説明

開閉機構、開閉機構付き機器、および、携帯通信端末

【課題】携帯電話機などで効果的な付加価値を提供する。
【解決手段】スライド式の携帯電話機3において、基材容器1110や噴射部1150などで構成された気体拡散部1000を操作側筐体100に構成する。噴射部1150は、押圧されることで基材容器1110の芳香液を負圧によって吸引して噴射する。このような噴射部1150を押圧するための押圧部材1223が表示側筐体200に構成される。押圧部材1223は、表示側筐体200の摺動動作によって噴射部1150を押圧する。押圧部材1223は、携帯電話機3が閉状態および開状態のときは噴射部1150を押圧せず、表示側筐体200を摺動させることで開閉動作をおこなっている間に噴射部1150を押圧する形状で構成する。これにより、表示側筐体200の開閉動作中にのみ芳香性気体が携帯電話機3の外部に放出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉機構、開閉機構付き機器、および、携帯通信端末に関し、特に、可動筐体を有する携帯電話機などに好適な開閉機構、開閉機構付き機器、および、携帯通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の普及に伴い、単に通信するための道具としてだけではなく、ユーザの個性を示すアイテムとして扱われる傾向がある。このため、通信装置としての機能や性能だけでなく、デザイン性などの付加価値も、利用者が製品を選択する基準となっている。
【0003】
しかしながら、すべてのユーザが満足するカスタマイズを製品として施すことは困難である。よって、ユーザ自らが装飾をおこなうなどして個性化を図ることも一般的におこなわれており、多くのユーザが携帯電話に個性化を求めていると言える。このような個性化は、他者との差別化の要素がある他、各ユーザの自己満足の要素も大きい。
【0004】
ここで、例えば、香水などによる芳香も、個性の演出や個人の嗜好を反映するものとして一般的である。よって、このような芳香の要素を携帯電話に取り入れることで、ユーザの求める個性化や嗜好性に寄与することができ、ユーザ満足度の向上や購入者の囲い込みを図ることができる。このような背景から、芳香拡散機能を有する携帯電話機が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−290525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、開閉操作可能な折り畳み式携帯電話機において、ヒンジ機構部に芳香部材を設け、筐体が開いた状態の時に小孔が開くことで芳香を拡散させる構造が開示されている。
【0007】
このような構造の場合、筐体が開いている間は小孔が開口され続けるので、ゴミなどの異物が内部に浸入しやすいという問題や必要以上に芳香剤が消費されてしまうという問題がある。
【0008】
また、芳香は嗅覚に作用するものであるが、人間の嗅覚は、同じ香りを感知し続けるとその香りに慣れてしまい、芳香を感じにくくなってしまう性質があると言われている。よって、特許文献1のように、筐体が開いている間は常に芳香が拡散される構造であると、使用状態によっては芳香の拡散が長時間となる可能性があり、効果的な芳香作用を阻害するおそれがある。
【0009】
さらに、携帯電話機の小型化や高いデザイン性も重要となるため、小型化やデザイン性の阻害とならないよう、芳香拡散などの付加価値に必要な構成はよりコンパクトであることが望まれる。
【0010】
また、携帯電話機は、折り畳み型をはじめとして、スライド型、回転スライド型(リボルバ型)、などといった種々の形態があるので、あらゆる携帯電話機に容易に実装できることが望まれる。
【0011】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、付加価値をより効果的に発揮することのできる開閉機構、開閉機構付き機器、および、携帯通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる開閉機構は、
筐体を開閉するための開閉機構において、
液体を保持する液体保持手段と、
押圧に応じて、前記液体保持手段が保持する液体を外部に噴射する噴射手段と、
前記筐体の開閉動作により、該開閉動作の動作範囲の一部で前記噴射手段を押圧する押圧手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
上記開閉機構は、
2以上の筐体を互いに摺動可能に係合することで前記筐体を開閉可能とする摺動手段をさらに備えていてもよく、この場合、
前記押圧手段は、前記筐体の摺動により、該摺動の動作範囲の一部で前記噴射手段を押圧することが望ましい。
【0014】
上記開閉機構は、
2以上の筐体を回動可能に係合することで前記筐体を開閉可能とする係合手段をさらに備えていてもよく、この場合、
前記押圧手段は、前記筐体の回動により、該回動の動作範囲の一部で前記噴射手段を押圧することが望ましい。
【0015】
上記開閉機構において、
前記液体保持手段、前記噴射手段、および、前記押圧手段は、前記係合手段の内部に形成されることが望ましい。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる開閉機構付き機器は、
2以上の筐体を含む機器であって、
前記2以上の筐体を開閉させる上記開閉機構を備える、
ことを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかる携帯通信端末は、
上記開閉機構と、筐体と、通信手段と、を備える携帯通信端末であって、
前記筐体は、少なくとも、操作部を備える第1の筐体と、表示部を備える第2の筐体と、を含み、
前記開閉機構の開状態において、前記操作部が現れて通信可能な状態となる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、開閉可能な携帯電話機などにおいて、効果的な付加価値を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態1にかかる携帯電話機の外観を示す図である。
【図2】図1に示す携帯電話機の開閉動作を説明するための図であり、(a)は、携帯電話機の開閉方向を示し、(b)は、携帯電話機の閉状態を示し、(c)は、携帯電話機の開状態を示す。
【図3】図1に示す携帯電話機の係合部材を説明するための図であり、(a)は、係合部材の外観を示し、(b)は、係合部材の内部に構成されている気体拡散部を示し、(c)は、気体拡散部を構成している気体発生部と気体放出部を示す。
【図4】図3に示す気体拡散部を説明するための図であり、(a)は、気体拡散部の構成を示し、(b)は、気体拡散部と第1の係合部材および第2の係合部材との位置関係を示す。
【図5】図4に示した気体拡散部の詳細な構成を示す図であり、(a)は、気体発生部の構成を示し、(b)は、揮発容器の構成を示し、(c)は、気体放出部の構成を示す。
【図6】本発明の実施形態1にかかる動作を説明するための図であり、(a)は、携帯電話機が閉状態のときの開閉部の状態を示し、(b)は、携帯電話機が開閉途中のときの開閉部の状態を示し、(c)は、携帯電話機が開状態のときの開閉部の状態を示す。
【図7】本発明の実施形態1にかかる動作を説明するための図であり、(a)は、携帯電話機が閉状態もしくは開状態のときの気体拡散部を示し、(b)は、携帯電話機が開閉途中のときの気体拡散部を示す。
