関数発生器、関数発生器を備えた調光装置及びその調光方法
【課題】電源電圧の変動や電源波形の歪みにより電源電圧の波形が変化しても、サイリスタの点弧位相角を補正することによって、調光過程にある照明灯への供給電圧の変動、ひいては照度変化が少ない新たな関数発生器を備えた調光装置を提供する。
【解決手段】調光装置に供給される交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し論理が「1」となる同期信号を発生する同期信号発生器と、同期信号の論理が「0」の期間中に交流電源電圧の瞬時値の2乗値データが書き込まれる第1メモリーと、同期信号の論理が「1」の期間中に第1メモリーのデータを反転したアドレスで読み出して累積加算するレジスタと、2乗値データと調光装置の出力電圧とを対応させた調光特性データテーブルと、レジスタの出力をアドレスとしてデータテーブルに書かれた調光特性を読み出し同期信号の論理が「1」の期間中に調光装置の出力電圧が書き込まれる第2メモリーとを備え、同期信号の論理が「0」の期間中に第2メモリーのデータを読み出して出力することを特徴とする。
【解決手段】調光装置に供給される交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し論理が「1」となる同期信号を発生する同期信号発生器と、同期信号の論理が「0」の期間中に交流電源電圧の瞬時値の2乗値データが書き込まれる第1メモリーと、同期信号の論理が「1」の期間中に第1メモリーのデータを反転したアドレスで読み出して累積加算するレジスタと、2乗値データと調光装置の出力電圧とを対応させた調光特性データテーブルと、レジスタの出力をアドレスとしてデータテーブルに書かれた調光特性を読み出し同期信号の論理が「1」の期間中に調光装置の出力電圧が書き込まれる第2メモリーとを備え、同期信号の論理が「0」の期間中に第2メモリーのデータを読み出して出力することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、劇場やテレビスタジオ(以下、「TVスタジオ」という。)等で使用される調光装置に関するもので、詳しくは、関数発生器と制御信号の比較によりサイリスタの点弧位相角を決定し負荷である照明灯に供給する電力を制御する調光装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、劇場やTVスタジオなどの、数十台から数百台の照明器具が設置される演出空間で使用される調光装置においては、関数発生器を使用した調光方式が採用されることが多い。これは数十台から数百台使用される調光器本体の調光特性を任意に一括して変更でき、調光特性のバラツキが少なく、各個の調光器本体の回路構成が簡単になることなどの理由による(たとえば、特許文献1図6参照)。
【0003】
関数発生器を使用した調光装置の概要図を図1に示す。 図1において1は調光装置の電源部で、一般に三相4線式変圧器であり、変圧器の出力電力は電源線路2を通じて調光装置3に供給される。 この電源線路2には大容量のケーブルやバスダクトが使われるが、当然、この電源線路には線路抵抗とインダクタンスが存在し、受電端の調光器入力電圧には線路電流に基づく電圧降下を生じる。
【0004】
図1の4は調光装置の主幹過電流遮断器でその2次側は個々の調光器本体5に接続される。
調光器本体5には、R相、S相、T相の電源に同期した関数発生器の出力(Fu)と外部操作器9(一般には照明操作卓と呼ばれる。)の出力を制御信号分配器7で各調光器本体5に分配された制御入力(Vin)が接続され、調光器本体5の出力は調光装置3の出力端子から照明灯8に接続され、照明灯の明るさは個々に調光される。
【0005】
調光器本体5の内部構成を図2に示す。図2において11は調光器の交流電源で、過電流遮断器12、逆並列に接続されたサイリスタ素子13、14及びリアクタ16が負荷照明灯8に直列に接続され、サイリスタ素子13、14による位相角電力制御によって負荷照明灯8に供給する電力が制御され調光動作が行われる。CRアブゾーバ15がサイリスタ素子13、14に並列に接続され、サージ電圧がサイリスタ素子13、14に印加された場合、これを吸収してサイリスタ素子13、14を保護する。また、リアクタ16はサイリスタ素子13、14の点弧に伴う急峻な電流の立上りを抑制して、劇場やTVスタジオに併設される音響機器へのノイズ障害などを低減する動作を行う。
調光器本体5の制御信号入力(Vin)と関数信号入力(Fu)はコンパレータ(比較器)17で比較され、制御信号入力Vinの電圧値が関数信号入力Fuの瞬時値を超えた時、コンパレータ17の出力端子に出力電圧を生じ、フォトトライアック18が導通してサイリスタ素子13、14を点弧位相角制御する。
【0006】
この動作の詳細を図6の波形図に示す。図6において波形101は交流電源電圧波形で波形102は後述する同期信号発生器の出力で、交流電源電圧の波形瞬時値が0V近傍を通過する毎に発生する同期信号である。波形103は代表的な関数信号波形で、電源に同期し、同期信号を含んでいる。
【0007】
今、制御信号入力(Vin)を0Vから上昇して行くと、Vin1のとき位相角α1で関数信号波形の瞬時値を超え、この位相角α1でコンパレータ17の出力によりフォトトライアック18が導通し、サイリスタ素子13、14が導通を開始し、調光器本体5の出力電圧波形は波形107となる。更に制御信号入力(Vin)をVin2、Vin3、Vin4と連続的に上昇して行くと、サイリスタ素子の点弧位相角はα2、α3、α4と減少して行き、出力電圧波形は波形106、波形105、波形104となって、出力電圧も連続的に上昇して行き調光動作が行われる。従って、調光器本体5の制御信号入力(Vin)に対する出力電圧の調光特性は関数信号波形によって定まり、この関数信号波形を変化させることによって、調光特性を任意に変化させることができる。
【0008】
図7は各種の調光特性の例で、横軸は制御信号入力(Vin)で、これを0Vから10Vまで変化させた場合の出力電圧比と白熱灯照明器具の照度比を縦軸の%目盛りで相対値で表示している。図7で108は電圧リニアの特性で、白熱灯の照度は印加電圧の3.38乗に比例するところから照度は111に示すようになる。
【0009】
劇場の舞台照明では制御信号入力に対する照度の特性が2.7乗のとき、視感覚の点から使いやすいとされ、2.7乗の照度特性は112となり、この特性を得るための出力電圧は2.7/3.38=0.8乗から109の電圧特性となる。また、TVスタジオでは照度が暗い範囲の明かりは使用できないため、照度特性は113の2.3乗特性が多用され、2.3/3.38=0.68乗から110の電圧特性となる。これらの調光特性は、必要とされる照明効果に応じて関数信号波形を選択することで達成できる。
【0010】
この関数発生器を使用した調光方式において使用する関数発生器の従来型の一例を図3に示す。図3において11は交流電源で主幹過電流遮断器4(図1)の2次側に接続される。関数発生器の電源トランス21は、この装置で使用する電力を供給するとともに、関数波形を交流電源電圧の位相に同期させる同期信号発生器22の入力信号を供給する。
【0011】
同期信号発生器の出力は図6の波形102に示す様に交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し、同期信号パルスを発生する。そのパルス幅は電源周波数の半サイクルの10分の1程度が選ばれ、50Hzの時、約1msec、60Hzの時、約0.83msec程度である。
【0012】
図3において、クロック発信器23は30kHzから50kHzのパルスを発生し、このクロック信号はカウンタ24でカウントされる。このカウンタ24は上記の同期信号でリセットされる。
