鉄筋トラス付きデッキプレート
【課題】ラチス筋と上端筋との間の溶接作業が容易であり、その結果、ラチス筋と上端筋との間に溶接不良が発生し難く、十分な溶接強度が得られるようにする。
【解決手段】鉄筋トラス付きデッキプレート1は、金属製の基板2上に複数本のトラス3が並設されて成る。各トラス3は、直線状の上端筋5と、山部41と谷部42とが繰り返しかつ各谷部42が交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振れる波形形状のラチス筋4とを含んでいる。ラチス筋4は基板2上に山部41を上にして縦向きに配置される。上端筋5はラチス筋4の山部41の頂部41aの位置に基板2と平行に配置される。ラチス筋4の各山部41の頂部41aが上端筋5を跨いて上端筋5と斜めに交叉した接触状態で各頂部41aが上端筋5に溶接により固着される。ラチス筋4の各谷部42の谷底部42aが基板2の表面に突設されたリブ21,22にそれぞれ溶接により固着される。
【解決手段】鉄筋トラス付きデッキプレート1は、金属製の基板2上に複数本のトラス3が並設されて成る。各トラス3は、直線状の上端筋5と、山部41と谷部42とが繰り返しかつ各谷部42が交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振れる波形形状のラチス筋4とを含んでいる。ラチス筋4は基板2上に山部41を上にして縦向きに配置される。上端筋5はラチス筋4の山部41の頂部41aの位置に基板2と平行に配置される。ラチス筋4の各山部41の頂部41aが上端筋5を跨いて上端筋5と斜めに交叉した接触状態で各頂部41aが上端筋5に溶接により固着される。ラチス筋4の各谷部42の谷底部42aが基板2の表面に突設されたリブ21,22にそれぞれ溶接により固着される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、上面にコンクリートを打設して鉄筋コンクリートスラブを構築するための鉄筋トラス付きデッキプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄筋トラス付きデッキプレートとして種々の態様のものが提案されており、金属製の基板上に上端筋と下端筋とを波形形状のラチス筋で結合して成るトラスを複数並設した構造のものが一般的である。この種の鉄筋トラス付きデッキプレートの他に、基板の表面のトラスの構築位置に下端筋に代わるリブを突設してラチス筋の谷底部をリブの側面に溶接により固着したもの、さらには、図11(1)〜(3)に示すように、基板100の表面のトラスの構築位置に左右一対のリブ101,102を突設し、ラチス筋110の谷部111を交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振らせて各谷底部111aを交互に左右のリブ101,102に溶接により固着したものも提案されている(例えば、特許文献1の図5〜図7の実施例参照)。さらにまた、図12に示すように、ラチス筋110の左右に振った各谷部111,111を下端筋120に溶接により固着するとともに、各谷底部111aを外方に折り曲げて形成された脚部112,112を基板100の表面に溶接により固着したものも提案されている(例えば、特許文献2の図7〜図10の実施例参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3310440号公報
【特許文献2】特許第4164511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いずれの鉄筋トラス付きデッキプレートも、ラチス筋110の山部113の頂部113aを上端筋130の下面に突き当ててその接触部分にスポット溶接を施すことにより、ラチス筋110と上端筋130とを一体に接合しているが、ラチス筋110の山部113の頂部113aを上端筋130に突き当てた状態を保持して溶接作業を行うため、溶接作業がやりずらく、作業効率が悪いだけでなく、ラチス筋110の山部113の頂部113aと上端筋130との間に溶接不良が発生し易く、溶接強度が不十分となるおそれがある。その結果、施工時に上端筋130が踏まると、溶接箇所が剥離して上端筋130とラチス筋110とが分離するおそれがあり、コンクリートの打設時、上端筋130に圧縮力が作用したとき、上端筋130の水平方向へ変形するのを抑制できない。
【0005】
上記の問題を解消するために、ラチス筋110の山部113の頂部113aを潰して平たく加工することにより、上端筋130との接触状態を安定させるなどの工夫が行われているが、その種の加工によりラチス筋110の製作工程数が増し、コスト高を招く要因となる。
【0006】