【図8】本発明の実施形態2および実施形態3にかかる携帯電話機の外観を示す図であり、(a)は、閉状態のときの携帯電話機を示し、(b)は、開閉中の携帯電話機を示し、(c)は、開状態のときの携帯電話機を示す。
【図9】図8に示す係合部材を説明するための図であり、(a)は、携帯電話機と係合部材との位置関係を示し、(b)は、係合部材の構成を示し、(c)は、係合部材と操作側筐体および表示側筐体との位置関係を示す。
【図10】図9に示した係合部材の内部に構成される気体拡散部を説明するための図であり、(a)および(b)は、本発明の実施形態2にかかる気体拡散部の構造を示し、(c)は、係合部材と気体拡散部の位置関係を示し、(d)は、係合部材に形成される開口部の形状と位置を示す。
【図11】図10に示した結合部上面の構成を説明するための図であり、(a)は、結合部上面を上部側から見たときの構成を示し、(b)は、結合部上面を内部側から見たときの構成を示す。
【図12】本発明の実施形態2にかかる動作を説明するための図であり、(a)は、携帯電話機が閉状態のときの開口部と揮発容器の位置関係を示し、(b)は、携帯電話機が開閉途中のときの開口部と揮発容器の位置関係を示し、(c)は、携帯電話機が開状態のときの開口部と揮発容器の位置関係を示す。
【図13】本発明の実施形態3にかかる係合部材と気体拡散部を説明するための図であり、(a)および(b)は、本発明の実施形態3にかかる気体拡散部の構造を示し、(c)は、係合部材と気体拡散部の位置関係を示し、(d)は、係合部材に形成される開口部の形状と位置を示す。
【図14】本発明の実施形態3にかかる携帯電話機を説明するための図であり、(a)は、図13(d)に示した結合部上面を内部側から見たときの構成を示し、(b)および(c)は、表示側筐体に形成される開口部を示す。
【図15】本発明の実施形態3にかかる動作を説明するための図であり、(a)は、携帯電話機が閉状態のときの開口部と噴射部の位置関係を示し、(b)は、携帯電話機が開閉途中のときの開口部と噴射部の位置関係を示し、(c)は、携帯電話機が開状態のときの開口部と噴射部の位置関係を示す。
【図16】本発明の実施形態3にかかる携帯電話機における芳香拡散の様子を示す図である。
【図17】本発明の実施形態4および実施形態5にかかる携帯電話機の外観を示す図であり、(a)は、閉状態のときの携帯電話機を示し、(b)は、開状態のときの携帯電話機を示す。
【図18】本発明の実施形態4にかかる携帯電話機の構成および動作を説明するための図であり、(a)は、携帯電話機の操作側筐体の構成を示し、(b)は、携帯電話機の表示側筐体の構成を示し、(c)は、携帯電話機が閉状態のときの状態を示し、(b)は、携帯電話機が開閉動作中のときの状態を示し、(e)は、携帯電話機が開状態のときの状態を示す。
【図19】本発明の実施形態5にかかる携帯電話機の構成および動作を説明するための図であり、(a)は、携帯電話機の操作側筐体の構成を示し、(b)は、携帯電話機の表示側筐体の構成を示し、(c)は、携帯電話機が閉状態のときの状態を示し、(b)は、携帯電話機が開閉動作中のときの状態を示し、(e)は、携帯電話機が開状態のときの状態を示す。
【図20】本発明の実施形態5にかかる携帯電話機における芳香拡散の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明にかかる実施形態を説明する。
【0021】
(実施形態1)
本実施形態では、本発明にかかる開閉機構付き機器を、図1に示すような折り畳み式の携帯電話機(携帯通信端末)とした場合を説明する。本実施形態にかかる携帯電話機1は、図1に示すように、操作部などを主要構成として有する操作側筐体100(第1の筐体)と、表示部などを主要構成として有する表示側筐体200(第2の筐体)とが係合部材300によって回動可能に係合された構成であり、少なくとも、携帯電話機としての通信機能(音声通話機能やメール送受信機能など)に必要な構成を内部に包含しているものとする。
【0022】
この場合の係合部材300は、いわゆるヒンジ機構であり、図2(a)に示すように、操作側筐体100と表示側筐体200とを、図示するようなX軸を回転軸として回動可能に保持する。これにより、携帯電話機1は、使用される状況に応じて開閉することができる。つまり、係合部材300によって構成されるヒンジ機構は、携帯電話機1の筐体を開閉させる開閉機構として機能する。
【0023】
本実施形態では、図2(b)に示すような閉じた状態を「閉状態」とし、図2(c)に示すような開いた状態を「開状態」とする。この場合、図2(c)に示すような開閉角度が、携帯電話機1の筐体の可動範囲となる。また、上述した携帯電話機1の通信機能は、筐体を図2(c)に示すような開状態にして操作部を操作可能な状態とすることで利用可能になるものとする。すなわち、携帯電話機1の主要機能である音声通話やメール送受信をおこなう場合、筐体が開状態となる。
【0024】
このような折り畳み式の携帯電話機1に本発明を適用することで、機能性気体(例えば、芳香性気体など)を拡散させる機能(以下、「拡散機能」とする)を付与する。本発明では、拡散機能にかかる構成を、係合部材300の内部に構成する。以下、図3を参照して、本実施形態にかかる係合部材300の構成を説明する。図3は、図1に示した係合部材300を拡大して示した図である。
【0025】
まず、図3(a)を参照して、係合部材300の構成を説明する。係合部材300は、操作側筐体100側に構成されている第1の係合部材310と、表示側筐体200側に構成されている第2の係合部材320とから構成されている。上述したように、本実施形態にかかる係合部材300は、折り畳み式携帯電話機のヒンジ機構であるので、第1の係合部材310がヒンジ受けとして機能し、第2の係合部材320がヒンジとして機能する。
【0026】
ここで、本実施形態にかかる係合部材300では、図3(a)に示すように、第2の係合部材320にスリット330が形成されている。このスリット330は、係合部材300の内部に構成されている気体拡散部(詳細後述)が放出する機能性気体を、係合部材300の内部から外部(すなわち、携帯電話機1の外部)に放出するためのスリットである。
【0027】
このような機能性気体を放出するための気体拡散部(以下、「気体拡散部1000」とする)は、図3(b)で破線によって示すように、係合部材300の内部に構成されている。この気体拡散部1000は、図3(c)に示すように、第1の係合部材310に固定され、機能性気体を発生させるための気体発生部1100と、第2の係合部材320に固定され、気体発生部1100によって発生された機能性気体を、筐体の開閉動作に応じて外部へ放出させるための気体放出部1200とから構成されている。
【0028】
このような気体拡散部1000の構成を、図4および図5を参照して以下に説明する。まず、図4(a)を参照して、気体拡散部1000全体の構成を説明する。図4(a)は、気体拡散部1000の構成を示す断面図である。
【0029】
図4(a)に示すように、気体発生部1100は、基材容器1110と、気体容器1120を主要な構成としている。
【0030】
基材容器1110は、拡散させる機能性気体の元となる基材を密閉保持する容器である。本実施形態では、揮発により芳香成分が拡散する特性の液体(例えば、液状芳香剤など。以下、「芳香液」とする)を基材として用いるものとする。また、例えば、基材容器1110の底部をねじ込み式の蓋としたり、基材容器1110自体をカートリッジ式として係合部材300に着脱可能に構成したりすることなどにより、基材の交換や補充ができるものとする。