【0013】
25はROM ICなどの読み出し専用メモリーで、図6の波形103で示した関数信号がデジタルデータで書き込みされており、このデータをカウンタ24の出力で電源に同期して読み出し、D/A変換器26でアナログデータに変換される。また、電源トランス21の出力は全波整流器27で整流され、平滑回路28で平滑され、電源電圧の変動を検出して、乗算器29の一方の入力極に導かれる。
【0014】
乗算器29の他方の入力極には上記のD/A変換器の出力が接続されて、乗算器29の出力端子30には関数波形が出力されるが、乗算器29の一方の入力極には電源が接続されているため、電源電圧が低下した場合には、関数波形が低下し、逆に上昇した場合には関数波形も上昇する。このように、電源電圧の変動に対しては関数波形が比例的に変動するようにしているため、調光過程にある調光器本体5の出力電圧は電源電圧の変動によって、その点弧位相角が自動的に変動してある程度調光器本体5の出力電圧の変動が抑制される(たとえば、特許文献2参照)。
【0015】
しかしながら、以上のような従来型の関数発生器を使用した調光装置では以下に記述する様な不具合な点があった。すなわち、図1に示したとおり、電源線路2には線路抵抗とインダクタンスが存在し、この電源線路2にはサイリスタ13、14による位相角電力制御にともなう鋸歯状波電流が各相の電圧線と中性線に流れ電圧降下を生じる。この電圧降下は鋸歯状波電流によるものであるため、調光装置3の入力端子間電圧波形は図8の波形115の例に示すような歪波形となる。この波形115の波形例では第1の照明灯群の点弧位相角が80度付近にあり、第2の照明灯群が点弧位相角115度付近にある場合を示している。図8の波形114は波形115と同じ実効値の電源電圧波形であるが、この程度の電圧波形の差は実際の劇場の舞台照明電源やTVスタジオの照明電源でしばしば観測される。
【0016】
図3に示した従来の関数発生器のメモリー25に書き込まれている関数波形のデータは、図8の波形114に示した正弦波の電源電圧を前提に計算された固定的なデータであるために、電源電圧の波形が図8の波形115に示すように歪がある場合には、調光特性に大きな誤差を生じる。
【0017】
図9は、舞台などでよく使われる代表例として2.7乗の調光特性を示したものである。
109と112は電源電圧が正弦波の場合(図8の波形114)の電圧比と照度比の特性であり、118と119は電源電圧が歪み波形の場合(図8の波形115)の電圧比と照度比の調光特性であり、両者を比較すると、出力電圧値では最大約8%、照度では10%程度の誤差が生じる。
【0018】
また、図8の歪波形は固定された波形ではなく、調光操作により、変化するものである。すなわち、演劇などの進行によって劇場の舞台やTVスタジオの明かりを変化させると、この調光操作によって電源電圧の波形には歪みが生じる。たとえば、図9の2.7乗特性を使用し、調光度75%(制御信号7.5V)、照度=45%に固定された照明灯は、電源波形が図8の波形115になることで、照度は36%まで低下する。すなわち、他の照明灯の調光度が変化することで照度が45%から36%に低下し、これは視感覚的には100%から80%まで浮動するものに相当する。これが舞台照明の分野では「明かりのあおり」と称する現象であり、演出照明効果を大きく阻害する要因となっている。
【0019】
この現象を低減する方法としては、調光装置の鋸歯状波電流による歪み波形の影響(電圧降下)を少なくすることである。たとえば、電線路の亘長距離をなるべく短くする方法や電線路の電線をなるべく太くすることにより、線路抵抗やインダクタンスを低下する方法が取られているが、完全ではなく、費用もかさむ方策であり、その解決が求められていた。
【0020】
【特許文献1】特開平5−54977
【特許文献2】特開昭50−30036
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上記の従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、電源電圧の変動や電源波形の歪みにより電源電圧の波形が変化しても、サイリスタの点弧位相角を補正することによって、調光過程にある照明灯への供給電圧の変動、ひいては照度変化が少ない新たな関数発生器を備えた調光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するために、第1の発明は、
調光装置に供給される交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し論理が「1」となる同期信号を発生する同期信号発生器と、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に交流電源電圧瞬時値の2乗値データが書き込まれる第1メモリーと、
前記同期信号の論理が「1」の期間中に第1メモリーのデータを反転したアドレスで読み出して累積加算するレジスタと、
前記2乗値データと調光装置の出力電圧とを対応させた調光特性データテーブルと、
前記レジスタの出力をアドレスとして前記データテーブルに書かれた調光特性を読み出し前記同期信号の論理が「1」の期間中に前記調光装置の出力電圧が書き込まれる第2メモリーとを備え、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に第2メモリーのデータを読み出して出力する関数発生器とした。
【0023】
ここで、「調光装置」は、調光のために交流電源が提供され、それを電力制御することにより、負荷照明灯の出力電圧を制御するものであればよい。電力制御素子としては、サイリスタ素子があげられる。
「同期信号」は、交流電源電圧瞬時値が0V近傍とクロスするタイミングを検出して、一定の幅を有するパルスを発生させるものであればよい。
「論理が「1」」とは、瞬時値の0V近傍を検出したパルス信号がONのときをいう。通常、電源周波数が50Hzであると、論理が「1」の期間が、その半周期の10分の1程度、すなわち約1msec程度あればよい。
【0024】
「2乗値データ」とは、交流電源電圧瞬時値を2乗したものをいう。
交流電源電圧の2乗値を得るには、周知の2乗器を用いればよい。2乗値とするのは、実効値を得るための前処理である。すなわち、瞬時値を2乗したあと加算し平方根をとると、実効値が求められて、付加に供給する電圧値が求められるからである。
「第1メモリー」は、書き込みおよび読み出しができるものであればよく、RAM(Random Access Memory)が用いられる。1チップマイクロコンピュータで本発明を構成する場合は、チップ内に収められたメモリーを用いればよい。
【0025】
「反転したアドレスで読み出す」とは、書き込みのときとは、反対の、アドレスの最後からメモリーを読み出すことをいう。
レジスタは加算機能を持つものであればよい。
【0026】
「調光特性データテーブル」は、読み出しだけのものであっても、書き込み及び読み出しが可能のものであってもよい。電源を遮断してもメモリ内容が保持される不揮発性メモリであればよい。読み出しだけのものはROM(Read Only Memory)が該当する。2乗値のデータを電源半サイクルのあいだ、累積したものをフルスケールとして、累積値をアドレスとして対応する照明装置の出力電圧が書き込まれているものとする。この場合、調光特性データテーブルは複数あってもよく、それぞれに、たとえば、電圧リニア特性、2.3乗特性、2.7乗特性等としてもよい。この場合、特性切替器などにより、どの特性のものを利用するか任意に決定すればよい。また、これらの複数のデータテーブルは、1つのメモリーにあって、たとえば、上位2ビットを使って、どの特性を選択するかを指定してもよい。
