説明

開閉検出装置

【課題】小型化して、窓等への取付け作業性、意匠性を向上させるとともに、防犯性にも優れる開閉検出装置を提供する。
【解決手段】枠体2に、枠体2に囲まれた空間の少なくとも一部を開閉可能な複数の可動体3,4が移動可能に取り付けられるとともに、これら可動体3,4に強磁性体15,16がそれぞれ設けられ、これら強磁性体15,16のうちの少なくとも1個は磁石により構成され、枠体2に、可動体3,4を閉じたときにこれら可動体3,4のそれぞれの強磁性体15,16によって形成される磁気回路内に配置されるように磁気検出素子21が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気検出素子によって窓等の開閉を検出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
引き違い窓等の開閉を検出する装置として、引き戸に固定した磁石の移動を、躯体に固定状態の枠体に設置した磁気検出素子により検出する構成のものが知られている。
特許文献1及び特許文献2に記載されている窓では、二枚の引き戸の上端にそれぞれ磁石を固定し、枠体の上枠に、各引き戸に対応してリードスイッチ等の磁気検出素子がそれぞれ設けられている。これら磁気検出素子は、対応する引き戸の磁石が上下に対峙したときにON、その対峙位置から離れたときにOFFとなることにより、引き戸の移動をそれぞれ検出する。
【0003】
特許文献3記載の窓においては、各引き戸に磁石がそれぞれ固定され、枠体の上枠の中央部に防犯センサが固定され、その防犯センサの両端に、各磁石に反応する磁気検出素子(スイッチ部)が内蔵されている。防犯センサは、それぞれの磁気検出素子に引き戸が接近した状態のときにON、離れたときにOFFとなる構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭56−37187号公報
【特許文献2】実開昭57−588675号公報
【特許文献3】特開2001−175957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
いずれの特許文献記載の窓においても、二枚の引き戸のそれぞれの移動を検知するために、2個の磁石と、これら磁石に対応する2個の磁気検出素子とが必要であり、これらをそれぞれ窓に取り付ける際の作業が煩雑になる。この場合、特許文献3記載のように2個の磁気検出素子を一つのモジュールに組み込むことにより、窓に取り付ける際の部品点数は少なくなるが、小型化は難しく、枠体に取り付けた後に枠から突出するなど、窓の意匠性を損なうとともに、防犯上も、センサモジュールの取付け位置が外部から特定され易くなるため好ましくない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、小型化して、窓等への取付け作業性、意匠性を向上させるとともに、防犯性にも優れる開閉検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の開閉検出装置は、枠体に、該枠体に囲まれた空間の少なくとも一部を開閉可能な複数の可動体が移動可能に取り付けられるとともに、これら可動体に強磁性体がそれぞれ設けられ、これら強磁性体のうちの少なくとも1個は磁石により構成され、前記枠体に、前記可動体を閉じたときにこれら可動体のそれぞれの強磁性体によって形成される磁気回路内に配置されるように磁気検出素子が設けられていることを特徴とする。
【0008】
この開閉検出装置においては、可動体を閉じたときには、可動体に設けた磁石を含む強磁性体により形成される磁気回路内に磁気検出素子が配置され、その磁気回路の磁束密度の検出により磁気検出素子が「閉」状態を検出することができる。一方、可動体を開いたときには、これら可動体に設けた強磁性体どうしが離れ、また少なくとも一方の強磁性体が磁気検出素子から離れることにより、これら強磁性体間に形成される磁気回路の磁束密度は、磁気検出素子においては検出されなくなるか、極めて小さくなり、その磁束密度の大きさの変化により、磁気検出素子は「開」状態を検出することができる。各可動体を閉じたときに強磁性体により形成される磁気回路内に磁気検出素子が配置されればよいので、磁気検出素子は1個のみ設ければよい。
【0009】
