温にて真空中で乾燥させる。
8mgのタイトル化合物を無色の粉体として得る。
【0208】
b)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT**T**T**T**T-3'
の5'−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び〔7−(4−イソチオシアナトフェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−7−(カルボキシ−メチル)−4−アザ−ヘプチル〕−1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンの接合体
実施例20a)において得られた8mgのオリゴヌクレオチドを 2.5mlのNaHCO3/Na2CO3緩衝液(pH8.0)に溶かし、1mgの10−〔7−(−イソチオシアナトフェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−7−(カルボキシメチル)−4−アザ−ヘプチル〕−1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(実施例1fのタイトル化合物)と混合する。それを室温で5時間、撹拌し、そのpHを0.01M塩酸を加えることにより 7.2に調節し、その溶液を排除限界 3,000の膜(Amicon YM3) を通して限外ろ過し、その後凍結乾燥する。
7mgの要求される接合体を得る。
【0209】
c)35mer オリゴヌクレオチド
5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT**T**T**T**T-3'
の5'−(6−アミノ−1−ヘキシル−リン酸エステル)及び10−〔7−(4−イソチオシアナトフェニル)−2−ヒドロキシ−5−オキソ−7−(カルボキシ−メチル)−4−アザ−ヘプチル〕−1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンの接合体の 111インジウム複合体
(2M酢酸ナトリウム中の 111インジウム(III )クロライドから、 0.1M塩酸でpHを 4.0に調節して作られた)15μlの 111インジウム(III )アセテート溶液(350μCi)をMES 緩衝液、pH6.2 (MES=2−(N−モルホリノ)−エチルスルホン酸)中の1mgの実施例21b)のタイトル化合物の 135μlの溶液に加える。
【0210】
そのpHを0.01M塩酸を加えることによりpHを 4.2にする。それをpH4.2 において37℃で1時間、撹拌する。それを2M酢酸ナトリウム溶液でpH6にし、10μlの 0.1M Na2EDTA=エチレンジアミン−テトラ酢酸二ナトリウム塩を複合過剰 111インジウムに加える。これにより得られた接合体(1h)の最終精製をHPLC(排除クロマトグラフィー:TSK−400 /MES −緩衝液)により行う。標識された接合体を含む画分を生理食塩水で希釈して、0.01M水酸化ナトリウム溶液でpH7.2 に調節し、ろ過する。その後、これにより作られた溶液は放射線診断のための適切な調製物を示す。
【0211】
実施例22.
a)N−(5−メルカプト−3−チア−1−オキソ−ペンチ−1−イル)−グリシンメチルエステル
12.56g(0.1mol) のグリシンメチルエステルヒドロクロライド、 13.42g(0.1mol) の2,5−ジチア−シクロヘキサノン及び 10.12g(0.1mol) のトリエチルアミンをアルゴン雰囲気下で 500mlの無水ジクロロメタン中に溶かす。それを室温で24時間、撹拌し、その後、そのバッチを5%クエン酸水溶液 250ml上に注ぐ。それを十分に撹拌し、その有機相を分離して硫酸ナトリウム上で乾燥させる。真空内での溶媒のエバポレーションの後、油状の残物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行う(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール、メタノール0〜10%)
収率:18.9g(84.6%)、無色の油
元素分析:
Cld :C 37.65 H 5.87 N 6.27 O 21.49 S 28.71
Fnd :C 37.43 H 6.02 N 6.12 S 28.48
【0212】
b)N−〔5−(トリフェニルメチルメルカプト)−3−チア−1−オキソ−ペンチ−1−イル〕−グリシンメチルエステル
11.17g(50mmol) のN−(5−メルカプト−3−チア−1−オキソ−ペンチ−1−イル)−グリシンメチルエステル(実施例22a)、 13.94g(50mmol) のトリフェニルメチルクロライド及び5.06g(50mmol) のトリエチルアミンをアルゴン雰囲気下で 500mlの無水ジクロロメタンに溶かす。それを室温で16時間、撹拌し、そのバッチを 150mlの5%クエン酸水溶液上に注ぐ。それを十分に撹拌して、その有機相を分離して硫酸ナトリウム上で乾燥させる。真空内での溶媒のエバポレーションの後、油状の残物をシリカゲル上のクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール、95:5)。
収率:15.7g(67.4%)、無色の油
元素分析:
Cld :C 67.07 H 5.85 N 3.01 O 10.31 S 13.77
Fnd :C 67.01 H 6.11 N 2.93 S 13.49
【0213】
c)N−〔5−(トリフェニルメチルメルカプト)−3−チア−1−オキソ−ペンチ−1−イル〕−グリシン−N'−(6−ヒドロキシヘキシル)−アミド
