説明

鋼帯の連続処理設備及びフリーループ設備における通板方法

【課題】鋼帯の破断を抑制することが可能な、鋼帯の連続処理設備及びフリーループ設備における通板方法を提供する。
【解決手段】未溶接鋼帯22の長手方向の端部同士を溶接して連続した鋼帯24を形成する溶接機と、溶接機よりも下流側に配置され、連続して通板される鋼帯24を自重により垂れ下がった状態で支持しながら移動させるフリーループ設備を備える連続処理設備であって、フリーループ設備の上流側に、鋼帯24における溶接部分30近傍の少なくとも一部の断面積を減少させる断面積減少部形成設備を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手方向の端部同士を溶接して形成した連続する鋼帯の処理設備に関し、特に、酸洗ライン内に設置されたフリーループ設備内で鋼帯が垂れ下がった際に、鋼帯の自重により鋼帯の溶接部分に発生する応力集中を低減する、鋼帯の連続処理設備及びフリーループ設備における通板方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、長手方向の端部同士を溶接して形成した連続する鋼帯に対して、酸洗や冷間圧延等の処理を連続して行う連続処理設備がある。このような連続処理設備としては、例えば、特許文献1に記載されているように、酸洗設備と冷間圧延設備を直結した酸洗−冷間圧延設備がある。酸洗−冷間圧延設備としては、例えば、酸洗設備が備える酸洗槽と冷間圧延設備が備える冷間圧延機との間に、酸洗槽出側ルーパーやサイドトリマー等を設けたものがある。
【0003】
ここで、酸洗槽出側ルーパーは、酸洗槽を有する酸洗設備とサイドトリマーとの間で、鋼帯を垂れ下げるフリーループ設備であり、サイドトリマーが鋼帯の幅を変更する幅替え時等において、処理ラインの停止(酸洗槽における鋼帯の停止)を防止するものである。
ところで、特許文献1に記載されている酸洗−冷間圧延設備では、酸洗や冷間圧延等を行う対象となる鋼帯の材料として、高張力鋼板、電磁鋼板、珪素鋼板等、高硬度で溶接強度の低い難溶接材料を用い、鋼帯の長手方向の端部同士を溶接して、連続した鋼帯を形成する場合がある。
【0004】
そして、酸洗槽出側ルーパーは、酸洗槽とサイドトリマーとの間で、鋼帯を垂れ下げる設備であり、酸洗槽出側ルーパーにおいて垂れ下げる鋼帯は、冷間圧延を行う前の、比較的厚みのある鋼帯である。このため、鋼帯が難溶接材である場合には、酸洗槽出側ルーパーにおいて、鋼帯の溶接部分に曲率の大きい撓みが発生するおそれがある。これは、特に、鋼帯の形状に不良が発生している場合に、多く発生するおそれがある。
【0005】
鋼帯の溶接部分に曲率の大きい撓みが発生すると、鋼帯の自重により、鋼帯の溶接部分に応力集中が発生する。このため、溶接部分に加わる負荷が増加し、酸洗槽出側ルーパーにおいて、鋼帯が破断するおそれがある。
鋼帯が破断すると、酸洗−冷間圧延設備の稼動を停止する必要があるため、酸洗−冷間圧延設備の稼動率及び歩留が低下するという問題が発生する。
【0006】
鋼帯の溶接部分に発生する曲率の大きい撓みを抑制するための対策としては、例えば、長手方向の端部同士を溶接して連続した鋼帯を形成した後に、鋼帯の溶接部分をハンマー等で打撃し、溶接部分に割れが発生しないことを確認する方法がある。
また、鋼帯の溶接部分に発生する曲率の大きい撓みを抑制するための対策としては、例えば、溶接部分の試験サンプルを採取し、油圧式バルジ試験機を用いて溶接部分の溶接強度を調査して、溶接部分の溶接強度が問題の無い強度であることを確認する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−164008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、鋼帯の溶接部分をハンマー等で打撃し、溶接部分に割れが発生しないことを確認する方法では、溶接部分を打撃し、溶接部分に割れが発生した場合には、再度溶接を行って鋼帯を形成する必要がある。このため、酸洗−冷間圧延設備の稼動を停止する必要があり、酸洗−冷間圧延設備の稼動率及び歩留が低下するという問題が発生する。
また、油圧式バルジ試験機を用いて溶接部分の溶接強度を調査して、溶接部分の溶接強度が問題の無い強度であることを確認する方法では、溶接部分の溶接強度が不足していることが確認された場合には、溶接条件を変更して、溶接部分の試験サンプルに対する溶接強度の調査を行う必要がある。このため、溶接部分に割れが発生した場合と同様、酸洗−冷間圧延設備の稼動を停止する必要があり、酸洗−冷間圧延設備の稼動率及び歩留が低下するという問題が発生する。
【0009】
