説明

鍛造ワークのフランジ反り矯正方法および矯正装置

【課題】 矯正力の安定した確保に好適な鍛造ワークのフランジ反り矯正方法を提供する。
【解決手段】 下型5に鍛造ワークWのフランジW1をその下面形状に沿って下面より支持する支持部21Aを配置し、上型6に鍛造ワークWのフランジW1の上面形状に沿って形成し、型閉めの途中段階から前記フランジW1上面に接触するストリッパ28と、スプリング38により下型側に突出付勢され且つ前記ストリッパ28に背面側から当接可能な矯正リテーナ29とを配置し、型閉めの終了直前から前記矯正リテーナ29をストリッパ28背面に当接させてストリッパ28に加圧力を加えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車軸のホイールハブに代表される外周側にフランジを備えるワークを多段式鍛造により製造する場合における鍛造ワークのフランジ反り矯正方法および矯正装置に関し、特に、内周側に貫通穴を備える鍛造ワークのフランジ反り矯正方法および矯正装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
外周側にフランジを備え且つ内周側に貫通穴を備える環状ワークを多段式鍛造により製造する場合には、一般に、例えば、3工程目でフランジを含む鍛造ワークの外周形状の仕上げ成形が実施され、その後の4工程目に配置されるピアス工程において内周貫通穴が成形される。前記仕上げ成形は、型彫りした下金型内に上金型のパンチが入り込む密閉鍛造が実施される場合には、成形後の鍛造ワークのノックアウト時にフランジ外周と下金型の型彫り面の側面とが接触しながら鍛造ワークが押上げられるため、両者の摩擦抵抗によりフランジが下型側に反る歪みを発生させる。
【0003】
このような歪みを矯正して形状精度を向上させる一方法として、ワークパンチとレシービングダイとによるコイニング加工により矯正するものが提案されている(特許文献1参照)。これは、上型が下降する過程でトリムダイとピアスパンチとのせん断作用により貫通穴を打ち抜くトリム成形工程と、前記トリム成形に続いて、上型が下死点位置に達する直前にレシービングダイをダイベースに、ワークパンチをピアスパンチにそれぞれ底突きさせて、下死点位置に達するまでの間にレシービングダイとワークパンチとにより製品形状部を上下から加圧拘束するコイニング加工工程を備えるようにしている。
【特許文献1】特開2001−347335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例では、レシービングダイとワークパンチの間に製品を挟み込み製品の反りを矯正(コイニング)するものであり、プレス下死点の位置により矯正力(矯正量)が変化するため、プレス下死点位置の微妙な調整が必要であった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、矯正力の安定した確保に好適な鍛造ワークのフランジ反り矯正方法および矯正装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、鍛造ワークの外周側に設けたフランジを鍛造型のプレスストロークにより厚み方向に加圧してその形状精度出しを行うフランジ反り矯正装置において、下型に鍛造ワークのフランジをその下面形状に沿って下面より支持する支持部を配置し、上型に鍛造ワークのフランジの上面形状に沿って形成し、型閉めの途中段階から前記フランジ上面に接触するストリッパと、弾性部材により下型側に突出付勢され且つ前記ストリッパに背面側から当接可能な矯正リテーナとを配置し、型閉めの終了直前から前記矯正リテーナをストリッパ背面に当接させてストリッパに加圧力を加えるようにした。
【発明の効果】
【0007】
