説明

長時間作用性のグルカゴン様ペプチド−1類似体

改良された生物学的効力ならびに長期薬理活性を有する新規GLP−1類似体が本明細書で記載される。より詳細には、本発明は以下の位置、すなわち8、20、27、30および33の1つまたは複数でアミノ酸置換基を含む、GLP−1類似体(長さ28aaまたは29aa)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、グルカゴン様ペプチド−1類似体に関するものである。さらに、本発明は長時間作用性のグルカゴン様ペプチド−1類似体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
関連出願への相互参照
本出願は、その本文全体を参照により援用するそれぞれ2004年1月8日および2004年5月12日に出願された米国仮出願60/534682および60/570073の利益を主張する。
【0003】
発明の背景
食物の経口摂取は、肝臓、筋肉および脂肪組織によるグルコースおよび遊離脂肪酸の取り込みを増加させ、また肝臓からの糖新生を減少させることによって血糖値を調節しようとする協調体制の中で、インスリンおよび対インスリン調節ホルモンの分泌をもたらす。インスリン分泌は、腸内分泌細胞によって生産されインクレチンと呼ばれる、分泌促進物質ホルモン類によって調整される。グルコース依存性のインスリン分泌性ペプチド(GIP)およびグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)は、インクレチン効果のほぼ全てを占めている。GIPと対照的に、GLP−1は糖尿病患者で有効である。したがって、糖尿病の治療的処置のためにGLP−1およびその類似体を使用することに対して大いに関心がある(GLP−1生理学の詳細な議論については、下記レビューを参照。1)Kieffer TJおよびHabener JF.、1999、Endocrine reviews、20(6)、876〜913頁;2)Doyle MEおよびEgan JM.、2001、Recent Prog.Horm.Res.、56:377〜99頁;3)Holst JJ.1999、Trends Endocrinol.Metab.、10(6)、229〜235頁;4)Perfetti RおよびMerkel P.、2000.、Eur.J.Endocrinol.、143:717〜725頁;5)Nauck MA.、1997、Cur.Opin.Endocrinol.Diabet.、4:291〜299頁;6)Gutniak MK.、1997、Intl.Diabeti.Monitor.、9(2)1〜12頁;7)Drucker DJ.、2001、Endocrinol.、142(2)521〜527頁)。
【0004】
GLP−1は、160aaプロホルモンであるプログルカゴンに由来する、30aa(アミノ酸)ペプチドである。膵臓および腸の異なるプロホルモンコンベルターゼの作用の結果として、グルカゴンおよび他の不明確なペプチドが生産されるが、プログルカゴンの切断は結果としてGLP−1およびGLP−2、ならびに他の2つのペプチドをもたらす。GLP−1のアミノ酸配列はこれまで研究されてきた全ての哺乳類で100%相同であり、重要な生理的役割が示唆される。GLP−1(7−37)OHは、C末端でトランケーションされ、アミド化されてGLP−1(7−36)NH2を形成する。遊離酸GLP−1(7−37)OHおよびアミド、GLP−1(7−36)NH2の生体影響および代謝回転は、区別できない。慣例により、アミノ酸の番号付けは、プログルカゴンペプチドからの加工されたGLP−1(1−37)OHに基づく。生物学的に活性のGLP−1は、更なる加工の結果である:GLP−1(7−36)NH2。したがって、GLP−1(7−37)OHまたはGLP−1(7−36)NH2の第1のアミノ酸は、His7である。
【0005】
胃腸管では、腔内グルコースによる刺激に応じて、GLP−1が腸、結腸および直腸の粘膜のL細胞によって生産される。活性GLP−1の血漿内半減期は5分未満であり、その代謝クリアランス率は約12〜13分である(Holst JJ.、1994、Gastroenterology、107:1848〜1855頁)。GLP−1の代謝に関係する主要なプロテアーゼは、N末端His−Alaジペプチドを切断して代謝産物GLP−1(9−37)OHまたはGLP−1(9−36)NH2を生産するジペプチジルペプチダーゼ(DPP)IV(CD26)であり、これらの代謝産物は不活性、GLP−1受容体の弱いアゴニストまたはアンタゴニストと様々に記載されている。GLP−1受容体(GLP−1R)は、463aaのGタンパク質結合型の受容体であって、膵臓β細胞、肺、ならびにより少なくは脳、脂肪組織および腎臓に局在する。GLP−1(7−37)OHまたはGLP−1(7−36)NH2によるGLP−1Rの刺激の結果として、アデニル酸シクラーゼ活性化、cAMP合成、膜脱分極、細胞内カルシウムの上昇およびグルコース誘導性のインスリン分泌の増加が起こる(Holz GGら、1995、J.Biol.Chem.、270:17749〜57頁)。
【0006】
GLP−1は、摂食に応じて腸粘膜から分泌される、最も強力なインスリン分泌促進物質である。ヒトにおける免疫活性GLP−1の空腹時レベルは5〜10pmol/Lであって、食後は25pmol/Lに上昇する(Perfetti RおよびMerkel P、2000、前掲)。GLP−1の奥深いインクレチン効果は、GLP−1Rノックアウトマウスがグルコース不耐性であるという事実によって強調される(Scrocchi LAら1996、Nat.Med.2:1254〜1258頁)。静脈内注入されたGLP−1のインクレチン反応は糖尿病患者で保持されているが、これらの患者での経口グルコースに対するインクレチン反応は弱められている。注入またはsc注射によるGLP−1投与は、糖尿病患者で空腹時グルコースレベルを制御しただけでなく、インスリン分泌のためのグルコース閾値も維持した(Gutniak Mら、1992、New Engl.J.Med.、326:1316〜1322頁;Nauck MAら、1986、Diabetologia、29:46〜52頁;Nauck MAら、1993、同上36:741〜744頁)。したがってGLP−1は、スルホニル尿素薬剤と関連する低血糖症を避けながらインスリン分泌を生理的に増やすことができる可能性のある治療薬として、非常に大きなポテンシャルを示した。
【0007】
グルコースホメオスタシスに対するGLP−1の他の重要なメカニズムは、グルカゴン分泌の抑制および胃運動性の阻害である(Tolessa Tら、1998、J.Clin.Invest.、102:764〜774頁)。膵臓のα細胞に対するGLP−1の抑制作用は、糖新生およびグリコーゲン分解の削減を通した肝臓のグルコース産生の減少をもたらす(D’Alessio Dら、1997、Diabetes、46(追補1):29A)。GLP−1のこの抗グルカゴン作用は、糖尿病患者で保持される。
【0008】
胃運動性および胃液分泌が阻止されるGLP−1のいわゆる回腸ブレーキ作用は、迷走神経遠心性受容体を通して、または腸平滑筋に対する直接作用を通して実施される。GLP−1による胃酸分泌の減少は栄養素利用における遅滞期に寄与し、したがって迅速なインスリン反応を不要にする。要約すると、GLP−1の胃腸への作用は、グルコースおよび脂肪酸の吸収の遅延にかなり寄与し、インスリン分泌およびグルコースホメオスタシスを調整する。
【0009】
GLP−1はβ細胞特異遺伝子、例えばGLUT−1トランスポータ、インスリン受容体(PDX−1とインスリンプロモーターとの相互作用を通して)およびヘキソキナーゼ−1などを誘導することも示された。したがって、齧歯目の実験(Perfetti R.およびMerkel P.、2000、前掲)で示されているように、GLP−1は通常老化と関連している耐糖能障害から回復させる潜在能力を有する。さらに、β細胞機能の回復に加えて、GLP−1はβ細胞新生およびβ細胞量の増加に寄与することができる(Wang Yら、1997、J.Clin.Invest.、99:2883〜2889頁;Xu G.ら、1999、Diabetes、48:2270〜2276頁)。
【0010】
GLP−1の中心的な作用としては、視床下部GLP−1Rの作用を通してもたらされる、摂食の減少を伴う満腹の増大がある。II型糖尿病患者におけるGLP−1の48時間連続sc注入は、飢えおよび摂食を減少させて満腹を増大させた(Toft−Nielsen MB.ら、1999、Diabetes Care、22:1137〜1143頁)。これらの食欲減退効果は、GLP−1Rノックアウトマウスでは見られなかった(Scrocchi LA.ら、1996、前掲)。
【0011】
GLP−1の薬物動態学および薬力学(静脈内注射されたペプチドの血清中半減期は約2〜3分[Vilsboll T.ら、2003、J.Clin.Endocrinol.Med.、88:220])ならびに血糖降下作用持続時間(2〜3時間[Nauck MA.ら、1996、Diabetologia、39:1546;Todd JF.ら、1998、Clin.Sci.95:325])は、一日中血糖コントロールが望まれる進行した糖尿病患者に対するqdまたはbid投与のためには明らかに不十分である。
【0012】
国際出願公開99/43706は、少なくとも1つのリジン残基上に親油性置換基を有し、ペプチドがアルブミンに結合してin vivo作用が長続きするようにされているGLP−1類似体を開示している。リジン残基が修飾されていないGLP−1類似体は、長時間作用性であるとは記載されていない。
【0013】
国際出願公開01/98331は、以下の位置の1つまたは複数が修飾されたGLP−1類似体を開示している:11、12、16、22、23、24、25、27、30、33、34、35、36および37。これらの類似体は、GLP−1(7−37)OHと比較して凝集する傾向が著しく減少したと記載されている。
【0014】
国際出願公開03/18516は、以下の位置の1つまたは複数が修飾されたGLP−1類似体を開示している:7、8、12、16、18、19、20、22、25、27、30、33および37。これらの類似体は効力が増加して、限られた生物学的利用能と関連する送達技術の使用を容易にしたと記載されている。
【0015】
したがって、DPPIV抵抗性を示すだけでなく、薬理学的長時間作用性である強力なGLP−1類似体を開発する必要が残されている。
【0016】
本発明はこれらのおよび他の必要に応えようとするものである。
【0017】
本発明はいくつかの文書を参照するが、それらの内容は完全に本明細書で参照により組み込まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
発明の概要
本発明は、改良された生物学的効力ならびに長時間薬理活性を有している、新規GLP−1類似体に関する。一実施形態では、本発明は以下の位置、すなわち8、20、27、30および33の1つまたは複数でアミノ酸置換基を含むGLP−1類似体(長さ28または29のaa)に関するものである。
【0019】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
R1−His−X8−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−X20−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−X27−Phe−Ile−X30−Trp−Leu−X33
ここで、