11.64g(25mmol)のN−〔5−トリフェニルメチルメルカプト)−3−チア−1−オキソ−ペンチ−1−イル〕−グリシンメチルエステル(実施例22b)及び29.3g(250mmol) の6−アミノヘキサノールをアルゴン雰囲気下で 100℃で16時間、一緒にとかす。その反応バッチを冷やした後、それを 500mlのジクロロメタンにとり、250mlの5%クエン酸水溶液上に注ぐ。氷冷及び撹拌下において、それを濃縮塩酸で 6.5のpHに調節する。
【0214】
その有機相を分離して硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中での溶媒のエバポレーションの後、油状残物をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール、0〜10%メタノール)。
収率: 7.7g(56.0%)、無色の油
元素分析:
Cld :C 67.60 H 6.96 N 5.09 O 8.72 S 11.64
Fnd :C 67.48 H 7.03 N 4.92 S 11.43
【0215】
d)N−ジイソプロピル−O−シアノエチル−O’−〔7,10−ジアザ−8,11−ジオキソ−13−チア−15−(トリフェニルメチル−メルカプト)−ペンタデシ−1−イル〕−亜リン酸アミド
5.51g(10mmol)のN−〔5−(トリフェニルメチルメルカプト)−3−チア−1−オキソ−ペンチ−1−イル〕−グリシン−N'−(6−ヒドロキシヘキシル)−アミド(実施例22c)を50mlの無水ジクロロメタン及び50mlの無水ピリジンに溶かす。50mlの無水ジクロロメタンに溶かされた4.73g(20mmol) のジイソプロピルアミノ−O−シアノエチル−亜リン酸クロライドを室温でそのバッチに入れる。4時間後、それを 250mlの飽和重炭酸ナトリウム水溶液上に注ぎ、撹拌して、その有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させる。その溶媒のエバポレーションの後、油状残物をシリカゲルでクロマトグラフィーにかける(ジクロロメタン/メタノール/トリエチルアミン98:1:1)。
収率:4.32g(57.5%)、無色泡状油
元素分析:
Cld :C63.97 H7.38 N7.46 O8.52 P4.12 S8.54
Fnd :C63.81 H7.41 N7.22 P3.97 S8.31
【0216】
e)5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T*-3'
の5'−〔N−(3’−アザ−8'−メルカプト−1',4'−ジオキソ−6&−チア−オクチ−1’−イル)−6−アミノヘキシル−リン酸エステル〕
上流に位置した配列 T*T*T*T*T*-3'の修飾を有するSELEX 法に従って同定された30mer オリゴヌクレオチド 5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUA-3' をPharmacia company の自動合成機により作り(Oligonucleotides and Analogues, A Practical Approach, Ed. F. Eckstein, Oxford University Press, Oxford, New York, Tokyo, 1931)、その保護された形態におけるオリゴヌクレオチドを固体ビヒクルのカラム上にもおく。カラムの充填は約15mgの35mer −オリゴヌクレオチドである。5’−DMT −保護基の切断の後、それを標準的な方法に従って実施例22d下に記載されるホスホルアミジトとカップリングする。
【0217】
テトラヒドロフラン中のヨウ素での酸化の後、その接合体をビヒクルから切断する。この目的のために、その材料を10mlの30%アンモニア溶液と混合し、55℃で一晩振とうする。それを0℃に冷やして、遠心し、そのビヒクルを10mlの水で洗浄し、その組み合わされた水相を凍結乾燥させる。精製のために、その材料を5mlの水中で振とうし、4mlの0.5mol酢酸アンモニウムを加えて20mlのエタノールと混合する。沈殿の完了のために、それを一晩冷却(−20℃)し、遠心して、残物を1mlのエタノール(−20℃)で洗浄し、真空で乾燥させる。 9.5mgの白色粉体を得る。S−トリチル保護基の切断のために、その材料を5mlの50mmolトリエチルアンモニウムアセテート溶液(pH=7)にとり、 500μlの 0.1M硝酸銀溶液と共に30分間、インキュベートする。その後、 500μlの0.14Mジチオトレイトール溶液を加えて更に30分間、インキュベートする。遠心後、その透明な上清をSephadex G-10 で脱塩する。その産物を含む画分を凍結乾燥する。 3.5mgの白色粉体を得る。
【0218】
f)5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAG CUACAUAT*T*T*T*T*-3'
の5'−〔N−(3'−アザ−8'−メルカプト−1',4'−ジオキソ−6'−チア−オクチ−1’−イル)−6−アミノヘキシル−リン酸エステル〕のTc−99m複合体
実施例22e)下に記載される1mgの接合体を1mlの1Mリン酸水素二ナトリウム溶液(pH=8.5)に溶かす。約10mgの酒石酸二ナトリウムを加えた後、それをナトリウムペルテクネテート溶液(1mCi)と混合し、その後10μlの塩化スズ(II)(0.01M HClの5mg/1ml)と混合する。その収率(約95%)をHPLCにより決定する。
【0219】
実施例23.
