説明

鋼管杭の施工方法

【課題】鋼管杭の引き抜き耐力を増強し、同時に周囲地盤に対する液状化防止効果を得る。
【解決手段】鋼管からなる杭本体11の周面に予め固化材17の流出口12を形成しておき、その近傍には係合部材13を取り付けておく。杭本体を中堀り工法により地盤中に設置した後、杭本体の内部から流出口を通して周囲地盤に固化材を加圧注入して周囲地盤を締め固めるとともに地盤改良を行う。固化材が固化して形成される拡径部20を係合部材を介して杭本体に一体化する。流出口の内側にパッカー14を装着して固化材の圧入空間18を区画形成する。流出口には逆止弁を予め設けておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は杭の施工方法に係わり、特に、引き抜き強度に優れるばかりでなく周囲地盤に対する液状化防止効果も得られる鋼管杭の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図6(a)に示すように巨大地震時に建物1に大きな水平力P1が作用して建物1が浮き上がったり転倒することが想定される場合、(b)に示すように建物1を支持地盤に対してアンカーしてその引き抜き抵抗力P2によって浮き上がりや転倒を防止する必要がある。
建物1を地盤に対してアンカーするためには適宜のアンカー手段(いわゆるグランドアンカー)を設置することが一般的に考えられるが、格別のアンカー手段を設置することに代えて杭に引き抜き抵抗力を持たせることも考えられている。
その場合、単なる支持杭では充分な引き抜き耐力を確保できないことが通常であることから、充分な引き抜き耐力を有する杭としてたとえば特許文献1に示されているような螺旋翼付きの鋼管杭を採用することが考えられている。
【特許文献1】特開平8−291518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、図7に示すように建物1の支持地盤に液状化し易い液状化層2があるような場合には、巨大地震時に想定される地盤の液状化によって(b)に示すように杭3の損傷が懸念され、その場合には建物1を支持する杭3の支持力が大幅に低下して建物1の傾斜や崩壊など大きな地震被害は免れないことになる。
また、杭3の引き抜き耐力を増強するために特許文献1に示されるような螺旋翼付きの鋼管杭を採用した場合には、その鋼管杭を地盤に回転圧入する際に周囲地盤が螺旋翼によって切り込まれて乱されることに起因して原地盤の液状化に対する強度を寧ろ低下させてしまう懸念があり、したがって引き抜き耐力を増強する目的で螺旋翼付き鋼管杭を採用することは必ずしも合理的ではなく好ましくないとも考えられている。
【0004】
上記事情に鑑み、本発明は充分な引き抜き耐力を持たせることができ、同時に周囲地盤に対する液状化防止効果も得られ、したがって杭の損傷を防止して建物の浮き上がりや転倒や崩壊を確実に防止することのできる合理的にして有効な鋼管杭の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、引き抜き強度に優れかつ周囲地盤に対する液状化防止効果が得られる鋼管杭の施工方法であって、鋼管からなる杭本体の周面に予め固化材の流出口を形成しておくとともに、該流出口の近傍には径方向外側に突出する係合部材を設けておき、該杭本体の内部を掘削しつつ該杭本体を地盤中に所定深度まで圧入した後、該杭本体の内部から前記流出口を通して周囲地盤に固化材を加圧注入して周囲地盤を締め固めるとともに地盤改良を行い、かつ該固化材が固化することによって杭本体の周囲に形成される拡径部を前記係合部材を介して杭本体に一体化せしめることを特徴とする。
【0006】
本発明においては、下端部を斜めに切除して矢羽根状に形成した帯鋼板を係合部材として杭本体の軸方向に沿って溶接しておくことが好ましい。
【0007】
本発明においては、流出口から固化材を周囲地盤に加圧注入するに際しては、流出口の内側に固化材の圧入空間を区画形成するためのパッカーを杭本体内に装着すると良い。
【0008】