R1は水素、直鎖または分枝の不飽和C1〜C6アシル基、任意選択で置換されたアリールカルボニル、任意選択で置換されたシクロアルキルカルボニルおよび任意選択で置換されたアリールアルキルカルボニルからなる群から選択され、本発明の一実施形態において、R1は水素、2−ヒドロキシベンゾイルまたはトランス3−ヘキセノイルであり、
X8はAla、Aib、ValおよびGlyからなる群から選択され、
X20はLeuおよびGlyからなる群から選択され、GlyはC6〜C20アルキル側鎖を有し、本発明の一実施形態においてX20はS−オクチルグリシンであり、
X27はAla、Leu、Val、IleおよびGluからなる群から選択され、
X30はGlu、Asp、Asn、GlnおよびAlaからなる群から選択され、
X33は
Lys−Asn−Aib−OH、Lys−Asn−Aib−NH2、Val−Lys−Asn−OH、Val−Lys−Asn−NH2、Lys−Asn−OH、Lys−Asn−NH2、Val−Lys−Gly−Arg−NH2、Val−Lys−Aib−Arg−OH、Val−Lys−Aib−Arg−NH2、Lys−Asn−Gly−OHおよびLys−Asn−Gly−NH2
からなる群から選択され、
但し、前記配列は
His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg
ではない。
【0020】
一実施形態では、本発明は位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)およびアラニン(Ala)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつバリン33−リジン34−アスパラギン35−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0021】
他の実施形態では、本発明は水素および2−ヒドロキシベンゾイルから選択されるR1を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、アラニン(Ala)、アスパラギン(Asn)およびアスパラギン酸(Asp)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつバリン33−リジン34−アスパラギン35−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0022】
他の実施形態では、本発明は2−ヒドロキシベンゾイルおよびトランス−3−ヘキセノイルから選択されるR1を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)、アラニン(Ala)、グルタミン(Gln)およびアスパラギン(Asn)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−NH2のC末端アミノ酸配列を有すGLP−1類似体に関する。
【0023】
他の実施形態では、本発明は2−ヒドロキシベンゾイルおよびトランス−3−ヘキセノイルから選択されるR1を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、グルタミン酸(Glu)およびイソロイシン(Ile)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)およびアラニン(Ala)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−アミノイソ酪酸35−NH2のC末端アミノ酸配列を有すGLP−1類似体に関する。
【0024】
他の実施形態では、本発明は水素、2−ヒドロキシベンゾイルおよびトランス−3−ヘキセノイルから選択されるR1を有し、位置8にアミノイソ酪酸(Aib)、アラニン(Ala)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、グルタミン酸(Glu)およびイソロイシン(Ile)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)およびアラニン(Ala)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−アミノイソ酪酸35−NH2のC末端アミノ酸配列を有すGLP−1類似体に関する。
【0025】
他の実施形態では、本発明は水素およびトランス−3−ヘキセノイルから選択されるR1を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置8にアミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)、アラニン(Ala)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)およびアラニン(Ala)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−NH2のC末端アミノ酸配列を有すGLP−1類似体に関する。
【0026】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつバリン33−リジン34−アスパラギン35−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0027】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0028】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつバリン33−リジン34−アスパラギン35−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0029】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1誘導体に関する。
【0030】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン(Gln)およびアラニン(Ala)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつバリン33−リジン34−アスパラギン35−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0031】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)、アラニン(Ala)およびグルタミン(Gln)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0032】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)、アラニン(Ala)およびグルタミン(Gln)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、R1はトランス−3−ヘキセノイルであり、かつリジン33−アスパラギン34−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0033】
他の実施形態では、本発明は水素、2−ヒドロキシベンゾイルおよびトランス−3−ヘキセノイルから選択されるR1を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置8にアミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)、アラニン(Ala)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)およびアラニン(Ala)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−グリシン35−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0034】
他の実施形態では、本発明は2−ヒドロキシベンゾイルおよびトランス−3−ヘキセノイルから選択されるR1を有し、位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、かつバリン33−リジン34−アミノイソ酪酸35−アルギニン36−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0035】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)、アラニン(Ala)およびグルタミン(Gln)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、R1はトランス−3−ヘキセノイルであり、かつリジン33−アスパラギン34−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0036】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号1)。
【0037】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
2−ヒドロキシベンゾイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号2)。
【0038】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
2−ヒドロキシベンゾイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Aib−NH2(配列番号3)。
【0039】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号4)。
【0040】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号5)。
【0041】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号6)。
【0042】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号7)。
【0043】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号8)。
【0044】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号9)。
【0045】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号10)。
【0046】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号11)。
【0047】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−NH2(配列番号12)。
【0048】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−NH2(配列番号13)。
【0049】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−NH2(配列番号14)。
【0050】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg−NH2(配列番号15)。
【0051】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
2−ヒドロキシベンゾイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−NH2(配列番号16)。
