説明

銅フリー樹脂めっきの成膜方法

【課題】 光沢ニッケルめっき膜部分を、レべリング性の高い超光沢ニッケルめっきを代用することで、銅フリーめっきでニッケルめっき膜厚を削減しても良好な外観、さらに耐食性を向上させる。
【解決手段】 高耐食性が要求される電気めっきを樹脂成形品に施す銅フリー樹脂めっきの成膜方法であって、樹脂成形品にダイレクトめっきの前処理S1、S2、S3、S4を施し、次に、樹脂成形品に半光沢ニッケルめっきS5、超光沢ニッケルめっきS6、光沢ニッケルめっきS7、MPニッケルめっき(マイクロポーラスニッケルめっき)S8の順で各めっき処理を施し、最後にクロムめっきS9を施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品に金属めっきを施す樹脂めっき技術に係り、特に銅めっきを省略した樹脂めっき方法においてそのめっき膜厚をより薄くしても良好な外観を得る銅フリー樹脂めっきの成膜方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な樹脂めっき成膜方法は、図6(a)に示すように、めっきしようとする樹脂成形品に、エッチング工程、エッチング中和工程、触媒付与工程、導電化工程等のダイレクトめっき処理工程を施し、前処理した樹脂成形品に、光沢銅めっき、半光沢ニッケルめっき、光沢ニッケルめっき、MPニッケルめっき(マイクロポーラスニッケルめっき)の順で各めっき処理を施し、最後にクロムめっきを施して終了するめっき方法である。例えば、この一般的な樹脂めっき成膜方法でABS樹脂成形部品をめっきしたとき、めっきの被膜の膜厚は図6(b)に示すように銅20μm、ニッケル16μmの計36μmになった。
【0003】
このように、一般的な樹脂めっき成膜方法による樹脂めっき製品は、ニッケルと銅成分が混合しているために、そのめっき製品を再利用するときに再生が困難であった。即ち、金属リサイクル性が低かった。そこで、銅めっき工程を省略したいわゆる「銅フリー樹脂めっき」が多く利用されるようになった。
【0004】
銅フリー樹脂めっきの成膜方法は、図7(a)に示すように、従来の樹脂めっきの電気めっき成膜工程から光沢銅めっき工程を省いて、半光沢ニッケルめっきと光沢ニッケルめっきおよびMPニッケルめっき(マイクロポーラスニッケルめっき)などのめっき耐食性を向上させるためのニッケルめっきを下地めっきとし、めっき仕上げ膜としてクロムめっきなどの装飾外観めっきを施す方法である。
【0005】
銅フリーめっき成膜方法でめっきした場合、銅めっきに比べてニッケルめっきのレべリング性、即ちめっき用素材のキズや凹凸をなめらかにする効果が低いため、めっきの被膜の膜厚は図7(b)に示すようにトータルニッケルめっき膜厚が36μm以下では良好な外観を維持できなかった。外観の良好な製品を得るためには光沢ニッケルを厚づけしなければならず、銅を省略しても実際のめっき製品の被膜厚は銅有りのものと変わらないか、前処理条件や素材の状態次第ではそれ以上の膜厚をつける必要があった。
【0006】
そこで、本発明の発明者は、例えば室内仕様のめっき製品など、めっきに高耐食性が要求されない場合は、光沢ニッケルめっきだけで下地めっき膜とすることもできることに着目した。また、銅めっきを省略することでめっき膜金属はニッケルとクロムだけになるので、めっき膜の金属リサイクル性が高まると共に、銅を含まないことで金属地金としての価値も高くなることに着目した。
【0007】
樹脂成形品にニッケルめっきを施す樹脂めっき技術が提案されている。例えば特許文献1の特開公報「ニッケル−クロムめっき製品」のように、耐食性に優れたニッケル−クロムめっき製品およびその製造方法が提案されている。この発明に係るニッケル−クロムめっき製品は、被めっき製品素地を、実質的に硫黄を含まない半光沢ニッケルめっき層、半光沢ニッケルめっき被膜に対し100〜170mV卑な電気化学的電位を有する光沢ニッケルめっき層、半光沢ニッケルめっき 被膜に対し60〜120mV卑であり、かつ上記光沢ニッケルめっき被膜に対し10〜60mV貴な電気化学的電位を有する非電導性微粒子共析ニッケルめっき層、クロムめっき被膜で順次被覆されためっき製品になる。
【特許文献1】特開平5−171468