a)5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T*-3'
の5'−〔N−(6'−アザ−7'−ヒドロキシカルボキシ−9'−メルカプト−1',5'−ジオキソ−3’チア−ノニ−1’−イル)−6−アミノヘキシルリン酸エステル〕
最初に、 500μlの無水DMF 中のN−(2−オキソ−テトラヒドロチオフェン−3−イル)−チオジグリコール酸モノアミドのN−ヒドロキシスクシニイミドエステル(DE 43 11 023) の溶液を作る。この目的のために、24.9mg(0.1mmol)のN−(2−オキソ−テトラヒドロチオフェン−3−イル)−チオジグリコール酸モノアミド及び11.5mg(0.1mmol)のN−ヒドロキシスクシンイミドを 500μlの無水DMF 中に溶かす。0℃において、19.2mg(0.1mmol)のEDC をバッチに加える。それを0℃で30分間、撹拌する。
【0220】
実施例1下で作られた 5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T*-3' の5’−(6−アミノ−ヘキシル−リン酸エステル)10mgを1mlの重炭酸ナトリウム/炭酸ナトリウム緩衝液(pH=8.0)に溶かす。先に調製されたNHS エステルのDMF 溶液を加え、アルゴン雰囲気下で室温で16時間、インキュベートする。その後、それを遠心し、 500μlの容量に濃縮してSephadex G-25 でクロマトグラフィーを行う。凍結乾燥後、2mgの接合体を白色粉体として得る。
【0221】
b)5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T*-3'
の5'−〔N−(6'−アザ−7'−ヒドロキシ−9'−メルカプト−1',5'−ジオキソ−3’−チア−ノニ−1’−イル)−6−アミノヘキシル−リン酸エステル〕のTc−99m複合体
実施例23a)下に記載される1mgの接合体を1mlの 0.1Mリン酸水素二ナトリウム緩衝液に溶かす。10mgの酒石酸二ナトリウムを加えた後、それをナトリウムペルテクネテート溶液(1mCi)と混合し、その後塩化スズ(II)溶液10μl(0.01M HClの5mg/1ml)と混合する。残った物の収率はHPLCにより決定される(約92%)。
【0222】
実施例24.
a)5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T*-3'
の5'−〔N−(メルカプトアセチル)−6−アミノヘキシルリン酸エステル〕
実施例1下で作られた 5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'の5'−(6−アミノ−ヘキシル−リン酸エステル)10mgを1mlの重炭酸ナトリウム/炭酸ナトリウム緩衝液(pH=8.0)に溶かす。その後、 500μlの無水DMF に溶かされた23.1mg(0.1mmol)のS−アセチルメルカプト酢酸−NHS エステルをそのバッチに加え、アルゴン雰囲気下で室温で17時間、インキュベートする。その後、それを遠心し、 500μlの容量まで濃縮してSephadex G-25 でクロマトグラフィーを行う。凍結乾燥後、3mgの接合体を白色粉体として得る。
【0223】
b)5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T*-3'
の5'−〔N−(メルカプトアセチル)−6−アミノ−ヘキシル−リン酸エステル〕のTc−99m複合体
実施例24a)下に記載される接合体1mgを1mlの 0.1Mリン酸水素二ナトリウム緩衝液(pH=8.5)に溶かす。10mgの酒石酸二ナトリウムを加えた後、それをナトリウムペルテクネテート溶液(1mCi)、その後10μlの塩化スズ(II)溶液(0.01M HClの5mg/1ml)と混合する。残物の収率(約97%)をHPLCにより決定する。
【0224】
実施例25.
