説明

金属部品及び金属部品の製造方法

【課題】従来から高融点金属の薄板を溶接して金属部品を製作するのは難しかった。また、うまくいかないと薄板に穴が開くことが多かった。そこで手作業で一つ一つ様子を見ながら溶接する必要があり、極めて生産効率が悪くなっていた。そのため製造コストが高かった。また、使用する板厚は要求される性能から、一定の制約があった。そこで、使用する板材の板厚を変更せずに、金属部品を製作できる部材の構成と溶接方法が必要となった。
【解決手段】溶接補助板を溶接部分に沿わせることによって使用する板材の板厚を変更せずに、溶接部分の合計の板厚のみを必要十分に確保して、薄板の溶接を容易にした。
従来に比べて作業性が良くなり、スポット溶接タイプに比べコストは半減となった。また、従来溶接が出来なかった極薄板を使用して金属部品を製作することが可能となった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンタル材などの高融点金属を用いた部品の製作に関する。
詳しくは、抵抗加熱蒸発の坩堝兼ヒ−タ−として使用する坩堝と、前記抵抗加熱蒸発の坩堝兼ヒ−タ−として使用する坩堝の製作において、薄板円筒とその底板を溶接するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真空蒸着において、単体金属、合金、無機化合物、有機化合物、ポリマ等の蒸着材料が使われる。また、前記蒸着材料の加熱方法にも色々あるが、実験室等で手軽に使用されるものの一つとして抵抗加熱蒸発源がある。前記抵抗加熱蒸発源は、通電して使われそれ自体の電気抵抗による発熱により、前記蒸着材料である被蒸発材料を加熱するものである。その形状からフィラメント、ボ−トと呼ばれるものがある。ここで、前記被蒸発材料が抵抗加熱体をぬらしやすいものにはフィラメント、ぬらしにくいものにはボ−トが使われる(非特許文献1参照)。
【0003】
前記抵抗加熱蒸発源材料としては、被蒸発材料に不純物の混入を避ける観点からW、Ta、Moなどの高融点金属材料が使用される。
【0004】
前記ボ−トはそれ自体が、金属坩堝として、前記蒸着材料(被蒸着材料)を入れて使用される。
【0005】
また、従来より、前記金属坩堝は板材を切り出して溶接により組立てる製造方法がとられていた。(特許文献1参照)
【0006】
【特許文献1】特開平5―148074号公報(第3頁、図2参照)
【非特許文献1】薄膜ハンドブック、日本学術振興会薄膜第131委員会偏、オ−ム社、昭和61年2月10日、第1版第2刷、P96−99
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図12に、従来の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−31の斜視図を示す。図13に、従来の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−31の正面図を示す。円筒32に底板(サイドキャップ)34を溶接し、サイドキャップ34に電極33を溶接した構造をしている。分類としては前記ボ−トである。
抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−31は、容器としてだけでなく、ヒ―タ―としての機能も果たすため、電気抵抗が下がり過ぎないように断面積が広くなり過ぎないように薄い板材(例えば、タンタルの板材)を使用して組立てる必要がある。
そこで、タンタルの薄板を溶接しなければならないが、タンタルの薄板を溶接すること自体が難しい。さらに、抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−31は実験用途での使用が多いことから、外形寸法が小さい(L1’=250mm、H’=150mm、L2’=50〜120mmφ)上に立体形状なので溶接しにくい。従来は、一つずつ手作業で、様子を見ながら製作していた。
【0008】
図14に、従来の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−31の円筒32とサイドキャップ34を組合わせた円筒容器40の縦断面を示す。また、図15、16は、図13の従来の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−31の溶接部分R’の拡大図である。円筒容器1のサイドキャップ34の縁には曲げ部分34aが形成されており、サイドキャップ34は円筒32の内周にピッタリはまり込むようになっている。この状態で、円筒32の縁32aとサイドキャップ34の縁の曲げ部分34aを溶接することにより円筒容器40(図14)を形成する。
【0009】
従来、溶接の方法は次のようなものであった。
まず、方法1として、図15に示すように、円筒32の縁32aとサイドキャップ34の縁の曲げ部分34aを重ね合わせ開先溶接36を施す方法があった。また、方法2として、図16に示すように、スポット溶接37で端部を細かく止めてゆく方法もあった。また、方法3として、図15と同じ構成において溶接には、電子ビ−ムやYAGレ−ザ−38を使用する方法があった。