【0052】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号17)。
【0053】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号18)。
【0054】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号19)。
【0055】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号20)。
【0056】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号21)。
【0057】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−[(S)−オクチルグリシン]−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号22)。
【0058】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(R)−オクタデシルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−NH2(配列番号23)。
【0059】
本発明は、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を、薬剤として許容される担体、希釈剤および賦形剤からなる群から選択される少なくとも1つの成分と一緒に含む組成物にも関する。一実施形態では、本発明は本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を含む組成物に関し、前記治療有効量とは約1mcgから約10mgの範囲である。
【0060】
本発明は、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の予防的有効量を、薬剤として許容される担体、希釈剤および賦形剤からなる群から選択される少なくとも1つの成分と一緒に含む組成物にも関する。
【0061】
本発明は、さらに、糖代謝の障害と関連している疾患または状態の治療方法にも関する。さらに、本発明は糖代謝の障害と関連している疾患または状態の予防方法(例えば予防処置)に関する。糖障害の非限定的例としては、I型またはII型糖尿病、インスリン抵抗性、ならびに体重障害およびそれらと関連する疾患または状態がある。体重障害または関連状態の非限定的例としては、肥満、過体重関連の状態、満腹脱制御、血漿インスリンレベルの低下、血糖値増加および膵臓β細胞量の減少がある。
【0062】
一実施形態では、本発明はI型またはII型の糖尿病を治療するための、そのような治療を必要とする対象に対して本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
【0063】
一実施形態では、本発明はインスリン抵抗性を治療するための、そのような治療を必要とする対象に対して本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
【0064】
一実施形態では、本発明は対象の体重を減少させるための、体重減少を必要とする対象に対して本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の有効量を投与することを含む方法に関する。
【0065】
一実施形態では、本発明は対象の満腹を減らすための、それを必要とする対象に対して本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
【0066】
一実施形態では、本発明は対象で食後の血漿インスリンレベルを上昇させるための、それを必要とする対象に対して本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
【0067】
一実施形態では、本発明は対象で空腹時血糖値を減少させるための、それを必要とする対象に対して本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
【0068】
一実施形態では、本発明は対象で膵臓のβ細胞量を増加させるための、それを必要とする対象に対して本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
【0069】
他の実施形態では、本発明は本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩を投与する方法に関する。前記ペプチドまたはその薬剤として許容される塩を投与する方法の非限定的例としては、皮下、静脈内、経皮、経口、口内および鼻腔内がある。
【0070】
本発明は、さらに、糖代謝と関連する障害または状態を治療または予防するための、GLP−1類似体またはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0071】
他の実施形態では、本発明は対象でI型またはII型の糖尿病を治療するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0072】
他の実施形態では、本発明は対象でインスリン抵抗性を治療するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0073】
他の実施形態では、本発明は対象の体重を減少させるための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0074】
他の実施形態では、本発明は対象の満腹を減らすための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0075】
他の実施形態では、本発明は対象で食後の血漿インスリンレベルを上昇させるための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0076】
他の実施形態では、本発明は対象で空腹時血糖値を低下させるための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0077】
他の実施形態では、本発明は対象で膵臓のβ細胞量を増加させるための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0078】
他の実施形態では、本発明は対象でI型またはII型の糖尿病を治療する薬剤を調製するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0079】
他の実施形態では、本発明は対象でインスリン抵抗性を治療する薬剤を調製するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0080】
他の実施形態では、本発明は対象の体重を減少させる薬剤を調製するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0081】
他の実施形態では、本発明は対象の満腹を増やす薬剤を調製するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0082】
他の実施形態では、本発明は対象で食後の血漿インスリンレベルを上昇させる薬剤を調製するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0083】
他の実施形態では、本発明は対象で空腹時血糖値を低下させる薬剤を調製するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0084】
他の実施形態では、本発明は対象で膵臓のβ細胞量を増加させる薬剤を調製するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0085】
更なる範囲および適用可能性は、以下に示す詳細な説明から明らかになる。しかし、この詳細な説明は本発明の好ましい実施形態を示しているが例示のためだけに提供されており、本発明の精神および範囲の中で様々な変更および修正が当業者にとって明らかになることを理解すべきである。
図面の簡単な説明
このように本発明を一般的に説明したが、添付図面を参照しながら実例としてその好ましい実施形態を示す。
【0086】
図1は、一晩絶食させて30分間食物を与えたCD−1マウスの血糖値を示す。本発明のペプチドを含む様々なペプチド(400μg/kg)を30分時にscにより投与し、血糖値を次の6時間測定した。データは、平均±SEM値として提示されている。
【0087】
図2は、15mMの高血糖クランピングを受けたSpraque−Dawleyラットの血糖値を示す。本発明のペプチドを含む様々なペプチド(100μg/kg)をscにより投与した。血糖値の変化(デルタグルコース:mM)は、横座標で示す。データは、平均±SEM値として提示されている。
【0088】
図3は、本発明のGLP−1類似体による、125I−GLP−1(7−36)NH2の%置換を示す。IC50値は、放射性標識ペプチドの結合の最大阻止の半分として計算される。
【0089】
図4は、CD−1マウスにおける食後のグルコースレベルに対する影響を示す。動物は一晩絶食させた後、30分間食べさせた。食後直ちに、動物は溶媒(20mM酢酸)、GLP−1類似体(400μg/kg)およびExendin−4(商標)(40μg/kg)の皮下注射を受けた。食後6時間の間のAUCグルコースレベルは、バーで表されている(平均±SEM;n=バーの上に提示されている動物数)。平均空腹時グルコースレベルは4.11±0.07mmol/L(n=189)と測定され、1615±29.7mmol/L/6hの空腹時AUCと一致し、これは全てのデータから引かれて正味の食後グルコースレベルを与えた。*溶媒に対してP<0.05、ANOVAによる。
【0090】
図5、6、7および8は、選択された類似体についてのCD−1マウスにおける食後のグルコースレベルに対する影響(用量反応)を例示する。CD−1マウスは一晩絶食させた後、30分間食べさせた。食後、動物は溶媒(20mM酢酸)または異なる用量のGLP−1類似体(40〜400μg/kgからの用量反応)の皮下注射を受けた。血糖値は、注射後6時間までの間測定した(平均±SEM;上段パネル)。6時間の間のAUCグルコースは、バーで表されている(平均±SEM;下段パネル;n=下段パネルのバーの上に提示されている動物数)。
【0091】
図9および10は、クランプグルコース(15mmol/L)Spraque−Dawleyラットにおける血糖クリアランスの評価を例示する。Spraque−Dawleyラットは、実験の前に12:12の明:暗サイクルに置き、12時間(一晩)絶食させた。デルタグルコースの取得は、動物へのグルコース注入の開始から90分後、血糖値が安定したレベルに達し、動物が溶媒、GLP−1またはGLP−1類似体の皮下注射(GLP−1、TH0384およびTH0385は300μg/kg、TH0395、TH0396、TH0424およびTH0426は100μg/kg)を受けた時点から開始された。データは平均±SEMである;nは下段パネルバーの上で提示されている動物数である。
【0092】
図11は、ストレプトゾトシンを注入したCD−1マウスにおける、高血糖プロフィールの発達を例示する。CD−1マウスは、実験の間随意に摂取できるように食物を与え、12:12の明:暗サイクルに置き、合計50時間監視した。2群に多少の時間的重複があるようにストレプトゾトシン(400μg/kg)を投与し、できるだけ完全なグルコースプロフィールを与えた。この糖尿病のモデルで高血糖症の時間依存性発達を評価するために、血糖を携帯用のグルコメーターを使用して測定した(平均±SEM;各時点でn=8)。
