説明

鋼ストリップの浸漬亜鉛めっき方法

本発明は連続的に走行する圧延鋼ストリップの浸漬亜鉛めっき方法であって、該ストリップを、該ストリップ上に堆積される金属、例えば亜鉛とアルミニウムとの液体混合物浴を含有するコーティング槽に浸漬して、前記のコーティング槽と調製装置との間を永続的に循環させ、該液体混合物の温度は、鉄の溶解閾値を下げるために自発的に低下し、且つ、前記の調製装置内で少なくとも1つのZn−Alインゴットの溶融を、ストリップ上への堆積によって消費された液体混合物を補償するために必要な量で行うために充分に高められている、浸漬亜鉛めっき方法について記載する。前記の方法は該液体混合物の循環路が熱的に最適化されるように実施される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
鋼ストリップの浸漬亜鉛めっき方法
本発明は、請求項1の前提部に記載の鋼ストリップの浸漬亜鉛めっき方法に関する。
【0002】
連続的に走行する圧延鋼ストリップの浸漬亜鉛めっきは、実質的に2つの変法を含む公知の技術であり、1つはストリップが亜鉛めっき炉を出て、亜鉛めっきに適合する少なくとも1つの金属、例えば亜鉛またはアルミニウムを含む液体金属の槽内へと斜めに下がり、次に垂直に湾曲し、且つ、液体金属の前記の浴中に浸漬されたローラーによって上向きになっている。他の変法は、ストリップが垂直に湾曲し、そしてそれが炉を出るときに上向きになり、そしてその後、磁気的に保持されている液体の亜鉛を含有する垂直な流路内を走行することからなる。液体金属浴は、様々な割合のアルミニウムまたはマグネシウムまたはマンガンを有する亜鉛合金である。本願の明確化のために、亜鉛とアルミニウムとの合金の場合のみを記載する。
【0003】
2つの場合において、その作業は、走行している鋼ストリップの表面に亜鉛とアルミニウムとの液体混合物の連続的且つ接着性の堆積物を製造することを目的としている。この堆積物形成の力学は当業者に公知であり、多くの文書、中でもGiorgiらによる"La Revue de Metallurgie−CIT(冶金学評論−CIT)",2004年10月,内の、"Modelling of galvanizing reactions"の課題になっている。この文献は液体混合物の接触が、鋼ストリップからの鉄の溶解を引き起こし、それは一方でストリップ表面での化合物Fe2Al5Znxの約0.1μmの化合物層の形成にかかわり、且つ、他方でFe2Al5Znx層が連続的に形成されない限りは液体混合物浴に向かって拡散することを立証している。Fe2Al5Znx層が亜鉛の最終的な保護層の支持体としてはたらく一方、溶解した鉄は、液体混合物内で鉄Fe、アルミニウムAl、および亜鉛Znで構成される、"マット"または"ドロス"と称される沈殿物の形成に寄与する。数ミクロン〜数十ミクロンのサイズの粒子の形態のそれらの沈殿物は、被覆された(亜鉛めっきされた)ストリップ上の外見上の欠陥を引き起こすことがあり、それは特にシート状金属のそれらのストリップが車体の可視の部分を形成することが意図されている場合には受け入れ難い場合がある。従って、鋼作業者によって、亜鉛めっき浴のドロスを制限または消去するための多くの努力がなされている。ドロス形成の現象は、例えばAjersch et al.による"Numerical simulation of the rate of dross formation in continuous galvanizing baths"などの文書から、当業者全体に公知である。液体亜鉛浴の温度およびそのアルミニウム含有率に依存して、溶解できる鉄の量は非常に高い限度内で変化する。鉄の含有率が溶解限度を超える場合、規定されたFe−Al−Zn化合物の核形成および成長が可能になる。連続的な通常の亜鉛めっき方法において、ストリップ上に堆積される液体混合物を含有するコーティング浴は常に鉄が飽和しており、それはストリップから溶解し且つ液体混合物内に拡散した全ての鉄が直ちにインサイチューでのドロスの形成に使用され得る結果となる。
【0004】
コーティング槽内でドロスを調整または少なくともその量を減少しようとするために想定されている方法の中で、液体混合物表面の手動での抜き取りが、長期にわたって行われてきた。この方法は当然、作業者に対して危険であるとみなされており、JP2001−064760号内に記載の通り、この抜き取り作業を機械化し、その後、ロボット化することが想定されていた。コーティング槽内で形成されたドロスを放出するために、オーバーフロー、ポンピング、または射出によって処理する、他の様々な技術が想定されている。従って、EP1070765号は、ドロスが形成されるコーティング槽の他に、そのドロスを排出するための補助槽を含む、亜鉛めっき設備の一連の変法を記載している。より精巧な手法の、EP0429351号は、金属ストリップのコーティングゾーンと、液体亜鉛を含有する亜鉛めっき浴の精製ゾーンとの間での液体混合物の循環を構成し、精製ゾーン内でのドロスの分離を確実にし、そして、"鉄含有率が溶解限度付近または未満である"液体混合物をコーティングゾーンに向かって返送することを意図した方法および装置を記載している。しかし、主張されている物理的な原理がよく記載されていたとしても、この文献は当業者がそれらを実施できるための指標、特に、熱交換器による冷却と同一の精製ゾーンの誘導による再加熱とをどのように同時に制御するかを与えていない。液体亜鉛の循環流量の決定手段についての指標も与えられていない。
【0005】
本発明の目的は、液体混合物中での鋼ストリップの浸漬亜鉛めっき方法であって、液体混合物の循環路が熱的に最適化されている方法を提供することである。
【0006】
従って、かかる方法は請求項1によって提案される方法によって実施される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本方法を実施する設備の概略図である
【図2】本方法を実施する設備の変法の概略図である
【図3】温度、設備の循環路中に溶解しているアルミニウム、および鉄含有率の分布を示す図である
【図4】温度(T)およびアルミニウム含有率(Al%)に依存する、液体混合物中の鉄の可溶性(Fe%)のダイヤグラムである
【図5】特定のアルミニウム含有率(Al=0.19%)について、温度(T)に依存する液体混合物中での鉄の可溶性(Fe%)のダイヤグラムの詳細である
【図6】走行する鋼ストリップによって液体混合物へ供給される電力(PB)、およびコーティング槽(2)内で液体混合物の溶融を確実にするために必要な電力(PZ)の変化ダイヤグラムである
【図7】電力決定の論理チャートである
【図8】液体混合物の循環流量決定の論理チャートである
【図9】アルミニウム含有率決定の論理チャートである
【図10】インゴットの溶融速度決定の論理チャートである
【図11】液体混合物中に溶解する鉄の理論上の含有率の検査の論理チャートである。
【0008】
本発明によって提案された方法の態様をより明確に説明することを可能にするために、液体混合物中での鋼ストリップの浸漬亜鉛めっき設備、および本方法の実施を可能にする変法の1つを、図1および図2を使用して示す:
図1 本方法を実施する設備の概略図、
図2 本方法を実施する設備の変法の概略図。
【0009】
