説明

鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置

【課題】張力計が備えられていない鉄鋼圧延設備において張力変動を抑制し、板厚変動を少なくする鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置を提供する。
【解決手段】鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置は、払出機(5)から払い出され、圧延機(3)により減厚化され、デフレクタロール(2)により案内された板が巻取機(1)により巻き取られ、上記巻取機を駆動する巻取機モータ(11)は上記板に対する張力が一定になるように実回転数に応じる界磁電流が流される鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置において、上記巻取機モータの界磁電流を計測する電流計(41)を具備し、張力計を具備せず、上記巻取機モータの界磁電流のトルク分に基づいて算出されたトルク補正値により補正したトルク指令値に従って上記巻取機モータに流す電流を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄鋼を圧延する鉄鋼圧延設備において用いられる板厚変動抑制装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の油圧圧下方式の圧延機では、圧延材は巻戻し用リールから送り出され、デフレクタロールからワークロール間を通り、この間で所定の圧延が行われた後、デフレクタロールを通って巻取り用リールに巻取られる。巻戻し及び巻取り用リールは各々モータで駆動されており、さらに圧延機の入出側で圧延材に働く張力を一定に保つためのリールモータ張力制御装置が設けられている。張力制御装置は一般にモータ電流を張力に比例させるように制御している。またラインの圧延速度は、圧延機のワークロール駆動用モータの速度を速度制御装置でコントロールして、所定の値に制御している。
【0003】
しかし、入出側の巻戻し、巻取りリールのモータを制御するリールモータ張力制御装置の応答は、一般に油圧圧下よりも1桁以上遅いため、ロールギャップが変更され、張力が変わっても、油圧圧下並の速さで張力を設定値に戻せない。すなわち、高速の油圧圧下で板厚を薄くしようとしても、入出側のモータのリールモータ張力制御装置の応答速度以上の速さでは板厚を薄くできない問題点があった。
そこで、圧延機の入側、もしくは入出側の両方に、圧延材料に印加されている張力を調節する張力制御装置を備えた圧延機の板厚制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平3−155406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、圧延機の全てに張力を測定する張力計が備えられるわけでもなく、備えられるわけでもない。
ところで、巻取機モータは、鉄鋼圧延設備において張力を一定に制御するため、ドライブ装置のプログラマブルロジックコントロール内で、トルク分電流値と界磁電流値の乗算値に所定の係数を乗算してモータトルクを求め、そのモータトルクがトルク設定値に追従するように制御されている。また、巻取機モータは、ベース回転以上では界磁電流を弱める弱め界磁制御されている。
しかし、この弱め界磁制御では、巻取機の実回転数に応じて流す電流が設定されているため、張力変動により板厚が変動し、板厚が変動すると回転数が変動し、界磁電流が変動する。界磁電流が変化すると巻取機の電流が変化することにより、さらに張力変動を増大することになるという問題がある。
【0006】
この発明の目的は、張力計が備えられていない鉄鋼圧延設備において張力変動を抑制し、板厚変動を少なくする鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置は、払出機から払い出され、圧延機により減厚化され、デフレクタロールにより案内された板が巻取機により巻き取られ、上記巻取機を駆動する巻取機モータは上記板に対する張力が一定になるように実回転数に応じる界磁電流が流される鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置において、上記巻取機モータの界磁電流を計測する電流計を具備し、張力計を具備せず、上記巻取機モータの界磁電流のトルク分に基づいて算出されたトルク補正値により補正したトルク指令値に従って上記巻取機モータに流す電流を制御する。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置の効果は、ベース回転以上で弱め界磁制御されている巻取機モータの界磁電流の変動に従って巻取機モータのトルク指令値を補正して張力の変動を抑えるように制御するので、張力が変動しても張力の変動を抑制することができ、板厚の変動を抑制することができることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明に係る実施の形態1による鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置が備えられた鉄鋼圧延設備の概略図である。図2は、この発明に係る実施の形態1による鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置を含んだ駆動系の構成図である。
この発明に係る実施の形態1による鉄鋼圧延設備は、図1に示すように、巻取機1、出側デフレクタロール(以下、「DEFロール」と称す)2、圧延機3、入側DEFロール4、および払出機5を備える。
また、この発明に係る実施の形態1による鉄鋼圧延設備は、図2に示すように、巻取機1、出側DEFロール2、圧延機3、入側DEFロール4、および払出機5をそれぞれ駆動する巻取機モータ11、出側DEFロールモータ12、圧延機モータ13、入側DEFロールモータ14、および払出機モータ15を備える。
