説明

鋼管杭

【課題】ヘッド本体を杭本体にボルト・ナットで取り付けることによって、ヘッド本体の取付け・取り外しが容易で、トラック積載効率も良くなる鋼管杭を提供する。
【解決手段】掘削ヘッド2のヘッド本体3の上端部に、鋼管からなる杭本体1の下端部が外嵌合する基筒部6を設け、杭本体1の下端部にはボルト挿通孔7を設け、基筒部6には杭本体側ボルト挿通孔7と合致する位置にボルト挿通孔8を設け、基筒部6の内周面側には、各ボルト挿通孔8と対向する位置に基筒部6の上方より挿入されるナット10を回転不能で軸方向移動不能に保持するナット保持部9を設け、杭本体1の下端部をヘッド本体3の基筒部6に外嵌合し、ボルト12を杭本体1側ボルト挿通孔7から各基筒部側ボルト挿通孔8に挿通して、各ナット保持部9内に保持されているナット10に螺合することにより、ヘッド本体3を杭本体1の下端部に取り付け固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎工事に使用される鋼管杭に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鋼管杭は、鉛直及び水平方向にきわめて大きな耐力を有し、杭先端側の支持層に十分に力が伝達され、大きな支持力が得られ、また軽量で破損の心配がなく、運搬や取り扱いが容易なことから、近年その需要は著しく増大している。
【0003】
建造物等の基礎に使用される鋼管杭としては、図9の(a) 示す拡底型、(b) に示す多翼型、(c) に示すストレート型の3種類の鋼管杭が知られているが、その何れの鋼管杭も、杭打ち機械による杭長さの制約、施工現場での置き場スペースによる制約、運送時の長さの制約から、最大長さは6〜8mとされ、これらを越える長さの杭は、杭打ちしながら、逐次接続して使用されるようになっている。
【0004】
ところで、建造物等の基礎に使用される鋼管杭は、図9の(a) 〜(c) に示されるように鋼管からなる杭本体21の下端部に掘削ヘッド22a〜22cのヘッド本体23a〜23cを取り付けたものであるが、従来の鋼管杭では、ヘッド本体23a〜23cは、夫々の下端面に切削刃25を突設していて、杭本体21の下端部に溶接により取り付け固定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように従来の鋼管杭においては、ヘッド本体が杭本体21の下端部に溶接により取り付け固定されているため、ヘッド本体が破損して使えなくなった場合にはヘッド本体の取り換えができず、杭本体も使用できなくなって、きわめて不経済となる。また図9の(a) ,(b) に示すようにヘッド本体に掘削推進用の螺旋翼を設けた鋼管杭は荷姿が悪く、杭相互の積み重ねが不都合な形状となるため、トラックへの積載効率が悪くなって、運送コストが嵩むといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑み、ヘッド本体を杭本体に対しボルト・ナットで取り付けることによって、杭本体からのヘッド本体の取外しが可能となって、ヘッド本体が破損した場合にはその取り換えが可能となり、また鋼管杭の搬送時には杭本体とヘッド本体とを切り離して別々に積み重ねることにより、トラックへの積載効率が良くなり、運送コストを節減できるようにした鋼管杭を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の鋼管杭は、掘削ヘッド2のヘッド本体3の上端部に、鋼管からなる杭本体1の下端部が外嵌合する基筒部6を設け、杭本体1の下端部には周方向一定間隔おきにボルト挿通孔7を設け、ヘッド本体3の基筒部6には杭本体1下端部のボルト挿通孔7と合致する位置にボルト挿通孔8を設けると共に、基筒部6の内周面側には、各基筒部側ボルト挿通孔8と軸方向に対向する位置で基筒部6の上方より挿入されるナット10を回転不能にして且つ前後移動不能に保持するナット保持部9を設け、前記杭本体1の下端部をヘッド本体3の基筒部6に外嵌合し、ボルト12を杭本体側ボルト挿通孔7から基筒部側ボルト挿通孔8に挿通して各ナット保持部9内に保持されているナット10に螺合することにより、ヘッド本体3を杭本体1の下端部に取り付け固定するようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