説明

長尺シートのめっき方法及び装置

【課題】ワークの電流密度を均一にすること、電流密度を高くすることができ、めっき槽を長くして1槽とすることができ、めっき槽を極端に長くした場合にもワークに皺を生ずることのない長尺シートのめっき装置を提供する。
【解決手段】ワーク供給装置とワーク巻き取り装置との間に前処理槽、めっき槽、後処理槽等の処理槽を配置して構成し、処理槽の上部に多数のクランパー17、17によりワークの上端を挾持して給電しながら搬送する搬送装置を設け、該搬送装置によるワークの搬送速度をワーク巻き取り装置2によるワークの搬送速度と同期させ、めっき槽4のワーク出口側に2個一組のシールローラー6、6からなる液漏れ防止装置を設け、シールローラー6、6をワーク面に平行な面内で垂直方向に対してシールローラー6、6の上端がワークの進行方向の前方寄りになる方向に僅かに傾斜させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル回路基板のような長尺シートを連続的にめっき処理する長尺シートのめっき方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の電子機器にはフレキシブル回路基板が使用されることが多くなってきている。こうしたフレキシブル基板の材料はリールに巻かれた状態で供給されるのが普通であり、めっきする場合には長尺のままで処理することが生産性の点から望ましく、例えば特許文献1に示されるようなめっき装置が提案されている。この特許文献1に開示されているのは、めっき液を収容するめっき液収容部と、ワークである長尺基板をその幅方向を上下に向けて長手方向に搬送しながらめっき液に浸漬する搬送手段と、長尺基板に電気的に接触する給電用電極と、めっき液収容部内で長尺基板に接触して長尺基板を支持する支持手段とを有するものである。
【0003】
この特許文献1には、給電用電極をめっき槽内に設置すると給電用電極部分にもめっきが析出してしまい、搬送及び基板に傷ができる等の支障が出るため、めっき槽外に陰極給電部分を設置し、これを長尺基板の搬送手段を兼ねるロールとすることが記載されている。ところが、このようにめっき槽の前後のめっき槽外に設けた給電ロールからワークに給電した場合、基板の電気抵抗によりワークの電流密度が給電ロールに近いめっき槽の両端部分では高く、給電ロールから遠いめっき槽の中央部分では低くなる。そのため両端部分でピットや焼けを生じさせないためには平均のめっき電流密度を上げることができず、中央部分でも最低必要な電流密度を確保するためにはめっき槽の長さを長くすることができなかった。
【0004】
上記のように従来のめっき装置では平均のめっき電流密度を高くすることができず、めっき槽の長さを長くすることができないため、必要なめっき厚さを確保するためには多数のめっき槽を並べてめっき時間を稼ぐことが必要になるのであるが、多数並べられるめっき槽には各めっき槽ごとに給電ロールとワーク出入部の液漏れ防止装置を備える必要があることから装置の全長が長くなり、装置コストが嵩むという問題があった。また、このように平均電流密度とめっき槽の長さを制限してもめっき槽の両端部分と中央部分とではワークの電流密度に差が生じ、高品質のめっきを施すことができないという問題があった。
【0005】
こうした問題点を解決するため、本願出願人等はめっき槽の長さを長くしてもワークの電流密度を均一に高くすることができ、ワークに搬送のための大きな張力をかけることのない長尺シートのめっき装置を特願2005−7771として出願中である。この特願2005−7771の発明は、処理槽の上部にワークの上端を挾持して給電しながら搬送する搬送装置を設け、該搬送装置のワークを挾持するワーク挾持部は処理槽内で下降してワークを挾持するものとし、ワーク巻き取り装置によるワークの搬送速度と搬送装置によるワークの搬送速度とを同期させたものである。
【0006】
このような構成により、めっき槽ではワークに上端から給電されるのでめっき槽の長さを長くしてもワークに均一な電流が供給されて良質なめっきが施され、必要な長さのめっき槽を1槽設けるだけで多数のめっき槽を並べる必要がないのでめっき槽のワーク出入部の液漏れ防止装置は1組だけでよく、給電ロールや搬送ロールも必要としないので装置の全長を短くすることができ、従来の問題点が解決されることになる。ところが、めっき槽を全長が3mを超えるような極端に長いものとした場合には、支持されていないワークの下端を持ち上げる力が働いて図9に示すような波状のたるみSを生じ、これが液漏れ防止装置として設けられたシールローラーの間を通過する際に固定されて皺を生ずるという問題があった。