また、この発明に係る実施の形態1による鉄鋼圧延設備は、巻取機モータ11、出側DEFロールモータ12、圧延機モータ13、入側DEFロールモータ14、および払出機モータ15をそれぞれ制御する巻取機用インバータ21、出側DEFロール用インバータ22、圧延機用インバータ23、入側DEFロール用インバータ24、および払出機用インバータ25を備える。
【0010】
出側DEFロール用インバータ22、圧延機用インバータ23、および入側DEFロール用インバータ24は、それぞれ入力される速度設定値と速度計測値とから電流指令値を算出する速度制御アンプ(SC)31、電流指令値と電流計測値とから電圧指令値を算出する電流制御アンプ(CC)32、電圧指令値に基づいて出側DEFロールモータ12、圧延機モータ13、または入側DEFロールモータ14に電流を流すドライブ回路33を備える。
【0011】
巻取機用インバータ21および払出機用インバータ25は、それぞれ入力される速度指令値と速度計測値とから電流指令値を算出する速度制御アンプ35、電流指令値をトルク指令値によりリミット制御する電流リミット制御手段(CLC)36、電流リミット手段36の出力と電流計測値とから電圧指令値を算出する電流制御アンプ37、電圧指令値に基づいて巻取機モータ11または払出機モータ15に電流を流すドライブ回路38を備える。
【0012】
この発明に係る実施の形態1による鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置は、巻取機モータ11の界磁電流を計測する電流計41、出側DEFロール2の速度設定値S1、圧延機3の速度設定値S2および入側DEFロール4の速度指令値を生成する速度生成部42、巻取機1の張力を制御する巻取機張力制御部43、払出機5の張力を制御する払出機張力制御部44、巻取機1の張力を調整する巻取機張力調整部45を備える。
【0013】
速度生成部42は、予め格納されている速度設定値Sを出力する速度マスター51と、速度設定値Sに(1+α)(αは先進率)を乗算する第1の乗算器52、速度設定値Sに(1−β)(βは後進率)を乗算する第2の乗算器53を有する。そして、圧延機用インバータ23に速度Sを速度設定値S2とし、出側DEFロール用インバータ22に速度S(1+α)を速度設定値S1とし、入側DEFロール用インバータ24に速度S(1−β)を速度設定値S3として入力する。
【0014】
巻取機張力制御部43は、巻取機1に巻き取られたコイルの径を計測する第1のコイル径計測手段61、予め設定された巻取機張力設定値T1にコイル径計測値K1に従う値を乗算する第1の乗算手段62、コイル径計測値K1に慣性補償を施す第1の慣性補償手段(IC)63、第1の乗算手段62の出力と第1の慣性補償手段63の出力を加算する第1の加算手段64、第1の加算手段64の出力にメカロス補償(MC)に係わる値を加算してトルク指令値を求める第2の加算手段65、速度生成部42からの速度S(1+α)にバイアスB1を加算する第3の加算手段66、第3の加算手段66の出力をコイル径計測値に従う値で除算して速度指令値を求める第1の除算手段67、トルク指令値をトルク補正値で補正する第4の加算手段68を有する。
【0015】
払出機張力制御部44は、払出機5に残されたコイルの径を計測する第2のコイル径計測手段71、予め設定された払出機張力設定値T2にコイル径計測値K2に従う値を乗算する第2の乗算手段72、コイル径計測値K2に慣性補償を施す第2の慣性補償手段73、第2の乗算手段72の出力と第2の慣性補償手段73の出力を加算する第5の加算手段74、第5の加算手段74の出力にメカロス補償に係わる値を加算してトルク指令値を求める第6の加算手段75、速度生成部42からの速度S(1−β)にバイアスB2を加算する第7の加算手段76、第7の加算手段76の出力をコイル径計測値K2に従う値で除算して速度指令値を求める第2の除算手段77を有する。
【0016】
巻取機張力調整部45は、電流計41により計測された巻取機モータ界磁電流値が入力される界磁電流入力手段81、入力された巻取機モータ界磁電流値から巻取機トルク分電流値を求めるトルク分電流算出手段82、求めた巻取機トルク分電流値からトルク補正値を求めるトルク補正値算出手段83を有する。
【0017】
次に、この発明に係る実施の形態1による鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置の動作を説明する。
巻取機モータ11はベース回転までは界磁電流を一定にして駆動し、ベース回転以上ではその速度が上がるに従って界磁電流を弱めるようにして駆動する。
巻取機1がベース回転以上で運転している場合、張力変動の発生により板厚が変動すると板速度が変動し、巻取機モータ11の界磁電流に変動が発生する。
この界磁電流の変動を界磁電流入力手段81にて取り込み、取り込んだ巻取機モータ界磁電流値から巻取機トルク分電流値を算出し、算出した巻取機トルク分電流値からトルク補正値を算出する。
このトルク補正値によりトルク指令値が補正され、電流リミット制御されることにより張力変動を抑制するように巻取機モータの電流が制御されるので、張力変動が抑制される。そして、張力変動が抑制されることにより板厚の変動が抑制される。
【0018】
この発明に係る実施の形態1による鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置は、張力が変動すると板厚が変動し、それに伴い巻取機モータ11の回転数が変動することに着目し、ベース回転以上で弱め界磁制御されている巻取機モータ11の界磁電流の変動に従って巻取機モータ11のトルク指令値を補正して張力の変動を抑えるように制御するので、張力が変動しても張力の変動を抑制することができ、板厚の変動を抑制することができる。
その結果、張力が変動しても板厚の変動が抑制されるので、製品品質の改善および不良率を低減することができる。
【0019】
実施の形態2.
