錠装置
【課題】付勢バネを用いることなく、ロック部材を施錠位置と解錠位置との間で移動させることができる錠装置を提供することを目的とする。
【解決手段】フレーム2に回動自在に支承されるカム部材5に、施錠カム部55と解錠カム部54を回転面に重ねるように並列配置し、施錠位置と解錠位置との間を移動自在に配置されたロック部材6に施錠腕部61cと解錠腕部61bとを設け、カム部材5が施錠回転方向に回転することで、施錠カム面55a上を摺動する施錠腕部61cを介してロック部材6を施錠位置へ移動し、カム部材5が解錠回転方向に回転することで、解錠カム面54a上を摺動する解錠腕部61bを介してロック部材6を解錠位置へ移動する。
【解決手段】フレーム2に回動自在に支承されるカム部材5に、施錠カム部55と解錠カム部54を回転面に重ねるように並列配置し、施錠位置と解錠位置との間を移動自在に配置されたロック部材6に施錠腕部61cと解錠腕部61bとを設け、カム部材5が施錠回転方向に回転することで、施錠カム面55a上を摺動する施錠腕部61cを介してロック部材6を施錠位置へ移動し、カム部材5が解錠回転方向に回転することで、解錠カム面54a上を摺動する解錠腕部61bを介してロック部材6を解錠位置へ移動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動部材に係合し、可動部材をロック状態にする錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の錠装置としては、特許文献1に開示されたものがある。この錠装置は、電動ステアリングロック装置101として、図14に示すように、電動モータ141とウォームギア143とで構成される駆動手段104と、円形の外周にウォームギア143が噛合するウォームホイール105と、ウォームホイール105の一面側に突設され、回転方向に沿った周面にカム面153aが形成されたカム突起153と、カム面153a上を摺接しつつ、施錠位置と解錠位置との間を移動自在に配置されたロック部材106と、ロック部材106を解錠位置側から施錠位置側に向かって付勢する付勢バネ106aとを備えている。
【0003】
上記構成において、ロック部材106が施錠位置に位置した状態から、駆動手段104を解錠動作させると、ウォームギア143によってウォームホイール105が解錠回転方向に回転し、カム面153aによってカム面153a上を摺接するロック部材106が、付勢バネ106aの付勢力に抗いつつ、解錠位置へ移動する。解錠位置に位置するロック部材106は、フレーム102内に収容され、ステアリングシャフト110から離間した状態で保持されることで、ステアリングシャフト110は回動が可能となる。
【0004】
また、ロック部材106が解錠位置に位置した状態から、駆動手段を施錠動作させると、ウォームギア143によってウォームホイール105が解錠回転方向に回転し、付勢バネ106aの付勢力によってロック部材106がカム面153a上を摺接しつつ、施錠位置へ移動する。施錠位置に位置するロック部材106は、フレーム102から先端が突出し、突出した先端部162aがステアリングシャフト110と係合することで、ステアリングシャフトの回動を規制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2008−518840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、従来の電動ステアリングロック装置101では、付勢バネ106aの付勢力によってカム面153aにロック部材106を当接保持することで、ロック部材106がカム面153aに追従し、施錠位置と解錠位置との間を移動する構成のため、付勢力に抗いつつ、ロック部材を移動させるため、駆動力のロスとなってしまう。
【0007】
また、付勢バネ106aの付勢力によって、ロック部材106は施錠位置に付勢保持されるため、不正解錠を目的として、施錠状態の電動ステアリングロック装置101に外力が加えられた際に、外力の反動でロック部材が解錠位置へ移動し、解錠してしまうおそれがあった。
【0008】
そこで、本発明は、付勢バネを用いることなく、ロック部材を施錠位置と解錠位置との間で移動させることができる錠装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する請求項1の発明は、フレームに回動自在に支承されるカム部材と、該カム部材と一体に配置され、且つ該カム部材の回転方向に沿った周面に施錠カム面が形成される施錠カム部と、該カム部材の回転面に重ねるように該施錠カム部に並列配置され、且つ該カム部材の回転方向に沿った周面に解錠カム面が形成される解錠カム部と、該フレーム内に施錠位置と解錠位置との間を移動自在に配置されたロック部材と、該ロック部材から該施錠カム面上を摺接可能に延設される施錠腕部と、該ロック部材から該解錠カム面上を摺接可能に延設される解錠腕部とを備え、該カム部材が施錠回転方向に回転することで、該施錠カム面上を摺動する該施錠腕部を介して該ロック部材が施錠位置へ移動し、該カム部材が解錠回転方向に回転することで、該解錠カム面上を摺動する該解錠腕部を介して該ロック部材が解錠位置へ移動することを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の錠装置であって、前記ロック部材が施錠位置に位置する施錠状態において、前記施錠腕部と前記施錠カム面との接点と、前記カム部材の回転中心とを結ぶ直線が、該ロック部材の移動する方向に対して平行になるよう設定されたことを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1、または請求項2に記載の錠装置であって、前記ロック部材が解錠位置に位置する解錠状態において、前記解錠腕部と前記解錠カム面との接点と、前記カム部材の回転中心とを結ぶ直線が、該ロック部材の移動する方向に対して平行になるよう設定されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、カム部材の施錠回転方向への回転によって、施錠腕部を介して施錠カム部がロック部材を施錠位置へ移動し、カム部材の解錠回転方向への回転によって、解錠腕部を介して解錠カム部がロック部材を解錠位置へ移動する。これにより、ロック部材をカム面に追従させるための付勢バネを用いることなく、ロック部材を施錠位置と解錠位置との間で移動させることができる。
【0013】
また、施錠状態では、施錠カム部がロック部材を施錠位置に保持するとともに、ロック部材の解錠位置への移動を規制するため、不正解錠を目的として、施錠状態の錠装置に外力が加えられた際に、外力の反動でロック部材が解錠位置へ移動することが無い。これにより、防盗性を向上することができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、施錠腕部と施錠カム面との接点と、カム部材の回転中心とを結ぶ直線が、ロック部材の移動する方向に対して平行であることで、不正解錠を目的として、施錠状態の錠装置に、ロック部材の移動方向に沿って外部から衝撃力が加えられた場合に、施錠腕部を介してカム部材に掛かる荷重がカム部材の回転中心に向かうため、カム部材を回転させる力が発生せず、ロック部材が解錠位置側へ移動することはない。これにより、さらに防盗性を向上することができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、解錠腕部と解錠カム面との接点と、カム部材の回転中心とを結ぶ直線が、ロック部材の移動する方向に対して平行であることで、解錠状態の錠装置に、外部から振動などが加わった場合に、解錠腕部を介してカム部材に掛かる荷重がカム部材の回転中心に向かうため、カム部材を回転させる力が発生せず、ロック部材が施錠位置側へ移動することはない。これにより、作動信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態を示し、電動ステアリングロック装置を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、(a)はカバーを取外した状態を示す正面図、(b)はカバーを取外した状態を示す側面図である。
