説明

銅めっきにおけるウィスカーの抑制方法

【課題】プリント配線基板等の銅めっきに際して、ウィスカーの発生を確実に抑制できると共に、めっき面の光沢外観も良好なウィスカー抑制方法を提供する。
【解決手段】電源電圧反転法を用いた銅めっき処理に際して、電解条件として次の〔条件1〕、〔条件2〕を採用するとともに、さらに被めっき物のX軸、Y軸方向の揺動条件も規定した。
〔条件1〕印加する直流電源
(i)正電解時 電流値=0.5〜20A/dm、通電時間=0.1〜1000ms
(ii)逆電解時 電流値=0.5〜60A/dm、通電時間=0.01〜100ms
(iii)電流比 正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1〜1:3
(iv)通電時間比 正電解の通電時間:逆電解の通電時間=20:1〜100:1
〔条件2〕電極間距離=3〜300mm

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅めっきにおけるウィスカーの抑制方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話やパソコンなどの電子部品として使用されるプリント配線基板は、酸性銅(硫酸銅)めっき処理によってその表面に銅箔が形成される。近時、めっき浴用添加剤の性能(耐ピット性、低電流部への付きまわり性など)が向上するに連れ、問題となってきているのが、銅めっきがヒゲ状に成長するいわゆる「ウィスカー」である。ウィスカーの大きさは、直径数μm〜数百μm、長さ数μm〜数mm程度であるが、通常の「ザラ」とは異なり、核の発見が困難か、または見つからないのが普通である。
【0003】
ウィスカー発生の確定的原因は未解明であるが、以下のような事柄がその原因の一部ではないかと考えられている。
(1) 近年、プリント配線基板の高密度化に伴って配線板の薄膜化が進んでいる。そのため、基板表面の機械研磨処理が省略されることもある。基板表面が酸化皮膜などで汚れていた場合、機械研磨処理が省かれると、添加剤の吸着ムラを生じてしまう可能性がある。添加剤の吸着ムラが生じた場合、析出電位が異なり、析出速度が異常に速くなってしまう箇所にヒゲ状のウィスカーが発生する。
(2) 酸性銅めっき浴中に、含りん銅とは異なる銅金属やイオンが混入され、それが核となってヒゲ状のウィスカーとなる。
【0004】
上記ウィスカーの発生を抑制するには、
(a) 作業電流密度を下げ、めっきの析出速度を均一にする。
(b) 酸性銅めっき浴中への添加剤の添加量を多くし、吸着されにくい基板表面にも添加剤を吸着させるようにする。
(c) レべリング作用の高い添加剤を使用する。
(d) 不溶解性アノードを使用する。
(e) ON−OFF電源を用いたり、印加する直流電源の極性を正負反転させながらめっきを行なう(特許文献1参照)。
などの方法で或る程度は可能である。しかしながら、どれも完全ではない。例えば、(a)の方法では生産能力が低下してしまう懸念があり、(b)の方法では銅めっき皮膜の物性が低下してしまう懸念がある。また、(c)の方法ではピットが発生しやすいなど、プリント配線基板の性能が低下してしまうおそれがある。
【0005】
【特許文献1】特開2004−204351号公報(全文)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題を解決することを課題とするもので、銅めっき処理に際して、特許文献1に開示されている電源電圧反転法を採用した上で、さらにこれを改良したものである。なお、ここに云う「電源電圧反転法」とは、カソード(負極)とアノード(正極)間に印加する直流電源電圧の極性を正負反転可能とし、プリント配線基板などの被めっき物をカソードとする通常の正電解と、被めっき物をアノードとする逆電解とを交互に切り替えながら銅めっき処理を行なう方法を指すものである。
【0007】
上記電源電圧反転法を採用すると、正電解時に基板表面に突出して生成される銅めっき皮膜は、逆電解時に優先的に溶解される。これを繰り返すことにより、ウィスカーの発生を抑制することが可能となる。しかしながら、電解条件によっては、ウィスカーの発生を完全に抑制できない場合もある。
【0008】