本発明は、連続処理設備の稼動を停止すること無く、鋼帯の溶接部分に発生する撓みの曲率を減少させることが可能な、鋼帯の連続処理設備及びフリーループ設備における通板方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のうち、請求項1に記載した発明は、鋼帯の端部同士を溶接して連続した鋼帯とする溶接機と、当該溶接機よりも下流側に配置され、連続して通板される前記鋼帯を自重により垂れ下がった状態で支持しながら移動させるフリーループ設備と、を備える鋼帯の連続処理設備であって、
前記フリーループ設備の上流側に、前記鋼帯における溶接部分近傍の少なくとも一部の断面積を減少させる断面積減少部形成設備を備えることを特徴とするものである。
【0011】
本発明によると、断面積減少部形成設備を用いて、鋼帯における溶接部分近傍の少なくとも一部の断面積を減少させることにより、鋼帯のうち、断面積を減少させた部分に、鋼帯が自重により垂れ下がった状態で溶接部分に発生する撓みを減少可能な、曲率の大きい撓みを発生させることが可能となる。
このため、フリーループ設備において、自重により垂れ下がった状態で支持されながら移動する鋼帯に対し、溶接部分に発生する応力集中を低減させて撓みの曲率を減少させ、溶接部分に加わる負荷を減少させることが可能となる。
【0012】
次に、本発明のうち、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明であって、前記断面積減少部形成設備は、前記鋼帯の幅方向の端部を切除して、前記鋼帯における溶接部分近傍の少なくとも一部の断面積を減少させることを特徴とするものである。
本発明によると、鋼帯のうち、断面積減少部形成設備が鋼帯の幅方向の端部を切除して、鋼帯における溶接部分近傍の少なくとも一部の断面積を減少させた部分により、鋼帯のうち幅方向の端部を切除した部分に発生する撓みの曲率を増加させて、自重により垂れ下がった状態の溶接部分に発生する応力集中を、低減することが可能となる。
【0013】
このため、フリーループ設備において、自重により垂れ下がった状態で支持されながら移動する鋼帯に対し、溶接部分に発生する応力集中を低減させて撓みの曲率を減少させ、溶接部分に加わる負荷を減少させることが可能となる。
次に、本発明のうち、請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した発明であって、前記断面積減少部形成設備は、前記鋼帯の厚さを減少させて、前記鋼帯における溶接部分近傍の少なくとも一部の断面積を減少させることを特徴とするものである。
【0014】
本発明によると、鋼帯のうち、断面積減少部形成設備が鋼帯の厚さを減少させて、鋼帯における溶接部分近傍の少なくとも一部の断面積を減少させた部分により、鋼帯のうち厚さを減少させた部分に発生する撓みの曲率を増加させて、自重により垂れ下がった状態の溶接部分に発生する応力集中を、低減することが可能となる。
このため、フリーループ設備において、自重により垂れ下がった状態で支持されながら移動する鋼帯に対し、溶接部分に発生する応力集中を低減させて撓みの曲率を減少させ、溶接部分に加わる負荷を減少させることが可能となる。
【0015】
次に、本発明のうち、請求項4に記載した発明は、請求項1から3のうちいずれか1項に記載した発明であって、前記フリーループ設備の上流側に、前記鋼帯を酸洗する酸洗設備が配置されていることを特徴とするものである。
本発明によると、酸洗設備で酸洗されてフリーループ設備へ移動して、自重により垂れ下がった状態でフリーループ設備に支持される鋼帯に対し、溶接部分に発生する応力集中を低減させて撓みの曲率を減少させ、溶接部分に加わる負荷を減少させることが可能となる。
【0016】
このため、フリーループ設備における鋼帯の破断を抑制して、フリーループ設備により、酸洗設備の出側で、鋼帯の移動速度を安定して低下させることが可能となり、酸洗設備を備えた鋼帯の連続処理設備の稼動率低下を、抑制することが可能となる。
【0017】
次に、本発明のうち、請求項5に記載した発明は、端部同士を溶接することで連続して搬送されてくる鋼帯を、当該鋼帯を自重により垂れ下がった状態で支持しながら移動させるフリーループ設備へ連続して通板する鋼帯のフリーループ設備における通板方法であって、
前記フリーループ設備へ通板する前の前記鋼帯に、当該鋼帯における溶接部分近傍の少なくとも一部の断面積を減少させた断面積減少部を形成することを特徴とするものである。
【0018】
本発明によると、鋼帯における溶接部分近傍の少なくとも一部の断面積を減少させた断面積減少部に、鋼帯が自重により垂れ下がった状態で溶接部分に発生する撓みを減少可能な、曲率の大きい撓みを発生させることが可能となる。