【0010】
しかしながら、方法1の開先溶接36では、円筒32の縁32aの板厚(t1’)とサイドキャップ34の縁の曲げ部分34aの板厚(t2’)の合計T’を0.5mm以上にする必要があり、それより薄い場合は溶接不可能であった。
【0011】
このときの板厚の合計T’は、t1’+t2’となる。ここで、円筒32の板厚は0.1〜0.15mmのものが使われるため、合計T’は0.2〜0.3mmとなる。しかしこのとき溶接においては、板厚の合計T’が0.5mm以上であることが望ましいという実験結果が得られた。板厚の合計T’が0.5mm以下の場合には溶接がうまくいかないのみならず、円筒32の縁32aやサイドキャップ34の縁の曲げ部分34aに穴が開くことがあった。また、サイドキャップ34の厚さで、板厚の合計T’を0.5mm以上に調整することも考えられるが、サイドキャップ34も電気抵抗及び熱容量が発熱時のパワ−コントロ−ルに関わるため、板厚0.2mm以上には出来なかった。
【0012】
また、方法2のスポット溶接37では、手作業で一つ一つ様子を見ながら溶接する必要があり、極めて生産効率が悪くなっていた。そのため製造コストが高かった。
【0013】
また、方法3の電子ビ−ムやYAGレ−ザ−38では、板厚の合計T’が0.5mmの場合、溶接のための溶接装置へのセット自体が難しくなり、さらにセットがうまくいかないと円筒32の縁32aやサイドキャップ34の縁の曲げ部分34aに穴が開くことが多かった。
【0014】
本願発明はこれらの問題に鑑みて、使用する板材の板厚を変更せずに、板厚の合計を調整可能とする金属部品の製作方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
板材同士を重ね合わせる溶接部分の構造を工夫し、溶接補助板5を前記溶接部分に沿わせることによって前記溶接部分の板厚のみを必要十分に確保して、薄板の溶接を容易にした。
【発明の効果】
【0016】
従来に比べて作業性が良くなり、スポット溶接タイプに比べてコストは半減となった。
また、従来溶接が出来なかった極薄板を使用して金属部品を製作することが可能となった。例えば、真空装置に使用される防着板、シャッタ−、スペ−サ、駆動機構などの構成部品の製作に利用できる。これらの精密部品は高温に曝されるため、チタンやジルコニア等の高融点金属で製作することが望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1に本発明を適用する抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1を示す。円筒2と、サイドキャップ4と、溶接補助板5を溶接し、サイドキャップ4に電極3を溶接して取り付けた構造をしている。円筒2と、サイドキャプ4と、溶接補助板5及び電極3はタンタルの薄板を用いて製作した。本実施例では、円筒2の側面に開口2bを有し、円筒2の両端の底部はサイドキャップ4により閉鎖して蒸着材料を入れる容器として使用する。
図1の実施例では、円筒2の外側に環状の溶接補助板5を鉢巻状に巻き、円筒2と、サイドキャップ4とを溶接している。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1をサイドキャップ4側から見た側面図である。円筒2と、サイドキャップ4と、溶接補助板5を一括してTIG(Tungsten Inert Gas)溶接6している。電極3は、スポット溶接7にて取り付けている。なお、スポット溶接点は、サイドキャップ4及び電極3の曲げ部分3aの中心点上または中心線上になるようにし、抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1の電気抵抗がヒ−タ−部分である円筒2にて出来るだけ均一になるように配慮している。
【0020】
図3は、本発明の実施の形態の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1をサイドキャップ4側から見た拡大側面図である。TIG溶接6を行なう前のセットした状態を示す。円筒2の縁2aと、サイドキャップ4の曲げ部分4a、溶接補助板5の縁5aを重ねているところを示す。板厚の合計が0.5mm以上となるようにしている。
【0021】
図4は、本発明の実施の形態の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1の正面図である。抵抗加熱のための電極3が円筒2の両側面のサイドキャップ4の窪みに取り付けられていることを示す。電極の取り付けはスポット溶接による。抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1は全長(L1)が170〜250mmで、円筒容器は高さ(H)150mm、直径(L2)50〜200mmφである。
【0022】