この発明は、上記の問題に着目してなされたもので、ラチス筋の山部の頂部を平たくするなどの加工を必要とせず、ラチス筋と上端筋との間の溶接作業が容易であり、その結果、ラチス筋と上端筋との間に溶接不良が発生し難く、十分な溶接強度が得られる鉄筋トラス付きデッキプレートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による鉄筋トラス付きデッキプレートは、金属製の基板上に複数本のトラスが並設されて成るものであって、前記の各トラスは、直線状の上端筋と、山部と谷部とが繰り返しかつ各谷部が交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振れる波形形状のラチス筋とを含んでいる。ラチス筋は基板上に山部を上にして縦向きに配置され、上端筋はラチス筋の山部の頂部の位置に基板と平行に配置される。ラチス筋の各山部の頂部が上端筋を跨いて上端筋と斜めに交叉した接触状態で各頂部が上端筋に溶接より固着されるとともに、ラチス筋の各谷部の谷底部が基板の表面に突設されたリブにそれぞれ溶接により固着されている。
【0008】
上記した構成の鉄筋トラス付きデッキプレートでは、ラチス筋の各山部の頂部が上端筋を跨いて上端筋と斜めに交叉した接触状態で各頂部が上端筋に溶接されるので、溶接作業時、上端筋はラチス筋に包み込まれた状態にあるため、溶接作業が行い易く、ラチス筋と上端筋との間が確実に溶接され、溶接不良が発生し難い。その結果、十分な溶接強度が得られ、施工時に上端筋が踏まれても、溶接箇所が剥離して上端筋とラチス筋とが分離するおそれはない。仮に、溶接箇所の剥離が発生しても、上端筋はラチス筋に包み込まれているので、コンクリートの打設時、上端筋に作用する圧縮力に対して、上端筋が水平方向へ変形しないように拘束される。
【0009】
この発明の好ましい一実施態様においては、前記リブは、互いに内方へ傾く左右一対のリブであり、各リブの外面にラチス筋の左右の反対方向へ振れた谷底部が溶接により固着されている。
この実施態様によると、各リブとラチス筋の谷底部とが対向するので、両者の面接触により良好な溶接強度が得られる。また、各リブの外側よりラチス筋の左右の反対方向へ振れた谷底部を当てて溶接するので、溶接作業が行い易い。
【0010】
この発明による他の鉄筋トラス付きデッキプレートでは、前記の各トラスは、直線状の上端筋および下端筋と、山部と谷部とが繰り返しかつ各谷部が交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振れる波形形状のラチス筋とを含んでいる。ラチス筋は基板上に山部を上にして縦向きに配置され、上端筋はラチス筋の山部の頂部の位置に、下端筋はラチス筋の谷部の谷底部より上方位置に、それぞれ基板と平行に配置される。ラチス筋の各山部の頂部が上端筋を跨いて上端筋と斜めに交叉した接触状態で各頂部が上端筋に溶接により固着されるとともに、ラチス筋の各谷部の谷底部は基板の表面に、各谷底部の上方位置が下端筋に、それぞれ溶接により固着されている。
【0011】
上記した構成の鉄筋トラス付きデッキプレートにおいても、ラチス筋の各山部の頂部が上端筋を跨いて上端筋と斜めに交叉した接触状態で各頂部が上端筋に溶接されるので、溶接作業時、上端筋はラチス筋に包み込まれた状態にあるため、溶接作業が行い易く、ラチス筋と上端筋との間が確実に溶接され、溶接不良が発生し難い。その結果、十分な溶接強度が得られ、施工時に上端筋が踏まれても、溶接箇所が剥離して上端筋とラチス筋とが分離するおそれはない。仮に、溶接箇所の剥離が発生しても、上端筋はラチス筋に包み込まれているので、コンクリートの打設時、上端筋に作用する圧縮力に対して、上端筋が水平方向へ変形しないように拘束される。
【0012】
この発明の好ましい実施態様においては、前記ラチス筋は、各谷底部を曲げて形成される脚部を有し、各脚部は基板の表面に溶接により固着されている。
この実施態様によると、トラスと直交する方向への上端筋の耐力が増し、コンクリートの打設時、上端筋が水平方向に変形挫屈するのが防止される。
【0013】
この発明のさらに好ましい実施態様においては、前記ラチス筋は、同じ振幅の波が同一面上で同じピッチで繰り返す波形形状の鉄線材をその振幅の中央部で全長にわたり折り曲げることにより形成されており、鉄線材の各折曲げ部分がラチス筋の山部を構成し、鉄線材の波形の山部および谷部がラチス筋の谷部を構成している。
この実施態様よると、波形形状の鉄線材をその振幅の中央部で折り曲げるだけで、ラチス筋を簡単に製作できる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、溶接作業時、上端筋がラチス筋に包み込まれた状態にあるため、溶接作業が行い易く、作業効率を低下させないばかりでなく、ラチス筋と上端筋とが確実に溶接され、溶接不良が発生し難い。その結果、十分な溶接強度が得られ、施工時に上端筋が踏まれても、溶接箇所が剥離して上端筋とラチス筋とが分離するおそれはない。仮に、溶接箇所の剥離が発生しても、上端筋はラチス筋に包み込まれているので、コンクリートの打設時、上端筋に作用する圧縮力に対して、上端筋が水平方向へ変形しないように拘束される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の第1の実施例である鉄筋トラス付きデッキプレートの主要部の外観を示す斜視図である。
【図2】第1の実施例を拡大して示す側面図である。
【図3】第1の実施例を拡大して示す正面図である。
【図4】第1の実施例を長さ方向の一部を省略して示した平面図である。
【図5】ラチス筋の製作に用いる波形波形の鉄線材を示す平面図である。