そこで、本発明は、印加する直流電源、電極間距離、被めっき物の揺動条件などを最適な値に規定することにより、ウィスカーの発生を確実に抑制できるとともに、銅めっき面の光沢外観も良好なウィスカー抑制方法を開発したものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のウィスカー抑制方法は、上記電源電圧反転法を用いた銅めっき処理に際して、電解条件として下記の〔条件1〕〜〔条件5〕を採用し、これらの条件を有機的に組み合わせたものである。
【0010】
すなわち、請求項1に係る発明は〔条件1〕+〔条件2〕、請求項2に係る発明は〔条件1〕+〔条件3〕、請求項3に係る発明は〔条件1〕+〔条件4〕、請求項4に係る発明は〔条件1〕+〔条件5〕、請求項5に係る発明は〔条件1〕+〔条件2〕+〔条件3〕、請求項6に係る発明は〔条件1〕+〔条件2〕+〔条件4〕、請求項7に係る発明は〔条件1〕+〔条件2〕+〔条件5〕を組み合わせたことをそれぞれ特徴とするものである。
【0011】
〔条件1〕印加する直流電源
カソード、アノード間に印加する直流電源の条件は、次の通りとする。
(i)正電解時
電流値=0.5〜20A/dm(好ましくは1〜5A/dm
通電時間=0.1〜1000ms(好ましくは10〜100ms)
(ii)逆電解時
電流値=0.5〜60A/dm(好ましくは1〜15A/dm
通電時間=0.01〜100ms(好ましくは0.1〜100ms)
(iii)電流比
正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1〜1:3
なお、電流比が1:1、すなわち1を超えるとウィスカーが発生し、電流比が1:3、すなわち1/3≒0.333未満になると光沢外観が得られなくなる。
(iv)通電時間比
正電解の通電時間:逆電解の通電時間=20:1〜100:1
なお、通電時間比が20:1、すなわち20/1=20未満になると光沢外観が得られなくなり、通電時間比が100:1、すなわち100/1=100を超えるとウィスカーが発生する。
【0012】
〔条件2〕電極間距離
電極間距離(アノードとカソード間の距離)の条件は、次の通りとする。
電極間距離=3〜300mm(好ましくは20〜100mm)
なお、電極間距離が3mm未満では、現実的に装置の施工が困難である。300mmを超えるとウィスカーが発生する。
【0013】
〔条件3〕被めっき物のX軸揺動
被めっき物のX軸揺動条件は、次の通りとする。なお、「X軸揺動」とは、被めっき物(例えば、プリント配線基板)がアノードに向かって近づいたり遠ざかったりする向きの往復運動をいう。
揺動ストローク=±5〜50mm(好ましくは±10〜30mm)
揺動速度=0.1〜10cm/sec(好ましくは1〜5cm/sec)
【0014】
〔条件4〕被めっき物のY軸揺動
被めっき物のY軸揺動条件は、次の通りとする。なお、「Y軸揺動」とは、被めっき物(例えば、プリント配線基板)とアノードとを結ぶ軸線(X軸)に対して直交する向きの往復運動をいう。
揺動ストローク=±5〜50mm(好ましくは±10〜30mm)
揺動速度=0.1〜10cm/sec(好ましくは1〜5cm/sec)
【0015】
〔条件5〕被めっき物のX−Y軸揺動
被めっき物のX−Y軸揺動条件は、次の通りとする。なお、「X−Y軸揺動」とは、上記X軸揺動とY軸揺動を同時に行なう往復運動をいう。
X軸揺動:上記X軸揺動条件に同じ
Y軸揺動:上記Y軸揺動条件に同じ
【0016】
なお、被めっき物をめっき浴の入り口から出口に向かって連続搬送しながら銅めっきを行なう場合には、被めっき物の搬送速度は0.01〜10cm/sec、好ましくは1〜5cm/secとするのがよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電源電圧反転法を用いた銅めっき処理に際して、印加する直流電源、電極間距離、被めっき物の揺動条件などを最適な値に規定したので、ウィスカーの発生を確実に抑制できるとともに、銅めっき面の光沢外観も良好なウィスカー抑制方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[第1の実施の形態]
柱状の無酸素銅を硫酸銅めっき浴1L当たり2dmの負荷で24時間漬け込んだ。そのめっき液に添加剤を添加し、被めっき物に電気めっき処理を行なった。電気めっき後、被めっき物を取り出し、表面に発生したウィスカーの個数を実態顕微鏡にて数えた。その結果を表1に示す。なお、比較のため、従来方法の結果も示す。