【0027】
第2メモリーも、第1メモリーと同様、書き込みおよび読み出しができるものであればよく、RAM(Random Access Memory)が用いられる。1チップマイクロコンピュータで構成する場合は、チップ内に収められたメモリーを用いればよい。
【0028】
また、第2の発明は、
調光装置に供給される交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し論理が「1」となる同期信号を発生する同期信号発生器と、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に交流電源電圧の瞬時値データが書き込まれる第1メモリーと、
前記同期信号の論理が「1」の期間中に第1メモリーのデータを反転したアドレスで読み出して該データを2乗した値を累積加算するレジスタと、
前記累積加算した2乗値データと調光装置の出力電圧とを対応させた調光特性データテーブルと、
前記レジスタの出力をアドレスとして前記データテーブルに書かれた調光特性を読み出し前記同期信号の論理が「1」の期間中に前記調光装置の出力電圧が書き込まれる第2メモリーとを備え、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に第2メモリーのデータを読み出して出力することを特徴とする調光装置に用いられる関数発生器とした。
【0029】
第2の発明が第1の発明と相違する点は、最初から2乗値を扱うのではなく、瞬時値として第1メモリーに書き込んだ後、読み出したタイミングで2乗し、以下同様の取り扱いとなる点である。
【0030】
第2発明の「調光装置」、「同期信号」、「論理が「1」」、「2乗値データ」、「第1メモリー」「第2メモリー」、「反転したアドレスで読み出す」、「調光特性データテーブル」については、第1発明と同様である。
【0031】
また、第3の発明では、
前記関数発生器をワンチップマイクロコンピュータで構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の調光装置に用いられる関数発生器とした。
【0032】
本発明の関数発生器は、ワイヤードロジックでもよいが、ワンチップマイクロコンピュータで構成すれば、省スペースにもなり、便利である。
【0033】
また、第4の発明では、交流電源電圧に同期した関数発生器の波形と制御信号の比較によりサイリスタの点弧位相角を決定し負荷へ供給する電力を制御する調光装置において、請求項1から3のいずれか一項に記載した関数発生器を備えたことを特徴とする調光装置とした。
「制御信号」は、通常外部にある操作卓から送られる調光信号をいう。この制御信号はアナログ信号でも、DMXと呼ばれるデジタル信号でもよい。関数発生器をワンチップマイクロコンピュータで構成する場合は、デジタル信号を用いることになる。
【0034】
また、第5の発明では、
調光装置に供給される交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し論理が「1」となる同期信号を発生するステップと、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に交流電源電圧の瞬時値の2乗値データを第1メモリーに書き込むステップと、
前記同期信号の論理が「1」の期間中に第1メモリーのデータを反転したアドレスで読み出して、加算機能を持ったレジスタで累積加算するステップと、
前記レジスタの出力をアドレスとして、調光特性データテーブルを読み出し、前記同期信号の論理が「1」の期間中に第2メモリーに書き込むステップと、
前記同期信号の次の論理が「0」の期間中に第2メモリーのデータを読み出すステップ
とからなることを特徴とする関数発生器を備えた調光装置の調光方法とした。
【0035】
第5発明も、「調光装置」、「同期信号」、「論理が「1」」、「2乗値データ」、「第1メモリー」「第2メモリー」、「反転したアドレスで読み出す」、「調光特性データテーブル」については、第1発明と同様である。
【発明の効果】
【0036】
本発明は、以上説明したように、調光装置に供給される交流電源電圧が変動したりその波形が歪んでも、調光器の出力電圧が変化しないように、関数発生器の関数波形が電源の歪みに応じて交流電源電圧の半サイクルごとに所望の調光特性を持った電圧の実効値を出力して自動的に変化し、サイリスタの点弧位相角を調整するため、調光装置の出力電圧の変化が少なく、結果として照明の明るさの変化を少なくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の目的を達成するためには、交流電源電圧波形の変化に追従して、関数発生器6の出力波形を変化させ、調光器本体5の出力電圧が変化しないようにする必要がある。この目的のために提案する新たな関数発生器の構成を図5に示す。
【0038】
図5において、11は交流電源である。なお、後述の本関数発生器を備えた調光装置においては、図1で主幹過電流遮断器4の二次側に本発明の関数発生器6は接続される。電源トランス51の出力は、2乗器52と同期信号発生器22に接続される。同期信号発生器22は前記した図4のものと同様である。2乗器52の出力はA/D変換器53でデジタル信号に変換され、第1メモリー61のデータ入力端子に接続され、第1カウンタ57の出力で第1メモリー61に書き込まれる。
【0039】
第1カウンタ57は第1クロック56の出力を計数し、同期信号発生器22の出力で電源周期の半サイクル毎にリセットされる。なお、第1クロック56は同期信号発生器の出力が論理「0」の期間中のみ動作するようにインバータ55が接続されている。従って、第1メモリー61には、交流電源電圧瞬時値の2乗値が交流電源電圧の半サイクルの間、データとして書き込まれる。第2クロック58は同期信号発生器22の出力が論理「1」の期間中に出力し、この出力は第2カウンタ59で計数され、その出力はインバータ60で反転されて、反転したアドレス信号が第1メモリー61に供給されて、第1メモリー61のデータを読み出す。すなわち、同期信号発生器22の出力が論理「0」の期間中、電源電圧の2乗値が第1カウンタ57で書き込まれ、同期信号発生器の出力が論理「1」の期間中、第1メモリー61に格納されたデータが第2カウンタ59の反転アドレスで読み出される。
【0040】
読み出されたデータは逐次、加算機能を持ったレジスタ62に加算して格納され、調光特性データテーブル64、65、66のアドレスに供給される。なお、レジスタ62は同期信号発生器22の出力の立上りまたは立下りをエッジ検出器63で検出し、この出力でレジスタ62の加算されたデータがクリアされる。
調光特性データテーブル第1TB64は電圧リニア特性のデータテーブルで、アドレスに対して0.5乗(平方根)のデータが書き込まれている。 また、調光特性データテーブル第2TB65は2.7乗特性のデータテーブルで、アドレスに対して0.5×3.38/2.7=0.626乗が、調光特性データテーブル第3TB66は2.3乗特性のデータテーブルで、アドレスに対して0.5×3.38/2.3=0.735乗のデータがそれぞれ書き込まれている。なお、ここで係数3.38は印加電圧に対する白熱電球の明るさ累乗係数である。調光特性データテーブル第1TB64から第3TB66に書き込まれるデータの一例を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
表1は書き込まれるデータの一部を記載したものであり、実際の調光特性データテーブルには255段階以上の変換データが書き込まれる。%表示は最大値に対する比率であり、書き込まれるデータは16進数で書き込まれるため、16進数(HEX)も表示した。特性切替器67(図5)は、電圧リニア特性の時には1が、2.7乗特性の時には2が、2.3乗特性の場合には3が選択される。これは、照明の演出の必要性に応じて、適宜選択される。
