説明

鋳造用金型及び鋳造法

【課題】溶湯感知センサーを容易に着脱可能な金型及びこの金型を用いた鋳造法の提供。
【解決手段】固定ホルダー11を備える固定型と、固定型に対して進退可能である可動型とを有し、固定ホルダー11には可動型と当接する固定型分割面10Aを有し、内部にキャビティとキャビティに連通し金属溶湯が流通するガス抜き通路1cを画成する鋳造用金型1において、固定ホルダー11にはガス抜き通路1cに露出し金属溶湯と接触して感知する感知センサー42と感知センサー42を保持すると共に固定型分割面10Aの一部を構成する埋子41とを有するセンサーユニット40が設けられ、センサーユニット40が設けられた固定ホルダー11に対して、埋子41の背面側から固定型分割面10A側へとセンサーユニット40を移動させる打出し治具50を備える鋳造用金型及び鋳造用金型を用いた鋳造法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鋳造用金型及び鋳造法に関し、特に溶湯を感知するセンサーを備えた鋳造用金型及び鋳造用金型により鋳造する鋳造法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、特許文献1に示されるように、金属溶湯の湯流れ状況を把握する溶湯感知センサーを備えた鋳造用金型が公知になっている。この鋳造用金型では、金型のランナーを画成する分割面位置に、背面側から溶湯感知センサーが配置されてランナーに露出し、ランナーを流れる金属溶湯が溶湯感知センサーに接して通電することによりランナーを流れる金属溶湯を感知している。
【特許文献1】実公平3−2361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
溶湯感知センサーは、メンテナンス等で金型より外す必要がある。しかし、溶湯感知センサーは背面側から金型に装着されているため、鋳造機から一端金型を取り外した後に、溶湯感知センサーを着脱する必要があり、作業性が悪いという課題を有していた。そこで本発明は、溶湯感知センサーを容易に着脱可能な金型及びこの金型を用いた鋳造法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために本発明は、固定型10と、該固定型10に対して進退可能な可動型20と、を有し、該固定型10と可動型20とにはそれぞれ相対すると共に互いに当接可能な分割面10A、20Aをそれぞれ有し、該固定型10と可動型20とが該分割面10A、20Aにより当接して該分割面10A、20Aの間にキャビティ1aと該キャビティ1aに連通し金属溶湯1Aが流通する通路1cとを画成する鋳造用金型1において、該固定型10と可動型20とのいずれか一方には、分割面側に開放するユニット収容空間11bが形成されると共に、該ユニット収容空間11b内に、該通路1cに露出し該金属溶湯1Aと接触して該金属溶湯1Aを感知する感知センサー42と、該感知センサー42を保持すると共に該固定型10と可動型20とのいずれか一方の該分割面10A、20Aの一部を構成する埋子41と、を有するセンサーユニット40が設けられ、該センサーユニット40は、該センサーユニット40が設けられた該固定ホルダー11と該可動ホルダー21とのいずれか一方に対して、該埋子41の反分割面となる背面側から分割面側へと移動手段50により移動される鋳造用金型1を提供している。
【0005】
ここで該センサーユニット40は、該感知センサー42を該背面側から該埋子41に装着する取付ホルダー43を更に有し、該移動手段50は該取付ホルダー43を付勢して該センサーユニット40を該分割面側へと移動させることが好ましい。
【0006】
また該固定ホルダー11と該可動ホルダー21とのいずれか一方には、該ユニット収容空間11bに連通し該分割面と交差する周面に開口する貫通孔11dが形成され、該移動手段50は、該貫通孔11dから挿入され該ユニット収容空間11bに到達すると共に、該センサーユニット40の背面と該ユニット収容空間11bを構成する壁面11Aとの間に侵入する楔部材であることが好ましい。
【0007】
また、本発明は、上記鋳造用金型1を用いて鋳造する鋳造法を提供している。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1記載の鋳造用金型及び請求項4記載の鋳造法によれば、センサーユニットに組み込まれた感知センサーが、移動手段によりセンサーユニットごと反分割面となる背面側から分割面側へと移動する。よって分割面からセンサーユニットが突出することになり、この突出したセンサーユニットを引き出すことにより容易に感知センサーを金型から取り外すことができる。この際に金型を鋳造機から外す必要はないため、作業性よく感知センサーを金型に脱着することができる。