可動体としては、前述した引き違い戸だけでなく、観音開き状の扉も対象とすることができる。
強磁性体としては、すべてを磁石としてもよいが、各可動体に設けられる強磁性体のうちの少なくとも一つを磁石とし、他を鉄、コバルト、ニッケル、あるいはこれらの合金とすることができる。
磁気検出素子としては、リードスイッチ、ホール素子、MI素子、MR素子、GMR素子、TMR素子等の磁気抵抗素子のいずれかを用いることができる。また、この磁気検出素子は、1軸方向だけでなく、X軸,Y軸,Z軸のうちの2軸方向あるいは3軸方向の磁界を検出可能なものとしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の開閉検出装置によれば、複数の可動体の開閉を検出する磁気検出素子が1個でよいので、この磁気検出素子を組み込んだセンサモジュールを小型化することができ、枠体への取付け作業が容易になるとともに、枠体内への収容が可能で、外部から識別し難く、意匠性及び防犯性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態の開閉検出装置を組み込んだ窓を示す一部を省略した縦断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う一部を省略した横断面図である。
【図3】図1の窓の正面図である。
【図4】図2に示す窓の「閉」状態から、一方の窓体を移動して窓を開いた状態を示す拡大横断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態の開閉検出装置を組み込んだ窓を示す一部を省略した縦断面図である。
【図6】外部磁石により開閉検出装置を誤作動させて不正に窓を開けようとする場合の例を示す図2同様の横断面図である。
【図7】外部磁石により開閉検出装置を誤作動させて不正に窓を開けようとする場合の例を示す図3同様の正面図である。
【図8】本発明の第3実施形態の開閉検出装置を組み込んだ窓を示す一部を省略した図4同様の横断面図である。
【図9】図8に示す「閉」状態から一方の窓体を移動した「開」状態を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1〜図4は本発明の第1実施形態の開閉検出装置1を引き違い窓に組み込んだ例を示している。この窓は、建物の躯体に固定される矩形の枠体2と、この枠体2内に収容された二枚の引き戸形式の窓体(可動体)3,4とを備えている。
【0013】
枠体2は上枠5、下枠6及びこれらの左右に配置される一対の縦枠7により構成され、これらの枠材は、例えばアルミニウム合金の押出形材からなっている。窓体3,4は、それぞれ上框9、下框10及びこれらの左右に配置される一対の縦框11からなる框枠の内部に窓ガラス12が嵌め込まれた構成であり、枠体2の上枠5及び下枠6に2本ずつ平行に形成したレール13,14間に、窓体3,4が1枚ずつ室内側と室外側とに分けて引き違い状に配置される。この窓体3,4の各框材も、例えばアルミニウム合金の押出形材から構成される。
【0014】
これら窓体3,4を閉じた状態では、両窓体3,4の縦框11どうし、及びこれら縦框11の両端が接続されている上框9と下框10の端部どうしが、それぞれ窓体3,4の厚さ方向に重なり合うように配置される。そして、各窓体3,4の上框9であって窓体3,4を閉じた状態としたときに重なり合う端部に、強磁性体である磁石15,16がそれぞれ設けられている。
【0015】
この窓体3,4の上框9には、枠体2の上枠5に設けられている上レール13を配置するための溝部17が上方に向けて開放した状態に形成されており、その溝部17内に、上レール13を避けるように磁石15,16が固定されている。これら磁石15,16は、上下端に磁極を有する棒磁石であり、両窓体3,4に磁極の向きを逆にして配置されている。図示例では、室外側の窓体3では、上端がN極、下端がS極とされ、室内側の窓体4では、上端がS極、下端がN極とされている。したがって、両窓体3,4を閉じた状態のときに、窓体3,4の厚さ方向に対峙する磁石15,16により図1及び図2の破線で示すように磁界が形成される。
【0016】