図1は本発明による方法を実施するための設備の概略図を示す。鋼ストリップ(1)は、理想的には連続走行で設備内へ導入され、亜鉛めっき炉(3)への接続ラインを通って斜めにコーティング槽(2)へと導入される(コーティング槽の上流側は示されない)。該ストリップはローラー(4)によって垂直に湾曲し、そして前記のコーティング槽内に含有される液体コーティング混合物(5)を横切る。該ストリップの湾曲は、ストリップの走行に付随する水平なローラー(4)によって実現できる。流路(6)は、2つのゾーンから構成される調製装置(7)に向かう、なみなみとした液体混合物の流れを可能にし、その第一のゾーン(71)は、少なくとも1つの合金のインゴットZn−Al(8)の溶融を、コーティング槽内でのストリップ上への堆積によって消費された液体混合物および不可避の損失(材料)を補償するために必要な量で確実にし、第二のゾーン(72)は液体混合物の流れの経路に沿って(コーティング槽は第一のゾーン、その後第二のゾーンに向かう)、第一のゾーンと並置されている。それら2つのゾーンは図1に示されている通り、同一の槽内に配置されていてもよく、従って分離装置(73)、例えば中央に間隙のある壁によって分離されているか、あるいは隣同士に置かれた2つの別々の槽から構成されていてもよい。それら2つの、別々で且つ隣同士に置かれた槽の間で、液体混合物をポンピングによって、または接続流路によって移送してもよい。第一のゾーン(71)内でのポンピング投入物の水準および接続流路の投入物の水準は、有利には上方の表面のドロスの沈降(decantation)ゾーン(81)と、ゾーンの高さ(71)の平均1/3以内である底部ドロスの沈殿物(82)の下部のゾーンとの間に位置している。特に、該調製装置のこの平均高さで、本発明による方法は、前記のドロス(81、82)の(流れの方向(FL)に従って徐々に増加する)下方および上方の2つの蓄積ゾーンの間でドロスのない間隙を隔離することが可能であることが想定される。
【0010】
コーティング槽からの液体混合物は、インゴットの溶融のために充分に高い温度である。インゴットの溶融のためのエネルギー消費は液体混合物の冷却をもたらし、それは、分離装置(73)によって封止された部分によって下流で保持される表面ドロス(81)および底部ドロス(82)の形成を引き起こす。インゴットの消費による冷却作用に加えたさらなる冷却手段(62)が、コーティング槽と調製装置との間、例えばそれらの接続流路(6)上に配置されていてもよい。従って、該調製装置の第二のゾーン(72)は精製された液体混合物を受け取り、それを好ましくは誘導による加熱手段(75)によって再加熱することができる。管(9)は第二のゾーン(72)内の液体混合物を、図1の場合にはポンピング装置(10)の動作下で回収し、且つ、還流路(11)などの管が、精製された液体混合物の流量に従って放出口(12)を介してコーティング槽(2)に再供給する。例えば抜き取りまたはポンピングシステムなどの装置は、ドロスを調製装置の外に排出することを可能にする(第一のゾーン71)。有利なことに、調製装置の第一のゾーン(71)は、流れの経路の方向に連続的に配置された、いくつかのインゴット(8)の間に配置された液体混合物の部分を分離する仕切りを含んでもよい。それらを、壁を中央の部分で空けることによって実現してもよく、従って、アルミニウム含有率に依存してインゴット毎に底部ドロス(82)および表面ドロス(81)を集中させることが可能になる。
【0011】
インゴットの溶融に関して、調製装置の第一のゾーン(71)は有利にはいくつかのインゴット(81、82、・・・、8n)を含み、その少なくとも2つは異なる含有率のアルミニウムを含み、且つ、そのインゴットの少なくとも1つは、調製装置内の液体混合物に必要な含有率より高い含有率を有する。さらには、調製装置の第一のゾーン(71)は、少なくとも2つのインゴットの溶融流量を、理想的には、第一のゾーン(71)内の少なくとも1つのインゴットの選択的な浸漬または引き出しによって、調整するための手段を含む。つまり、調製装置の第一の区画は、液体混合物の予め規定された温度(T2、T3)の降を制御する手段(6、62)を含んでもよく、ここで該インゴットの溶融は、理想的には初めに第一のゾーン(71)内で少なくとも1つのインゴットの選択的な浸漬または引き出しによって実現される。
【0012】
これを考慮して、調製装置(71)内でのインゴット(8)の連続的な溶融を、少なくとも2つのインゴットの合計の溶融流量で確実にする。従って、液体混合物浴中に連続的に浸漬される複数のn個のインゴットがそれぞれ異なるアルミニウム含有率を有し、且つ、それらの少なくとも1つが、調製装置内で必要なアルミニウム含有率よりも高いアルミニウム含有率を有して、時間によって変化する含有率プロファイル(または溶融流量)を確立できることが有利である。この必要な含有率を、コーティング槽内で、ストリップ表面上に形成された化合物Fe2Al5Znx層内で、および調製装置内で形成されたドロス内で、測定される、または見積もられるアルミニウムの消費から決定可能である。有利にも、n個のインゴットそれぞれの溶融流量は、調製装置内のアルミニウム含有率を必要な合計の溶融速度を保持しながら必要な含有率に調整するための手段で、個々に制御することが可能である。
【0013】
調製装置内でのインゴットの連続的な溶融は、第二の温度(コーティング槽の出口)から、第一のゾーン(71)内で予め規定された温度への液体混合物の冷却を部分的に引き起こし、鉄の溶解閾値を下げ、且つ前記の調製装置内で予め規定された温度での溶解閾値以下でのドロスの局在化された形成を可能にする。従って、高いアルミニウム含有率を有する、いわゆる"表面"ドロスは高いアルミニウム含有率を有する浸漬されたインゴット近傍で優先的に形成され、その後、表面付近に沈降し、且つ、高い亜鉛含有率を有する、いわゆる"底部"ドロスは低いアルミニウム含有率を有する浸漬されたインゴット近傍で優先的に形成され、その後、底部付近に沈殿する。
【0014】
ドロス形成後、予め規定された温度での鉄の溶解閾値に等しい鉄含有率を有するコーティング槽内に入る液体混合物の再生流量は、溶解した鉄の含有率の上昇を第二の温度での溶解閾値未満に制限することを可能にする。
【0015】
従って、該調製装置(7)は、分離壁(73)によって分離された2つのゾーン(71、72)を含む単独の槽で構成されることがあり、第一のゾーンはインゴットの溶融を確実にし、且つドロス形成を局在化し、第二のゾーンは精製された液体混合物を受け取る。この場合、第二のゾーンは、固有且つ単純な誘導による加熱手段(75)を装備して、コーティング槽への返送に先だって新規の流れの開始までに、流れの経路の最後で還流経路の熱循環を確実にするために、精製された液体混合物の再加熱を確実にする。(71)と(72)との2つのゾーンも、接続流路によって接続された2つの別々の槽内にあってもよい。
【0016】
図2は、図1による設備の変法の概略図を表し、ここで初めのコーティング槽はストリップの第一の湾曲槽(15)(液体混合物はない)と、磁気浮上によって保持された液体混合物浴(5)を含むコーティング槽(13)とに細分化されている。従って原理的に本設備は、液体混合物浴(5)が磁気浮上によって図1のように調製装置に接続されたコーティング槽(13)内で保持される変法を実施する。該浮上作用は、公知の方法、電磁気装置(14)によって連続的に確実にされる。区画(15)は炉への接続、およびローラー(4)によるストリップ(1)の湾曲を確実にする。
【0017】
明確化のために、図1の例による本発明による方法の主な目的を、図3によっても説明する:
図3 温度、設備の循環路中に溶解しているアルミニウム、および鉄含有率の分布。
【0018】