項2は、請求項1に記載の鋼管杭において、掘削ヘッド2のヘッド本体3には螺旋翼4が突設されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3は、請求項1又は2に記載の鋼管杭において、各ナット保持部9は、基筒部6の内周面にボルト挿通孔8の内端側で左右対称位置に突設された両側一対のアーム壁11,11からなり、各アーム壁11は、縦壁部aと、縦壁部aの下端から内向きに突出するナット受け壁部bと、縦壁部aの前端から内向きに突出するナット抜け止め壁部cとからなるもので、ナット10は基筒部6の上方よりこのナット保持部9内に挿入されるようになっていることを特徴とする。
【0010】
請求項4は、請求項3に記載の鋼管杭において、各ナット保持部9の各アーム壁11を形成するナット受け壁部bは、その上面が水平面に対し約30°の傾斜面に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5は、請求項1〜4に記載の鋼管杭において、基筒部6の上端部内周縁に沿って補強用の内向きフランジ部13を突設し、このフランジ部13には各ナット保持部9内にナット10を挿入するためのナット挿入口14を開口してなることを特徴とする。
【0012】
請求項6は、請求項1〜5の何れかに記載の鋼管杭において、掘削ヘッド2は鋳鋼又は鋳鉄からなる一体成形鋳造物であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によれば、杭本体1の下端部をヘッド本体3の基筒部6に外嵌合し、ボルト12を杭本体側ボルト挿通孔7から基筒部側ボルト挿通孔8に挿通してナット保持部9内に保持されているナット10に螺合し締め付けるすることにより、ヘッド本体3を杭本体1の下端部に取り付け固定するようにしたから、杭本体1へのヘッド本体3の取り付けを簡単且つ容易に行うことができる。また、ボルト12を取り外すことにより、掘削ヘッド2を杭本体1から切り離すことができるから、ヘッド本体3が破損したり切削刃5が破損して、その修理ができないような状態にある場合は、掘削ヘッド2を杭本体1の下端部から取り外すことにより、新しい掘削ヘッド2と簡単に取り換えることができる。
【0014】
また、鋼管杭Kを工場等から杭打ち施工現場へトラックで搬送する場合は、鋼管杭Kの掘削ヘッド2を杭本体1から切り離しておいて、トラックの荷台に杭本体1と掘削ヘッド2を別々に積み重ねて積載するようにすれば、トラックへの積載効率が良くなって、運送コストの低減化を図ることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明の鋼管杭のように、掘削ヘッド2のヘッド本体3には螺旋翼4を突設することができる。
【0016】
請求項3に係る発明の鋼管杭のように、ナット保持部9が、基筒部6の内周面にボルト挿通孔8の内端側で左右対称位置に突設された両側一対のアーム壁11,11からなるもので、各アーム壁11が、縦壁部aと、縦壁部aの下端から内向きに突出するナット受け壁部bと、縦壁部aの前端から内向きに突出するナット抜け止め壁部cとからなる構造とした場合には、構造がきわめて簡単でありながら、ナット10を確実に保持することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明の鋼管杭のように、ナット保持部9の各アーム壁11を形成するナット受け壁部bの上面を水平面に対し約30°の傾斜面に形成することにより、六角ナット10をナット保持部9内に保持する時に、ナット10の外周端面にピッタリ係合して安定状態に保持することができる。
【0018】
請求項5に記載のように、ヘッド本体3の基筒部6の上端部内周縁に沿って補強用内向きフランジ部13を設けたことにより、ボルト挿通孔8の穿設されている基筒部6の強度が補強されるから、基筒部6の肉厚をできるだけ薄く、また基筒部6の長さをできるだけ短くできて、ヘッド本体3の重量の軽減を図ることができる。また、このフランジ部13に各ナット保持部9内にナット10を挿入するためのナット挿入口14を開口することにより、各ナット保持部9内へのナット10の挿入が容易に可能となる。
【0019】