【0009】
本発明の請求項2記載の鋳造用金型及び請求項4記載の鋳造法によれば、取付ホルダーを介して感知センサーを埋子に装着するため、簡易に感知センサーを埋子に装着することができる。また取付ホルダーを埋子の背面側から感知センサーを埋子に装着するため、埋子と取付ホルダーとで感知センサーを挟持する構成になる。取付ホルダーは付勢される箇所になるので、高剛性の構造を採る。この様な構成を採ることにより、高剛性の取付ホルダーで感知センサーを保護することになり、圧力等の外因から感知センサーを保護することができる。
【0010】
本発明の請求項3記載の鋳造用金型及び請求項4記載の鋳造法によれば、簡単な構成でセンサーユニットを付勢することができる。また楔部材の楔面の角度を所定の角度に設定し、若しくは打撃力を加えて楔部材を用いることにより、センサーユニットを付勢する付勢力を強めることができるので、センサーユニットとホルダーとの間に金属溶湯が浸透したとしても、容易にセンサーユニットを取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態による鋳造用金型及び鋳造法(ダイカスト法)について図1乃至図6を参照しながら説明する。図1に示されるように鋳造用金型1は固定型10と可動型20とセンサーユニット40と取出し治具50(図2)とを主に備えており、図示せぬ鋳造機に装着されて用いられる。後述する固定型10の固定ダイス12と可動型20の可動ダイス22とにより鋳造用金型1内にキャビティ1aが画成されると共に、後述する固定型10の固定ホルダー11及び固定ダイス12と可動型20の可動ホルダー21及び可動ダイス22とによりキャビティ1aに連通するランナー1b及びガス抜き通路1cが画成されるように構成されている。
【0012】
可動型20は、図1に示されるように可動ホルダー21と可動ダイス22とを備えており、固定型10に対向し後述の固定型分割面10Aに当接可能な可動型分割面20Aを有している。
【0013】
可動ホルダー21を備える可動型20は、可動型分割面20A及び固定型分割面10Aに直交する方向、即ち、図1の左右方向へ可動ホルダー21と可動ダイス22とが一体で進退可能に構成されており、可動型20が図1の右方へ前進し可動型分割面20Aと後述の固定型分割面10Aとが互いに当接し合うことにより型締めが行われてキャビティ1aが画成される。また、可動ホルダー21を備える可動型20が図1の左方へ後退し可動型分割面20Aと後述の固定型分割面10Aとが互いに離間し合うことにより型開きが行われるように構成されている。
【0014】
可動ホルダー21には、可動ダイス22を収容可能な可動ダイス収容部21aが形成されており、図1に示されるように、可動ダイス収容部21aに可動ダイス22が収容されている。また、可動型20には、複数の図示せぬ押出しピンが設けられている。複数の図示せぬ押出しピンの先端面は、キャビティ1aを画成する可動ダイス22の表面から突出可能である。複数の図示せぬ押出しピンの基端は図示せぬ押出し板に接続されており、図示せぬ押出し板を駆動させることにより、図示せぬ複数の押出しピンを同時に進退することができるように構成させている。型締めされキャビティ1aが画成されているときには、図示せぬ押出しピンの先端面がキャビティ1aを画成する可動ダイス22の部分の表面と面一となり、型開きして可動型20から鋳造品を取出すときには、図示せぬ押出しピンの先端面がキャビティ1aを画成する可動ダイス22の表面から突出する。
【0015】
また可動ホルダー21において、後述のスリーブ13と対向する位置には、分流子21Aが配置されている。また、この分流子21Aの上端の位置はランナー1bの一端を成している。ランナー1bの他端はゲート1dに連通しており、ゲート1dを介してランナー1bはキャビティ1aに連通している。
【0016】
固定型10は、固定ホルダー11と固定ダイス12とを備えており、可動型20に対向すると共に当接可能な固定型分割面10Aを有している。また、固定ホルダー11には、固定ダイス収容部11aが形成され、固定ダイス収容部11aには固定ダイス12が収容されている。
【0017】
また、固定型10には給湯口13aが形成されたスリーブ13とスリーブ13内を摺動可能なプランジャチップ14とが設けられている。プランジャチップ14はシャフト15によりスリーブ13内を摺動可能である。シャフト15には、図示せぬストライカが設けられている。また、シャフト15の近傍には図示せぬ真空スタートリミットスイッチが設けられており、図示せぬストライカによって図示せぬ真空スタートリミットスイッチを作動可能である。スリーブ13内には溶融したアルミニウム合金等の金属溶湯1Aが給湯される。