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1のニッケル−クロムめっきでは、光沢銅めっきを省略すると、めっきのレべリング性が低下するという問題を有していた。
【0009】
また、良好なめっき外観得るためにはトータルニッケルめっき膜厚を通常の樹脂めっきの2〜3倍に厚くめっきする必要があり、樹脂めっき総膜厚は銅有りめっき品とあまり変わらず、地金代の分だけ銅フリーめっきの方がコストが高くなってしまうという問題を有していた。
【0010】
そのうえ、レベリング効果が高く、膜厚の削減が可能な超光沢ニッケルを使用したとしても、超光沢ニッケル−MPニッケル間に理想の電位差を確保できず、表1に示すように、低電部では逆転することもあった。超光沢ニッケル−MPニッケル間の電位が逆転すると、図8の電位逆転による腐食現象を示すように、MPニッケル層が先に溶解するため、仕上げ膜のクロムめっきが脱落し腐食ピットが発生するという問題を有していた。
【0011】
【表1】

【0012】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、光沢ニッケルめっき膜部分を、レべリング性の高い超光沢ニッケルめっきを代用することで、銅フリーめっきでニッケルめっき膜厚を削減しても良好な外観、さらに耐食性が得られる銅フリー樹脂めっきの成膜方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、高耐食性が要求される電気めっきを樹脂成形品に施す銅フリー樹脂めっきの成膜方法であって、前記樹脂成形品にダイレクトめっきの前処理(S1、S2、S3、S4)を施し、次に、前記樹脂成形品に半光沢ニッケルめっき(S5)、超光沢ニッケルめっき(S6)、光沢ニッケルめっき(S7)、MPニッケルめっき(マイクロポーラスニッケルめっき)(S8)の順で各めっき処理を施し、最後にクロムめっき(S9)を施す、ことを特徴とする銅フリー樹脂めっきの成膜方法が提供される。
前記光沢ニッケルめっき(S7)と超光沢ニッケルめっき(S6)とのトータルニッケルめっき膜厚が5〜20μm、好ましくは5〜10μmになるようにめっき処理を施す。
【0014】
高耐食性が要求されない電気めっきを樹脂成形品に施す銅フリー樹脂めっきの成膜方法のときは、前記樹脂成形品にダイレクトめっきの前処理(S1、S2、S3、S4)を施し、次に、前記樹脂成形品に半光沢ニッケルめっき(S5)、超光沢ニッケルめっき(S6)の順で各めっき処理を施し、最後にクロムめっき(S9)を施す。
前記半光沢ニッケルめっき(S7)と超光沢ニッケルめっき(S6)とのトータルニッケルめっき膜厚が10〜40μm、好ましくは10〜20μmになるようにめっき処理を施す。
【0015】
高耐食性は要求されるが耐ヒートサイクル性は要求されない電気めっきを樹脂成形品に施す銅フリー樹脂めっきの成膜方法のときは、前記樹脂成形品にダイレクトめっきの前処理(S1、S2、S3、S4)を施し、次に、前記樹脂成形品に超光沢ニッケルめっき(S6)、光沢ニッケルめっき(S7)、MPニッケルめっき(マイクロポーラスニッケルめっき)(S8)の順で各めっき処理を施し、最後にクロムめっき(S9)を施す。
前記超光沢ニッケルめっき(S6)、光沢ニッケルめっき(S7)とMPニッケルめっき(マイクロポーラスニッケルめっき)(S8)とのトータルニッケルめっき膜厚が5〜30μm、好ましくは5〜15μmになるようにめっき処理を施す。
【0016】
高耐食性と耐ヒートサイクル性共に要求されない電気めっきを樹脂成形品に施す銅フリー樹脂めっきの成膜方法のときは、前記樹脂成形品にダイレクトめっきの前処理(S1、S2、S3、S4)を施し、次に、前記樹脂成形品に超光沢ニッケルめっき(S6)を施し、最後にクロムめっき(S9)を施す。
前記超光沢ニッケルめっき(S6)の膜厚が5〜20μm、好ましくは5〜10μmになるようにめっき処理を施す。
【発明の効果】
【0017】
上述したように、本発明では、光沢ニッケルめっき(S7)の替わりに光沢ニッケルめっき(S7)よりレべリング性の高い超光沢ニッケルめっき(S6)を採用することで、銅フリー樹脂めっきのトータルニッケルめっき膜厚を2〜4割程度削減することができる。このように、トータルニッケルめっき膜厚を従来のめっき膜厚より薄くしても良好な外観を得ることができる。