【0093】
図12、13および14は、食物を与えられたSTZ誘導性糖尿病CD−1マウスにおけるグルコースプロフィールに及ぼすGLP−1類似体の影響を例示する。図12(2時間)および図13および14(6時間)。CD−1マウスをストレプトゾトシンで治療し、24時間後(20mmol/Lを超える血糖症)に類似体で治療し、実験(2および6時間)の間随意に摂取できるように食物を与えた。午前10時00分に、動物に溶媒またはGLP−1類似体を皮下注射した。血糖値は、注射後2時間および6時間までの間測定した(平均±SEM;上段パネル)。2時間または6時間の間のAUCグルコースは、バーで表されている(平均±SEM;下段パネル;nは下段パネルのバーの上に提示されている動物数)。
【0094】
図15は、食物を与えられたSTZ誘導性糖尿病CD−1マウスにおけるグルコースプロフィールに及ぼすGLP−1類似体の影響を例示する。図15(12時間)。選択された類似体の効果持続時間を評価するために、CD−1マウスをストレプトゾトシンで治療し、24時間後(20mmol/Lを超える血糖症)に類似体で治療し、実験(12時間)の間随意に摂取できるように食物を与えた。午前10時00分に、動物に溶媒またはGLP−1類似体を皮下注射した。血糖値は、注射後12時間までの間測定した(平均±SEM;上段パネル)。12時間の間のAUCグルコースは、食物を与えられた通常マウスのグルコースAUCを引いたものを提示している(平均±SEM;下段パネル;nは下段パネルのバーの上に提示されている動物数)。
【0095】
図16は、食物を与えられたSTZ誘導性糖尿病CD−1マウスにおける12時間の時点でのTH0396およびExendin−4(商標)の比較を例示する。TH0396およびExendin−4(商標)の効果持続時間を比較するために、観察の最後の1時間のグルコースレベルを用量依存的に分析した。CD−1マウスをストレプトゾトシンで治療し、24時間後(20mmol/Lを超える血糖症)にTH0396(40、80および400μg/kg)またはExendin−4(商標)(40および80μg/kg)で治療し、実験(12時間)の間随意に摂取できるように食物を与えた。午前10時00分に、動物に薬剤を皮下注射した。血糖値は、注射後12時間までの間測定した(平均±SEM;上段パネル)。11および12時間時の平均グルコースレベルは、食物を与えられた通常マウスのグルコースレベルを引いたものを提示している(nは下段パネルのバーの上に提示されている動物数)。
【0096】
図17は、STZ誘導性糖尿病CD−1マウスにおける異なるGLP−1類似体の影響を例示する。ペプチドは、400μg/kgの用量で皮下注射した;nはバーの上部に示すように3または6である。データは、平均±SEM値である。
【0097】
図18は、CD−1マウスにおける食後血糖症に及ぼす異なるGLP−1類似体の影響を例示する。ペプチドは、400μg/kgの用量で皮下注射した;nは4〜8である。データは、平均±SEM値である。
【0098】
本発明の他の目的、利点および特徴は、例示的であり本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきでない添付図面を参考にして以下の好ましい実施形態の非限定的な記載を読むことにより、より明白になるであろう。
発明の詳細な説明
本明細書を通して以下の略記号を使用している。
【0099】
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、DIEA:ジイソプロピルエチルアミン、TFA:トリフルオロ酢酸、BOP:ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェイト、MALDI−TOF:マトリックス支援レーザ脱離/イオン化質量分析、HPLC:高速液体クロマトグラフィー、BHA:ベンズヒドリルアミン樹脂、Boc:t−ブトキシカルボニル、Aib:アミノイソ酪酸、Pbf:2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル、AUC:曲線下面積、Nle:ノルロイシン。
【0100】
本明細書で使用される「アリール」は、炭素原子数が6から10の芳香族炭素環式の基または置換された芳香族炭素環式の基を意味する。非限定的な例は、フェニルまたはナフチルである。置換基の非限定的な例は、C1〜C6直鎖または分枝のアルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、ペンチル、ヘキシル、およびアルケニル、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、ハロゲンである。
【0101】
本明細書で使用される「アルキル」は、直鎖または分枝のC1〜C6脂肪族炭化水素基を意味する。置換基の非限定的な例は、C1〜C6直鎖または分枝のアルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、ペンチル、ヘキシル、およびアルケニル、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、ハロゲンである。
【0102】
本明細書で使用される「不飽和アシル」はアルケニルカルボニル基を意味し、アルケニルは炭素−炭素二重結合または三重結合を含んで線状鎖に2から5の炭素原子を有するアルキル基を意味する。非限定的な例としては、トランス−3−ヘキセノイルがある。
【0103】
本明細書で使用される「アラルキル」は、水素がアリール基に置換されているアルキル基を意味する。非限定的な例としては、ベンジルおよび3−フェニルプロピルがある。
【0104】
本明細書で使用される「シクロアルキル」は、炭素原子数3から10の非芳香環を意味し、その非限定的な例はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルおよびシクロデシルであり、環式アルキルは部分的に不飽和でもよい。
【0105】
本明細書で使用されるように、用語「担体」、「希釈剤」、「賦形剤」および「薬剤として許容される塩」は、リファレンスマニュアル「Handbook of Pharmaceutical Excipients」第三版、Arthur H.Kibbe、American Pharmaceutical Association、Pharmaceutical Press、2000年、で定義されている通りであると解釈されるべきである。
【0106】
これまで、アルブミンとの非共有結合または共有結合なしでGLP−1(7−36)に長時間薬理活性を付与することは不可能であった。本明細書で開示されるように、位置8、20、27、30または33の1つまたは複数の位置でアミノ酸置換を含み、また任意選択でN末端置換基R1を含むより短いGLP−1類似体(長さ28または29aa)は、in vivo長時間薬理活性(6h)を有するGLP−1(7−34)およびGLP−1(7−35)誘導体を提供することが発見された。より短いGLP−1類似体(長さ28または29aa)は、天然のGLP−1(7−36)アミドにトランケーションおよびアミノ酸置換を加えることによって調製された。位置8、20、27、30および33の1つまたは複数で修飾されたGLP−1類似体は、糖尿病患者へのqdまたはbid投与に適当である。
【0107】
本発明は、8、20、27、30および33の1つまたは複数でアミノ酸置換基を含み、また任意選択でN末端置換基R1を含む新規GLP−1類似体に関する。
【0108】
本発明は、改良された生物学的効力ならびに血糖値に対して長時間作用性の新規GLP−1類似体に関する。さらに、本発明はDPPIV抵抗性を示すだけでなく、Exendin−4(商標)と同等の長時間薬理作用を有する新規GLP−1類似体に関する。
【0109】
本明細書で記載されているアミノ酸は、下の表1で示され、生化学命名法のIUPAC−IUB委員会によって推奨されているようにペプチド分野では一般に容認されている従来の3文字略記号によって特定されている。
表1:アミノ酸コード
【0110】
【表1】

【0111】
慣例により、活性GLP−1の最初のアミノ酸(His)は、7の番号が付される。
【0112】
本明細書で使用される用語「対象」は、あらゆる哺乳類を含むものと理解される。本発明の一実施形態では、対象はヒトである。
【0113】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関し:
R1−His−X8−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−X20−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−X27−Phe−Ile−X30−Trp−Leu−X33
ここで、
R1は水素、直鎖または分枝の不飽和C1〜C6アシル基、任意選択で置換されたアリールカルボニル、任意選択で置換されたシクロアルキルカルボニルおよび任意選択で置換されたアリールアルキルカルボニルからなる群から選択され、本発明の一実施形態において、R1は水素、2−ヒドロキシベンゾイルまたはトランス3−ヘキセノイルであり、
X8はAla、Aib、ValおよびGlyからなる群から選択され、
X20はLeuおよびGlyからなる群から選択され、GlyはC6〜C20アルキル側鎖を有し、本発明の一実施形態においてX20は好ましくはS−オクチルグリシンであり、
X27はAla、Leu、Val、IleおよびGluからなる群から選択され、
X30はGlu、Asp、Asn、GlnおよびAlaからなる群から選択され、
X33は
Lys−Asn−Aib−OH、Lys−Asn−Aib−NH2、Val−Lys−Asn−OH、Val−Lys−Asn−NH2、Lys−Asn−OH、Lys−Asn−NH2およびVal−Lys−Gly−Arg−NH2、Val−Lys−Aib−Arg−OH、Val−Lys−Aib−Arg−NH2、Lys−Asn−Gly−OHおよびLys−Asn−Gly−NH2
からなる群から選択され、
但し、前記配列は
His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg
ではない。
【0114】
一実施形態では、本発明は位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)およびアラニン(Ala)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつバリン33−リジン34−アスパラギン35−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0115】
他の実施形態では、本発明は水素および2−ヒドロキシベンゾイルから選択されるR1を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、アラニン(Ala)、アスパラギン(Asn)およびアスパラギン酸(Asp)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつバリン33−リジン34−アスパラギン35−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0116】
他の実施形態では、本発明は2−ヒドロキシベンゾイルおよびトランス−3−ヘキセノイルから選択されるR1を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)、アラニン(Ala)、グルタミン(Gln)およびアスパラギン(Asn)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0117】