したがって、本発明では、下型に鍛造ワークのフランジをその下面形状に沿って下面より支持する支持部を配置し、上型に鍛造ワークのフランジの上面形状に沿って形成し、型閉めの途中段階から前記フランジ上面に接触するストリッパと、弾性部材により下型側に突出付勢され且つ前記ストリッパに背面側から当接可能な矯正リテーナとを配置し、型閉めの終了直前から前記矯正リテーナをストリッパ背面に当接させてストリッパに加圧力を加えるようにしたため、矯正力(矯正量)はプレスのラムの動き、即ち、プレス下死点の位置に影響されることなく安定して確保することができ、フランジの潰し過ぎや矯正不足を生ずることなく、安定してフランジの矯正が実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の鍛造ワークのフランジ反り矯正方法および矯正装置を図1〜6に示す一実施形態に基づいて説明する。図1は本発明を適用する多段式鍛造機の部分断面図、図2は鍛造ワークのフランジ反り矯正装置の要部の拡大断面図、図3は多段式鍛造機の最終工程の鍛造型にフランジ反り矯正装置を適用した断面図、図4〜6はフランジ反り矯正装置の作動を鍛造機の最終工程の鍛造型の作動と共に示した作動状態の断面図、図7は仕上げ成形工程の鍛造型の作動状態を示す断面図である。
【0009】
図1は、多段式鍛造機の仕上げ成形工程およびピアス成形工程を構成する鍛造型を示している。先ず、仕上げ成形工程の鍛造型および仕上げ成形方法について説明し、その後に、ピアス成形工程の鍛造型およびピアス成形方法について説明する。
【0010】
前記仕上げ成形工程の鍛造型1は、型彫り空間11を備えるフィニッシュダイ10(以下ではダイとのみ称する)と、ダイ10をダイベース12に固定するダイホルダ13と、ダイ10の型彫り空間11にダイベース12側から臨む筒状のノックアウトパンチ14と、ノックアウトパンチ14内に摺動可能に配置された下側可動パンチ15とからなる下型2をプレス機のベース側に固定して備える。下側可動パンチ15およびノックアウトパンチ14は夫々プレス機のベース側から型彫り空間11に突出させる図示しない駆動機構を備える。プレス機のラムに固定する上型3は、ダイ10の型彫り空間11に嵌合してワークWを加圧する筒状のパンチ16と、パンチ16をパンチケース17に保持固定するパンチホルダ18Aおよび締め付けリング18Bと、パンチ16内に摺動可能に配置された上側可動パンチ19とを備える。上側可動パンチ19はラムとは独立して型彫り空間に向けて突出させる図示しない駆動機構を備える。
【0011】
前記仕上げ成形工程では、ダイ10の型彫り空間11に投入されたワークWをダイ10の型彫り空間11表面と後退位置に位置する下側可動パンチ15およびノックアウトパンチ14の先端で支持する。次いで、ラムの下降により上型3を型閉め方向に下降せ、パンチ16先端をダイ10の型彫り空間11内に押込み、型彫り空間11に挿入されたワークWを型彫り空間11内で密閉鍛造により塑性変形させて、型彫り空間11の表面に沿わせて成形する。最終的には、上側可動パンチ19と下側可動パンチ15とを型彫り空間11内に押込むことで、型彫り空間11の全ての表面にワークW表面が接触するよう閉塞鍛造させて仕上げ成形が実行される。
【0012】
成形完了後においては、ラムにより上型3を上昇させて型開きさせ、型開きに連れて下型2のノックアウトパンチ14を上昇させて、ダイ10の型彫り空間11から成形ワークWを離脱させる。前記ノックアウトの過程において、ワークWの各外表面は型彫り空間11の表面に密着しているため、図7(A)に示すように、ワークWの外周に突出しているフランジW1の外周面と型彫り空間11の側面とは擦れながら上方へ離脱されてゆく。このため、フランジW1外周は、図7(B)に示すように、下側に歪み変形される場合がある。即ち、型彫り空間11が摩耗により表面が粗てくるに連れてワークWとの摩擦抵抗が大きくなり、前記フランジW1の歪み変形の発生頻度が増加される。
【0013】