【0018】
固定ホルダー11には、固定型10と可動型20との間に形成されたガス抜き通路1cに連なると共に図示せぬ真空吸引装置に連なる排気路10aが形成されており、ガス抜き通路1cと排気路10aと間に開閉弁31が設けられている。開閉弁31はピストン部32により駆動され、ガス抜き通路1cと排気路10aとの間を閉止状態・連通状態のいずれかの状態に保っている。ピストン部32は、外部の圧縮空気源33より供給される圧縮空気により稼働しており、圧縮空気源33からの圧縮空気は、図示せぬ制御装置により制御される電磁弁34により選択的に切り換えられてピストン部32に送気される。よって電磁弁34を制御することにより、ガス抜き通路1cと排気路10aとの間の連通・閉止を制御している。
【0019】
また固定ホルダー11には、図2に示されるように、ガス抜き通路1cに面する位置にセンサーユニット40が収容されるユニット収容空間11bが穿孔されて形成されている。ユニット収容空間11bは、段部11Bによって固定型分割面10A側の前室と反固定型分割面側である後室とに区切られている。固定ホルダー11には、ネジ52が螺合して螺進退するネジ穴11cと取出し治具50が挿入される貫通孔11dとが形成されており、ネジ穴11cがユニット収容空間11bの前室と連通し、貫通孔11dがユニット収容空間11bの後室と連通している。またユニット収容空間11bの後室において、ユニット収容空間11bの穿孔方向底面となる最背面を壁面11Aと定義する。ネジ穴11c及び貫通孔11dはそれぞれ固定型分割面10Aと交差する固定ホルダー11の周面に開口している。よって固定ホルダー11の背面側(反固定型分割面側)からではなく、固定ホルダー11の周面からユニット収容空間11b内にアクセスすることができる。
【0020】
センサーユニット40は、固定ホルダー11のガス抜き通路1cを画成する部分に設けられており、埋子41と、感知ピン42と、取付ホルダー43とから主に構成されている。埋子41は板状の鋼材から構成されており、その板状の鋼材の厚みが図2に示されるように固定型分割面10Aから段部11Bまでの距離と略同一に構成され、図3に示される板状の鋼材の外郭形状がユニット収容空間11bの前室の形状と略同形状に構成されている。また埋子41には、図2に示されるようにその厚み方向に穿孔された貫通孔である感知ピン装着孔41aが形成されており、この感知ピン装着孔41a内に感知ピン42が背面側から装着されている。また取付ホルダー43において、ネジ穴11cと対向する位置にはネジ穴11cの径より大径の穿孔41bが形成されている。この穿孔41b内にネジ52の先端が挿入し、先端が埋子41に当接することにより、埋子41が固定ホルダー11に固定される。
【0021】
図2に示されるように、感知ピン42は、通電箇所である電極棒42Aと、図示せぬ碍子を介して電極棒42Aを保持するホルダー42Bと電極棒42Aに導通して外部の図示せぬ制御装置に導通する導線42Cとから主に構成されている。電極棒42Aは、感知ピン42が埋子41に装着された状態で固定型分割面10Aに露出しており、導電体と接触することによって短絡して通電する構成を採っている。センサーユニット40において固定型分割面10Aはガス抜き通路1cを画成するので、電極棒42Aはガス抜き通路1c内に露出している。ホルダー42Bは、感知ピン42が感知ピン装着孔41a内に挿入された際に感知ピン装着孔41a内において保持される箇所になる。導線42Cは、ホルダー42Bの上側位置から延出され、貫通孔11d内を配線されて鋳造用金型1外部に延出されている。
【0022】
取付ホルダー43は高剛性の素材、例えば鋼材を基材として構成されており、図2に示されるように埋子41背面から突出している感知ピン42を内蔵する空間43aが形成され、図4に示されるように埋子41の背面に4本のネジ43Aで装着されている。空間43a内に感知ピン42が内蔵されるため、取付ホルダー43に付勢力が加えられたとしても、感知ピン42に付勢力が伝達されることは抑制され、感知ピン42の故障を低減している。取付ホルダー43の背面においては、図2に示されるように貫通孔11dの挿通方向を穿設方向とする溝43bが形成されている。溝43bにおいては、図2及び図4に示されるように、その底面の貫通孔11d側の端部に、貫通孔11dに近接するに従い固定型分割面10Aに近接する傾斜面43Bが設けられている。
【0023】