【特許文献1】特開2003−321796号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の問題点を解決し、ワークの電流密度を均一にすること、電流密度を高くすることができ、めっき槽を長くして1槽とすることができ、そのめっき槽を極端に長くした場合にもワークに皺を生ずることのない長尺シートのめっき装置を提供するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の問題を解決するためになされた本発明の長尺シートのめっき方法は、リールに巻かれたワークである長尺シートをワークの面を垂直方向として連続的に搬送しながらめっき処理する長尺シートのめっき方法であって、ワークはめっき槽において搬送速度を同期させたワークをリールに巻き取るワーク巻き取り装置とワークの上端を挾持して給電しながら搬送する搬送装置とにより搬送し、ワークをワーク面に平行な面内で垂直方向に対して上端がワークの進行方向の前方寄りになる方向に僅かに傾斜させてめっき槽の出口側に設けた2個一組のシールローラーの間に通すことによりワークに下向きの力を与え、めっき槽内でワークに生じるたるみを伸ばしてワークに皺が生じるのを抑止することを特徴とするものである。
【0009】
また、同一の問題を解決するためになされた本発明の長尺シートのめっき装置は、リールに巻かれたワークである長尺シートを供給するワーク供給装置とワークをリールに巻き取るワーク巻き取り装置との間に処理槽を配置して構成し、ワークの面を垂直方向としてワーク供給装置からワーク巻き取り装置へ連続的に搬送しながらめっき処理する長尺シートのめっき装置であって、処理槽の上部にワークの上端を挾持して給電しながら搬送する搬送装置を設け、該搬送装置によるワークの搬送速度をワーク巻き取り装置によるワークの搬送速度と同期させ、めっき槽のワーク出口側に2個一組のシールローラーからなる液漏れ防止装置を設け、シールローラーをワーク面に平行な面内で垂直方向に対してシールローラーの上端がワークの進行方向の前方寄りになる方向に僅かに傾斜させたことを特徴とするものである。ここにおいて、シールローラーの傾斜量はシールローラーの長さ500mmに対し1〜2mmであることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、処理槽の上部にワークの上端を挾持して給電しながら搬送するようにしたので、めっき槽ではワークに上端から給電されることによりめっき槽の長さを長くしてもワークに均一な電流が供給されることになって良質なめっきが施される利点があり、必要な長さのめっき槽を1槽設けるだけで多数のめっき槽を並べる必要がなくワーク出入部の液漏れ防止装置が1組だけでよいことになって装置の全長を短くすることができる利点がある。また、めっき槽のワーク出口側のシールローラーを傾斜させたのでワーク出口でワークに下向きの力を与えることになり、めっき槽を極端に長くした場合にめっき槽内でワークに生じるたるみは伸ばされてシールローラーの間を通る際に皺として固定されることがない利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための最良の形態について、図を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明の長尺シートのめっき装置の構成を示す平面図であって、リールに巻かれたワークである長尺シートを供給するワーク供給装置1とワークをリールに巻き取るワーク巻き取り装置2の間に前処理槽3、めっき槽4及び後処理槽5が直線状に配列されている。前処理槽3及び後処理槽5は必要な処理工程に応じて複数の槽から構成されており、例えば前処理槽3は脱脂、水洗、エッチング、水洗、酸洗等の各槽から、後処理槽5は水洗槽、乾燥機等から構成されるものである。
【0012】
これらの各槽のワーク出入部には図示しない液漏れ防止装置がそれぞれ設けられており、液漏れ防止装置としてはシールローラーによるもの等従来知られるものを使用することができるのであるが、特に長さを長くしためっき槽4のワークの出口側には図2に示すようなワーク面に平行な面内で上端がワークの進行方向の前方寄りになる方向に僅かに傾斜させた2本一組のシールローラー6によるものが設けられている。このシールローラー6の傾斜量はシールローラー6の長さを500mmとした場合、上端が1〜2mm前方となるような程度とすることが好ましい。
【0013】
このシールローラー6はめっき槽4の側壁に取り付けられたシールローラーケース7に収容し、シールローラー6とシールローラーケース7の側壁内面とが接触せず僅かな間隙を形成する範囲にシールローラー6の移動を制限する図示しない移動制限機構を設け、シールローラー6をベアリングにより支承するとかシールローラー6に駆動装置を付設する等して僅かな力で回転できるようにしておくことが好ましい。また、めっき槽4に陽極が配置されることは言うまでもない。
【0014】