請求項6に記載のように、掘削ヘッド2は鋳鋼又は鋳鉄からなる一体成形鋳造物であるから、掘削ヘッド2の製造が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の好適な一実施形態を図面に基づいて説明すると、図1は本発明に係る鋼管杭の要部を示す一部断面正面図であり、図2は同鋼管杭の掘削ヘッドを杭本体から切り離した状態の斜視図であり、図3の(a) は掘削ヘッドを示す正面図、(b) は平面図、(c) は底面図であり、図4は掘削ヘッドの縦断面図である。ここに示す鋼管杭Kは、鋼管からなる杭本体1と、鋳鋼又は鋳鉄からなる一体成形鋳造物で、杭本体1の下端部に取り付け固定される掘削ヘッド2とによって構成される。
【0021】
掘削ヘッド2は、鋳鋼又は鋳鉄からなる一体成形鋳造物であり、図2及び図4から分かるように、底部3aが略円錐形状を成す有底円筒状のヘッド本体3を有し、このヘッド本体3には螺旋翼4が突設され、またヘッド本体3の円錐形状底部3aの下面に切削刃5が突設され、そしてヘッド本体3の上端部には、鋼管からなる杭本体1の下端部が外嵌合する短円筒状の基筒部6が形成されている。尚、一体成形鋳造物である鋳鋼にはステンレスも含まれるものとする。
【0022】
杭本体1の下端部には、図2に示すように周方向一定間隔おきにボルト挿通孔7が穿設され、そしてヘッド本体3の基筒部6には、この基筒部6に外嵌合される杭本体1のボルト挿通孔7と合致するボルト挿通孔8が周方向一定間隔おきに穿設されている。
【0023】
ヘッド本体3の基筒部6の内周面側には、図7の(a) ,(b) を参照して分かるように、各基筒部側ボルト挿通孔8と軸方向に対向する位置で基筒部6の上方より挿入されるナット10を回転不能にして且つ前後移動不能に保持するためのナット保持部9が設けられている。尚、前後移動不能に保持するとは、図7の(a) から分かるように、ナット10がその軸方向の前後の移動を制限して、ナット保持部9内に保持することである。
【0024】
各ナット保持部9は、図2及び図5の(a) ,(b) から分かるように、ヘッド本体3の内周面におけるボルト挿通孔8の内端側でナット10を左右両側と下部側と前側とで保持するように左右対称位置に突設された両側一対のアーム壁11,11からなる。各アーム壁11は、図5の(a) ,(b) に示すように、縦壁部aと、この縦壁部aの下端から内向きに突出するナット受け壁部bと、縦壁部aの前端から内向きに突出するナット抜け止め壁部cとによって形成され、左右に対向する縦壁部a,aの対向間隔によってナット10の回転を阻止し、ナット受け壁部bでナット10が落ちないように受け止め、ナット抜け止め壁部cによってナット10がボルトねじ込み方向前方へ抜け出るのを阻止する。
【0025】
各ナット保持部9の各アーム壁11を形成するナット受け壁部bは、図5の(b) に示すように、その上面が水平面に対して約30°の傾斜面に形成されている。この傾斜面の傾斜角度の30°は、図7の(b) から分かるように、六角ナット10をナット保持部9内に収容保持する時に、ナット10の左右両端面が左右両縦壁部a,aと平行に位置した状態で下端面側が左右両ナット受け壁部b,bの傾斜面にピッタリ係合して、ナット10全体を安定状態に保持することのできる角度である。
【0026】
上記のように構成される鋼管杭Kの組み立てにあたっては、杭本体1と掘削ヘッド2とが図2に示すような位置にある状態で、ヘッド本体3の基筒部6の内周面側に設けてある各ナット保持部9にナット10を基筒部6の上方より挿入して、図7の(a) 、(b) に示すように保持させておく。そうして、杭本体1の下端部をこのヘッド本体3の基筒部6に外嵌合させ、図1に示すように、ボルト12を杭本体側ボルト挿通孔7から基筒部側ボルト挿通孔8に挿通して、ボルト12の先端部を、各ナット保持部9内に保持されているナット10に螺合して締め付けることにより、図6に示すように基筒部6を杭本体1の下端部に圧接して、掘削ヘッド2のヘッド本体3を杭本体1の下端部に強固に取り付け固定することができる。
【0027】
このように杭本体1の下端部をヘッド本体3の基筒部6に外嵌合し、各杭本体側ボルト挿通孔7から基筒部側ボルト挿通孔8にボルト12を挿通して、夫々ナット保持部9内に保持されているナット10に螺合し、締め付けることにより、ヘッド本体3を杭本体1の下端部に取り付け固定するようにしたから、杭本体1の下端部へのヘッド本体3の取り付けを簡単且つ容易に行うことができる。また、ボルト12を取り外すことによって、掘削ヘッド2を杭本体1から切り離すことができる。