【図3】本発明の一実施形態の施錠状態を示し、(a)は図2(a)のIIIa-IIIa線に沿った断面図、(b)は図2(b)のIIIb-IIIb線に沿った断面図である。
【図4】本発明の一実施形態の解錠途中の状態を示し、(a)は図2(a)のIIIa-IIIa線に沿った断面図、(b)は図2(b)のIIIb-IIIb線に沿った断面図である。
【図5】本発明の一実施形態の解錠状態を示し、(a)は図2(a)のIIIa-IIIa線に沿った断面図、(b)は図2(b)のIIIb-IIIb線に沿った断面図である。
【図6】本発明の一実施形態を示し、電動ステアリングロック装置の背面図である。
【図7】本発明の一実施形態の補助ロック手段が作動する前の状態を示し、図6のVII-VII線に沿った断面図である。
【図8】本発明の一実施形態の補助ロック手段が作動した後の状態を示し、図6のVII-VII線に沿った断面図である。
【図9】本発明の一実施形態を示し、カバーと駆動手段を取外した状態を示す正面図である。
【図10】本発明の一実施形態の解錠状態を示し、(a)は図9のX-X線に沿った断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図11】本発明の一実施形態の解錠状態を示し、(a)は図9のXI-XI線に沿った断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図12】本発明の一実施形態の施錠状態を示し、(a)は図9のX-X線に沿った断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図13】本発明の一実施形態の施錠状態を示し、(a)は図9のXI-XI線に沿った断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図14】従来技術の電動ステアリングロック装置を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の錠装置は、電動ステアリングロック装置1として、自動車のステアリングシャフト(図示せず)を収容するステアリングコラム装置(図示せず)に取付けられる。電動ステアリングロック装置1は、図1〜図13に示すように、フレーム2と、フレーム2の正面側を被うカバー3とを有し、カバー3で覆われたフレーム2の収容部21には駆動手段4、ウォームホイール5、およびロック部材6が収容されている。そして、施錠状態では、ロック部材6がフレーム2から突出し、ロック部材6の先端部62aがステアリングシャフトに設けられたシャフト側突部(図示せず)と係合し、ステアリングシャフトの回転を規制する。また、解錠状態では、ロック部材6がフレーム2内に収容され、ステアリングシャフトからは離間しているので、ステアリングシャフトの回転を許容する。
【0018】
フレーム2は、収容部21に円弧状のホイール受部22を備えており、ホイール受部22の円弧部分にウォームホイール5が回動可能に配置される。また、ホイール受部22には、ホイール外れ防止手段8が設けられている。フレーム2には、収容部21と背面側とを貫通するロックガイド孔23が形成され、ロックガイド孔23内にロック部材6が移動自在に挿通される。フレーム2の背面側には、ステアリングコラム装置を跨ぐように二股状の脚部24が突設されており、脚部24の一方の根元部分には、補助ロック手段7が配設される補助ロック収容室25が設けられている。
【0019】
カバー3は、一面が開口する箱形状を備え、開口縁31に設けた係止部32と、フレーム2の収容部21周縁に設けられた係合部26とを係合することで、カバー3がフレーム2に固定される。また、カバー3の内側底部には、補助ロック手段7を構成する軸形状を有するピン33が開口側に向かって突設されている。
【0020】
駆動手段4は、電動モータ41と、電動モータ41の駆動軸42に組付けられたウォームギア43とで構成され、駆動ケース44に収容された状態でフレーム2の収容部21に配設されている。また、駆動ケース44には、ホイール収容部45が設けられており、ウォームホイール5が収容される。
【0021】
ウォームホイール5は、略円柱形状を備え、円周面上の周方向に1周するギア部51が設けられている。このギア部51は、ウォームギア43と噛合可能な歯車となっている。ギア部51の両脇には、断面形状が円形に設定され、ギア部51よりも小径に設定された支承部52が重なるように隣接配置されている。そして、ウォームホイール5は、ギア部51がウォームギア43と噛合しつつ、ホイール収容部45に収容された状態で、駆動ケース44とともにフレーム2に組付けられる。フレーム2に組付けられた状態で、ウォームホイール5は、ホイール収容部45に設けられた円弧状の支承円弧46と、ホイール受部22の円弧部分とで挟持されつつ、円周方向に沿った施錠回転方向R1と、解錠回転方向R2(施錠回転方向R1とは逆方向)に回動自在に支承される。
【0022】
また、カム部材としてウォームホイール5の一側端面には、カム突起53が一体に突設されている。カム突起53は、解錠カム部54と施錠カム部55とで構成され、ウォームホイール5側から解錠カム部54、施錠カム部55の順で、ウォームホイール5の回転面に重ねるように並列配置されている。
【0023】
解錠カム部54のウォームホイール5の回転方向に沿った周面には、解錠カム面54aが設けられ、施錠カム部55のウォームホイール5の回転方向に沿った周面には、施錠カム面55aが設けられている。
【0024】
解錠カム面54aのカムプロフィールは、解錠保持部54bと、施錠補助部54dと、漸変部54cとで構成されている。解錠保持部54bは、ウォームホイール5の回転中心Oからカム面までの距離Kが、一定、且つ解錠位置に移動したロック部材6を解錠位置に保持する寸法に設定されている。施錠補助部54dは、距離Kが一定、且つ施錠位置に到達したロック部材6がさらに施錠方向へ移動しないように後述する解錠腕部61bと当接する寸法に設定されている。
【0025】
漸変部54cは、ウォームホイール5の回転とともに距離Kが徐々に変化するように設定されている。特に、施錠位置に位置するロック部材6がステアリングシャフト(図示せず)のシャフト側突部(図示せず)から離間するまでの間は、ウォームホイール5の回転に対する距離Kの変化量が小さく設定されている。つまり、後述するロック本体62の先端部62aが、シャフト側突部から離間するまでは、引抜きトルクを優先し、先端部62aがシャフト側突部から離間した後は、移動距離を優先するカムプロフィールに設定されている。
【0026】
漸変部54cを上記のように設定する理由として、施錠中にステアリングシャフトが回転し、ロック本体62の先端部62aがステアリングシャフトのシャフト側突部に噛み込んでしまうことが挙げられる。このような場合、ウォームホイール5の回転に対する距離Kの変化量が一定となるようにカムプロフィールが設定されていると、駆動源である電動モータ41の限られた出力では、ロック本体62を引抜くことができないおそれがある。そこで、できるだけ小さい出力(大きさ)の電動モータ41で、ロック本体62を確実に引抜くために、ウォームホイール5の回転に対する距離Kの変化量を小さくし、引抜きトルクを稼いでいる。
