開閉扉用ロック装置
【課題】フック部が半掛かり状態であることの把握を操作者に対して容易に行わせることができる開閉扉用ロック装置を提供する。
【解決手段】キーを挿通しつつ回転操作することによりロック位置とオープン位置との間で回転可能なロータ3を具備したキーシリンダ2と、開閉扉が閉状態のとき係止部Kと係止して開閉扉をロックするフック部4とを具備し、開閉扉が閉状態のとき、ロータ3をロック位置まで回動操作することにより、フック部4のロック状態を保持させるとともに、ロータ3をオープン位置まで回転操作した状態でキーシリンダ2を押圧操作することにより、フック部4の係止部との係止を解いて開閉扉のロックを解除し得る開閉扉用ロック装置1であって、フック部4が半掛かり状態のとき、キーシリンダ2のロータ3がロック位置まで回転するのを規制するロック部材9を具備したものである。
【解決手段】キーを挿通しつつ回転操作することによりロック位置とオープン位置との間で回転可能なロータ3を具備したキーシリンダ2と、開閉扉が閉状態のとき係止部Kと係止して開閉扉をロックするフック部4とを具備し、開閉扉が閉状態のとき、ロータ3をロック位置まで回動操作することにより、フック部4のロック状態を保持させるとともに、ロータ3をオープン位置まで回転操作した状態でキーシリンダ2を押圧操作することにより、フック部4の係止部との係止を解いて開閉扉のロックを解除し得る開閉扉用ロック装置1であって、フック部4が半掛かり状態のとき、キーシリンダ2のロータ3がロック位置まで回転するのを規制するロック部材9を具備したものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉扉が閉状態のとき、ロータをロック位置まで回動操作することにより、フック部のロック状態を保持させるとともに、ロータをオープン位置まで回転操作した状態でキーシリンダを押圧操作することにより、フック部の係止部との係止を解いて開閉扉のロックを解除し得る開閉扉用ロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば建設機械や産業機械等のボンネット等から成る開閉扉には、従来より、押圧操作可能とされるとともに、キーを挿通しつつ回転操作することによりロック位置とオープン位置との間で回転可能なロータを具備したキーシリンダと、開閉扉が閉状態のとき係止部と係止して当該開閉扉をロックするフック部とを具備した開閉扉用ロック装置が配設されるものがある。かかる従来の開閉扉用ロック装置は、開閉扉が閉状態のとき、ロータをオープン位置まで回転操作した状態でキーシリンダを押圧操作することにより、フック部の係止部との係止を解いて開閉扉のロックを解除し得るようになっていた。尚、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の開閉扉用ロック装置においては、フック部が係止部に対して完全に係止せず半掛かり状態になっていても、ロータをロック位置まで回転操作することができるため、フック部が完全に係止した状態であるのか或いは半掛かり状態であるのかを把握するのが困難となっていた。特に、通常のロータにおいては、ロータがオープン位置及びロック位置にあるとき、キーを挿抜可能とされているので、当該ロータがロック位置まで回転してしまうと、半掛かり状態であるにもかかわらずキーを抜き取ることができ、半掛かり状態であることの把握を一層困難としていた。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、フック部が半掛かり状態であることの把握を操作者に対して容易に行わせることができる開閉扉用ロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、開閉扉に取り付けられ、押圧操作可能とされるとともに、キーを挿通しつつ回転操作することによりロック位置とオープン位置との間で回転可能なロータを具備したキーシリンダと、前記開閉扉が閉状態のとき係止部と係止して当該開閉扉をロックするフック部とを具備し、前記開閉扉が閉状態のとき、前記ロータをロック位置まで回動操作することにより、前記フック部のロック状態を保持させるとともに、前記ロータをオープン位置まで回転操作した状態で前記キーシリンダを押圧操作することにより、前記フック部の前記係止部との係止を解いて前記開閉扉のロックを解除し得る開閉扉用ロック装置であって、前記フック部が前記係止部に対して半掛かり状態のとき、前記キーシリンダのロータがロック位置まで回転するのを規制する規制手段を具備したことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の開閉扉用ロック装置において、前記ロータは、オープン位置及びロック位置にあるときに限り前記キーの挿抜が可能とされたことを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の開閉扉用ロック装置において、前記規制手段は、前記ロータの基端側に一体的に取り付けられたロック部材から成り、当該ロック部材は、前記フック部が前記係止部に対して完全に係止した状態のとき、当該ロータのロック位置までの回転を許容させるとともに、前記フック部が半掛かり状態のとき、当該フック部の所定部位と干渉して当該ロータのロック位置までの回転を規制するものであることