開閉装置
【課題】 誤動作を防いで制動解除動作部を安定的に制御動作できる開閉装置を提供する。
【解決手段】 閉鎖動作可能な開閉体10と、前記開閉体10の閉鎖動作を制動するとともにその制動状態を制動操作部に対する操作により解除する制動部32bと、電動モーター33aに駆動される制動解除動作部33fによって前記制動解除動作部33fを解除操作する自動閉鎖装置33と、前記電動モーター33aの負荷値を検知する負荷検知部33gとを備え、前記電動モーター33aの駆動による前記制動解除動作部33fの解除動作中、前記負荷検知部33gにより検知される負荷値に応じて前記電動モーター33aを停止するようにした開閉装置であって、予め設定された所定条件に応じて、前記制動解除動作部33fを初期位置に戻すようにした。
【解決手段】 閉鎖動作可能な開閉体10と、前記開閉体10の閉鎖動作を制動するとともにその制動状態を制動操作部に対する操作により解除する制動部32bと、電動モーター33aに駆動される制動解除動作部33fによって前記制動解除動作部33fを解除操作する自動閉鎖装置33と、前記電動モーター33aの負荷値を検知する負荷検知部33gとを備え、前記電動モーター33aの駆動による前記制動解除動作部33fの解除動作中、前記負荷検知部33gにより検知される負荷値に応じて前記電動モーター33aを停止するようにした開閉装置であって、予め設定された所定条件に応じて、前記制動解除動作部33fを初期位置に戻すようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害時等に自動閉鎖装置の作動により開閉体を閉鎖動作するようにした開閉装置に関し、特にシャッター装置として好適な開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の開閉装置には、自重により閉鎖動作可能な開閉体と、この開閉体の閉鎖動作を制動する制動装置と、この制動装置による制動状態を解除する自動閉鎖装置とを備えたものが知られている。このような開閉装置によれば、火災等の災害時の信号等に応じて、前記自動閉鎖装置が作動すると、この自動閉鎖装置によって前記制動装置による制動状態が解除され、開閉体が自重により閉鎖動作する。したがって、火災による延焼や延煙等を防ぐことができる。
【0003】
例えば、下記特許文献1に記載の自動閉鎖装置では、電動モーター(27)により駆動される制動解除動作部(閉鎖レバー29)によって、制動装置(8)のブレーキ開放レバー(21)をブレーキ開放位置まで押し動かすことで、制動装置(8)による制動状態を解除する。そして、この自動閉鎖装置では、移動中の制動解除動作部(閉鎖レバー29)がマイクロスイッチ(MS1〜3)をONにした場合に、この制動解除動作部(閉鎖レバー29)によってブレーキ開放レバー(21)がブレーキ開放位置まで押し動かされたものとみなし、電動モーター(27)の駆動を停止するようにしている。
【0004】
前記従来技術によれば、制動解除動作部(閉鎖レバー29)の過剰な移動によりブレーキ開放レバー(21)が可動限界を超えて変形してしまったり、逆に制動解除動作部(閉鎖レバー29)の移動量が足りなくてブレーキ開放レバー(21)が開放状態となるまで移動しなかったり等することのないように、制動解除動作部(閉鎖レバー29)の移動量を精密に調整する必要がある。また、制動装置(8)の個体差や種類の違いによってブレーキ開放レバー(21)のブレーキ開放位置が異なる場合があり、そのことに応じて、制動解除動作部(閉鎖レバー29)の移動量を調整する必要も生じる。よって、制動解除動作部(閉鎖レバー29)の移動量の調整作業に相当の時間や高い技術が必要になる。
【0005】
そこで、例えば、制動解除動作部(閉鎖レバー29)の駆動源である電動モーター(27)の電流値があらかじめ設定されたしきい値よりも大きくなった場合に、制動解除動作部(閉鎖レバー29)がブレーキ開放レバー(21)をブレーキ開放位置まで押し動かしたものとみなして、電動モーター(27)の駆動を停止するような制御が提案できる。
しかしながら、このような制御によれば、電動モーター(27)の電源電圧に変動を生じた場合、より具体的には電動モーター(27)の駆動中に電源が商用電源からバッテリー電源に切り替えられることで電圧変動を生じた場合などに、このような電圧変動に起因する電流値上昇によって電動モーター(27)を停止させてしまうという、誤動作を生じるおそれがある。
また、メンテナンス作業等に起因して、制動解除動作部(閉鎖レバー29)が途中位置から動作した場合には、初期位置から動作した場合と比べて電流値が大幅に大きくなるので、このような電流値上昇により電動モーター(27)を停止させてしまうという、誤動作を生じるおそれもある。
また、制動解除動作部(閉鎖レバー29)やその他の作動箇所において、異物等に起因する機械的な引っかかりが生じた場合、電流値の大幅な上昇を生じるため、このような電流値上昇により電動モーター(27)を停止させてしまうという、誤動作を生じるおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−76366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、制動解除動作部の移動量の調整を不要にできること、制動解除動作部の過剰な移動や移動量の不足を防ぐこと、途中位置からの動作に起因する誤動作を防いで制動解除動作部を安定的に制御動作できること、電源電圧の変動に起因する誤動作を防いで制動解除動作部を安定的に制御動作できること、機械的な引っかかりに起因する誤動作を防いで制動解除動作部を安定的に制御動作できること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明に係る技術的手段は、以下の構成を少なくとも具備するものである。
【0009】
閉鎖動作可能な開閉体と、前記開閉体の閉鎖動作を制動するとともにその制動状態を制動操作部に対する操作により解除する制動部と、電動モーターに駆動される制動解除動作部によって前記制動操作部を解除操作する自動閉鎖装置と、前記電動モーターの負荷値を検知する負荷検知部とを備え、前記電動モーターの駆動による前記制動解除動作部の解除動作中、前記負荷検知部により検知される負荷値に応じて前記電動モーターを停止するようにした開閉装置であって、予め設定された所定条件に応じて、前記制動解除動作部を初期位置に戻すようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このような特徴を有することで本発明は以下の作用効果を奏する。
電動モーターの駆動による制動解除動作部の解除動作中、負荷検知部により検知される負荷値に応じて電動モーターを停止するようにしているため、制動解除動作部の移動量の調整を不要にでき、制動解除動作部の過剰な移動や移動量の不足を防ぐことができる。
その上、予め設定された所定条件を満たす場合には、制動解除動作部が初期位置に戻されるので、負荷検知部による負荷値の検知を、制動解除動作部が初期位置にある状態からやり直すことができ、ひいては、途中位置からの動作や、動作途中の電源電圧変動、機械的な引っかかり等に起因する負荷値上昇により誤動作を生じるのを防いで、制動解除動作部を安定的に制御動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る開閉装置の一例を示す正面図である。
【図2】制動部の一例を示す断面図である。
【図3】自動閉鎖装置の一例を示す内部構造図であり、制動解除動作部が初期位置にある状態を示している。
【図4】図3の(IV)−(IV)線断面図である。
【図5】同自動閉鎖装置の内部構造図であり、制動解除動作部が前進した状態を示している。
【図6】自動閉鎖装置及び開閉機のブロック図である。
【図7】制御部による制御動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】経過時間と電動モーターの電流値との関係を示すグラフである。
【図9】経過時間と電動モーターの電流値との関係を示すグラフであり、雰囲気温度が20℃の場合と−20℃の場合を示している。
【図10】無負荷時における経過時間と電動モーターの電流値との関係を、異なる雰囲気温度毎に示すグラフである。
【図11】雰囲気温度と補正値との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の開閉装置は、建築物等の開口部や内部空間に配設され、これら開口部や内部空間を開閉するシャッター装置として適用可能であり、特に、火災が発生したときに開口部や内部空間を自動閉鎖して延焼や延煙を防ぐ防火シャッター装置に適用すると効果的である。
【0013】
また、本発明の開閉装置は、開閉体を巻取り軸に巻き取って収納するようにした形態とするのが効果的であるが、開閉体を巻取り軸に巻取ることなく開放方向側に収納するようにした形態とすることも可能である。
【0014】
前記開閉体は、特に、防火機能を備えた形態のものが好ましく、具体例としては、不燃性素材や熱変形し難い素材からなる複数のスラットやパネルを開閉方向へ連設してなる開閉体、同素材からなり、開口部や内部空間を全閉可能な面積のパネルからなる開閉体、不燃性、難燃性、耐火性を有するシートからなる開閉体等が挙げられる。
【0015】
また、前記制動部は、例えば、前記開閉体を開閉方向へ駆動する開閉機に設けられた制動機構(ブレーキ装置)とすればよく、この場合、前記制動操作部を押し動かす操作によって制動状態を解除する構成でもよいし、前記制動操作部を引っ張る操作によって制動状態を解除する構成であってもよい。
また、前記制動部の他例としては、巻取軸又は開閉体にブレーキパッドを摺接させて開閉体の閉鎖動作を制動する構成等とすることも可能である。
【0016】
また、前記自動閉鎖装置の前記制動解除動作部には、例えば直線的な運動によって前記制動操作部を解除操作する態様や、曲線的な運動又は円運動によって前記制動操作部を解除する態様、前記制動操作部を押し動かして操作する態様、前記制動操作部を引っ張り操作する態様等を含む。