取出し治具50は、図2に示されるように、先端部分に斜面51Aが設けられて楔状に構成されると共に、図5に示されるようにその幅が溝43b内に挿入可能に構成されている。よって斜面51A部分を溝43b内に挿入することにより、取り付け取付ホルダー43と固定ホルダー11のユニット収容空間11b背面部分である壁面11Aとの間を広げることができる。尚、取出し治具50が付勢手段に該当する。
【0024】
以下、鋳造法について説明する。鋳造法では、先ず図示せぬ鋳造機に装着された固定ホルダー11及び可動ホルダー21に固定ダイス12及び可動ダイス22をそれぞれセットする。またセンサーユニット40は、図2に示されるように固定ホルダー11にネジ52により装着されている。
【0025】
次に可動型20を固定型10の方向、即ち、図1の右方向へ移動させてゆき、固定型分割面10Aに可動型分割面20Aを接近させ当接させて型締めをする。この時に固定ダイス12と可動ダイス22とによりキャビティ1aが画成されると共に、固定ホルダー11及び固定ダイス12と可動ホルダー21及び可動ダイス22とによりガス抜き通路1cおよびランナー1bが画成される。ガス抜き通路1c内には感知ピン42の電極棒42A先端が露出している。
【0026】
次に開閉弁31を開放した状態で、給湯口13a(図1)より金属溶湯1Aをスリーブ13内に注入する。次に、スリーブ13内でプランジャチップ14を図1の左方向に低速で摺動させる。このプランジャチップ14の摺動によって給湯口13aは閉鎖され、更に、図示せぬストライカが図示せぬ真空スタートリミットスイッチを作動させる。図示せぬ真空スタートリミットスイッチの作動に応答して、図示せぬ制御装置によって図示せぬ真空吸引装置が作動し、スリーブ13、ランナー1b、キャビティ1a内のガスは、ガス抜き通路1c、排気路10aを通して吸引され鋳造用金型1外部に排気される。
【0027】
次に、プランジャチップ14を高速でスリーブ13内を摺動させることにより、金属溶湯1Aがキャビティ1a内に充満され、更にガス抜き通路1c内に流入し、感知ピン42の電極棒42Aに接触する。この接触によって電極棒42Aは短絡し、この短絡によって電磁弁34が動作し、圧縮空気源33から圧縮空気がピストン部32に供給され、開閉弁31が閉止し、ガス抜き通路1cと排気路10aとが遮断され、図示せぬ真空吸引装置によるキャビティ1a、ガス抜き通路1c等からの真空引きが停止される。
【0028】
次に、キャビティ1a内の金属溶湯1Aが冷却され凝固した後に、可動型20及びこれらに付着した金属溶湯1Aからなる鋳造品を固定型10から離間させて型開きを行う。そして、可動型20の図示せぬ押出しピンにより製品部を可動ダイス22から押出し、製品部と一体でガス抜き通路1c内で凝固した金属溶湯1Aの部分を可動型20から取外す。
【0029】
上記の一連の工程を繰り返す際には、感知ピン42を取り外してメンテナンスを行う必要がある場合がある。この感知ピン42を取り外すには、図6に示されるように、ネジ52を後退させて埋子41を固定した状態から解除し、次に斜面51Aが傾斜面43Bに沿うように取出し治具50の先端を溝43b内に挿入する。この状態で取出し治具50を打ち込むことにより、取出し治具50が溝43bの形成された取付ホルダー43と壁面11Aとの間を押し拡げる。よって取付ホルダー43を含むセンサーユニット40を壁面11Aから離間させ、埋子41を固定型分割面10Aから突出させる。
【0030】
埋子41が固定型分割面10Aから突出した後は、作業者が埋子41を把持して引っ張り、センサーユニット40をユニット収容空間11bから取り外す。その後にネジ43Aを外して、感知ピン42を埋子41から外し、メンテナンスを行う。よって感知ピン42を取り外す際には、固定ホルダー11の周面位置から取出し治具50を操作するのみであり、固定型10を固定ホルダー11と固定ダイス12とに分解、及び図示せぬ鋳造機から脱着する必要が無いため、作業性よく感知センサーである感知ピン42を固定型10に脱着することができる。
【0031】
またセンサーユニット40を固定ホルダー11に装着する際には、取付ホルダー43により感知ピン42が埋子41に装着された状態でセンサーユニット40をユニット収容空間11b内に挿入する。埋子41はその厚みが固定型分割面10Aから段部11Bまでの距離と同じに構成されているため、埋子41が段部11Bと当接する位置までセンサーユニット40をユニット収容空間11b内に挿入することにより、センサーユニット40の固定型分割面10Aを構成する面と固定型分割面10Aとを同一面とすることができる。また段部11Bに埋子41が当接していることにより、埋子41の固定型分割面10Aに圧力が掛かったとしても、埋子41がユニット収容空間11b内に埋没することが防がれる。その後にネジ52を螺進させて、ネジ52の先端を穿孔41b内に挿入して固定し、センサーユニット40の固定ホルダー11への装着が完了する。