【0043】
同期信号発生器22の論理が「1」の場合に、調光特性データテーブル64、65、66で変換されたデータが、第2メモリー68に第2カウンタ59の出力で書き込まれ、同期信号発生器22の論理が「0」の期間は第2メモリー68に書き込まれたデータが、第1カウンタ57で読み出され、D/A変換器69でアナログ値に変換され、加算器70で同期信号発生器22の出力が加算されて、本発明に係る関数発生器の出力が出力端子71に供給される。 なお、調光特性データテーブル64、65、66のアドレスの最初の部分、及び、最終の部分のデータに、例えば110%(16進数で118H)のデータをあらかじめ書き込んでおくことで、加算器70は省略することができる。
【0044】
本発明に係る関数発生器6(図5)では、交流電源電圧の瞬時値の2乗値が第1メモリー61に書き込まれ、これを反転アドレスで読み出して累積加算し、第1TB64では0.5乗(平方根)を出力し、このデータが第2メモリー68に書き込まれて出力されるので、出力はその瞬時位相角でサイリスタが点弧した場合の電圧の実効値であり、第2TB65や第3TB66では更に2.7乗や2.3乗の補正を行った後の実効値が出力される。
【0045】
図10及び図11は、以上の動作を波形図の上で半サイクル間を表したもので、図10は交流電源電圧の波形が正弦波の場合で、図11は電源電圧の波形に歪を含んでいる場合である。
図10において波形122は交流電源電圧で関数発生器に供給される電圧波形である。波形123は2乗器52(図5)の出力で、この波形がA/D変換されて第1メモリー61に格納される。波形124は第1メモリー61に格納されたデータを反転アドレスで読み出し、累積加算機能を持ったレジスタ62(図5)の出力をアナログ的に表したもので、この出力をアドレスとして、調光特性データテーブルの第1TB64、第2TB65または第3TB66(図5)を読み出したデータが、波形125(電圧リニア)、波形126(2.7乗),波形127(2.3乗)であり、これらのデータを第2メモリー68(図5)に格納して、第1カウンタ57(図5)で読み出し、各調光特性の関数波形Fuを得ることができる。
【0046】
図11において波形128は歪を有する電源電圧で、波形129は2乗器の出力である。2乗器の出力は、デジタルデータに変換された後、第1メモリー61に格納され、累積加算機能を持ったレジスタ62の出力が波形130で示されている。調光特性データテーブルを読み出したデータが波形131(電圧リニア)、波形132(2.7乗)、波形133(2.3乗)であり、このデータが第2メモリー68に格納され、第1カウンタ57で読み出され、電源電圧の歪波形に対する位相補正された、各調光特性の関数波形Fuを得ることができる。
本発明に係る関数発生器(図5)を備えた調光装置の調光特性は、電源電圧の歪の如何によらず、電源電圧の波形が変動した場合にも、点弧位相角が変化し、半サイクル間の遅れで図7に示した理想的な特性を示し、劇場の舞台照明やTVスタジオの演出照明に支障を来たすことがない。
【0047】
本発明に係る関数発生器として、図5で示した方式以外にも、種々の方式が考えられる。その一例を図12に示す。図12において図5と同じ符号を付した部品や部分は同一の作用効果を持つため詳細な説明は省略する。
図12の関数発生器においては、入力の交流電源電圧の瞬時値をA/D変換器53でデジタル信号に変換し、データテーブル第0TB72で2乗データを得る。カウンタ73は1個で、同期信号発生器22の論理が「1」の期間中は高速の第2クロック58のクロック信号を計数し、論理が「0」の期間中は低速の第1クロック56のクロック信号を計数するように論理回路が構成されている。また、カウンタ73の出力は、同期信号発生器の論理が「0」の期間中に上記の2乗データを第1メモリー61に書き込み、論理が「1」の期間中に反転アドレスで読み出すように論理回路が構成されている。
第1メモリー61から読み出された2乗データは累積加算機能を持ったレジスタ62で累積加算されて、この信号をアドレスとして調光特性データテーブル第1TB64、第2TB65、または第3TB66に書き込まれたデータが読み出され、同期信号発生器22の出力が論理「1」の期間中に第2メモリー68に書き込まれ、論理「0」の期間中に読み出され、D/A変換器69でアナログ値に変換されて関数発生器の出力となる。
【0048】
これらの構成によれば、本発明の関数発生器を論理回路素子を使用して実現することも、ワンチップマイクロコンピュータを使用して実現することも可能である。また、入力及び出力のみを三相用の三系統とし、内部のデータ処理としては、CPU処理により同時に行い、三相用関数発生器とすることも可能である。
【0049】
次に、本発明の関数発生器を備えた調光装置の構成例を図1に示す。図1において関数発生器6は、図5または図12に示すものを用いる。そのほかの部品は、従来の調光装置を説明したときと同様である。
図1において1は調光装置の電源部で、一般に三相4線式変圧器であり、変圧器の出力電力は電源線路2を通じて調光装置3に供給される。この電源線路2には大容量のケーブルやバスダクトが使われるが、当然、この電源線路2には線路抵抗とインダクタンスが存在し、受電端の調光器入力電圧には線路電流に基づく電圧降下を生じる。
【0050】
図1の4は調光装置の主幹過電流遮断器でその2次側は個々の調光器本体5に接続される。
調光器本体5には、R相、S相、T相の電源に同期した関数発生器6の出力(Fu)と外部操作器9(一般には照明操作卓と呼ばれる。)の出力を制御出力分配器7で各調光器本体5に分配された制御入力(Vin)が接続され、調光器本体5の出力は調光装置の出力端子から照明灯8に接続され、照明灯の明るさは個々に調光される。
【0051】
調光器本体5は、図2に示したものを用いる。調光器本体5の内部構成を図2に示す。図2において11は調光器の交流電源で、過電流遮断器12、逆並列に接続されたサイリスタ素子13、14及びリアクタ16が負荷照明灯8に直列に接続され、サイリスタ素子13、14による位相角電力制御によって負荷照明灯8に供給する電力が制御され調光動作が行われる。CRアブゾーバ15がサイリスタ素子13、14に並列に接続され、サージ電圧がサイリスタ素子13、14に印加された場合、これを吸収してサイリスタ素子を保護する。また、リアクタ16はサイリスタ素子13、14の点弧に伴う急峻な電流の立上りを抑制して、劇場やTVスタジオに併設される音響機器へのノイズ障害などを低減する。
【0052】
調光器本体5の制御信号入力(Vin)と関数信号入力(Fu)はコンパレータ(比較器)17で比較され、制御信号入力Vinの電圧値が関数信号入力Fuの瞬時値を超えた時、コンパレータ17の出力端子に出力電圧を生じ、フォトトライアック18が導通してサイリスタ素子13、14を点弧位相角制御する。
【0053】
この動作の詳細を図6の波形図に示す。 図6において波形101は電源波形で波形102は後述する同期信号発生器の出力で電源波形が瞬時値の0V近傍を通過する毎に発生する同期信号である。波形103は代表的な関数信号で、電源に同期し、同期信号を含んでいる。
【0054】