【0017】
また、前記負荷検知部は、前記電動モーターの負荷値に応じた信号を出力する構成であればよく、例えば、前記電動モーターの電流値を負荷値として検知する電流センサーとすればよいが、他例としては、前記電動モーターの回転数を負荷値として検知する態様や、前記電動モーターの入力電圧の電圧降下を負荷値として検知する態様、前記電動モーターの出力軸に設けられたトルクメーターによって検出されるトルクを負荷値とする態様等とすることも可能である。
【0018】
また、前記負荷検知部により検知される負荷値に応じて前記電動モーターを停止するという構成には、前記負荷検知部により検知される負荷値の変動幅が予め設定されたしきい幅を超えた場合に前記電動モーターを停止するようにした態様や、前記負荷検知部により検知される負荷値自体が所定のしきい値を超えた場合に前記電動モーターを停止するようにした態様を含む。
【0019】
本発明に係る好ましい一形態では、前記制動解除動作部によって前記制動操作部を押し動かして前記制動部を解除操作するようにした開閉装置であって、初期位置にある前記制動解除動作部と、初期位置にある前記制動操作部との間に隙間を設けるようにする。
この形態によれば、制動解除動作部が前記隙間を移動している間、電動モーターの電流値を安定した無負荷電流とすることができる。仮に前記隙間が無い場合には、制動解除動作部の作動直後に電動モーターの電流値が急上昇するため、その電流値の急上昇により誤動作を生じるおそれがあるが、本発明ではそのようなことを防ぎ、制動解除動作部を安定的に制御動作させることができる。
【0020】
更に好ましい形態では、前記制動解除動作部が初期位置にあるか否かを検知する初期位置検知部を備え、前記初期位置検知部により前記制動解除動作部が初期位置にないことを検知したことを前記所定条件とする。
この形態によれば、初期位置検知部により制動解除動作部が初期位置にないことを検知した場合には、制動解除動作部が初期位置に戻されるので、負荷検知部による負荷値の検知を、制動解除動作部が初期位置にある状態から再開することができ、ひいては、途中位置からの動作に起因する負荷値上昇により誤動作を生じるのを防いで、制動解除動作部を安定的に制御動作させることができる。
【0021】
更に好ましい形態では、前記電動モーターの入力電圧を検知する電圧検知部を備え、前記電圧検知部による検知電圧に変動があったことを前記所定条件とする。
この形態によれば、電圧検知部による検知電圧に変動があった場合には、制動解除動作部が初期位置に戻されるので、負荷検知部による負荷値の検知を、制動解除動作部が初期位置にある状態から再開することができ、ひいては、動作途中の電源電圧変動に起因する負荷値上昇により誤動作を生じるのを防いで、制動解除動作部を安定的に制御動作させることができる。
【0022】
更に好ましい形態では、前記開閉体が閉鎖動作を開始したことを検知する閉鎖動作検知部を備え、前記電動モーターの駆動による前記制動解除動作部の解除動作の後に前記閉鎖動作検知部による検知信号がないことを、前記所定条件とする。
この形態によれば、電動モーターの駆動による制動解除動作部の解除動作の後に閉鎖動作検知部による検知信号がない場合には、制動解除動作部が初期位置に戻されるので、負荷検知部による負荷値の検知を、制動解除動作部が初期位置にある状態から再開することができ、ひいては、機械的な引っかかりに起因する負荷値上昇により誤動作を生じるのを防いで、制動解除動作部を安定的に制御動作させることができる。
【0023】
更に好ましい形態では、前記制動解除動作部を初期位置に戻した後、前記電動モーターの駆動による前記制動解除動作部の解除動作を自動的に再開するようにする。
この形態によれば、制動解除動作部の解除動作を自動的に初期位置から再開して、その解除動作中、負荷検知部により検知される負荷値に応じて電動モーターを停止することができる。したがって、制動解除動作部を安定的に制御動作させることができる。
【0024】
本実施形態中において「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態の開閉体の厚さ方向を意味する。また、「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と直交する方向であって、開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。また、「開閉体開閉方向」とは、開閉体が開口部や空間を開閉するためにスライドする方向を意味する。
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る開閉装置1の概略構成図である。
開閉装置1は、開閉体開閉方向(図示において上下方向)にスライドして開閉動作する開閉体10と、該開閉体10の幅方向(図示において左右方向)の端部を囲み開閉方向へ案内するガイドレール20と、開閉体10をその開放方向側で巻き取ったり繰り出したりする巻取装置30とを備える。
【0026】
開閉体10は、横長略矩形状の防火加工が施された金属板を曲げ加工してなるスラット11を、開閉体開閉方向に複数並列させ、隣接するスラット11,11同士の間で回動するように接続し、最も閉鎖方向端側のスラット11の閉鎖方向端部に座板12を接続して構成されている。
【0027】
ガイドレール20は、開閉体10の幅方向端部を囲む断面略コ字状の部材であり、開閉体10によって着座される当接対象部位(例えば、床面や地面、枠部材等)と巻取装置30との間にわたって配設されている。
【0028】
巻取装置30は、開閉体10の巻取り及び繰り出しを行う巻取軸31と、巻取軸31をチェーン及びスプロケット等の動力伝達手段を介して駆動回転したり制動したりする開閉機32と、該開閉機32による制動状態を解除して開閉体10を自動閉鎖させる自動閉鎖装置33とを備えている。
【0029】
開閉機32は、例えば実開平01−118084号公報に示される周知構造の開閉機であり、詳細に説明すれば、図2に示すように、巻取軸31を回転させるための駆動部32aと、該駆動部32aの一端側(図示例によれば右端側)で駆動部32aによる回転を制動する制動部32b(ブレーキ装置)とを備えている。
【0030】
駆動部32aは、直流モーターまたは交流モーターであり、その回転子32a1の中心には駆動軸32a2が固定され、該駆動軸32a2の一端側(図2によれば左端側)の回転力を、動力伝達手段(例えば、チェーンとスプロケット、ベルトとプーリ、歯車等)を介して巻取軸31へ伝達するように構成してある。また、同駆動軸32a2の他端側には、制動部32bからの制動力を受けるように略円盤状のブレーキシュー32a3が固定されている。
【0031】
また、制動部32bは、駆動部32aの駆動による開閉体10の閉鎖動作を制動するとともに、その制動状態を制動操作部32b4が操作されることによって解除するように構成してある。
より詳細に説明すれば、この制動部32bは、上記駆動軸32a2に対し略直線状に並ぶように配置されたブレーキ軸32b1と、該ブレーキ軸32b1における駆動部側に固定されるとともにブレーキシュー32a3に対し離脱可能に当接したブレーキドラム32b2と、該ブレーキドラム32b2を駆動部32aの方向(図2によれば左方向)へ付勢するコイルスプリング32b3と、該コイルスプリング32b3の付勢力に抗してブレーキドラム32b2を吸引する電磁ソレノイド32b6と、同コイルスプリング32b3の付勢力に抗して手動でブレーキドラム32b2をブレーキシュー32a3から離間させるための制動操作部32b4とを具備している。
【0032】
制動操作部32b4は、一端側に作用する揺動力によって、ブレーキ軸32b1及ブレーキドラム32b2をブレーキシュー32a3から引き離すように構成された略杆状の部材であり、後述する自動閉鎖装置33によって機械的に押動操作される。
なお、図中符号32b5は、開閉体10を手動で開閉できるように具備されたチェーンであり、必要に応じて省くことも可能である。
【0033】
そして、上記構成の開閉機32には、開閉体10が閉鎖動作を開始したことを検知するための閉鎖動作検知部32cが設けられる(図6参照)。
この閉鎖動作検知部32cは、開閉体10が全開位置から閉鎖動作を開始した際に、開閉機32の駆動軸32a2の回転力によってマイクロスイッチを作動させて、該マイクロスイッチの接点信号を出力する構成とされる。
【0034】
自動閉鎖装置33は、電動モーター33aに駆動される制動解除動作部33fによって前記制動操作部32b4を解除操作する機構である(図3〜6参照)。
より詳細に説明すれば、この自動閉鎖装置33は、駆動源となる電動モーター33aと、該電動モーター33aの回転力を複数のギアによって適宜に調整して伝達するギアボックス33bと、該ギアボックス33bの出力軸に設けられて逆回転を阻止するワンウェイクラッチ33cと、該ワンウェイクラッチ33cから回転力を受けるように設けられたピニオン33dと、ワンウェイクラッチ33cの逆転阻止状態を解除するソレノイド33eと、ピニオン33dにラックを係合させて進退する制動解除動作部33fと、電動モーター33aの負荷値を検知する負荷検知部33g(図6参照)と、制動解除動作部33fが初期位置にあるか否かを検知する初期位置検知部33hと、電動モーター33aの入力電圧を検知する電圧検知部33iと、電動モーター33aの雰囲気温度を検知する温度検知部33jと、これら検知部の検知信号等に応じて電動モーター33a及びソレノイド33eを制御する制御回路部33xとを備えている。
【0035】
電動モーター33aは、直流モーターである。この電動モーター33aは、供給電力が制御回路部33xにより制御されることで、駆動したり停止したりする。
【0036】
ワンウェイクラッチ33cは、一方向へのみ回転力を伝達する周知の機構であり、本実施の形態によれば、ソレノイド33eにより逆転阻止状態が解除されるようになっている。この構成は、例えば、ワンウェイクラッチ33cを歯止め爪と歯車とからなる機構(所謂ラチェット機構)とし、前記歯止め爪をソレノイド33eの電磁力により離脱状態にする構造とすればよい。