このため、フリーループ設備において、自重により垂れ下がった状態で支持されながら移動する鋼帯に対し、溶接部分に発生する応力集中を低減させて撓みの曲率を減少させ、溶接部分に加わる負荷を減少させることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、鋼帯のうち、鋼帯における溶接部分近傍の少なくとも一部の断面積を減少させた部分により、溶接部分に発生する応力集中を低減させて撓みの曲率を減少させて、溶接部分に加わる負荷を減少させることが可能となる。このため、鋼帯の破断を抑制することが可能となり、鋼帯を処理する設備の稼動を停止すること無く、鋼帯の溶接部分に発生する曲率の高い撓みを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】連続処理設備の構成を示す図である。
【図2】断面積減少部を形成した鋼帯を示す図である。
【図3】ルーピングピット内において、断面積減少部を形成していない鋼帯に、曲率の大きい撓みが発生した状態を示す概念図である。
【図4】ルーピングピット内において、断面積減少部を形成した鋼帯に、曲率の大きい撓みが発生した状態を示す概念図である。
【図5】本発明の変形例を示す図である。
【図6】本発明の変形例を示す図である。
【図7】本発明の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態(以下、「本実施形態」と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
まず、図1及び図2を用いて、本実施形態の鋼帯のフリーループ設備における通板方法(以下、「フリーループ設備通板方法」と記載する)の適用対象である、鋼帯の連続処理設備(以下、「連続処理設備」と記載する)の構成を説明する。
【0022】
なお、本実施形態では、鋼帯が、高張力鋼板、電磁鋼板、珪素鋼板等、高硬度で溶接強度の低い難溶接材料で形成した鋼帯の、長手方向の端部同士を溶接して形成した、連続した鋼帯である場合について説明する。
また、本実施形態では、鋼帯が、冷間圧延を行う前の、比較的厚みのある鋼帯(例えば、2.0[mm]以上)である場合について説明する。
【0023】
図1は、連続処理設備1の構成を示す図である。
図1中に示すように、連続処理設備1は、アンコイラー2と、先端処理装置4と、溶接機6と、断面積減少部形成設備8と、入側ルーパー10と、酸洗設備12と、フリーループ設備14と、サイドトリマー16と、出側シャー18と、出側巻取機20を備えている。
【0024】
アンコイラー2は、未溶接鋼帯22が積層して巻きつけられており、未溶接鋼帯22を、その端部側から、先端処理装置4へ送り出す。
先端処理装置4は、アンコイラー2から送り出された未溶接鋼帯22と、先に送り出されている未溶接鋼帯22に対し、両者の長手方向の端部同士を、互いに溶接可能な位置関係に配置し、この配置を保持した状態で、溶接機6へ送り出す。
【0025】
溶接機6は、例えば、フラッシュバット式の溶接機であり、先端処理装置4が長手方向の端部を互いに溶接可能な位置関係に配置した、連続する二枚の未溶接鋼帯22の端部同士を溶接して、連続した鋼帯24を形成する。形成された鋼帯24は、断面積減少部形成設備8へ送り出される。
断面積減少部形成設備8は、例えば、連続処理設備1に既存の構成である、ノッチャーや電動ニブラ(図示せず)等、鋼帯24を切断可能な工作機材を備えており、フリーループ設備14へ通板する前の鋼帯24に対し、鋼帯24における溶接部分30近傍の少なくとも一部の断面積を減少させる加工を行う。
【0026】
ここで、溶接部分近傍(溶接部分30近傍)とは、溶接部分30に発生する曲率の大きな撓みを抑制できるような領域として、溶接部分30から1500[mm]以内の領域内とすることが好ましい。なお、溶接部分近傍とは、溶接部分30を含む場合もある。
そして、溶接部分30近傍の少なくとも一部の断面積が減少した鋼帯24は、入側ルーパー10へ送り出される。
【0027】
具体的には、断面積減少部形成設備8は、鋼帯24における溶接部分30近傍の少なくとも一部の断面積を減少させることにより、鋼帯24のうち、他の部分よりも断面積の少ない断面積減少部を形成する。この断面積減少部は、鋼帯24が自重により垂れ下がった状態で溶接部分に発生する撓みよりも、曲率の大きい撓みが発生する部分となる。
なお、本実施形態では、断面積減少部形成設備8は、鋼帯24の幅方向の端部を切除して、鋼帯24における溶接部分30近傍の少なくとも一部の断面積を減少させる。したがって、本実施形態では、断面積減少部が、鋼帯24の幅方向の端部を切除した切り欠きにより形成される場合について説明する。
【0028】
以下、図1を参照しつつ、図2を用いて、断面積減少部の具体的な構成について説明する。
図2は、断面積減少部26を形成した鋼帯24を示す図である。