前処理槽3、めっき槽4及び後処理槽5には平行に剥離槽8が配列されており、該剥離槽8のワーク供給装置1側には水洗槽9が設けられている。この水洗槽9も必要に応じて複数の槽から構成される。前処理槽3、めっき槽4及び後処理槽5の上部には槽配列と平行にレール10が設けられており、剥離槽8及び水洗槽9の上部には槽配列と平行にレール11が設けられている。レール10とレール11の両端は円弧状の連結レール12及び13で連結されており、連続した長小判形状になっている。またレール10、11及び連結レール12、13の内側には各レール10、11及び連結レール12、13に沿う長小判形状にチェーン14が張設されており、該チェーン14の折り返し部はスプロケット15及び16に支持されている。図3はワーク供給装置1側のお連結レール12とスプロケット15の部分を詳細に示すものである。
【0015】
レール10、11は前処理槽3、めっき槽4及び後処理槽5が配列されている部分と剥離槽8及び水洗槽9の部分では一段低く架設されており、前後には連結するスロープが形成されている。これらのレール10、11及び連結レール12、13には多数のクランパー17、17が移動自在に支持されており、各クランパー17から張出して設けられた従動桿18がチェーン14に係合させられている。これにより各クランパー17、17はチェーン14の動きに従動し、レール10、11及び連結レール12、13に沿って上下動しながら循環動することになる。これらのレール10、1、連結レール12、13、チェーン14、スプロケット15、16及び多数のクランパー17、17によりワークの上端を挾持して搬送する搬送装置が構成される。
【0016】
図4はレール10の高さが下がる部分を示すもので、二点鎖線のAは処理槽の壁の上面の高さ、Bはワークの上端の高さ、Cは処理液の液面高さをそれぞれ示している。処理槽のある部分におけるレール10、11の高さはクランパー17の下端が処理液の液面より高く、かつワークの上端を挾持できる高さとなっており、処理槽のない部分におけるレール10、11の高さはクランパー17の下端が処理槽の壁の上面より上方になる高さとなっている。また、剥離槽8及び水洗槽9の液面はクランパー17の先端が浸漬される高さとなっている。これによりクランパー17は循環動する間に、前処理槽3のワーク進行方向前面側の壁を過ぎたところで下降し、後処理槽5の後面側の壁を過ぎたところで上昇することになり、さらに剥離槽8及び水洗槽9において下降、上昇を繰り返すことになる。
【0017】
図5乃至図8はここに使用するクランパー17の一例を示すものであって、ベース板19に板ばね支持台20、20が設けられており、該板ばね支持台20、20には板ばね取り付け板21が軸22により揺動自在に枢着されている。板ばね取り付け板21には給電用板ばね23とその両側に配置したワーク保持用板ばね24がその上端を固定されており、給電用板ばね23の上端には他端をベース板19に接触、支承させた開放用ばね25の一端が取り付けられ給電用板ばね23の下端をベース板19から引き離すように付勢されている。給電用板ばね23は導電率の高い材質のもので構成することが好ましく、ワーク保持用板ばね24はばね定数の大きい材質のもので構成することが好ましい。26、26はワーク保持用板ばね24、24の下端のワークに接する面に取り付けたゴム等の材料からなる滑り止め突起である。
【0018】
給電用板ばね23の中央部には押え金具27が取り付けられており、該押え金具27には加圧ロッド28が給電用板ばね23の面と平行に設けられている。加圧ロッド28は両端がワーク保持用板ばね24、24の前面まで延長され押え金具27を後方に押したときにワーク保持用板ばね24、24も同時に後方に押されるようになっている。加圧ロッド28には給電用板ばね23及びベース板19を貫通して設けられるフック29の前端が枢着されており、該フック29には中央部下面に下面係合部30、後部上面に上面係合部31がそれぞれ設けられ、ベース板19の背面にはフック受け32が設けられている。
【0019】
また、ベース板19にはレール10又は11を上下から挟みベース板19と垂直な水平方向の軸を中心に回動自在としたローラー33、33及び34、34と、レール10又は11の前面下部及び背面上部にそれぞれ接しベース板19と平行な垂直方向の軸を中心に回動自在としたローラー35及びローラー36、36が設けられ、これらのローラーによりクランパー17がスムースに移動できるようにレール10又は11に支持されており、レール10の前面上部に接する位置には集電ブラシ37が設けられレール10に供給されている電力がベース板19に導かれるようになっている。
【0020】