さらに、杭本体に形成した流出口には、該流出口から加圧注入した固化材が杭本体内に逆流することを防止するための逆止弁を予め設けておくことが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、杭本体の設置後にその内部から周囲地盤に固化材を加圧注入することによりその固化材が最終的には固化して固化材塊となるが、その固化材塊は係合部材を介して杭本体と一体化した拡径部となり、係合部材による応力伝達機能によって杭本体に作用する押し込み力や引っ張り力が係合部材および拡径部を介して地盤に確実に伝達され、それにより杭耐力および引き抜き耐力を充分に増強することができる。
しかも、固化材を周囲地盤に加圧注入する際にはその固化材の体積相当分の土砂が自ずと外方に押圧されていき、したがって周囲地盤は乱されることなく静的に締め固められていってそれによる締め固め効果が得られ、かつ固化材が固化することによる地盤改良効果が得られ、それらにより周囲地盤の密度および強度を自ずと高めることができて充分な液状化防止効果が得られる。したがって、仮に杭本体の施工の際に原地盤が乱されたとしても、固化材を加圧注入することによる締め固め効果と固化材が固化することによる地盤改良効果により原地盤の乱れは自ずと補償されるから、地盤の液状化強度が損なわれることはない。
【0010】
また、係合部材は拡径部となる固化材塊に自ずと埋設されてその拡径部を杭本体と確実強固に一体化させ得ることはもとより、下端部を斜めに切除して矢羽根状に形成した帯鋼板を係合部材として杭本体の軸方向に沿って溶接しておくことにより、杭施工時に係合部材が大きな抵抗力となることがない。
【0011】

また、杭本体内にパッカーを装着して固化材の圧入空間を区画形成することにより、杭本体内の所望位置に固化材の圧入空間を確実かつ容易に形成することができる。
【0012】
さらに、固化材の流出口に逆止弁を取り付けておけば、周囲地盤に加圧注入した固化材が杭本体内に逆流してしまうことを防止できるので注入圧を自ずと維持することができるし、パッカーを用いる場合にはそれを早期に撤去することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1〜図5を参照して本発明の実施形態を説明する。
本実施形態は、たとえば図7に示したような液状化層2を有する地盤に対して鋼管杭を施工する際に適用するものであるが、上述したようにその際に螺旋翼付き鋼管杭を回転圧入することでは螺旋翼により周囲地盤が乱されて液状化強度が低下してしまうことも想定されることから、本実施形態ではそれに代えて単なる鋼管杭10を周知の中堀り工法により施工することを基本とする。
そして、そのように設置した鋼管杭10の内側から周囲地盤に対して固化材17(図3参照)を静的に加圧注入することによって拡径部20(図4参照)を形成し、同時に周囲地盤に対する締め固めと地盤改良を行うことを主眼とするものである。
【0014】
すなわち、本実施形態では、図1に示すように下端が開放されたストレートな鋼管を杭本体11として採用するのであるが、後段において拡径部20を形成するべき位置(図示例では下端部)には固化材17の流出口12となる孔を予め形成しておくとともに、その近傍位置には周方向外側に放射状に突出する係合部材13を溶接しておく。
流出口12や係合部材13の設置位置やそれらの数は適宜設定すれば良いが、本実施形態では全16個の流出口12を各段に等間隔で4個ずつ4段にわたって設けるとともに、上下の流出口12の位置を周方向に交互にずらし、それら流出口12の間にそれぞれ係合部材13を配置するものとしており、したがって係合部材13も流出口12と同様に各段に等間隔で4枚ずつ4段にわたって設けられて上下の位置は周方向にずらされたものとなっている。
なお、流出口12の径は40〜50mm程度で良い。また、係合部材13としてはフラットな帯鋼板を使用してそれを杭本体11の軸方向(上下方向)に沿って溶接すれば良く、その板厚は16〜24mm程度、板幅(杭本体11からの突出寸法)は100〜150mm程度、長さ(杭本体11の軸方向の寸法)は200〜300mm程度とすることが好ましいが、図示例のようにその下端部を斜めに切除して矢羽根形状に形成しておくと良い。
【0015】