図2中に示すように、断面積減少部26は、鋼帯24のうち、幅方向の両端部を一部切除して形成した矩形状の切り欠き28により、鋼帯24の他の部分よりも断面積の少ない部分である。すなわち、本実施形態では、断面積減少部26が、鋼帯24のうち、溶接部分30の周辺に形成した四箇所の切り欠き28により、鋼帯24の他の部分よりも断面積の少ない部分に形成されている場合について説明する。なお、四箇所の切り欠き28は、それぞれ、同形状であり、溶接部分30との距離も同一である。
【0029】
また、断面積減少部26は、鋼帯24のうち、切り欠き28を形成していない部分の幅をL1とし、断面積減少部26の、鋼帯24の幅方向への最小長さをL2とした場合に、0.5×L1≦L2≦0.8×L1の条件式が成立する形状に形成されている。
さらに、断面積減少部26は、鋼帯24のうち、切り欠き28を形成していない部分の幅をL1とし、切り欠き28の、鋼帯24の長手方向への長さをL3とした場合に、L1≦L3≦2×L1の条件式が成立する形状に形成されている。
【0030】
なお、切り欠き28の、鋼帯24の長手方向への長さL3とは、鋼帯24の長手方向で対向する複数の切り欠き28の、鋼帯24の長手方向への合計長さである。したがって、図2中では、鋼帯24の長手方向への長さL3を、鋼帯24の長手方向で対向する二つの切り欠き28のうち一方の、鋼帯24の長手方向への長さをL3aと示し、二つの切り欠き28のうち他方の、鋼帯24の長手方向への長さをL3bと示している。すなわち、切り欠き28の、鋼帯24の長手方向への長さL3は、L3=L3a+L3bの条件式を満足している。
【0031】
以下、図1を用いた、連続処理設備1の構成の説明に復帰する。
入側ルーパー10は、断面積減少部形成設備8が断面積減少部を形成した鋼帯24を受け入れ、酸洗設備12へ送り出す。
酸洗設備12は、内部を複数に分割された酸洗槽32を備えており、入側ルーパー10から送り出された鋼帯24に対し、酸洗を行う。酸洗を行った鋼帯24は、フリーループ設備14へ送り出される。
【0032】
フリーループ設備14は、酸洗設備12よりも下流側に配置されており、酸洗設備12から送り出され、連続して通板される鋼帯24を、鋼帯24の自重により垂れ下がった状態で支持しながら移動させ、サイドトリマー16へ送り出す。これにより、フリーループ設備14が備えるルーピングピット(図示せず)内に、鋼帯24を垂れ下げて(溜めて)、後述するサイドトリマー16が、鋼帯24の幅を変更する幅替え時等において、連続処理設備1の停止(例えば、酸洗槽32における鋼帯24の停止)を防止する。
【0033】
すなわち、断面積減少部形成設備8は、フリーループ設備14へ通板する前の鋼帯に対し、鋼帯24における溶接部分30近傍の少なくとも一部の断面積を減少させる。
サイドトリマー16は、鋼帯24の端部を任意に切除可能なトリマーナイフ(図示せず)を備えており、鋼帯24の幅揃え、鋼帯24の幅変更、鋼帯24の端部に生成された不良部分の除去等、鋼帯24の端部に対する形状の修正を行う。サイドトリマー16により、端部の形状を修正された鋼帯24は、出側シャー18へ送り出される。
【0034】
出側シャー18は、鋼帯24を切断可能に形成されており、サイドトリマー16から送り出された鋼帯24から、断面積減少部26を形成した部分を切除し、出側巻取機20へ送り出す。
出側巻取機20は、出側シャー18から送り出された鋼帯24を巻き取り、ロールを形成する。出側巻取機20で巻き取られた鋼帯24のロールは、例えば、冷間圧延工程等の処理設備へ移送される。
【0035】
以上により、連続処理設備1は、未溶接鋼帯22の端部同士を溶接して連続した鋼帯24とする溶接機6と、溶接機6よりも下流側に配置され、且つ連続して通板される鋼帯24を自重により垂れ下がった状態で支持しながら移動させるフリーループ設備14を備える設備である。
【0036】
(フリーループ設備通板方法)
以下、図1及び図2を参照して、フリーループ設備通板方法を説明する。
フリーループ設備通板方法は、端部同士を溶接することで連続して搬送されてくる鋼帯24を、鋼帯24を自重により垂れ下がった状態で支持しながら移動させるフリーループ設備14へ、連続して通板する方法である。
【0037】
具体的には、アンコイラー2から、先端処理装置4を介して送り出された未溶接鋼帯22の、長手方向の端部同士を溶接機6により溶接して、連続した鋼帯24を形成し、この鋼帯24に対し、断面積減少部形成設備8により、上述した断面積減少部26を形成する。そして、断面積減少部26を形成した鋼帯24を、入側ルーパー10、酸洗設備12の順に移動させ、フリーループ設備14へ連続して通板させた後、サイドトリマー16、出側シャー18を順に経由して、出側巻取機20で巻き取る。
【0038】
したがって、本実施形態のフリーループ設備通板方法は、フリーループ設備14へ通板する前の鋼帯24に対して、鋼帯24における溶接部分30近傍の少なくとも一部の断面積を減少させた断面積減少部26を形成する方法である。