【0027】
施錠カム面55aのカムプロフィールは、施錠保持部55bと、解錠補助部55dと、施錠突部55cとで構成されている。施錠保持部55bは、距離Kが一定、且つ施錠位置に移動したロック部材6を施錠位置に保持する寸法に設定されている。解錠補助部55dは、距離Kが一定、且つ解錠位置に到達したロック部材6がさらに解錠方向へ移動しないように施錠腕部61cと当接する寸法に設定されている。
【0028】
施錠突部55cは、施錠保持部55bの施錠回転方向R1前端に設定された角部である。施錠突部55cは、ウォームホイール5が施錠回転方向R1に回転する際に、後述する施錠腕部61c上を摺接移動しながら、ロック部材6を施錠位置へスライドさせる。そして、ロック部材6が施錠位置へ到達した後は、施錠突部55cが施錠腕部61cから離れて、施錠保持部55bが施錠腕部61c上に位置し、ロック部材6を施錠位置に保持する。
【0029】
ロック部材6は、ハンガー61と、ロック本体62と、退避バネ63とで構成されている。また、ロック部材6は、ロックガイド孔23に設定された施錠位置と解錠位置との間を移動自在に配置されている。
【0030】
ハンガー61は、ロック部材6の後端側を構成し、ロックガイド孔23に沿った方向(スライド方向S1)に沿って形成される基部61aと、基部61aの後端側に、スライド方向S1に対して直交する方向(直交方向S2)に沿って、且つ解錠カム面54a上を摺接可能に延設される解錠腕部61bと、基部61aの先端側に、直交方向S2に沿って、且つ施錠カム面55a上を摺接可能に延設される施錠腕部61cとで、略コ字形状に形成されている。
【0031】
また、ハンガー61の基部61aには、矩形形状の凹部からなり、後述するロック本体62の連係部62bと連係する連係受部61dが設けられている。解錠腕部61bは、ロック部材6が解錠位置への移動が完了した解錠状態において、解錠腕部61bと解錠カム面54aの解錠保持部54bとの接点P1と、ウォームホイール5の回転中心Oとを結ぶ直線L1が、スライド方向S1に対して平行になるよう設定されている。また、施錠腕部61cについても、ロック部材6が施錠位置への移動が完了した施錠状態において、施錠腕部61cと施錠カム面55aの施錠保持部55bとの接点P2と、ウォームホイール5の回転中心Oとを結ぶ直線L2が、スライド方向S1に対して平行になるよう設定されている。
【0032】
ロック本体62は、ロック部材6の先端側を構成し、先端側にステアリングシャフト(図示せず)のシャフト側突部(図示せず)と係合する先端部62aと、後端側に鉤形状を備え、ハンガー61の連係受部61dと連係する連係部62bが設けられている。連係部62bは、ハンガー61の連係受部61d内をスライド方向S1に沿って移動可能に設定されている。また、ロック本体62の側面には、直交方向S2に沿って形成される補助ロック溝62cを備えている。退避バネ63は、ハンガー61の連係受部61dと、連係受部61d内に挿入されたロック本体62の連係部62bとの間に圧縮挟持され、圧縮反力によってロック本体62を先端側へ付勢保持している。ロック部材6は、施錠位置と解錠位置との間を移動自在にロックガイド孔23内に挿入されている。
【0033】
補助ロック手段7は、スライダ71と、巻バネ72と、ピン33と、補助ロック溝62cとで構成されている。
【0034】
スライダ71は、軸形状を備え、直交方向S2に沿って設定される補助ロック解除位置と補助ロック位置との間を移動自在に配置されている。また、スライダ71は、補助ロック解除位置に位置した状態で、ロック本体62から離間しつつ、補助ロック収容室25内に収容される。スライダ71は、補助ロック位置に位置した状態で、施錠位置に位置するロック本体62の補助ロック溝62c内に位置しつつ、ロックガイド孔23と係合し、ロック部材6の解錠位置への移動を規制する。また、スライダ71は、巻バネ72とともに補助ロックケース74に収容された状態で、フレーム2の補助ロック収容室25に組付けられる。そして、巻バネ72は、補助ロック収容室25に組付けられた状態で、スライダ71を補助ロック解除位置側から補助ロック側へ付勢する。
【0035】
ピン33は、カバー3の内面に突設され、カバー3がフレーム2に組付けられた状態で、その先端が、補助ロック解除位置に位置するスライダ71の係合突起73に係合し、スライダ71が補助ロック解除位置に保持される。また、カバー3がフレーム2から脱落したり、フレーム2上を移動すると、ピン33と係合突起73との係合が外れ、巻バネ72の付勢力によって、スライダ71が補助ロック位置へ移動する。
【0036】
ホイール外れ防止手段8は、図10〜図12に示すように、収容部21の底面からウォームホイール5の回転中心に向かって立設し、先端が鉤状に屈曲した外れ防止突起81と、ウォームホイール5の他端側端面に回転面に沿って形成される外れ防止溝82とで構成されている。外れ防止溝82は、ウォームホイール5の径方向に延設される着脱部82aと、着脱部82aに連通しつつ、回転中心Oからの距離が一定に設定された円弧状の外れ防止部82bとで構成され、着脱部82aと外れ防止部82bの溝内を外れ防止突起81の先端部分が移動するように各寸法が設定されている。また、着脱部82aは、ウォームホイール5を解錠状態の向きで収容部21の正面側から組付ける際に、外れ防止部82bと対向する位置に形成されている。
【0037】
このような構成とすることで、解錠状態では、外れ防止突起81が着脱部82a内を移動可能なため、ウォームホイール5をホイール受部22に着脱することが可能となり、施錠状態では、外れ防止突起81が外れ防止溝82内に位置するため、ウォームホイール5がホイール受部22から取外されることを防止する。
【0038】
次に、上記電動ステアリングロック装置1の組立手順を説明する。まず、退避バネ63を挟持しつつ、ハンガー61にロック本体62を組付けてロック部材6を組立てる。次に、駆動手段4を駆動ケース44に組込みつつ、ウォームホイール5を解錠状態の向きに配置した状態で、ホイール収容部45に収容する。そして、ホイール収容部45に収容されたウォームホイール5のカム突起53に組上がったロック部材6を連係させつつ、駆動ケース44をフレーム2の正面側から収容部21に設置する。ここで、駆動ケース44を設置する際に、ウォームホイール5の着脱部82aに外れ防止突起81の先端部分81aを挿入する。そして、フレーム2の正面側から収容部21を覆うようにカバー3をフレーム2に組付ける。ここで、カバー3を組付ける際に、ピン33の先端を収容部21の底面から補助ロック収容室25に通じる挿通孔27に挿入する。
【0039】
次に、補助ロックケース74内に巻バネ72を圧縮した状態でスライダ71とともに組込む。そして、組上がった補助ロックケース74をフレーム2の背面側から補助ロック収容室25に組付ける。ここで、補助ロックケース74を組付ける際に、補助ロック収容室25内に突出するピン33の先端部分をスライダ71の係合突起73に係合させ、スライダ71を補助ロック解除位置に保持する。
【0040】