【0037】
制動解除動作部33fは、ケーシング33kを貫通してスライドするスライド部33f1と、スライド部33f1の前進量を規制するストッパー部33f2と、後述する初期位置検知部33hにより検知される被検知体33f3と、スライド部33f1の前端部で制動操作部32b4に当接される当接部33f4とを具備してなる。
【0038】
スライド部33f1は、図示例によれば、略L字状の棒体であり、スライド方向にわたって、ピニオン33dに係合するラック33f11を有する。
【0039】
ストッパー部33f2は、スライド部33f1と一体的な突起であり、スライド部33f1が前進した際に、ケーシング33k内の不動部位に当接して、スライド部33f1の前進量を規制する。
スライド部33f1には、ストッパー部33f2をねじ込むための螺子穴が、スライド方向に間隔を置いて複数設けられており、ストッパー部33f2の位置変更により、スライド部33f1の前進量を調整できるようになっている。
【0040】
被検知体33f3は、スライド部33f1が後退(図示例によれば左方向へ移動)した際に、初期位置検知部33h(リミットスイッチ)により検知されるように、スライド部33f1に固定されている突起物である。この被検知体33f3は、螺子やボルト等の締結部材によりスライド部33f1に固定されており、前記締結部材を緩めて、スライド部33f1に対するスライド方向の位置を調整できるようになっている。
【0041】
当接部33f4は、前進した際に制動操作部32b4に当接する部分であり、その進退方向の位置を調整できるように構成される。
より詳細に説明すれば、この当接部33f4は、スライド部33f1の前端においてスライド部33f1のスライド方向と平行として螺合された調整ボルト33f41と、該調整ボルトの位置を固定するロックナット33f42とから構成され、調整ボルト33f41のボルトヘッド部分が制動操作部32b4に当接するようになっている。この当接部33f4によれば、調整ボルト33f41を回転させて前述のボルトヘッド部分を進退させることにより、初期位置にある制動解除動作部33fと初期位置にある制動操作部32b4との間の隙間Sを微調整することができる。
【0042】
そして、上記構成の制動解除動作部33fは、電動モーター33aの駆動によるピニオン33dの回転により前進する。また、同制動解除動作部33fは、ソレノイド33eの作動によってワンウェイクラッチ33cの逆転阻止状態が解除された際に、付勢部材33lの付勢力によって後退する。付勢部材33lは、引張りバネであり、その一端部をスライド部33f1に止着するとともに他端部をケーシング33kの不動部位に止着している。この付勢部材33lは圧縮バネや板バネを用いた態様に置換することが可能である。
【0043】
また、負荷検知部33gは、電動モーター33aの負荷値に応じた信号を出力する構成であればよく、本実施の形態の一例によれば、電動モーター33aの電流値を検知する電流センサーが用いられる。この電流センサーは、例えばホール素子を用いた態様や、その他の周知の態様のものとすればよい。この負荷検知部33gから出力される電流値信号は、後述する制御回路部33xに入力される(図6参照)。
【0044】
初期位置検知部33hは、制動解除動作部33fが初期位置(図3に示す状態)となった際に信号を出力する構成であればよく、より具体的には、初期位置にある制動解除動作部33fを接触又は非接触で感知する位置センサーを用いればよい。この位置センサーは、図示例によれば、リミットスイッチであり、制動解除動作部33fの被検知体33f3に当接されることで、接点信号を出力する。この初期位置検知部33hから出力される信号は、後述する制御回路部33xに入力される(図6参照)。
なお、図3に示す一例によれば、初期位置検知部33hとしてのリミットスイッチを二つ並列に用いており、その一方の信号が制御回路部33xに入力され、他方の信号が外部出力されるようになっている。
【0045】
電圧検知部33iは、電動モーター33aの入力電圧を検知し、その検知電圧に応じた信号を出力する構成であればよく、例えば周知構造の電圧センサー(あるいは電圧計)を用いればよい。この電圧検知部33iから出力される信号は、後述する制御回路部33xに入力される(図6参照)。
【0046】
温度検知部33jは、電動モーター33aの雰囲気温度を検知し、その検知温度に応じた信号を出力する温度センサーであり、例えば、測温抵抗体やサーミスタを用いた周知構造のものを用いればよい。この温度検知部33jから出力される信号は、後述する制御回路部33xに入力される(図6参照)。
なお、この温度検知部33jの他例としては、電動モーター33aの温度(好ましくは巻線温度)を測定し、その測定温度に応じた信号を出力する構成としてもよい。
【0047】
また、制御回路部33xは、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムに基づいてCPUを機能させる電子回路(所謂マイコン回路等)であり、災害時等にコネクタ33mを介して入力される自動閉鎖信号に応じて作動し、閉鎖動作検知部32c、負荷検知部33g、初期位置検知部33h、電圧検知部33i及び温度検知部33jから入力される信号を処理し、その処理結果に応じて、電動モーター33a及びソレノイド33eを制御する。
【0048】
次に、制御回路部33xによる制御例を図7に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0049】
先ず、ステップ1では、災害時等に入力される自動閉鎖信号に応じて、自動閉鎖装置33の電源がオンにされる。
自動閉鎖装置33の電源は、好ましい一例としては、前記自動閉鎖信号を有電圧信号とし、この有電圧信号を電源として兼用すればよい。
【0050】
次のステップ2では、初期位置検知部33hからの検知信号に基づき、制動解除動作部33fが初期位置にあるか否かを判断し、初期位置にある場合には次のステップ3へ処理を進め、そうでなければステップ2aへ処理を移行してソレノイド33eを作動する。
【0051】
ステップ2aでは、ソレノイド33eの作動によりワンウェイクラッチ33cの逆転阻止状態を解除し、制動解除動作部33fを付勢部材33lの付勢力によって強制的に初期位置に戻し、処理を前記ステップ2へ戻す。
【0052】
すなわち、自動閉鎖装置33の電源がオンにされた直後、制動解除動作部33fが初期位置にない場合には、制動解除動作部33fを強制的に初期位置に戻して、電動モーター33aの駆動による制動解除動作部33fの解除動作を自動的にやり直すことができる。よって、制動解除動作部33fの途中位置からの動作による負荷値上昇に起因して、後述するステップ6において誤判断をまねくようなことを防いで、制動解除動作部33fを安定的に制御動作させることができる。
【0053】
また、ステップ3では、電動モーター33aの作動により制動解除動作部33fの前進を開始するとともに、負荷検知部33gによる負荷値(より具体的には電流値)の計測を開始する。
【0054】
ここで、電動モーター33aの電流値の変化について説明すれば、図8のグラフに示すように、先ず、電動モーター33aの起動直後の時間範囲a(図示例によれば約0.2秒間)においては、始動電流による急激な電流値の変動(増減)が生じる。
そして、その後の時間範囲bにおいては、制動解除動作部33fが制動操作部32b4に当接する前の隙間Sを移動している状態にあり、電流値は略一定の無負荷電流となる。
次の時間範囲cにおいては、制動解除動作部33fが制動操作部32b4を作動限界位置となるまで押し動かしている状態にあり、電流値に急激な上昇を生じる。
【0055】
ステップ4では、所定時間経過するのを待つ。この待ち時間(所定時間)は、電動モーター33aの始動時の急激な負荷変動を生じている時間範囲(図8によれば時間範囲a)を含むように設定される。
【0056】
そして、ステップ5では、電圧検知部33iからの入力信号に基づき、電動モーター33aの入力電圧に変動があったか否かを判断し、電圧変動があった場合には次のステップ6へ処理を進め、そうでなければステップ2aへ処理を移行してソレノイド33eを作動する。
ここで、電動モーター33aの入力電圧の変動があったか否かの判断は、より具体的に説明すれば、電圧検知部33iにより測定される検知電圧の所定時間内の変化幅が、所定の電圧差を超えたか否かの判断とすればよい。前記所定の電圧差は、例えば、自動閉鎖装置33の電源が商用電源からバッテリー電源に切り替えられた場合に生じる電圧差等を目安に設定すればよい。
なお、他例としては、電動モーター33aの入力電圧の変動があったか否かの判断を、電圧検知部33iにより測定される検知電圧が、所定の電圧値以下、又は所定の電圧値以上となったか否かの判断とすることも可能である。
【0057】
よって、前記ステップ5によれば、制動解除動作部33fの解除動作中、例えば、自動閉鎖装置33の電源が商用電源からバッテリー電源に切り替えられる等して、電動モーター33aの入力電圧に変動があった場合には、制動解除動作部33fが強制的に初期位置へ戻されることになる。よって、電圧変動に基づく電流値変動により、後述するステップ6による誤判断をまねくのを防いで、制動解除動作部33fを安定的に制御動作させることができる。
【0058】
ステップ6では、電動モーター33aの駆動による制動解除動作部33fの解除動作中、負荷検知部33gに検知される負荷値変動幅(より具体的には電流値の変動幅)が、予め設定されたしきい幅Hを超えたか否かを判断し、超えた場合には次のステップ7で電動モーター33aを停止し、そうでなければ前記ステップ5へ処理を戻す。