a)N−〔2−(トリフェニルメチルメルカプト)−エチ−1−イル〕−チオジグリコール酸モノアミド
31.9g(0.1mol) の2−(トリフェニルメチルメルカプト)−エチルアミン及び10.1g(0.1mol) のトリエチルアミンを 500mlの無水ジクロロメタン内に導入する。0℃において、13.2g(0.1mol)のチオジグリコール酸無水物の溶液を入れ、0℃で1時間、撹拌して、室温で16時間、撹拌する。その後、それを 250mlの5%クエン酸水溶液上に注ぎ、十分に撹拌して、その有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。真空内での溶媒のエバポレーションの後、その残物をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール、0〜20%メタノール)。
収率: 20.32g(45.0%),無色の油
元素分析:
Cld :C 66.49 H 5.58 N 3.10 O 10.63 S 14.20
Fnd :C 66.21 H 5.73 N 2.98 S 14.02
【0225】
b)5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T*-3'
の5'−〔N−(1',5'−ジオキソ−6'−アザ−3'−チア−8'−メルカプト−オクチ−1−イル)−アミノヘキシルリン酸エステル
最初に、N−(2−(トリフェニルメチルメルカプト)−エチ−1−イル〕−チオジグリコール酸モノアミド(実施例25a)を作る。この目的のために、45.2mg(0.1mmol)の先に記載される酸を 500μlの無水DMF (0.1mmol) に溶かし、11.5mg(0.1mmol)のNHS と混合する。0℃に冷やした後、19.2mg(0.1mmol)のEDC を加え、0℃で30分間、インキュベートする。
【0226】
実施例1下に記載される重炭酸ナトリウム/炭酸ナトリウム緩衝液(pH=8.0)1ml中の 5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T*-3' を先に作られた NHS−エステル溶液 500μlと混合する。それを室温で16時間、インキュベートする。その後、それをエバポレーションにより 500μlに濃縮し、Sephadex G-25 でクロマトグラフィーを行う。6mgのS−トリチル−保護化合物を得る。S−トリチル保護基の切断、SH基を有するオリゴヌクレオチドの単離及び精製を実施例22e下に記載されるように行う。4mgの白色凍結乾燥物を得る。
【0227】
c)5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAG-CUACAUAT*T*T*T*T*-3'
の5'−〔N−(1',5'−ジオキソ−6'−アザ−3'−チア−8'−メルカプト−オクチ−1−イル)−アミノヘキシルリン酸エステル〕
実施例25b下で作られた接合体1mgを1mlの 0.1Mリン酸水素二ナトリウム緩衝液(pH=8.0)に溶かす。10mgの酒石酸二ナトリウムを加えた後、それをナトリウムペルテクネテート溶液(1mCi)、後に塩化スズ(II)溶液10μl(0.01M HClの5mg/1ml)と混合する。その残物の収率をHPLCにより決定する(91%)。
【0228】
実施例26.
a)N,N'−ビス−〔2−(トリフェニルメチルメルカプト)−1−オキソ−エチ−1−イル〕−3,4−ジアミノ安息香酸エステル
3.32g(20mmol) の3,4−ジアミノ安息香酸メチルエステル及び 13.38g(40mmol) のS−トリフェニルメチル−メルカプト酢酸を 200mlの無水ジクロロメタンに溶かす。0℃において、 100mlの無水ジクロロメタン中に溶かされたジシクロヘキシルカルボジイミド8.25g(40mmol) をそのバッチ中に入れる。それを0℃において1時間超、撹拌して最後に室温で16時間超、撹拌する。
【0229】
それをろ過して、1%クエン酸水溶液に対して振とうし、その有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、その溶媒を真空内でエバポレートする。その残物をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:
ジクロロメタン/メタノール、0〜10%メタノール)。
収率:10.2g(63.8%),無色の油
元素分析:
Cld :C 75.16 H 5.30 N 3.51 O 8.01 S 8.02
Fnd :C 75.01 H 5.58 N 3.30 S 7.89
【0230】
b)N,N'−ビス−〔2−(トリフェニルメチルメルカプト)−1−オキソ−エチ−1−イル〕−3,4−ジアミノ安息香酸
7.99g(10mmol) のN,N’−ビス−〔2−トリフェニルメチルメルカプト)−1−オキソ−エチ−1−イル〕−3,4−ジアミノ安息香酸メチルエステル(実施例26a)を 200mlのジオキサン、20mlの水及び20mlのメタノール中で4g(100mmol)の水酸化ナトリウムと混合する。それを室温で5時間、撹拌し、そのバッチを 300mlの5%クエン酸水溶液上に注ぐ。それを排他的にジクロロメタンで抽出し、その有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒のエバポレーションの後、その残物をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール、メタノール0〜40%)。