【0039】
(作用)
以下、本実施形態の作用を説明する。
上述したように、酸洗設備12で酸洗を行い、フリーループ設備14へ送り出された鋼帯24は、ルーピングピット内に垂れ下げられる。
ここで、本実施形態のように、鋼帯24を、高張力鋼板、電磁鋼板、珪素鋼板等、高硬度で溶接強度の低い難溶接材料の未溶接鋼帯22を溶接して形成している場合は、ルーピングピット内において、鋼帯24に曲率の大きい撓みが発生し、鋼帯24のループが均一に形成されないおそれがある。これは、特に、鋼帯24の形状に不良が発生している場合に、多く発生するおそれがある。
【0040】
このとき、上述したように、本実施形態では、フリーループ設備14へ通板する前の鋼帯24に対して、断面積減少部形成設備8により、鋼帯24の幅方向の端部を切除して形成した切り欠き28を形成している。そして、切り欠き28により、鋼帯24の他の部分よりも断面積の少ない部分である断面積減少部26が形成されている。
そして、断面積減少部26は、鋼帯24のうち、断面積減少部を形成していない部分よりも断面積が小さく、鋼帯24が自重により垂れ下がった状態で、溶接部分30に発生する撓みよりも、曲率の大きい撓みが発生する部分である。
【0041】
したがって、ルーピングピット内において、鋼帯24に曲率の大きい撓みが発生した場合であっても、鋼帯24が自重により垂れ下がった状態で溶接部分30に発生する撓みよりも曲率の大きい撓みが、断面積減少部26に発生することとなる。
このため、フリーループ設備14が備えるルーピングピット内において、自重により垂れ下がった状態で支持されながら移動する鋼帯24に対し、溶接部分30に発生する応力集中を低減させて撓みの曲率を減少させ、溶接部分30に加わる負荷を減少させることが可能となる。
【0042】
この作用を、図1及び図2を参照しつつ、図3及び図4を用いて説明する。
図3は、ルーピングピット内において、本実施形態とは異なり、断面積減少部26を形成していない鋼帯24に、曲率の大きい撓みが発生した状態を示す概念図である。なお、ルーピングピット内において、鋼帯24に撓みが発生した状態は、図3(a)中に示す状態から、図3(b)中に示す状態へ移行する。
【0043】
また、図4は、ルーピングピット内において、本実施形態、すなわち、断面積減少部26を形成した鋼帯24に、曲率の大きい撓みが発生した状態を示す概念図である。
なお、図4中では、説明のために、切り欠き28を鋼帯24の上下面に示しているが、実際の鋼帯24には、切り欠き28を鋼帯24の側面に形成している。また、図4中では、参考のために、図3中に示す、断面積減少部26を形成していない鋼帯24に、曲率の大きい撓みが発生した状態を、破線により示している。
【0044】
図3(a)中に示すように、ルーピングピット内において、断面積減少部26を形成していない鋼帯24(未溶接鋼帯22)の内部に中伸び34が生じていると、鋼帯24の湾曲(ループ)が阻害され、曲率の大きな撓みとなる。
このように、鋼帯24のループが阻害された状態では、中伸び34が発生しない溶接部分30に応力が集中するため、図3(b)中に示すように、溶接部分30の結合が崩壊して、鋼帯24が破断することとなる。
【0045】
一方、図4中に示すように、ルーピングピット内において、断面積減少部26を形成した鋼帯24に、曲率の大きい撓みが発生すると、鋼帯24(未溶接鋼帯22)の内部に中伸び34が発生しても、断面積減少部26に、溶接部分30に発生する撓みよりも曲率の大きい撓みが、強制的に発生することとなる。
このため、鋼帯24のループが阻害された状態であっても、断面積減少部26に発生する曲率の大きい撓みによって、溶接部分30に発生する応力集中を低減させて、溶接部分30に発生する撓みの曲率を減少させることが可能となる。
【0046】
したがって、本実施形態のように、鋼帯24に断面積減少部26を形成することにより、ルーピングピット内において鋼帯24に曲率の大きい撓みが発生しても、溶接部分30に加わる負荷を減少させることが可能となるため、溶接部分30の結合が保持されて、鋼帯24の破断が抑制されることとなる。
【0047】
(第一実施形態の効果)
以下、本実施形態の効果を列挙する。
(1)本実施形態の連続処理設備1では、フリーループ設備14の上流側に、鋼帯24における溶接部分30近傍の少なくとも一部の断面積を減少させる、断面積減少部形成設備8を備えている。
【0048】
このため、断面積減少部形成設備8を用いて、鋼帯24における溶接部分30近傍の少なくとも一部の断面積を減少させることにより、鋼帯24のうち、断面積を減少させた部分に、鋼帯24が自重により垂れ下がった状態で溶接部分30に発生する撓みを減少可能な、曲率の大きい撓みを発生させることが可能となる。