図3の上の部分は図1による設備の単純化した例を表し、既に述べられた主な部品を表しており(コーティング槽2、および液体金属の還流のためのその入口12、インゴット8、調製装置7、第一のゾーン71上のインゴット溶融槽、第二のゾーン72上の精製槽、およびその出口11、加熱手段75)、本発明による方法の実施のより良い説明を可能にする。設備の図の下に、3つの分布プロファイル、本発明の方法の実施によって得られる、温度、アルミニウム含有率%、および鉄の溶解閾値SFeに依存して溶解する鉄含有率も示す。従って、本プロファイルは、コーティング槽2の入口12から精製槽72の出口11までの、流れの経路の方向に従ってみなされる位置に依存した変化を示す。液体混合物の還流経路によって、流れの経路とは別に、且つ逆向きに、出口11が入口12と接続していることに留意すべきである。従って本発明は、入口と出口との間、従って流れの経路上の異なる槽の間でプロファイルの値を調整して閉じた熱循環を実現し、従って目標のアルミニウムおよび鉄含有率を正確に保持することを可能にする(所定の温度での適した溶解閾値の下で)。
【0019】
コーティング槽(2)内の液体混合物は、浸漬されるストリップ近傍で、前記の第二の温度(T2)で固化する。コーティング槽(2)の入口(12)では、浸漬ゾーンとは異なり、温度は第二の温度(T2)より高くなくてよい。なぜなら、それは精製槽(72)の出口11、および還流経路は熱損失が不可避であるが、本方法に影響しないからである。実際に、コーティング槽の液体混合物内へのストリップの浸漬によって、該ストリップが目標の第二の温度(T2)よりも高い前記の第一の温度であることが予想され、従って、この第二の温度(T2)を、有利にも、該ストリップがかき回すことによる液体混合物浴内での熱移動によって困難なく達成することが可能である。コーティング槽の出口での、従って第一のゾーン(71)の入口での、液体混合物の目標の第二の温度(T2)はさらに、インゴット(8)の溶融を可能にするために充分に高く選択される。
【0020】
調製装置(7)の第一のゾーン(71)内でインゴット(8)の溶融に必要なエネルギー消費は、コーティング槽からの液体混合物の第二の温度(T2)から、目標値、第三の温度(T3)への低下を引き起こす。調製装置(7)の第二のゾーン(72)において、加熱手段(75)は、必要であれば、液体混合物の温度を第三の温度(T3)から、還流経路上の損失およびコーティング槽の入口(12)で必要な温度に応じるためにさらに充分高く選択される第四の温度(T4<T2)へと再上昇させるために電力(ΔP=PZ−PB)を供給する。従って、熱循環は簡単に実現できる。ストリップのみ、および、必要な場合は加熱手段(75)がエネルギーを供給することによって熱工程を制御する。エネルギーの供給が精製槽(72)の出口で必要とされない場合、加熱手段(75)は休止される。
【0021】
入口(12)と、第一のゾーン(71)に向かうコーティング槽(2)の出口との間で、液体混合物のアルミニウム含有率(Al%)は、化合物層における損失流量に依存して下落し(Alc)、且つ、第一の含有率(Alt) (調製装置内で溶融されたインゴットに由来する液体混合物のアルミニウム含有率、その後、精製(第二のゾーン72)および還流によって、コーティング槽の入口(12)に向かって再度流路を流れる(re−canalise)液体混合物のアルミニウム含有率)から、コーティング槽(2)出口での第二の含有率(Alv)に移行する。コーティング槽(2)の出口を通過した後、調整されたインゴットの溶融が、第一のゾーン(71)の出口での液体混合物のアルミニウム含有率(Alm)まで、アルミニウム含有率(All)(または単位時間による流量)を増加することを可能にする。しかしながらこの含有率(Alm)は、理論上であると理解されるべきであり、なぜならインゴットによるアルミニウムの供給と相関して、一部のアルミニウムはドロスの形成と共に必然的に消費され、それが精製槽(第二のゾーン72)内で必要なアルミニウム含有率(Alt)がコーティング槽内の還流の入口12でのアルミニウム含有率に達する(且つ等しい)までのアルミニウム含有率の実際の低下(Ald)を引き起こすからである。
【0022】
コーティング槽(2)内、および温度およびアルミニウム含有率の変化の影響下で、液体混合物中の鉄の溶解閾値(SFe)は、第二の温度(T2)での値(SFe T2)でほぼ安定であり、その後、インゴット溶融ゾーン内での第三の温度(T3)での値(SFe T3)へと著しく減少し、そしてコーティング槽(2)へと戻る前に加熱手段(75)のゾーンにおいて第四の温度(T4)での値(SFe T4)へと再上昇する。
【0023】
液体混合物の鉄含有率(Fe%)は、コーティング槽(2)内で第二の温度(T2)での液体混合物の鉄の溶解閾値(SFe T2)よりも低く留まる水準まで上昇し、そしてインゴット溶融の第一のゾーン(71)内でのドロスの沈殿まで保持されて、この第一のゾーンの第三の温度(T3)での液体混合物の鉄の飽和閾値(SFe T3)に等しい値に達する。鉄含有率(Fe%)の変異曲線と液体混合物の鉄の溶解閾値(SFe)との間のダイヤグラムの斜線ゾーン(ドロス)は、ドロスの沈殿領域の局在化を可能にする。最終的に、精製の第二のゾーン(72)内で、液体混合物の鉄の溶解閾値(SFe)は、第四の温度(T4)でより高い値(SFe T4)に再上昇する(第一のゾーン71よりも高い)。従って、ドロスの沈殿が部分的に避けられ、精製槽内の液体混合物は清浄なままであり、且つ、いかなるドロスもなくコーティング槽(2)の入口に返流される。
【0024】
本発明による方法をより良く説明し且つ理解するために、上記の図に加えて、さらなる図を提供する:
図4 温度(T)およびアルミニウム含有率(Al%)に依存する、液体混合物中の鉄の可溶性(Fe%)のダイヤグラム、
図5 特定のアルミニウム含有率(Al=0.19%)について、温度(T)に依存する液体混合物中での鉄の可溶性(Fe%)のダイヤグラムの詳細、
図6 走行する鋼ストリップによって液体混合物へ供給される電力(PB)、およびコーティング槽(2)内で液体混合物の溶融を確実にするために必要な電力(PZ)の変化ダイヤグラム。
【0025】
図4は、特定の温度(ここではT=440〜T=480℃)に対して、Zn−Al液体混合物中での鉄の溶解限界(Fe%)が、アルミニウム含有率(Al%)が低下した際に上昇し、且つ、特定のアルミニウム含有率で温度と共に上昇することを示す。従って、鉄の溶解限界を調整するための行為には2つの手段:液体混合物のアルミニウム含有率または温度の変化がある。
【0026】
図5は、0.19%のアルミニウム含有率(Al%)に対して、温度(T)に依存する溶解限界(Fe%)の変化を示す。コーティング槽(2)の温度T=470℃(A点)で、鉄の溶解限界(Fe%)は約0.015%である。通常の含有率よりも低い、温度T=440℃(B点)で、鉄の溶解限界(Fe%)は約0.007%である。従って、470℃の作業温度で飽和した、または飽和限界に近い液体混合物は、440℃ではその溶解限界を2で割った溶解限界を示す。鉄から製造された全てのドロスを、この温度の440℃で溶液の外に取り出して回収できるという仮定においては、溶解されたままの鉄の含有率は0.07%に低下する。この状態から470℃への再加熱は、ドロスの沈殿なく、被覆されるストリップからさらに0.08%の鉄を溶解させることを可能にする。
【0027】