【0031】
気体容器1120は、基材容器1110に保持されている芳香液を揮発させるとともに、当該揮発物質を保持する容器である。
【0032】
ここで、図5(a)および図5(b)を参照して、気体発生部1100のより詳細な構成を説明する。図5(a)に示すように、基材容器1110と気体容器1120とは、例えば、ゴムなどといった気密性素材によって形成された仕切板1130によって仕切られており、この仕切板1130を誘引揮発部材1140が貫通している。誘引揮発部材1140は、例えば、網状線材や多孔質素材などを円柱状に形成したものであり、基材容器1110から気体容器1120に渡る長さを有している。
【0033】
これにより、誘引揮発部材1140の一部は、基材容器1110に保持されている芳香液に浸潤される。誘引揮発部材1140は、網状線材や多孔質素材によって形成されているので、芳香液は誘引揮発部材1140の内部に誘引され、例えば、毛細管現象によって気体容器1120側に進んでいき、気体容器1120の内部で揮発する。誘引された液体は芳香性を有しているので、芳香性を有する気体(以下、「芳香性気体」とする)が気体容器1120の内部空間に保持される。
【0034】
ここで、気体容器1120の詳細な構成を、図5(b)を参照して説明する。図示するように、気体容器1120は、例えば、内部に空間が形成された円筒形の容器であり、図5(a)および図5(b)に示すように、基材容器1110側の底面と対向している底面には、例えば、略扇型の開口部1121が形成されている。よって、気体容器1120の内部で発生した芳香性気体は、開口部1121を開閉させることより、気体容器1120内に保持されたり、外部に放出されたりする。この開口部1121は、図5(b)に示すように、気体容器1120の円形底面を略4等分した領域に収まるような大きさであるものとする。
【0035】
このような開口部1121の開閉は、気体放出部1200によっておこなわれる。このため、気体放出部1200は、図4(a)に示すように、開口部1121が形成されている面が気体発生部1100と対向するように構成され、携帯電話機1の開閉動作に応じて、気体放出部1200が開口部1121を開閉させる。この気体放出部1200は、図4(a)に示すように、回転胴部1210、開閉部1220、閉口部材1221、によって構成される。
【0036】
このような構成の気体放出部1200の形状を、図5(c)を参照して説明する。図示するように、気体放出部1200は、円柱形の回転胴部1210の一端側に開閉部1220が形成されている。図示するように、開閉部1220は、2つの扇形部分が気体発生部1100側に突出するよう形成されている。2つの突出部における扇形面は、開口部1121と略相似する形状であるものとし、少なくとも開口部1121より広い面積であるものとする。
【0037】
ここで、図4(a)に示すように、開閉部1220が開口部1121に対向するように気体放出部1200が構成されているので、回転胴部1210から突出している部分が開口部1121と対向すれば、開閉部1220によって開口部1121が閉口されることになる。
【0038】
この場合において、図4(b)に示すように、気体放出部1200の回転胴部1210を第2の係合部材320が固定され、気体発生部1100の基材容器1110が第1の係合部材310に固定されるよう気体拡散部1000を構成する。第1の係合部材310が構成されている操作側筐体100は、操作部を有しているので、携帯電話機1を開閉させるとき、ユーザは操作側筐体100を固定的に保持した上で、表示側筐体200側を動かすことになる。
【0039】
この場合、固定的に保持されている操作側筐体100に構成されている第1の係合部材310に対し、第2の係合部材320が回動することで開閉動作がおこなわれる。よって、携帯電話機1を開閉させると、回動動作する第2の係合部材320に固定されている回転胴部1210が回動することになる。
【0040】
このような動作をする回転胴部1210の端面において、図5(c)に示すように、開口部1121と相似する形状の開閉部1220が部分的に形成されていることで、回動に応じて開口部1121を開閉させることになる。ここで、図5(c)に示すように、開口部1121に合わせた形状の突出部が2つ形成されている。これらの突出部のそれぞれにおいて、開口部1121と対向する面には、開口部1121と対向したときに開口部1121を閉口して密閉させるための、例えば、ゴムなどのような柔軟性と密着性を有する素材で形成された閉口部材1221が形成されている。
【0041】
図5(c)に示すように、閉口部材1221は、回転胴部1210の端面において、回転胴部1210の円形底面の中心で点対称となるように2つ形成されている(以下、一方を「閉口部材1221a」、他方を「閉口部材1221b」とする)。すなわち、携帯電話機1の開閉に応じた回転胴部1210の回転により、閉口部材1221aまたは閉口部材1221bのいずれかによって開口部1121が閉口されることになる。
【0042】
ここで、本実施形態では、気体拡散部1000による芳香拡散を、携帯電話機1を開閉させている間だけおこなうようにする。これは、同じ香りを感知し続けるとその香りに慣れてしまい、芳香を感じにくくなってしまうという人間の嗅覚特性に基づき、芳香効果をより効果的なものとすべく、携帯電話機1からの芳香拡散を常時おこなわないようにするためである。
【0043】
このような芳香拡散とするには、携帯電話機1が閉状態のときと開状態のときには、気体容器1120の開口部1121を閉口することで、芳香性気体が放出されないようにすればよい。よって、2つの閉口部材1221が、携帯電話機1が閉状態のときと開状態のときに開口部1121と対向する位置に形成する。この場合、図2(c)に示したような、携帯電話機1の可動範囲に合わせて閉口部材1221aと閉口部材1221bとの間の角度を設定することで、開状態と閉状態のときに開口部1121を閉口することができる。
【0044】
このような構成の気体拡散部1000の動作を、図6および図7を参照して説明する。図6は、図2(b)に示す閉状態から図2(c)に示す開状態とする動作をおこなったときの閉口部材1221aと閉口部材1221bの動きと開口部1121の位置を模式的に示した図であり、図7は、開口部1121が閉口された状態のときと開放された状態のときの気体拡散部1000の状態を示す断面図である。
【0045】
本実施形態では、携帯電話機1が閉状態のとき、図6(a)および図7(a)に示すように、閉口部材1221aが開口部1121に対向する位置となるよう閉口部材1221aが形成される。これにより、携帯電話機1が閉状態のとき、開口部1121は閉口されている。
【0046】
この状態から、表示側筐体200を動かして開動作をおこなうと、表示側筐体200の動きに合わせて第2の係合部材320が回動する。この場合、図6(b)に示すように、開閉部1220が矢印の方向に回転するので、開口部1121を閉口していた閉口部材1221aも合わせて回転する。これにより、開口部1121は閉口されず開放される。
【0047】
このとき、図7(b)に示すように、気体容器1120に保持されていた芳香性気体は、閉口部材1221aと閉口部材1221bとの間の空間部に放出される。ここで、気体放出部1200は第2の係合部材320内に形成されているので、図3(a)に示したスリット330を、開閉部1220の位置に形成することで、放出された芳香性気体が、スリット330を通じて第2の係合部材320の外部、すなわち携帯電話機1の外部に放出される。