上記の杭本体11を地盤中に設置するための施工法としては、係合部材13が放射状に突出しているために回転圧入工法により行うことは困難であるので、周知の中堀り工法を採用する。すなわち、杭本体11の内部を掘削しつつ打撃力あるいは押し込み力により杭本体11を地盤中に徐々に圧入していくこととする。
その際、係合部材13が圧入に対する抵抗力とはなるものの、上記のように係合部材13として単なるフラットな帯鋼板を上下方向に沿わせて(つまり圧入方向に合わせて)溶接しておき、かつその下端部を矢羽根状に形成しておくことにより抵抗力はさして大きなものとならず、したがって杭本体11を支障なく圧入することができるし、その圧入の際に周囲地盤を大きく乱してしまうようなこともない。
【0016】
上記のようにして杭本体11を所望深度まで圧入した後、既に中堀りされている杭本体11の内部に、図2(一部を破断して内部を示している)に示すようにパッカー14を装着する。
パッカー14は、膨張収縮可能な柔軟な袋体15を主体とするもので、その袋体15を小さく折り畳んだ状態で拡径部20(図4参照)を形成するべき予定位置の上部に位置させて配置した後、加圧管16を通して袋体15に水等の流体を加圧注入することで袋体15を展開膨張させて杭本体11の内面に押圧保持せしめることにより、杭本体11の下端とこのパッカー14との間に固化材17を加圧注入するための圧入空間18を区画形成するものである。また、袋体15は環状とされていてその中心部には圧入空間18に対して固化材17を加圧注入するための注入管19が挿通している。
このような構成のパッカー14と注入管19とを杭本体11内に装着するためには、それらの全体を予め一体に組み付けておいてその全体を一括して杭本体11内に挿入すれば良い。
【0017】
しかる後に、図3に示すように、地上部に設置した適宜の加圧注入手段(図示せず)から、注入管19を通して圧入空間18に固化材17を適宜の注入圧によって供給し、それによって圧入空間18から各流出口12および杭本体11の先端を通して固化材17を周囲地盤に対して徐々に加圧注入していき、図4に示すように各流出口12および先端から加圧注入された固化材17どうしが連続して杭本体11の周囲全体を取り囲み、かつ係合部材13の全体を内包するまで、所望量の固化材17を連続的に加圧注入する。
本実施形態で採用する固化材17としては、周囲地盤への加圧注入時には充分な流動性と適度の粘性を有するとともに最終的には地盤中において自ずと固化して充分な強度を発現する周知のグラウト材を用いれば良く、たとえばセメントモルタルや地盤改良材としての各種の可塑状ゲル剤(たとえば特開2003−105745号公報に開示されている可塑性グラウト等)が好適に採用可能である。
なお、通常、この状態では杭本体11の先端はかなり堅固な支持層に位置しているので、杭本体11の先端からその下方の支持層へは固化材17が過度に注入されることはないが、杭本体11の先端からその下方地盤に多量の固化材17が無駄に流出してしまうようなことが懸念される場合には、固化材17の加圧注入に先立ってたとえばセメント系の固化材を少量注入してそれを固化させることにより杭本体11の先端を閉じてしまい、しかる後に固化材17を加圧注入すれば杭本体11の周囲にのみ効率的に固化材17を加圧注入することができる。
逆に、仮に中堀りによる杭本体11の圧入の際に支持層が緩んでしまったような場合には、上記のような操作をせずに杭本体11の先端からその下方の支持層に向けて積極的に固化材17を加圧注入することが好ましく、それにより緩んだ支持層を固化材17によって圧縮して再び堅固な地盤に回復させることができて支持力の向上に有効であるし、沈下の低減も期待できる。
【0018】
本実施形態の施工方法によれば、杭本体11の内部から周囲地盤に加圧注入された固化材17は最終的には杭本体11の内外で固化して一体の固化材塊となり、その固化材塊は杭本体11の下端部に自ずと一体化して拡径部20として機能する。そして、その拡径部20は係合部材13を介して杭本体11の下端部に確実に一体化されたものとなり、係合部材13が応力伝達部材として機能して杭本体11に作用する押し込み力や引っ張り力は係合部材13および拡径部20を介して周囲地盤に確実に伝達され、それにより杭耐力や引き抜き耐力を充分に増強することができる。