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の開閉扉用ロック装置において、前記フック部の所定部位は、前記キーシリンダに対する押圧操作によって押圧され、当該フック部を前記係止部と係止した位置から係止が解除された位置まで移動させる突起部から成ることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載の開閉扉用ロック装置において、前記キーシリンダは、前記ロータがオープン位置のときに限り押圧操作が可能とされたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、フック部が係止部に対して半掛かり状態のとき、キーシリンダのロータがロック位置まで回転するのを規制する規制手段を具備したので、フック部が半掛かり状態であることの把握を操作者に対して容易に行わせることができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、ロータは、オープン位置及びロック位置にあるときに限りキーの挿抜が可能とされたので、フック部が半掛かり状態のときはロータをロック位置まで回転できず、キーをロータから抜き取ることができない。従って、フック部が半掛かり状態であることの把握を操作者に対してより確実に行わせることができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、規制手段は、ロータの基端側に一体的に取り付けられたロック部材から成り、当該ロック部材は、フック部が係止部に対して完全に係止した状態のとき、当該ロータのロック位置までの回転を許容させるとともに、フック部が半掛かり状態のとき、当該フック部の所定部位と干渉して当該ロータのロック位置までの回転を規制するものであるので、半掛かり状態のときのロータのロック位置までの回転の規制をより確実に行わせることができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、フック部の所定部位は、キーシリンダに対する押圧操作によって押圧され、当該フック部を係止部と係止した位置から係止が解除された位置まで移動させる突起部から成るので、突起部が、フック部の係止を解除させる機能と、フック部が半掛かり状態のときロータをロック位置まで回転するのを規制する機能とを兼ね備えることができる。
【0014】
請求項5の発明によれば、キーシリンダは、ロータがオープン位置のときに限り押圧操作が可能とされたので、開閉扉のロック解除操作をよりスムーズ且つ確実に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る開閉扉用ロック装置(ロータがオープン位置の状態)を示す正面図
【図2】同開閉扉用ロック装置(ロータがロック位置の状態)を示す正面図
【図3】同開閉扉用ロック装置を示す底面図
【図4】同開閉扉用ロック装置(フック部が完全に係止した状態)を示す側面図
【図5】同開閉扉用ロック装置(ロータがオープン位置の状態)を示す背面図
【図6】同開閉扉用ロック装置を示す縦断面図
【図7】同開閉扉用ロック装置におけるケースを示す模式図
【図8】同開閉扉用ロック装置におけるロータを示す模式図
【図9】同開閉扉用ロック装置における突起部を示す模式図
【図10】同開閉扉用ロック装置におけるロック部材を示す平面図、正面図、底面図及び側面図
【図11】図10におけるXI−XI線断面図
【図12】図10におけるXII−XII線断面図
【図13】同開閉扉用ロック装置(ロータがロック位置、且つ、フック部が完全に係止した状態)を示す背面図
【図14】同開閉扉用ロック装置(フック部が半掛かり状態)を示す側面図
【図15】同開閉扉用ロック装置(フック部が半掛かり状態のとき、ロータをロック位置まで回動しようとした状態)を示す背面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る開閉扉用ロック装置は、例えば建設機械や産業機械等の開閉扉(ボンネット等)のロック装置に適用されるもので、開閉扉が閉状態のとき、キーシリンダのロータをロック位置まで回動操作することにより、フック部のロック状態を保持させるとともに、ロータをオープン位置まで回転操作した状態でキーシリンダを押圧操作することにより、フック部の係止部との係止を解いて開閉扉のロックを解除し得るものである。
【0017】
具体的には、本実施形態に係る開閉扉用ロック装置1は、図1〜12に示すように、フレームF1及びF2に配設された種々構成部品から成るとともに、当該構成部品は、キーシリンダ2と、ロータ3と、フック部4と、突起部7と、規制手段としてのロック部材9とから主に構成されている。尚、フレームF1は、開閉扉側に固定されるとともに、フック部4と係止可能な係止部Kは、開閉扉の縁側(開閉扉によって開閉される開口部側)に固定される。
【0018】
キーシリンダ2は、開閉扉に取り付けられ、押圧操作可能とされるとともに、キーを挿通しつつ回転操作することによりロック位置とオープン位置との間で回転可能なロータ3を具備したものである。このキーシリンダ2は、図6に示すように、ケース6に保持されつつ先端側(同図中左端側)がフレームF1より突出形成されているとともに、当該ケース6内に配設されたスプリングSにて同図中左側に常時付勢されており、当該スプリングSの付勢力に抗して押圧操作がなされるようになっている。尚、押圧操作時は、キーシリンダ2と共にロータ3も移動することとなる。