他の実施形態では、本発明は2−ヒドロキシベンゾイルおよびトランス−3−ヘキセノイルから選択されるR1を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、グルタミン酸(Glu)およびイソロイシン(Ile)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)およびアラニン(Ala)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−アミノイソ酪酸35−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0118】
他の実施形態では、本発明は水素、2−ヒドロキシベンゾイルおよびトランス−3−ヘキセノイルから選択されるR1を有し、位置8にアミノイソ酪酸(Aib)、アラニン(Ala)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、グルタミン酸(Glu)およびイソロイシン(Ile)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)および、アラニン(Ala)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−アミノイソ酪酸35−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0119】
他の実施形態では、本発明は水素およびトランス−3−ヘキセノイルから選択されるR1を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置8にアミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)、アラニン(Ala)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)およびアラニン(Ala)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0120】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつバリン33−リジン34−アスパラギン35−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0121】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0122】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつバリン33−リジン34−アスパラギン35−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0123】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0124】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン(Gln)およびアラニン(Ala)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつバリン33−リジン34−アスパラギン35−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0125】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置8にアラニン(Ala)、アミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)、アラニン(Ala)およびグルタミン(Gln)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0126】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)、アラニン(Ala)およびグルタミン(Gln)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、R1はトランス−3−ヘキセノイルであり、かつリジン33−アスパラギン34−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0127】
他の実施形態では、本発明は水素、2−ヒドロキシベンゾイルおよびトランス−3−ヘキセノイルから選択されるR1を有し、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置8にアミノイソ酪酸(Aib)、バリン(Val)、アラニン(Ala)およびグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)およびアラニン(Ala)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、かつリジン33−アスパラギン34−グリシン35−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0128】
他の実施形態では、本発明は2−ヒドロキシベンゾイルおよびトランス−3−ヘキセノイルから選択されるR1を有し、位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、かつバリン33−リジン34−アミノイソ酪酸35−アルギニン36−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0129】
他の実施形態では、本発明は位置20にロイシン(Leu)およびC6〜C20アルキル側鎖を含むグリシン(Gly)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、前記側鎖は本発明の一実施形態ではオクチル鎖であり、位置27にアラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、位置30にグルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)、アラニン(Ala)およびグルタミン(Gln)からなる群から選択されるアミノ酸を有し、R1はトランス−3−ヘキセノイルであり、かつリジン33−アスパラギン34−NH2のC末端アミノ酸配列を有するGLP−1類似体に関する。
【0130】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号1)。
【0131】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
2−ヒドロキシベンゾイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号2)。
【0132】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
2−ヒドロキシベンゾイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Aib−NH2(配列番号3)。
【0133】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号4)。
【0134】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号5)。
【0135】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−NH−ヘキセノイル−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号6)。
【0136】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号7)。
【0137】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2−(配列番号8)。
【0138】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号9)。
【0139】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号10)。
【0140】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号11)。
【0141】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−NH2(配列番号12)。
【0142】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−NH2(配列番号13)。
【0143】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−NH2(配列番号14)。
【0144】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg−NH2(配列番号15)。
【0145】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
2−ヒドロキシベンゾイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−NH2(配列番号16)。
【0146】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号17)。
【0147】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号18)。
【0148】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号19)。
【0149】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号20)。
【0150】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号21)。
【0151】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−[(S)−オクチルグリシン]−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号22)。
【0152】
一実施形態では、本発明は以下の配列を有するGLP−1類似体に関する:
His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(R)−オクタデシルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−NH2(配列番号23)。
【0153】
本発明は本明細書で記載されているペプチド類似体の塩の形態にも関する。本発明のペプチド類似体は、多くの無機塩基または無機および有機の酸のいずれかと反応して塩を形成するのに十分に酸性または塩基性である。
【0154】