前記のように構成したクランパー17は図7に示すクランパー17を開放した状態では、開放用ばね25の弾発力により給電用板ばね23とワーク保持用板ばね24、24は下端がベース板19から引き離された開放状態を保持する。このとき過度の開放はフック29の上面係合部31により規制される。押え金具27を後方へ押すと、図8に示すように給電用板ばね23とワーク保持用板ばね24、24は軸22を中心として回動し、給電用板ばね23とワーク保持用板ばね24、24は撓んで下端とベース板19との間でワークの上端を挾持する。フック29の下面係合部30はフック受け32に係合し、ワークを挾持した状態を維持し、フック29を操作して下面係合部30とフック受け32の係合を解けば復帰する。
【0021】
前処理槽3の先頭部には押え金具27を押す図示しない押圧機構が、後処理槽5の後尾部にはフック29を操作する図示しない開放機構がそれぞれ設けられており、循環動しながら前処理槽3の前面側の壁を過ぎて下降したクランパー17は押え金具27を押されてワークの上端を挾持することになる。また、ワークの上端を挾持して移動するクランパー17は後処理槽5の後面側の壁を過ぎる前にフック29を操作され、ワーク上端の挾持を解き、その後上昇することになる。
【0022】
ワーク供給装置1は基材供給リール38、38、複数のガイドローラー39、39及び送出ローラー40を備えており、基材供給リール38、38に巻かれたワークである基材を送出ローラー40から適当な張力を加えながら前処理槽3に送り出すものである。また、ワーク巻き取り装置2は基材巻き取りリール41、41、複数のガイドローラー42、42及び受け取りローラー43を備えており、後処理槽5を出た基材を受け取りローラー43で受け取って基材巻き取りリール41、41のいずれかに巻き取るものである。このワーク供給装置1による基材の送出速度とワーク巻き取り装置2による基材の受け取り速度は前記チェーン14によるクランパー17の送り速度と同一になるよう制御される。
【0023】
なお、ワーク供給装置1にはダミー材供給リール44及び緩衝機構45を設けて基材の前端及び後端にダミー材を接続して送るようにすることができ、保護紙巻き取りリール46を設けて基材同士が直接接触するのを避けるために基材と重ねて巻かれていた保護紙を分離して巻き取るようにすることができる。また、ワーク巻き取り装置2にはダミー材巻き取りリール47及び緩衝機構48を設けて基材の前端及び後端に接続されたダミー材を分離してダミー材巻き取りリール47に巻き取るようにすることができ、保護紙供給リール49を設けて基材巻き取りリール41、41に巻き取られる基材に保護紙を重ねるようにすることができる。
【0024】
前記構成のものにおいて、レール10とめっき槽4に配置された陽極にめっき電源を接続したうえチェーン14を駆動しておき、ワーク供給装置1からワークWを供給する。供給されたワークWは前処理槽3に送り込まれ、レール10に沿って前処理槽3で槽壁を越えて下降してきたクランパー17により上端を挾持される。以後ワークWはクランパー17により挾持されて送られる。集電ブラシ37はレール10に接触しており、レール10に供給されている電力はベース板19、開放用ばね25、給電用板ばね23を通してワークWに供給される。これによりめっき槽4ではめっきが行われるが、ワークWには上端を挾持するクランパー17から電流が供給されるので、送り方向で電流密度が変動することはなく、良質なめっきが行われる利点がある。
【0025】
めっき槽4でめっきされ、後処理槽5に送られたワークWは後処理槽5でクランパー17による挾持を解かれ、ワーク巻き取り装置2により巻き取られる。ワークWの挾持を解いたクランパー17は上昇し、連結レール13を通ってレール11に移動する。その後クランパー17はレール11に沿って剥離槽8で下降し、剥離液に浸漬されて付着しためっきが剥離される。続いて一旦上昇したのち水洗槽9で下降、洗浄され、再度上昇して連結レール12からレール10に至り、以後クランパー17は同様に上下動しながら循環することになる。前処理槽3から後処理槽5までの間では、ワークWは多数のクランパー17により同時に挾持されて送られ、送り方向に大きな張力が加わることがない。
【0026】
めっき槽4内をワークWが移送される際、めっき槽4が極端に長く全長3mを超えるような場合には、支持されていないワークWの下端に液の撹拌等により図9に矢印Dで示すような上方に持ち上げようとする力が働いてワークWには波状のたるみSを生じ、これがそのままシールローラー6、6の間を通過するとプレスされて皺として固定されることになる。ところがシールローラー6、6はワーク面に平行な面内で上端がワークWの進行方向の前方寄りになるように僅かに傾斜させてあるので、シールローラー6、6はワークWを矢印Eに示すようなシールローラー6、6の軸と直交するやや下向きの方向へ排出しようとし、下向きの力を与えることになる。ワークWは上端がクランパー17、17により固定されており、この下向きの力によりワークWに生じたたるみは伸ばされ、皺として固定されないことになる。