【0019】
ロータ3は、図示しないキー(例えば建設機械や産業機械等のエンジン等を始動させるためのキー)を挿抜可能なキー孔3aが形成されるとともに、当該キーの挿抜に伴って径方向に出没するタンブラT(図8参照)が形成されている。これにより、ロータ3は、正規のキーをキー孔3aに挿通することにより、タンブラTによるキーシリンダ2との係止を解き、ロック位置(図1参照)とオープン位置(図2参照)との間で回転操作が可能とされている。また、ロータ3は、オープン位置及びロック位置にあるときに限りキーの挿抜が可能とされており、当該ロータ3がオープン位置とロック位置との間にあるとき、キー孔3aからキーを抜き取ることが規制されている。
【0020】
更に、ロータ3には、図8に示すように、その基端側(同図(a)中右端側)に一対のリブ3b(径方向への突出部)が形成されるとともに、ケース6には、図7に示すように、当該リブ3bと対応した形状の一対の溝6aaが形成されている。かかる溝6aaは、ケース6における孔6aの縁部に形成されているとともに、オープン位置にあるロータ3のリブ3bと合致する位置に形成されている。
【0021】
即ち、ロータ3がオープン位置にないとき(例えばロック位置にあるとき)キーシリンダ2を押圧操作すると、リブ3bが溝6aaと合致せず、当該ロータ3の孔6aに対する挿通が規制される一方、ロータ3がオープン位置にあるときキーシリンダ2を押圧操作すると、リブ3bが溝6aaと合致し、当該ロータ3の孔6aに対する挿通が許容されるのである。これにより、キーシリンダ2は、ロータ3がオープン位置のときに限り押圧操作が可能とされている。
【0022】
フック部4は、開閉扉が閉状態のとき略U字状に形成された係止部Kと係止して当該開閉扉をロックするもので、図4に示すように、フレームF2に形成された回動軸Lを中心に回動自在とされるとともに、トーションバネ5によって係止部Kと係止する方向に常時付勢されている。また、フック部4には、係止部Kと係止可能な係止溝4aが形成されており、開閉扉を閉状態とすると、係止溝4aに係止部Kが嵌入して係止されるよう構成されている。尚、図中符号4bは、フック部4に形成された補助係止溝を示しており、当該補助係止溝4bによって、係止溝4aに対する係止が不完全な状態(半掛かり状態)のとき、開閉扉の開放が規制されている。
【0023】
更に、フック部4には、キーシリンダ2に対する押圧操作によって押圧され、当該フック部4を係止部Kと係止した位置から係止が解除された位置まで移動させる突起部7が形成されている。かかる突起部7は、フック部4の側方に向かって突出形成されたピン状部材から成り、図9に示すように、突端側に切欠7aが形成されており、当該切欠部7aが略平面とされている。
【0024】
然るに、ロータ3の基端側(当該基端とロック部材9との間の位置)には、板状の押圧プレート8が配設されており、キーシリンダ2を押圧操作するのに伴って当該押圧プレート8も同方向に移動するよう構成されている。押圧操作によって押圧プレート8が移動すると、当該押圧プレート8が突起部7に当接し、同方向に押圧されることとなる。これにより、フック部4がトーションバネ5の付勢力に抗して回動し、係止部Kとの係止が解かれる。而して、開閉扉が閉状態のとき、ロータ3をロック位置まで回動操作することにより、フック部4のロック状態を保持させるとともに、ロータ3をオープン位置まで回転操作した状態でキーシリンダ2を押圧操作することにより、フック部4の係止部Kとの係止を解いて開閉扉のロックを解除し得るようになっている。
【0025】
ここで、本実施形態に係る開閉扉用ロック装置おいては、ロータ3の基端側に一体的に取り付けられたロック部材9(規制手段)を具備しており、これにより、フック部4が係止部Kに対して半掛かり状態のとき(図14参照)、キーシリンダ2のロータ3がロック位置まで回転するのを規制し得るようになっている。より具体的には、ロック部材9は、ネジ10によってロータ3の基端に固定されて当該ロータ3と共に動作可能な部品から成り、図10〜12に示すように、干渉部位9aと、非干渉部位9bと、ネジ10を挿通可能な挿通孔9cとが一体的に形成されている。
【0026】
干渉部位9aは、フック部4が半掛かり状態(図14参照)のとき、図15に示すように、当該フック部4の突起部7(所定部位)と干渉して当該ロータ3のオープン位置からロック位置までの回転を規制するための部位である。尚、フック部4が半掛かり状態のとき、突起部7の切欠7a(略平面)と干渉部位9aとの互いの面が当接して干渉するよう設定されており、干渉時の破損等が抑制されている。
【0027】
非干渉部位9bは、フック部4が係止部Kに対して完全に係止された状態(図4参照)のとき、図13に示すように、当該フック部4の突起部7(所定部位)と干渉せず、当該ロータ3のオープン位置からロック位置までの回転を許容させるための部位である。即ち、フック部4が半掛かり状態のとき、突起部7が干渉部位9aの形成位置になるよう設定されており、ロータ3の回転時に突起部7に干渉部位9aが干渉する一方、フック部4が係止部Kに対して完全に係止された状態のとき、突起部7が非干渉部位9bの形成位置に至るよう設定されており、当該ロータ3の回転が許容されるのである。
【0028】