その結果、フリーループ設備14において、自重により垂れ下がった状態で支持されながら移動する鋼帯24に対し、溶接部分30に発生する応力集中を低減させて撓みの曲率を減少させ、溶接部分30に加わる負荷を減少させることが可能となる。
【0049】
これにより、鋼帯24の破断を抑制することが可能となるため、鋼帯24を処理する設備(連続処理設備)の稼動を停止すること無く、鋼帯24の溶接部分30に発生する曲率の高い撓みを抑制することが可能となる。
したがって、連続処理設備1の稼動率及び歩留の低下を抑制することが可能となる。これに加え、鋼帯24の生産効率を向上させることが可能となる。
【0050】
(2)本実施形態の連続処理設備1では、断面積減少部形成設備8が、鋼帯24の幅方向の端部を切除して、鋼帯24における溶接部分30近傍の少なくとも一部の断面積を減少させる。
【0051】
このため、鋼帯24のうち、断面積減少部形成設備8が鋼帯24の幅方向の端部を切除して、鋼帯24における溶接部分30近傍の少なくとも一部の断面積を減少させた部分により、鋼帯24のうち幅方向の端部を切除した部分に発生する撓みの曲率を増加させて、自重により垂れ下がった状態の溶接部分に発生する応力集中を、低減することが可能となる。また、例えば、鋼帯24の連続処理設備1に既存の構成である、ノッチャーや電動ニブラ等を用いて、鋼帯24の幅方向の端部を切除することにより、自重により垂れ下がった状態の溶接部分30に発生する応力集中を、低減させることが可能となる。
【0052】
その結果、フリーループ設備14において、自重により垂れ下がった状態で支持されながら移動する鋼帯24に対し、溶接部分30に加わる負荷を減少させることが可能となる。また、新たな機材等を連続処理設備1に追加することなく、溶接部分30に加わる負荷を減少させることが可能となり、鋼帯24の破断を抑制することが可能となる。
【0053】
(3)本実施形態の連続処理設備1では、フリーループ設備14の上流側に、鋼帯24を酸洗する酸洗設備12を配置している。
このため、酸洗設備12で酸洗されてフリーループ設備14へ移動して、自重により垂れ下がった状態でフリーループ設備14に支持される鋼帯24に対し、溶接部分30に発生する応力集中を低減させて撓みの曲率を減少させ、溶接部分30に加わる負荷を減少させることが可能となる。
その結果、フリーループ設備14における鋼帯24の破断を抑制して、フリーループ設備14により、酸洗設備12の出側で、鋼帯24の移動速度を安定して低下させることが可能となり、酸洗設備12を備えた鋼帯24の連続処理設備1の稼動率低下を、抑制することが可能となる。
【0054】
(4)本実施形態の連続処理設備1では、鋼帯24のうち、切り欠き28を形成していない部分の幅をL1とし、断面積減少部26の、鋼帯24の幅方向への最小長さをL2とした場合に、0.5×L1≦L2≦0.8×L1の条件式が成立している。
このため、断面積減少部26の、鋼帯24の幅方向への最小長さL2を、鋼帯24の幅L1の50%未満とした場合と比較して、溶接部分30を含む鋼帯24の強度が、鋼帯24の連続処理に必要な強度よりも低下することを抑制可能となる。
【0055】
また、断面積減少部26の、鋼帯24の幅方向への最小長さL2を、鋼帯24の幅L1の80%を超える長さとした場合と比較して、鋼帯24のうち、切り欠き28を形成した部分に発生する撓みの曲率を増加させることが可能となる。
その結果、鋼帯24の幅方向の端部を切除して形成した切り欠き28により、鋼帯24のうち、切り欠き28を形成した部分に発生する撓みの曲率を、効率的に増加させて、自重により垂れ下がった状態の溶接部分30に発生する応力集中を、効率的に低減させることが可能となる。
【0056】
(5)本実施形態の連続処理設備1では、鋼帯24のうち、切り欠き28を形成していない部分の幅をL1とし、切り欠き28の、鋼帯24の長手方向への長さをL3とした場合に、L1≦L3≦2×L1の条件式が成立している。
このため、切り欠き28の、鋼帯24の長手方向の長さL3を、上記L1の100%未満とした場合と比較して、鋼帯24のうち、切り欠き28を形成した部分に発生する撓みの曲率を増加させることが可能となる。
【0057】
また、切り欠き28の、鋼帯24の長手方向の長さL3を、上記L1の200%を超える長さとした場合と比較して、溶接部分30を含む鋼帯24の強度が、鋼帯24の連続処理に必要な強度よりも低下することを抑制可能となるとともに、鋼帯24の歩留り減少を抑制可能となる。
その結果、鋼帯24の幅方向の一部を切除して形成した切り欠き28により、鋼帯24のうち、切り欠き28を形成した部分に発生する撓みの曲率を、効率的に増加させて、自重により垂れ下がった状態の溶接部分30に発生する応力集中を、効率的に低減させることが可能となる。これに加え、鋼帯24の生産効率を向上させることが可能となる。