【0018】
また、高耐食性を要求される自動車外装部品のような樹脂めっき部品では、めっき膜間の電位差を適正に維持するために、超光沢ニッケルめっき(S6)の被膜を半光沢ニッケルめっき(S5)の被膜と光沢ニッケルめっき(S7)の被膜の間に使用することで、トータルニッケルめっき膜厚を従来のめっき膜厚より薄くしても良好な めっき外観と高耐食性を両立できる。
【0019】
また、雑貨物などの耐ヒートサイクル性が要求されない樹脂めっき部品では、半光沢ニッケル(S5)を省略することで、トータルニッケルめっき膜厚をさらに薄くしても良好な外観の製品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、光沢ニッケルめっきの替わりに光沢ニッケルめっきよりレべリング性の高い超光沢ニッケルめっきにより、銅フリー樹脂めっきのトータルニッケルめっき膜厚を2〜4割程度削減することができる銅フリー樹脂めっきの成膜方法である。
【実施例1】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施例1の銅フリー樹脂めっきの成膜方法を示すものであり、(a)は工程図、(b)はそのめっき被膜の断面図である。図2は光沢ニッケルめっき被膜の犠牲防食作用を示すめっき被膜の断面図である。
本発明の実施例1の銅フリー樹脂めっきの成膜方法は、高耐食性が要求される部品の樹脂成形品に電気めっきを施す銅フリー樹脂めっきの成膜方法である。実施例1の銅フリー樹脂めっきの成膜方法は、例えば、自動車外装部品のような高耐食性を要求される樹脂めっき部品に適している。この樹脂めっきでは、めっき膜間の電位差を適正に維持するようになっている。
【0022】
実施例1の銅フリー樹脂めっきの成膜方法は、樹脂成形品にダイレクトめっきの前処理を施す。このダイレクトめっきの前処理では、エッチング工程S1、エッチング中和工程S2、触媒付与工程S3、導電化工程S4等の処理工程を施す。
【0023】
次に、前処理を施した樹脂成形品に半光沢ニッケルめっきS5、超光沢ニッケルめっきS6、光沢ニッケルめっきS7、MPニッケルめっき(マイクロポーラスニッケルめっき)S8の順で各めっき処理を施す。
最後にクロムめっきS9処理を施してめっき処理を終了する。
【0024】
実施例1の銅フリー樹脂めっきの成膜方法による、光沢ニッケルめっきS7と超光沢ニッケルめっきS6とのトータルニッケルめっき膜厚は、図1(b)に示すように、10μmで良好な外観が得られた。
図2に示すように、めっき膜間の電位差を適正に維持するために、超光沢ニッケルめっき膜を半光沢ニッケルめっき膜と光沢ニッケルめっき膜の間に使用することで、トータルニッケルめっき膜厚を従来のめっき膜厚より薄くしても良好なめっき外観と高耐食性を向上させることができる。
【実施例2】
【0025】
図3は本発明の実施例2の銅フリー樹脂めっきの成膜方法を示すものであり、(a)は工程図、(b)はそのめっき被膜の断面図である。
本発明の実施例2の銅フリー樹脂めっきの成膜方法は、耐食性が必要でない部品などの樹脂成形品に電気めっきを施す銅フリー樹脂めっきの成膜方法である。実施例2の銅フリー樹脂めっきの成膜方法は、例えば、自動車内装部品などの高耐食性を要求されない樹脂めっき部品に適している。この実施例2の樹脂めっきでは、高耐食性が要求される実施例1のような樹脂めっき工程から、ニッケル被膜電位を分散させるために必要だったMPニッケルめっきS8、適正な電位差を保持するのに必要だった光沢ニッケルめっきS7を省略した樹脂めっきの成膜方法である。
【0026】
実施例2の銅フリー樹脂めっきの成膜方法は、予め、実施例1と同様な前処理を施した樹脂成形品に、半光沢ニッケルめっきS5、超光沢ニッケルめっきS6の順で各めっき処理を施し、最後にクロムめっきS9を施して、めっき処理を終了する。
【0027】
実施例2の銅フリー樹脂めっきの成膜方法では、図3(b)に示すように、半光沢ニッケルめっきS5と超光沢ニッケルめっきS6とのトータルニッケルめっき膜厚は20ミクロンまで減らすことができる。