次に、上記電動ステアリングロック装置1の動作を説明する。まず、施錠状態では、図3(a)、(b)に示すように、施錠カム面55aの施錠保持部55bが施錠腕部61c上に当接しつつ、解錠カム面54aの施錠補助部54dが解錠腕部61b上に当接している。また、施錠状態では、施錠腕部61cと施錠保持部55bとの接点P2と、ウォームホイール5の回転中心Oとを結ぶ直線L2が、スライド方向に対して平行になっている。なお、施錠状態では、ロック本体62の先端部62aが脚部24の間からフレーム2の背面側に突出して、ステアリングシャフトのシャフト側突部と係合し、ステアリングシャフトの回転を規制するステアリングロック状態となる。
【0041】
施錠状態から解錠状態へ移行する際には、電動モータ41によって、ウォームホイール5が解錠回転方向R2に回転し、解錠カム面54aの漸変部54cが解錠腕部61b上を摺接したまま、施錠カム面55aが施錠腕部61cから離間する。さらにウォームホイール5が解錠回転方向R2に回転すると、図4(a)、(b)に示すように、漸変部54cの距離Kが徐々に大きくなり、解錠カム面54aがロック部材6を解錠方向へスライドさせ、解錠状態に移行する。
【0042】
解錠状態では、図5(a)、(b)に示すように、解錠カム面54aの解錠保持部54bが解錠腕部61b上に当接しつつ、施錠カム面55aの解錠補助部55dが施錠腕部61c上に当接している。また、解錠状態では、解錠腕部61bと解錠保持部54bとの接点P1と、ウォームホイール5の回転中心Oとを結ぶ直線L1が、スライド方向に対して平行になっている。なお、解錠状態では、ロック部材6がロックガイド孔23内に収容され、先端部62aがステアリングシャフトから離間するため、ステアリングシャフトの回転が許容されるステアリングロック解除状態となる。
【0043】
解錠状態から施錠状態へ移行する際には、電動モータ41によって、ウォームホイール5が施錠回転方向R1に回転し、解錠カム面54aが解錠腕部61bから離間する。さらにウォームホイール5が施錠回転方向R1に回転すると、施錠カム面55aの施錠突部55cが施錠腕部61c上を摺接しながら、ロック部材6を施錠方向へスライドさせる。そして、ロック部材6が施錠位置へ到達した後は、施錠突部55cが施錠腕部61cから離れて、施錠保持部55bが施錠腕部61c上に位置しつつ、解錠カム面54aが解錠腕部61b上に位置し、施錠状態に移行する。
【0044】
また、解錠位置から施錠位置へ移動する途中で、ロック本体62の先端部62aが、ステアリングシャフトのシャフト側突部に乗上げてしまった場合には、ハンガー61が施錠位置側へ移動を続けつつ、退避バネ63が圧縮されて、ロック部材6が収縮する。そして、ステアリングシャフトが回転し、シャフト側突部が移動したところで、退避バネ63が伸張して、ロック本体62が施錠位置へ移動しつつ、先端部62aがシャフト側突部と係合し、ステアリングシャフトの回転を規制する。
【0045】
また、上記施錠状態では、図7に示すように、補助ロック解除位置に位置するスライダ71は、巻バネ72の付勢力によって補助ロック位置側に付勢保持されている。これによって、不正解錠行為によってフレーム2からカバー3が取外されたり、フレーム2上をカバー3が移動した場合、図8に示すように、カバー3のピン33がスライダ71の係合突起73から離脱し、スライダ71が補助ロック溝62cを通じて、補助ロック解除位置から補助ロック位置へ移動し、スライダ71がロック本体62とロックガイド孔23との間で係合する。これによって、ロック部材6(ハンガー61およびロック本体62)の移動が阻止され、ロック本体62による施錠状態が保持される。
【0046】
そして、さらなる不正解錠行為により、駆動ケース44が取外されると、ウォームホイール5が剥き出しになる。このような状態から、ウォームホイール5を取除こうとしても、フレーム2の外れ防止突起81がウォームホイール5の外れ防止溝82の外れ防止部82bと係合しているため、ウォームホイール5を取除くことはできない。
【0047】
以上のことから、ウォームホイール5の施錠回転方向R1への回転によって、施錠腕部61cを介して施錠カム部55がロック部材6を施錠位置へ移動し、ウォームホイール5の解錠回転方向R2への回転によって、解錠腕部61bを介して解錠カム部54がロック部材6を解錠位置へ移動する。これにより、ロック部材6をカム面に追従させるための付勢バネを用いることなく、ロック部材6を施錠位置と解錠位置との間で移動させることができる。
【0048】
また、施錠状態では、施錠カム部55がロック部材6を施錠位置に保持するとともに、ロック部材6の解錠位置への移動を規制するため、不正解錠を目的として、施錠状態の電動ステアリングロック装置1に外力が加えられた際に、外力の反動でロック部材6が解錠位置へ移動することが無い。これにより、防盗性を向上することができる。
【0049】
施錠腕部61cと施錠カム面55aの施錠保持部55bとの接点P2と、ウォームホイール5の回転中心Oとを結ぶ直線L1が、スライド方向S1に対して平行であることで、不正解錠を目的として、施錠状態の電動ステアリングロック装置1に、ロック部材6の移動方向に沿って外部から衝撃力が加えられた場合に、施錠腕部61cを介してウォームホイール5に掛かる荷重がウォームホイール5の回転中心Oに向かうため、ウォームホイール5を回転させる力が発生せず、ロック部材6が解錠位置側へ移動することはない。これにより、さらに防盗性を向上することができる。
【0050】
解錠腕部61bと解錠カム面54aの解錠保持部54bとの接点P1と、ウォームホイール5の回転中心Oとを結ぶ直線L1が、スライド方向S1に対して平行であることで、解錠状態の電動ステアリングロック装置1に、外部から振動などが加わった場合に、解錠腕部61bを介してウォームホイール5に掛かる荷重がウォームホイール5の回転中心Oに向かうため、ウォームホイール5を回転させる力が発生せず、ロック部材6が施錠位置側へ移動することはない。これにより、作動信頼性を向上することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…電動ステアリングロック装置(錠装置)
3…フレーム
5…ウォームホイール(カム部材)
6…ロック部材
53…カム突起
54…解錠カム部
54a…解錠カム面
55…施錠カム部
55a…施錠カム面
61b…解錠腕部
61c…施錠腕部
P1、P2…接点
L1、L2…直線
O…回転中心
R1…施錠回転方向
R2…解錠回転方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動部材に係合し、可動部材をロック状態にする錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の錠装置としては、特許文献1に開示されたものがある。この錠装置は、電動ステアリングロック装置101として、図14に示すように、電動モータ141とウォームギア143とで構成される駆動手段104と、円形の外周にウォームギア143が噛合するウォームホイール105と、ウォームホイール105の一面側に突設され、回転方向に沿った周面にカム面153aが形成されたカム突起153と、カム面153a上を摺接しつつ、施錠位置と解錠位置との間を移動自在に配置されたロック部材106と、ロック部材106を解錠位置側から施錠位置側に向かって付勢する付勢バネ106aとを備えている。
【0003】
上記構成において、ロック部材106が施錠位置に位置した状態から、駆動手段104を解錠動作させると、ウォームギア143によってウォームホイール105が解錠回転方向に回転し、カム面153aによってカム面153a上を摺接するロック部材106が、付勢バネ106aの付勢力に抗いつつ、解錠位置へ移動する。解錠位置に位置するロック部材106は、フレーム102内に収容され、ステアリングシャフト110から離間した状態で保持されることで、ステアリングシャフト110は回動が可能となる。