【0048】
携帯電話機1を開状態とするため、表示側筐体200をさらに動かすと、開閉部1220もさらに回転する。ここで、開状態のときに、開口部1121と対向するよう閉口部材1221bを形成することで、図6(c)に示すように、携帯電話機1が開状態となったときには、閉口部材1221bが開口部1121を閉口するので、気体容器1120の芳香性気体は気体放出部1200側に放出されなくなる。つまり、芳香性気体がスリット330から外部に放出されなくなるので、携帯電話機1が開状態になると芳香拡散はおこなわれなくなる。
【0049】
携帯電話機1を開状態から閉状態とする場合は、気体放出部1200の回転方向が逆になるので、同様に、閉じる動作をおこなっている間のみ芳香拡散がおこなわれることになる。
【0050】
以上説明したように、本発明を上記実施形態1の如く適用することで、折り畳み式筐体の携帯電話機において、開閉動作をおこなっている間のみ芳香拡散をおこなうことができる。
【0051】
(実施形態2)
上記実施形態1では、折り畳み式の携帯電話機に本発明を適用した場合を例示したが、本実施形態では、いわゆるリボルバ式(回転スライド式)の筐体を有する携帯電話機(携帯通信端末)に本発明を適用し、開閉動作をおこなっている間のみ芳香拡散させる例を説明する。
【0052】
本実施形態にかかる携帯電話機2を図8に示す。本実施形態にかかる携帯電話機2は、上記実施形態1と同様、操作側筐体100と表示側筐体200を備え、係合部材300によって回動可能に係合されている。実施形態1では、ヒンジ機構として機能する係合部材300により、操作側筐体100と表示側筐体200のそれぞれの主面が対向するように開閉する折り畳み式の携帯電話機を例示したが、本実施形態にかかる携帯電話機2は、操作側筐体100に対して表示側筐体200が、図8(b)に示すように水平方向に回動することで開閉する。すなわち、本実施形態にかかる係合部材300は、携帯電話機2の筐体を開閉させる開閉機構として機能する。
【0053】
この場合、図8(a)に示すような、操作側筐体100と表示側筐体200とが重なっている状態を「閉状態」とし、図8(c)に示すような、操作側筐体100と表示側筐体200とが重ならず、それぞれの長手方向(縦方向)が同一線上となる状態を「開状態」とする。この場合、図8(c)の矢印で示す範囲(開閉角度)が、携帯電話機2における筐体の可動範囲となる。また、携帯電話機2の主要機能である音声通話やメール送受信をおこなう際は、図8(c)に示すような開状態にし、操作部を操作可能な状態とする。
【0054】
このような開閉動作をおこなう操作側筐体100と表示側筐体200とを係合している係合部材300は、図9(a)に示すように、全体として円筒形の形状であり、底面となる円形部の中心が、操作側筐体100および表示側筐体200それぞれの横方向の中心に位置し、円筒形の高さ方向において操作側筐体100と表示側筐体200を係合している。
【0055】
このような係合部材300の構成を図9(b)に示す。図9(b)は、本実施形態にかかる係合部材300の構成を示す断面図である。図示するように、係合部材300は、上下に2分割された構成であり、それぞれが回転可能に係合されている。この分割構造は、操作側筐体100と表示側筐体200に対応しており、操作側筐体100に対応する部分を第1の係合部材310、表示側筐体200に対応する部分を第2の係合部材320とする。
【0056】
この場合、図9(c)に示すように、第1の係合部材310は操作側筐体100に固定され、第2の係合部材320は表示側筐体200に固定されている。ここで、操作側筐体100には操作部などが構成されているので、携帯電話機2を開閉させる場合、ユーザは操作側筐体100を固定的に保持して、表示側筐体200を動かすことになる。上述したように第1の係合部材310と第2の係合部材320とは回転可能に係合されているので、図8(b)に示すように表示側筐体200を動かすと、第2の係合部材320が第1の係合部材310に対して回転するので、表示側筐体200が回動して開閉動作がおこなわれる。
【0057】
本実施形態では、このような構成の係合部材300の内部に、実施形態1で示した気体拡散部1000を構成することで、携帯電話機2での芳香拡散を実現する。すなわち、図10(a)に示すように、第1の係合部材310の底面に固定されるように基材容器1110を構成し、仕切板1130によって基材容器1110と仕切られた気体容器1120を基材容器1110の上部に構成する。そして、仕切板1130には、基材容器1110が保持する芳香液を誘引して気体容器1120内で揮発させる誘引揮発部材1140が構成されている。また、気体容器1120の上面には、開口部1121が形成されている。本実施形態における開口部1121は、例えば、図10(b)に示すように、気体容器1120の円形底面と相似する円形の開口部であるものとする。
【0058】
ここで、図10(b)に示すように、気体容器1120の上面部(開口部1121)が、第2の係合部材320の上面(以下、「係合部上面321」とする)に近接するように気体拡散部1000が構成されているものとする。
【0059】
このような構成の気体拡散部1000は、第1の係合部材310の底面において、当該底面の中心からオフセットした位置に配置されるものとする。すなわち、係合部上面321の上部側から見た場合、図10(c)に示すような位置に気体拡散部1000が配置される。ここで、気体容器1120の上面が開口部1121によって開口されているので、気体容器1120内に保持された芳香性気体は、開口部1121が閉口されていない場合、開口部1121から気体容器1120の上部方向に放出されることになる。
【0060】
この場合、放出された芳香性気体を携帯電話機2の外部に放出するためには、係合部上面321に開口部を設ける必要がある。本実施形態では、図10(d)に示すような開口部1222が係合部上面321を形成する。実施形態1と同様、携帯電話機2においても、その開閉動作の間のみ芳香拡散をおこなうようにする。図10(d)に示す開口部1222は、携帯電話機2の開閉動作に応じた係合部上面321の回転により、開閉動作中のみ芳香性気体を外部に放出するための形状となっている。
【0061】
このような係合部上面321の構成を、図11を参照して説明する。図11(a)は、係合部上面321を上部側から見た平面図である。図示するように、係合部上面321に形成された開口部1222は、円形の係合部上面321より径の小さい2つの同心円による帯状円の一部となる形状である。つまり、係合部上面321の円周方向を長手方向とする形状の開口である。
【0062】
そして、このような開口部1222を規定した帯状円の開口部1222以外の部分に相当する形状の閉口部材1221が係合部上面321の裏面側に形成されている。係合部上面321を裏面側から(すなわち、第2の係合部材320の内部から)見た図を図11(b)に示す。図示するように、閉口部材1221は、例えば、柔軟性と密着性を有するゴムなどの素材で形成された帯状の部材である。
【0063】
このような係合部上面321の動作を、図12を参照して説明する。図12は、携帯電話機2を、図8(a)に示す閉状態から図8(c)に示す開状態とする際の係合部上面321の動きと開口部1121の位置を模式的に示した図である。