より具体的に説明すれば、負荷検知部33gによる電流値の測定は、所定のサンプリング間隔(例えば2ms毎)で行われる。制御回路部33xは、順次に測定された所定数(例えば5つ)の電流値について平均値を算出し、この平均値の算出を、一定時間経過する毎に繰り返す(所謂移動平均法を行う)。そして、この繰り返しが行われる度に、前記平均値の最小値を、逐次更新して記憶する。更に、制御回路部33xは、更新された最新の最小値と、次に算出される平均値との差(上昇幅)を求め、この差が、前記しきい幅Hを超えたか否かを判断する。
【0059】
前記しきい幅Hは、制動解除動作部33fが制動操作部32b4を初期位置からブレーキ解除位置まで押し動かした場合における電動モーター33aの電流値の上昇量よりも若干大きい値に設定される。
【0060】
更に、このしきい幅Hは、温度検知部33jによる検知温度に応じて補正されるようになっている。より具体的に説明すれば、このしきい幅Hは、基準値から温度に応じた補正値を差し引くことで求められる。
つまり、制動解除動作部33fが制動操作部32b4を初期位置からブレーキ解除位置まで押し動かした場合における電動モーター33aの電流値の上昇量は、電動モーター33aの巻線温度に応じて異なる。
つまり、巻線温度が比較的低い場合には、巻線抵抗値も比較的低くなるため、電動モーター33aの電流値が比較的大きくなる。例えば、図9に示すように、雰囲気温度が20℃の場合よりも、雰囲気温度が−20℃の場合の方が、全体的に電流値は高くなる。
そして、前記のように温度が比較的低い場合(例えば−20℃の場合)には、温度が比較的高い場合(例えば20℃の場合)と比較して、始動電流により急上昇した電流値が降下するのに時間がかかるため(図9のTLの範囲参照)、該電流値が無負荷電流まで下がりきる前に、制動解除動作部33fによる制動操作部32b4の押動が開始される。その結果、前記押動による電流値上昇幅HLは、温度が比較的高い場合(例えば20℃の場合)の電流値上昇幅HSよりも小さくなる。
【0061】
前記のようにして、始動電流により急上昇した電流値が降下するのにかかる時間は、図10のグラフに示すように、所定の温度以下において、温度が低くなるほど長くなる傾向がる。
そこで、本願発明に係る実施の形態では、雰囲気温度が0℃以上の場合には、予め設定された基準値をそのまましきい幅Hとして用い、雰囲気温度が0℃よりも低い所定温度範囲(図示例によれば0〜−10℃)にある場合には、前記基準値から、温度低下に比例して増加する補正値(図11参照)を差し引いて、しきい幅Hを求めるようにしている。
【0062】
更に、本実施の形態によれば、前記所定温度範囲よりも低い温度(図示例によれば−10℃よりも低い温度)では、前記補正値を一定にするようにしている(図11参照)。すなわち、この構成では、補正値を大きくしすぎてしまうことにより、制動部32bの制動状態が解除される前に制動解除動作部33fの前進が停止してしまうようなことを防いでいる。
【0063】
なお、具体的な構成としては、例えば図11に示す関数を、制御回路部33xの記憶装置に数式またはテーブル等として記憶しておき、制御回路部33xが、温度検知部33jによる検知温度に応じて、前記関数から前記補正値を自動的に算出する構成とすればよい。
【0064】
前記のようにして、ステップ6において負荷値変動幅が所定のしきい幅よりも大きいと判断された場合、制御回路部33xは、次のステップ7で電動モーター33aを停止する。
この動作によれば、制動操作部32b4が制動解除動作部33fに押し動かされることで、制動部32bがブレーキ解除された状態で、電動モーター33aが停止し、この停止に伴って制動解除動作部33f及び制動操作部32b4の移動も停止することになる(図5に示す状態となる)。
【0065】
そして、ステップ8では、電動モーター33aの停止後、所定時間(図示例によれば2秒)経過するのを待ち、次のステップ9へ処理を移行する。この待ち時間(所定時間)は、制動部32bのブレーキ解除に伴い出力される閉鎖動作検知部32cのフィードバック信号(検知信号)を待つ時間である。
【0066】
次のステップ9では、閉鎖動作検知部32cによる検知信号の有無を判断し、検知信号がある場合には、電動モーター33aの停止状態を維持して当該フローチャートを終了し、そうでなければ上記ステップ2aへ処理を移行しソレノイド33eを作動する。
【0067】
よって、例えば制動解除動作部33fやその他の作動箇所に引っかかりを生じた場合には、その状態を閉鎖動作検知部32cによる検知信号がないことによって認識して、制動解除動作部33fによるブレーキ解除動作を自動的にやり直すことができる。ひいては、機械的な引っかかりに起因する誤動作を防いで制動解除動作部33fを安定的に制御動作することができる。
【0068】
なお、上記実施の形態によれば、負荷値変動幅がしきい幅Hを超えたか否かの判断を、電動モーター33aの始動時の負荷変動範囲(図8の時間範囲a)を除く時間範囲において行うようにしたが、他例として、始動時の電圧制御(例えば電圧を徐々に上昇する制御)により図示例のような始動時の負荷変動を生じない構成とした場合等には、前記判断を全ての時間範囲に対し行う(すなわち図7のステップ4を省く)ことも可能である。
【0069】
また、上記実施の形態によれば、特に好ましい態様として、初期位置にある制動解除動作部33fと初期位置にある制動操作部32b4との間に隙間Sを設け、この隙間Sにより無負荷電流となる時間範囲bを確保したが、他例としては、前記隙間Sを設けない構成とすることも可能である。
さらに他例としては、制動解除動作部33fと制動操作部32b4を連結した構成とすることも可能であり、この場合も、制動解除動作部33fと制動操作部32b4とを、隙間Sに相当するがたつきを有するように連結することが好ましいが、前記がたつきを有さない連結とすることも可能である。
【0070】
また、上記実施の形態によれば、検知温度に応じてしきい幅Hを補正するようにしたが、他例として、特に温度変化の少ない環境で使用される場合等には、しきい幅Hを補正しない固定値とすることも可能である。
【0071】
また、上記実施の形態によれば、特に好ましい態様として、制動解除動作部33fを初期位置に戻す条件を、制動解除動作部33fが初期位置にないこと(ステップ2)、電圧変動があったこと(ステップ5)、及び閉鎖動作検知信号があったこと(ステップ9)としたが、他例としては、これらの条件を適宜に省いたり、他の条件を付加することが可能である。
【0072】
また、上記閉鎖動作検知部32cの他例としては、全開位置から閉鎖動作を開始した際の開閉体10を検知するようにガイドレール20等の不動部位に設けられた接触式又は非接触式のセンサー(例えば、マイクロスイッチや、近接スイッチ、光電管スイッチ等)としてもよい。
更に、上記閉鎖動作検知部32cの他例としては、開閉体10の閉鎖動作を開閉機32の負荷値(電流値等)の変化から検知する構成等とすることも可能である。
【0073】
また、図示しない好ましい他の態様としては、上記実施の形態において、制動解除動作部33fを初期位置に戻してブレーキ解除をやり直す回数を、所定回数に制限するとともに、前記回数が前記所定回数を超えた場合には電動モーター33aを異常停止する構成としてもよい。
より具体的に説明すれば、この態様では、ソレノイド33eの作動回数をカウントするカウント手段を備え、該カウント手段によるカウント数が所定回数以内であればソレノイド33eの作動(前記ステップ2a)を行い、該カウント手段によるカウント数が前記所定回数を超えた場合には異常状態と判断して、ソレノイド33eの作動を行わずに電動モーター33aへの供給電力を遮断し、必要に応じて故障ランプを点灯または点滅する等の警報出力を行うようにすればよい。
【符号の説明】
【0074】
1:開閉装置 10:開閉体
30:巻取装置 31:巻取軸
32:開閉機 32a:駆動部
32b:制動部 32c:閉鎖動作検知部
32b4:制動操作部 33:自動閉鎖装置
33f:制動解除動作部 33e:ソレノイド
33g:負荷検知部 33h:初期位置検知部
33i:電圧検知部 33j:温度検知部
33x:制御回路部
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害時等に自動閉鎖装置の作動により開閉体を閉鎖動作するようにした開閉装置に関し、特にシャッター装置として好適な開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の開閉装置には、自重により閉鎖動作可能な開閉体と、この開閉体の閉鎖動作を制動する制動装置と、この制動装置による制動状態を解除する自動閉鎖装置とを備えたものが知られている。このような開閉装置によれば、火災等の災害時の信号等に応じて、前記自動閉鎖装置が作動すると、この自動閉鎖装置によって前記制動装置による制動状態が解除され、開閉体が自重により閉鎖動作する。したがって、火災による延焼や延煙等を防ぐことができる。
【0003】
例えば、下記特許文献1に記載の自動閉鎖装置では、電動モーター(27)により駆動される制動解除動作部(閉鎖レバー29)によって、制動装置(8)のブレーキ開放レバー(21)をブレーキ開放位置まで押し動かすことで、制動装置(8)による制動状態を解除する。そして、この自動閉鎖装置では、移動中の制動解除動作部(閉鎖レバー29)がマイクロスイッチ(MS1〜3)をONにした場合に、この制動解除動作部(閉鎖レバー29)によってブレーキ開放レバー(21)がブレーキ開放位置まで押し動かされたものとみなし、電動モーター(27)の駆動を停止するようにしている。
【0004】
前記従来技術によれば、制動解除動作部(閉鎖レバー29)の過剰な移動によりブレーキ開放レバー(21)が可動限界を超えて変形してしまったり、逆に制動解除動作部(閉鎖レバー29)の移動量が足りなくてブレーキ開放レバー(21)が開放状態となるまで移動しなかったり等することのないように、制動解除動作部(閉鎖レバー29)の移動量を精密に調整する必要がある。また、制動装置(8)の個体差や種類の違いによってブレーキ開放レバー(21)のブレーキ開放位置が異なる場合があり、そのことに応じて、制動解除動作部(閉鎖レバー29)の移動量を調整する必要も生じる。よって、制動解除動作部(閉鎖レバー29)の移動量の調整作業に相当の時間や高い技術が必要になる。