前記ピアス成形工程の鍛造型4は、ワークWのフランジW1の下面に接触する部分までの範囲において仕上げ成形工程のダイ10と同形状の型彫り空間21を備えるレシービングダイ20(以下ではダイとのみ称する)と、ダイ20をダイベース22に固定するダイホルダ23と、ダイ20の型彫り空間21にダイベース22側から臨む筒状のノックアウトパンチ24とからなる下型5をプレス機のベース側に固定して備える。ノックアウトパンチ24はプレス機のベース側から型彫り空間21に突出させる図示しない駆動機構により駆動されるノックアウトピン25を備える。プレス機のラムに固定する上型6は、ダイ20に投入されたワークWのフランジW1の上面に当接してフランジW1をダイ20の型彫り空間21の平面部21Aに押圧するストリッパ28と、ダイ20上のワークW中央部に差込まれてピアス成形を行うピアスパンチ26と、これらピアスパンチ26およびストリッパ28を支持するパンチケース27と、パンチケース27に進退自在に配置され、パンチケース27の下降途中においてストリッパ28に接触してストリッパ28を押圧する矯正リテーナ29とを備える。
【0014】
前記パンチケース27には、図3にも示すように、ピアスパンチ26の周囲に等間隔に設けた複数個の下型5側が小径となった段付貫通穴30を備え、この段付貫通穴30内には下型5から離れた上端側が大径となったエクステンションシリンダ31を摺動可能に収容し、このエクステンションシリンダ31には、同じく下型5側が小径となった段付貫通穴32を備えてストリッパピン33が摺動可能に挿入され、ストリッパピン33の下型5側の先端に前記ストリッパ28が固定されている。ストリッパピン33にはエクステンションシリンダ31の段付貫通穴32の大径穴の内面に摺動可能となったピストン34を備える。ストリッパ28とエクステンションシリンダ31との間には圧縮スプリング35が介装されており、エクステンションシリンダ31に対してストリッパ28を下型5側に突出するよう付勢し、ピストン34とエクステンションシリンダ31の段付貫通穴32の段付部とが係合するまでストリッパ28を下型5側に突出させることができ、また、エクステンションシリンダ31がパンチケース27の段付貫通穴30内で下型5側に下降することで、ストリッパ28は更に下型5側に突出させることができる。
【0015】
前記矯正リテーナ29は、図2に詳細に示すように、パンチケース27のピアスパンチ26の周囲に下型5側に開口させて等間隔に設けた複数個の収容穴37内に摺動自在に挿入され、収容穴37内に挿入した弾性部材としての圧縮スプリング38により背面から押圧されて収容穴37から突出する方向に押圧されている。矯正リテーナ29の中心の貫通穴39は大径部と小径部とを備える段付穴に形成され、大径部に頭部が嵌合した拘束ロッド40の軸部が小径穴を貫通して収容穴37の底部にねじ等により固定されている。このため、前記矯正リテーナ29は、背面の圧縮スプリング38により突出方向に付勢させるも前記拘束ロッド40の頭部と軸部との間の段付部が段付穴39の大径部と小径部との間の段付部に係合することで、それ以上の突出を拘束するようにしている。この場合、矯正リテーナ29の背面に挿入されている圧縮スプリング38は圧縮状態にセットされてプリロードを付与し、矯正リテーナ29をパンチケース27の底面から拘束ロッド40により規定した長さだけ突出した状態となっている。
【0016】
以上の構成の鍛造ワークのフランジ反り矯正方法および矯正装置、即ち、仕上げ成形工程により歪み変形が発生したフランジW1を備える鍛造ワークWに対するピアス成形工程でのピアス成形動作および矯正動作について以下に説明する。
【0017】
型開き状態では、ラムおよび上型6が上昇されており、下型5は型彫り空間21を露出させてダイ20(レシービングダイ)上方が解放されている。
【0018】
先ず、図示しない搬送装置により仕上げ成形工程により仕上げ成形された鍛造ワークWがダイ20の型彫り空間21に投入される。投入された鍛造ワークWは仕上げ成形工程と同じ形状の型彫り空間21に収容され、そのフランジ部W1を型彫り空間21の周囲に形成した平面部21Aに接触させたロケート状態で載置される。
【0019】
ピアス成形を行うためにラムおよび上型6を下降させる。ラムの動きによりピアスパンチ26が下降し、ストリッパピン33及びエクステンションシリンダ31に吊り下げられたストリッパ28も同じく下降する。型閉めの進行に連れて、ピアスパンチ26がワークWに接する前に、ストリッパ28がワークWのフランジW1に接し始める。
【0020】