【0028】
従って、ヘッド本体3の底部3aが破損したり、切削刃5が破損して、それらの修理ができないような状態にある場合は、ヘッド本体3を含む掘削ヘッド2を杭本体1の下端部から取り外すことにより、新しい掘削ヘッド2を取り付けることができるから、杭本体1はそのまま使用できることになり、きわめて経済的である。
【0029】
また、多数の鋼管杭Kを工場等から施工現場へトラックで搬送する場合には、各鋼管杭Kの掘削ヘッド2を杭本体1から切り離しておいて、トラックの荷台に鋼管杭Kと掘削ヘッド2を別々に積み重ねて積載するようにすれば、トラックの積載効率が良くなり、運送コストの低減化を図ることができる。
【0030】
また、この鋼管杭Kでは、ヘッド本体3の基筒部6の内周面側に設けるナット保持部9は、基筒部6の内周面にボルト挿通孔8の内端側で左右対称位置に突設された両側一対のアーム壁11,11からなるもので、各アーム壁11が、縦壁部aと、縦壁部aの下端から内向きに突出するナット受け壁部bと、縦壁部aの前端から内向きに突出するナット抜け止め壁部cとからなる構造としているが、このような構造のナット保持部9によれば、構造が簡単でありながら、ナット10を確実に保持することができるため、一体成形鋳造物のナット保持部9として最適である。また、掘削ヘッド2は鋳鋼又は鋳鉄からなる一体成形鋳造物であるから、製造が容易となる。
【0031】
上記ナット保持部9にナット10を挿入した場合、ヘッド本体3が直立状態のままであれば、ナット10がナット保持部9の上部側から抜け出すことはないが、ヘッド本体3が倒れたり、横向きになった状態では抜け出るおそれがあることから、図7の(b) に仮想線で示すように、例えば片方のアーム壁11の上端部側にピン挿通孔32を設けておいて、これに抜け止めピン33をナット保持部9の内方へ差し込むことによって、如何なる場合でもナット10の抜け出しを防止することができる。
【0032】
図8の(a) は本発明の他の実施形態による掘削ヘッド2を示す。この掘削ヘッド2は、ヘッド本体1aの基筒部6の上端部内周縁に沿って補強用の内向きフランジ部13を突設したもので、このフランジ部13には、基筒部6の内周面に設けてある各ナット保持部9にナット10を挿入するためのナット挿入口14が開口されている。各ナット保持部9の構造は、図1〜図7に示される掘削ヘッド2のヘッド本体1aのものと同一である。この掘削ヘッド2も、鋳鋼又は鋳鉄からなる一体成形鋳造物である。
【0033】
この掘削ヘッド2を杭本体1の下端部に取り付ける際には、図8の(b) に示すように、内向きフランジ部13に設けてあるナット挿入口14からナット保持部9内にナット10を挿入する。このナット挿入口14からナット10を投下すると、そのナット10は図7の(a) ,(b) に示すような姿勢に保持されるようになっている。
【0034】
鋼管杭Kの組み立てにあたっては、図8の(b) に示すような状態で、ヘッド本体3の基筒部6の補強用内向きフランジ部13に設けてある各ナット挿入口14より各ナット保持部9内にナット10を挿入して、図7の(a) 、(b) に示すような状態に保持させておく。そして、杭本体1の下端部をヘッド本体3の基筒部6に外嵌合させ、先の実施形態の場合と同様にボルト12を杭本体側ボルト挿通孔7から基筒部側ボルト挿通孔8に挿通して、ボルト12の先端部を、各ナット保持部9内に保持されているナット10に螺合して締め付けることにより、掘削ヘッド2のヘッド本体3を杭本体1の下端部に取り付ける。
【0035】
上記のようにヘッド本体3の基筒部6の上端部内周縁に沿って補強用内向きフランジ部13を設けたことにより、ボルト挿通孔8の穿設されている基筒部6の強度が補強されるから、この基筒部6が杭本体1の下端部とボルト接合されて鋼管杭Kとして使用する時に相当な剪断力が作用しても、基筒部6のボルト挿通孔8から破損を生じるようなおそれがなく、鋼構造設計基準にも適合可能となる。因みに、このような補強用内向きフランジ部13を設けなければ、上記剪断力に対応するためにボルト挿通孔8から基筒部6の上端までの長さを十分長くしたり、基筒部6の肉厚を十分厚くする必要があるが、フランジ部13を設けることによって、基筒部6の肉厚をできるだけ薄く、また基筒部6の長さをできるだけ短くできるから、ヘッド本体3の重量を軽減できる。