収率:3.56g(45.4%),無色の油
元素分析:
Cld :C 74.97 H 5.14 N 3.57 O 8.15 S 8.17
Fnd :C 74.71 H 5.32 N 3.31 S 7.88
【0231】
c)5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T*-3'
の5'−〔N−(3',4'−ビス−(2''−メルカプトアセチルアミノ)−ベンゾイル〕−6−アミノヘキシルリン酸エステル}
最初に、N,N'−ビス−〔2−(トリフェニル−メチルメルカプト)−1−オキソ−エチ−1−イル〕−3,4−ジアミノ安息香酸(実施例26b)を作る。この目的のために、その酸78.5mg(0.1mmol)を 500μlの無水DMF に溶かし、11.5mg(0.1mmol)のNHS と混合する。0℃に冷やした後、19.2mg(0.1mmol)のEDC を加えて0℃において30分間、インキュベートする。
【0232】
実施例1下に記載される重炭酸ナトリウム/炭酸ナトリウム緩衝液(pH=8.0)1ml中の 5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T*-3' の5'−(6−アミノヘキシル−リン酸エステル)10mgの溶液を先に作られたNHS −エステル溶液 500μlと混合する。それを室温で17時間、インキュベートする。その後、それをエバポレーションにより 500μlに濃縮し、Sephadex G-25 でクロマトグラフィーを行う。7mgのS−トリチル−保護化合物を得る。
S−トリチル保護基の切断、SH基を有するオリゴヌクレオチドの単離及び精製を実施例22e下に記載されるように行う。3mgの白色凍結乾燥物を得る。
【0233】
d)5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAG-CUACAUAT*T*T*T*T*-3'
の5'−{N−(3',4'−ビス−(2''−メルカプト−アセチルアミノ)−ベンゾイル〕−6−アミノヘキシル亜リン酸エステル}
実施例26c)下に記載される接合体1mlを1mlの 0.1Mリン酸水素二ナトリウム緩衝液(pH=9.5)に溶かす。10mgの酒石酸二ナトリウムを加えた後、それをナトリウムペルテクネテート溶液(1mCi)と混合し、次に塩化スズ(II)溶液(0.01M HClの5mg/1ml)10μlと混合する。残物の収率(約91%)をHPLCにより得た。
【0234】
実施例27.
a)N−〔O−アセチル−ヒドロキシアセチル〕−グリシル−グリシル−グリシン−tert−ブチルエステル
24.5g(0.1mol) のグリシル−グリシル−グリシン−tert−ブチルエステル及び11.8g(0.1mol) のO−アセチル−グリコール酸を 500mlの無水ジメチルホルムアミドに0℃において一緒に加える。
500mlの無水ジメチルホルムアミド中の20.6(0.1mol) の溶液をそのバッチ内に入れ、0℃において1時間、撹拌して最後に室温で一晩、撹拌する。それをろ過してそのろ液を油ポンプ上のエバポレーションにより濃縮する。それを酢酸エチル/n−ペンタンから繰り返し結晶化する。
収率:12.5g(36.2%),白色粉体
元素分析:
Cld : C 48.69 H 6.71 N 12.17 O 32.43
Fnd : C 48.43 H 7.01 N 11.93
【0235】
b)N−〔O−アセチル−ヒドロキシアセチル〕−グリシル−グリシル−グリシン
3.45g(10mmol) のN−(O−アセチル−ヒドロキシアセチル〕−グリシル−グリシル−グリシン−tert−ブチルエステルを15分間、50mlのトリフルオロ酢酸中で撹拌する。その後、それを 500mlの無水ジエチルエステル上に注ぎ、その産物をろ過して除く。それを酢酸エチル/n−ペンタンから繰り返し再結晶化する。
収率:1.23g(42.5%),白色粉体
元素分析:
Cld : C 41.53 H 5.23 N 14.53 O 38.72
Fnd : C 41.31 H 5.51 N 14.32
【0236】
c)5'-CUCAUGGAGCCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T*-3'
の5'−{N−〔N'−(ヒドロキシアセチル)−グリシル−グリシル−グリシル〕−6−アミノヘキシルリン酸エステル}
最初に、N−(O−アセチルヒドロキシアセチル)−グリシル−グリシル−グリシン(実施例27b)を作る。この目的のために、28.9mg(0.1mmol)のその酸を 500μlの無水DMF に溶かし、11.5mg(0.1mmol)のNHS と混合する。0℃に冷やした後、19.2mg(0.1mmol)のEDC を加え、0℃において30分間、インキュベートする。実施例1下に記載される1M炭酸ナトリウム溶液1ml中の 5'-CUCAUGGAGCGCAAGACGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T-3'の(6’−アミノヘキシル−リン酸エステル)10mgの溶液を先に作られた NHS−エステル溶液 500μlと混合する。それを室温において18時間、インキュベートする。その後、それをエバポレーションにより 500μlに濃縮し、Sephadex G-25 でクロマトグラフィーを行う。凍結乾燥後、3mgのタイトル化合物を得る。