【図6】図5の鉄線材よりラチス筋を製作する方法を示す正面図である。
【図7】この発明の第2の実施例である鉄筋トラス付きデッキプレートの外観を示す斜視図である。
【図8】第2の実施例を拡大して示す側面図である。
【図9】第2の実施例を拡大して示す正面図である。
【図10】第2の実施例を長さ方向の一部を省略して示した平面図である。
【図11】従来の鉄筋トラス付きデッキプレートの構成を示し、(1)が正面図、(2)が側面図、(3)が平面図である。
【図12】従来の他の鉄筋トラス付きデッキプレートの構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1〜図4は、この発明の第1の実施例である鉄筋トラス付きデッキプレート1の外観並びに構成を示している。
図示例の鉄筋トラス付きデッキプレート1は、床スラブを構築するのに用いられ、金属製の基板2上に複数のトラス3が並設されて成るものである。図示例の基板2は亜鉛メッキ鋼板をもって形成されており、仮設時はトラス3と協働して荷重を支持するとともに、流動性を有するコンクリートがこぼれないように保持する。なお、同図は説明の便宜上、2個のトラス3が並設されたものの主要部を示しているが、トラス3の配列間隔や設置数は基板2の大きさに応じて適宜設定する。
【0017】
基板2の表面の各トラス3の設置位置には、左右一対のリブ21,22が長さ方向に沿って全長にわたって一体に突設されている。また、基板2の表面のリブ21,22間および隣り合うトラス3,3間には、基板2の長さ方向と直交する方向(幅方向)の剛性を高めるために、幅方向に沿う補強用のリブ23が複数並列に一体形成されている。長さ方向に沿う各リブ21,22は基板2の表面から帯板状に起立した形態を有し、対をなす各リブ21,22は互いに内方へ傾けている。幅方向に沿う補強用のリブ23は基板2の表面を上方へ凸状に膨出させた形態のものであるが、これに限らず、基板2の表面を下方へ凹ませた形態のものであってもよく、また、凸状のものと凹状のものとを一つおきに交互に形成してもよい。
【0018】
各トラス3は、直線状の棒鋼より成る上端筋5と鉄線材を波形形状に折り曲げて形成されたラチス筋4とを含むものである。ラチス筋4は基板2上に山部41を上にして縦向きに配置され、このラチス筋4により上端筋5と基板2上の左右のリブ21,22とが連結されてトラス3が構成されている。
【0019】
ラチス筋4は、基板2の表面に対して垂直な面(以下、単に「垂直面」という。)に沿って山部41と谷部42とが上下に繰り返すもので、各谷部42は垂直面に対して交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振れて、下拡がりの形態になっている。上端筋5はラチス筋4の山部41の頂部41aの位置に基板2と平行に配置され、この上端筋5をラチス筋4の各山部41の頂部41aが跨いでいる。この跨いだ部分において、ラチス筋4の山部41の頂部41aは上端筋5と斜めに交叉し、その内周面が上端筋5の外周面と広く接触し、その接触状態で頂部41aと上端筋5とがスポット溶接により一体に固着されている。
【0020】
ラチス筋4の反対方向に振られた各谷部42の谷底部42aは、基板2の表面より起立した左右一対のリブ21,22の外面に交互に接触し、その接触状態で各谷底部42aとリブ21,22とがスポット溶接により一体に固着されている。なお、リブ21,22は、独立して起立した図示例の形態に限らず、図3において、一点鎖線で示すように、台形状の連続した形態のものであってもよい。
【0021】
図示例のラチス筋4は、図5に示すような形態の鉄線材7、すなわち、同じ振幅Aの波が同一面上で同じピッチBで繰り返す波形形状の鉄線材7を、図6(1)〜(3)に示すように、その振幅Aの中央部cで全長にわたり所定の角度θ(たとえば30度)になるまで、図中、Pで示す方向へ加圧して折り曲げることにより形成されている。鉄線材7の各折曲げ部分70はラチス筋4の山部41の頂部41aとなり、鉄線材7の山部71および谷部72はラチス筋4の谷部42を構成する
【0022】
図7〜図10は、この発明の第2の実施例である鉄筋トラス付きデッキプレート1の外観並びに構成を示している。
各トラス3は、直線状の棒鋼より成る上端筋5および下端筋6と、鉄線材を波形形状に折り曲げて形成されたラチス筋4とを含むものである。ラチス筋4は基板2上に山部41を上にして縦向きに配置され、このラチス筋4により上端筋5と下端筋6と基板2とが連結されてトラス3が構成されている。なお、図中、23が基板2の表面に形成された補強用のリブである。
【0023】
ラチス筋4は、基板2の表面に対して垂直な面(垂直面)に沿って山部41と谷部42とが上下に繰り返すもので、各谷部42は垂直面に対して交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振れて、互いに平行な形態となっている。上端筋5はラチス筋4の山部41の頂部41aの位置に、下端筋6はラチス筋4の谷部42の谷底部42aより上方位置に、それぞれ基板2と平行に配置され、上端筋5をラチス筋4の各山部41の頂部41aが跨いでいる。この跨いだ部分において、ラチス筋4の山部41の頂部41aは上端筋5と斜めに交叉し、その内周面が上端筋5の外周面と広く接触し、その接触状態で頂部41aと上端筋5とがスポット溶接により一体に固着されている。