図3は、この発明に係る実施の形態2による鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置を含む制御系の構成図である。
この発明に係る実施の形態2による鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置は、実施の形態1による鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置と電流計41Bが巻取機モータ11ではなく圧延機モータ13に取り付けられたことと、圧延機モータ13の電流に基づいてトルク補正値を算出することが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
【0020】
電流計41Bは、圧延機モータ13に流れる電流を計測する。なお、圧延機モータ13に流れる電流は、圧延機用インバータ23での制御に用いられるので兼用されている。
巻取機張力調整部45Bは、電流計41Bにより計測された圧延機モータ電流値が入力される電流入力手段81B、入力された電流値から圧延機トルク分電流値を求めるトルク分電流算出手段82B、求めた圧延機トルク分電流値からトルク補正値を求めるトルク補正値算出手段83Bを有する。
【0021】
次に、この発明に係る実施の形態2による鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置の動作を説明する。
圧延機モータ13は速度一定に制御されている。そして、張力の変動により板厚が変動し、板厚の変動した圧延板を一定速度で制御しようとするので、圧延機モータ13に流れる電流のトルク分に変動が発生する。このトルク分電流の変動からトルク補正値を求め、巻取機モータのトルク指令値を補正することにより、圧延板に対する巻取機1からの張力を補正するので、張力の変動を抑制することができる。その結果、板厚の変動を少なくすることができ、製品品質を改善でき、不良率を低減できる。
【0022】
実施の形態3.
図4は、この発明に係る実施の形態3による鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置を含む制御系の構成図である。
この発明に係る実施の形態3による鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置は、実施の形態1による鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置と電流計41Cが巻取機モータ11ではなく出側DEFロールモータ12に取り付けられたことと、出側DEFロールモータ12の電流のトルク分からトルク補正値を算出することが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
【0023】
電流計41Cは、出側DEFロールモータ12に流れる電流を計測する。なお、出側DEFロールモータ12に流れる電流は、出側DEFロール用インバータ22での制御に用いられるので兼用されている。
巻取機張力調整部45Cは、電流計41Cにより計測された出側DEFロールモータ電流値が入力される電流入力手段81C、入力された電流値から出側DEFロールトルク分電流値を求めるトルク分電流算出手段82C、求めた出側DEFロールトルク分電流値からトルク補正値を求めるトルク補正値算出手段83Cを有する。
【0024】
次に、この発明に係る実施の形態3による鉄鋼圧延設備用板厚変動抑制装置の動作を説明する。
出側DEFロールモータ12は速度一定に制御されている。そして、張力の変動により板厚が変動し、板厚の変動した圧延板を一定速度で制御しようとするので、出側DEFロールモータ12に流れる電流のトルク分に変動が発生する。この出側DEFロールモータ12のトルク分電流の変動からトルク補正値を求め、巻取機モータ11のトルク指令値を補正することにより、圧延板に対する巻取機1からの張力を補正するので、張力の変動を抑制することができる。その結果、板厚の変動を少なくすることができ、製品品質を改善でき、不良率を低減できる。
【0025】
実施の形態4.