図6は走行する鋼ストリップによって液体混合物に供給される電力(PB)、およびコーティング槽(2)内で消費される混合物の溶融を確実にするために必要な電力(PZ)の変化を示す。それらの電力(PB、PZ)は、連続的な亜鉛めっき設備に固有の2つのデータ、一方で炉の加熱電力(図1には表されていないが、コーティング槽の上流に位置する)、およびストリップの乾燥を有効なままにしておくための最大速度、によって限定される。例として、それらの限定は、1つの炉について1時間あたりに処理される約100トンのストリップであり(コーティング槽内のストリップの入口の下流において)、且つ、乾燥については、200m/分を若干上回るストリップの速度(コーティング槽の外側のストリップの出口において)である。ストリップの温度485℃で、1200mmに等しい幅(L)のストリップについて示される例において、"バンド"とも称される電力(PB)曲線(点線)は、ストリップの厚さ(E)に依存して連続的に炉の加熱限界に相応する段階まで上昇する。必要な電力(PZ)の曲線(実線)は、初めに、最大乾燥速度によって制限されるストリップの最大走行速度によって制限され、その後、連続的に減少する。ストリップ厚(E)1.2mmおよびコーティング厚15μmについて、ストリップによって供給される電力(PB)は、亜鉛を溶融するために必要な電力(PZ)よりも低く(PZ>PB)、従って電力の差分(ΔP)は、循環中の液体混合物を加熱して、特にそれがコーティング槽(2)に戻る前に、供給されなければならない。従って、この電力の差分はここでは必要な電力供給(ΔP>0)として理解される。電力の取り出しの場合(ΔP<0)も当然想定されると理解され、その場合、少なくとも1つの発電のパラメータ(炉の温度、ストリップの速度、等)を修正して、液体混合物に供給される電力(PB)全体を減少する一方、コーティング槽(2)内で消費される混合物の溶融を確実にするべきである。必要であれば、冷却系をコーティング槽に接続してもよい。
【0028】
上記の図から、本発明による方法、即ち、連続的に走行する圧延鋼ストリップ(1)の浸漬亜鉛めっき方法であって、該ストリップを、該ストリップ上に堆積される金属混合物浴(5)、例えば亜鉛(Zn)およびアルミニウム(Al)を含有するコーティング槽(2)に浸漬し、そして永続的に前記のコーティング槽と調製装置(7)との間を循環させ、ここで液体混合物の温度は、鉄の溶解閾値を下げるために自発的に低下し、且つ、前記の調製装置内で、少なくとも1つのZn−Alインゴット(8)の溶融を、ストリップ上への堆積のために使用される液体混合物および不可避の損失(約5%)を補償するために必要な量で開始させるために充分に高められている、亜鉛めっき方法を提案することが可能である。上述の方法は以下の段階を含む:
・ 第一の温度(T1)でコーティング槽の液体混合物浴中に入る鋼ストリップによって供給される第一の電力(PB)を決定する工程 (前記の浴は、第一の温度(T1)よりも低い予め規定された第二の温度(T2)でそれ自体が安定化されている)、
・ 液体混合物を予め規定された第二の温度(T2)で保持するために必要な第二の電力(PZ)を決定し、且つ、この第二の電力と、ストリップによって供給される第一の電力(PB)とを比較する工程、
・ 第一の電力(PB)が第二の電力(PZ)よりも大きければ、ストリップの第一の温度(T1)を低下する設定を指定する工程、
・ 第一の電力(PB)が第二の電力(PZ)以下であれば、調製装置内でのインゴット(8)の、ストリップ上への堆積によって消費される液体混合物および他のさらなる損失の全てを補償するために必要な量での連続的な溶融に必要なエネルギーを決定する工程、
・ コーティング槽と調製装置との間の液体混合物の循環流量(Q2)を調節して、インゴット(8)の連続的な溶融に必要なエネルギーを供給する一方、調製装置内の液体混合物の温度を、予め規定された第二の温度(T2)よりも低い予め規定された第三の温度(T3)で保持する工程、
・ 調製装置の出口(9)での液体混合物の第四の温度(T4)を調節して、前記の出口とコーティング槽の供給入口(12)との間での熱平衡に必要なさらなる電力(ΔP=PZ−PB)を供給する工程 (前記の入口は出口(9)によって原料供給されている)。
【0029】
このように、本方法は、コーティング槽の入口と調製装置の出口との間の流れの経路上、その後、逆方向で且つ前記の流れの経路と異なる、同様の還流経路上を、連続的且つ順次に液体混合物が循環して流れることを可能にする。この循環流もまた、熱的に最適化される。なぜなら、それは順次、循環しており(流れ、還流)、従って必要なそれぞれの熱交換は正確に制御されるからである。
【0030】
第二の温度(T2)と目標のアルミニウム含有率(Alv)の調整は、浴(コーティング槽)内で第二の温度(T2)での鉄の溶解閾値(SFe T2)を、コーティング槽内で予想される鉄の溶解流量(QFe)を考慮して、鉄の全体の含有率(Fe2)が第二の温度(T2)での鉄の溶解閾値(SFe T2)よりも低く保持されるような水準に調整することを可能にする。この方法で、コーティング槽はいかなるドロスもないままであり、その被覆物は完全な品質である。この効果のために、第二の温度(T2)と目標のアルミニウム含有率(Alv)とを制御することによって、コーティング槽の液体混合物中で第二の温度(T2)での鉄の溶解閾値(SFe T2)を、コーティング槽内で予想される鉄の溶解流量(QFe)を考慮して、全体的な鉄の含有率(Fe2)が第二の温度(T2)での鉄の溶解閾値(SFe T2)よりも低く保持されるような水準に調整する。
【0031】
インゴットの連続的な溶融を、少なくとも2つのインゴットの総溶融流量(Vm)で確実にすることが好ましい。
【0032】
溶融のために、図1(または2)の通り、有利には、様々な数(n)のインゴットを選択的に、且つ順次、液体混合物の浴中に浸漬させてよい。該インゴットは好ましくは、それぞれ互いに異なるアルミニウム含有率(Al1、Al2、・・・、Aln)を有し、且つ、少なくとも1つのインゴットは、調製装置内(特に精製された混合物を含む第二のゾーン72内)で必要な含有率(Alt)よりも大きい含有率のアルミニウムを含む。このように、調製装置のゾーン内でのアルミニウム含有率の目標値の保持、または入手を、より柔軟且つより正確に実現できる。
【0033】
この複数(n)個のインゴットについて、(n)個のインゴットそれぞれの浸漬速度(V1、V2、・・・、Vn)を個々に調整でき、調製装置内でのアルミニウム含有率を必要な含有率(Alt)へと動的に制御しながら、必要な全体の溶融速度(=流量)を保持する。
【0034】
必要であれば、液体混合物の第二の温度(T2)から第三の温度(T3)への冷却手段を、インゴットの溶融によって実現されるさらなる冷却集積システムとしての調製装置内で行ってもよい。従って、かかる相補的な冷却手段は、本発明による方法のより柔軟な調節を可能にする。
【0035】
有利には、インゴット間を、且つそれぞれのアルミニウム含有率に従って区切って、異なる種類のドロスを分離し、高いアルミニウム含有率を有する、いわゆる"表面"ドロスが、高いアルミニウム含有率を有する浸漬されたインゴット近傍で優先的に形成され、且つ、低いアルミニウム含有率を有する、いわゆる"底部"ドロスが、低いアルミニウム含有率を有する浸漬されたインゴット近傍で優先的に形成される。この区切りは、表面のインゴットの間、および第一のゾーン(71)の底部に仕切りを付け足すことによって簡単に実現できる。
【0036】
本発明による方法は、液体亜鉛の必要な流量、即ち、コーティング槽内に入る液体混合物の補給を、第三の温度(T3)での鉄の溶解閾値(SFe T3)と等しい鉄含有率未満に制御して、溶解している鉄含有率の増加を、コーティング槽内の第二の温度(T2)での溶解限界の著しく下に制限することを想定している。これは、ストリップから溶解する鉄の量が、第三の温度(T3)での鉄の溶解閾値(SFe T3)と第二の温度(T2)での鉄の溶解閾値(SFe T2)との間の範囲に含まれることを可能にする。