図5は、本発明の実施の形態の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1の平面図である。蒸着材料の蒸気は開口2bから出てくる。開口2bのスリットとしての効果により、開口形状に従って放出方向が規制され、シ−ト状の蒸気になって特に図示しない被蒸着物に向かうようになっている。
【0023】
図6は、本発明の実施の形態の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1の正面図である図4の溶接部分Rの拡大断面図である。円筒2の外側に溶接補助板5を鉢巻状に巻き、TIG溶接を行なった。円筒2の板厚t1と、底板4の板厚t2と、溶接補助板5の板厚t3の合計Tが0.5mm以上となるようにしている。
【0024】
図7は、本発明の実施の形態の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1のサイドキャップ2と電極3を抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1の正面から見た図である。サイドキャップ2と電極3を実線で示す。サイドキャップ4の厚さt2が0.2mm、電極の板材の厚さは0.8mmである。電極は、本実施例ではサイドキャップ4と同じくタンタルであり、板厚を厚くして電気抵抗値を下げて使用している。
【0025】
図8は、本発明の実施の形態の円筒容器20の正面側からの縦断面図である。円筒2と、サイドキャップ4と、溶接補助板5のセット状態の位置関係を示している。
【0026】
図9は、本発明の実施例1の溶接部分Rの拡大断面図である。溶接補助板5が円筒2の外側に取り付けられた実施例である。円筒2の厚さt1が0.1mm、サイドキャップ4の縁の曲げ部分4aの厚さt2が0.2mm、溶接補助板5の厚さt3が0.2mmである。合計Tが0.5mmとなるようにしている。その結果、良好にTIG溶接6ができた。
【0027】
図10は、本発明の実施例2の溶接部分Rの拡大断面図である。溶接補助板5が底板4の縁の内側に取り付けられた実施例である。円筒2の厚さt1が0.1mm、サイドキャップ4の縁の曲げ部分4aの厚さt2が0.2mm、溶接補助板5の厚さt3が0.2mmである。合計Tが0.5mmとなるようにしている。その結果、良好にTIG溶接6ができた。
【0028】
図11は、本発明の変形例の溶接部分Rの拡大断面図である。サイドキャップ4を折り曲げて厚みを増している。つまり、サイドキャップ4の折り曲げた部分を溶接補助板5として使用している。円筒2の厚さt1が0.1mm、サイドキャップの縁の曲げ部分4aの厚さt2が0.2mmである。合計Tが0.5mmとなるようにしている。その結果、良好にTIG溶接6ができた。
【0029】
以上、本発明の実施例について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想にもとづいて種々の変形が可能である。
【0030】
本願発明の溶接部の構成は、平面形状の金属部品においても適用可能である。製造にあたり金属部材を重ね合わせ、さらに溶接補助部材を重ねあわせてセットできれば適用可能である。例えば、図17に示すように、薄板52と薄板53を重ね合わせ、さらに溶接補助部材54を重ね合わせて、溶接56により固定する。
【0031】
また、本発明の実施例では円筒容器20に適用したが、円筒状に限らず他の立体形状にも適用可能である。例えば、角柱状、皿状、箱状でも適用可能である。製造にあたり金属部材を重ね合わせ、さらに溶接補助部材を重ねあわせてセットできれば適用可能である。
【0032】
また、本発明の実施例では底板にキャップ状のものを使用したが、縁に曲げを形成できればド−ム状や半ド−ム状のものでも良い。さらにド−ム状や半ド−ム状をいくつか組合わせた複雑な形状のものであっても縁に曲げを形成できれば、本願発明は適用可能である。
【0033】
また、本発明の実施例では、溶接補助板5として、環状のものを用いたが、板材をC字型に曲げて使用しても良い。また、分割されたものを組合わせても良い。また、1枚に限らず複数毎使用しても良い。さらに外側と内側の両方に設けても良い。
【0034】
また、実施例では、円筒2、底板4及び溶接補助板5の金属が同じ金属であったが、それぞれ違う金属であっても良い。また、電極3の金属が、底板4または溶接補助板5と同じ金属であっても良いし、違う金属であっても良い。抵抗加熱に使用する200〜1800℃程度までの高温に耐え、且つ溶接可能であれば、本発明は適用可能である。
【0035】
また、実施例では、円筒2の厚さを0.1mmを使用したが、板材の厚みは0.1〜0.2mmあることが望ましい。抵抗加熱式蒸着装置は、実験装置として使用されることが多いため、実施例に示した抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1程度の大きさが上限に近く、小型のものが多い。発熱体となる立体形状(円柱、角柱、皿状、箱状)の部分の長さと幅及び高融点金属の抵抗体積率との関係から決定される。現在市販されている抵抗加熱式蒸着装置に実装する抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−を製作する場合、板厚の実用的な範囲は0.1〜0.2mmである。