【0024】
ラチス筋4の反対方向へ振れた各谷部42の谷底部42aは、それぞれ外方へ曲げられて脚部44が形成されている。各脚部44は基板2の表面に、脚部44の上方位置は下端筋6に、それぞれスポット溶接により固着されている。なお、脚部44は、円弧状、矩形状、三角形状など、任意の形状に形成することができる。
また、図示例では、ラチス筋4の谷底部42aを交互に反対方向に曲げて各脚部44の向きを交互に違えているが、これに限らず、ラチス筋4の谷底部42aを全て同方向に曲げて各脚部44の向きを一致させてもよい。
【0025】
上記した第2の実施例のラチス筋4も、第1の実施例と同様、同じ振幅の波が同一面上で同じピッチで繰り返す波形形状の鉄線材7を、その振幅の中央部で全長にわたり折り曲げることにより形成することができる。なお、第2の実施例では、鉄線材7は折り曲げた部分が互いに平行となるまで折り曲げられる。
【0026】
上記した第1、第2の各実施例において、各トラス3は互いに平行に配置され、コンクリートの重量をはじめとする荷重を支持して両端の端部材8,8に伝達する。なお、両端の端部材8は上端がトラス3の上端筋5に、下端が基板2に、それぞれ固着されている。各トラス3は、仮設時においては、トラス構造にて吊り下げ用力骨として働き、本設時においては、上端筋5、リブ21,22、下端筋6が鉄筋コンクリートのスラブ主筋としてモーメントによって生じる引っ張り力に抵抗する役割を果たす。
なお、図示していないが、隣り合うトラス3,3の上端筋5,5間は複数のつなぎ筋により連結される。
【0027】
図1〜図4に図示された第1の実施例では、ラチス筋4の各山部41の頂部41aが上端筋5を跨いて上端筋5と斜めに交叉した接触状態で各頂部41aが上端筋5に溶接されるので、溶接作業時、上端筋5はラチス筋4に包み込まれた状態にあるため、溶接作業が行い易く、ラチス筋4と上端筋5との間が確実に溶接され、溶接不良が発生し難い。その結果、十分な溶接強度が得られ、施工時に上端筋5が踏まれても、溶接箇所が剥離して上端筋5とラチス筋4とが分離するおそれはない。仮に、溶接箇所の剥離が発生しても、上端筋5はラチス筋4に包み込まれているので、コンクリートの打設時、上端筋5に作用する圧縮力に対して、上端筋5が水平方向へ変形しないように拘束される。
【0028】
図7〜図10に図示された第2の実施例においても、ラチス筋4の各山部41の頂部41aが上端筋5を跨いて上端筋5と斜めに交叉した接触状態で各頂部41aが上端筋5に溶接されるので、溶接作業時、上端筋5はラチス筋4に包み込まれた状態にあるため、溶接作業が行い易く、ラチス筋4と上端筋5との間が確実に溶接され、溶接不良が発生し難い。その結果、十分な溶接強度が得られ、施工時に上端筋が踏まれても、溶接箇所が剥離して上端筋5とラチス筋4とが分離するおそれはない。仮に、溶接箇所の剥離が発生しても、上端筋5はラチス筋4に包み込まれているので、コンクリートの打設時、上端筋5に作用する圧縮力に対して、上端筋5が水平方向へ変形しないように拘束される。
【符号の説明】
【0029】
1 鉄筋トラス付きデッキプレート
2 基板
3 トラス
4 ラチス筋
5 上端筋
6 下端筋
21,22 リブ
41 山部
41a 頂部
42谷部
42a 谷底部
44 脚部
【技術分野】
【0001】
この発明は、上面にコンクリートを打設して鉄筋コンクリートスラブを構築するための鉄筋トラス付きデッキプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄筋トラス付きデッキプレートとして種々の態様のものが提案されており、金属製の基板上に上端筋と下端筋とを波形形状のラチス筋で結合して成るトラスを複数並設した構造のものが一般的である。この種の鉄筋トラス付きデッキプレートの他に、基板の表面のトラスの構築位置に下端筋に代わるリブを突設してラチス筋の谷底部をリブの側面に溶接により固着したもの、さらには、図11(1)〜(3)に示すように、基板100の表面のトラスの構築位置に左右一対のリブ101,102を突設し、ラチス筋110の谷部111を交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振らせて各谷底部111aを交互に左右のリブ101,102に溶接により固着したものも提案されている(例えば、特許文献1の図5〜図7の実施例参照)。さらにまた、図12に示すように、ラチス筋110の左右に振った各谷部111,111を下端筋120に溶接により固着するとともに、各谷底部111aを外方に折り曲げて形成された脚部112,112を基板100の表面に溶接により固着したものも提案されている(例えば、特許文献2の図7〜図10の実施例参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3310440号公報