【0019】
硫酸銅めっき浴の基本組成は、硫酸銅5水和物=75g/L、硫酸=180g/L、塩素=60mg/Lである。また、正電解電流値=5A/dm、めっき処理時間=20分、浴温=25℃、めっき浴の攪拌はエアー攪拌である。添加剤は、CU−BRITE 21(荏原ユージライト(株)製)を使用した。
【0020】
なお、この第1の実施の形態を始めとして、以下に述べる各実施の形態では、被めっき物として、スルーホールなどが開けられていない銅張積層板(CEM−3、銅表面の機械研磨なし)を使用した。
【0021】
(本発明方法1)
電解方法:電源電圧反転法
正電解電流値=5A/dm
逆電解電流値=5A/dm
電流比=正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1
通電時間比=正電解時間(ms):逆電解時間(ms)=20:1
電極間距離=100mm
アノード:板状含りん銅(0.5dm
揺動:X軸揺動(揺動ストローク=±10mm、揺動速度=0.05cm/sec)
めっき槽:0.5L槽(幅120mm×縦65mm×高さ120mm)
被めっき面積:0.5dm
【0022】
(従来方法1)
電解方法:直流電解法(電源極性の反転なし)
正電解電流値=5A/dm
電極間距離=350mm
アノード:板状含りん銅(0.5dm
揺動:X軸揺動(揺動ストローク=±10mm、揺動速度:0.05cm/sec)
めっき槽:80L槽(幅500mm×縦500mm×高さ500mm)
被めっき面積:0.5dm
【0023】
(従来方法2)
電解方法:電源電圧反転法
正電解電流値=5A/dm
逆電解電流値=5A/dm
電流比=正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1
通電時間比=正電解時間(ms):逆電解時間(ms)=20:1
電極間距離=350mm
アノード:板状含りん銅(0.5dm
揺動:X軸揺動(揺動ストローク=±10mm、揺動速度=0.05cm/sec)
めっき槽:80L槽(幅500mm×縦500mm×高さ500mm)
被めっき面積:0.5dm
【0024】
【表1】

【0025】
[第2の実施の形態]
試験方法は、第1の実施の形態と同様である。添加剤として、CU−BRITE 31(荏原ユージライト(株)製)を使用した。その結果を表2に示す。なお、比較のため、従来方法の結果も示す。
【0026】
(本発明方法2)
電解方法:電源電圧反転法
正電解電流値=5A/dm
逆電解電流値=5A/dm
電流比=正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1
通電時間比=正電解時間(ms):逆電解時間(ms)=20:1
電極間距離=100mm
アノード:板状含りん銅(0.5dm
揺動:Y軸揺動(揺動ストローク=±20mm、揺動速度=0.05cm/sec)
めっき槽:80L槽(幅500mm×縦500mm×高さ500mm)
被めっき面積:0.5dm
【0027】
(従来方法3)
電解方法:直流電解法(電源極性の反転なし)
正電解電流値=5A/dm
電極間距離=100mm
アノード:板状含りん銅(0.5dm
揺動:Y軸揺動(揺動ストローク=±20mm、揺動速度:0.05cm/sec)
めっき槽:80L槽(幅500mm×縦500mm×高さ500mm)
被めっき面積:0.5dm
【0028】
(従来例4)
電解方法:電源電圧反転法
正電解電流値=5A/dm
逆電解電流値=5A/dm
電流比=正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1
通電時間比=正電解時間(ms):逆電解時間(ms)=20:1
電極間距離=350mm
アノード:板状含りん銅(0.5dm
揺動:Y軸揺動(揺動ストローク=±20mm、揺動速度=0.05cm/sec)
めっき槽:80L槽(幅500mm×縦500mm×高さ500mm)
被めっき面積:0.5dm
【0029】
【表2】

【0030】
[第3の実施の形態]
試験方法は、第2の実施の形態と同様である。アノードとして板状の不溶解性IrO/Tiを使用した。その結果を表3に示す。なお、比較のため、従来方法の結果も示す。