而して、本実施形態に係るロック部材9は、フック部4が係止部Kに対して完全に係止した状態のとき、ロータ3のロック位置までの回転を許容させるとともに、フック部4が半掛かり状態のとき、当該フック部4の突起部7(所定部位)と干渉して当該ロータ3のロック位置までの回転を規制するものとされている。これにより、フック部4が半掛かり状態のときのロータ3のロック位置までの回転の規制をより確実に行わせることができる。
【0029】
上記実施形態によれば、フック部4が係止部Kに対して半掛かり状態のとき、キーシリンダ2のロータ3がロック位置まで回転するのを規制するロック部材9(規制手段)を具備したので、フック部4が半掛かり状態であることの把握を操作者に対して容易に行わせることができる。特に、ロータ3は、オープン位置及びロック位置にあるときに限りキー孔3aに対するキーの挿抜が可能とされたので、フック部4が半掛かり状態のときはロータ3をロック位置まで回転できず、キーをロータ3から抜き取ることができない。従って、フック部4が半掛かり状態であることの把握を操作者に対してより確実に行わせることができる。
【0030】
また、フック部4の所定部位(ロック部材9における干渉部位9aとの干渉部)は、キーシリンダ2に対する押圧操作によって押圧され、当該フック部4を係止部Kと係止した位置から係止が解除された位置まで移動させる突起部7から成るので、突起部7が、フック部4の係止を解除させる機能と、フック部4が半掛かり状態のときロータ3をロック位置まで回転するのを規制する機能とを兼ね備えることができる。尚、突起部7とは別個、ロック部材9における干渉部位9aとの干渉部(所定部位)をフック部4に形成するようにしてもよい。
【0031】
更に、キーシリンダ2は、ロータ3がオープン位置のときに限り押圧操作が可能とされたので、当該ロータ3がロック位置にある状態或いはロータ位置とオープン位置との間にある状態では押圧操作自体が不可能とされ、開閉扉のロック解除操作をよりスムーズ且つ確実に行わせることができる。尚、押圧操作が不可能であればロータ3がロック位置にあることが分かるので、夜間等周囲が暗くて視認困難な場合においても、ロック状態の確認を行わせることができる。
【0032】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばフック部4に補助係止溝4bが形成されないもの(即ち、フック部4に係止溝4aのみ形成されたもの)、或いはフック部4の付勢をトーションバネ5以外の汎用的な付勢手段等で行わせるもの等としてもよい。また、ロック部材9は、フック部4が係止部Kに対して半掛かり状態のとき、キーシリンダ2のロータ3がロック位置まで回転するのを規制する規制手段であれば足り、上記実施形態と異なる形態のものとしてもよい。尚、本実施形態においては、建設機械や産業機械等の開閉扉に適用されているが、自動車や二輪車等の汎用的な車両の開閉扉に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
フック部が係止部に対して半掛かり状態のとき、キーシリンダのロータがロック位置まで回転するのを規制する規制手段を具備した開閉扉用ロック装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付与されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 開閉扉用ロック装置
2 キーシリンダ
3 ロータ
4 フック部
5 トーションバネ
6 ケース
7 突起部(所定部位)
8 押圧プレート
9 ロック部材(規制手段)
10 ネジ
K 係止部
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉扉が閉状態のとき、ロータをロック位置まで回動操作することにより、フック部のロック状態を保持させるとともに、ロータをオープン位置まで回転操作した状態でキーシリンダを押圧操作することにより、フック部の係止部との係止を解いて開閉扉のロックを解除し得る開閉扉用ロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば建設機械や産業機械等のボンネット等から成る開閉扉には、従来より、押圧操作可能とされるとともに、キーを挿通しつつ回転操作することによりロック位置とオープン位置との間で回転可能なロータを具備したキーシリンダと、開閉扉が閉状態のとき係止部と係止して当該開閉扉をロックするフック部とを具備した開閉扉用ロック装置が配設されるものがある。かかる従来の開閉扉用ロック装置は、開閉扉が閉状態のとき、ロータをオープン位置まで回転操作した状態でキーシリンダを押圧操作することにより、フック部の係止部との係止を解いて開閉扉のロックを解除し得るようになっていた。尚、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の開閉扉用ロック装置においては、フック部が係止部に対して完全に係止せず半掛かり状態になっていても、ロータをロック位置まで回転操作することができるため、フック部が完全に係止した状態であるのか或いは半掛かり状態であるのかを把握するのが困難となっていた。特に、通常のロータにおいては、ロータがオープン位置及びロック位置にあるとき、キーを挿抜可能とされているので、当該ロータがロック位置まで回転してしまうと、半掛かり状態であるにもかかわらずキーを抜き取ることができ、半掛かり状態であることの把握を一層困難としていた。