更に型閉めされていくと、エクステンションシリンダ31がパンチケース27内に後退してゆき、ピアスパンチ26の先端がワークWに当接してピアス成形が開始される(図3参照)。このピアス成形は型閉めに伴い、ピアス成形が進行する。ワークWのフランジW1に接触しているストリッパ28はエクステンションシリンダ31の上端への後退により圧縮スプリング35による接触圧が加えられてゆく。
【0021】
エクステンションシリンダ31が縮み終わる間際に、矯正リテーナ29とストリッパ28が接触し始める。矯正リテーナ29がストリッパ28に当接すると、図4(A)に示すように、背面にプリロードを伴って圧縮されている圧縮スプリング38による圧縮荷重によりストリッパ28をワークWのフランジW1に向けて押圧する。ラムの下降に連れて圧縮スプリング38が圧縮され始めることによりその反発力が上昇され、前記押圧力が増加されてワークWのフランジW1を矯正し始める。
【0022】
ラムが下死点へ到達すると、図4(B)に示すように、ピアスパンチ26によるピアス成形が完了し、矯正リテーナ29に対する背面の圧縮スプリング38よりの反発力も最大となり、ストリッパ28によるワークWのフランジW1に対する矯正力も最大となる。ラムが上昇して行くと、図5に示すように、圧縮スプリング38も伸長を開始し始め、ストリッパ28によるワークWのフランジW1に対する加圧も終了する。
【0023】
図6(A)に示すように、ラムが更に上昇すると、ピアスパンチ26もワークWから引出されてゆき、矯正リテーナ29はストリッパ28の上面から離脱する。更にラムが上昇すると、ピアスパンチ26がワークWから完全に抜出され、エクステンションシリンダ31が伸長され、最大に伸長された段階で、図6(B)に示すように、ストリッパ28がワークWのフランジW1上面から離脱され、下型5のノックアウトパンチ24がノックアウトピン25により駆動されて上方へ押出されて、ワークWをダイ20の型彫り空間21から突出す。ラムは引続き上死点まで上昇されて、型開きが完了する。
【0024】
なお、上記実施形態において、適用する鍛造型として、ピアス成形工程における鍛造型4に適用するものについて説明したが、図示はしないが、単独のフランジ矯正型として実施するものであってもよく、また、多段式鍛造機の途中段階に配置するものであっても、また、最終工程に適用するものであってもよい。
【0025】
また、上記実施形態において、矯正リテーナ29を付勢する圧縮スプリング38として予め圧縮荷重が付与されたプリロード状態のものについて説明しているが、図示しないが、プリロードを加えていない圧縮スプリングであってもよく、その場合には、ラムストロークに対して圧縮荷重の立上りの大きい弾性率の高い圧縮スプリングを用いるとよい。
【0026】
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
【0027】
(ア)下型5に鍛造ワークWのフランジW1をその下面形状に沿って下面より支持する支持部21Aを配置し、上型6に鍛造ワークWのフランジW1の上面形状に沿って形成し、型閉めの途中段階から前記フランジW1上面に接触するストリッパ28と、弾性部材としてのスプリング38により下型側に突出付勢され且つ前記ストリッパ28に背面側から当接可能な矯正リテーナ29とを配置し、型閉めの終了直前から前記矯正リテーナ29をストリッパ28背面に当接させてストリッパ28に加圧力を加えるようにしたため、矯正力(矯正量)はプレスのラムの動き、即ち、プレス下死点の位置に影響されることなく安定して確保することができ、フランジW1の潰し過ぎや矯正不足を生ずることなく、安定してフランジW1の矯正が実施できる。
【0028】
(イ)矯正リテーナ29背面に配置される弾性部材としてのスプリング38を、予め圧縮荷重を加えたプリロード状態に設定すると、圧縮荷重の設定により矯正力(矯正荷重)を任意に設定することができ、フランジW1の厚さに応じた矯正力を得ることができる。
【0029】
(ウ)適用する鍛造型として、多段式鍛造機の最終工程や密閉鍛造である仕上げ成形工程の後段の工程に配置することにより、鍛造機に同期して鍛造ワークWのフランジW1歪みを調整することができる。
【0030】