【0037】
ストリップによって供給される第一の電力(PB)の制御ループが、電力の供給または取り出し分(ΔP)を調整して、第一の電力(PB)が第二の電力(PZ)と電力の供給または取り出し分(ΔP)との合計と等しくなるような平衡、即ちPB=PZ+ΔPをもたらす。これは減少(または増加)の設定値を、コーティング槽に入るストリップの温度(T1)に送信することで実現される。
【0038】
本方法は、調製装置が、インゴットの溶融ゾーン内で第三の温度(T3)を、制御手段または外部指令手段によって設定された温度の近傍、特に±10℃の値で規定された温度範囲内に調節するために適合した、誘導による加熱制御手段と関連する熱量の回収および排出のためのさらなる制御手段を備えることを想定している。
【0039】
熱的に、本方法は、コーティング槽入口での鋼ストリップの第一の温度(T1)が理想的には450〜550℃に含まれることを推奨する。同様に、コーティング層内の液体混合物の第二の温度(T2)は理想的には450〜520℃に含まれる。本方法の効果が最大であるためには、鋼ストリップとコーティング槽内の液体混合物との間の温度差(ΔT1)は0〜50℃に含まれて保持される。従って、液体混合物の第二の温度(T2)は、鋼ストリップと液体混合物との間の温度差(ΔT1)によって減少された第一の温度(T1)と等しい値(T1−ΔT1)で、理想的には±1〜3℃の精度で、コーティング槽内で保持される。最終的に、第二の温度と、調製装置内の第三の温度との間の温度降下(ΔT2=T2−T3)は、少なくとも10℃に保持される。それらの値は、亜鉛、アルミニウム、および鉄の含有率について、本発明による亜鉛めっき方法によって実施される循環路(流れ/還流)上で最適な熱循環を可能にする。
【0040】
本方法は、コーティング槽から流れてくる液体混合物の循環流量(Q2)が、同一の時間単位内にストリップ上に堆積される混合物の量の10〜30倍に保持されることを想定している。
【0041】
本発明による方法は、測定および調節工程の実施が、熱循環、循環路および目標のアルミニウム、亜鉛、および鉄含有率の制御/保持を可能にすることを想定している。
【0042】
特に、温度の値および液体混合物のアルミニウム濃度の値は、理想的には連続的に、少なくともコーティング槽内の供給入口(12)から調製装置の出口(11)までの流れの経路上で測定される。それらの値は、液体混合物の循環される循環路における位置によるアルミニウムまたは鉄含有率のダイヤグラムと関連づけるために必須である。
【0043】
液体混合物の水準は、理想的には連続的に調製装置内で、必要であればコーティング槽内でも測定される。これはインゴットの溶融流量を制御し、且つ、ストリップ上に堆積される金属の量を知ることを可能にする。
【0044】
実際には、液体混合物の流量(例えば単位時間あたりのアルミニウム含有率)および温度は、単純化された制御によって予め規定された値の組み合わせで保持されている。これは例えば、ダイヤグラム(例えば図1および2のもの)を簡単に導出できること、および値の組み合わせに理想的な(鉄の)溶解閾値を素早く達成することを可能にする。
【0045】
本方法は、コーティング槽内のストリップ入口と連結している亜鉛めっき炉の出口でのストリップの温度を、調節可能な値の範囲内に保持する機能を含む。同様に、ストリップの走行速度は調節可能な値の範囲内に保持される。理想的には、本方法は、ストリップの幅と厚さとを、それらが亜鉛めっき設備の制御系における第一の入力パラメータ(Primary Data Input PDI)としてまだ収集されていない場合でも、コーティング槽の上流で測定する、または見積もることを想定している。それらのパラメータは、特に、本発明による方法によって管理される循環路内で、ストリップによって供給される電力と関係して入力条件を決定するために有用である。
【0046】
それぞれのインゴットの溶融速度の調節を可能にするために、インゴットの調製装置の溶融ゾーン内への導入および保持を、動的且つ選択的に実施する。
【0047】
従って本発明の方法を、ストリップ、コーティング槽、および調製装置に関連する測定および制御の動的なパラメータに依存して実施する。それらのパラメータは理想的には集中制御で(centralement)、リアルタイムでの予想指令の分析モデルに従って自動的に操作され、自動プログラミングによって随意に更新可能である。この点で、外部指令のモードも実施して(例えば前記の方法を調節する分析モデルへの、外部指令の単純な入力によって)、例えば作業者はアルミニウム含有率の制御(recalage)、ストリップの温度の制御等をすることが可能になる。かかる外部指令に応じて、本方法を制御する分析モデルも同様に再度更新される。
【0048】
コーティング槽上流の亜鉛めっき炉からのパラメータと同様に、コーティング槽の外を走行するストリップの乾燥工程からの測定および制御パラメータを本発明による方法の調節に提供してもよい。これは、予め規定された値が、例えば堆積されるコーティング厚および必要な金属含有率に関連して、より良く較正されることを可能にする。
【0049】
従属請求項の群は、本発明の利点について表す。
【0050】
本発明を実施するための実施例および適用例を、上記の図および以下の図を用いて提供する:
図7 電力決定の論理チャート、
図8 液体混合物の循環流量決定の論理チャート、
図9 アルミニウム含有率決定の論理チャート、
図10 インゴットの溶融速度決定の論理チャート、
図11 液体混合物中に溶解する鉄の理論上の含有率の検査の論理チャート。
【0051】
図7は、ストリップの電力(PB)および本発明による方法を実施し始めるために必要な電力(PZ)を決定する論理チャートを表す。該設備(図1、2および3を参照)の、製品に影響するデータ(DAT_BAND)および運転条件に影響するデータ(DAT_DRIV)、即ち:
・ 連続的に走行するストリップの幅(L)および厚さ(E)、
・ ストリップの2つの面上に堆積される亜鉛の厚さ(EZ)およびストリップの目標速度(V)
から出発して、物質流量(QBm)および表面流量(QBs)、従って不可避の損失を含む消費される亜鉛の総流量が計算される。その流量、コーティング槽下流の亜鉛めっき炉の出口でのストリップの第一の温度(T1)、およびコーティング槽内の第二の目標温度(T2)から出発して、ストリップの電力(PB)および必要な電力(PZ)が計算される。図6の場合のように、必要な電力がストリップの電力よりも大きければ(PZ>PB、"Y")、ΔP=PZ=PB(段階"1")の形での計算(図8参照)に引き続いて、処理される。
【0052】
逆の場合では、必要な電力はストリップの電力未満であってよい(PZ<PB、"N"の場合)。本発明による方法は、そこで、亜鉛めっき炉の出口での温度低下によって、ストリップの第一の温度(T1)への冷却(ΔT)の設定値(ORD1)を予想する。この段階の結論で、コーティング槽入口でのストリップの温度(T1)が決定された値、ここでは絶対的な冷却値(ΔT)、上昇された第二の温度(T2)と等しいことがわかると(即ち:T1=T2+ΔT)、コーティング槽内の液体混合物の温度はその値(T2)に戻らねばならない。
【0053】