【0058】
(6)本実施形態のフリーループ設備通板方法では、フリーループ設備14へ通板する前の鋼帯24に対して、鋼帯24における溶接部分30近傍の少なくとも一部の断面積を減少させた断面積減少部26を形成する。
このため、フリーループ設備14において、鋼帯24に曲率の大きい撓みが発生しても、鋼帯24に形成した断面積減少部26に、鋼帯24が自重により垂れ下がった状態で溶接部分30に発生する撓みを減少可能な、曲率の大きい撓みを発生させることが可能となる。
【0059】
その結果、フリーループ設備14において、自重により垂れ下がった状態で支持されながら移動する鋼帯24に対し、溶接部分30に発生する応力集中を低減させて撓みの曲率を減少させ、溶接部分30に加わる負荷を減少させることが可能となる。
これにより、鋼帯24の破断を抑制することが可能となるため、連続処理設備1の稼動を停止すること無く、鋼帯24の溶接部分30に発生する曲率の高い撓みを抑制して、連続処理設備1の稼動率及び歩留の低下を抑制することが可能となる。これに加え、鋼帯24の生産効率を向上させることが可能となる。
【0060】
(応用例)
以下、本実施形態の応用例を列挙する。
(1)本実施形態の連続処理設備1では、断面積減少部形成設備8が、鋼帯24の幅方向の端部を切除して、鋼帯24における溶接部分30近傍の少なくとも一部の断面積を減少させたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図5中に示すように、断面積減少部形成設備8が、鋼帯24の厚さを減少させて、鋼帯24における溶接部分30近傍の少なくとも一部の断面積を減少させてもよい。この場合、研磨や圧延等によって、鋼帯24における溶接部分30近傍の少なくとも一部に、他の部分よりも厚さの薄い薄肉部36を形成し、鋼帯24のうち、薄肉部36を形成した部分を、断面積減少部26として形成する。また、切り欠き28及び薄肉部36により、断面積減少部26を形成してもよい。なお、図5は、本実施形態の変形例を示す図である。
【0061】
(2)本実施形態の連続処理設備1では、フリーループ設備14を、鋼帯24を酸洗する酸洗設備12よりも下流側に配置しているが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、フリーループ設備14を、鋼帯24を酸洗する酸洗設備12よりも上流側に配置してもよい。
【0062】
(3)本実施形態のフリーループ設備通板方法では、鋼帯24のうち、切り欠き28を形成していない部分の幅をL1とし、断面積減少部26の、鋼帯24の幅方向への最小長さをL2とした場合に、0.5×L1≦L2≦0.8×L1の条件式が成立しているが、これに限定するものではない。すなわち、上記L1と、上記L2との関係は、上記の条件式を成立していない関係であってもよい。
【0063】
(4)本実施形態のフリーループ設備通板方法では、鋼帯24のうち、切り欠き28を形成していない部分の幅をL1とし、切り欠き28の、鋼帯24の長手方向の長さをL3とした場合に、L1≦L3≦2×L1の条件式が成立しているが、これに限定するものではない。すなわち、上記L1と、上記L3との関係は、上記の条件式を成立していない関係であってもよい。
【0064】
(5)本実施形態のフリーループ設備通板方法では、断面積減少部形成設備8を、溶接機6と入側ルーパー10との間に配置したが、これに限定するものではなく、断面積減少部形成設備8を、例えば、入側ルーパー10と酸洗設備12との間に配置してもよい。また、断面積減少部形成設備8を、例えば、溶接機6よりも上流に配置し、予め、断面積減少部26を形成した未溶接鋼帯22の長手方向の端部同士を溶接して、連続した鋼帯24を形成する構成としてもよい。要は、断面積減少部形成設備8を、フリーループ設備14へ通板する前の鋼帯24に対して、断面積減少部26を形成可能な位置に配置すればよい。
【0065】
(6)本実施形態のフリーループ設備通板方法では、切り欠き28の形状を、鋼帯24のうち、幅方向の両端部を一部切除した形状としたが、これに限定するものではない。すなわち、切り欠き28の形状を、鋼帯24のうち、幅方向の一方の端部のみを一部切除した形状としてもよい。
【0066】
(7)本実施形態のフリーループ設備通板方法では、切り欠き28を、鋼帯24の溶接部分30から離れた位置に、それぞれ、二箇所形成したが、これに限定するものではない。すなわち、図6中に示すように、切り欠き28を、鋼帯24の溶接部分30を含む、溶接部分30の周辺位置に形成してもよい。なお、図6は、本実施形態の変形例を示す図である。また、図6中では、図4と同様、参考のために、図3中に示す、断面積減少部26を形成していない鋼帯24に、曲率の大きい撓みが発生した状態を、破線により示している。