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、フック部が半掛かり状態であることの把握を操作者に対して容易に行わせることができる開閉扉用ロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、開閉扉に取り付けられ、押圧操作可能とされるとともに、キーを挿通しつつ回転操作することによりロック位置とオープン位置との間で回転可能なロータを具備したキーシリンダと、前記開閉扉が閉状態のとき係止部と係止して当該開閉扉をロックするフック部とを具備し、前記開閉扉が閉状態のとき、前記ロータをロック位置まで回動操作することにより、前記フック部のロック状態を保持させるとともに、前記ロータをオープン位置まで回転操作した状態で前記キーシリンダを押圧操作することにより、前記フック部の前記係止部との係止を解いて前記開閉扉のロックを解除し得る開閉扉用ロック装置であって、前記フック部が前記係止部に対して半掛かり状態のとき、前記キーシリンダのロータがロック位置まで回転するのを規制する規制手段を具備したことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の開閉扉用ロック装置において、前記ロータは、オープン位置及びロック位置にあるときに限り前記キーの挿抜が可能とされたことを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の開閉扉用ロック装置において、前記規制手段は、前記ロータの基端側に一体的に取り付けられたロック部材から成り、当該ロック部材は、前記フック部が前記係止部に対して完全に係止した状態のとき、当該ロータのロック位置までの回転を許容させるとともに、前記フック部が半掛かり状態のとき、当該フック部の所定部位と干渉して当該ロータのロック位置までの回転を規制するものであることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の開閉扉用ロック装置において、前記フック部の所定部位は、前記キーシリンダに対する押圧操作によって押圧され、当該フック部を前記係止部と係止した位置から係止が解除された位置まで移動させる突起部から成ることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載の開閉扉用ロック装置において、前記キーシリンダは、前記ロータがオープン位置のときに限り押圧操作が可能とされたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、フック部が係止部に対して半掛かり状態のとき、キーシリンダのロータがロック位置まで回転するのを規制する規制手段を具備したので、フック部が半掛かり状態であることの把握を操作者に対して容易に行わせることができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、ロータは、オープン位置及びロック位置にあるときに限りキーの挿抜が可能とされたので、フック部が半掛かり状態のときはロータをロック位置まで回転できず、キーをロータから抜き取ることができない。従って、フック部が半掛かり状態であることの把握を操作者に対してより確実に行わせることができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、規制手段は、ロータの基端側に一体的に取り付けられたロック部材から成り、当該ロック部材は、フック部が係止部に対して完全に係止した状態のとき、当該ロータのロック位置までの回転を許容させるとともに、フック部が半掛かり状態のとき、当該フック部の所定部位と干渉して当該ロータのロック位置までの回転を規制するものであるので、半掛かり状態のときのロータのロック位置までの回転の規制をより確実に行わせることができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、フック部の所定部位は、キーシリンダに対する押圧操作によって押圧され、当該フック部を係止部と係止した位置から係止が解除された位置まで移動させる突起部から成るので、突起部が、フック部の係止を解除させる機能と、フック部が半掛かり状態のときロータをロック位置まで回転するのを規制する機能とを兼ね備えることができる。
【0014】
請求項5の発明によれば、キーシリンダは、ロータがオープン位置のときに限り押圧操作が可能とされたので、開閉扉のロック解除操作をよりスムーズ且つ確実に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る開閉扉用ロック装置(ロータがオープン位置の状態)を示す正面図
【図2】同開閉扉用ロック装置(ロータがロック位置の状態)を示す正面図
【図3】同開閉扉用ロック装置を示す底面図
【図4】同開閉扉用ロック装置(フック部が完全に係止した状態)を示す側面図
【図5】同開閉扉用ロック装置(ロータがオープン位置の状態)を示す背面図
【図6】同開閉扉用ロック装置を示す縦断面図
【図7】同開閉扉用ロック装置におけるケースを示す模式図
【図8】同開閉扉用ロック装置におけるロータを示す模式図
【図9】同開閉扉用ロック装置における突起部を示す模式図