【0036】
また、基筒部6の上端部内周縁に沿って補強用内向きフランジ部13を設けた場合は、基筒部6の内周面側にある各ナット保持部9に対し基筒部6の上方からのナット10の挿入ができないため、フランジ部13には各ナット保持部9内にナット10を挿入するためのナット挿入口14を開口し、この挿入口14からナット10を容易に挿入できるようにしている。
【0037】
以上の実施形態においては、ヘッド本体3に螺旋翼4を突設した掘削ヘッド2について説明したが、図9の(c) に示すような螺旋翼4が突設されていないヘッド本体3のみからなる掘削ヘッド2も、ヘッド本体3の内部構造は、上述した実施形態と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態による鋼管杭の要部を示す一部断面正面図である。
【図2】同鋼管杭の掘削ヘッドを杭本体から切り離した状態の斜視図である。
【図3】(a) は掘削ヘッドを示す正面図、(b) は平面図、(c) は底面図である。
【図4】掘削ヘッドの縦断面図である。
【図5】(a) は図3の矢印Xで示す部分の拡大図、(b) は図4の矢印Yで示す部分の拡大図である。
【図6】図1のZ−Z線拡大断面図である。
【図7】(a) はナット受け壁部内のナットに杭本体側ボルト挿通孔及び基筒部側ボルト挿通孔からボルトをねじ込もうとしている状態を示す平面図、(b) は(a) のV−V線断面図である。
【図8】(a) はヘッド本体の基筒部の上端部に補強用内向きフランジ部を有する掘削ヘッドを示す斜視図、(b) は掘削ヘッドのヘッド本体を杭本体の下端部に取り付けようとしている状態を示す説明図である。
【図9】(a) 〜(c) は従来の鋼管杭を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
K 鋼管杭
1 杭本体
2 掘削ヘッド
3 ヘッド本体
4 螺旋翼
6 基筒部
7 杭本体側のボルト挿通孔
8 基筒部側のボルト挿通孔
9 ナット保持部
10 ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削ヘッドのヘッド本体の上端部に、鋼管からなる杭本体の下端部が外嵌合する基筒部を設け、杭本体の下端部には周方向一定間隔おきにボルト挿通孔を設け、ヘッド本体の基筒部には杭本体下端部のボルト挿通孔と合致する位置にボルト挿通孔を設けると共に、基筒部の内周面側には、各基筒部側ボルト挿通孔と軸方向に対向する位置でナットを回転不能にして且つ前後移動不能に保持するナット保持部を設け、前記杭本体の下端部をヘッド本体の基筒部に外嵌合し、ボルトを杭本体側ボルト挿通孔から基筒部側ボルト挿通孔に挿通してナット保持部内に保持されているナットに螺合することにより、ヘッド本体を杭本体の下端部に取り付け固定するようにした鋼管杭。
【請求項2】
掘削ヘッドのヘッド本体には螺旋翼が突設されている請求項1に記載の鋼管杭。
【請求項3】
各ナット保持部は、基筒部の内周面にボルト挿通孔の内端側で左右対称位置に突設された両側一対のアーム壁からなり、各アーム壁は、縦壁部と、縦壁部の下端から内向きに突出するナット受け壁部と、縦壁部の前端から内向きに突出するナット抜け止め壁部とからなるもので、ナットは基筒部の上方よりこのナット保持部内に挿入されるようになっている請求項1又は2に記載の鋼管杭。
【請求項4】
各ナット保持部の各アーム壁を形成するナット受け壁部は、その上面が水平面に対し約30°の傾斜面に形成されている請求項3に記載の鋼管杭。
【請求項5】
基筒部の上端部内周縁に沿って補強用の内向きフランジ部を突設し、このフランジ部には各ナット保持部にナットを挿入するためのナット挿入口を開口してなる請求項1〜4の何れかに記載の鋼管杭。
【請求項6】
掘削ヘッドは鋳鋼又は鋳鉄からなる一体成形鋳造物である請求項1〜5の何れかに記載の鋼管杭。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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