【特許文献2】特許第4164511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いずれの鉄筋トラス付きデッキプレートも、ラチス筋110の山部113の頂部113aを上端筋130の下面に突き当ててその接触部分にスポット溶接を施すことにより、ラチス筋110と上端筋130とを一体に接合しているが、ラチス筋110の山部113の頂部113aを上端筋130に突き当てた状態を保持して溶接作業を行うため、溶接作業がやりずらく、作業効率が悪いだけでなく、ラチス筋110の山部113の頂部113aと上端筋130との間に溶接不良が発生し易く、溶接強度が不十分となるおそれがある。その結果、施工時に上端筋130が踏まると、溶接箇所が剥離して上端筋130とラチス筋110とが分離するおそれがあり、コンクリートの打設時、上端筋130に圧縮力が作用したとき、上端筋130の水平方向へ変形するのを抑制できない。
【0005】
上記の問題を解消するために、ラチス筋110の山部113の頂部113aを潰して平たく加工することにより、上端筋130との接触状態を安定させるなどの工夫が行われているが、その種の加工によりラチス筋110の製作工程数が増し、コスト高を招く要因となる。
【0006】
この発明は、上記の問題に着目してなされたもので、ラチス筋の山部の頂部を平たくするなどの加工を必要とせず、ラチス筋と上端筋との間の溶接作業が容易であり、その結果、ラチス筋と上端筋との間に溶接不良が発生し難く、十分な溶接強度が得られる鉄筋トラス付きデッキプレートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による鉄筋トラス付きデッキプレートは、金属製の基板上に複数本のトラスが並設されて成るものであって、前記の各トラスは、直線状の上端筋と、山部と谷部とが繰り返しかつ各谷部が交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振れる波形形状のラチス筋とを含んでいる。ラチス筋は基板上に山部を上にして縦向きに配置され、上端筋はラチス筋の山部の頂部の位置に基板と平行に配置される。ラチス筋の各山部の頂部が上端筋を跨いて上端筋と斜めに交叉した接触状態で各頂部が上端筋に溶接より固着されるとともに、ラチス筋の各谷部の谷底部が基板の表面に突設されたリブにそれぞれ溶接により固着されている。
【0008】
上記した構成の鉄筋トラス付きデッキプレートでは、ラチス筋の各山部の頂部が上端筋を跨いて上端筋と斜めに交叉した接触状態で各頂部が上端筋に溶接されるので、溶接作業時、上端筋はラチス筋に包み込まれた状態にあるため、溶接作業が行い易く、ラチス筋と上端筋との間が確実に溶接され、溶接不良が発生し難い。その結果、十分な溶接強度が得られ、施工時に上端筋が踏まれても、溶接箇所が剥離して上端筋とラチス筋とが分離するおそれはない。仮に、溶接箇所の剥離が発生しても、上端筋はラチス筋に包み込まれているので、コンクリートの打設時、上端筋に作用する圧縮力に対して、上端筋が水平方向へ変形しないように拘束される。
【0009】
この発明の好ましい一実施態様においては、前記リブは、互いに内方へ傾く左右一対のリブであり、各リブの外面にラチス筋の左右の反対方向へ振れた谷底部が溶接により固着されている。
この実施態様によると、各リブとラチス筋の谷底部とが対向するので、両者の面接触により良好な溶接強度が得られる。また、各リブの外側よりラチス筋の左右の反対方向へ振れた谷底部を当てて溶接するので、溶接作業が行い易い。
【0010】
この発明による他の鉄筋トラス付きデッキプレートでは、前記の各トラスは、直線状の上端筋および下端筋と、山部と谷部とが繰り返しかつ各谷部が交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振れる波形形状のラチス筋とを含んでいる。ラチス筋は基板上に山部を上にして縦向きに配置され、上端筋はラチス筋の山部の頂部の位置に、下端筋はラチス筋の谷部の谷底部より上方位置に、それぞれ基板と平行に配置される。ラチス筋の各山部の頂部が上端筋を跨いて上端筋と斜めに交叉した接触状態で各頂部が上端筋に溶接により固着されるとともに、ラチス筋の各谷部の谷底部は基板の表面に、各谷底部の上方位置が下端筋に、それぞれ溶接により固着されている。
【0011】
上記した構成の鉄筋トラス付きデッキプレートにおいても、ラチス筋の各山部の頂部が上端筋を跨いて上端筋と斜めに交叉した接触状態で各頂部が上端筋に溶接されるので、溶接作業時、上端筋はラチス筋に包み込まれた状態にあるため、溶接作業が行い易く、ラチス筋と上端筋との間が確実に溶接され、溶接不良が発生し難い。その結果、十分な溶接強度が得られ、施工時に上端筋が踏まれても、溶接箇所が剥離して上端筋とラチス筋とが分離するおそれはない。仮に、溶接箇所の剥離が発生しても、上端筋はラチス筋に包み込まれているので、コンクリートの打設時、上端筋に作用する圧縮力に対して、上端筋が水平方向へ変形しないように拘束される。
【0012】
この発明の好ましい実施態様においては、前記ラチス筋は、各谷底部を曲げて形成される脚部を有し、各脚部は基板の表面に溶接により固着されている。
この実施態様によると、トラスと直交する方向への上端筋の耐力が増し、コンクリートの打設時、上端筋が水平方向に変形挫屈するのが防止される。
【0013】