【実施例3】
【0028】
図4は本発明の実施例3の銅フリー樹脂めっきの成膜方法を示すものであり、(a)は工程図、(b)はそのめっき被膜の断面図である。
実施例3の銅フリー樹脂めっきの成膜方法は、高耐食性が要求されるが、耐ヒートサイクル性は要求されない樹脂成形品に電気めっきを施す銅フリー樹脂めっきの成膜方法である。実施例3の銅フリー樹脂めっきの成膜方法は、例えば、雑貨物など外観のみで耐ヒートサイクル性が要求されない樹脂めっき部品に適している。半光沢ニッケルS5の被膜は光沢ニッケルの被膜に比べて柔らかく、樹脂素材と金属めっきの熱膨張率の違いを緩衝する効果を持つ。そこで、雑貨物など外観のみで耐ヒートサイクル性が要求されないものであれば、半光沢ニッケルめっきS5を省略することで、図4(b)に示すように、トータルニッケルめっき膜厚をさらに16ミクロンまで減らしても高耐食性をもち、かつ良好な外観のめっき品が得られる。
【0029】
実施例3の銅フリー樹脂めっきの成膜方法は、実施例1と同様な前処理を施した樹脂成形品に、超光沢ニッケルめっきS6、光沢ニッケルめっきS7、MPニッケルめっき(マイクロポーラスニッケルめっき)S8の順で各めっき処理を施す。
最後にクロムめっきS9処理を施して、めっき処理を終了する。
【0030】
実施例3の銅フリー樹脂めっきの成膜方法では、超光沢ニッケルめっきS6、光沢ニッケルめっきS7とMPニッケルめっき(マイクロポーラスニッケルめっき)S8とのトータルニッケルめっき膜厚は16μmまで減らすことができた。
【実施例4】
【0031】
図5は本発明の実施例4の銅フリー樹脂めっきの成膜方法を示すものであり、(a)は工程図、(b)はそのめっき被膜の断面図である。
実施例4の銅フリー樹脂めっきの成膜方法は、高耐食性と耐ヒートサイクル性共に要求されない電気めっきを施す銅フリー樹脂めっきの成膜方法である。実施例4の銅フリー樹脂めっきの成膜方法は、例えば、パチンコ部品など室内使用のもので耐食性も耐ヒートサイクル性も要求されない樹脂めっき部品に適している。
【0032】
実施例4の銅フリー樹脂めっきの成膜方法は、実施例1と同様な前処理を施した樹脂成形品に、超光沢ニッケルめっきS6を施し、最後にクロムめっきS9を施して、めっき処理を終了する。
前記超光沢ニッケルめっきS6の膜厚は、図5(b)に示すように、10μmまで減らしても良好な外観の製品が得られた。
【0033】
なお、本発明は上述した発明の実施の形態に限定されず、光沢ニッケルめっきS7の膜部分を、レべリング性の高い超光沢ニッケルめっきS6で代用することで、銅フリーめっきでニッケルめっき膜厚を削減しても良好な外観、さらに耐食性が得られる樹脂めっき成膜方法であれば、図示したような構成に限定されない。
【0034】
また、樹脂めっきのトータルニッケルめっき膜厚を従来の銅フリー樹脂めっきの成膜方法の膜厚より2〜4割程度削減することができる方法であれば、光沢ニッケルめっきS7、超光沢ニッケルめっきS6それぞれの膜厚は、上述した5μm、10μmといった数値に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の銅フリー樹脂めっきの成膜方法は、高耐食性と耐ヒートサイクル性を要求される自動車外装部品、高耐食性は要求されない自動車内装部品、耐食性も耐ヒートサイクル性も要求されないパチンコ部品など室内使用の樹脂めっき製品等の様々な用途に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例1の銅フリー樹脂めっきの成膜方法を示すものであり、(a)は工程図、(b)はそのめっき被膜の断面図である。
【図2】光沢ニッケルめっき被膜の犠牲防食作用を示すめっき被膜の断面図である。
【図3】実施例2の銅フリー樹脂めっきの成膜方法を示すものであり、(a)は工程図、(b)はそのめっき被膜の断面図である。
【図4】実施例3の銅フリー樹脂めっきの成膜方法を示すものであり、(a)は工程図、(b)はそのめっき被膜の断面図である。
【図5】実施例4の銅フリー樹脂めっきの成膜方法を示すものであり、(a)は工程図、(b)はそのめっき被膜の断面図である。
