説明

間欠加撃装置

【課題】この発明は、間欠加撃装置において、蓄圧不十分な状態で三方弁が切り替わることなく、加撃装置の正確な作動を得ることを課題とするものである。
【解決手段】この発明の間欠加撃装置は、加撃装置本体1と高圧気体供給装置2と高圧気体発生源3とで構成し、前記高圧気体供給装置2は、高圧気体発生源3と加撃装置本体の給排気口13との間に介在される三方弁21と、この三方弁21と前記給排気口13を接続する気体流路27と、この三方弁21に設けた空気圧パイロット部22に接続され、速度制御弁26が介在されたパイロット流路23を有し、前記パイロット流路23は前記加撃装置本体1の蓄圧室15に接続する。
上記構成により、高圧気体を加撃装置本体1の弁体14の周囲から蓄圧室15に供給し、前記パイロット流路23が昇圧して三方弁21を切り替えるパイロット圧力に達したときに三方弁21が切り替わり、前記気体流路内27の高圧気体が排出され蓄圧室15内の高圧気体がピストン11を押し下げるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ホッパー、サイロなどの粉粒体貯蔵容器およびバグフィルターなどの集塵容器に取り付けて粉粒体の排出を促進する間欠加撃装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、加撃装置本体を、給排気口と、弁体と、ピストンと、蓄圧室を有し、蓄圧室の高圧気体により前記ピストンが作動する構成としたものは広く使用されているが、空気圧パイロットを加撃装置本体への高圧気体の流路から分岐させて接続している。また、高圧気体供給装置と一体的に構成したものは知られていない。
【特許文献1】特開昭63−258787号公報 この文献に記載された発明は、三方弁に設けた空気圧パイロットへ、加撃装置本体に高圧気体を供給する流路から分岐して接続している。そのために加撃装置本体における蓄圧状態が三方弁の作動に直接反映されることがない。その結果、弁体の作動不良などにより蓄圧室に高圧気体が充分に蓄圧されない場合においても三方弁が作動し、間欠供給が行われる。 また、この文献に記載された発明は、加撃装置本体と高圧気体供給装置とを一体的に構成するものでもない。従来の構成においては、高圧気体供給装置から加撃装置本体までの距離が長いと性能が低下する。特に高圧気体供給装置において排気弁により急速排気させても、加撃装置本体までの距離が長いと、加撃装置までの排気に時間が係り、弁体の動きが悪くなり正常に作動しない事故が起こる場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明は、蓄圧室における蓄圧状態を三方弁の作動に連携させることにより、蓄圧不十分な状態で三方弁が切り替わることなく、加撃装置の正確な作動を得ることを第一の課題とし、加撃装置本体と高圧気体供給装置とを一体化することを第二の課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の間欠加撃装置は、加撃装置本体と高圧気体供給装置と高圧気体発生源とで構成する。
前記加撃装置本体は、給排気口と、給排気口に装着された弁体と、ピストンと、蓄圧室を有し、蓄圧室に蓄圧された高圧気体により前記ピストンが作動する構成とする。
前記高圧気体供給装置は、高圧気体発生源と前記給排気口との間に介在される三方弁と、この三方弁と前記給排気口を接続する気体流路と、この三方弁に設けた空気圧パイロット部に接続され、逆止弁及び絞りとを有する速度制御弁が介在されたパイロット流路を有し、前記パイロット流路は前記加撃装置本体の蓄圧室に接続する。
上記構成により、高圧気体を加撃装置本体の弁体の周囲から蓄圧室に供給し、前記パイロット流路が昇圧して三方弁を切り替えるパイロット圧力に達したときに三方弁が切り替わり、前記気体流路内の高圧気体が排出され蓄圧室内の高圧気体がピストンを押し下げるようにしてある。
【0005】
請求項2の発明は、加撃装置本体と高圧気体供給装置とを一体に構成したものである。
【発明の効果】
【0006】
この発明において、高圧気体発生源から供給される高圧気体は、三方弁を経て気体流路から加撃装置本体の給排気口に至り、該部に装着されている弁体を押し下げて蓄圧室に溜まり、その一部はパイロット流路を経てパイロット部へ至る。
高圧気体の供給を継続することにより蓄圧室内の空気圧が上昇すると、パイロット部の空気圧も上昇し、空気圧が三方弁を切り替える所定のパイロット圧に達したときに三方弁が切り替わる。
三方弁が切り替わることにより高圧気体発生源からの高圧気体の供給は停止するので、給排気口を閉塞していた弁体は開放され、蓄圧室に蓄積されていた高圧気体は給排気口からシリンダー内に一気に流入し、ピストンを押し下げる。ピストンが押し下げられることにより加撃作動が得られる。
蓄圧室内の高圧空気が装置外に排出されると、パイロット部の圧力も低下するので、三方弁が切り替わり再度高圧気体が流入し、上記作動を繰り返す。
【0007】
この発明においては、三方弁を操作するパイロット部を蓄圧室に直結させたので、蓄圧室の圧力の上昇がそのままパイロット部の圧力上昇として捉えられる。したがって、蓄圧室の圧力上昇がない限り三方弁が切り替わることがなく、弁体に不都合が生じた際などに間欠給気が行われることはなく、上記課題が解決される。