この発明のさらに好ましい実施態様においては、前記ラチス筋は、同じ振幅の波が同一面上で同じピッチで繰り返す波形形状の鉄線材をその振幅の中央部で全長にわたり折り曲げることにより形成されており、鉄線材の各折曲げ部分がラチス筋の山部を構成し、鉄線材の波形の山部および谷部がラチス筋の谷部を構成している。
この実施態様よると、波形形状の鉄線材をその振幅の中央部で折り曲げるだけで、ラチス筋を簡単に製作できる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、溶接作業時、上端筋がラチス筋に包み込まれた状態にあるため、溶接作業が行い易く、作業効率を低下させないばかりでなく、ラチス筋と上端筋とが確実に溶接され、溶接不良が発生し難い。その結果、十分な溶接強度が得られ、施工時に上端筋が踏まれても、溶接箇所が剥離して上端筋とラチス筋とが分離するおそれはない。仮に、溶接箇所の剥離が発生しても、上端筋はラチス筋に包み込まれているので、コンクリートの打設時、上端筋に作用する圧縮力に対して、上端筋が水平方向へ変形しないように拘束される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の第1の実施例である鉄筋トラス付きデッキプレートの主要部の外観を示す斜視図である。
【図2】第1の実施例を拡大して示す側面図である。
【図3】第1の実施例を拡大して示す正面図である。
【図4】第1の実施例を長さ方向の一部を省略して示した平面図である。
【図5】ラチス筋の製作に用いる波形波形の鉄線材を示す平面図である。
【図6】図5の鉄線材よりラチス筋を製作する方法を示す正面図である。
【図7】この発明の第2の実施例である鉄筋トラス付きデッキプレートの外観を示す斜視図である。
【図8】第2の実施例を拡大して示す側面図である。
【図9】第2の実施例を拡大して示す正面図である。
【図10】第2の実施例を長さ方向の一部を省略して示した平面図である。
【図11】従来の鉄筋トラス付きデッキプレートの構成を示し、(1)が正面図、(2)が側面図、(3)が平面図である。
【図12】従来の他の鉄筋トラス付きデッキプレートの構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1〜図4は、この発明の第1の実施例である鉄筋トラス付きデッキプレート1の外観並びに構成を示している。
図示例の鉄筋トラス付きデッキプレート1は、床スラブを構築するのに用いられ、金属製の基板2上に複数のトラス3が並設されて成るものである。図示例の基板2は亜鉛メッキ鋼板をもって形成されており、仮設時はトラス3と協働して荷重を支持するとともに、流動性を有するコンクリートがこぼれないように保持する。なお、同図は説明の便宜上、2個のトラス3が並設されたものの主要部を示しているが、トラス3の配列間隔や設置数は基板2の大きさに応じて適宜設定する。
【0017】
基板2の表面の各トラス3の設置位置には、左右一対のリブ21,22が長さ方向に沿って全長にわたって一体に突設されている。また、基板2の表面のリブ21,22間および隣り合うトラス3,3間には、基板2の長さ方向と直交する方向(幅方向)の剛性を高めるために、幅方向に沿う補強用のリブ23が複数並列に一体形成されている。長さ方向に沿う各リブ21,22は基板2の表面から帯板状に起立した形態を有し、対をなす各リブ21,22は互いに内方へ傾けている。幅方向に沿う補強用のリブ23は基板2の表面を上方へ凸状に膨出させた形態のものであるが、これに限らず、基板2の表面を下方へ凹ませた形態のものであってもよく、また、凸状のものと凹状のものとを一つおきに交互に形成してもよい。
【0018】
各トラス3は、直線状の棒鋼より成る上端筋5と鉄線材を波形形状に折り曲げて形成されたラチス筋4とを含むものである。ラチス筋4は基板2上に山部41を上にして縦向きに配置され、このラチス筋4により上端筋5と基板2上の左右のリブ21,22とが連結されてトラス3が構成されている。
【0019】
ラチス筋4は、基板2の表面に対して垂直な面(以下、単に「垂直面」という。)に沿って山部41と谷部42とが上下に繰り返すもので、各谷部42は垂直面に対して交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振れて、下拡がりの形態になっている。上端筋5はラチス筋4の山部41の頂部41aの位置に基板2と平行に配置され、この上端筋5をラチス筋4の各山部41の頂部41aが跨いでいる。この跨いだ部分において、ラチス筋4の山部41の頂部41aは上端筋5と斜めに交叉し、その内周面が上端筋5の外周面と広く接触し、その接触状態で頂部41aと上端筋5とがスポット溶接により一体に固着されている。
【0020】
ラチス筋4の反対方向に振られた各谷部42の谷底部42aは、基板2の表面より起立した左右一対のリブ21,22の外面に交互に接触し、その接触状態で各谷底部42aとリブ21,22とがスポット溶接により一体に固着されている。なお、リブ21,22は、独立して起立した図示例の形態に限らず、図3において、一点鎖線で示すように、台形状の連続した形態のものであってもよい。
【0021】