【0036】
また、円筒2及び底板4の材質は、実施例ではタンタルであったが、タングステン、チタン、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、バナジウム、ハフニウム等の耐熱材料でも良い。さらに、発熱材料であるニクロム等の合金を用いることも可能である。
【0037】
また、本発明の実施例では、円筒2、底板4及び溶接補助板5の溶接にTIG溶接を用いたが、融接可能であれば他の溶接方法でも良い。容器として使用するため、蒸着材料が溶けて漏れ出さないように融接できることが望ましい。
【0038】
さらに、本発明の実施例では、電極3の取り付けをスポット溶接7にて行なったが、リベットを利用しても良い。溶接補助板5のセットを容易にするために、仮止めや位置合わせに利用して止めつけることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1の斜視図である。円筒2と、サイドキャップ(底板)4と、溶接補助板5を溶接し、底板に電極3を溶接して取り付けた構造をしている。
【図2】本発明の実施の形態の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1をサイドキャップ側から見た側面図である。円筒2と、サイドキャップ4と、溶接補助板5を一括してTIG溶接6している。電極3は、スポット溶接7にて取り付けている。
【図3】本発明の実施の形態の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1をサイドキャップ4側から見た拡大側面図である。TIG溶接6を行なう前の状態を示す。円筒2と、底板4の縁4a、溶接補助板5を重ねている。
【図4】本発明の実施の形態の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1の正面図である。抵抗加熱のための電極3が円筒2の両側面の底板4の窪みに取り付けられていることを示す。
【図5】本発明の実施の形態の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1の平面図である。蒸着材料の蒸気は開口2bから出てくる。
【図6】本発明の実施の形態の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1の正面図である図4の溶接部分Rの拡大断面図である。
【図7】本発明の実施の形態の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1のサイドキャップ4と電極4の取り付け関係を示す縦断面図である。サイドキャップ4と電極3を実線で示す。
【図8】本発明の実施の形態の円筒容器20の正面側からの縦断面図である。
【図9】本発明の実施例1の溶接部分Rの拡大断面図である。溶接補助板5が円筒2の外側に取り付けられた実施例である。円筒2の厚さが0.1mm、サイドキャップ4の曲げ部分4aの厚さが0.2mm、溶接補助板5の厚さが0.2mmである。
【図10】本発明の実施例2の溶接部分Rの拡大断面図である。溶接補助板5がサイドキャップ4の曲げ部分の内側に取り付けられた実施例である。円筒2の厚さが0.1mm、サイドキャップ4の曲げ部分4aの厚さが0.2mm、溶接補助板5の厚さが0.2mmである。
【図11】本発明の変形例の溶接部分Rの拡大断面図である。底板4を折り曲げて厚みを増している。
【図12】従来の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−31の斜視図である。円筒32にサイドキャップ34を溶接し、サイドキャップ34に電極33を溶接して取り付けた構造をしている。
【図13】従来の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−31の正面図である。
【図14】従来の円筒容器40の正面側からの縦断面図である。
【図15】従来の方法1及び方法3の溶接部分R’の拡大断面図である。開先溶接36、レ−ザ−又は電子ビ−ム溶接38により溶接した部分を示す。 円筒32の厚さが0.1mm、サイドキャップ34の曲げ部分34aの厚さが0.2mmである。
【図16】従来の方法2の溶接部分R’の拡大断面図である。スポット溶接37により、円筒32とサイドキャップ34の曲げ部分34aを溶接した部分を示す。円筒32の厚さが0.1mm、サイドキャップ34の曲げ部分34aの厚さが0.2mmである。
【図17】本発明の変形例で、平面形状の金属部品51の溶接部である。Aは側面図、Bは斜視図である。薄板52と薄板53を重ね合わせ、さらに溶接補助部材54を重ね合わせて、溶接56により固定している。
【符号の説明】