【0064】
ここで、係合部上面321の閉口部材1221は、携帯電話機2が閉状態のとき、図12(a)に示すように、開口部1121の上部に位置するよう形成する。この状態から、携帯電話機2の表示側筐体200を動かすことで、図8(b)に示すように回転させると、表示側筐体200に固定されている第2の係合部材320が回転するので、係合部上面321に形成されている開口部1222も回転し、図12(b)に示すように、開口部1121の上部に位置する。
【0065】
すなわち、閉状態のときは閉口部材1221が開口部1121を閉口していたが、開閉動作がおこなわれることで、閉口部材1221の位置が移動し、代わって開口部1222が開口部1121の上部に現れるので、気体容器1120内の芳香性気体は、開口部1121および開口部1222を通じて係合部上面321の外部(すなわち、携帯電話機2の外部)に放出される。
【0066】
ここで、開口部1222は、係合部上面321の円周方向を長手方向とした形状であるので、表示側筐体200を回転させている間、開口部1121が開放された状態が続く。図12の例では、携帯電話機2を開ける動作をおこなっている間は、芳香拡散がおこなわれる。
【0067】
そして、図8(c)に示した開状態とするべく、さらに表示側筐体200を回転させると、図12(c)に示すように、帯状円の閉口部材1221が再度開口部1121の上部に位置するので、閉口部材1221によって開口部1121が閉口される。つまり、携帯電話機2が閉状態および開状態のときに開口部1121を閉口するよう閉口部材1221を形成することで、閉状態および開状態のときは芳香性気体が外部に放出されない。
【0068】
また、携帯電話機2を開状態から閉状態にする場合も、表示側筐体200を逆方向に回動させることになるので、同様に、閉じる動作をおこなっている間のみ、芳香拡散がおこなわれることになる。
【0069】
以上説明したように、本発明を上記実施形態2の如く適用することで、リボルバ式(回転スライド式)筐体の携帯電話機において、開閉動作をおこなっている間のみ芳香拡散をおこなうことができる。
【0070】
(実施形態3)
上記実施形態2では、リボルバ式(回転スライド式)筐体の携帯電話機(携帯通信端末)において、揮発により発生させた芳香性気体を外部に放出させることで芳香拡散させる例を示したが、このような開閉方式の携帯電話機2では、芳香液を噴射(噴霧)させることで、芳香拡散をおこなうことができる。本実施形態では、実施形態2で示した携帯電話機2において、芳香液の噴射によって芳香性気体を拡散させる場合を以下に例示する。
【0071】
なお、本実施形態にかかる携帯電話機2は、実施形態2と同様、図8に示すような操作側筐体100と表示側筐体200が係合部材300によって回動可能に係合されているものであり、係合部材300の基本的な構成は、実施形態2で示した係合部材300の構成と同様である。
【0072】
つまり、本実施形態にかかる係合部材300も、第1の係合部材310と第2の係合部材320から構成されており、その内部に気体拡散部1000が配置される。ここで、本実施形態と実施形態2では、芳香拡散の方法が異なるので、気体拡散部1000の構成が実施形態2とは異なる。本実施形態にかかる気体拡散部1000と、気体拡散部1000が内部に構成される係合部材300の構成を、図13を参照して説明する。
【0073】
図13(a)は、本実施形態にかかる係合部材300と気体拡散部1000の構成を示す断面図である。図示するように、第1の係合部材310の底面に基材容器1110が固定的に配置されるが、本実施形態では、実施形態2と異なり、基材容器1110が保持する液体(芳香液)は揮発性を有していないものであってもよい。
【0074】
そして、基材容器1110の上部には、押圧されることで基材容器1110の芳香液を噴射する噴射部1150が構成されている。この噴射部1150は、例えば、液体をミスト状(霧状)にして噴霧する噴霧器と同様の構造を有するものであり、負圧によって基材容器1110内の芳香液を吸引して噴霧する。噴射部1150は、図13(a)に示すように、ノズル1151を有しており、ノズル1151からミスト状の芳香液(=芳香性気体)が噴霧(噴射)されるものとする。
【0075】
このような構成の気体拡散部1000を内部に備える係合部材300では、図13(a)および図13(b)に示すように、ノズル1151からの噴射が係合部材300の外部に放出されるよう、第2の係合部材320に開口部1222aが形成されている。開口部1222aは、図13(b)に示すように、第2の係合部材320の側面部において、第2の係合部材320の円周方向を長手方向とした矩形の開口であり、このような開口部1222aの中心にノズル1151が位置するよう形成される。
【0076】
そして、係合部材300内で気体拡散部1000が配置される位置は、係合部材300の円形底面の中心からオフセットされた位置となる。つまり、係合部上面321の上部側から係合部材300を見た図13(c)に示すような位置に気体拡散部1000が配置される。
【0077】
本実施形態においても、携帯電話機2の開閉動作をおこなっている間のみ、芳香拡散をおこなうようにする。ここで、噴射部1150は、その上部が下方向に押圧されることで噴霧するので、携帯電話機2の開閉動作中のみ噴射部1150を押圧する構成が必要となる。よって、本実施形態では、図13(d)に示すように、係合部上面321の裏面側に、噴射部1150を押圧する押圧部材1223を構成する。この押圧部材1223の形状は、実施形態2で例示した開口部1222と同様である。また、押圧部材1223は、図13(d)に示すように、長手方向で開口部1222aと平行する位置に形成される。
【0078】
この押圧部材1223を、係合部上面321の裏面側から(すなわち、第2の係合部材320の内部から)見た図を図14(a)に示す。図示するように、押圧部材1223は、係合部上面321の裏面から突出した形状であるとともに、その長手方向で山状となっている。すなわち、長手方向の両端部で高さが最も低くなっており、長手方向の中央部で高さが最も高くなるよう形成されている。
【0079】
また、開口部1222aが形成されている第2の係合部材320が固定されている表示側筐体200においては、図14(b)に示すように、その側面に、開口部1222aから表示側筐体200の外部に導通する開口部1222bが形成されている。この開口部1222bは、例えば、図14(c)に示すように、携帯電話機2の表示側筐体200がその可動範囲の中間に位置したとき(例えば、90°回転させたとき)に、操作側筐体100側に開口部1222bが現れる位置に形成される。
【0080】
また、押圧部材1223は、図15(a)に示すように、携帯電話機2が図8(a)に示すような閉状態のときに、噴射部1150を押圧しない位置に形成される。この状態から、図8(c)に示すような開状態とするべく携帯電話機2の表示側筐体200を回動させると、表示側筐体200に固定されている第2の係合部材320が第1の係合部材310に対して回転するので、係合部上面321の裏面側で突出するよう形成された押圧部材1223も回転し、図15(b)に示すように、噴射部1150の上部に位置するようになる。
【0081】