【0004】
また、ロック部材106が解錠位置に位置した状態から、駆動手段を施錠動作させると、ウォームギア143によってウォームホイール105が解錠回転方向に回転し、付勢バネ106aの付勢力によってロック部材106がカム面153a上を摺接しつつ、施錠位置へ移動する。施錠位置に位置するロック部材106は、フレーム102から先端が突出し、突出した先端部162aがステアリングシャフト110と係合することで、ステアリングシャフトの回動を規制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2008−518840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、従来の電動ステアリングロック装置101では、付勢バネ106aの付勢力によってカム面153aにロック部材106を当接保持することで、ロック部材106がカム面153aに追従し、施錠位置と解錠位置との間を移動する構成のため、付勢力に抗いつつ、ロック部材を移動させるため、駆動力のロスとなってしまう。
【0007】
また、付勢バネ106aの付勢力によって、ロック部材106は施錠位置に付勢保持されるため、不正解錠を目的として、施錠状態の電動ステアリングロック装置101に外力が加えられた際に、外力の反動でロック部材が解錠位置へ移動し、解錠してしまうおそれがあった。
【0008】
そこで、本発明は、付勢バネを用いることなく、ロック部材を施錠位置と解錠位置との間で移動させることができる錠装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する請求項1の発明は、フレームに回動自在に支承されるカム部材と、該カム部材と一体に配置され、且つ該カム部材の回転方向に沿った周面に施錠カム面が形成される施錠カム部と、該カム部材の回転面に重ねるように該施錠カム部に並列配置され、且つ該カム部材の回転方向に沿った周面に解錠カム面が形成される解錠カム部と、該フレーム内に施錠位置と解錠位置との間を移動自在に配置されたロック部材と、該ロック部材から該施錠カム面上を摺接可能に延設される施錠腕部と、該ロック部材から該解錠カム面上を摺接可能に延設される解錠腕部とを備え、該カム部材が施錠回転方向に回転することで、該施錠カム面上を摺動する該施錠腕部を介して該ロック部材が施錠位置へ移動し、該カム部材が解錠回転方向に回転することで、該解錠カム面上を摺動する該解錠腕部を介して該ロック部材が解錠位置へ移動することを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の錠装置であって、前記ロック部材が施錠位置に位置する施錠状態において、前記施錠腕部と前記施錠カム面との接点と、前記カム部材の回転中心とを結ぶ直線が、該ロック部材の移動する方向に対して平行になるよう設定されたことを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1、または請求項2に記載の錠装置であって、前記ロック部材が解錠位置に位置する解錠状態において、前記解錠腕部と前記解錠カム面との接点と、前記カム部材の回転中心とを結ぶ直線が、該ロック部材の移動する方向に対して平行になるよう設定されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、カム部材の施錠回転方向への回転によって、施錠腕部を介して施錠カム部がロック部材を施錠位置へ移動し、カム部材の解錠回転方向への回転によって、解錠腕部を介して解錠カム部がロック部材を解錠位置へ移動する。これにより、ロック部材をカム面に追従させるための付勢バネを用いることなく、ロック部材を施錠位置と解錠位置との間で移動させることができる。
【0013】
また、施錠状態では、施錠カム部がロック部材を施錠位置に保持するとともに、ロック部材の解錠位置への移動を規制するため、不正解錠を目的として、施錠状態の錠装置に外力が加えられた際に、外力の反動でロック部材が解錠位置へ移動することが無い。これにより、防盗性を向上することができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、施錠腕部と施錠カム面との接点と、カム部材の回転中心とを結ぶ直線が、ロック部材の移動する方向に対して平行であることで、不正解錠を目的として、施錠状態の錠装置に、ロック部材の移動方向に沿って外部から衝撃力が加えられた場合に、施錠腕部を介してカム部材に掛かる荷重がカム部材の回転中心に向かうため、カム部材を回転させる力が発生せず、ロック部材が解錠位置側へ移動することはない。これにより、さらに防盗性を向上することができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、解錠腕部と解錠カム面との接点と、カム部材の回転中心とを結ぶ直線が、ロック部材の移動する方向に対して平行であることで、解錠状態の錠装置に、外部から振動などが加わった場合に、解錠腕部を介してカム部材に掛かる荷重がカム部材の回転中心に向かうため、カム部材を回転させる力が発生せず、ロック部材が施錠位置側へ移動することはない。これにより、作動信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態を示し、電動ステアリングロック装置を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、(a)はカバーを取外した状態を示す正面図、(b)はカバーを取外した状態を示す側面図である。
【図3】本発明の一実施形態の施錠状態を示し、(a)は図2(a)のIIIa-IIIa線に沿った断面図、(b)は図2(b)のIIIb-IIIb線に沿った断面図である。
【図4】本発明の一実施形態の解錠途中の状態を示し、(a)は図2(a)のIIIa-IIIa線に沿った断面図、(b)は図2(b)のIIIb-IIIb線に沿った断面図である。
【図5】本発明の一実施形態の解錠状態を示し、(a)は図2(a)のIIIa-IIIa線に沿った断面図、(b)は図2(b)のIIIb-IIIb線に沿った断面図である。
【図6】本発明の一実施形態を示し、電動ステアリングロック装置の背面図である。
【図7】本発明の一実施形態の補助ロック手段が作動する前の状態を示し、図6のVII-VII線に沿った断面図である。
【図8】本発明の一実施形態の補助ロック手段が作動した後の状態を示し、図6のVII-VII線に沿った断面図である。
【図9】本発明の一実施形態を示し、カバーと駆動手段を取外した状態を示す正面図である。