いま、制御信号入力(Vin)を0Vから上昇して行くとVin1のとき、位相角α1で関数信号波形の瞬時値を超え、この位相角α1でコンパレータ17の出力によりフォトトライアック18が導通し、サイリスタ素子13、14が導通を開始し、調光器本体5の出力電圧波形は波形107となる。更に制御信号入力(Vin)をVin2、Vin3、Vin4と連続的に上昇して行くと、サイリスタ素子13、14の点弧位相角はα2、α3、α4と減少して行き、出力電圧波形は波形106、波形105、波形104となって、出力電圧も連続的に上昇して行き調光動作が行われる。 従って調光器本体5の制御信号入力に対する出力電圧の調光特性は関数信号波形によって定まり、この関数信号波形を変化させることによって、調光特性を任意に変化させることができる。
【0055】
図7は各種の調光特性の例で、横軸は制御信号入力で0Vから10Vまで変化させた場合の出力電圧と白熱灯照明器具の照度を縦軸の%目盛りで表示している。 図7で108は電圧リニアの特性で、白熱灯の照度は印加電圧の3.38乗に比例するところから照度は111で示すようになる。
【0056】
劇場の舞台照明では制御信号入力に対する照度の特性が2.7乗のとき、視感覚の点から使いやすいとされ、2.7乗の照度特性は112となり、この特性を得るための出力電圧は2.7/3.38=0.8乗から109の電圧特性となる。また、TVスタジオでは照度が暗い範囲の明かりは使用できないため、照度特性は113の2.3乗特性が多用され、2.3/3.38=0.68乗から110の電圧特性となる。これらの調光特性は関数波形を目的に応じて選択することで達成できる。
【0057】
図4は関数発生器に組み込まれる同期信号発生器22の一例で、11は交流電源、35は交流電源電圧に含まれる切込みなどの高調波電圧を除去するためのフィルタ回路、36は同期信号のパルス幅を調整する可変抵抗器、37は光アイソレータでその出力は交流電源電圧瞬時値が0V近傍で光アイソレータの一次側電流が0となるので、二次側には電源電圧に同期した出力が得られる。38はプルアップ抵抗、39は同期パルスを整形するシュミット回路IC、40は論理を合わせるためのインバータICである。
なお、この同期信号発生器22には出願番号 2005-302927「調光装置用同期検出回路及び調光装置」で提案された同期信号発生器を使用することが望ましく、より高性能の同期信号が得られる。
【0058】
このように調光装置3に供給される交流電源電圧を検出し、交流電源電圧瞬時値の0V近傍で同期信号を発生する同期信号発生器22を設け、この同期信号の論理が「0」の期間中に交流電源電圧の瞬時値の2乗値データを第1メモリー61に書き込み、論理が「1」の期間中に第1メモリー61のデータを反転したアドレスで読み出して、加算機能を持ったレジスタ62で累積加算し、このレジスタ62の出力をアドレスとして、調光特性データテーブル64,65,66を読み出し、論理「1」の期間中に第2メモリー68に書き込み、論理「0」の期間中に第2メモリー68のデータを読み出して出力することを特徴とする関数発生器を使用し、この関数発生器の出力電圧と外部操作器から供給される調光信号電圧をコンパレータ17で比較して、調光信号電圧が関数信号を超えた時、点弧信号を発生し、サイリスタ素子13,14を位相制御することによって、調光装置3に供給される電源電圧の電圧値や波形歪みの変動に対して、安定な調光器出力電圧を照明灯に供給できる。
【0059】
以上のように、本発明は、調光装置に供給される電源電圧が変動したりその波形が歪んでも、調光器の出力電圧が変化しないように、関数発生器の関数波形が電源の歪みに応じて交流電源の半サイクルごとに電圧の実効値を出力して自動的に変化し、サイリスタの点弧位相角を調整するため、調光装置の出力電圧の変化が少なく、結果として照明の明るさの変化を少なくできる。その作用効果を図13で具体的に説明する。
【0060】
図13において、波形133は歪みのない正弦波電源であり、この場合の2.3乗特性の関数波形を波形135に示す。 波形134は歪みがある電源電圧で、このように電源電圧が歪んだ場合の関数波形は波形136に自動的に変化する。これらの関数波形を調光器本体に入力し、調光操作を行った場合、調光入力信号をVin0からVin1(25%)、Vin2(50%)、Vin3(75%)に上昇して行くと、電源電圧に歪みがない関数波形135の場合にはサイリスタの点弧位相角が、α10、α20、α30と進んで行くが、電源電圧に歪みがある場合の関数波形136では、α1X、α2X、α3Xとなってサイリスタの点弧位相角が更に進み、この動作によって調光器本体の出力電圧値は補正され、図7に示したような理想的な調光特性が得られる。そのため、本発明によれば、劇場の舞台照明やTVスタジオの照明の進行に支障を来たさない照明効果が期待できる。
【0061】
なお、本発明に係る関数発生器(図5、図12)を使用した調光装置では、供給電源電圧の変動や波形歪みに対して、制御は半サイクル間の遅れが生じるが、主な照明灯が比較的容量の大きな白熱電球であることから、その熱慣性のため、制御の半サイクルの遅れは問題とはならない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る調光装置の一例である。
【図2】図1の調光機本体の詳細図である。
【図3】図1の関数発生器の従来のものの例である
【図4】図1の同期信号発生器の詳細図である。
【図5】本発明に係る関数発生器の一例である。
【図6】電源が歪みを有しない場合の関数発生器を使用した調光器の動作を示すものである。
【図7】各種の調光特性を示すものである。
【図8】電源電圧の正常な正弦波と歪波形の例を示すものである。
【図9】電源歪による調光特性の誤差の例を示すものである(2.7乗特性)。
【図10】電源が正弦波である場合の本発明に係る関数発生器の動作を示すものである。
【図11】電源が歪波形である場合の本発明に係る関数発生器の動作を示すものである。
【図12】本発明に係る関数発生器の他の例である。
【図13】本発明の効果を示すものである
【符号の説明】
【0063】
1:電源部
2:電源線路
3:調光装置
4:過電流遮断器
5:調光器本体
6:関数発生器
7:制御信号分配器
8:白熱灯
9:外部操作器
11:交流電源
51:電源トランス
52:2乗器
53:A/D変換器
55:インバータ
56:第1クロック
57:第1カウンタ
58:第2クロック
59:第2カウンタ
60:インバータ
61:第1メモリ
62:レジスタ
63:エッジ検出器
64:第1テーブル
65:第2テーブル
66:第3テーブル
67:特性切替器
68:第2メモリ
69: D /A変換器
70:加算器
71:出力端子
72:第0テーブル
73:カウンタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、劇場やテレビスタジオ(以下、「TVスタジオ」という。)等で使用される調光装置に関するもので、詳しくは、関数発生器と制御信号の比較によりサイリスタの点弧位相角を決定し負荷である照明灯に供給する電力を制御する調光装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、劇場やTVスタジオなどの、数十台から数百台の照明器具が設置される演出空間で使用される調光装置においては、関数発生器を使用した調光方式が採用されることが多い。これは数十台から数百台使用される調光器本体の調光特性を任意に一括して変更でき、調光特性のバラツキが少なく、各個の調光器本体の回路構成が簡単になることなどの理由による(たとえば、特許文献1図6参照)。
【0003】
関数発生器を使用した調光装置の概要図を図1に示す。 図1において1は調光装置の電源部で、一般に三相4線式変圧器であり、変圧器の出力電力は電源線路2を通じて調光装置3に供給される。 この電源線路2には大容量のケーブルやバスダクトが使われるが、当然、この電源線路には線路抵抗とインダクタンスが存在し、受電端の調光器入力電圧には線路電流に基づく電圧降下を生じる。
【0004】
図1の4は調光装置の主幹過電流遮断器でその2次側は個々の調光器本体5に接続される。