【0237】
d)5'-CUCAUGGAGCCAAGA-CGAAUAGCUACAUAT*T*T*T*T*-3'
の5−{N−〔N'−(ヒドロキシアセチル)−グリシル−グリシル−グリシル〕−6−アミノヘキシルリン酸エステル}
実施例27c下に記載される接合体1mgを 0.1Mリン酸水素二ナトリウム緩衝液(pH=10.5) 1mlに溶かす。10mgの酒石酸二ナトリウムを加えた後、それをナトリウムペルテクネテート溶液(1mCi)、次に10μlの塩化スズ(II)溶液(0.01M HClの5mg/1ml)と混合する。その残物の収率はHPLCにより決定する(95%)。
【0238】
先の実施例は、一般的又は特定して記載された反応物を置換する及び/又は先の実施例に用いられるもののための本発明の条件を操作することにより同様の成功を繰り返し得る。
先の記載から、当業者は本発明の本質的特徴を容易に確かめることができ、その要旨及び、範囲から離れることなく、それを種々の使用及び条件に適合させるために本発明の種々の変換及び改良を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
N(B-K)n (I)
で示される、オリゴヌクレオチドラジカルN及びn個の置換基(B-K)から成るオリゴヌクレオチド接合体であって、
Nは、5〜200個のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドであって、標的構造に特異的に結合し、天然のヌクレアーゼによる分解が回避され又は少なくとも有意に低下するように修飾がなされており、
Bは、NとKとの間の連結を行う接続成分又は直接結合を表し、
Kは、錯体形成剤、又は放射性金属同位体若しくは安定な同位体との錯体を意味し、これらの同位体は、
外からの放射線により放射性同位体に転化され、
外からの放射線を異なる質、異なるエネルギー含量、及び/又は異なる波長の放射線に転化するものであり、
それらの同位体は、原子番号5、21〜29、31、39、42〜44、49、57〜83又は85の元素の同位体であり、そして
nは、1〜10の間の数であり、
a)ヌクレオチドを構成する糖ユニットの2′位置は、互いに独立して、次の基:
基−OR(ここで、Rは2までの水酸基を任意に含み、1〜5の酸素原子により任意に割り込まれている1〜20個の炭素原子のアルキル基である)、
水素原子、
水酸基、
フッ素原子、
アミン基、
アミノ基、及び
互いに独立して、任意に基Rによりエーテル化されていてもよい、末端位置3′及び5′に存在する水酸基、
により占有されており、そして/又は、
b)ヌクレオチド間結合として任意に用いられる場合があるホスホジエステルが、互いに独立して、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート又はアルキルホスホネート、好ましくはメチルホスフェートにより置き換えられており、そして/又は、
c)3'−及び5'−位置における末端基が、b)に記載されるようなヌクレオチド間結合により、互いに、分子内様式で結合され、そして/又は、
d)上記b)に記載されるようなヌクレオチド間結合を含み、この結合は3'−3'−又は5'−5'−位置を連結し、そして/又は、
e)上記b)に記載されるようなホスホジエステル結合を含み、この結合は、3−位置においてC2〜C10ヒドロキシアルキル基により2つのチミジンをエステル様に連結し、又は2'−もしくは3'−もしくは5'−位置において、同様に置換されたチミジン基を他の糖の水酸基にエステル様に連結し、そして/又は、そして
f)3'−及び5'−位置における末端基が、b)に記載のように任意に改良されたヌクレオチド間結合を含む、
ことを特徴とする化合物。
【請求項2】
前記オリゴヌクレオチドNが、15〜100ヌクレオチドを含んでなる、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記Nが、オリゴヌクレオチドであって、このオリゴヌクレオチドは、標的構造に特異的に結合するものであり、そして次の方法、即ち、ランダムな配列を含むオリゴヌクレオチドの混合物を前記標的構造と一緒にし、ここで或るオリゴヌクレオチドはオリゴヌクレオチドの混合物に比較して前記標的構造に対する増加したアフィニティーを示し、後者を前記オリゴヌクレオチド混合物の残りから分離し、その後前記標的構造に対して増加したアフィニティーを有するオリゴヌクレオチドを増幅して、前記標的構造に結合するオリゴヌクレオチドの比率が増加しオリゴヌクレオチドの混合物を得る、ことによって得ることが出来るものである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
前記Nが、オリゴヌクレオチドであって、このオリゴヌクレオチドは、標的構造物に特異的に結合するものであり、そして次の方法、即ち、