図8は、本チャートの論理上の開始点としても表される図7の段階"1"に引き続いてつながる、液体混合物の循環流量を決定する論理チャートを表す。調製装置のインゴット溶融ゾーン(71)内で目標とする第三の温度(T3)、インゴットの初めの温度(TL) (前記は必要であれば液体混合物内への導入前に再加熱できる)、および消費され且つインゴットの溶融によって補償されなければならない亜鉛の流量(Qi)から、前記の亜鉛のインゴットの溶融エネルギー(W=Wfus_Zn)を決定する。このエネルギー(W)は、コーティング槽から流れてくる液体亜鉛によって供給されるべきエネルギー(Winc_Zn)も表す。コーティング槽から流れてくる液体混合物の第二の温度(T2)、および予め計算されたエネルギー(W)を考慮して、コーティング槽から流れてくる、且つインゴットの連続的な溶融を確実にするために必要な、液体混合物の流量(Q2)が決定される。この流量(Q2)は、コーティング槽と調製装置との間の液体混合物の循環流量も示す。
【0054】
図9は、調製装置(精製槽72)内でインゴットの溶融に由来する液体混合物のアルミニウム含有率(Alt)決定の論理チャートを示す。実際に、規定されたFe−Al化合物の形成は、一方ではストリップ上に堆積される化合物層を形成し、且つ、他方では、ドロス中に存在して、亜鉛と共にストリップ上に通常堆積される量以外のそれぞれのアルミニウム(QAlc)および(QAld)の消費を引き起こす。このさらなる消費は、コーティング槽内の目標アルミニウム含有率(Alv)よりもわずかに高い、精製槽(72)内のアルミニウム含有率(Alt)によって補償されなければならない。アルミニウム(QAlc)および(QAld)の消費は、ストリップの物質流量(QBm)から出発して計算される。それらは、インゴットの溶融後に得られる第三の温度(T3)および液体混合物の温度をコーティング槽内で第二温度(T2)に保つために必要なさらなる電力(ΔP)に依存する、コーティング層内に戻る液体混合物の第四の温度(T4)の計算チャート内にも含まれる。液体混合物のアルミニウム含有率(Alt)の値が、消費の観点で判明して、次の図による段階"2"へ移行する。
【0055】
図10は、調製装置内でのインゴットの溶融速度(流量)決定の論理チャートを示す。化合物層におけるアルミニウム損失(QAlc)および特に処理されるストリップの幅に依存して変化するドロス内のアルミニウム損失(QAld)の量に従って、還流の間、コーティング槽内の目標のアルミニウム含有率値(Alv)を保持するために、インゴットの溶融に由来するアルミニウム含有率(Alt)を調節できる必要がある。従って、このために、動的、選択的、且つ同時に、異なるアルミニウム含有率を有する少なくとも2つのインゴットを調製装置の液体混合物内に浸漬でき、且つ、その少なくとも1つは調製装置の第二のゾーン(72)内のアルミニウム含有率(Alt)よりも高い含有率のアルミニウムを含むことが有利である。そこで複数(n)個のインゴットを、消費される亜鉛の全体の計算された流量(Q1)に相当する、溶融の全体の速度(=流量)(Vm)で、液体金属中に浸漬する。アルミニウム含有率(Al1、Al2、・・・、Aln)を有する(n個の)インゴットのそれぞれを、選択的に、且つそれぞれのインゴットについて、計算された溶融速度(V1、V2、・・・、Vn)と関連して可変的に調節できる動態(浸漬の持続時間)に従って浸漬して、全体の溶融速度(Vm)と関連して得られるアルミニウム含有率(Alt)を確実にし、且つ、前記の図9における段階"2"からの値から予想されるアルミニウム消費と関連して必要なアルミニウム含有率(Alt)がインゴットの溶融に由来するアルミニウム含有率(Alt)によって確実になることを制御する。
【0056】
図11は、前述の段階"1"(図6、7、8参照)から出発する液体混合物中に溶解する理論上の鉄含有率(SFe)検査の論理チャートを示す。コーティング槽に入る液体混合物の鉄含有率(Fe1)は、ドロス沈殿の第三の温度(T3)での鉄の溶解閾値(SFe T3)によって固定されている(Fe1=SFe T3)(図1も参照)。データ、例えばコーティング槽の入口でのストリップの第一の温度(T1)、前記のコーティング槽内の液体混合物の第二の温度(T2)、ストリップの表面の流量(QBs)、および調製装置の入口での液体混合物のアルミニウム含有率(Alv)に依存して、本方法は一方では、走行するストリップの2つの面に由来する鉄の溶解流量(QFe)の計算を実施し、且つ他方では、第二の温度(T2)での液体混合物中の鉄の溶解閾値(SFe T2)の計算を実施する。コーティング槽入口での鉄含有率(Fe1)に加えて、この溶解流量は液体混合物の鉄含有率(Fe2)を計算することを可能にする、例えば:
Fe2=(QFe・SFe)+Fe1 (ここで、安全率(SFe)が導入されている)。ストリップ表面で、化合物Fe2Al5Znx層の発現に好都合な、鉄濃度の急な傾斜が作られる。コーティング槽内の液体混合物の鉄含有率(Fe2)はそこで、前記の傾斜の終端での鉄含有率であり、且つ、液体混合物浴の鉄の総含有率としてみなすこともできる。第二の温度(T2)での液体混合物中の鉄の溶解閾値(SFe T2)がコーティング槽内の液体混合物の実際の鉄含有率(Fe2)よりも高ければ("SFe T2>Fe2"の場合を参照)、保存されている異なる工程制御パラメータが有効化される("VAL_PA"の場合を参照)。逆の場合、それらのパラメータを、第二の温度(T2)での液体混合物中の鉄の溶解閾値(SFe T2)を上昇させるために("UP(SFe T2)"の場合)、および/または鉄の溶解流量(QFe)を低下させるために("DOWN(QFe)の場合")、修正しなければならない("MOD_PA"の場合を参照)。前記の溶解閾値(SFe T2)の上昇は、第二の温度(T2)の上昇および/またはコーティング槽内のアルミニウム含有率(Alv)の低下によって得られる。鉄の溶解流量(QFe)の低下は、第一の温度(T1)および/または第二の温度(T2)および/またはストリップの表面流量(QBs)を低下させることによって、および/またはコーティング槽内のアルミニウム含有率(Alv)を上昇させることによって得られる。実際には、ストリップの第一の温度(T1)および/またはその走行速度(V)に好ましく実施する。
【0057】
主な省略形の一覧
1. 連続的に走行するストリップ
2、13 コーティング槽
7 調製装置
71、72 調製装置の第一および第二のゾーン
8 インゴット
A 470℃で、0.19%のアルミニウム含有率についての鉄の溶解限界点
Al アルミニウム
Al1、・・・、Aln インゴット1〜nのアルミニウム含有率
Alc 化合物層におけるアルミニウムの消費
Ald ドロスにおけるアルミニウムの消費
All 調製装置内で必要な液体混合物のアルミニウム含有率の上昇
Alm 調製装置内(第一のゾーン71)の液体混合物のアルミニウムの最大含有率(仮想)
Alt 調製装置内で溶融されたインゴットに由来する液体混合物のアルミニウム含有率(従って、第二のゾーン72内)
Alv コーティング槽出口での液体混合物の目標アルミニウム含有率
B 440℃で、0.19%のアルミニウム含有率についての鉄の溶解限界点
DAT_BAND ストリップのデータ
DAT_DRIV 運転のデータ
DOWN(x) 変数xの減少
ドロス マット、ドロス
ΔP 電力の供給(ΔP>0)または取り出し(ΔP<0)
ΔT エネルギーの供給または取り出しに相応する、温度の正(ΔT>0)または負(ΔT<0)の変位
E ストリップの厚さ
EZ 亜鉛の厚さ
Fe 鉄
Fe1 コーティング槽入口での液体混合物の鉄含有率
Fe2 コーティング槽内の液体混合物の鉄の最大含有率
L ストリップの幅
MOD_PA 選択されたパラメータの修正