調光器本体5には、R相、S相、T相の電源に同期した関数発生器の出力(Fu)と外部操作器9(一般には照明操作卓と呼ばれる。)の出力を制御信号分配器7で各調光器本体5に分配された制御入力(Vin)が接続され、調光器本体5の出力は調光装置3の出力端子から照明灯8に接続され、照明灯の明るさは個々に調光される。
【0005】
調光器本体5の内部構成を図2に示す。図2において11は調光器の交流電源で、過電流遮断器12、逆並列に接続されたサイリスタ素子13、14及びリアクタ16が負荷照明灯8に直列に接続され、サイリスタ素子13、14による位相角電力制御によって負荷照明灯8に供給する電力が制御され調光動作が行われる。CRアブゾーバ15がサイリスタ素子13、14に並列に接続され、サージ電圧がサイリスタ素子13、14に印加された場合、これを吸収してサイリスタ素子13、14を保護する。また、リアクタ16はサイリスタ素子13、14の点弧に伴う急峻な電流の立上りを抑制して、劇場やTVスタジオに併設される音響機器へのノイズ障害などを低減する動作を行う。
調光器本体5の制御信号入力(Vin)と関数信号入力(Fu)はコンパレータ(比較器)17で比較され、制御信号入力Vinの電圧値が関数信号入力Fuの瞬時値を超えた時、コンパレータ17の出力端子に出力電圧を生じ、フォトトライアック18が導通してサイリスタ素子13、14を点弧位相角制御する。
【0006】
この動作の詳細を図6の波形図に示す。図6において波形101は交流電源電圧波形で波形102は後述する同期信号発生器の出力で、交流電源電圧の波形瞬時値が0V近傍を通過する毎に発生する同期信号である。波形103は代表的な関数信号波形で、電源に同期し、同期信号を含んでいる。
【0007】
今、制御信号入力(Vin)を0Vから上昇して行くと、Vin1のとき位相角α1で関数信号波形の瞬時値を超え、この位相角α1でコンパレータ17の出力によりフォトトライアック18が導通し、サイリスタ素子13、14が導通を開始し、調光器本体5の出力電圧波形は波形107となる。更に制御信号入力(Vin)をVin2、Vin3、Vin4と連続的に上昇して行くと、サイリスタ素子の点弧位相角はα2、α3、α4と減少して行き、出力電圧波形は波形106、波形105、波形104となって、出力電圧も連続的に上昇して行き調光動作が行われる。従って、調光器本体5の制御信号入力(Vin)に対する出力電圧の調光特性は関数信号波形によって定まり、この関数信号波形を変化させることによって、調光特性を任意に変化させることができる。
【0008】
図7は各種の調光特性の例で、横軸は制御信号入力(Vin)で、これを0Vから10Vまで変化させた場合の出力電圧比と白熱灯照明器具の照度比を縦軸の%目盛りで相対値で表示している。図7で108は電圧リニアの特性で、白熱灯の照度は印加電圧の3.38乗に比例するところから照度は111に示すようになる。
【0009】
劇場の舞台照明では制御信号入力に対する照度の特性が2.7乗のとき、視感覚の点から使いやすいとされ、2.7乗の照度特性は112となり、この特性を得るための出力電圧は2.7/3.38=0.8乗から109の電圧特性となる。また、TVスタジオでは照度が暗い範囲の明かりは使用できないため、照度特性は113の2.3乗特性が多用され、2.3/3.38=0.68乗から110の電圧特性となる。これらの調光特性は、必要とされる照明効果に応じて関数信号波形を選択することで達成できる。
【0010】
この関数発生器を使用した調光方式において使用する関数発生器の従来型の一例を図3に示す。図3において11は交流電源で主幹過電流遮断器4(図1)の2次側に接続される。関数発生器の電源トランス21は、この装置で使用する電力を供給するとともに、関数波形を交流電源電圧の位相に同期させる同期信号発生器22の入力信号を供給する。
【0011】
同期信号発生器の出力は図6の波形102に示す様に交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し、同期信号パルスを発生する。そのパルス幅は電源周波数の半サイクルの10分の1程度が選ばれ、50Hzの時、約1msec、60Hzの時、約0.83msec程度である。
【0012】
図3において、クロック発信器23は30kHzから50kHzのパルスを発生し、このクロック信号はカウンタ24でカウントされる。このカウンタ24は上記の同期信号でリセットされる。
【0013】
25はROM ICなどの読み出し専用メモリーで、図6の波形103で示した関数信号がデジタルデータで書き込みされており、このデータをカウンタ24の出力で電源に同期して読み出し、D/A変換器26でアナログデータに変換される。また、電源トランス21の出力は全波整流器27で整流され、平滑回路28で平滑され、電源電圧の変動を検出して、乗算器29の一方の入力極に導かれる。
【0014】
乗算器29の他方の入力極には上記のD/A変換器の出力が接続されて、乗算器29の出力端子30には関数波形が出力されるが、乗算器29の一方の入力極には電源が接続されているため、電源電圧が低下した場合には、関数波形が低下し、逆に上昇した場合には関数波形も上昇する。このように、電源電圧の変動に対しては関数波形が比例的に変動するようにしているため、調光過程にある調光器本体5の出力電圧は電源電圧の変動によって、その点弧位相角が自動的に変動してある程度調光器本体5の出力電圧の変動が抑制される(たとえば、特許文献2参照)。
【0015】
しかしながら、以上のような従来型の関数発生器を使用した調光装置では以下に記述する様な不具合な点があった。すなわち、図1に示したとおり、電源線路2には線路抵抗とインダクタンスが存在し、この電源線路2にはサイリスタ13、14による位相角電力制御にともなう鋸歯状波電流が各相の電圧線と中性線に流れ電圧降下を生じる。この電圧降下は鋸歯状波電流によるものであるため、調光装置3の入力端子間電圧波形は図8の波形115の例に示すような歪波形となる。この波形115の波形例では第1の照明灯群の点弧位相角が80度付近にあり、第2の照明灯群が点弧位相角115度付近にある場合を示している。図8の波形114は波形115と同じ実効値の電源電圧波形であるが、この程度の電圧波形の差は実際の劇場の舞台照明電源やTVスタジオの照明電源でしばしば観測される。
【0016】
図3に示した従来の関数発生器のメモリー25に書き込まれている関数波形のデータは、図8の波形114に示した正弦波の電源電圧を前提に計算された固定的なデータであるために、電源電圧の波形が図8の波形115に示すように歪がある場合には、調光特性に大きな誤差を生じる。
【0017】
図9は、舞台などでよく使われる代表例として2.7乗の調光特性を示したものである。
109と112は電源電圧が正弦波の場合(図8の波形114)の電圧比と照度比の特性であり、118と119は電源電圧が歪み波形の場合(図8の波形115)の電圧比と照度比の調光特性であり、両者を比較すると、出力電圧値では最大約8%、照度では10%程度の誤差が生じる。
【0018】
また、図8の歪波形は固定された波形ではなく、調光操作により、変化するものである。すなわち、演劇などの進行によって劇場の舞台やTVスタジオの明かりを変化させると、この調光操作によって電源電圧の波形には歪みが生じる。たとえば、図9の2.7乗特性を使用し、調光度75%(制御信号7.5V)、照度=45%に固定された照明灯は、電源波形が図8の波形115になることで、照度は36%まで低下する。すなわち、他の照明灯の調光度が変化することで照度が45%から36%に低下し、これは視感覚的には100%から80%まで浮動するものに相当する。これが舞台照明の分野では「明かりのあおり」と称する現象であり、演出照明効果を大きく阻害する要因となっている。