【図10】本発明の一実施形態の解錠状態を示し、(a)は図9のX-X線に沿った断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図11】本発明の一実施形態の解錠状態を示し、(a)は図9のXI-XI線に沿った断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図12】本発明の一実施形態の施錠状態を示し、(a)は図9のX-X線に沿った断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図13】本発明の一実施形態の施錠状態を示し、(a)は図9のXI-XI線に沿った断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図14】従来技術の電動ステアリングロック装置を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の錠装置は、電動ステアリングロック装置1として、自動車のステアリングシャフト(図示せず)を収容するステアリングコラム装置(図示せず)に取付けられる。電動ステアリングロック装置1は、図1〜図13に示すように、フレーム2と、フレーム2の正面側を被うカバー3とを有し、カバー3で覆われたフレーム2の収容部21には駆動手段4、ウォームホイール5、およびロック部材6が収容されている。そして、施錠状態では、ロック部材6がフレーム2から突出し、ロック部材6の先端部62aがステアリングシャフトに設けられたシャフト側突部(図示せず)と係合し、ステアリングシャフトの回転を規制する。また、解錠状態では、ロック部材6がフレーム2内に収容され、ステアリングシャフトからは離間しているので、ステアリングシャフトの回転を許容する。
【0018】
フレーム2は、収容部21に円弧状のホイール受部22を備えており、ホイール受部22の円弧部分にウォームホイール5が回動可能に配置される。また、ホイール受部22には、ホイール外れ防止手段8が設けられている。フレーム2には、収容部21と背面側とを貫通するロックガイド孔23が形成され、ロックガイド孔23内にロック部材6が移動自在に挿通される。フレーム2の背面側には、ステアリングコラム装置を跨ぐように二股状の脚部24が突設されており、脚部24の一方の根元部分には、補助ロック手段7が配設される補助ロック収容室25が設けられている。
【0019】
カバー3は、一面が開口する箱形状を備え、開口縁31に設けた係止部32と、フレーム2の収容部21周縁に設けられた係合部26とを係合することで、カバー3がフレーム2に固定される。また、カバー3の内側底部には、補助ロック手段7を構成する軸形状を有するピン33が開口側に向かって突設されている。
【0020】
駆動手段4は、電動モータ41と、電動モータ41の駆動軸42に組付けられたウォームギア43とで構成され、駆動ケース44に収容された状態でフレーム2の収容部21に配設されている。また、駆動ケース44には、ホイール収容部45が設けられており、ウォームホイール5が収容される。
【0021】
ウォームホイール5は、略円柱形状を備え、円周面上の周方向に1周するギア部51が設けられている。このギア部51は、ウォームギア43と噛合可能な歯車となっている。ギア部51の両脇には、断面形状が円形に設定され、ギア部51よりも小径に設定された支承部52が重なるように隣接配置されている。そして、ウォームホイール5は、ギア部51がウォームギア43と噛合しつつ、ホイール収容部45に収容された状態で、駆動ケース44とともにフレーム2に組付けられる。フレーム2に組付けられた状態で、ウォームホイール5は、ホイール収容部45に設けられた円弧状の支承円弧46と、ホイール受部22の円弧部分とで挟持されつつ、円周方向に沿った施錠回転方向R1と、解錠回転方向R2(施錠回転方向R1とは逆方向)に回動自在に支承される。
【0022】
また、カム部材としてウォームホイール5の一側端面には、カム突起53が一体に突設されている。カム突起53は、解錠カム部54と施錠カム部55とで構成され、ウォームホイール5側から解錠カム部54、施錠カム部55の順で、ウォームホイール5の回転面に重ねるように並列配置されている。
【0023】
解錠カム部54のウォームホイール5の回転方向に沿った周面には、解錠カム面54aが設けられ、施錠カム部55のウォームホイール5の回転方向に沿った周面には、施錠カム面55aが設けられている。
【0024】
解錠カム面54aのカムプロフィールは、解錠保持部54bと、施錠補助部54dと、漸変部54cとで構成されている。解錠保持部54bは、ウォームホイール5の回転中心Oからカム面までの距離Kが、一定、且つ解錠位置に移動したロック部材6を解錠位置に保持する寸法に設定されている。施錠補助部54dは、距離Kが一定、且つ施錠位置に到達したロック部材6がさらに施錠方向へ移動しないように後述する解錠腕部61bと当接する寸法に設定されている。
【0025】
漸変部54cは、ウォームホイール5の回転とともに距離Kが徐々に変化するように設定されている。特に、施錠位置に位置するロック部材6がステアリングシャフト(図示せず)のシャフト側突部(図示せず)から離間するまでの間は、ウォームホイール5の回転に対する距離Kの変化量が小さく設定されている。つまり、後述するロック本体62の先端部62aが、シャフト側突部から離間するまでは、引抜きトルクを優先し、先端部62aがシャフト側突部から離間した後は、移動距離を優先するカムプロフィールに設定されている。
【0026】
漸変部54cを上記のように設定する理由として、施錠中にステアリングシャフトが回転し、ロック本体62の先端部62aがステアリングシャフトのシャフト側突部に噛み込んでしまうことが挙げられる。このような場合、ウォームホイール5の回転に対する距離Kの変化量が一定となるようにカムプロフィールが設定されていると、駆動源である電動モータ41の限られた出力では、ロック本体62を引抜くことができないおそれがある。そこで、できるだけ小さい出力(大きさ)の電動モータ41で、ロック本体62を確実に引抜くために、ウォームホイール5の回転に対する距離Kの変化量を小さくし、引抜きトルクを稼いでいる。
【0027】
施錠カム面55aのカムプロフィールは、施錠保持部55bと、解錠補助部55dと、施錠突部55cとで構成されている。施錠保持部55bは、距離Kが一定、且つ施錠位置に移動したロック部材6を施錠位置に保持する寸法に設定されている。解錠補助部55dは、距離Kが一定、且つ解錠位置に到達したロック部材6がさらに解錠方向へ移動しないように施錠腕部61cと当接する寸法に設定されている。
【0028】
施錠突部55cは、施錠保持部55bの施錠回転方向R1前端に設定された角部である。施錠突部55cは、ウォームホイール5が施錠回転方向R1に回転する際に、後述する施錠腕部61c上を摺接移動しながら、ロック部材6を施錠位置へスライドさせる。そして、ロック部材6が施錠位置へ到達した後は、施錠突部55cが施錠腕部61cから離れて、施錠保持部55bが施錠腕部61c上に位置し、ロック部材6を施錠位置に保持する。
【0029】
ロック部材6は、ハンガー61と、ロック本体62と、退避バネ63とで構成されている。また、ロック部材6は、ロックガイド孔23に設定された施錠位置と解錠位置との間を移動自在に配置されている。
【0030】
ハンガー61は、ロック部材6の後端側を構成し、ロックガイド孔23に沿った方向(スライド方向S1)に沿って形成される基部61aと、基部61aの後端側に、スライド方向S1に対して直交する方向(直交方向S2)に沿って、且つ解錠カム面54a上を摺接可能に延設される解錠腕部61bと、基部61aの先端側に、直交方向S2に沿って、且つ施錠カム面55a上を摺接可能に延設される施錠腕部61cとで、略コ字形状に形成されている。
【0031】
また、ハンガー61の基部61aには、矩形形状の凹部からなり、後述するロック本体62の連係部62bと連係する連係受部61dが設けられている。解錠腕部61bは、ロック部材6が解錠位置への移動が完了した解錠状態において、解錠腕部61bと解錠カム面54aの解錠保持部54bとの接点P1と、ウォームホイール5の回転中心Oとを結ぶ直線L1が、スライド方向S1に対して平行になるよう設定されている。また、施錠腕部61cについても、ロック部材6が施錠位置への移動が完了した施錠状態において、施錠腕部61cと施錠カム面55aの施錠保持部55bとの接点P2と、ウォームホイール5の回転中心Oとを結ぶ直線L2が、スライド方向S1に対して平行になるよう設定されている。