N いいえ
ORD1 設定値
PZ T2で亜鉛を保持するために必要な電力
PB ストリップによって供給される電力
1=Q1_fus_Zn 亜鉛インゴットの溶融流量
=Q1_cons_Zn 消費される亜鉛−アルミニウムの総流量
2 コーティング槽出口で必要な液体亜鉛の流量
QAlc 化合物層中のAlの損失流量
QAld ドロスにおけるAl損失流量
QBm ストリップの物質流量
QBs ストリップの表面流量
QFe 液体混合物中の鉄の溶解流量
SFe 液体混合物中の鉄の溶解/飽和の閾値
SFe T2 温度T2での液体混合物についてのSFe
SFe T3 温度T3での液体混合物についてのSFe
SFe T4 温度T4での液体混合物についてのSFe
1 コーティング槽入口でのストリップの第一の温度
1_mes 測定されたT1
2 コーティング槽内の液体混合物の第二の温度
3 調製装置(浴)の第三の温度
4 精製槽出口での液体の第四の温度
L 溶融ゾーン内での浸漬前の亜鉛インゴットの初めの温度
UP(x) 変数xの増加
V ストリップの走行速度
m 浸漬されたインゴットの総溶融流量
max ストリップの最大走行速度
1、・・・、Vn 1〜nのインゴットの溶融流量
VAL_PA 選択されたパラメータの有効化
W=Wfus_Zn 亜鉛インゴットの溶融エネルギー
=Winc_Zn コーティング槽から流れてくる液体亜鉛によって供給されるエネルギー
Y はい
Zn 亜鉛
【符号の説明】
【0058】
1. 連続的に走行するストリップ、 2、13 コーティング槽、 7 調製装置、 71、72 調製装置の第一および第二のゾーン、 8 インゴット、 A 470℃で、0.19%のアルミニウム含有率についての鉄の溶解限界点、 Al アルミニウム、 Al1、・・・、Aln インゴット1〜nのアルミニウム含有率、 Alc 化合物層におけるアルミニウムの消費、 Ald ドロスにおけるアルミニウムの消費、 All 調製装置内で必要な液体混合物のアルミニウム含有率の上昇、 Alm 調製装置内(第一のゾーン71)の液体混合物のアルミニウムの最大含有率(仮想)、 Alt 調製装置内で溶融されたインゴットに由来する液体混合物のアルミニウム含有率(従って、第二のゾーン72内)、 Alv コーティング槽出口での液体混合物の目標アルミニウム含有率、 B 440℃で、0.19%のアルミニウム含有率についての鉄の溶解限界点、 DAT_BAND ストリップのデータ、 DAT_DRIV 運転のデータ、 DOWN(x) 変数xの減少、 ドロス マット、ドロス、 ΔP 電力の供給(ΔP>0)または取り出し(ΔP<0)、 ΔT エネルギーの供給または取り出しに相応する、温度の正(ΔT>0)または負(ΔT<0)の変位、 E ストリップの厚さ、 EZ 亜鉛の厚さ、 Fe 鉄、 Fe1 コーティング槽入口での液体混合物の鉄含有率、 Fe2 コーティング槽内の液体混合物の鉄の最大含有率、 L ストリップの幅、 MOD_PA 選択されたパラメータの修正、 N いいえ、 ORD1 設定値、 PZ T2で亜鉛を保持するために必要な電力、 PB ストリップによって供給される電力、 Q1=Q1_fus_Zn 亜鉛インゴットの溶融流量、 =Q1_cons_Zn 消費される亜鉛−アルミニウムの総流量、 Q2 コーティング槽出口で必要な液体亜鉛の流量、 QAlc 化合物層中のAlの損失流量、 QAld ドロスにおけるAl損失流量、 QBm ストリップの物質流量、 QBs ストリップの表面流量、 QFe 液体混合物中の鉄の溶解流量、 SFe 液体混合物中の鉄の溶解/飽和の閾値、 SFe T2 温度T2での液体混合物についてのSFe、 SFe T3 温度T3での液体混合物についてのSFe、 SFe T4 温度T4での液体混合物についてのSFe、 T1 コーティング槽入口でのストリップの第一の温度、 T1_mes 測定されたT1、 T2 コーティング槽内の液体混合物の第二の温度、 T3 調製装置(浴)の第三の温度、 T4 精製槽出口での液体の第四の温度、 TL 溶融ゾーン内での浸漬前の亜鉛インゴットの初めの温度、 UP(x) 変数xの増加、 V ストリップの走行速度、 Vm 浸漬されたインゴットの総溶融流量、 Vmax ストリップの最大走行速度、 V1、・・・、Vn 1〜nのインゴットの溶融流量、 VAL_PA 選択されたパラメータの有効化、 W=Wfus_Zn 亜鉛インゴットの溶融エネルギー、 =Winc_Zn コーティング槽から流れてくる液体亜鉛によって供給されるエネルギー、 Y はい、 Zn 亜鉛

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に走行する圧延鋼ストリップ(1)の浸漬亜鉛めっき方法であって、該ストリップが、該ストリップ上に堆積される金属、例えば亜鉛とアルミニウムとの液体混合物浴(5)を含有するコーティング槽(2)に浸漬され、前記のコーティング槽と調製装置(7)との間を永続的に循環され、該液体混合物の温度は、鉄の溶解閾値を下げるために自発的に低下し、且つ、前記の調製装置内で少なくとも1つのZn−Alインゴット(8)の溶融を、ストリップ上への堆積によって消費された液体混合物を補償するために必要な量で行うために充分に高められている、浸漬亜鉛めっき方法であって、以下の工程:
・ 第一の温度(T1)でコーティング槽の液体混合物浴中に入る鋼ストリップによって供給される第一の電力(PB)を決定する工程 (前記の浴は、第一の温度(T1)よりも低い予め規定された第二の温度(T2)でそれ自体が安定化されている)、
・ 液体混合物を予め規定された第二の温度(T2)で保つために必要な第二の電力(PZ)を決定し、且つ、この第二の電力と、ストリップによって供給される第一の電力(PB)とを比較する工程、
・ 第一の電力(PB)が第二の電力(PZ)よりも大きければ、ストリップの第一の温度(T1)を低下する設定を指定する工程、
・ 第一の電力(PB)が第二の電力(PZ)以下であれば、調製装置内でのインゴット(8)の、ストリップ上への堆積によって消費される液体混合物を補償するために必要な量での連続的な溶融に必要なエネルギーを決定する工程、
・ コーティング槽と調製装置との間に入る液体混合物の循環流量(Q2)を調節して、インゴット(8)の連続的な溶融に必要なエネルギーを供給する一方、調製装置内の液体混合物の温度を、予め規定された第二の温度(T2)よりも低い予め規定された第三の温度(T3)で保持する工程、
・ 調製装置の出口(9)での液体混合物の第四の温度(T4)を調節して、前記の出口とコーティング槽の供給入口(12)との間での熱平衡に必要なさらなる電力(ΔP=PZ−PB)を供給する工程 (前記の入口は出口(9)によって原料供給されている)
を含む、浸漬亜鉛めっき方法。
【請求項2】
第二の温度(T2)と目標のアルミニウム含有率(Alv)とを制御することによって、コーティング槽の液体混合物中で第二の温度(T2)での鉄の溶解閾値(SFe T2)を、コーティング槽内で予想される鉄の溶解流量(QFe)を考慮して、全体的な鉄の含有率(Fe2)が第二の温度(T2)での鉄の溶解閾値(SFe T2)よりも低く保持されるような水準に調整する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
インゴットの連続的な溶融を、少なくとも2つのインゴットの総溶融流量(Vm)で確実にする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