通常、酸付加塩を形成するために使用される酸としては無機酸が含まれ、例えば、これらだけに限定するものではないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸などがあり、また有機酸も含まれ、例えば、これらだけに限定するものではないが、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸などがある。そのような塩類の例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオラート(propiolate)、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マンデル酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩などがある。
【0155】
塩基付加塩としては無機塩基に由来するものがあり、例えば、これらだけに限定するものではないが、アンモニウム、アルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、などがある。そのような塩基には、したがって水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウムなどが含まれる。
【0156】
本明細書で記載されているペプチド類似体の塩形態が特に好ましい。治療目的のために使用される場合は、本発明のペプチド類似体も塩の形態でよいことが理解される。しかし、塩は薬剤として許容される塩でなければならない。
【0157】
本発明はまた、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を、薬剤として許容される担体、希釈剤および賦形剤からなる群から選択される少なくとも1つの成分と一緒に含む組成物に関する。特定の実施形態では、本発明は本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を含む組成物に関し、前記治療有効量とは約1mcgから約10mgの範囲である。
【0158】
本発明はまた、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の予防的有効量を、薬剤として許容される担体、希釈剤および賦形剤からなる群から選択される少なくとも1つの成分と一緒に含む組成物に関する。
【0159】
本発明は、さらに、糖代謝の障害と関連している疾患または状態の治療方法にも関する。さらに、本発明は糖代謝の障害と関連している疾患または状態の予防方法(予防処置)に関する。糖障害の非限定的例としては、I型またはII型糖尿病、インスリン抵抗性、ならびに体重障害およびそれらと関連する疾患または状態がある。体重障害または関連状態の非限定的例としては、肥満、過体重関連の状態、満腹脱制御、血漿インスリンレベルの低下、血糖値増加および膵臓β細胞量の減少がある。
【0160】
一実施形態では、本発明はI型またはII型の糖尿病を治療するための、そのような治療を必要とする対象に対して本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
【0161】
一実施形態では、本発明はインスリン抵抗性を治療するための、そのような治療を必要とする対象に対して本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
【0162】
一実施形態では、本発明は対象の体重を減少させるための、体重減少を必要とする対象に対して本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の有効量を投与することを含む方法に関する。
【0163】
一実施形態では、本発明は対象の満腹を減らすための、それを必要とする対象に対して本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
【0164】
一実施形態では、本発明は対象で食後の血漿インスリンレベルを上昇させるための、それを必要とする対象に対して本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
【0165】
一実施形態では、本発明は対象で空腹時血糖値を減少させるための、それを必要とする対象に対して本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
【0166】
一実施形態では、本発明は対象で膵臓のβ細胞量を増加させるための、それを必要とする対象に対して本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
【0167】
他の実施形態では、本発明は本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の投与方法に関する。前記ペプチドまたはその薬剤として許容される塩の投与方法の非限定的例としては、皮下、静脈内、経皮、経口、口内および鼻腔内がある。
【0168】
他の実施形態では、本発明は対象でI型またはII型の糖尿病を治療するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0169】
他の実施形態では、本発明は対象でインスリン抵抗性を治療するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0170】
他の実施形態では、本発明は対象の体重を減少させるための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0171】
他の実施形態では、本発明は対象の満腹を減らすための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0172】
他の実施形態では、本発明は対象で食後の血漿インスリンレベルを上昇させるための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0173】
他の実施形態では、本発明は対象で空腹時血糖値を低下させるための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0174】
他の実施形態では、本発明は対象で膵臓のβ細胞量を増加させるための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0175】
他の実施形態では、本発明は対象でI型またはII型の糖尿病を治療する薬剤を調製するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0176】
他の実施形態では、本発明は対象でインスリン抵抗性を治療する薬剤を調製するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0177】
他の実施形態では、本発明は対象の体重を減少させる薬剤を調製するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0178】
他の実施形態では、本発明は対象の満腹を増やす薬剤を調製するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0179】
他の実施形態では、本発明は対象で食後の血漿インスリンレベルを上昇させる薬剤を調製するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0180】
他の実施形態では、本発明は対象で空腹時血糖値を低下させる薬剤を調製するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0181】
他の実施形態では、本発明は対象で膵臓のβ細胞量を増加させる薬剤を調製するための、本明細書で記載されているペプチドまたはその薬剤として許容される塩の使用に関する。
【0182】
以下の非限定的な実施例により、本発明をさらに説明する。
【0183】
実施例1
GLP−1類似体の固相合成およびHis7でのR1部分の結合
本発明のペプチド類似体は、フルオレニルメトキシカルボニルで保護され、適当な側鎖保護を有するαアミノ酸を使用し、またBHA樹脂を使用して、標準の自動および/または手動の固相ペプチド合成技術を使用して調製される。合成の完了後、側鎖脱保護と同時にペプチド類似体を固相支持体から切断する。任意選択で、アミノ酸結合のために使用するのと同じ方法を使用して、サリチル酸またはトランス−3−ヘキセン酸をHis7のN末端に結合した。粗ペプチドを分取HPLCによってさらに精製し、その後真空乾燥および凍結乾燥を行った。ペプチドの純度は分析HPLCによって評価し、ペプチドの質量はMALDI−TOF質量分析で測定した。ペプチドはTFA塩として調製し、動物に投与するために20mM酢酸に溶解した。GLP−1類似体の代表例は、下の表2で例示する。
表2:代表的なGLP−1類似体
【0184】
【表2】

【0185】
【表3】

【0186】
【表4】

【0187】
【表5】

【0188】
【表6】

【0189】
実施例2
CD−1マウスにおける食後の血糖値に対するGLP−1類似体の影響。
【0190】
一晩絶食させたCD−1正常雌マウス(6週齢、Charles River、Montreal、Canada)を、30分間随意摂食させた。GLP−1ペプチド(100〜400μg/kg)を30分時にsc注射した。血液サンプルは尾静脈摘出により引き抜き、血糖値(mmol/L)は次の6時間One−Touch(商標)グルコメーターを使用して測定した。「曲線下面積」(AUCグルコース(mmol/L/120分))は、トラペゾイダル法を使用して計算した。
【0191】
図1で示すように、天然のGLP−1およびGLP−1のDPPIV抵抗性の類似体(2−ヒドロキシベンゾイル−GLP−1(7−36)NH2(TH0318))は2時間血糖降下作用を示したが、修飾された類似体TH0322およびTH0368はExendin−4(商標)と同様に少なくとも4時間の低血糖を持続した。
【0192】
実施例3
低血糖Spraque−Dawleyラットにおける血糖値に及ぼすGLP−1類似体の影響。
【0193】
動物(Spraque−Dawleyラット)は、12:12の明:暗サイクル下で標準的な飼料で維持した。12時間の絶食期間の後、動物は麻酔(イソフルラン2%)をかけ、それぞれ採血およびグルコース注射(1.0g/kgボーラスの後1.4g/kg/hrの注入)のために頸動脈および頸静脈のカテーテルを設置した。動物はグルコースボーラスおよび注入を始めてから90分後、血糖濃度が安定したレベルに達した時期に、異なる濃度(300μg/kg)で類似体の皮下注射を受けた。血糖測定は、グルコース注射の前および30、60、90、100、110、120、135、150、180、210分後、また時には240および300分後に行った。
【0194】
グルコースの測定は、試料採取(必要に応じて0.3〜0.4ml)直後に血液の小滴をグルコメーターストリップに置くことによって行った。グルコースの測定は、インスリンアッセイおよび/または他のいかなるアッセイの実施に必要な血漿分離(遠心分離)の前に行った。
【0195】
図2で示されているように、GLP−1類似体TH0384は、GLP−1または2−ヒドロキシベンゾイル−GLP−1類似体TH0318より強力であることがわかった。
【0196】
実施例4
RINm5F細胞を使用した125I−GLP−1(7−36)NH2のGLP−1類似体による置換。
【0197】
RINm5F細胞(ATCC#CRL−2058)は、製造者の仕様書に従って生育させた。集密的なフラスコからの細胞を、実験前の4日間維持した。次に細胞を掻き取って15ml円錐管で収集し、その後超音波処理およびタンパク質レベルの評価を行った。細胞膜を希釈して、アッセイ管につき400μgのタンパク質の一定量を得た。
【0198】