押圧部材1223は、図14(a)に示したような山状の形状となっているので、係合部上面321の回転により、その頂部が噴射部1150を押圧する。このとき、噴射部1150は、基材容器1110の芳香液を吸引し、ノズル1151から噴射させる。ノズル1151の前方には、開口部1222aおよび開口部1222bが形成されているので、図16に示すように、携帯電話機2の筐体の可動範囲の途中で、ミスト状の芳香液(芳香性気体)が操作側筐体100の操作部に向かって放出される。
【0082】
上述したように、基材として揮発性のない液体を採用することができるが、揮発性のある液体を用いれば、噴霧後直ちに乾燥するので、携帯電話機の内外が濡れてしまうことを防ぐことができる。
【0083】
そして、図16に示した状態から開状態とすべくさらに表示側筐体200を回動させると、押圧部材1223が山状となっているので、押圧部材1223は噴射部1150を押圧しなくなる。そして、図15(c)に示すように、開状態となったときは、噴射部1150が押圧されないので、芳香性気体の放出はおこなわれなくなる。
【0084】
以上説明したように、本発明を上記実施形態3の如く適用することで、リボルバ式(回転スライド式)筐体の携帯電話機において、開閉動作をおこなっている間のみ芳香拡散をおこなうことができる。
【0085】
(実施形態4)
本実施形態では、いわゆるスライド式の筐体を有する携帯電話機(携帯通信端末)に本発明を適用し、開閉動作をおこなっている間のみ芳香拡散させる例を説明する。
【0086】
本実施形態にかかる携帯電話機3を図17に示す。図示するように、本実施形態にかかる携帯電話機3は、上記各実施形態と同様の操作側筐体100と表示側筐体200を備え、それぞれがその長手方向で摺動可能に係合されている。すなわち、操作側筐体100に対して表示側筐体200を平行方向に摺動させることにより、図17(a)に示すような閉状態から、図17(b)に示すような開状態とすることができる。つまり、本実施形態にかかる携帯電話機3は、筐体同士の摺動動作によって開閉する開閉機構を有している。この場合、表示側筐体200が摺動できる範囲が、携帯電話機3の筐体における可動範囲となる。また、携帯電話機3の主要機能である音声通話やメール送受信をおこなう際は、図17(b)に示すような開状態にし、操作部を操作可能な状態とする。
【0087】
本実施形態では、実施形態1および実施形態2で例示したような、揮発によって発生させた芳香性気体を外部に放出することで、芳香拡散させる例を説明する。この場合の操作側筐体100側の構成を図18(a)に、表示側筐体200側の構成を図18(b)に示す。図18(a)および図18(b)は、携帯電話機3を構成する操作側筐体100および表示側筐体200を別々に示したものである。
【0088】
ここで、本実施形態にかかる芳香拡散には、実施形態1または実施形態2で例示した気体拡散部1000を用いる。この気体拡散部1000は、図18(a)に示すように、操作側筐体100側に構成される。この場合、図示するように、操作側筐体100の上端付近において、操作側筐体100の横方向と平行するように気体拡散部1000が操作側筐体100の内部に構成される。
【0089】
気体拡散部1000は、実施形態1または実施形態2と同様、基材容器1110、気体容器1120、および、誘引揮発部材1140などから構成されている。また、気体容器1120も上記実施形態と同様に開口部1121を有しているが、図18(a)に示すように、操作側筐体100の主面上で開口するよう形成されている。
【0090】
一方、表示側筐体200側においては、図18(b)に示すように、閉口部材1221a、閉口部材1221b、開口部1222が形成されている。これらは、表示側筐体200と操作側筐体100とが係合し、操作側筐体100に対して表示側筐体200が摺動したとき、操作側筐体100に配置された気体容器1120の開口部1121の上部を通過する位置に形成されている。なお、閉口部材1221aおよび閉口部材1221bは、例えば、柔軟性と密着性を有するゴムなどの素材で形成されている。
【0091】
このような構成の操作側筐体100と表示側筐体200とが摺動可能に係合されたときの側面図を図18(c)〜図18(e)に示す。図18(c)は、図17(a)に示した閉状態のときの携帯電話機3を示している。本実施形態では、図示するように、閉状態のときに、閉口部材1221aが気体容器1120の上部、すなわち、開口部1121を閉口する位置となるよう表示側筐体200に形成する。したがって、閉状態のときは、開口部1121が閉口部材1221aによって閉口されているので、気体容器1120内で発生した芳香性気体は外部に放出されない。
【0092】
そして、携帯電話機3を開状態とするために表示側筐体200を摺動させると、図18(d)に示すように、表示側筐体200に形成された開口部1222が気体容器1120の上部に位置する。この開口部1222は、図18(c)〜図18(e)に示すように、空間を形成しているものであり、このような開口部1222が気体容器1120の上部にある場合、気体容器1120の開口部1121と開口部1222の空間により、気体容器1120の内部と携帯電話機3の外部とが連通する。このため、気体容器1120内の芳香性気体が、開口部1121から開口部1222を通って、携帯電話機3の外部に放出される。これにより、携帯電話機3から芳香拡散がおこなわれることになる。
【0093】
ここで、開口部1222は、図18(b)に示すように、表示側筐体200の長手方向を長手方向とした形状であるので、表示側筐体200を摺動させている間、気体容器1120が外部と連通している状態となる。
【0094】
そして、図18(e)に示すように、表示側筐体200を摺動させることで開状態となったときに、閉口部材1221bが気体容器1120の上部に位置するよう形成することで、携帯電話機3が開状態となっている間は、閉口部材1221bによって開口部1121が閉口される。
【0095】
以上説明したように、本発明を上記実施形態4の如く適用することで、スライド式筐体の携帯電話機において、開閉動作をおこなっている間のみ芳香拡散をおこなうことができる。
【0096】
(実施形態5)
上記実施形態4では、スライド式筐体の携帯電話機(携帯通信端末)において、揮発によって発生させた芳香性気体を外部に放出させることで芳香拡散させる例を示したが、このような開閉方式の携帯電話機3では、実施形態3のように、芳香液の噴射(噴霧)による芳香拡散をおこなうことができる。本実施形態では、実施形態4で示した携帯電話機3において、芳香液の噴射によって芳香性気体を拡散させる場合を以下に例示する。
【0097】
この場合、図19(a)に示すように、基材容器1110や噴射部1150などで構成された気体拡散部1000を、操作側筐体100の上部付近に構成する。この場合において、噴射部1150は、操作側筐体100の上部から外部に噴射するよう配置される。
【0098】
そして、このように配置された噴射部1150を、表示側筐体200の摺動動作によって押圧するための押圧部材1223が、図19(b)に示すように表示側筐体200に形成される。この押圧部材1223は、表示側筐体200における操作側筐体100との係合面において、操作側筐体100側に突出するよう形成されており、表示側筐体200の摺動方向を長手方向とし、表示側筐体200が操作側筐体100と係合したときに、噴射部1150に向かって山状となるよう形成されている。
【0099】
すなわち、表示側筐体200の摺動により押圧部材1223が移動することで、山状の形状における頂部が噴射部1150を押圧するよう形成されている。このため、押圧部材1223が移動できるよう、操作側筐体100には、押圧部材1223が通るためのガイド1224が形成されている。