【0005】
そこで、例えば、制動解除動作部(閉鎖レバー29)の駆動源である電動モーター(27)の電流値があらかじめ設定されたしきい値よりも大きくなった場合に、制動解除動作部(閉鎖レバー29)がブレーキ開放レバー(21)をブレーキ開放位置まで押し動かしたものとみなして、電動モーター(27)の駆動を停止するような制御が提案できる。
しかしながら、このような制御によれば、電動モーター(27)の電源電圧に変動を生じた場合、より具体的には電動モーター(27)の駆動中に電源が商用電源からバッテリー電源に切り替えられることで電圧変動を生じた場合などに、このような電圧変動に起因する電流値上昇によって電動モーター(27)を停止させてしまうという、誤動作を生じるおそれがある。
また、メンテナンス作業等に起因して、制動解除動作部(閉鎖レバー29)が途中位置から動作した場合には、初期位置から動作した場合と比べて電流値が大幅に大きくなるので、このような電流値上昇により電動モーター(27)を停止させてしまうという、誤動作を生じるおそれもある。
また、制動解除動作部(閉鎖レバー29)やその他の作動箇所において、異物等に起因する機械的な引っかかりが生じた場合、電流値の大幅な上昇を生じるため、このような電流値上昇により電動モーター(27)を停止させてしまうという、誤動作を生じるおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−76366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、制動解除動作部の移動量の調整を不要にできること、制動解除動作部の過剰な移動や移動量の不足を防ぐこと、途中位置からの動作に起因する誤動作を防いで制動解除動作部を安定的に制御動作できること、電源電圧の変動に起因する誤動作を防いで制動解除動作部を安定的に制御動作できること、機械的な引っかかりに起因する誤動作を防いで制動解除動作部を安定的に制御動作できること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明に係る技術的手段は、以下の構成を少なくとも具備するものである。
【0009】
閉鎖動作可能な開閉体と、前記開閉体の閉鎖動作を制動するとともにその制動状態を制動操作部に対する操作により解除する制動部と、電動モーターに駆動される制動解除動作部によって前記制動操作部を解除操作する自動閉鎖装置と、前記電動モーターの負荷値を検知する負荷検知部とを備え、前記電動モーターの駆動による前記制動解除動作部の解除動作中、前記負荷検知部により検知される負荷値に応じて前記電動モーターを停止するようにした開閉装置であって、予め設定された所定条件に応じて、前記制動解除動作部を初期位置に戻すようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このような特徴を有することで本発明は以下の作用効果を奏する。
電動モーターの駆動による制動解除動作部の解除動作中、負荷検知部により検知される負荷値に応じて電動モーターを停止するようにしているため、制動解除動作部の移動量の調整を不要にでき、制動解除動作部の過剰な移動や移動量の不足を防ぐことができる。
その上、予め設定された所定条件を満たす場合には、制動解除動作部が初期位置に戻されるので、負荷検知部による負荷値の検知を、制動解除動作部が初期位置にある状態からやり直すことができ、ひいては、途中位置からの動作や、動作途中の電源電圧変動、機械的な引っかかり等に起因する負荷値上昇により誤動作を生じるのを防いで、制動解除動作部を安定的に制御動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る開閉装置の一例を示す正面図である。
【図2】制動部の一例を示す断面図である。
【図3】自動閉鎖装置の一例を示す内部構造図であり、制動解除動作部が初期位置にある状態を示している。
【図4】図3の(IV)−(IV)線断面図である。
【図5】同自動閉鎖装置の内部構造図であり、制動解除動作部が前進した状態を示している。
【図6】自動閉鎖装置及び開閉機のブロック図である。
【図7】制御部による制御動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】経過時間と電動モーターの電流値との関係を示すグラフである。
【図9】経過時間と電動モーターの電流値との関係を示すグラフであり、雰囲気温度が20℃の場合と−20℃の場合を示している。
【図10】無負荷時における経過時間と電動モーターの電流値との関係を、異なる雰囲気温度毎に示すグラフである。
【図11】雰囲気温度と補正値との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の開閉装置は、建築物等の開口部や内部空間に配設され、これら開口部や内部空間を開閉するシャッター装置として適用可能であり、特に、火災が発生したときに開口部や内部空間を自動閉鎖して延焼や延煙を防ぐ防火シャッター装置に適用すると効果的である。
【0013】
また、本発明の開閉装置は、開閉体を巻取り軸に巻き取って収納するようにした形態とするのが効果的であるが、開閉体を巻取り軸に巻取ることなく開放方向側に収納するようにした形態とすることも可能である。
【0014】
前記開閉体は、特に、防火機能を備えた形態のものが好ましく、具体例としては、不燃性素材や熱変形し難い素材からなる複数のスラットやパネルを開閉方向へ連設してなる開閉体、同素材からなり、開口部や内部空間を全閉可能な面積のパネルからなる開閉体、不燃性、難燃性、耐火性を有するシートからなる開閉体等が挙げられる。
【0015】
また、前記制動部は、例えば、前記開閉体を開閉方向へ駆動する開閉機に設けられた制動機構(ブレーキ装置)とすればよく、この場合、前記制動操作部を押し動かす操作によって制動状態を解除する構成でもよいし、前記制動操作部を引っ張る操作によって制動状態を解除する構成であってもよい。
また、前記制動部の他例としては、巻取軸又は開閉体にブレーキパッドを摺接させて開閉体の閉鎖動作を制動する構成等とすることも可能である。
【0016】
また、前記自動閉鎖装置の前記制動解除動作部には、例えば直線的な運動によって前記制動操作部を解除操作する態様や、曲線的な運動又は円運動によって前記制動操作部を解除する態様、前記制動操作部を押し動かして操作する態様、前記制動操作部を引っ張り操作する態様等を含む。
【0017】
また、前記負荷検知部は、前記電動モーターの負荷値に応じた信号を出力する構成であればよく、例えば、前記電動モーターの電流値を負荷値として検知する電流センサーとすればよいが、他例としては、前記電動モーターの回転数を負荷値として検知する態様や、前記電動モーターの入力電圧の電圧降下を負荷値として検知する態様、前記電動モーターの出力軸に設けられたトルクメーターによって検出されるトルクを負荷値とする態様等とすることも可能である。
【0018】
また、前記負荷検知部により検知される負荷値に応じて前記電動モーターを停止するという構成には、前記負荷検知部により検知される負荷値の変動幅が予め設定されたしきい幅を超えた場合に前記電動モーターを停止するようにした態様や、前記負荷検知部により検知される負荷値自体が所定のしきい値を超えた場合に前記電動モーターを停止するようにした態様を含む。
【0019】
本発明に係る好ましい一形態では、前記制動解除動作部によって前記制動操作部を押し動かして前記制動部を解除操作するようにした開閉装置であって、初期位置にある前記制動解除動作部と、初期位置にある前記制動操作部との間に隙間を設けるようにする。
この形態によれば、制動解除動作部が前記隙間を移動している間、電動モーターの電流値を安定した無負荷電流とすることができる。仮に前記隙間が無い場合には、制動解除動作部の作動直後に電動モーターの電流値が急上昇するため、その電流値の急上昇により誤動作を生じるおそれがあるが、本発明ではそのようなことを防ぎ、制動解除動作部を安定的に制御動作させることができる。
【0020】
更に好ましい形態では、前記制動解除動作部が初期位置にあるか否かを検知する初期位置検知部を備え、前記初期位置検知部により前記制動解除動作部が初期位置にないことを検知したことを前記所定条件とする。
この形態によれば、初期位置検知部により制動解除動作部が初期位置にないことを検知した場合には、制動解除動作部が初期位置に戻されるので、負荷検知部による負荷値の検知を、制動解除動作部が初期位置にある状態から再開することができ、ひいては、途中位置からの動作に起因する負荷値上昇により誤動作を生じるのを防いで、制動解除動作部を安定的に制御動作させることができる。
【0021】
更に好ましい形態では、前記電動モーターの入力電圧を検知する電圧検知部を備え、前記電圧検知部による検知電圧に変動があったことを前記所定条件とする。
この形態によれば、電圧検知部による検知電圧に変動があった場合には、制動解除動作部が初期位置に戻されるので、負荷検知部による負荷値の検知を、制動解除動作部が初期位置にある状態から再開することができ、ひいては、動作途中の電源電圧変動に起因する負荷値上昇により誤動作を生じるのを防いで、制動解除動作部を安定的に制御動作させることができる。
【0022】
更に好ましい形態では、前記開閉体が閉鎖動作を開始したことを検知する閉鎖動作検知部を備え、前記電動モーターの駆動による前記制動解除動作部の解除動作の後に前記閉鎖動作検知部による検知信号がないことを、前記所定条件とする。
この形態によれば、電動モーターの駆動による制動解除動作部の解除動作の後に閉鎖動作検知部による検知信号がない場合には、制動解除動作部が初期位置に戻されるので、負荷検知部による負荷値の検知を、制動解除動作部が初期位置にある状態から再開することができ、ひいては、機械的な引っかかりに起因する負荷値上昇により誤動作を生じるのを防いで、制動解除動作部を安定的に制御動作させることができる。