一方、枠体2の上枠5には、閉じた状態の窓体3,4の両磁石15,16による磁界の及ぶ位置に、磁気検出素子21を備える防犯センサモジュール22が設けられている。図1〜図3に示す例では、上枠5の長さ方向の中間位置であって窓体4の上框9を収容する凹部23内に防犯センサモジュール22が設けられている。この防犯センサモジュール22の端部に磁気検出素子21が設けられおり、この磁気検出素子21が、閉じた状態の両窓体3,4の磁石15,16の真上付近に配置されることにより、これら閉じた状態の両窓3,4体の磁石15,16の間で形成される磁気回路内に磁気検出素子21が配置されるようになっている。磁気検出素子21としては例えばリードスイッチが用いられ、その感度軸は、窓体3,4が閉じた状態のときの両磁石15,16の対峙方向、つまり窓体3,4の厚さ方向に沿って配置されている。
【0017】
本発明の開閉検出装置1は、この実施形態では磁気検出素子21及び両磁石15,16によって構成され、後述するように、磁気検出素子21は、窓が全閉状態で両磁石15,16が対峙しているときに「ON」、窓が開けられ磁石15,16が離れたときに「OFF」となる設定とされる。
【0018】
防犯センサモジュール22は、この磁気検出素子21とともに、この磁気検出素子21の検査結果の出力機器を内蔵しており、出力機器には無線送信部、電池等が設けられる。この防犯センサモジュール22からの出力を外部の受信機で受信し、警報等を発するようになっている。あるいは、防犯センサモジュール22に、可聴音やガラスが切断あるいは破壊される際に発する超音波を検出するためのマイクや、振動を検出するための加速度センサ、遠赤外線センサ、警報を発するためのアンプ及びスピーカ、発光素子、ディスプレーやスイッチ等へのインターフェイスなどを搭載してもよい。その他、防犯センサモジュール22から携帯電話、外部の警備会社等に無線又は有線で通報するようにしてもよい。
また、枠体2の上枠5には、防犯センサモジュール22を覆うカバー25が着脱可能に設けられている。このカバー25も例えばアルミニウム合金の押出形材により構成される。
【0019】
このように構成した開閉検出装置1において、窓体3,4を閉じた状態では、図1及び図2に示すように両窓体3,4の上框9に設けた磁石15,16が窓体3,4の厚さ方向に対峙し、これら磁石15,16の真上付近に防犯センサモジュール22の磁気検出素子21が配置されることにより、両磁石15,16により形成される磁気回路内に磁気検出素子21が配置され、その磁気回路の磁束密度を磁気検出素子21が検出することにより「ON」となり、窓体3,4が「閉」状態であることを検出する。
【0020】
この「閉」状態から窓体3,4の一方、例えば図4に示すように窓体3を移動して窓を開くと、両窓体3,4に設けられた磁石15,16が離れるために、これら磁石15,16間に形成されていた磁気回路の磁束密度が窓体3,4の移動距離に応じて減少し、枠体2に固定状態の磁気検出素子21は、その磁束密度の減少によって「OFF」となり、その結果、窓の「開」状態が検出される。
【0021】
この実施形態の開閉検出装置1においては、磁気検出素子21として窓体3,4の厚さ方向に感度軸を有するリードスイッチを用いたので、窓体3の移動により両磁石15,16間の磁気回路が図4に示すように窓体3,4の厚さ方向からずれて形成されると、リードスイッチの磁気検出素子21は、窓体3が移動する前に検出していた磁束密度を検出できなくなる。したがって、窓をわずかに開いた状態でも、その「開」状態を検出することができる。
【0022】
この開閉検出装置1においては、1個の磁気検出素子21で窓の開閉を検出できるので、防犯センサモジュール22を小型化、低コスト化することができ、窓に取り付ける場合に、枠体2の大きさ等を変更することなく、あるいはわずかな寸法変更等により、実装が可能になる。したがって、枠体2や窓体3,4の施工費用も抑制することができる。また、磁石15,16及び防犯センサモジュール22が小型であるため、枠体2及び窓体3,4に取り付けた状態でこれらを外部から発見し難く、防犯性も向上する。
【0023】
なお、両窓体3,4にそれぞれ磁石15,16を設けた例としたが、磁気回路を形成できればよいので、一方を磁石とし、他方は鉄片等の自身では磁界を発生しない強磁性体としてもよく、よりコスト低下を図ることができる。本発明では、磁石及び自身では磁界を発生しない強磁性体のいずれをも強磁性体と称している。
【0024】