【0100】
このような構成の携帯電話機3において、表示側筐体200を摺動させたときの様子を、図19(c)〜図19(e)を参照して説明する。なお、図19(c)〜図19(e)においては、理解を容易にするため、表示側筐体200の図示を省略し、押圧部材1223のみが明示されるようにしている。
【0101】
ここで、携帯電話機3が、図17(a)に示した閉状態のとき、押圧部材1223は図19(c)に示した位置となるよう形成する。この場合、押圧部材1223の頂部が噴射部1150に接していないので、携帯電話機3が閉状態のとき、噴射部1150は押圧されない。すなわち、噴射部1150による芳香液の噴射はおこなわれない。
【0102】
このような閉状態から図17(b)に示す開状態にするために表示側筐体200を摺動させると、図19(d)に示すように、押圧部材1223が平行移動するので、山状に形成した押圧部材1223の頂部が噴射部1150を押圧する。これにより噴射部1150は、ミスト状の芳香液(=芳香性気体)を携帯電話機3の外部に噴射(噴霧)する。この様子を図20に示す。図20は、携帯電話機3を閉状態からスライドさせた状態を裏から見た図である。
【0103】
そして、開状態とすべくさらに表示側筐体200を摺動させると、図19(e)に示すように、押圧部材1223の頂部が噴射部1150を押圧する位置では無くなるので、携帯電話機3が開状態となったときには、噴射部1150による噴射はおこなわれなくなる。
【0104】
以上説明したように、本発明を上記実施形態5の如く適用することで、スライド式筐体の携帯電話機において、開閉動作をおこなっている間のみ芳香拡散をおこなうことができる。
【0105】
本発明を上記各実施形態の如く適用することで、複数の筐体が開閉する構造の携帯電話機において、開閉動作をおこなっている間のみ、芳香性気体などの機能性気体を拡散させることができる。
【0106】
この場合において、機能性気体を保持する気体容器と、それを開閉する開閉部からなる構成としたので、機能性気体を拡散させるための構造を、小型で簡単な構成とすることができる。
【0107】
また、揮発性の基材を用いる場合、基材を誘引して揮発させることで機能性気体を発生させるので、機能性気体を徐々に放出させることができ、基材の保存性を向上させることができる。
【0108】
ここで、折り畳み式やリボルバ式(回転スライド式)などといった、筐体を回動させることで開閉させる場合、気体拡散のための構成を、筐体同士を回動可能に係合している係合部材の内部に構成することができるので、携帯電話機の小型化やデザイン性を阻害することなく、芳香拡散機能などのような付加価値をもった携帯電話機を実現することができる。
【0109】
また、筐体同士が回動する構造の携帯電話機で、揮発によって機能性気体を拡散する場合、機能性気体を放出する開口部を、筐体の可動範囲の両端(すなわち、閉状態と開状態)では閉じ、それ以外の部分では開ける動作を筐体の回動によっておこなうことができるので、開閉動作をおこなっている間のみ拡散させることができる。
【0110】
さらに、筐体が水平方向に回動するリボルバ式(回転スライド式)の携帯電話機の場合、押圧されることで液体を噴射させる噴射機構を用い、回動動作によって噴射機構を押圧することで、芳香性気体などの機能性気体を拡散させることができる。この場合も開閉動作をおこなっている間のみ、機能性気体を拡散させることができるので、基材の保存性を向上させることができるとともに、気体拡散部へのゴミの浸入なども防ぐことができる。また、必要な構成を係合部材の内部に構成することができるので、携帯電話機の小型化やデザイン性を阻害することなく、芳香拡散機能などのような付加価値をもった携帯電話機を実現することができる。
【0111】
また、液体を噴射させる構成とした場合、揮発性を有しない基材を採用することもでき、種々の基材を用いて機能性気体を拡散させることができる。なお、噴射させる方向は任意であり、上記実施形態3または実施形態5に例示した噴射方向に限られるものではない。また、噴射機構については、例えば、エアロゾル式スプレーなどを用いてもよい。
【0112】
また、複数の筐体が、平行する方向に摺動するスライド式の携帯電話機の場合であっても、簡易な構成にて、開閉動作時のみ拡散をおこなうことができる。この場合、揮発性基材から機能性気体を発生させる方法も液体を噴射させる方法も採用することができる。
【0113】
すなわち、本発明によれば、あらゆる開閉方式の携帯電話機において、主要機能の利用時に必要となる開閉動作時にのみ機能性気体の拡散をおこなうことができるので、長時間に渡って機能性気体の拡散がおこなわれることがない。これにより、芳香剤などの基材が無駄に消費されたり、内部に異物が混入したりすることも防止することができる。また、芳香性気体を拡散させる場合、芳香拡散が開閉時のみおこなわれるので、人間の嗅覚特性を考慮した芳香効果を実現することができる。
【0114】
上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0115】
例えば、上記実施形態では、機能性気体として芳香性気体を放出する場合を例示したが、芳香性気体に限られず、例えば、除菌、消臭、加湿、マイナスイオン、などの機能性を有する気体を放出するようにしてもよい。この場合、目的に合わせた基材を選択することで、種々の機能性気体を拡散させることができる。
【0116】
また、上記実施形態では、揮発性の液体を揮発させることで機能性気体を発生させる場合を例示したが、例えば、基材として昇華性ある物質(例えば、固形芳香剤など)を用いることにより、昇華によって発生した機能性気体を放出するようにしてもよい。すなわち、基材として用いることのできる物質は液体に限られず、固体をはじめとした種々の形態の基材を採用してもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、筐体が開閉動作をしている間のみ機能性気体を拡散する構成を例示したが、筐体の可動範囲において一時的に拡散がなされるのであれば、拡散をおこなうタイミングは任意である。例えば、液体を噴射させる構成の場合、筐体が閉状態もしくは開状態となったときに噴射するようにしてもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、筐体が閉状態および開状態のときに機能性気体が拡散されないようにする構成を例示したが、実施形態2および実施形態3で例示したようなリボルバ式(回転スライド式)の筐体において、表示側筐体を90°回転させた状態でも使用するのであれば、その状態のときは機能性気体が放出されないように構成してもよい。
【0119】
また、上記実施形態で示したような、折り畳み式、リボルバ式(回転スライド式)、スライド式の筐体と同様の動きをするものであれば、携帯電話機以外の電子機器(例えば、ノート型パーソナルコンピュータなど)に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。さらに、同様の開閉機構を有しているものであれば、あらゆる機器(例えば、化粧用コンパクト、三面鏡、ドア、扉、など)に本発明を適用することができ、種々の機器において効果的な付加価値を実現することができる。
【0120】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られるものではない。