【0031】
(本発明方法3)
電解方法:電源電圧反転法
正電解電流値=5A/dm
逆電解電流値=10A/dm
電流比=正電解の電流値:逆電解の電流値=1:2
通電時間比=正電解時間(ms):逆電解時間(ms)=80:1
電極間距離=50mm
アノード:不溶解性IrO/Ti(6.25dm
揺動:Y軸揺動(揺動ストローク=±20mm、揺動速度=0.05cm/sec)
めっき槽:80L槽(幅500mm×縦500mm×高さ500mm)
被めっき面積:6.25dm
【0032】
(従来方法5)
電解方法:直流電解法(電源極性の反転なし)
正電解電流値=5A/dm
電極間距離=50mm
アノード:不溶解性IrO/Ti(6.25dm
揺動:Y軸揺動(揺動ストローク=±20mm、揺動速度:0.05cm/sec)
めっき槽:80L槽(幅500mm×縦500mm×高さ500mm)
被めっき面積:6.25dm
【0033】
(従来方法6)
電解方法:電源電圧反転法
正電解電流値=5A/dm
逆電解電流値=10A/dm
電流比=正電解の電流値:逆電解の電流値=1:2
通電時間比=正電解時間(ms):逆電解時間(ms)=80:1
電極間距離=350mm
アノード:不溶解性IrO/Ti(6.25dm
揺動:Y軸揺動(揺動ストローク=±20mm、揺動速度=0.05cm/sec)
めっき槽:80L槽(幅500mm×縦500mm×高さ500mm)
被めっき面積:6.25dm
【0034】
【表3】

【0035】
[第4の実施の形態]
試験方法は、第1の実施の形態と同様である。その結果を表4に示す。なお、比較のため、従来方法の結果も示す。
【0036】
(本発明方法4)
電解方法:電源電圧反転法
正電解電流値=5A/dm
逆電解電流値=7.5A/dm
電流比=正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1.5
通電時間比=正電解時間(ms):逆電解時間(ms)=40:1
電極間距離=300mm
アノード:板状含りん銅(0.5dm
揺動:X+Y軸揺動(X,Yともに、揺動ストローク=±10mm、揺動速度=2cm/sec)
めっき槽:80L槽(幅500mm×縦500mm×高さ500mm)
被めっき面積:0.5dm
【0037】
(従来方法7)
電解方法:電源電圧反転法
正電解電流値=5A/dm
逆電解電流値=7.5A/dm
電流比=正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1.5
通電時間比=正電解時間(ms):逆電解時間(ms)=40:1
電極間距離=350mm
アノード:板状含りん銅(0.5dm
揺動:X+Y軸揺動(X,Yともに、揺動ストローク=±10mm、揺動速度=2cm/sec)
めっき槽:80L槽(幅500mm×縦500mm×高さ500mm)
被めっき面積:0.5dm
【0038】
(従来方法8)
電解方法:ON−OFF電解法(ON時間(ms):OFF時間(ms)=10:1)
正電解電流値=5A/dm
電極間距離=100mm
アノード:板状含りん銅(0.5dm
揺動:X+Y軸揺動(X,Yともに、揺動ストローク=±10mm、揺動速度=2cm/sec)
めっき槽:0.5L槽(幅120mm×縦65mm×高さ120mm)
被めっき面積:0.5dm
【0039】
【表4】

【0040】
[第5の実施の形態]
試験方法は、第3の実施の形態と同様である。その結果を表5に示す。なお、比較のため、従来方法の結果も示す。
【0041】
(本発明方法5)
電解方法:電源電圧反転法
正電解電流値=5A/dm
逆電解電流値=6A/dm
電流比=正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1.2
通電時間比=正電解時間(ms):逆電解時間(ms)=40:1
電極間距離=300mm
アノード:不溶解性IrO/Ti(6.25dm
揺動:Y軸揺動(揺動ストローク=±10mm、揺動速度=2cm/sec)
めっき槽:80L槽(幅500mm×縦500mm×高さ500mm)
被めっき面積:6.25dm
【0042】
(従来方法9)
電解方法:電源電圧反転法
正電解電流値=5A/dm
逆電解電流値=6A/dm