【0032】
本発明による鋳造用金型及び鋳造法は上述の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば実施の形態では固定型にセンサーユニットを設けたが、これに限らず可動型にセンサーユニットを設けてもよい。また付勢手段として楔形状の取出し治具を用いたが、これに限らず、図7に示されるように、取付ホルダー43の背面側となる固定ホルダー11にユニット収容空間11bに貫通する貫通孔11eを設けると共に、貫通孔11eを介して油圧シリンダー150等の付勢手段を配置し、油圧シリンダー150等によって取付ホルダー43を付勢してもよい。またセンサーユニットの装着箇所はガス抜き通路に限定されず、ランナー等の溶湯を感知する必要がある場所ならば固定型又は可動型のいずれの箇所に装着してもよい。また、取付ホルダーを設けずに埋子に感知ピンをネジ等で直接装着し、感知ピンを付勢手段により直接付勢するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態にかかる鋳造用金型の断面概略図。
【図2】本発明の実施の形態にかかる鋳造用金型に設けられたセンサーユニットを示す断面概略図。
【図3】本発明の実施の形態にかかる鋳造用金型に設けられたセンサーユニットの平面図(固定型分割面図)。
【図4】本発明の実施の形態にかかる鋳造用金型に設けられたセンサーユニットの背面図。
【図5】図2のV-V線に沿った断面概略図。
【図6】本発明の実施の形態にかかる鋳造用金型に設けられたセンサーユニットが固定型より取り外される状態を示す断面概略図。
【図7】本発明の実施の形態にかかる鋳造用金型の変形例に係る断面概略図。
【符号の説明】
【0034】
1 鋳造用金型
1A 金属溶湯
1a キャビティ
1c ガス抜き通路
10 固定型
10A 固定型分割面
11 固定ホルダー
11A 壁面
11b ユニット収容空間
11d 貫通孔
12 固定ダイス
20 可動型
20A 可動型分割面
21 可動ホルダー
22 可動ダイス
40 センサーユニット
41 埋子
42 感知ピン
43 取付ホルダー
50 取出し治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定型と、
該固定型に対して進退可能な可動型と、を有し、
該固定型と該可動型とにはそれぞれ相対すると共に互いに当接可能な分割面をそれぞれ有し、該固定型と該可動型とが該当接面により当接して該分割面の間にキャビティと該キャビティに連通し金属溶湯が流通する通路とを画成する鋳造用金型において、
該固定型と該可動型とのいずれか一方には、該分割面側に開放するユニット収容空間が形成されると共に、該ユニット収容空間内に、該通路に露出し該金属溶湯と接触して該金属溶湯を感知する感知センサーと、該感知センサーを保持すると共に該固定型と該可動型とのいずれか一方の該分割面の一部を構成する埋子と、を有するセンサーユニットが設けられ、
該センサーユニットは、該センサーユニットが設けられた該固定型と該可動型とのいずれか一方に対して、該埋子の反分割面となる背面側から分割面側へと移動手段により移動されることを特徴とする鋳造用金型。
【請求項2】
該センサーユニットは、該感知センサーを該背面側から該埋子に装着する取付ホルダーを更に有し、該移動手段は該取付ホルダーを付勢して該センサーユニットを該分割面側へと移動させることを特徴とする請求項1に記載の鋳造用金型。
【請求項3】
該固定型と該可動型とのいずれか一方には、該ユニット収容空間に連通し該分割面と交差する周面に開口する貫通孔が形成され、
該移動手段は、該貫通孔から挿入され該ユニット収容空間に到達すると共に、該センサーユニットの背面と該ユニット収容空間を構成する壁面との間に侵入する楔部材であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の鋳造用金型。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の鋳造用金型を用いて鋳造することを特徴とする鋳造法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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