図示例のラチス筋4は、図5に示すような形態の鉄線材7、すなわち、同じ振幅Aの波が同一面上で同じピッチBで繰り返す波形形状の鉄線材7を、図6(1)〜(3)に示すように、その振幅Aの中央部cで全長にわたり所定の角度θ(たとえば30度)になるまで、図中、Pで示す方向へ加圧して折り曲げることにより形成されている。鉄線材7の各折曲げ部分70はラチス筋4の山部41の頂部41aとなり、鉄線材7の山部71および谷部72はラチス筋4の谷部42を構成する
【0022】
図7〜図10は、この発明の第2の実施例である鉄筋トラス付きデッキプレート1の外観並びに構成を示している。
各トラス3は、直線状の棒鋼より成る上端筋5および下端筋6と、鉄線材を波形形状に折り曲げて形成されたラチス筋4とを含むものである。ラチス筋4は基板2上に山部41を上にして縦向きに配置され、このラチス筋4により上端筋5と下端筋6と基板2とが連結されてトラス3が構成されている。なお、図中、23が基板2の表面に形成された補強用のリブである。
【0023】
ラチス筋4は、基板2の表面に対して垂直な面(垂直面)に沿って山部41と谷部42とが上下に繰り返すもので、各谷部42は垂直面に対して交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振れて、互いに平行な形態となっている。上端筋5はラチス筋4の山部41の頂部41aの位置に、下端筋6はラチス筋4の谷部42の谷底部42aより上方位置に、それぞれ基板2と平行に配置され、上端筋5をラチス筋4の各山部41の頂部41aが跨いでいる。この跨いだ部分において、ラチス筋4の山部41の頂部41aは上端筋5と斜めに交叉し、その内周面が上端筋5の外周面と広く接触し、その接触状態で頂部41aと上端筋5とがスポット溶接により一体に固着されている。
【0024】
ラチス筋4の反対方向へ振れた各谷部42の谷底部42aは、それぞれ外方へ曲げられて脚部44が形成されている。各脚部44は基板2の表面に、脚部44の上方位置は下端筋6に、それぞれスポット溶接により固着されている。なお、脚部44は、円弧状、矩形状、三角形状など、任意の形状に形成することができる。
また、図示例では、ラチス筋4の谷底部42aを交互に反対方向に曲げて各脚部44の向きを交互に違えているが、これに限らず、ラチス筋4の谷底部42aを全て同方向に曲げて各脚部44の向きを一致させてもよい。
【0025】
上記した第2の実施例のラチス筋4も、第1の実施例と同様、同じ振幅の波が同一面上で同じピッチで繰り返す波形形状の鉄線材7を、その振幅の中央部で全長にわたり折り曲げることにより形成することができる。なお、第2の実施例では、鉄線材7は折り曲げた部分が互いに平行となるまで折り曲げられる。
【0026】
上記した第1、第2の各実施例において、各トラス3は互いに平行に配置され、コンクリートの重量をはじめとする荷重を支持して両端の端部材8,8に伝達する。なお、両端の端部材8は上端がトラス3の上端筋5に、下端が基板2に、それぞれ固着されている。各トラス3は、仮設時においては、トラス構造にて吊り下げ用力骨として働き、本設時においては、上端筋5、リブ21,22、下端筋6が鉄筋コンクリートのスラブ主筋としてモーメントによって生じる引っ張り力に抵抗する役割を果たす。
なお、図示していないが、隣り合うトラス3,3の上端筋5,5間は複数のつなぎ筋により連結される。
【0027】
図1〜図4に図示された第1の実施例では、ラチス筋4の各山部41の頂部41aが上端筋5を跨いて上端筋5と斜めに交叉した接触状態で各頂部41aが上端筋5に溶接されるので、溶接作業時、上端筋5はラチス筋4に包み込まれた状態にあるため、溶接作業が行い易く、ラチス筋4と上端筋5との間が確実に溶接され、溶接不良が発生し難い。その結果、十分な溶接強度が得られ、施工時に上端筋5が踏まれても、溶接箇所が剥離して上端筋5とラチス筋4とが分離するおそれはない。仮に、溶接箇所の剥離が発生しても、上端筋5はラチス筋4に包み込まれているので、コンクリートの打設時、上端筋5に作用する圧縮力に対して、上端筋5が水平方向へ変形しないように拘束される。
【0028】
図7〜図10に図示された第2の実施例においても、ラチス筋4の各山部41の頂部41aが上端筋5を跨いて上端筋5と斜めに交叉した接触状態で各頂部41aが上端筋5に溶接されるので、溶接作業時、上端筋5はラチス筋4に包み込まれた状態にあるため、溶接作業が行い易く、ラチス筋4と上端筋5との間が確実に溶接され、溶接不良が発生し難い。その結果、十分な溶接強度が得られ、施工時に上端筋が踏まれても、溶接箇所が剥離して上端筋5とラチス筋4とが分離するおそれはない。仮に、溶接箇所の剥離が発生しても、上端筋5はラチス筋4に包み込まれているので、コンクリートの打設時、上端筋5に作用する圧縮力に対して、上端筋5が水平方向へ変形しないように拘束される。
【符号の説明】
【0029】
1 鉄筋トラス付きデッキプレート
2 基板
3 トラス
4 ラチス筋
5 上端筋
6 下端筋
21,22 リブ
41 山部
41a 頂部
42谷部
42a 谷底部