【0032】
ロック本体62は、ロック部材6の先端側を構成し、先端側にステアリングシャフト(図示せず)のシャフト側突部(図示せず)と係合する先端部62aと、後端側に鉤形状を備え、ハンガー61の連係受部61dと連係する連係部62bが設けられている。連係部62bは、ハンガー61の連係受部61d内をスライド方向S1に沿って移動可能に設定されている。また、ロック本体62の側面には、直交方向S2に沿って形成される補助ロック溝62cを備えている。退避バネ63は、ハンガー61の連係受部61dと、連係受部61d内に挿入されたロック本体62の連係部62bとの間に圧縮挟持され、圧縮反力によってロック本体62を先端側へ付勢保持している。ロック部材6は、施錠位置と解錠位置との間を移動自在にロックガイド孔23内に挿入されている。
【0033】
補助ロック手段7は、スライダ71と、巻バネ72と、ピン33と、補助ロック溝62cとで構成されている。
【0034】
スライダ71は、軸形状を備え、直交方向S2に沿って設定される補助ロック解除位置と補助ロック位置との間を移動自在に配置されている。また、スライダ71は、補助ロック解除位置に位置した状態で、ロック本体62から離間しつつ、補助ロック収容室25内に収容される。スライダ71は、補助ロック位置に位置した状態で、施錠位置に位置するロック本体62の補助ロック溝62c内に位置しつつ、ロックガイド孔23と係合し、ロック部材6の解錠位置への移動を規制する。また、スライダ71は、巻バネ72とともに補助ロックケース74に収容された状態で、フレーム2の補助ロック収容室25に組付けられる。そして、巻バネ72は、補助ロック収容室25に組付けられた状態で、スライダ71を補助ロック解除位置側から補助ロック側へ付勢する。
【0035】
ピン33は、カバー3の内面に突設され、カバー3がフレーム2に組付けられた状態で、その先端が、補助ロック解除位置に位置するスライダ71の係合突起73に係合し、スライダ71が補助ロック解除位置に保持される。また、カバー3がフレーム2から脱落したり、フレーム2上を移動すると、ピン33と係合突起73との係合が外れ、巻バネ72の付勢力によって、スライダ71が補助ロック位置へ移動する。
【0036】
ホイール外れ防止手段8は、図10〜図12に示すように、収容部21の底面からウォームホイール5の回転中心に向かって立設し、先端が鉤状に屈曲した外れ防止突起81と、ウォームホイール5の他端側端面に回転面に沿って形成される外れ防止溝82とで構成されている。外れ防止溝82は、ウォームホイール5の径方向に延設される着脱部82aと、着脱部82aに連通しつつ、回転中心Oからの距離が一定に設定された円弧状の外れ防止部82bとで構成され、着脱部82aと外れ防止部82bの溝内を外れ防止突起81の先端部分が移動するように各寸法が設定されている。また、着脱部82aは、ウォームホイール5を解錠状態の向きで収容部21の正面側から組付ける際に、外れ防止部82bと対向する位置に形成されている。
【0037】
このような構成とすることで、解錠状態では、外れ防止突起81が着脱部82a内を移動可能なため、ウォームホイール5をホイール受部22に着脱することが可能となり、施錠状態では、外れ防止突起81が外れ防止溝82内に位置するため、ウォームホイール5がホイール受部22から取外されることを防止する。
【0038】
次に、上記電動ステアリングロック装置1の組立手順を説明する。まず、退避バネ63を挟持しつつ、ハンガー61にロック本体62を組付けてロック部材6を組立てる。次に、駆動手段4を駆動ケース44に組込みつつ、ウォームホイール5を解錠状態の向きに配置した状態で、ホイール収容部45に収容する。そして、ホイール収容部45に収容されたウォームホイール5のカム突起53に組上がったロック部材6を連係させつつ、駆動ケース44をフレーム2の正面側から収容部21に設置する。ここで、駆動ケース44を設置する際に、ウォームホイール5の着脱部82aに外れ防止突起81の先端部分81aを挿入する。そして、フレーム2の正面側から収容部21を覆うようにカバー3をフレーム2に組付ける。ここで、カバー3を組付ける際に、ピン33の先端を収容部21の底面から補助ロック収容室25に通じる挿通孔27に挿入する。
【0039】
次に、補助ロックケース74内に巻バネ72を圧縮した状態でスライダ71とともに組込む。そして、組上がった補助ロックケース74をフレーム2の背面側から補助ロック収容室25に組付ける。ここで、補助ロックケース74を組付ける際に、補助ロック収容室25内に突出するピン33の先端部分をスライダ71の係合突起73に係合させ、スライダ71を補助ロック解除位置に保持する。
【0040】
次に、上記電動ステアリングロック装置1の動作を説明する。まず、施錠状態では、図3(a)、(b)に示すように、施錠カム面55aの施錠保持部55bが施錠腕部61c上に当接しつつ、解錠カム面54aの施錠補助部54dが解錠腕部61b上に当接している。また、施錠状態では、施錠腕部61cと施錠保持部55bとの接点P2と、ウォームホイール5の回転中心Oとを結ぶ直線L2が、スライド方向に対して平行になっている。なお、施錠状態では、ロック本体62の先端部62aが脚部24の間からフレーム2の背面側に突出して、ステアリングシャフトのシャフト側突部と係合し、ステアリングシャフトの回転を規制するステアリングロック状態となる。
【0041】
施錠状態から解錠状態へ移行する際には、電動モータ41によって、ウォームホイール5が解錠回転方向R2に回転し、解錠カム面54aの漸変部54cが解錠腕部61b上を摺接したまま、施錠カム面55aが施錠腕部61cから離間する。さらにウォームホイール5が解錠回転方向R2に回転すると、図4(a)、(b)に示すように、漸変部54cの距離Kが徐々に大きくなり、解錠カム面54aがロック部材6を解錠方向へスライドさせ、解錠状態に移行する。
【0042】
解錠状態では、図5(a)、(b)に示すように、解錠カム面54aの解錠保持部54bが解錠腕部61b上に当接しつつ、施錠カム面55aの解錠補助部55dが施錠腕部61c上に当接している。また、解錠状態では、解錠腕部61bと解錠保持部54bとの接点P1と、ウォームホイール5の回転中心Oとを結ぶ直線L1が、スライド方向に対して平行になっている。なお、解錠状態では、ロック部材6がロックガイド孔23内に収容され、先端部62aがステアリングシャフトから離間するため、ステアリングシャフトの回転が許容されるステアリングロック解除状態となる。
【0043】
解錠状態から施錠状態へ移行する際には、電動モータ41によって、ウォームホイール5が施錠回転方向R1に回転し、解錠カム面54aが解錠腕部61bから離間する。さらにウォームホイール5が施錠回転方向R1に回転すると、施錠カム面55aの施錠突部55cが施錠腕部61c上を摺接しながら、ロック部材6を施錠方向へスライドさせる。そして、ロック部材6が施錠位置へ到達した後は、施錠突部55cが施錠腕部61cから離れて、施錠保持部55bが施錠腕部61c上に位置しつつ、解錠カム面54aが解錠腕部61b上に位置し、施錠状態に移行する。
【0044】
また、解錠位置から施錠位置へ移動する途中で、ロック本体62の先端部62aが、ステアリングシャフトのシャフト側突部に乗上げてしまった場合には、ハンガー61が施錠位置側へ移動を続けつつ、退避バネ63が圧縮されて、ロック部材6が収縮する。そして、ステアリングシャフトが回転し、シャフト側突部が移動したところで、退避バネ63が伸張して、ロック本体62が施錠位置へ移動しつつ、先端部62aがシャフト側突部と係合し、ステアリングシャフトの回転を規制する。