図5は、この発明に係る実施の形態4による鉄鋼圧延設備用板厚変動抑制装置を含む制御系の構成図である。
この発明に係る実施の形態4による鉄鋼圧延設備用板厚変動抑制装置は、実施の形態1、2、3による鉄鋼圧延設備用板厚変動抑制装置の巻取機張力調整部45、45B、45Cを合わせたことと、3つのトルク補正値に所定の補正比率を掛けてトルク補正値を出力する補正比率分配手段8を有することが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
【0026】
実施の形態1、2、3による鉄鋼圧延設備用板厚変動抑制装置の巻取機張力調整部45、45B、45Cは、鉄鋼圧延設備の運転状況により張力の変動が起こったときのトルク補正値への寄与が異なるので、運転状況に従って補正比率を調整することにより、運転状況を反映して適切に張力変動を抑制し、板厚の変動を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明に係る実施の形態1による鉄鋼圧延設備用板厚変動抑制装置が備えられた鉄鋼圧延設備の概略図である。
【図2】この発明に係る実施の形態1による鉄鋼圧延設備用板厚変動抑制装置を含む制御系の構成図である。
【図3】この発明に係る実施の形態2による鉄鋼圧延設備用板厚変動抑制装置を含む制御系の構成図である。
【図4】この発明に係る実施の形態3による鉄鋼圧延設備用板厚変動抑制装置を含む制御系の構成図である。
【図5】この発明に係る実施の形態4による鉄鋼圧延設備用板厚変動抑制装置を含む制御系の構成図である。
【符号の説明】
【0028】
1 巻取機、2 出側DEFロール、3 圧延機、4 入側DEFロール、5 払出機、8 補正比率分配手段、11 巻取機モータ、12 出側DEFロールモータ、13 圧延機モータ、14 入側DEFロールモータ、15 払出機モータ、21 巻取機用インバータ、22 出側DEFロール用インバータ、23 圧延機用インバータ、24 入側DEFロール用インバータ、25 払出機用インバータ、31、35 速度制御アンプ、32、37 電流制御アンプ、33、38 ドライブ回路、36 電流リミット手段、
41、41B、41C 電流計、42 速度生成部、43 巻取機張力制御部、44 払出機張力制御部、45、45B、45C 巻取機張力調整部、51 速度マスター、52、53 乗算器、61、71 コイル径計測手段、62、72 乗算手段、63、73 慣性補償手段、64、65、66、68、74、75、76 加算手段、67、77 除算手段、81 界磁電流入力手段、81B、81C 電流入力手段、82、82B、82C トルク分電流算出手段、83、83B、83C トルク補正値算出手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
払出機から払い出され、圧延機により減厚化され、デフレクタロールにより案内された板が巻取機により巻き取られ、上記巻取機を駆動する巻取機モータは上記板に対する張力が一定になるように実回転数に応じる界磁電流が流される鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置において、
上記巻取機モータの界磁電流を計測する電流計を具備し、張力計を具備せず、
上記巻取機モータの界磁電流のトルク分に基づいて算出されたトルク補正値により補正したトルク指令値に従って上記巻取機モータに流す電流を制御することを特徴とする鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置。
【請求項2】
払出機から払い出され、圧延機により減厚化され、デフレクタロールにより案内された板が巻取機により巻き取られ、上記巻取機を駆動する巻取機モータは上記板に対する張力が一定になるように実回転数に応じる界磁電流が流される鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置において、
上記圧延機を駆動する圧延機モータに流れる電流を計測する電流計を具備し、張力計を具備せず、
上記圧延機モータの電流のトルク分電流に基づいて算出されたトルク補正値により補正したトルク指令値に従って上記巻取機モータに流す電流を制御することを特徴とする鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置。
【請求項3】
払出機から払い出され、圧延機により減厚化され、デフレクタロールにより案内された板が巻取機により巻き取られ、上記巻取機を駆動する巻取機モータは上記板に対する張力が一定になるように実回転数に応じる界磁電流が流される鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置において、
上記デフレクタロールを駆動するデフレクタロールモータに流れる電流を計測する電流計を具備し、張力計を具備せず、
上記デフレクタロールモータの電流のトルク分電流に基づいて算出されたトルク補正値により補正したトルク指令値に従って上記巻取機モータに流す電流を制御することを特徴とする鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置。
【請求項4】
払出機から払い出され、圧延機により減厚化され、デフレクタロールにより案内された板が巻取機により巻き取られ、上記巻取機を駆動する巻取機モータは上記板に対する張力が一定になるように実回転数に応じる界磁電流が流される鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置において、
上記巻取機モータの界磁回路、上記圧延機を駆動する圧延機モータまたは上記デフレクタロールを駆動するデフレクタロールモータのうち少なくとも2つに流れる電流を計測する電流計を具備し、張力計を具備せず、
上記少なくとも2つの電流計で計測された2つの電流のトルク分電流それぞれに基づいて算出されたトルク補正値を予め定められた補正比率を勘案して補正したトルク指令値に従って上記巻取機モータに流す電流を制御することを特徴とする鉄鋼圧延設備用の板厚変動抑制装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−290109(P2008−290109A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−137917(P2007−137917)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(591036457)三菱電機エンジニアリング株式会社 (419)
【Fターム(参考)】