【0023】
更に好ましい形態では、前記制動解除動作部を初期位置に戻した後、前記電動モーターの駆動による前記制動解除動作部の解除動作を自動的に再開するようにする。
この形態によれば、制動解除動作部の解除動作を自動的に初期位置から再開して、その解除動作中、負荷検知部により検知される負荷値に応じて電動モーターを停止することができる。したがって、制動解除動作部を安定的に制御動作させることができる。
【0024】
本実施形態中において「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態の開閉体の厚さ方向を意味する。また、「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と直交する方向であって、開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。また、「開閉体開閉方向」とは、開閉体が開口部や空間を開閉するためにスライドする方向を意味する。
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る開閉装置1の概略構成図である。
開閉装置1は、開閉体開閉方向(図示において上下方向)にスライドして開閉動作する開閉体10と、該開閉体10の幅方向(図示において左右方向)の端部を囲み開閉方向へ案内するガイドレール20と、開閉体10をその開放方向側で巻き取ったり繰り出したりする巻取装置30とを備える。
【0026】
開閉体10は、横長略矩形状の防火加工が施された金属板を曲げ加工してなるスラット11を、開閉体開閉方向に複数並列させ、隣接するスラット11,11同士の間で回動するように接続し、最も閉鎖方向端側のスラット11の閉鎖方向端部に座板12を接続して構成されている。
【0027】
ガイドレール20は、開閉体10の幅方向端部を囲む断面略コ字状の部材であり、開閉体10によって着座される当接対象部位(例えば、床面や地面、枠部材等)と巻取装置30との間にわたって配設されている。
【0028】
巻取装置30は、開閉体10の巻取り及び繰り出しを行う巻取軸31と、巻取軸31をチェーン及びスプロケット等の動力伝達手段を介して駆動回転したり制動したりする開閉機32と、該開閉機32による制動状態を解除して開閉体10を自動閉鎖させる自動閉鎖装置33とを備えている。
【0029】
開閉機32は、例えば実開平01−118084号公報に示される周知構造の開閉機であり、詳細に説明すれば、図2に示すように、巻取軸31を回転させるための駆動部32aと、該駆動部32aの一端側(図示例によれば右端側)で駆動部32aによる回転を制動する制動部32b(ブレーキ装置)とを備えている。
【0030】
駆動部32aは、直流モーターまたは交流モーターであり、その回転子32a1の中心には駆動軸32a2が固定され、該駆動軸32a2の一端側(図2によれば左端側)の回転力を、動力伝達手段(例えば、チェーンとスプロケット、ベルトとプーリ、歯車等)を介して巻取軸31へ伝達するように構成してある。また、同駆動軸32a2の他端側には、制動部32bからの制動力を受けるように略円盤状のブレーキシュー32a3が固定されている。
【0031】
また、制動部32bは、駆動部32aの駆動による開閉体10の閉鎖動作を制動するとともに、その制動状態を制動操作部32b4が操作されることによって解除するように構成してある。
より詳細に説明すれば、この制動部32bは、上記駆動軸32a2に対し略直線状に並ぶように配置されたブレーキ軸32b1と、該ブレーキ軸32b1における駆動部側に固定されるとともにブレーキシュー32a3に対し離脱可能に当接したブレーキドラム32b2と、該ブレーキドラム32b2を駆動部32aの方向(図2によれば左方向)へ付勢するコイルスプリング32b3と、該コイルスプリング32b3の付勢力に抗してブレーキドラム32b2を吸引する電磁ソレノイド32b6と、同コイルスプリング32b3の付勢力に抗して手動でブレーキドラム32b2をブレーキシュー32a3から離間させるための制動操作部32b4とを具備している。
【0032】
制動操作部32b4は、一端側に作用する揺動力によって、ブレーキ軸32b1及ブレーキドラム32b2をブレーキシュー32a3から引き離すように構成された略杆状の部材であり、後述する自動閉鎖装置33によって機械的に押動操作される。
なお、図中符号32b5は、開閉体10を手動で開閉できるように具備されたチェーンであり、必要に応じて省くことも可能である。
【0033】
そして、上記構成の開閉機32には、開閉体10が閉鎖動作を開始したことを検知するための閉鎖動作検知部32cが設けられる(図6参照)。
この閉鎖動作検知部32cは、開閉体10が全開位置から閉鎖動作を開始した際に、開閉機32の駆動軸32a2の回転力によってマイクロスイッチを作動させて、該マイクロスイッチの接点信号を出力する構成とされる。
【0034】
自動閉鎖装置33は、電動モーター33aに駆動される制動解除動作部33fによって前記制動操作部32b4を解除操作する機構である(図3〜6参照)。
より詳細に説明すれば、この自動閉鎖装置33は、駆動源となる電動モーター33aと、該電動モーター33aの回転力を複数のギアによって適宜に調整して伝達するギアボックス33bと、該ギアボックス33bの出力軸に設けられて逆回転を阻止するワンウェイクラッチ33cと、該ワンウェイクラッチ33cから回転力を受けるように設けられたピニオン33dと、ワンウェイクラッチ33cの逆転阻止状態を解除するソレノイド33eと、ピニオン33dにラックを係合させて進退する制動解除動作部33fと、電動モーター33aの負荷値を検知する負荷検知部33g(図6参照)と、制動解除動作部33fが初期位置にあるか否かを検知する初期位置検知部33hと、電動モーター33aの入力電圧を検知する電圧検知部33iと、電動モーター33aの雰囲気温度を検知する温度検知部33jと、これら検知部の検知信号等に応じて電動モーター33a及びソレノイド33eを制御する制御回路部33xとを備えている。
【0035】
電動モーター33aは、直流モーターである。この電動モーター33aは、供給電力が制御回路部33xにより制御されることで、駆動したり停止したりする。
【0036】
ワンウェイクラッチ33cは、一方向へのみ回転力を伝達する周知の機構であり、本実施の形態によれば、ソレノイド33eにより逆転阻止状態が解除されるようになっている。この構成は、例えば、ワンウェイクラッチ33cを歯止め爪と歯車とからなる機構(所謂ラチェット機構)とし、前記歯止め爪をソレノイド33eの電磁力により離脱状態にする構造とすればよい。
【0037】
制動解除動作部33fは、ケーシング33kを貫通してスライドするスライド部33f1と、スライド部33f1の前進量を規制するストッパー部33f2と、後述する初期位置検知部33hにより検知される被検知体33f3と、スライド部33f1の前端部で制動操作部32b4に当接される当接部33f4とを具備してなる。
【0038】
スライド部33f1は、図示例によれば、略L字状の棒体であり、スライド方向にわたって、ピニオン33dに係合するラック33f11を有する。
【0039】
ストッパー部33f2は、スライド部33f1と一体的な突起であり、スライド部33f1が前進した際に、ケーシング33k内の不動部位に当接して、スライド部33f1の前進量を規制する。
スライド部33f1には、ストッパー部33f2をねじ込むための螺子穴が、スライド方向に間隔を置いて複数設けられており、ストッパー部33f2の位置変更により、スライド部33f1の前進量を調整できるようになっている。
【0040】
被検知体33f3は、スライド部33f1が後退(図示例によれば左方向へ移動)した際に、初期位置検知部33h(リミットスイッチ)により検知されるように、スライド部33f1に固定されている突起物である。この被検知体33f3は、螺子やボルト等の締結部材によりスライド部33f1に固定されており、前記締結部材を緩めて、スライド部33f1に対するスライド方向の位置を調整できるようになっている。
【0041】
当接部33f4は、前進した際に制動操作部32b4に当接する部分であり、その進退方向の位置を調整できるように構成される。
より詳細に説明すれば、この当接部33f4は、スライド部33f1の前端においてスライド部33f1のスライド方向と平行として螺合された調整ボルト33f41と、該調整ボルトの位置を固定するロックナット33f42とから構成され、調整ボルト33f41のボルトヘッド部分が制動操作部32b4に当接するようになっている。この当接部33f4によれば、調整ボルト33f41を回転させて前述のボルトヘッド部分を進退させることにより、初期位置にある制動解除動作部33fと初期位置にある制動操作部32b4との間の隙間Sを微調整することができる。
【0042】
そして、上記構成の制動解除動作部33fは、電動モーター33aの駆動によるピニオン33dの回転により前進する。また、同制動解除動作部33fは、ソレノイド33eの作動によってワンウェイクラッチ33cの逆転阻止状態が解除された際に、付勢部材33lの付勢力によって後退する。付勢部材33lは、引張りバネであり、その一端部をスライド部33f1に止着するとともに他端部をケーシング33kの不動部位に止着している。この付勢部材33lは圧縮バネや板バネを用いた態様に置換することが可能である。
【0043】
また、負荷検知部33gは、電動モーター33aの負荷値に応じた信号を出力する構成であればよく、本実施の形態の一例によれば、電動モーター33aの電流値を検知する電流センサーが用いられる。この電流センサーは、例えばホール素子を用いた態様や、その他の周知の態様のものとすればよい。この負荷検知部33gから出力される電流値信号は、後述する制御回路部33xに入力される(図6参照)。
【0044】