(エ)適用する鍛造型として、多段式鍛造機のピアス成形工程におけるピアス成形金型4と一体化して、ピアス成形金型4のストリッパ28に対して、型閉めの終了直前から前記矯正リテーナ29をその背面に当接させてそのストリッパ28に加圧力を加えるようにすると、既存のピアス成形工程で反り矯正を行うことができ、工程を増やす必要が無く、鍛造ワークWの生産性に影響が出ない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態を示す鍛造ワークのフランジ反り矯正装置の断面図。
【図2】同じく鍛造ワークのフランジ反り矯正装置の要部の拡大断面図。
【図3】多段式鍛造機の最終工程の鍛造型にフランジ反り矯正装置を適用した断面図。
【図4】フランジ反り矯正装置の作動を鍛造機の最終工程の鍛造型の作動と共に順次(A)、(B)に分けて示した作動状態の断面図。
【図5】図4に続くフランジ反り矯正装置の作動を鍛造機の最終工程の鍛造型の作動と共に示した作動状態の断面図。
【図6】図5に続くフランジ反り矯正装置の作動を鍛造機の最終工程の鍛造型の作動と共に順次(A)、(B)に分けて示した作動状態の断面図。
【図7】仕上げ成形工程におけるワークのノックアウト時の作動を示す断面図。
【符号の説明】
【0032】
1 仕上げ成形金型
2、5 下型
3、6 上型
4 ピアス成形金型
10、20 ダイ
11、21 型彫り空間
12、22 ダイベース
15、19 可動パンチ
16 パンチ
17、27 パンチケース
28 ストリッパ
29 矯正リテーナ
38 弾性部材としての圧縮スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍛造ワークの外周側に設けたフランジを鍛造型のプレスストロークにより厚み方向に加圧してその形状精度出しを行うフランジ反り矯正装置において、
下型に鍛造ワークのフランジをその下面形状に沿って下面より支持する支持部を配置し、
上型に鍛造ワークのフランジの上面形状に沿って形成され、型閉めの途中段階から前記フランジ上面に接触するストリッパと、弾性部材により下型側に突出付勢され且つ前記ストリッパに背面側から当接可能な矯正リテーナとを配置し、
型閉めの終了直前から前記矯正リテーナをストリッパ背面に当接させてストリッパに加圧力を加えるようにしたことを特徴とする鍛造ワークのフランジ反り矯正装置。
【請求項2】
前記矯正リテーナの背面に配置される弾性部材は、予め圧縮荷重を加えたプリロード状態に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の鍛造ワークのフランジ反り矯正装置。
【請求項3】
前記鍛造型は、多段式鍛造機の最終工程に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鍛造ワークのフランジ反り矯正装置。
【請求項4】
前記鍛造型は、多段式鍛造機の密閉鍛造である仕上げ成形工程の後段の工程に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鍛造ワークのフランジ反り矯正装置。
【請求項5】
前記鍛造型は、多段式鍛造機のピアス成形を行うピアス成形金型と一体化され、ピアス成形金型のストリッパに対して、型閉めの終了直前から前記矯正リテーナをその背面に当接させてそのストリッパに加圧力を加えるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鍛造ワークのフランジ反り矯正装置。
【請求項6】
鍛造ワークの外周側に設けたフランジを鍛造型のプレスストロークにより厚み方向に加圧してその形状精度出しを行うフランジ反り矯正方法において、
多段式鍛造機のピアス成形工程におけるストリッパを型閉めの終了直前から、その背面に矯正リテーナを当接させ、上型のストロークにより弾性部材を介して矯正リテーナからストリッパに加圧力を加えて前記フランジを下型ダイに押圧するようにしたことを特徴とする鍛造ワークのフランジ反り矯正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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