【0121】
(付記1)
筐体を開閉するための開閉機構において、
開口部を有し、機能性気体を保持する気体保持手段と、
前記筐体の開閉動作に応じて前記気体保持手段の開口部を開閉することで、前記筐体の開閉動作時に前記機能性気体を外部に放出する放出手段と、
を備えることを特徴とする開閉機構。
【0122】
(付記2)
前記放出手段は、前記筐体の可動範囲の一部において、前記開口部が開状態となるよう形成される、
ことを特徴とする付記1に記載の開閉機構。
【0123】
(付記3)
前記放出手段は、少なくとも前記筐体の可動範囲の両端では、前記開口部が閉状態となるよう形成される、
ことを特徴とする付記1または2に記載の開閉機構。
【0124】
(付記4)
前記気体保持手段は、
前記機能性気体を発生する基材を保持する基材保持手段と、
前記基材保持手段が保持する基材から前記機能性気体を発生させる気体発生手段と、をさらに備え、
前記気体保持手段は、前記気体発生手段が発生させた前記機能性気体を保持する、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の開閉機構。
【0125】
(付記5)
2以上の筐体を回動可能に係合することで前記筐体を開閉可能とする係合手段をさらに備え、
前記放出手段は、前記係合手段の内部に形成され、前記係合手段の回動により前記開口部を開閉する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載の開閉機構。
【0126】
(付記6)
前記気体保持手段は、前記係合手段の内部に形成される、
ことを特徴とする付記5に記載の開閉機構。
【0127】
(付記7)
2以上の筐体を互いに摺動可能に係合することで前記筐体を開閉可能とする摺動手段をさらに備え、
前記気体保持手段は、前記2以上の筐体の一に形成され、
前記放出手段は、前記一の筐体と係合された他の筐体に形成され、当該筐体の摺動により前記開口部を開閉する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載の開閉機構。
【0128】
(付記8)
2以上の筐体を含む機器であって、
前記2以上の筐体を開閉させる付記1〜7のいずれか1つに記載の開閉機構を備える、
ことを特徴とする開閉機構付き機器。
【0129】
(付記9)
付記1〜7のいずれか1つに記載の開閉機構と、筐体と、通信手段と、を備える携帯通信端末であって、
前記筐体は、少なくとも、操作部を備える第1の筐体と、表示部を備える第2の筐体と、を含み、
前記開閉機構の開状態において、前記操作部が現れて通信可能な状態となる、
ことを特徴とする携帯通信端末。
【0130】
(付記10)
筐体を開閉するための開閉機構において、
液体を保持する液体保持手段と、
押圧に応じて、前記液体保持手段が保持する液体を外部に噴射する噴射手段と、
前記筐体の開閉動作により、該開閉動作の動作範囲の一部で前記噴射手段を押圧する押圧手段と、
を備えることを特徴とする開閉機構。
【0131】
(付記11)
2以上の筐体を互いに摺動可能に係合することで前記筐体を開閉可能とする摺動手段をさらに備え、
前記押圧手段は、前記筐体の摺動により、該摺動の動作範囲の一部で前記噴射手段を押圧する、
ことを特徴とする付記10に記載の開閉機構。
【0132】
(付記12)
2以上の筐体を回動可能に係合することで前記筐体を開閉可能とする係合手段をさらに備え、
前記押圧手段は、前記筐体の回動により、該回動の動作範囲の一部で前記噴射手段を押圧する、
ことを特徴とする付記10または11に記載の開閉機構。
【0133】
(付記13)
前記液体保持手段、前記噴射手段、および、前記押圧手段は、前記係合手段の内部に形成される、
ことを特徴とする付記12に記載の開閉機構。
【0134】
(付記14)
2以上の筐体を含む機器であって、
前記2以上の筐体を開閉させる付記10〜13のいずれか1つに記載の開閉機構を備える、
ことを特徴とする開閉機構付き機器。
【0135】
(付記15)
付記10〜13のいずれか1つに記載の開閉機構と、筐体と、通信手段と、を備える携帯通信端末であって、
前記筐体は、少なくとも、操作部を備える第1の筐体と、表示部を備える第2の筐体と、を含み、
前記開閉機構の開状態において、前記操作部が現れて通信可能な状態となる、
ことを特徴とする携帯通信端末。
【符号の説明】
【0136】
1、2、3…携帯電話機、100…操作側筐体、200…表示側筐体、300…係合部材、310…第1の係合部材、320…第2の係合部材、321…結合部上面、330…スリット、1000…気体拡散部、1100…気体発生部、1110…基材容器、1120…発生容器、1121…開口部、1130…仕切板、1140…誘引揮発部材、1150…噴射部、1200…気体放出部、1210…回転胴部、1220…開閉部、1221、1221a、1221b…閉口部材、1222、1222a、1222b…開口部、1223…押圧部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を開閉するための開閉機構において、
液体を保持する液体保持手段と、
押圧に応じて、前記液体保持手段が保持する液体を外部に噴射する噴射手段と、
前記筐体の開閉動作により、該開閉動作の動作範囲の一部で前記噴射手段を押圧する押圧手段と、
を備えることを特徴とする開閉機構。
【請求項2】
2以上の筐体を互いに摺動可能に係合することで前記筐体を開閉可能とする摺動手段をさらに備え、
前記押圧手段は、前記筐体の摺動により、該摺動の動作範囲の一部で前記噴射手段を押圧する、
ことを特徴とする請求項1に記載の開閉機構。
【請求項3】
2以上の筐体を回動可能に係合することで前記筐体を開閉可能とする係合手段をさらに備え、
前記押圧手段は、前記筐体の回動により、該回動の動作範囲の一部で前記噴射手段を押圧する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の開閉機構。
【請求項4】
前記液体保持手段、前記噴射手段、および、前記押圧手段は、前記係合手段の内部に形成される、
ことを特徴とする請求項3に記載の開閉機構。
【請求項5】
2以上の筐体を含む機器であって、
前記2以上の筐体を開閉させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の開閉機構を備える、
ことを特徴とする開閉機構付き機器。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の開閉機構と、筐体と、通信手段と、を備える携帯通信端末であって、
前記筐体は、少なくとも、操作部を備える第1の筐体と、表示部を備える第2の筐体と、を含み、
前記開閉機構の開状態において、前記操作部が現れて通信可能な状態となる、
ことを特徴とする携帯通信端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2012−213227(P2012−213227A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−163343(P2012−163343)
【出願日】平成24年7月24日(2012.7.24)
【分割の表示】特願2008−102954(P2008−102954)の分割
【原出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】