【0019】
この現象を低減する方法としては、調光装置の鋸歯状波電流による歪み波形の影響(電圧降下)を少なくすることである。たとえば、電線路の亘長距離をなるべく短くする方法や電線路の電線をなるべく太くすることにより、線路抵抗やインダクタンスを低下する方法が取られているが、完全ではなく、費用もかさむ方策であり、その解決が求められていた。
【0020】
【特許文献1】特開平5−54977
【特許文献2】特開昭50−30036
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上記の従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、電源電圧の変動や電源波形の歪みにより電源電圧の波形が変化しても、サイリスタの点弧位相角を補正することによって、調光過程にある照明灯への供給電圧の変動、ひいては照度変化が少ない新たな関数発生器を備えた調光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するために、第1の発明は、
調光装置に供給される交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し論理が「1」となる同期信号を発生する同期信号発生器と、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に交流電源電圧瞬時値の2乗値データが書き込まれる第1メモリーと、
前記同期信号の論理が「1」の期間中に第1メモリーのデータを反転したアドレスで読み出して累積加算するレジスタと、
前記2乗値データと調光装置の出力電圧とを対応させた調光特性データテーブルと、
前記レジスタの出力をアドレスとして前記データテーブルに書かれた調光特性を読み出し前記同期信号の論理が「1」の期間中に前記調光装置の出力電圧が書き込まれる第2メモリーとを備え、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に第2メモリーのデータを読み出して出力する関数発生器とした。
【0023】
ここで、「調光装置」は、調光のために交流電源が提供され、それを電力制御することにより、負荷照明灯の出力電圧を制御するものであればよい。電力制御素子としては、サイリスタ素子があげられる。
「同期信号」は、交流電源電圧瞬時値が0V近傍とクロスするタイミングを検出して、一定の幅を有するパルスを発生させるものであればよい。
「論理が「1」」とは、瞬時値の0V近傍を検出したパルス信号がONのときをいう。通常、電源周波数が50Hzであると、論理が「1」の期間が、その半周期の10分の1程度、すなわち約1msec程度あればよい。
【0024】
「2乗値データ」とは、交流電源電圧瞬時値を2乗したものをいう。
交流電源電圧の2乗値を得るには、周知の2乗器を用いればよい。2乗値とするのは、実効値を得るための前処理である。すなわち、瞬時値を2乗したあと加算し平方根をとると、実効値が求められて、付加に供給する電圧値が求められるからである。
「第1メモリー」は、書き込みおよび読み出しができるものであればよく、RAM(Random Access Memory)が用いられる。1チップマイクロコンピュータで本発明を構成する場合は、チップ内に収められたメモリーを用いればよい。
【0025】
「反転したアドレスで読み出す」とは、書き込みのときとは、反対の、アドレスの最後からメモリーを読み出すことをいう。
レジスタは加算機能を持つものであればよい。
【0026】
「調光特性データテーブル」は、読み出しだけのものであっても、書き込み及び読み出しが可能のものであってもよい。電源を遮断してもメモリ内容が保持される不揮発性メモリであればよい。読み出しだけのものはROM(Read Only Memory)が該当する。2乗値のデータを電源半サイクルのあいだ、累積したものをフルスケールとして、累積値をアドレスとして対応する照明装置の出力電圧が書き込まれているものとする。この場合、調光特性データテーブルは複数あってもよく、それぞれに、たとえば、電圧リニア特性、2.3乗特性、2.7乗特性等としてもよい。この場合、特性切替器などにより、どの特性のものを利用するか任意に決定すればよい。また、これらの複数のデータテーブルは、1つのメモリーにあって、たとえば、上位2ビットを使って、どの特性を選択するかを指定してもよい。
【0027】
第2メモリーも、第1メモリーと同様、書き込みおよび読み出しができるものであればよく、RAM(Random Access Memory)が用いられる。1チップマイクロコンピュータで構成する場合は、チップ内に収められたメモリーを用いればよい。
【0028】
また、第2の発明は、
調光装置に供給される交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し論理が「1」となる同期信号を発生する同期信号発生器と、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に交流電源電圧の瞬時値データが書き込まれる第1メモリーと、
前記同期信号の論理が「1」の期間中に第1メモリーのデータを反転したアドレスで読み出して該データを2乗した値を累積加算するレジスタと、
前記累積加算した2乗値データと調光装置の出力電圧とを対応させた調光特性データテーブルと、
前記レジスタの出力をアドレスとして前記データテーブルに書かれた調光特性を読み出し前記同期信号の論理が「1」の期間中に前記調光装置の出力電圧が書き込まれる第2メモリーとを備え、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に第2メモリーのデータを読み出して出力することを特徴とする調光装置に用いられる関数発生器とした。
【0029】
第2の発明が第1の発明と相違する点は、最初から2乗値を扱うのではなく、瞬時値として第1メモリーに書き込んだ後、読み出したタイミングで2乗し、以下同様の取り扱いとなる点である。
【0030】
第2発明の「調光装置」、「同期信号」、「論理が「1」」、「2乗値データ」、「第1メモリー」「第2メモリー」、「反転したアドレスで読み出す」、「調光特性データテーブル」については、第1発明と同様である。
【0031】
また、第3の発明では、
前記関数発生器をワンチップマイクロコンピュータで構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の調光装置に用いられる関数発生器とした。
【0032】
本発明の関数発生器は、ワイヤードロジックでもよいが、ワンチップマイクロコンピュータで構成すれば、省スペースにもなり、便利である。
【0033】
また、第4の発明では、交流電源電圧に同期した関数発生器の波形と制御信号の比較によりサイリスタの点弧位相角を決定し負荷へ供給する電力を制御する調光装置において、請求項1から3のいずれか一項に記載した関数発生器を備えたことを特徴とする調光装置とした。
「制御信号」は、通常外部にある操作卓から送られる調光信号をいう。この制御信号はアナログ信号でも、DMXと呼ばれるデジタル信号でもよい。関数発生器をワンチップマイクロコンピュータで構成する場合は、デジタル信号を用いることになる。
【0034】
また、第5の発明では、
調光装置に供給される交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し論理が「1」となる同期信号を発生するステップと、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に交流電源電圧の瞬時値の2乗値データを第1メモリーに書き込むステップと、