【0027】
以上の説明によっても明らかなように、本発明によればワークWは上端をクランパー17、17により挾持されて処理槽中を移送され、上端から給電されるので、めっき槽4の長さを長くしてもワークWに均一な電流が供給され良質なめっきが施されることとなり、必要な長さのめっき槽4を1槽設けるだけで多数のめっき槽を並べる必要がなくワーク出入部の液漏れ防止装置は1組だけでよいことになって装置の全長を短くすることができる利点がある。また、めっき槽4のワーク出口側のシールローラー6、6を傾斜させたのでワークWに下向きの力を与えることになり、めっき槽4を極端に長くした場合にワークWにたるみが生じても、このたるみは伸ばされてシールローラー6、6の間を通る間に皺として固定されないので、めっき4槽の長さを長くすることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の長尺シートのめっき装置の平面図である。
【図2】めっき槽の要部の縦断面図である。
【図3】搬送機構の詳細を示す平面図である。
【図4】搬送機構の詳細を示す側面図である。
【図5】クランパーの一例を示す平面図である。
【図6】クランパーをワークと垂直な方向から見た図である。
【図7】クランパーをワークの進行方向から見た図である。
【図8】クランパーの閉じた状態をワークの進行方向から見た図である。
【図9】めっき槽内のワークの状態を示す図である。
【符号の説明】
【0029】
1 ワーク供給装置
2 ワーク巻き取り装置
3 前処理槽
4 めっき槽
5 後処理槽
6 シールローラー
7 シールローラーケース
8 剥離槽
9 水洗槽
10、11 レール
12、13 連結レール
14 チェーン
15、16 スプロケット
17 クランパー
18 従動桿
19 ベース板
20 板ばね支持台
21 板ばね取り付け板
22 軸
23 給電用板ばね
24 ワーク保持用板ばね
25 開放用ばね
26 滑り止め突起
27 押え金具
28 加圧ロッド
29 フック
30 下面係合部
31 上面係合部
32 フック受け
33、34、35、36 ローラー
37 集電ブラシ
38 基材供給リール
39 ガイドローラー
40 送出ローラー
41 基材巻き取りリール
42 ガイドローラー
43 受け取りローラー
44 ダミー材供給リール
45 緩衝機構
46 保護紙巻き取りリール
47 ダミー材巻き取りリール
48 緩衝機構
49 保護紙供給リール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リールに巻かれたワークである長尺シートをワークの面を垂直方向として連続的に搬送しながらめっき処理する長尺シートのめっき方法であって、ワークはめっき槽において搬送速度を同期させたワークをリールに巻き取るワーク巻き取り装置とワークの上端を挾持して給電しながら搬送する搬送装置とにより搬送し、ワークをワーク面に平行な面内で垂直方向に対して上端がワークの進行方向の前方寄りになる方向に僅かに傾斜させてめっき槽の出口側に設けた2個一組のシールローラーの間に通すことによりワークに下向きの力を与え、めっき槽内でワークに生じるたるみを伸ばしてワークに皺が生じるのを抑止することを特徴とする長尺シートのめっき方法。
【請求項2】
リールに巻かれたワークである長尺シートを供給するワーク供給装置とワークをリールに巻き取るワーク巻き取り装置との間に処理槽を配置して構成し、ワークの面を垂直方向としてワーク供給装置からワーク巻き取り装置へ連続的に搬送しながらめっき処理する長尺シートのめっき装置であって、処理槽の上部にワークの上端を挾持して給電しながら搬送する搬送装置を設け、該搬送装置によるワークの搬送速度をワーク巻き取り装置によるワークの搬送速度と同期させ、めっき槽のワーク出口側に2個一組のシールローラーからなる液漏れ防止装置を設け、シールローラーをワーク面に平行な面内で垂直方向に対してシールローラーの上端がワークの進行方向の前方寄りになる方向に僅かに傾斜させたことを特徴とする長尺シートのめっき装置。
【請求項3】
シールローラーの傾斜量がシールローラーの長さ500mmに対し1〜2mmであることを特徴とする請求項1に記載の長尺シートのめっき装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−254877(P2007−254877A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−84821(P2006−84821)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000150202)株式会社中央製作所 (35)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】