【0019】
しかも、固化材17を周囲地盤に加圧注入することに伴い、その固化材17の体積相当分の土砂が自ずと外方に押圧されていき、そのような固化材17の加圧注入により周囲地盤に対する静的な締め固め効果が得られ、かつ固化材17が固化することによる地盤改良効果が得られ、それらの効果により地盤の密度および強度を自ずと高めることができる。
つまり、本工法における固化材17の加圧注入工程は杭に対する拡径部20の形成工程であると同時に、周囲地盤に対する締め固め工程および地盤改良工程でもあり、それによりこの鋼管杭10全体の引き抜き耐力を充分に増強できるばかりでなく、周囲地盤の液状化に対する強度を相乗的に高めることができ、その結果、巨大地震時における液状化の発生やそれによる杭の損傷、その結果としての建物の浮き上がりや転倒や崩壊を確実に防止することができる。
【0020】
勿論、本実施形態の施工方法は、固化材17を徐々に加圧注入することによって地盤を静的に締め固めるものであるので、固化材17を大圧力で地盤中に噴射する場合のように原地盤を乱してしまうようなことはないし、中堀り工法による杭本体11の圧入に際して多少は生じる原地盤の乱れも固化材17の加圧注入による締め固め効果とその固化による地盤改良効果により補償されて地盤の密度および強度を回復させることができ、構造的な安全性や信頼性を充分に高めることができる。
【0021】
そして、本実施形態の施工方法は鋼管杭の施工方法として最も一般的な中堀り工法を基本とするものであるし、単なる中空鋼管を杭本体11として採用してそれに流出口12と係合部材13を設けること以外は通常の杭施工手段や固化材の加圧注入手段をそのまま採用可能であって特に複雑な機構や面倒な手間を必要とせず、したがって従来一般の鋼管杭の施工に際して本工法を実施してもさしたるコスト増にはならない。勿論、従来一般の鋼管杭の施工方法と、従来一般の固化材注入による地盤改良工法とをそれぞれ独立に実施する場合に比較すれば、大幅にコストを削減することができる。
【0022】
以上で本発明の一実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで好適な一例であって本発明は上記実施形態に限定されるものでは勿論なく、たとえば以下に列挙するような適宜の変更や応用が可能である。
【0023】
上記実施形態のように拡径部20は杭本体11の下端部に設けることが好ましく、通常はそれで充分であるが、拡径部20を下端部に設けることに代えて、あるいそれに加えて、杭本体11の中間部の所望位置にも同様の拡径部20を形成することも考えられる。
図5は中間部にも拡径部20を形成する場合の例を示すもので、この場合には杭本体11の中間部の所望位置にも流出口12および係合部材13を設けておき、その内側の上下にそれぞれパッカー14を装着してそれらの間にも圧入空間18を形成し、その圧入空間18から周囲地盤に固化材17を加圧注入すれば良い。
また、必要であれば、杭本体11の全長にわたって連続的に拡径部20を形成することも考えられ、その場合は杭本体11の全長にわたって流出口12を形成して杭本体11の内部全体を圧入空間18とすれば良い。その場合、係合部材13は杭本体11の全長にわたって設けることでも良いが、全長にわたって形成される一連の拡径部20と杭本体11とを充分に一体化できる範囲でその位置は任意に設定すれば良い。
【0024】
上記実施形態のように、係合部材13としては矢羽根状の帯鋼板を使用してそれを杭本体11の軸方向に沿って溶接することが好適であるが、係合部材13は拡径部20と杭本体11との間で応力伝達が可能なようにそれらを構造的に一体化し、かつ杭本体11の地盤への圧入の際に大きな抵抗とならないものであれば良く、その限りにおいて係合部材13としてはたとえば単なるスタッドの如きものでも良いし、あるいは杭本体11の外周面に応力伝達部材として機能し得るような突状や凹凸を加工しておくことも考えられる。
【0025】