400μgのタンパク質を含むRINm5F細胞のアリコートを、100000cpmのI125GLP−1(7−36)NH2(3nM)の存在下で、100mMのNaCl、2mMのMgCl2、ミニプロテアーゼインヒビターカクテル(100mlにつき1錠剤、Roche diagnostics GmbH)および様々な濃度のGLP−1類似体(10-10から10-5)を含むリン酸ナトリウム緩衝液(10mM、pH7.4)の100μlを含むガラス管内で、22℃(室温)で45分間インキュベートした。反応は100mMトリス−HCl(3×3mL、pH7.4)を使用して停止させ、溶液はGF/Cワットマンガラスマイクロファイバーフィルターを通過させた。その後、後者をガラス管に入れてPackard COBRA II Gammaカウンター(商標)で計数した。Prism(商標)(GraphPad、Ca)を使用して置換等温線を追跡し、分析した。
【0199】
図3で示されているように、GLP−1類似体TH0322およびTH0384は、Rinm5F細胞内での受容体結合リガンドの置換においてGLP−1よりもかなり強力であった。
【0200】
実施例5
RINm5F細胞を使用した、GLP−1および類似体に応答するcAMPのin vitro分泌への影響。
【0201】
RINm5F細胞(ATCC#CRL−2058)は、製造者の仕様書に従って生育させた。約90%の集密性のフラスコからの細胞をトリプシン処理して計数した。次に細胞を培地(RPMI 1640、10%FBS、2mMグルタミン、0.5%Pen−Strep;100μl)を含む96穴プレート(透明な平底のClear Sarstedtプレート(商標))に播種し、集密到達から4日後に分析した。
【0202】
GLP−1および類似体の保存溶液は、1mg/mlの濃度で20mM酢酸を使用して調製した。保存溶液の試料を100μl量(100μg)に小分けし、そこに400μlの水を加えた。小分けされた量を次に凍結させて、一晩凍結乾燥した。凍結乾燥試料は、使用時まで−80℃で保存した。試料は1mMの濃度(利用可能な場合ペプチド純度およびペプチド含量を表す)で、実験開始直前に調製した。2倍希釈保存溶液から、用量反応(10-10Mから10-5M)を0.1mMのIBMXを含むRPMIで測定した。GLP−1希釈溶液は、アッセイを開始する30分未満前に調製した。
【0203】
細胞培養培地をウェルから穏やかに吸引した。次に細胞を37℃で10分間、0.1mMのIBMXを含んだ100μlのRPMIでプレインキュベートした。プレインキュベーションの後、各2倍希釈のGLP−1希釈溶液の100μlを3反復でウェルに加え、37℃で30分間インキュベートした。インキュベーションの終了時に、上清を収集し、ラジオイムノアッセイキット(DPC)を使用してcAMP濃度について分析した。放射カウントは、標準曲線を使用してcAMP量に変換した。得られたcAMP値は、Coomassie blueアッセイを使用して測定された対応するウェル内の総タンパクについて補正した。cAMP値は、pmol/mgタンパク質内の平均±SEMで表した(表3)。cAMPの用量反応は、GraphPad Prism 3.02(商標)を使用してS字状曲線モデル(固定勾配)にあてはめた。
【0204】
タンパク質アッセイを実施する場合は、ウェルあたりのタンパク量が各試料について分析される。細胞をNaOH(0.1N)で溶解し、10μlのアリコートを使用してタンパク濃度を分析した。この分析は、Coomassie Blue(Pierce)および自動プレートリーダーEmax Pro(商標)(Molecular Devices)を使用して実施される。
【0205】
【表7】

【0206】
実施例6
食物を与えたCD−1マウスにおけるGLP−1類似体による食後のグルコース低下効果。
【0207】
動物(CD−1マウス)は、12:12の明:暗サイクル下で標準的な実験動物飼料で維持した。動物は、ケージにつき4匹のマウスの群で飼育した。12時間の絶食期間(水は随意摂取させた)の後、動物は30分間食物を与えられた。摂食された食物の量はモニターされた。次に食物を取り除き、動物は溶媒または試験用のGLP−1類似体を皮下に注射した。グルコースレベルは、−30分、0、30、60、120、180、240、300および360分時に実験を通して測定した。
【0208】
CD−1マウスの尾の先端の小片をメスで切り、尾の基部から先端方向に親指と人差し指で軽く圧を加えることによって血の小滴を採取した。血の小滴をグルコメーターストリップ(Accucheck(商標)compact、Roche)上に置いて読み取った。かさぶたを取り除き、同じ手順で以降の測定を行った。
【0209】
図4で示すように、GLP−1類似体TH0395、TH0396、TH0397およびTH0424は、食物を与えたCD−1マウスで食後のグルコースを強力に抑制することがわかった。
【0210】
実施例7
クランプされたSpraque−DawleyラットモデルにおけるGLP−1類似体のグルコース低下作用。
【0211】
動物(Spraque−Dawleyラット)は、12:12の明:暗サイクル下で標準的な飼料で維持した。12時間の絶食期間後、動物に10分間食物を与えてから麻酔をかけた(イソフルラン2%)。それぞれ採血およびグルコース注射(1.0g/kgボーラスの後1.4g/kg/hrの注入)のために、頸動脈および頸静脈のカテーテルを設置した。動物はグルコースボーラスおよび注入を始めてから90分後、血糖濃度が安定したレベルに達した時期に、試験類似体(300μg/kg)の皮下注射を受けた。血糖測定は、グルコース注入の開始の前および30、60、90、100、110、120、135、150、180、210分後、また時には240および300分後に行った。
【0212】
使用した全ての方法で、グルコース測定は試料採取(必要な場合0.3〜0.4ml)の直後に実施された。インスリンアッセイまたは他のいかなるアッセイの実施に必要な血漿分離(遠心分離)の前に、血の小滴をグルコメーターストリップ(Accucheck(商標)compact、Roche)上に置いて読み取った。
【0213】
図10および15に示されているように、グルコースでクランプされたSpraque−DawleyラットおよびSTZで治療されたCD−1マウスにおいて、類似体TH0395、TH0396およびTH0424でグルコースクリアランスの類似のプロフィールが見られた。これらの結果は、TH0395およびTH0396の作用持続時間はTH0424のそれより長かったことを示す。
【0214】
実施例8
食物を与えたストレプトゾトシン誘導性糖尿病CD−1マウスにおけるGLP−1類似体のグルコース低下作用。
【0215】
動物(CD−1マウス)は、12:12の明:暗サイクル下で標準的な実験動物飼料で維持した。動物は、ケージにつき4匹のマウスの群で飼育した。CD−1マウスは400mg/kgのストレプトゾトシンの腹腔内注射を受け、24時間後に溶媒または選択されたGLP−1類似体の皮下注射を受けた。実験期間中に摂食された食物の量はモニターされた。グルコースレベルはGLP−1類似体の投与の前、および投与後6〜12時間まで以下のスケジュール、すなわち0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11および12時間に測定した。
【0216】
CD−1マウスの尾の先端の小片をメスで切り、尾の基部から先端方向に親指と人差し指で軽く圧を加えることによって血の小滴を採取した。血の小滴をグルコメーターストリップ(Accucheck(商標)compact、Roche)上に置いて読み取った。かさぶたを取り除き、同じ手順で以降の測定を行った。
【0217】
図12、13、14、15および16で示すように、本研究により3つの類似体TH0395、TH0396およびTH0424は、長時間作用性を有することが明らかになった。これらの類似体は、ストレプトゾトシン誘導性糖尿病マウスのグルコースレベルを、通常飼育のマウスで見られるレベルまで下げた。STZ誘導性糖尿病のマウスにおいて、TH0395は試験の最初の少なくとも6時間はExendin−4(商標)よりも強力なように見える点は、興味深い(図14)。このことは、試験の最初の12時間におけるTH0396の場合も同様である(図16)。
【0218】
本発明を、その好ましい実施形態を通して上で記載したが、本発明は、添付の請求項で規定されている対象発明の精神および性格から逸脱することなく修飾することができる。
【図面の簡単な説明】
【0219】
【図1】一晩絶食させて30分間食物を与えたCD−1マウスの血糖値を示す図である。
【図2】15mMの高血糖クランピングを受けたSpraque−Dawleyラットの血糖値を示す図である。
【図3】本発明のGLP−1類似体による、125I−GLP−1(7−36)NH2の%置換を示す図である。
【図4】CD−1マウスにおける食後のグルコースレベルに対する影響を示す図である。
【図5】選択された類似体についてのCD−1マウスにおける食後のグルコースレベルに対する影響(用量反応)を例示する図である。
【図6】選択された類似体についてのCD−1マウスにおける食後のグルコースレベルに対する影響(用量反応)を例示する図である。
【図7】選択された類似体についてのCD−1マウスにおける食後のグルコースレベルに対する影響(用量反応)を例示する図である。
【図8】選択された類似体についてのCD−1マウスにおける食後のグルコースレベルに対する影響(用量反応)を例示する図である。
【図9】クランプグルコース(15mmol/L)Spraque−Dawleyラットにおける血糖クリアランスの評価を例示する図である。
【図10】クランプグルコース(15mmol/L)Spraque−Dawleyラットにおける血糖クリアランスの評価を例示する図である。
【図11】ストレプトゾトシンを注入したCD−1マウスにおける、高血糖プロフィールの発達を例示する図である。
【図12】食物を与えられたSTZ誘導性糖尿病CD−1マウスにおけるグルコースプロフィールに及ぼすGLP−1類似体の影響を例示する図である。
【図13】食物を与えられたSTZ誘導性糖尿病CD−1マウスにおけるグルコースプロフィールに及ぼすGLP−1類似体の影響を例示する図である。
【図14】食物を与えられたSTZ誘導性糖尿病CD−1マウスにおけるグルコースプロフィールに及ぼすGLP−1類似体の影響を例示する図である。
【図15】食物を与えられたSTZ誘導性糖尿病CD−1マウスにおけるグルコースプロフィールに及ぼすGLP−1類似体の影響を例示する図である。
【図16】食物を与えられたSTZ誘導性糖尿病CD−1マウスにおける12時間の時点でのTH0396およびExendin−4(商標)の比較を例示する図である。
【図17】STZ誘導性糖尿病CD−1マウスにおける異なるGLP−1類似体の影響を例示する図である。
【図18】CD−1マウスにおける食後血糖症に及ぼす異なるGLP−1類似体の影響を例示する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の配列を含み、
R1−His−X8−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−X20−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−X27−Phe−Ile−X30−Trp−Leu−X33
ここで、
R1は水素、直鎖または分枝の不飽和C1〜C6アシル基、任意選択で置換されたアリールカルボニル、任意選択で置換されたシクロアルキルカルボニルおよび任意選択で置換されたアリールアルキルカルボニルからなる群から選択され、
X8はAla、Aib、ValおよびGlyからなる群から選択され、