上記に伴い、高圧気体の供給中は作動が継続し、高圧気体の供給が止まれば自動的に停止するので、操作が極めて簡単である。また高圧気体を急速排気して作動させる加撃装置とは異なり、どんなに遠隔であっても作動しないことがない。
また、加撃装置本体と高圧気体供給装置とを一体化することにより、高圧気体供給装置と加撃装置本体との距離を至近距離とすることができるので、急速排気する必要はなく高い応答性を得ることができる。加えて、省スペース化が可能であり、個々に取り付けられた速度制御弁により加撃装置本体の加撃頻度を個別に設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下実施例につき説明する。
【実施例1】
【0009】
加撃装置本体1の給排気口側に高圧気体供給装置2が一体に取り付けてあり、高圧空気供給装置2は高圧気体発生源3に接続してある。
【0010】
前記加撃装置本体1は、ピストン11が装着されたシリンダー12の上部に給排気口13を有し、給排気口13は気体圧により昇降する弁体14を介してシリンダー12に連通している。前記給排気口13の周囲には蓄圧室15が形成してあり、給排気口13に配設された弁体14が下降しているときには給排気口13から蓄圧室15に気体が流れ、弁体14が上昇しているときには蓄圧室15からシリンダー11に気体が流れるようにしてある。
図中符号16はピストン11を押し上げるスプリングである。
【0011】
前記高圧気体供給装置2は、高圧気体発生源3に接続される三方弁21を備え、この三方弁21はパイロット部22の指令により切り替わるようにしてある。そして、前記パイロット部22はパイロット流路23を介して加撃装置本体1の蓄圧室15に接続してある。前記パイロット流路23には絞り24と逆止便25を並列に配して構成した間欠給気のピッチを調整する速度制御弁26が介在させてある。図中符号27は三方弁21と加撃装置本体1の給排気口13を接続する気体流路である。
【0012】
以下この実施例の作動を説明する。
高圧気体発生源3から高圧気体の供給を開始すると、三方弁21,気体流路27を経て加撃装置本体1の給排気口13に至り、弁体14を押し下げる。弁体14が押し下げられているのでシリンダー11への流路は遮断され、高圧気体は弁体14の周縁部から蓄圧室15に至る(図1参照)。蓄圧室15は三方弁21のパイロット部22に接続しているので、蓄圧室15内の気体圧力が上昇するとそれに伴いパイロット部22の圧力も上昇する。そこで、蓄圧室内の圧力が所定圧力に至ったときにパイロット部22の圧力も三方弁21を切り替えるべき圧力に達し、三方弁は切り替わる。
なお、速度制御弁26の絞り24を調整することにより、パイロット部22の圧力変化を調整することができる。
【0013】
三方弁が切り替わると、高圧気体発生源3からの高圧気体の供給は停止し、気体流路27内の気体は排気される。このとき、蓄圧室15内の高圧気体は弁体14を押し上げてシリンダー12内へ一気に流入し、ピストン11を押し下げる(図2参照)。
【産業上の利用可能性】
【0014】
この発明は、間欠加撃装置の操作を確実に行うことを可能とするものであり、産業上の利用可能性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明実施例の給気状態を示す断面図
【図2】同じく排気状態を示す断面図
【符号の説明】
【0016】
1 加撃装置本体
2 高圧気体供給装置
3 高圧気体発生源
11 ピストン
12 シリンダー
13 給排気口
14 弁体
15 蓄圧室
16 スプリング
21 三方弁
22 パイロット部
23 パイロット流路
24 絞り
25 逆止弁
26 速度制御弁
27 気体流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加撃装置本体と高圧気体供給装置と高圧気体発生源とで構成され、
前記加撃装置本体は、給排気口と、弁体と、ピストンと、蓄圧室を有し、蓄圧室の高圧気体により前記ピストンが作動する構成とし、
前記高圧気体供給装置は高圧気体発生源と前記給排気口との間に介在される三方弁と、この三方弁と前記給排気口を接続する気体流路と、この三方弁に設けた空気圧パイロット部に接続され、逆止弁及び絞りとを有する速度制御弁が介在されたパイロット流路を有し、
前記パイロット流路は前記間欠加撃装置本体の蓄圧室に接続され、
高圧気体を間欠加撃装置本体の弁体の周囲から蓄圧室に供給し、前記パイロット流路が昇圧して三方弁を切り替えるパイロット圧力に達したときに三方弁が切り替わり、前記気体流路内の高圧気体が排出され蓄圧室内の高圧気体がピストンを押し下げるようにした、
間欠加撃装置
【請求項2】
間欠加撃装置本体と高圧気体供給装置とは一体に構成された、請求項1記載の間欠加撃装置

【図1】
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【図2】
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