上記実施形態において圧入空間18を形成するために用いたパッカー14は、拡径部20が形成された後には撤去すれば良いが、その必要がなければそのまま残置して埋め殺してしまうことでも良い。いずれにしてもパッカーの形式や種類は任意であって、膨張収縮可能な構成の格別のパッカーを用いることに代えてたとえばモルタル等を要所に充填して圧入空間を形成したり、杭本体11の内部にパッカーとして機能するような部材や機構を予め組み込んでおくことも考えられる。
【0026】
上記実施形態では杭本体11の周面に形成した単なる開口(孔)を流出口12としたが、そこに適宜の逆止弁を設けることも考えられる。
すなわち、上記実施形態では周囲地盤に加圧注入した固化材17の固化がある程度進行するまでは注入圧を維持する必要があり、したがってそれまではパッカー14を撤去することはできないが、流出口12に逆流を防止するための逆止弁を設けておけば自ずと注入圧が維持されるからパッカー14の撤去を早期に行うことが可能となる。その逆止弁としては、流出口12の外側に弁体を外方に向かって開くように取り付け、その弁体が固化材17の加圧注入時には自ずと外方に自由に開かれ、逆流が生じる事態となった際には流出口12が弁体により自ずと塞がれる構成のものが考えられるが、あるいは地上部から開閉操作するシャッタの如き構成の逆止弁を設けておくことも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態である施工方法を示す図であって、杭本体を地盤中に設置した状態を示す図である。
【図2】同、パッカーを装着して圧入空間を形成した状態を示す図である。
【図3】同、圧入空間から周囲地盤に固化材を加圧注入している状態を示す図である。
【図4】同、拡径部を形成した状態を示す図である。
【図5】同、他の実施形態を示す図である。
【図6】地震時における建物の浮き上がり挙動を示す図である。
【図7】支持地盤の液状化による杭の損傷の状況を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
10 鋼管杭
11 杭本体
12 流出口
13 係合部材(帯鋼板)
14 パッカー
15 袋体
16 加圧管
17 固化材
18 圧入空間
19 注入管
20 拡径部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き抜き強度に優れかつ周囲地盤に対する液状化防止効果が得られる鋼管杭の施工方法であって、
鋼管からなる杭本体の周面に予め固化材の流出口を形成しておくとともに、該流出口の近傍には径方向外側に突出する係合部材を設けておき、
該杭本体の内部を掘削しつつ該杭本体を地盤中に所定深度まで圧入した後、
該杭本体の内部から前記流出口を通して周囲地盤に固化材を加圧注入して周囲地盤を締め固めるとともに地盤改良を行い、
かつ該固化材が固化することによって杭本体の周囲に形成される拡径部を前記係合部材を介して杭本体に一体化せしめることを特徴とする鋼管杭の施工方法。
【請求項2】
請求項1記載の鋼管杭の施工方法であって、
下端部を斜めに切除して矢羽根状に形成した帯鋼板を係合部材として杭本体の軸方向に沿って溶接しておくことを特徴とする鋼管杭の施工方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の鋼管杭の施工方法であって、
流出口から固化材を周囲地盤に加圧注入するに際しては、流出口の内側に固化材の圧入空間を区画形成するためのパッカーを杭本体内に装着することを特徴とする鋼管杭の施工方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の鋼管杭の施工方法であって、
杭本体に形成した流出口には、該流出口から加圧注入した固化材が杭本体内に逆流することを防止するための逆止弁を予め設けておくことを特徴とする鋼管杭の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−248524(P2008−248524A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89025(P2007−89025)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】