a)最初に、DNA鎖を化学合成により作製し、該DNA鎖は、3'−末端に定義された配列を有し、この配列はRNAポリメラーゼのためのプロモーターに相補的であり、同時にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のプライマーに相補的であり、そして前記DNA鎖は、5'−末端に定義された配列を有し、この配列はポリメラーゼ鎖反応(PCR)のプライマー配列に相補的であり、そして、前記定義された配列間の配列がランダム配列を含み、そして
b)前記DNA鎖がRNA ポリメラーゼにより相補的RNA鎖に転写され、ここでリボース単位の2'−位置において改変されたヌクレオチドが前記ポリメラーゼに供され、そして
c)この様にして作製されたRNAオリゴヌクレオチドが、該オリゴヌクレオチドが特異的に結合すべき前記標的構造物と一緒にされ、そして
d)前記標的構造物に結合したこれらのオリゴヌクレオチドが、先ず、標的構造物と共に、結合していないオリゴヌクレオチドから分離され、次に、結合したオリゴヌクレオチドが、前記標的構造から再び分離され、そして
e)これらの標的構造特異的RNAオリゴヌクレオチドが、相補的DNA鎖に、逆転写酵素により転写され、そして
f)これらのDNA 鎖が、定義されたプライマー配列を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅され、そして
g)次に、この様にして増幅されたDNAオリゴヌクレオチドが、RNAポリメラーゼにより、及び改変されたヌクレオチドを用いて、で再びRNAオリゴヌクレオチド転写され、そして
h)任意に、先に記載の選択ステップc)〜g)が、前記標的構造物に対する高い結合アフィニティーを特徴とするオリゴヌクレオチドが十分に選択されるまで繰り返され、その後任意に、こうして得られたオリゴヌクレオチドの配列が決定される、
ことにより得ルことが出来るオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の化合物。
【請求項5】
前記標的構造物が、高分子、動物もしくはヒトのような高等生物の組織構造物、動物もしくはヒトの器官もしくは器官の一部、細胞、腫瘍細胞又は腫瘍から選択されることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
接続成分Bが、
a)CH2−OH基により4'−位置において還元されたオリゴヌクレオチドラジカルNの4'端に、及び/又は
b)水素原子により3'−位置において還元されたオリゴヌクレオチドラジカルNの3'端に、及び/又は
c)2つのヌクレオチド各々の間のOH基により還元されたホスホジエステルブリッジに、及び/又は
d)5−,8−位置において各々水素原子により、及び/又は2−,4−及び6−位置においてアミノ基により還元された1〜10のヌクレオ塩基に、
結合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
前記Bが、下記の一般式:
X-Y-Z1
[この式は、X側において、錯体形成剤又は錯体により連結されており、そしてZ側において、オリゴヌクレオチドに連結されており、
Xは直接の結合、−NH又は−S基であり、
Yは、直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和のC1〜C20アルキレン基であり、このアルキレン基は、任意に、1〜2シクロヘキシレン、1〜5イミノ、1〜3フェニレン、1〜3フェニレンイミノ、1〜3フェニレノキシ、1〜3ヒドロキシフェニレン、1〜5アミド、1〜2ヒドラジド、1〜5カルボニル、1〜5エチレノキシ、ウレイド、チオウレイド、1〜2カルボキシアルキルイミノ、1〜2エステル基、Arの1〜3基(ここでArは、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜2ヘテロ原子及び/又は1〜2カルボニル基を任意に含む飽和もしくは不飽和5もしくは6員環を表す)、1〜10酸素、1〜5窒素及び/又は1〜5硫黄原子を任意に含み、そして/又は任意に、1〜5ヒドロキシ、1〜2メルカプト、1〜5オキソ、1〜5チオキソ、1〜3カルボキシ、1〜5カルボキシ-C1〜C4-アルキル、1〜5エステル、1〜3アミノ、1〜3ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、1〜3C1〜C7-アルコキシ基により置換されていてもよく、
1は、-CONH-CH2-4'、-NH-CO-4'、-O-P(O)R1-NH-CH2-4'、-O-P(O)R1-O-CH2-4'、-O-P(S)R1-O-3'又は-O-P(O)R'-O-3'(ここで、4'又は3'は末端の糖ユニットとの結合を示し、R1はO-、S-、C1〜C4アルキル、又はR2及びR3が水素もしくはC1〜C4アルキル基を意味するNR2R3基である)である]
を有することを特徴とする請求項6のハラグラフa)又はb)に記載の化合物。
【請求項8】
前記Bが、下記の一般式:
X-Y-Z2
[この式は、X側において、錯体形成剤又は錯体により連結されており、そしてZ側において、オリゴヌクレオチドに連結されており、
2は、2つの隣接する糖ユニットを連結するブリッジ:
【化1】

において、基-NR2-、-O-又は-S-であり、
Xは、直接の結合、−NH又は-S基であり、