【図10】同開閉扉用ロック装置におけるロック部材を示す平面図、正面図、底面図及び側面図
【図11】図10におけるXI−XI線断面図
【図12】図10におけるXII−XII線断面図
【図13】同開閉扉用ロック装置(ロータがロック位置、且つ、フック部が完全に係止した状態)を示す背面図
【図14】同開閉扉用ロック装置(フック部が半掛かり状態)を示す側面図
【図15】同開閉扉用ロック装置(フック部が半掛かり状態のとき、ロータをロック位置まで回動しようとした状態)を示す背面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る開閉扉用ロック装置は、例えば建設機械や産業機械等の開閉扉(ボンネット等)のロック装置に適用されるもので、開閉扉が閉状態のとき、キーシリンダのロータをロック位置まで回動操作することにより、フック部のロック状態を保持させるとともに、ロータをオープン位置まで回転操作した状態でキーシリンダを押圧操作することにより、フック部の係止部との係止を解いて開閉扉のロックを解除し得るものである。
【0017】
具体的には、本実施形態に係る開閉扉用ロック装置1は、図1〜12に示すように、フレームF1及びF2に配設された種々構成部品から成るとともに、当該構成部品は、キーシリンダ2と、ロータ3と、フック部4と、突起部7と、規制手段としてのロック部材9とから主に構成されている。尚、フレームF1は、開閉扉側に固定されるとともに、フック部4と係止可能な係止部Kは、開閉扉の縁側(開閉扉によって開閉される開口部側)に固定される。
【0018】
キーシリンダ2は、開閉扉に取り付けられ、押圧操作可能とされるとともに、キーを挿通しつつ回転操作することによりロック位置とオープン位置との間で回転可能なロータ3を具備したものである。このキーシリンダ2は、図6に示すように、ケース6に保持されつつ先端側(同図中左端側)がフレームF1より突出形成されているとともに、当該ケース6内に配設されたスプリングSにて同図中左側に常時付勢されており、当該スプリングSの付勢力に抗して押圧操作がなされるようになっている。尚、押圧操作時は、キーシリンダ2と共にロータ3も移動することとなる。
【0019】
ロータ3は、図示しないキー(例えば建設機械や産業機械等のエンジン等を始動させるためのキー)を挿抜可能なキー孔3aが形成されるとともに、当該キーの挿抜に伴って径方向に出没するタンブラT(図8参照)が形成されている。これにより、ロータ3は、正規のキーをキー孔3aに挿通することにより、タンブラTによるキーシリンダ2との係止を解き、ロック位置(図1参照)とオープン位置(図2参照)との間で回転操作が可能とされている。また、ロータ3は、オープン位置及びロック位置にあるときに限りキーの挿抜が可能とされており、当該ロータ3がオープン位置とロック位置との間にあるとき、キー孔3aからキーを抜き取ることが規制されている。
【0020】
更に、ロータ3には、図8に示すように、その基端側(同図(a)中右端側)に一対のリブ3b(径方向への突出部)が形成されるとともに、ケース6には、図7に示すように、当該リブ3bと対応した形状の一対の溝6aaが形成されている。かかる溝6aaは、ケース6における孔6aの縁部に形成されているとともに、オープン位置にあるロータ3のリブ3bと合致する位置に形成されている。
【0021】
即ち、ロータ3がオープン位置にないとき(例えばロック位置にあるとき)キーシリンダ2を押圧操作すると、リブ3bが溝6aaと合致せず、当該ロータ3の孔6aに対する挿通が規制される一方、ロータ3がオープン位置にあるときキーシリンダ2を押圧操作すると、リブ3bが溝6aaと合致し、当該ロータ3の孔6aに対する挿通が許容されるのである。これにより、キーシリンダ2は、ロータ3がオープン位置のときに限り押圧操作が可能とされている。
【0022】
フック部4は、開閉扉が閉状態のとき略U字状に形成された係止部Kと係止して当該開閉扉をロックするもので、図4に示すように、フレームF2に形成された回動軸Lを中心に回動自在とされるとともに、トーションバネ5によって係止部Kと係止する方向に常時付勢されている。また、フック部4には、係止部Kと係止可能な係止溝4aが形成されており、開閉扉を閉状態とすると、係止溝4aに係止部Kが嵌入して係止されるよう構成されている。尚、図中符号4bは、フック部4に形成された補助係止溝を示しており、当該補助係止溝4bによって、係止溝4aに対する係止が不完全な状態(半掛かり状態)のとき、開閉扉の開放が規制されている。
【0023】
更に、フック部4には、キーシリンダ2に対する押圧操作によって押圧され、当該フック部4を係止部Kと係止した位置から係止が解除された位置まで移動させる突起部7が形成されている。かかる突起部7は、フック部4の側方に向かって突出形成されたピン状部材から成り、図9に示すように、突端側に切欠7aが形成されており、当該切欠部7aが略平面とされている。
【0024】
然るに、ロータ3の基端側(当該基端とロック部材9との間の位置)には、板状の押圧プレート8が配設されており、キーシリンダ2を押圧操作するのに伴って当該押圧プレート8も同方向に移動するよう構成されている。押圧操作によって押圧プレート8が移動すると、当該押圧プレート8が突起部7に当接し、同方向に押圧されることとなる。これにより、フック部4がトーションバネ5の付勢力に抗して回動し、係止部Kとの係止が解かれる。而して、開閉扉が閉状態のとき、ロータ3をロック位置まで回動操作することにより、フック部4のロック状態を保持させるとともに、ロータ3をオープン位置まで回転操作した状態でキーシリンダ2を押圧操作することにより、フック部4の係止部Kとの係止を解いて開閉扉のロックを解除し得るようになっている。