初期位置検知部33hは、制動解除動作部33fが初期位置(図3に示す状態)となった際に信号を出力する構成であればよく、より具体的には、初期位置にある制動解除動作部33fを接触又は非接触で感知する位置センサーを用いればよい。この位置センサーは、図示例によれば、リミットスイッチであり、制動解除動作部33fの被検知体33f3に当接されることで、接点信号を出力する。この初期位置検知部33hから出力される信号は、後述する制御回路部33xに入力される(図6参照)。
なお、図3に示す一例によれば、初期位置検知部33hとしてのリミットスイッチを二つ並列に用いており、その一方の信号が制御回路部33xに入力され、他方の信号が外部出力されるようになっている。
【0045】
電圧検知部33iは、電動モーター33aの入力電圧を検知し、その検知電圧に応じた信号を出力する構成であればよく、例えば周知構造の電圧センサー(あるいは電圧計)を用いればよい。この電圧検知部33iから出力される信号は、後述する制御回路部33xに入力される(図6参照)。
【0046】
温度検知部33jは、電動モーター33aの雰囲気温度を検知し、その検知温度に応じた信号を出力する温度センサーであり、例えば、測温抵抗体やサーミスタを用いた周知構造のものを用いればよい。この温度検知部33jから出力される信号は、後述する制御回路部33xに入力される(図6参照)。
なお、この温度検知部33jの他例としては、電動モーター33aの温度(好ましくは巻線温度)を測定し、その測定温度に応じた信号を出力する構成としてもよい。
【0047】
また、制御回路部33xは、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムに基づいてCPUを機能させる電子回路(所謂マイコン回路等)であり、災害時等にコネクタ33mを介して入力される自動閉鎖信号に応じて作動し、閉鎖動作検知部32c、負荷検知部33g、初期位置検知部33h、電圧検知部33i及び温度検知部33jから入力される信号を処理し、その処理結果に応じて、電動モーター33a及びソレノイド33eを制御する。
【0048】
次に、制御回路部33xによる制御例を図7に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0049】
先ず、ステップ1では、災害時等に入力される自動閉鎖信号に応じて、自動閉鎖装置33の電源がオンにされる。
自動閉鎖装置33の電源は、好ましい一例としては、前記自動閉鎖信号を有電圧信号とし、この有電圧信号を電源として兼用すればよい。
【0050】
次のステップ2では、初期位置検知部33hからの検知信号に基づき、制動解除動作部33fが初期位置にあるか否かを判断し、初期位置にある場合には次のステップ3へ処理を進め、そうでなければステップ2aへ処理を移行してソレノイド33eを作動する。
【0051】
ステップ2aでは、ソレノイド33eの作動によりワンウェイクラッチ33cの逆転阻止状態を解除し、制動解除動作部33fを付勢部材33lの付勢力によって強制的に初期位置に戻し、処理を前記ステップ2へ戻す。
【0052】
すなわち、自動閉鎖装置33の電源がオンにされた直後、制動解除動作部33fが初期位置にない場合には、制動解除動作部33fを強制的に初期位置に戻して、電動モーター33aの駆動による制動解除動作部33fの解除動作を自動的にやり直すことができる。よって、制動解除動作部33fの途中位置からの動作による負荷値上昇に起因して、後述するステップ6において誤判断をまねくようなことを防いで、制動解除動作部33fを安定的に制御動作させることができる。
【0053】
また、ステップ3では、電動モーター33aの作動により制動解除動作部33fの前進を開始するとともに、負荷検知部33gによる負荷値(より具体的には電流値)の計測を開始する。
【0054】
ここで、電動モーター33aの電流値の変化について説明すれば、図8のグラフに示すように、先ず、電動モーター33aの起動直後の時間範囲a(図示例によれば約0.2秒間)においては、始動電流による急激な電流値の変動(増減)が生じる。
そして、その後の時間範囲bにおいては、制動解除動作部33fが制動操作部32b4に当接する前の隙間Sを移動している状態にあり、電流値は略一定の無負荷電流となる。
次の時間範囲cにおいては、制動解除動作部33fが制動操作部32b4を作動限界位置となるまで押し動かしている状態にあり、電流値に急激な上昇を生じる。
【0055】
ステップ4では、所定時間経過するのを待つ。この待ち時間(所定時間)は、電動モーター33aの始動時の急激な負荷変動を生じている時間範囲(図8によれば時間範囲a)を含むように設定される。
【0056】
そして、ステップ5では、電圧検知部33iからの入力信号に基づき、電動モーター33aの入力電圧に変動があったか否かを判断し、電圧変動があった場合には次のステップ6へ処理を進め、そうでなければステップ2aへ処理を移行してソレノイド33eを作動する。
ここで、電動モーター33aの入力電圧の変動があったか否かの判断は、より具体的に説明すれば、電圧検知部33iにより測定される検知電圧の所定時間内の変化幅が、所定の電圧差を超えたか否かの判断とすればよい。前記所定の電圧差は、例えば、自動閉鎖装置33の電源が商用電源からバッテリー電源に切り替えられた場合に生じる電圧差等を目安に設定すればよい。
なお、他例としては、電動モーター33aの入力電圧の変動があったか否かの判断を、電圧検知部33iにより測定される検知電圧が、所定の電圧値以下、又は所定の電圧値以上となったか否かの判断とすることも可能である。
【0057】
よって、前記ステップ5によれば、制動解除動作部33fの解除動作中、例えば、自動閉鎖装置33の電源が商用電源からバッテリー電源に切り替えられる等して、電動モーター33aの入力電圧に変動があった場合には、制動解除動作部33fが強制的に初期位置へ戻されることになる。よって、電圧変動に基づく電流値変動により、後述するステップ6による誤判断をまねくのを防いで、制動解除動作部33fを安定的に制御動作させることができる。
【0058】
ステップ6では、電動モーター33aの駆動による制動解除動作部33fの解除動作中、負荷検知部33gに検知される負荷値変動幅(より具体的には電流値の変動幅)が、予め設定されたしきい幅Hを超えたか否かを判断し、超えた場合には次のステップ7で電動モーター33aを停止し、そうでなければ前記ステップ5へ処理を戻す。
より具体的に説明すれば、負荷検知部33gによる電流値の測定は、所定のサンプリング間隔(例えば2ms毎)で行われる。制御回路部33xは、順次に測定された所定数(例えば5つ)の電流値について平均値を算出し、この平均値の算出を、一定時間経過する毎に繰り返す(所謂移動平均法を行う)。そして、この繰り返しが行われる度に、前記平均値の最小値を、逐次更新して記憶する。更に、制御回路部33xは、更新された最新の最小値と、次に算出される平均値との差(上昇幅)を求め、この差が、前記しきい幅Hを超えたか否かを判断する。
【0059】
前記しきい幅Hは、制動解除動作部33fが制動操作部32b4を初期位置からブレーキ解除位置まで押し動かした場合における電動モーター33aの電流値の上昇量よりも若干大きい値に設定される。
【0060】
更に、このしきい幅Hは、温度検知部33jによる検知温度に応じて補正されるようになっている。より具体的に説明すれば、このしきい幅Hは、基準値から温度に応じた補正値を差し引くことで求められる。
つまり、制動解除動作部33fが制動操作部32b4を初期位置からブレーキ解除位置まで押し動かした場合における電動モーター33aの電流値の上昇量は、電動モーター33aの巻線温度に応じて異なる。
つまり、巻線温度が比較的低い場合には、巻線抵抗値も比較的低くなるため、電動モーター33aの電流値が比較的大きくなる。例えば、図9に示すように、雰囲気温度が20℃の場合よりも、雰囲気温度が−20℃の場合の方が、全体的に電流値は高くなる。
そして、前記のように温度が比較的低い場合(例えば−20℃の場合)には、温度が比較的高い場合(例えば20℃の場合)と比較して、始動電流により急上昇した電流値が降下するのに時間がかかるため(図9のTLの範囲参照)、該電流値が無負荷電流まで下がりきる前に、制動解除動作部33fによる制動操作部32b4の押動が開始される。その結果、前記押動による電流値上昇幅HLは、温度が比較的高い場合(例えば20℃の場合)の電流値上昇幅HSよりも小さくなる。
【0061】
前記のようにして、始動電流により急上昇した電流値が降下するのにかかる時間は、図10のグラフに示すように、所定の温度以下において、温度が低くなるほど長くなる傾向がる。
そこで、本願発明に係る実施の形態では、雰囲気温度が0℃以上の場合には、予め設定された基準値をそのまましきい幅Hとして用い、雰囲気温度が0℃よりも低い所定温度範囲(図示例によれば0〜−10℃)にある場合には、前記基準値から、温度低下に比例して増加する補正値(図11参照)を差し引いて、しきい幅Hを求めるようにしている。
【0062】
更に、本実施の形態によれば、前記所定温度範囲よりも低い温度(図示例によれば−10℃よりも低い温度)では、前記補正値を一定にするようにしている(図11参照)。すなわち、この構成では、補正値を大きくしすぎてしまうことにより、制動部32bの制動状態が解除される前に制動解除動作部33fの前進が停止してしまうようなことを防いでいる。
【0063】
なお、具体的な構成としては、例えば図11に示す関数を、制御回路部33xの記憶装置に数式またはテーブル等として記憶しておき、制御回路部33xが、温度検知部33jによる検知温度に応じて、前記関数から前記補正値を自動的に算出する構成とすればよい。
【0064】
前記のようにして、ステップ6において負荷値変動幅が所定のしきい幅よりも大きいと判断された場合、制御回路部33xは、次のステップ7で電動モーター33aを停止する。
この動作によれば、制動操作部32b4が制動解除動作部33fに押し動かされることで、制動部32bがブレーキ解除された状態で、電動モーター33aが停止し、この停止に伴って制動解除動作部33f及び制動操作部32b4の移動も停止することになる(図5に示す状態となる)。