電流比=正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1.2
通電時間比=正電解時間(ms):逆電解時間(ms)=40:1
電極間距離=350mm
アノード:不溶解性IrO/Ti(6.25dm
揺動:Y軸揺動(揺動ストローク=±10mm、揺動速度=2cm/sec)
めっき槽:80L槽(幅500mm×縦500mm×高さ500mm)
被めっき面積:6.25dm
【0043】
(従来方法10)
電解方法:ON−OFF電解法(ON時間(ms):OFF時間(ms)=10:1)
正電解電流値=5A/dm
電極間距離=100mm
アノード:不溶解性IrO/Ti(6.25dm
揺動:Y軸揺動(揺動ストローク=±10mm、揺動速度=2cm/sec)
めっき槽:80L槽(幅500mm×縦500mm×高さ500mm)
被めっき面積:6.25dm
【0044】
【表5】

【0045】
上記各試験結果から明らかなように、本発明方法によるときは、ウィスカーの発生を確実に抑制できることが確認された。同時に、銅めっき表面の光沢も十分で外観も良好なことも確認された。
【産業上の利用可能性】
【0046】
上記実施の形態では、被めっき物としてプリント配線基板(FPC基板を含む)を用いた場合について例示したが、本発明方法を適用可能な被めっき物はプリント配線基板に限られるものではない。例えば、銅,ニッケル,クロムなどを含む金属を液相または気相めっきにて被覆したポリイミドなどの樹脂フィルムに銅めっきを施す場合などにも適用できるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソードとアノード間に印加する直流電源電圧の極性を正負反転可能とし、被めっき物をカソードとする通常の正電解と、被めっき物をアノードとする逆電解とを交互に切り替えながら銅めっき処理を行なうようにしためっき方法において、銅めっきの電解条件として、下記の〔条件1〕+〔条件2〕を採用したことを特徴とする銅めっきにおけるウィスカーの抑制方法。
〔条件1〕印加する直流電源
(i)正電解時
電流値=0.5〜20A/dm
通電時間=0.1〜1000ms
(ii)逆電解時
電流値=0.5〜60A/dm
通電時間=0.01〜100ms
(iii)電流比
正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1〜1:3
(iv)通電時間比
正電解の通電時間:逆電解の通電時間=20:1〜100:1
〔条件2〕電極間距離=3〜300mm
【請求項2】
カソードとアノード間に印加する直流電源電圧の極性を正負反転可能とし、被めっき物をカソードとする通常の正電解と、被めっき物をアノードとする逆電解とを交互に切り替えながら銅めっき処理を行なうようにしためっき方法において、銅めっきの電解条件として、下記の〔条件1〕+〔条件3〕を採用したことを特徴とする銅めっきにおけるウィスカーの抑制方法。
〔条件1〕印加する直流電源
(i)正電解時
電流値=0.5〜20A/dm
通電時間=0.1〜1000ms
(ii)逆電解時
電流値=0.5〜60A/dm
通電時間=0.01〜100ms
(iii)電流比
正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1〜1:3
(iv)通電時間比
正電解の通電時間:逆電解の通電時間=20:1〜100:1
〔条件3〕被めっき物のX軸揺動
揺動ストローク=±5〜50mm
揺動速度=0.1〜10cm/sec
【請求項3】
カソードとアノード間に印加する直流電源電圧の極性を正負反転可能とし、被めっき物をカソードとする通常の正電解と、被めっき物をアノードとする逆電解とを交互に切り替えながら銅めっき処理を行なうようにしためっき方法において、銅めっきの電解条件として、下記の〔条件1〕+〔条件4〕を採用したことを特徴とする銅めっきにおけるウィスカーの抑制方法。
〔条件1〕印加する直流電源
(i)正電解時
電流値=0.5〜20A/dm
通電時間=0.1〜1000ms
(ii)逆電解時
電流値=0.5〜60A/dm
通電時間=0.01〜100ms
(iii)電流比
正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1〜1:3
(iv)通電時間比
正電解の通電時間:逆電解の通電時間=20:1〜100:1