X20はLeuおよびC6〜C20アルキル側鎖を有するGlyからなる群から選択され、
X27はAla、Leu、Val、IleおよびGluからなる群から選択され、
X30はGlu、Asp、Asn、GlnおよびAlaからなる群から選択され、
X33は
Lys−Asn−Aib−OH、Lys−Asn−Aib−NH2、Val−Lys−Asn−OH、Val−Lys−Asn−NH2、Lys−Asn−OH、Lys−Asn−NH2およびVal−Lys−Gly−Arg−NH2、Val−Lys−Aib−Arg−OH、Val−Lys−Aib−Arg−NH2、Lys−Asn−Gly−OHおよびLys−Asn−Gly−NH2
からなる群から選択され、
但し、前記配列は
His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg
ではない、GLP−1類似体。
【請求項2】
R1は2−ヒドロキシベンゾイルまたは水素であり、X8はAlaまたはGlyであり、X27はAlaまたはLeuであり、X30はGluまたはGlnであり、X33はVal−Lys−Asn−NH2である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項3】
R1は2−ヒドロキシベンゾイルまたは水素であり、X8はAlaまたはGlyであり、X27はAlaまたはLeuであり、X30はGluであり、X33はLys−Asn−NH2である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項4】
R1は2−ヒドロキシベンゾイル、トランス−3−ヘキセノイルまたは水素であり、X8はAlaまたはGlyであり、X27はLeuであり、X30はGluであり、X33はLys−Asn−Aib−NH2である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項5】
R1はトランス−3−ヘキセノイルまたは水素であり、X8はAlaまたはGlyであり、X27はAlaまたはLeuであり、X30はGluであり、X33はLys−Asn−NH2である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項6】
R1はトランス−3−ヘキセノイルまたは水素であり、X8はAlaまたはGlyであり、X20は(S)−オクチルグリシンであり、X27はAlaまたはLeuであり、X30はGlu、GlnまたはAspであり、X33はLys−Asn−NH2またはVal−Lys−Asn−NH2である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項7】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号1)。
【請求項8】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
2−ヒドロキシベンゾイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号2)。
【請求項9】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
2−ヒドロキシベンゾイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Aib−NH2(配列番号3)。
【請求項10】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号4)。
【請求項11】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号5)。
【請求項12】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号6)。
【請求項13】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号7)。
【請求項14】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号8)。
【請求項15】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号9)。
【請求項16】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号10)。
【請求項17】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号11)。
【請求項18】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−NHz(配列番号12)。
【請求項19】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−NH2(配列番号13)。
【請求項20】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−CONH2(配列番号14)。
【請求項21】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg−NH2(配列番号15)。
【請求項22】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
2−ヒドロキシベンゾイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−NH2(配列番号16)。
【請求項23】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号17)。
【請求項24】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号18)。
【請求項25】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号19)。
【請求項26】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
trans−3−ヘキセノイル−NH−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−NH2(配列番号20)。
【請求項27】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(S)−オクチルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号21)。
【請求項28】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−[(S)−オクチルグリシン]−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Ala−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−NH2(配列番号22)。
【請求項29】
以下の配列を有する請求項1に記載のペプチド:
His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−[(R)−オクタデシルグリシン]−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−NH2(配列番号23)。
【請求項30】
請求項1から29のいずれか一項に記載のGLP−1類似体またはその薬剤として許容される塩の治療有効量を、1つまたは複数の薬剤として許容される担体、希釈剤または賦形剤と共に含む医薬組成物。
【請求項31】
約1mcgから約10mgのGLP−1類似体またはその薬剤として許容される塩を含む請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
I型またはII型の糖尿病を治療するための、そのような治療を必要とする患者に対して請求項1から29のいずれか一項に記載のGLP−1類似体またはその薬剤として許容される塩の薬剤として有効な量を投与することを含む方法。
【請求項33】
インスリン抵抗性を治療するための、そのような治療を必要とする患者に対して請求項1から29のいずれか一項に記載のGLP−1類似体またはその薬剤として許容される塩の薬剤として有効な量を投与することを含む方法。
【請求項34】
肥満を治療するための、そのような治療を必要とする患者に対して請求項1から29のいずれか一項に記載のGLP−1類似体またはその薬剤として許容される塩の薬剤として有効な量を投与することを含む方法。
【請求項35】
満腹を制御するための、そのような治療を必要とする患者に対して請求項1から29のいずれか一項に記載のGLP−1類似体またはその薬剤として許容される塩の薬剤として有効な量を投与することを含む方法。
【請求項36】
前記I型またはII型の糖尿病の治療は食後の血漿インスリンレベルを少なくとも10%増加させる、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記I型またはII型の糖尿病の治療は空腹時血糖値を少なくとも10%減少させる、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記I型またはII型の糖尿病の治療は膵臓のβ細胞量を少なくとも10%増加させる、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記肥満の治療は体重を少なくとも1kg減らす、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記満腹の制御は飢えおよび摂食を少なくとも10%減らす、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
糖代謝と関連する障害または状態を治療するための、請求項1から29のいずれか一項に記載のGLP−1類似体またはその薬剤として許容される塩の使用。
【請求項41】
糖代謝と関連する障害または状態を予防するための、請求項1から29のいずれか一項に記載のGLP−1類似体またはその薬剤として許容される塩の使用。
【請求項42】
糖代謝と関連する障害または状態を治療する薬剤を製造するための、請求項1から29のいずれか一項に記載のGLP−1類似体またはその薬剤として許容される塩の使用。
【請求項43】
糖代謝と関連する障害または状態を予防する薬剤を製造するための、請求項1から29のいずれか一項に記載のGLP−1類似体またはその薬剤として許容される塩の使用。
【請求項44】
前記薬剤は皮下、静脈内、経皮、経口、口内および鼻腔内からなる群から選択される経路で投与される、請求項40から43のいずれか一項に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2007−537149(P2007−537149A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548056(P2006−548056)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【国際出願番号】PCT/CA2005/000022
【国際公開番号】WO2005/066207
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(506227068)セラテクノロジーズ インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】THERATECHNOLOGIES INC.
【Fターム(参考)】