【0067】
(8)本実施形態のフリーループ設備通板方法では、切り欠き28を、矩形状に形成したが、これに限定するものではない。すなわち、図7中に示すように、切り欠き28を、曲線により構成された形状に形成してもよい。なお、図7は、本実施形態の変形例を示す図である。
【0068】
(9)本実施形態の連続処理設備1では、断面積減少部形成設備8により、フリーループ設備14へ通板する前の鋼帯24に対して、断面積減少部26を形成したが、これに限定するものではない。すなわち、連続処理設備1の構成を、断面積減少部形成設備8を備えていない構成とし、作業員等による人力作業によって、フリーループ設備14へ通板する前の鋼帯24に対して、断面積減少部26を形成してもよい。
【0069】
(実施例)
以下、図1及び図2を参照して、フリーループ設備14へ鋼帯24を連続して通板した際に発生する、鋼帯24の破断状況について調査を行った結果を比較する。
なお、比較対象としては、フリーループ設備14へ通板する前の鋼帯24に対し、断面積減少部26を形成した場合(以下、「本発明例」と記載する)と、断面積減少部26を形成していない場合(以下、「従来例」と記載する)を用いる。
【0070】
また、本調査に関する各種項目を、以下に示す。
・適用材の鋼種:冷延鋼板(高張力鋼板[引張強度100kgf/mm2])、珪素鋼板
・適用設備:連続酸洗−冷間圧延設備
・適用工程:酸洗ライン
・適用作業:フリーループ設備における通板作業
・操業条件:溶接部分の通板作業
上記の項目を設定した環境下において、一年間に亘り、鋼帯24の破断状況について調査を行った結果、従来例では、年間に三回、鋼帯24の破断が発生したが、本発明例では、年間に一度も、鋼帯24の破断が発生しなかった。
【0071】
以上の結果から、本発明例のように、フリーループ設備14へ通板する前の鋼帯24に対し、断面積減少部26を形成することにより、従来例と比較して、鋼帯24の破断を抑制することが可能であることを確認した。
【符号の説明】
【0072】
1 連続処理設備
2 アンコイラー
4 先端処理装置
6 溶接機
8 断面積減少部形成設備
10 入側ルーパー
12 酸洗設備
14 フリーループ設備
16 サイドトリマー
18 出側シャー
20 出側巻取機
22 未溶接鋼帯
24 鋼帯
26 断面積減少部
28 切り欠き
30 溶接部分
32 酸洗槽
34 中伸び
36 薄肉部
L1 鋼帯24のうち、切り欠き28を形成していない部分の幅
L2 断面積減少部26の、鋼帯24の幅方向への最小長さ
L3 切り欠き28の、鋼帯24の長手方向への長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼帯の端部同士を溶接して連続した鋼帯とする溶接機と、当該溶接機よりも下流側に配置され、連続して通板される前記鋼帯を自重により垂れ下がった状態で支持しながら移動させるフリーループ設備と、を備える鋼帯の連続処理設備であって、
前記フリーループ設備の上流側に、前記鋼帯における溶接部分近傍の少なくとも一部の断面積を減少させる断面積減少部形成設備を備えることを特徴とする鋼帯の連続処理設備。
【請求項2】
前記断面積減少部形成設備は、前記鋼帯の幅方向の端部を切除して、前記鋼帯における溶接部分近傍の少なくとも一部の断面積を減少させることを特徴とする請求項1に記載した鋼帯の連続処理設備。
【請求項3】
前記断面積減少部形成設備は、前記鋼帯の厚さを減少させて、前記鋼帯における溶接部分近傍の少なくとも一部の断面積を減少させることを特徴とする請求項1または2に記載した鋼帯の連続処理設備。
【請求項4】
前記フリーループ設備の上流側に、前記鋼帯を酸洗する酸洗設備が配置されていることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載した鋼帯の連続処理設備。
【請求項5】
端部同士を溶接することで連続して搬送されてくる鋼帯を、当該鋼帯を自重により垂れ下がった状態で支持しながら移動させるフリーループ設備へ連続して通板する鋼帯のフリーループ設備における通板方法であって、
前記フリーループ設備へ通板する前の前記鋼帯に、当該鋼帯における溶接部分近傍の少なくとも一部の断面積を減少させた断面積減少部を形成することを特徴とする鋼帯のフリーループ設備における通板方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−110588(P2011−110588A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269903(P2009−269903)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】