【0040】
1・・・抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−、2・・・円筒(ヒ−タ−部)、2a・・・縁、2b・・・開口、3・・・電極、3a・・・曲げ部分、4・・・底板(サイドキャップ)、4a・・・曲げ部分、5・・・溶接補助板(溶接補助部材)、6・・・TIG溶接部、7・・・スポット溶接部、
20・・・円筒容器
31・・・抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−(ボ−ト)、32・・・円筒(ヒ−タ−部)、32a・・・縁、32b・・・開口、33・・・電極、33a・・・曲げ部分、34・・・底板(サイドキャップ)、34a・・・曲げ部分、36・・・開先溶接、37・・・スポット溶接部、38・・・レ−ザ−又は電子ビ−ム溶接
40・・・円筒容器
51・・・金属部品、52・・・薄板(高融点金属板)、53・・・薄板(高融点金属板)、54・・・溶接補助部材、56・・・溶接部
H・・・円筒容器(ヒ−タ−部)20の高さ(電極を含まない)、L1・・・抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−1の長さ(電極を含む)、L2・・・円筒容器20の直径、
H’・・・従来の円筒容器(ヒ−タ−部)40の高さ(電極を含まない)、L1’・・・従来の抵抗加熱式蒸発ヒ−タ−31の長さ(電極を含む)、L2’・・・従来の円筒容器40の直径、
T・・・底板溶接部分の全体の厚み、t1・・・円筒2の厚み、t2・・・底板(サイドキャップ)4の厚み、t3・・・溶接補助部材5の厚み
T’・・・従来の底板溶接部分の全体の厚み、t1’・・・従来の円筒32の厚み、t2’・・・従来の底板(サイドキャップ)34の厚み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高融点金属の2枚以上の薄板と溶接補助部材とを重ね合わせた部分で溶接してなる金属部品。
【請求項2】
前記金属部品が、平面形状であることを特徴とする請求項1に記載の金属部品。
【請求項3】
前記金属部品が、立体形状であることを特徴とする請求項1に記載の金属部品。
【請求項4】
前記立体形状が円柱状であることを特徴とする請求項3に記載の金属部品。
【請求項5】
前記円柱状の側部に開口を有することを特徴とする請求項4に記載の金属部品。
【請求項6】
前記円柱状が、円筒と底板を溶接してなることを特徴とする請求項4又は5に記載の金属部品。
【請求項7】
前記底板がキャップ状であることを特徴とする請求項6に記載の金属部品。
【請求項8】
前記立体形状が角柱状であることを特徴とする請求項3に記載の金属部品。
【請求項9】
前記角柱状が、角筒と底板を溶接してなることを特徴とする請求項8に記載の金属部品。
【請求項10】
前記立体形状が皿状であることを特徴とする請求項3に記載の金属部品。
【請求項11】
前記立体形状が箱状であることを特徴とする請求項3に記載の金属部品。
【請求項12】
前記金属部品が、坩堝として使用されることを特徴とする請求項3〜11のいずれかに記載の金属部品。
【請求項13】
前記坩堝が、蒸着材料の蒸発に用いられる坩堝で抵抗加熱体をも兼ねるために電気抵抗を減らさないように断面積が制限されたことを特徴とする請求項12に記載の金属部品。
【請求項14】
前記2枚以上の高融点金属が同じ金属であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の金属部品。
【請求項15】
前記2枚以上の高融点金属が異なる金属であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の金属部品。
【請求項16】
前記高融点金属が、タンタル、タングステン、チタン、ジルコニウム、ニオブ、モリブデンのいずれかであることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の金属部品。
【請求項17】
高融点金属の2枚以上の薄板と溶接補助部材とを重ね合わせた部分で溶接してなる金属部品の製作方法。
【請求項18】
前記金属部品が立体形状の場合、前記高融点金属の薄板の外側に溶接補助部材を重ね合わせて溶接することを特徴とする請求項17に記載の金属部品の製作方法。
【請求項19】
前記金属部品が立体形状の場合、前記高融点金属の薄板の内側に溶接部材を重ね合わせて溶接することを特徴とする請求項17に記載の金属部品の製作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−260707(P2007−260707A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−86922(P2006−86922)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(305028143)アルバックマテリアル株式会社 (3)
【Fターム(参考)】