【0065】
そして、ステップ8では、電動モーター33aの停止後、所定時間(図示例によれば2秒)経過するのを待ち、次のステップ9へ処理を移行する。この待ち時間(所定時間)は、制動部32bのブレーキ解除に伴い出力される閉鎖動作検知部32cのフィードバック信号(検知信号)を待つ時間である。
【0066】
次のステップ9では、閉鎖動作検知部32cによる検知信号の有無を判断し、検知信号がある場合には、電動モーター33aの停止状態を維持して当該フローチャートを終了し、そうでなければ上記ステップ2aへ処理を移行しソレノイド33eを作動する。
【0067】
よって、例えば制動解除動作部33fやその他の作動箇所に引っかかりを生じた場合には、その状態を閉鎖動作検知部32cによる検知信号がないことによって認識して、制動解除動作部33fによるブレーキ解除動作を自動的にやり直すことができる。ひいては、機械的な引っかかりに起因する誤動作を防いで制動解除動作部33fを安定的に制御動作することができる。
【0068】
なお、上記実施の形態によれば、負荷値変動幅がしきい幅Hを超えたか否かの判断を、電動モーター33aの始動時の負荷変動範囲(図8の時間範囲a)を除く時間範囲において行うようにしたが、他例として、始動時の電圧制御(例えば電圧を徐々に上昇する制御)により図示例のような始動時の負荷変動を生じない構成とした場合等には、前記判断を全ての時間範囲に対し行う(すなわち図7のステップ4を省く)ことも可能である。
【0069】
また、上記実施の形態によれば、特に好ましい態様として、初期位置にある制動解除動作部33fと初期位置にある制動操作部32b4との間に隙間Sを設け、この隙間Sにより無負荷電流となる時間範囲bを確保したが、他例としては、前記隙間Sを設けない構成とすることも可能である。
さらに他例としては、制動解除動作部33fと制動操作部32b4を連結した構成とすることも可能であり、この場合も、制動解除動作部33fと制動操作部32b4とを、隙間Sに相当するがたつきを有するように連結することが好ましいが、前記がたつきを有さない連結とすることも可能である。
【0070】
また、上記実施の形態によれば、検知温度に応じてしきい幅Hを補正するようにしたが、他例として、特に温度変化の少ない環境で使用される場合等には、しきい幅Hを補正しない固定値とすることも可能である。
【0071】
また、上記実施の形態によれば、特に好ましい態様として、制動解除動作部33fを初期位置に戻す条件を、制動解除動作部33fが初期位置にないこと(ステップ2)、電圧変動があったこと(ステップ5)、及び閉鎖動作検知信号があったこと(ステップ9)としたが、他例としては、これらの条件を適宜に省いたり、他の条件を付加することが可能である。
【0072】
また、上記閉鎖動作検知部32cの他例としては、全開位置から閉鎖動作を開始した際の開閉体10を検知するようにガイドレール20等の不動部位に設けられた接触式又は非接触式のセンサー(例えば、マイクロスイッチや、近接スイッチ、光電管スイッチ等)としてもよい。
更に、上記閉鎖動作検知部32cの他例としては、開閉体10の閉鎖動作を開閉機32の負荷値(電流値等)の変化から検知する構成等とすることも可能である。
【0073】
また、図示しない好ましい他の態様としては、上記実施の形態において、制動解除動作部33fを初期位置に戻してブレーキ解除をやり直す回数を、所定回数に制限するとともに、前記回数が前記所定回数を超えた場合には電動モーター33aを異常停止する構成としてもよい。
より具体的に説明すれば、この態様では、ソレノイド33eの作動回数をカウントするカウント手段を備え、該カウント手段によるカウント数が所定回数以内であればソレノイド33eの作動(前記ステップ2a)を行い、該カウント手段によるカウント数が前記所定回数を超えた場合には異常状態と判断して、ソレノイド33eの作動を行わずに電動モーター33aへの供給電力を遮断し、必要に応じて故障ランプを点灯または点滅する等の警報出力を行うようにすればよい。
【符号の説明】
【0074】
1:開閉装置 10:開閉体
30:巻取装置 31:巻取軸
32:開閉機 32a:駆動部
32b:制動部 32c:閉鎖動作検知部
32b4:制動操作部 33:自動閉鎖装置
33f:制動解除動作部 33e:ソレノイド
33g:負荷検知部 33h:初期位置検知部
33i:電圧検知部 33j:温度検知部
33x:制御回路部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖動作可能な開閉体と、前記開閉体の閉鎖動作を制動するとともにその制動状態を制動操作部に対する操作により解除する制動部と、電動モーターに駆動される制動解除動作部によって前記制動操作部を解除操作する自動閉鎖装置と、前記電動モーターの負荷値を検知する負荷検知部とを備え、前記電動モーターの駆動による前記制動解除動作部の解除動作中、前記負荷検知部により検知される負荷値に応じて前記電動モーターを停止するようにした開閉装置であって、
予め設定された所定条件に応じて、前記制動解除動作部を初期位置に戻すようにしたことを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記制動解除動作部によって前記制動操作部を押し動かして前記制動部を解除操作するようにした開閉装置であって、
初期位置にある前記制動解除動作部と、初期位置にある前記制動操作部との間に隙間を設けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
【請求項3】
前記制動解除動作部が初期位置にあるか否かを検知する初期位置検知部を備え、
前記初期位置検知部により前記制動解除動作部が初期位置にないことを検知したことを前記所定条件としたことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
【請求項4】
前記電動モーターの入力電圧を検知する電圧検知部を備え、
前記電圧検知部による検知電圧に変動があったことを前記所定条件としたことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
【請求項5】
前記開閉体が閉鎖動作を開始したことを検知する閉鎖動作検知部を備え、
前記電動モーターの駆動による前記制動解除動作部の解除動作の後に前記閉鎖動作検知部による検知信号がないことを、前記所定条件としたことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
【請求項6】
前記制動解除動作部を初期位置に戻した後、前記電動モーターの駆動による前記制動解除動作部の解除動作を自動的に再開するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の開閉装置。
【請求項1】
閉鎖動作可能な開閉体と、前記開閉体の閉鎖動作を制動するとともにその制動状態を制動操作部に対する操作により解除する制動部と、電動モーターに駆動される制動解除動作部によって前記制動操作部を解除操作する自動閉鎖装置と、前記電動モーターの負荷値を検知する負荷検知部とを備え、前記電動モーターの駆動による前記制動解除動作部の解除動作中、前記負荷検知部により検知される負荷値に応じて前記電動モーターを停止するようにした開閉装置であって、
予め設定された所定条件に応じて、前記制動解除動作部を初期位置に戻すようにしたことを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記制動解除動作部によって前記制動操作部を押し動かして前記制動部を解除操作するようにした開閉装置であって、
初期位置にある前記制動解除動作部と、初期位置にある前記制動操作部との間に隙間を設けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
【請求項3】
前記制動解除動作部が初期位置にあるか否かを検知する初期位置検知部を備え、
前記初期位置検知部により前記制動解除動作部が初期位置にないことを検知したことを前記所定条件としたことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
【請求項4】
前記電動モーターの入力電圧を検知する電圧検知部を備え、
前記電圧検知部による検知電圧に変動があったことを前記所定条件としたことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
【請求項5】
前記開閉体が閉鎖動作を開始したことを検知する閉鎖動作検知部を備え、
前記電動モーターの駆動による前記制動解除動作部の解除動作の後に前記閉鎖動作検知部による検知信号がないことを、前記所定条件としたことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
【請求項6】
前記制動解除動作部を初期位置に戻した後、前記電動モーターの駆動による前記制動解除動作部の解除動作を自動的に再開するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の開閉装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−21370(P2012−21370A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162221(P2010−162221)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000239714)文化シヤッター株式会社 (657)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000239714)文化シヤッター株式会社 (657)
【Fターム(参考)】
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