図5は第2実施形態の開閉検出装置を示している。この実施形態の磁気検出装置31では、防犯センサモジュール22から両窓体3,4間の隙間に挿入されるようにフレキシブル回路基板32が上下方向に沿って設けられ、その下端部に磁気検出素子21が設けられている。また、両窓体3,4には、その一方(図示例では窓体3)に磁石からなる強磁性体33が設けられ、他方には鉄片等の強磁性体34が設けられている。この場合、磁石からなる強磁性体33は、磁極が窓体3の厚さ方向に配置され、他方の強磁性体34にN極が対峙している。そして、フレキシブル回路基板32の下端部に設けた磁気検出素子21が両強磁性体33,34の間に配置されている。この磁気検出素子21は、両強磁性体33,34の対峙方向に感度軸を有するリードスイッチから構成される。
【0025】
この実施形態の開閉検出装置31では、強磁性体33,34の一方を鉄片等の金属材料によって形成したことにより、コスト低下を図ることができる。また、両窓体3,4の強磁性体33,34と磁気検出素子21との相互間距離が小さくなるので、磁気検出素子21に検出される磁束密度が大きくなり、その分、磁気検出素子21あるいは強磁性体(磁石や鉄片)33,34の小型化、さらなる低コスト化を図ることができる。
なお、自身では磁界を発生しない強磁性体34として、鉄の代わりに、ニッケル、コバルトあるいはこれらの合金からなる材料を用いてもよい。
【0026】
前述した各実施形態では磁気検出素子21を窓体の厚さ方向に感度軸を有する1個のリードスイッチにより構成した。単に、窓の開閉のみを検出する場合には、一軸方向の感度軸のリードスイッチで十分機能するが、外部から磁石を用いて不正に窓を開けようとする行為は、この一軸方向のリードスイッチが1個だけでは検出することができない。
【0027】
図6に示すように、窓体3,4を閉じた状態で、窓の外側から外部磁石41を防犯センサモジュール22の設置箇所付近に近付けた場合について検討する。開閉検出装置51の強磁性体42,43は外側の窓体3に磁石、内側の窓体4に鉄片等が設けられるものとし、外部磁石41は、磁気検出素子44における磁束密度が窓体3の磁石42による磁束密度よりも大きいものとする。
【0028】
磁気検出素子44が第1実施形態のように窓体3,4の厚さ方向に感度軸を有するリードスイッチであったとすると、図6に実線で示す「閉」状態では、外部磁石41を窓に近付けても、磁気検出素子44はONのままである。また、この状態から一方の窓体3を鎖線で示す位置まで開いた場合、この窓体3に設けられている強磁性体(磁石)42は他方の窓体4の強磁性体43から遠ざかるため、磁気検出素子44は「開」状態を検出しなければならないが、磁気検出素子44には、外部磁石41からの磁束密度が作用しているため、この磁束密度によってONの状態を維持する。このため、窓体3が開いたことを検出できず、警報等を発することができない。
【0029】
そこで、窓体3,4の厚さ方向とは別の方向に感度軸を有するリードスイッチを追加して、2軸方向あるいは3軸方向の磁気検出素子44(便宜のため、1個のリードスイッチの場合と同じ符号を用いて説明する)とすることにより、多軸方向の感度軸を有する磁気検出素子44とすることができ、このような外部磁石41を使用して窓を開けようとする行為を検出することができる。
この場合、窓体の厚さ方向以外の方向の磁束密度の変化は小さいため、リードスイッチでは検出困難となる場合がある。このため、好ましくはホール素子、より好ましくはMR素子、さらに好ましくはGMR素子、TMR素子、MI素子を用いるのがよい。また、これら半導体センサを用いる場合は、小型化のため、感知軸方向の異なる複数の素子を一つのパッケージに組み込んだ1チップの磁気検出素子44とするのが好ましい。さらに、アンプや信号処理回路等を内蔵したICと磁気検出素子44とを1チップ化した構成とするのがより好ましい。
【0030】
図6に示す磁気検出素子44として、この多軸方向の磁束密度を検出可能な磁気検出素子44を用いた場合、外部磁石41を窓に近付けた状態で窓体3の一方を開くと、磁気検出素子44は、移動していない窓体4の強磁性体43と外部磁石41との間で形成される磁気回路における窓体4の厚さ方向に沿う磁束密度と、両窓体3,4の強磁性体42,43間で形成される磁気回路における斜め方向の磁束密度との両方が合成して作用する。そして、この斜め方向の磁束密度成分により、窓が開いたことを検出することができる。