【0025】
ここで、本実施形態に係る開閉扉用ロック装置おいては、ロータ3の基端側に一体的に取り付けられたロック部材9(規制手段)を具備しており、これにより、フック部4が係止部Kに対して半掛かり状態のとき(図14参照)、キーシリンダ2のロータ3がロック位置まで回転するのを規制し得るようになっている。より具体的には、ロック部材9は、ネジ10によってロータ3の基端に固定されて当該ロータ3と共に動作可能な部品から成り、図10〜12に示すように、干渉部位9aと、非干渉部位9bと、ネジ10を挿通可能な挿通孔9cとが一体的に形成されている。
【0026】
干渉部位9aは、フック部4が半掛かり状態(図14参照)のとき、図15に示すように、当該フック部4の突起部7(所定部位)と干渉して当該ロータ3のオープン位置からロック位置までの回転を規制するための部位である。尚、フック部4が半掛かり状態のとき、突起部7の切欠7a(略平面)と干渉部位9aとの互いの面が当接して干渉するよう設定されており、干渉時の破損等が抑制されている。
【0027】
非干渉部位9bは、フック部4が係止部Kに対して完全に係止された状態(図4参照)のとき、図13に示すように、当該フック部4の突起部7(所定部位)と干渉せず、当該ロータ3のオープン位置からロック位置までの回転を許容させるための部位である。即ち、フック部4が半掛かり状態のとき、突起部7が干渉部位9aの形成位置になるよう設定されており、ロータ3の回転時に突起部7に干渉部位9aが干渉する一方、フック部4が係止部Kに対して完全に係止された状態のとき、突起部7が非干渉部位9bの形成位置に至るよう設定されており、当該ロータ3の回転が許容されるのである。
【0028】
而して、本実施形態に係るロック部材9は、フック部4が係止部Kに対して完全に係止した状態のとき、ロータ3のロック位置までの回転を許容させるとともに、フック部4が半掛かり状態のとき、当該フック部4の突起部7(所定部位)と干渉して当該ロータ3のロック位置までの回転を規制するものとされている。これにより、フック部4が半掛かり状態のときのロータ3のロック位置までの回転の規制をより確実に行わせることができる。
【0029】
上記実施形態によれば、フック部4が係止部Kに対して半掛かり状態のとき、キーシリンダ2のロータ3がロック位置まで回転するのを規制するロック部材9(規制手段)を具備したので、フック部4が半掛かり状態であることの把握を操作者に対して容易に行わせることができる。特に、ロータ3は、オープン位置及びロック位置にあるときに限りキー孔3aに対するキーの挿抜が可能とされたので、フック部4が半掛かり状態のときはロータ3をロック位置まで回転できず、キーをロータ3から抜き取ることができない。従って、フック部4が半掛かり状態であることの把握を操作者に対してより確実に行わせることができる。
【0030】
また、フック部4の所定部位(ロック部材9における干渉部位9aとの干渉部)は、キーシリンダ2に対する押圧操作によって押圧され、当該フック部4を係止部Kと係止した位置から係止が解除された位置まで移動させる突起部7から成るので、突起部7が、フック部4の係止を解除させる機能と、フック部4が半掛かり状態のときロータ3をロック位置まで回転するのを規制する機能とを兼ね備えることができる。尚、突起部7とは別個、ロック部材9における干渉部位9aとの干渉部(所定部位)をフック部4に形成するようにしてもよい。
【0031】
更に、キーシリンダ2は、ロータ3がオープン位置のときに限り押圧操作が可能とされたので、当該ロータ3がロック位置にある状態或いはロータ位置とオープン位置との間にある状態では押圧操作自体が不可能とされ、開閉扉のロック解除操作をよりスムーズ且つ確実に行わせることができる。尚、押圧操作が不可能であればロータ3がロック位置にあることが分かるので、夜間等周囲が暗くて視認困難な場合においても、ロック状態の確認を行わせることができる。
【0032】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばフック部4に補助係止溝4bが形成されないもの(即ち、フック部4に係止溝4aのみ形成されたもの)、或いはフック部4の付勢をトーションバネ5以外の汎用的な付勢手段等で行わせるもの等としてもよい。また、ロック部材9は、フック部4が係止部Kに対して半掛かり状態のとき、キーシリンダ2のロータ3がロック位置まで回転するのを規制する規制手段であれば足り、上記実施形態と異なる形態のものとしてもよい。尚、本実施形態においては、建設機械や産業機械等の開閉扉に適用されているが、自動車や二輪車等の汎用的な車両の開閉扉に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
フック部が係止部に対して半掛かり状態のとき、キーシリンダのロータがロック位置まで回転するのを規制する規制手段を具備した開閉扉用ロック装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付与されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 開閉扉用ロック装置