可変数(n)のインゴットを、選択的且つ同時に、液体混合物浴中に浸漬し、該インゴットのそれぞれは異なるアルミニウム含有率(Al1、Al2、・・・、Aln)を有し、且つ、少なくとも1つのインゴットは調製装置内で必要とされる含有率(Alt)よりも大きい含有率のアルミニウムを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
n個のインゴットそれぞれの浸漬速度(V1、V2、・・・、Vn)を個々に調整し、調製装置内でのアルミニウム含有率を必要な含有率(Alt)へと調節する一方、必要な総溶融速度(Vm)を保持する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
液体混合物の第二の温度(T2)から第三の温度(T3)への冷却を調製装置内で行い、鉄の溶解限界を低下させ、且つ前記の調製装置内でのドロスの形成を局在化させる、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
インゴット間を、それぞれのアルミニウム含有率に従って区切って、異なる種類のドロスを分離し、高いアルミニウム含有率を有するいわゆる"表面"ドロスが、高いアルミニウム含有率を有する浸漬されたインゴット近傍で優先的に形成され、且つ、低いアルミニウム含有率を有するいわゆる"底部"ドロスが、低いアルミニウム含有率を有する浸漬されたインゴット近傍で優先的に形成される、請求項3から6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
コーティング槽に入る液体混合物の再生流量(Q2)を、第三の温度(T3)での溶解閾値に等しい鉄含有率未満に制御して、溶解される鉄含有率の上昇をコーティング槽内の第二の温度(T2)での溶解限界未満に制限する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ストリップによって供給される第一の電力(PB)の制御ループが、電力の供給または取り出し分(ΔP)を調整して、第一の電力(PB)が第二の電力(PZ)と電力の供給または取り出し分(ΔP)との合計と等しくなるような平衡、即ちPB=PZ+ΔP、およびストリップの温度の設定値をもたらす、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
調製装置が、インゴットの溶融ゾーン内で第三の温度(T3)を、設定された温度の値の近傍、特に±10℃の値で規定された温度範囲内に調節するために適合した、誘導による加熱制御手段と関連する熱量の回収および排出のための制御手段を備えている、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
コーティング槽に入ってくる際の鋼ストリップの第一の温度(T1)が450〜550℃に含まれる、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
コーティング層内の液体混合物の第二の温度(T2)が450〜520℃に含まれる、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
鋼ストリップとコーティング槽内の液体混合物との間の温度差(ΔT1)が0〜50℃に含まれて保持される、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
液体混合物の第二の温度(T2)が、鋼ストリップと液体混合物との間の温度差(ΔT1)によって減少された第一の温度(T1)と等しい値(T1−ΔT1)で、理想的には±1〜3℃の精度で、コーティング槽内で保持される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
調製装置内の液体混合物の第二の温度と第三の温度との間の温度降下(ΔT2=T2−T3)が、少なくとも10℃で保持される、請求項11または12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
コーティング槽から流れてくる液体混合物の循環流量(Q3)が、同一の時間単位内でストリップ上に堆積される混合物の量の10〜30倍に含まれて保持される、請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
温度の値および液体混合物のアルミニウム含有率の値が、理想的には連続的に、少なくともコーティング槽内の供給入口から調製装置の出口までの流れの経路上で測定される、請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
液体混合物の水準が、理想的には連続的に、調製装置内で測定される、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
液体混合物の流量および温度が、制御によって予め規定された値の組み合わせで保持される、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
コーティング槽内へのストリップの入口と連結している、亜鉛めっき炉の出口でのストリップの温度が、制御可能な値の範囲内で保持される、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
ストリップの走行速度が、制御可能な値の範囲内で保持される、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
ストリップの幅および厚さを、コーティング槽の上流で測定する、請求項1から21までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
調製装置の溶融ゾーンへ内のインゴットの導入および保持を、動的に実施する、請求項1から22までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
ストリップ、コーティング槽、および調製装置に関連する測定および制御の動的なパラメータを、集中制御で調節する、請求項1から23までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
調整パラメータを、前記の方法を操作する分析モデル上での外部指令の入力によって調節する、請求項1から24までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
分析モデルが、自動プログラミングによって更新される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
コーティング槽の外部を走行するストリップの乾燥工程からの測定および制御パラメータを、前記の方法の調整のために提供する、請求項1から26までのいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−511165(P2011−511165A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545517(P2010−545517)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000163
【国際公開番号】WO2009/098362
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(503087245)シーメンス ヴェ メタルス テクノロジーズ エスアーエス (19)
【Fターム(参考)】