【0045】
また、上記施錠状態では、図7に示すように、補助ロック解除位置に位置するスライダ71は、巻バネ72の付勢力によって補助ロック位置側に付勢保持されている。これによって、不正解錠行為によってフレーム2からカバー3が取外されたり、フレーム2上をカバー3が移動した場合、図8に示すように、カバー3のピン33がスライダ71の係合突起73から離脱し、スライダ71が補助ロック溝62cを通じて、補助ロック解除位置から補助ロック位置へ移動し、スライダ71がロック本体62とロックガイド孔23との間で係合する。これによって、ロック部材6(ハンガー61およびロック本体62)の移動が阻止され、ロック本体62による施錠状態が保持される。
【0046】
そして、さらなる不正解錠行為により、駆動ケース44が取外されると、ウォームホイール5が剥き出しになる。このような状態から、ウォームホイール5を取除こうとしても、フレーム2の外れ防止突起81がウォームホイール5の外れ防止溝82の外れ防止部82bと係合しているため、ウォームホイール5を取除くことはできない。
【0047】
以上のことから、ウォームホイール5の施錠回転方向R1への回転によって、施錠腕部61cを介して施錠カム部55がロック部材6を施錠位置へ移動し、ウォームホイール5の解錠回転方向R2への回転によって、解錠腕部61bを介して解錠カム部54がロック部材6を解錠位置へ移動する。これにより、ロック部材6をカム面に追従させるための付勢バネを用いることなく、ロック部材6を施錠位置と解錠位置との間で移動させることができる。
【0048】
また、施錠状態では、施錠カム部55がロック部材6を施錠位置に保持するとともに、ロック部材6の解錠位置への移動を規制するため、不正解錠を目的として、施錠状態の電動ステアリングロック装置1に外力が加えられた際に、外力の反動でロック部材6が解錠位置へ移動することが無い。これにより、防盗性を向上することができる。
【0049】
施錠腕部61cと施錠カム面55aの施錠保持部55bとの接点P2と、ウォームホイール5の回転中心Oとを結ぶ直線L1が、スライド方向S1に対して平行であることで、不正解錠を目的として、施錠状態の電動ステアリングロック装置1に、ロック部材6の移動方向に沿って外部から衝撃力が加えられた場合に、施錠腕部61cを介してウォームホイール5に掛かる荷重がウォームホイール5の回転中心Oに向かうため、ウォームホイール5を回転させる力が発生せず、ロック部材6が解錠位置側へ移動することはない。これにより、さらに防盗性を向上することができる。
【0050】
解錠腕部61bと解錠カム面54aの解錠保持部54bとの接点P1と、ウォームホイール5の回転中心Oとを結ぶ直線L1が、スライド方向S1に対して平行であることで、解錠状態の電動ステアリングロック装置1に、外部から振動などが加わった場合に、解錠腕部61bを介してウォームホイール5に掛かる荷重がウォームホイール5の回転中心Oに向かうため、ウォームホイール5を回転させる力が発生せず、ロック部材6が施錠位置側へ移動することはない。これにより、作動信頼性を向上することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…電動ステアリングロック装置(錠装置)
3…フレーム
5…ウォームホイール(カム部材)
6…ロック部材
53…カム突起
54…解錠カム部
54a…解錠カム面
55…施錠カム部
55a…施錠カム面
61b…解錠腕部
61c…施錠腕部
P1、P2…接点
L1、L2…直線
O…回転中心
R1…施錠回転方向
R2…解錠回転方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームに回動自在に支承されるカム部材と、
該カム部材と一体に配置され、且つ該カム部材の回転方向に沿った周面に施錠カム面が形成される施錠カム部と、
該カム部材の回転面に重ねるように該施錠カム部に並列配置され、且つ該カム部材の回転方向に沿った周面に解錠カム面が形成される解錠カム部と、
該フレーム内に施錠位置と解錠位置との間を移動自在に配置されたロック部材と、
該ロック部材から該施錠カム面上を摺接可能に延設される施錠腕部と、
該ロック部材から該解錠カム面上を摺接可能に延設される解錠腕部とを備え、
該カム部材が施錠回転方向に回転することで、該施錠カム面上を摺動する該施錠腕部を介して該ロック部材が施錠位置へ移動し、
該カム部材が解錠回転方向に回転することで、該解錠カム面上を摺動する該解錠腕部を介して該ロック部材が解錠位置へ移動することを特徴とする錠装置。
【請求項2】
請求項1に記載の錠装置であって、
前記ロック部材が施錠位置に位置する施錠状態において、
前記施錠腕部と前記施錠カム面との接点と、前記カム部材の回転中心とを結ぶ直線が、該ロック部材の移動する方向に対して平行になるよう設定されたことを特徴とする錠装置。
【請求項3】
請求項1、または請求項2に記載の錠装置であって、
前記ロック部材が解錠位置に位置する解錠状態において、
前記解錠腕部と前記解錠カム面との接点と、前記カム部材の回転中心とを結ぶ直線が、該ロック部材の移動する方向に対して平行になるよう設定されたことを特徴とする錠装置。
【請求項1】
フレームに回動自在に支承されるカム部材と、
該カム部材と一体に配置され、且つ該カム部材の回転方向に沿った周面に施錠カム面が形成される施錠カム部と、
該カム部材の回転面に重ねるように該施錠カム部に並列配置され、且つ該カム部材の回転方向に沿った周面に解錠カム面が形成される解錠カム部と、
該フレーム内に施錠位置と解錠位置との間を移動自在に配置されたロック部材と、
該ロック部材から該施錠カム面上を摺接可能に延設される施錠腕部と、
該ロック部材から該解錠カム面上を摺接可能に延設される解錠腕部とを備え、
該カム部材が施錠回転方向に回転することで、該施錠カム面上を摺動する該施錠腕部を介して該ロック部材が施錠位置へ移動し、
該カム部材が解錠回転方向に回転することで、該解錠カム面上を摺動する該解錠腕部を介して該ロック部材が解錠位置へ移動することを特徴とする錠装置。
【請求項2】
請求項1に記載の錠装置であって、
前記ロック部材が施錠位置に位置する施錠状態において、
前記施錠腕部と前記施錠カム面との接点と、前記カム部材の回転中心とを結ぶ直線が、該ロック部材の移動する方向に対して平行になるよう設定されたことを特徴とする錠装置。
【請求項3】
請求項1、または請求項2に記載の錠装置であって、
前記ロック部材が解錠位置に位置する解錠状態において、
前記解錠腕部と前記解錠カム面との接点と、前記カム部材の回転中心とを結ぶ直線が、該ロック部材の移動する方向に対して平行になるよう設定されたことを特徴とする錠装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−219571(P2012−219571A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88871(P2011−88871)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000170598)株式会社アルファ (433)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000170598)株式会社アルファ (433)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]