【0031】
また、窓が閉じた状態においても、外部磁石41を窓体3,4に接近させる際に、両窓体3,4の強磁性体42,43の対峙方向以外の方向から接近させると、磁気検出素子44に、「閉」状態を示す磁束密度とは異なる方向の磁束密度が検出されるため、不正行為が行われようとしていることを検出することができ、警報等により知らせることができる。例えば、窓体3,4の移動方向をX軸方向、窓体3,4の厚さ方向をY軸方向、窓体3,4の高さ方向をZ軸方向とすると、図7に示すように磁気検出素子44の設置箇所よりX軸方向及びZ軸方向にずれた位置に外部磁石41が接近した場合、磁気検出素子44には、窓体3,4の「閉」状態を示すY軸方向だけでなく、X軸方向及びZ軸方向の磁束密度も検出され、この窓体3,4の「閉」状態を示す方向以外の方向の磁束密度の検出により、窓体3,4が移動する前に不正行為を検出することができる。
【0032】
図8及び図9は第3実施形態の開閉検出装置を示している。この図8において、第1実施形態と同様部分については同一符号を用い、磁気検出素子44、強磁性体42,43については図6で示した符号を用いる。この開閉検出装置51においては、外側の窓体3の外面側に、磁気検出素子44あるいは強磁性体43に対する磁気遮蔽板52が設けられている。この磁気遮蔽板52としては厚さ1mm程度のパーマロイを用いればよい。図示例では、強磁性体42の配置箇所である窓体3の縦框11の上端部から上框9の長さ方向途中位置まで延びるように磁気遮蔽板52が設けられている。
【0033】
この実施形態の開閉検出装置51において、図8に示す「閉」状態では、外部磁石41が窓に接近しても、磁気遮蔽板52により外部磁石41から磁気検出素子44に至る磁力線が磁気遮蔽板52により遮蔽され、磁気検出素子44まで到達しない。図9に示すように窓体3を移動した場合でも、磁気遮蔽板52の長さの範囲内の移動であれば、外部磁石41からの磁力線は遮蔽される。したがって、外部からの不正行為を確実に防止できるとともに、両窓体3,4の強磁性体42,43のみによって形成される磁気回路の磁束密度を磁気検出素子44により検出して、窓の開閉を正確に検出することができる。
この場合、窓体3でなく、枠体に磁気検出素子44の配置部分を覆うように磁気遮蔽板52を設けてもよく、また、窓体と枠体との両方に設けてもよい。
【0034】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本発明は実施形態で述べた窓体以外にも、観音開き形式の扉体にも適用することができる。この扉体の場合は、扉体の回動先端側の端部上端等に強磁性体を配設し、扉体を閉じたときにこれら端部上端が突き合わせられる部分の上方の枠体中央部等に磁気検出素子を設ければよい。本発明では、実施形態の窓体、この扉体等を含めて、可動体と称している。
【符号の説明】
【0035】
1…開閉検出装置、2…枠体、3,4…窓体(可動体)、15,16…磁石(強磁性体)、21…磁気検出素子、22…防犯センサモジュール、31…開閉検出装置、32…フレキシブル回路基板、33,34…強磁性体、41…外部磁石、42,43…強磁性体、44…磁気検出素子、51…開閉検出装置、52…磁気遮蔽板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体に、該枠体に囲まれた空間の少なくとも一部を開閉可能な複数の可動体が移動可能に取り付けられるとともに、これら可動体に強磁性体がそれぞれ設けられ、これら強磁性体のうちの少なくとも1個は磁石により構成され、前記枠体に、前記可動体を閉じたときにこれら可動体のそれぞれの強磁性体によって形成される磁気回路内に配置されるように磁気検出素子が設けられていることを特徴とする開閉検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−40465(P2013−40465A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176718(P2011−176718)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】