【図6】従来の一般的な樹脂めっきの成膜方法を示すものであり、(a)は工程図、(b)はそのめっき被膜の断面図である。
【図7】従来の銅フリー樹脂めっき成膜方法を示すものであり、(a)は工程図、(b)はそのめっき被膜の断面図である。
【図8】電位逆転による腐食現象を示すめっき被膜の断面図である。
【符号の説明】
【0037】
S1 エッチング工程(ダイレクトめっき)
S2 エッチング中和工程(ダイレクトめっき)
S3 触媒付与工程(ダイレクトめっき)
S4 導電化工程(ダイレクトめっき)
S5 半光沢ニッケルめっき
S6 超光沢ニッケルめっき
S7 光沢ニッケルめっき
S8 MPニッケルめっき(マイクロポーラスニッケルめっき)
S9 クロムめっき

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高耐食性が要求される電気めっきを樹脂成形品に施す銅フリー樹脂めっきの成膜方法であって、
前記樹脂成形品にダイレクトめっきの前処理(S1、S2、S3、S4)を施し、
次に、前記樹脂成形品に半光沢ニッケルめっき(S5)、超光沢ニッケルめっき(S6)、光沢ニッケルめっき(S7)、MPニッケルめっき(マイクロポーラスニッケルめっき)(S8)の順で各めっき処理を施し、
最後にクロムめっき(S9)を施す、ことを特徴とする銅フリー樹脂めっきの成膜方法。
【請求項2】
前記光沢ニッケルめっき(S7)と超光沢ニッケルめっき(S6)とのトータルニッケルめっき膜厚が5〜20μmになるようにめっき処理を施す、ことを特徴とする請求項1の銅フリー樹脂めっきの成膜方法。
【請求項3】
高耐食性が要求されない電気めっきを樹脂成形品に施す銅フリー樹脂めっきの成膜方法であって、
前記樹脂成形品にダイレクトめっきの前処理(S1、S2、S3、S4)を施し、
次に、前記樹脂成形品に半光沢ニッケルめっき(S5)、超光沢ニッケルめっき(S6)の順で各めっき処理を施し、
最後にクロムめっき(S9)を施す、ことを特徴とする銅フリー樹脂めっきの成膜方法。
【請求項4】
前記半光沢ニッケルめっき(S7)と超光沢ニッケルめっき(S6)とのトータルニッケルめっき膜厚が10〜40μmになるようにめっき処理を施す、ことを特徴とする請求項3の銅フリー樹脂めっきの成膜方法。
【請求項5】
高耐食性は要求されるが耐ヒートサイクル性は要求されない電気めっきを樹脂成形品に施す銅フリー樹脂めっきの成膜方法であって、
前記樹脂成形品にダイレクトめっきの前処理(S1、S2、S3、S4)を施し、
次に、前記樹脂成形品に超光沢ニッケルめっき(S6)、光沢ニッケルめっき(S7)、MPニッケルめっき(マイクロポーラスニッケルめっき)(S8)の順で各めっき処理を施し、
最後にクロムめっき(S9)を施す、ことを特徴とする銅フリー樹脂めっきの成膜方法。
【請求項6】
前記超光沢ニッケルめっき(S6)、光沢ニッケルめっき(S7)とMPニッケルめっき(マイクロポーラスニッケルめっき)(S8)とのトータルニッケルめっき膜厚が5〜30μmになるようにめっき処理を施す、ことを特徴とする請求項5の銅フリー樹脂めっきの成膜方法。
【請求項7】
高耐食性と耐ヒートサイクル性共に要求されない電気めっきを樹脂成形品に施す銅フリー樹脂めっきの成膜方法であって、
前記樹脂成形品にダイレクトめっきの前処理(S1、S2、S3、S4)を施し、
次に、前記樹脂成形品に超光沢ニッケルめっき(S6)を施し、
最後にクロムめっき(S9)を施す、ことを特徴とする銅フリー樹脂めっきの成膜方法。
【請求項8】
前記超光沢ニッケルめっき(S6)の膜厚が5〜20μmになるようにめっき処理を施す、ことを特徴とする請求項7の銅フリー樹脂めっきの成膜方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−39772(P2007−39772A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−227705(P2005−227705)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(594035138)柿原工業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】