2 キーシリンダ
3 ロータ
4 フック部
5 トーションバネ
6 ケース
7 突起部(所定部位)
8 押圧プレート
9 ロック部材(規制手段)
10 ネジ
K 係止部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉扉に取り付けられ、押圧操作可能とされるとともに、キーを挿通しつつ回転操作することによりロック位置とオープン位置との間で回転可能なロータを具備したキーシリンダと、
前記開閉扉が閉状態のとき係止部と係止して当該開閉扉をロックするフック部と、
を具備し、前記開閉扉が閉状態のとき、前記ロータをロック位置まで回動操作することにより、前記フック部のロック状態を保持させるとともに、前記ロータをオープン位置まで回転操作した状態で前記キーシリンダを押圧操作することにより、前記フック部の前記係止部との係止を解いて前記開閉扉のロックを解除し得る開閉扉用ロック装置であって、
前記フック部が前記係止部に対して半掛かり状態のとき、前記キーシリンダのロータがロック位置まで回転するのを規制する規制手段を具備したことを特徴とする開閉扉用ロック装置。
【請求項2】
前記ロータは、オープン位置及びロック位置にあるときに限り前記キーの挿抜が可能とされたことを特徴とする請求項1記載の開閉扉用ロック装置。
【請求項3】
前記規制手段は、前記ロータの基端側に一体的に取り付けられたロック部材から成り、当該ロック部材は、前記フック部が前記係止部に対して完全に係止した状態のとき、当該ロータのロック位置までの回転を許容させるとともに、前記フック部が半掛かり状態のとき、当該フック部の所定部位と干渉して当該ロータのロック位置までの回転を規制するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の開閉扉用ロック装置。
【請求項4】
前記フック部の所定部位は、前記キーシリンダに対する押圧操作によって押圧され、当該フック部を前記係止部と係止した位置から係止が解除された位置まで移動させる突起部から成ることを特徴とする請求項3記載の開閉扉用ロック装置。
【請求項5】
前記キーシリンダは、前記ロータがオープン位置のときに限り押圧操作が可能とされたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の開閉扉用ロック装置。
【請求項1】
開閉扉に取り付けられ、押圧操作可能とされるとともに、キーを挿通しつつ回転操作することによりロック位置とオープン位置との間で回転可能なロータを具備したキーシリンダと、
前記開閉扉が閉状態のとき係止部と係止して当該開閉扉をロックするフック部と、
を具備し、前記開閉扉が閉状態のとき、前記ロータをロック位置まで回動操作することにより、前記フック部のロック状態を保持させるとともに、前記ロータをオープン位置まで回転操作した状態で前記キーシリンダを押圧操作することにより、前記フック部の前記係止部との係止を解いて前記開閉扉のロックを解除し得る開閉扉用ロック装置であって、
前記フック部が前記係止部に対して半掛かり状態のとき、前記キーシリンダのロータがロック位置まで回転するのを規制する規制手段を具備したことを特徴とする開閉扉用ロック装置。
【請求項2】
前記ロータは、オープン位置及びロック位置にあるときに限り前記キーの挿抜が可能とされたことを特徴とする請求項1記載の開閉扉用ロック装置。
【請求項3】
前記規制手段は、前記ロータの基端側に一体的に取り付けられたロック部材から成り、当該ロック部材は、前記フック部が前記係止部に対して完全に係止した状態のとき、当該ロータのロック位置までの回転を許容させるとともに、前記フック部が半掛かり状態のとき、当該フック部の所定部位と干渉して当該ロータのロック位置までの回転を規制するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の開閉扉用ロック装置。
【請求項4】
前記フック部の所定部位は、前記キーシリンダに対する押圧操作によって押圧され、当該フック部を前記係止部と係止した位置から係止が解除された位置まで移動させる突起部から成ることを特徴とする請求項3記載の開閉扉用ロック装置。
【請求項5】
前記キーシリンダは、前記ロータがオープン位置のときに限り押圧操作が可能とされたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の開閉扉用ロック装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−196080(P2011−196080A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63538(P2010−63538)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000213954)朝日電装株式会社 (184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000213954)朝日電装株式会社 (184)
【Fターム(参考)】
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