44 脚部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の基板上に複数本のトラスが並設されて成る鉄筋トラス付きデッキプレートであって、前記の各トラスは、直線状の上端筋と、山部と谷部とが繰り返しかつ各谷部が交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振れる波形形状のラチス筋とを含んでおり、ラチス筋は基板上に山部を上にして縦向きに配置され、上端筋はラチス筋の山部の頂部の位置に基板と平行に配置され、ラチス筋の各山部の頂部が上端筋を跨いて上端筋と斜めに交叉した接触状態で各頂部が上端筋に溶接より固着されるとともに、ラチス筋の各谷部の谷底部が基板の表面に突設されたリブにそれぞれ溶接により固着されて成る鉄筋トラス付きデッキプレート。
【請求項2】
前記リブは、互いに内方へ傾く左右一対のリブであり、各リブの外面にラチス筋の左右の反対方向へ振れた谷底部が溶接により固着されている請求項1に記載された鉄筋トラス付きデッキプレート。
【請求項3】
金属製の基板上に複数本のトラスが並設されて成る鉄筋トラス付きデッキプレートであって、前記の各トラスは、直線状の上端筋および下端筋と、山部と谷部とが繰り返しかつ各谷部が交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振れる波形形状のラチス筋とを含んでおり、ラチス筋は基板上に山部を上にして縦向きに配置され、上端筋はラチス筋の山部の頂部の位置に、下端筋はラチス筋の谷部の谷底部より上方位置に、それぞれ基板と平行に配置され、ラチス筋の各山部の頂部が上端筋を跨いて上端筋と斜めに交叉した接触状態で各頂部が上端筋に溶接により固着されるとともに、ラチス筋の各谷部の谷底部は基板の表面に、各谷底部の上方位置が下端筋に、それぞれ溶接により固着されて成る鉄筋トラス付きデッキプレート。
【請求項4】
前記ラチス筋は、各谷底部を曲げて形成される脚部を有し、各脚部は基板の表面に溶接により固着されている請求項3に記載された鉄筋トラス付きデッキプレート。
【請求項5】
前記ラチス筋は、同じ振幅の波が同一面上で同じピッチで繰り返す波形形状の鉄線材をその振幅の中央部で全長にわたり折り曲げることにより形成されており、鉄線材の各折曲げ部分がラチス筋の山部を構成し、鉄線材の波形の山部および谷部がラチス筋の谷部を構成している請求項1または3に記載された鉄筋トラス付きデッキプレート。
【請求項1】
金属製の基板上に複数本のトラスが並設されて成る鉄筋トラス付きデッキプレートであって、前記の各トラスは、直線状の上端筋と、山部と谷部とが繰り返しかつ各谷部が交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振れる波形形状のラチス筋とを含んでおり、ラチス筋は基板上に山部を上にして縦向きに配置され、上端筋はラチス筋の山部の頂部の位置に基板と平行に配置され、ラチス筋の各山部の頂部が上端筋を跨いて上端筋と斜めに交叉した接触状態で各頂部が上端筋に溶接より固着されるとともに、ラチス筋の各谷部の谷底部が基板の表面に突設されたリブにそれぞれ溶接により固着されて成る鉄筋トラス付きデッキプレート。
【請求項2】
前記リブは、互いに内方へ傾く左右一対のリブであり、各リブの外面にラチス筋の左右の反対方向へ振れた谷底部が溶接により固着されている請求項1に記載された鉄筋トラス付きデッキプレート。
【請求項3】
金属製の基板上に複数本のトラスが並設されて成る鉄筋トラス付きデッキプレートであって、前記の各トラスは、直線状の上端筋および下端筋と、山部と谷部とが繰り返しかつ各谷部が交互に左右の反対方向へ同じ幅だけ振れる波形形状のラチス筋とを含んでおり、ラチス筋は基板上に山部を上にして縦向きに配置され、上端筋はラチス筋の山部の頂部の位置に、下端筋はラチス筋の谷部の谷底部より上方位置に、それぞれ基板と平行に配置され、ラチス筋の各山部の頂部が上端筋を跨いて上端筋と斜めに交叉した接触状態で各頂部が上端筋に溶接により固着されるとともに、ラチス筋の各谷部の谷底部は基板の表面に、各谷底部の上方位置が下端筋に、それぞれ溶接により固着されて成る鉄筋トラス付きデッキプレート。
【請求項4】
前記ラチス筋は、各谷底部を曲げて形成される脚部を有し、各脚部は基板の表面に溶接により固着されている請求項3に記載された鉄筋トラス付きデッキプレート。
【請求項5】
前記ラチス筋は、同じ振幅の波が同一面上で同じピッチで繰り返す波形形状の鉄線材をその振幅の中央部で全長にわたり折り曲げることにより形成されており、鉄線材の各折曲げ部分がラチス筋の山部を構成し、鉄線材の波形の山部および谷部がラチス筋の谷部を構成している請求項1または3に記載された鉄筋トラス付きデッキプレート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−87548(P2012−87548A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235724(P2010−235724)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(500337266)株式会社富士昭技研 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(500337266)株式会社富士昭技研 (8)
【Fターム(参考)】
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