Yは、直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和のC1〜C20アルキレン基であり、このアルキレン基は、任意に、1〜2シクロヘキシレン、1〜5イミノ、1〜3フェニレン、1〜3フェニレンイミノ、1〜3フェニレノキシ、1〜3ヒドロキシフェニレン、1〜5アミド、1〜2ヒドラジド、1〜5カルボニル、1〜5エチレノキシ、ウレイド、チオウレイド、1〜2カルボキシアルキルイミノ、1〜2エステル基、Arの1〜3基(ここでArは、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜2ヘテロ原子及び/又は1〜2カルボニル基を任意に含む飽和もしくは不飽和5もしくは6員環を表す)、1〜10酸素、1〜5窒素及び/又は1〜5硫黄原子を任意に含み、そして/又は任意に、1〜5ヒドロキシ、1〜2メルカプト、1〜5オキソ、1〜5チオキソ、1〜3カルボキシ、1〜5カルボキシ-C1〜C4-アルキル、1〜5エステル、1〜3アミノ、1〜3ヒドロキシ-C1〜C4-アルキル、1〜3C1〜C7-アルコキシ基により任意に置換されていてもよく、
2は、水素又はC1〜C4アルキル基である]
を有することを特徴とする請求項6のパラグラフc)に記載の化合物。
【請求項9】
前記Bが、下記の一般式:
X-Y-Z3
[ここで、
3は−NH基又は前記ヌクレオ塩基への直接の結合を表し、
Xは、直接の結合、−NH又は-S基であり、
Yは、直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和のC1〜C20アルキレン基であって、このアルキレン基は、1〜2シクロヘキシレン、1〜5イミノ、1〜3フェニレン、1〜3フェニレンイミノ、1〜3フェニレノキシ、1〜3ヒドロキシフェニレン、1〜5アミド、1〜2ヒドラジド、1〜5カルボニル、1〜5エチレノキシ、ウレイド、チオウレイド、1〜2カルボキシアルキルイミノ、1〜2エステル基、Arの1〜3基(ここでArは、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜2ヘテロ原子及び/又は1〜2カルボニル基を任意に含む飽和もしくは不飽和5もしくは6員環を表す)、1〜10酸素、1〜5窒素及び/又は1〜5硫黄原子を任意に含み、そして/又は任意に、1〜5ヒドロキシ、1〜2メルカプト、1〜5オキソ、1〜5チオキソ、1〜3カルボキシ、1〜5カルボキシ-C1〜C4 -アルキル、1〜5エステル、1〜3アミノ、1〜3ヒドロキシ−C1 〜C4 −アルキル、1〜3C1〜C7-アルコキシ基により任意に置換されていてもよい]
を有することを特徴とする請求項6のパラグラフd)に記載の化合物。
【請求項10】
前記錯体をお形成する金属が、像形成元素として、銅、ビスマス、テクネチウム、レニウム又はインジウムから選択される放射性同位体を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
標的構造物を検出するための方法であって、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物の一以上を、試験管内において、シグナルを基にして試験されるべきサンプルと一緒にし、オリゴヌクレオチドNが特異的に結合する標的構造物が前記サンプル内に存在するか否かを検出することを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物の1以上を含んで成る、病気の非侵襲性の診断のための組成物。
【請求項13】
放射線診断及び/又は放射線治療のための医薬の製造のための、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
標的構造の生体内及び/又は試験管内検出のための診断キットであって、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも1つを含むことを特徴とする診断キット。
【請求項15】
請求項1に記載の化合物であって、Nが、標的分子に対する特異的結合アフィニティーを有する非天然のオリゴヌクレオチドリガンドであり、前記標的分子が、ワトソン/クリック塩基対形成又は三重らせん結合に主に依存する機構により前記オリゴヌクレオチドリガンドに結合するポリヌクレオチド以外の三次元化学構造であり、前記オリゴヌクレオチドリガンドが前記標的分子により結合される周知の生理学的機能を有する核酸でないことを特徴とする化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−197024(P2009−197024A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134684(P2009−134684)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【分割の表示】特願平8−504630の分割
【原出願日】平成7年6月30日(1995.6.30)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【出願人】(509132082)ネクスター ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド (1)
【Fターム(参考)】