〔条件4〕被めっき物のY軸揺動
揺動ストローク=±5〜50mm
揺動速度=0.1〜10cm/sec
【請求項4】
カソードとアノード間に印加する直流電源電圧の極性を正負反転可能とし、被めっき物をカソードとする通常の正電解と、被めっき物をアノードとする逆電解とを交互に切り替えながら銅めっき処理を行なうようにしためっき方法において、銅めっきの電解条件として、下記の〔条件1〕+〔条件5〕を採用したことを特徴とする銅めっきにおけるウィスカーの抑制方法。
〔条件1〕印加する直流電源
(i)正電解時
電流値=0.5〜20A/dm
通電時間=0.1〜1000ms
(ii)逆電解時
電流値=0.5〜60A/dm
通電時間=0.01〜100ms
(iii)電流比
正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1〜1:3
(iv)通電時間比
正電解の通電時間:逆電解の通電時間=20:1〜100:1
〔条件5〕被めっき物のX−Y軸揺動
X軸揺動:揺動ストローク=±5〜50mm
揺動速度=0.1〜10cm/sec
Y軸揺動:揺動ストローク=±5〜50mm
揺動速度=0.1〜10cm/sec
【請求項5】
カソードとアノード間に印加する直流電源電圧の極性を正負反転可能とし、被めっき物をカソードとする通常の正電解と、被めっき物をアノードとする逆電解とを交互に切り替えながら銅めっき処理を行なうようにしためっき方法において、銅めっきの電解条件として、下記の〔条件1〕+〔条件2〕+〔条件3〕を採用したことを特徴とする銅めっきにおけるウィスカーの抑制方法。
〔条件1〕印加する直流電源
(i)正電解時
電流値=0.5〜20A/dm
通電時間=0.1〜1000ms
(ii)逆電解時
電流値=0.5〜60A/dm
通電時間=0.01〜100ms
(iii)電流比
正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1〜1:3
(iv)通電時間比
正電解の通電時間:逆電解の通電時間=20:1〜100:1
〔条件2〕電極間距離=3〜300mm
〔条件3〕被めっき物のX軸揺動
揺動ストローク=±5〜50mm
揺動速度=0.1〜10cm/sec
【請求項6】
カソードとアノード間に印加する直流電源電圧の極性を正負反転可能とし、被めっき物をカソードとする通常の正電解と、被めっき物をアノードとする逆電解とを交互に切り替えながら銅めっき処理を行なうようにしためっき方法において、銅めっきの電解条件として、下記の〔条件1〕+〔条件2〕+〔条件4〕を採用したことを特徴とする銅めっきにおけるウィスカーの抑制方法。
〔条件1〕印加する直流電源
(i)正電解時
電流値=0.5〜20A/dm
通電時間=0.1〜1000ms
(ii)逆電解時
電流値=0.5〜60A/dm
通電時間=0.01〜100ms
(iii)電流比
正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1〜1:3
(iv)通電時間比
正電解の通電時間:逆電解の通電時間=20:1〜100:1
〔条件2〕電極間距離=3〜300mm
〔条件4〕被めっき物のY軸揺動
揺動ストローク=±5〜50mm
揺動速度=0.1〜10cm/sec
【請求項7】
カソードとアノード間に印加する直流電源電圧の極性を正負反転可能とし、被めっき物をカソードとする通常の正電解と、被めっき物をアノードとする逆電解とを交互に切り替えながら銅めっき処理を行なうようにしためっき方法において、銅めっきの電解条件として、下記の〔条件1〕+〔条件2〕+〔条件5〕を採用したことを特徴とする銅めっきにおけるウィスカーの抑制方法。
〔条件1〕印加する直流電源
(i)正電解時
電流値=0.5〜20A/dm
通電時間=0.1〜1000ms
(ii)逆電解時
電流値=0.5〜60A/dm
通電時間=0.01〜100ms
(iii)電流比
正電解の電流値:逆電解の電流値=1:1〜1:3
(iv)通電時間比
正電解の通電時間:逆電解の通電時間=20:1〜100:1
〔条件2〕電極間距離=3〜300mm
〔条件5〕被めっき物のX−Y軸揺動
X軸揺動:揺動ストローク=±5〜50mm
揺動速度=0.1〜10cm/sec
Y軸揺動:揺動ストローク=±5〜50mm
揺動速度=0.1〜10cm/sec