前記同期信号の論理が「1」の期間中に第1メモリーのデータを反転したアドレスで読み出して、加算機能を持ったレジスタで累積加算するステップと、
前記レジスタの出力をアドレスとして、調光特性データテーブルを読み出し、前記同期信号の論理が「1」の期間中に第2メモリーに書き込むステップと、
前記同期信号の次の論理が「0」の期間中に第2メモリーのデータを読み出すステップ
とからなることを特徴とする関数発生器を備えた調光装置の調光方法とした。
【0035】
第5発明も、「調光装置」、「同期信号」、「論理が「1」」、「2乗値データ」、「第1メモリー」「第2メモリー」、「反転したアドレスで読み出す」、「調光特性データテーブル」については、第1発明と同様である。
【発明の効果】
【0036】
本発明は、以上説明したように、調光装置に供給される交流電源電圧が変動したりその波形が歪んでも、調光器の出力電圧が変化しないように、関数発生器の関数波形が電源の歪みに応じて交流電源電圧の半サイクルごとに所望の調光特性を持った電圧の実効値を出力して自動的に変化し、サイリスタの点弧位相角を調整するため、調光装置の出力電圧の変化が少なく、結果として照明の明るさの変化を少なくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の目的を達成するためには、交流電源電圧波形の変化に追従して、関数発生器6の出力波形を変化させ、調光器本体5の出力電圧が変化しないようにする必要がある。この目的のために提案する新たな関数発生器の構成を図5に示す。
【0038】
図5において、11は交流電源である。なお、後述の本関数発生器を備えた調光装置においては、図1で主幹過電流遮断器4の二次側に本発明の関数発生器6は接続される。電源トランス51の出力は、2乗器52と同期信号発生器22に接続される。同期信号発生器22は前記した図4のものと同様である。2乗器52の出力はA/D変換器53でデジタル信号に変換され、第1メモリー61のデータ入力端子に接続され、第1カウンタ57の出力で第1メモリー61に書き込まれる。
【0039】
第1カウンタ57は第1クロック56の出力を計数し、同期信号発生器22の出力で電源周期の半サイクル毎にリセットされる。なお、第1クロック56は同期信号発生器の出力が論理「0」の期間中のみ動作するようにインバータ55が接続されている。従って、第1メモリー61には、交流電源電圧瞬時値の2乗値が交流電源電圧の半サイクルの間、データとして書き込まれる。第2クロック58は同期信号発生器22の出力が論理「1」の期間中に出力し、この出力は第2カウンタ59で計数され、その出力はインバータ60で反転されて、反転したアドレス信号が第1メモリー61に供給されて、第1メモリー61のデータを読み出す。すなわち、同期信号発生器22の出力が論理「0」の期間中、電源電圧の2乗値が第1カウンタ57で書き込まれ、同期信号発生器の出力が論理「1」の期間中、第1メモリー61に格納されたデータが第2カウンタ59の反転アドレスで読み出される。
【0040】
読み出されたデータは逐次、加算機能を持ったレジスタ62に加算して格納され、調光特性データテーブル64、65、66のアドレスに供給される。なお、レジスタ62は同期信号発生器22の出力の立上りまたは立下りをエッジ検出器63で検出し、この出力でレジスタ62の加算されたデータがクリアされる。
調光特性データテーブル第1TB64は電圧リニア特性のデータテーブルで、アドレスに対して0.5乗(平方根)のデータが書き込まれている。 また、調光特性データテーブル第2TB65は2.7乗特性のデータテーブルで、アドレスに対して0.5×3.38/2.7=0.626乗が、調光特性データテーブル第3TB66は2.3乗特性のデータテーブルで、アドレスに対して0.5×3.38/2.3=0.735乗のデータがそれぞれ書き込まれている。なお、ここで係数3.38は印加電圧に対する白熱電球の明るさ累乗係数である。調光特性データテーブル第1TB64から第3TB66に書き込まれるデータの一例を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
表1は書き込まれるデータの一部を記載したものであり、実際の調光特性データテーブルには255段階以上の変換データが書き込まれる。%表示は最大値に対する比率であり、書き込まれるデータは16進数で書き込まれるため、16進数(HEX)も表示した。特性切替器67(図5)は、電圧リニア特性の時には1が、2.7乗特性の時には2が、2.3乗特性の場合には3が選択される。これは、照明の演出の必要性に応じて、適宜選択される。
【0043】
同期信号発生器22の論理が「1」の場合に、調光特性データテーブル64、65、66で変換されたデータが、第2メモリー68に第2カウンタ59の出力で書き込まれ、同期信号発生器22の論理が「0」の期間は第2メモリー68に書き込まれたデータが、第1カウンタ57で読み出され、D/A変換器69でアナログ値に変換され、加算器70で同期信号発生器22の出力が加算されて、本発明に係る関数発生器の出力が出力端子71に供給される。 なお、調光特性データテーブル64、65、66のアドレスの最初の部分、及び、最終の部分のデータに、例えば110%(16進数で118H)のデータをあらかじめ書き込んでおくことで、加算器70は省略することができる。
【0044】
本発明に係る関数発生器6(図5)では、交流電源電圧の瞬時値の2乗値が第1メモリー61に書き込まれ、これを反転アドレスで読み出して累積加算し、第1TB64では0.5乗(平方根)を出力し、このデータが第2メモリー68に書き込まれて出力されるので、出力はその瞬時位相角でサイリスタが点弧した場合の電圧の実効値であり、第2TB65や第3TB66では更に2.7乗や2.3乗の補正を行った後の実効値が出力される。
【0045】
図10及び図11は、以上の動作を波形図の上で半サイクル間を表したもので、図10は交流電源電圧の波形が正弦波の場合で、図11は電源電圧の波形に歪を含んでいる場合である。
図10において波形122は交流電源電圧で関数発生器に供給される電圧波形である。波形123は2乗器52(図5)の出力で、この波形がA/D変換されて第1メモリー61に格納される。波形124は第1メモリー61に格納されたデータを反転アドレスで読み出し、累積加算機能を持ったレジスタ62(図5)の出力をアナログ的に表したもので、この出力をアドレスとして、調光特性データテーブルの第1TB64、第2TB65または第3TB66(図5)を読み出したデータが、波形125(電圧リニア)、波形126(2.7乗),波形127(2.3乗)であり、これらのデータを第2メモリー68(図5)に格納して、第1カウンタ57(図5)で読み出し、各調光特性の関数波形Fuを得ることができる。
【0046】
図11において波形128は歪を有する電源電圧で、波形129は2乗器の出力である。2乗器の出力は、デジタルデータに変換された後、第1メモリー61に格納され、累積加算機能を持ったレジスタ62の出力が波形130で示されている。調光特性データテーブルを読み出したデータが波形131(電圧リニア)、波形132(2.7乗)、波形133(2.3乗)であり、このデータが第2メモリー68に格納され、第1カウンタ57で読み出され、電源電圧の歪波形に対する位相補正された、各調光特性の関数波形Fuを得ることができる。
本発明に係る関数発生器(図5)を備えた調光装置の調光特性は、電源電圧の歪の如何によらず、電源電圧の波形が変動した場合にも、点弧位相角が変化し、半サイクル間の遅れで図7に示した理想的な特性を示し、劇場の舞台照明やTVスタジオの演出照明に支障を来たすことがない。
【0047】
本発明に係る関数発生器として、図5で示した方式以外にも、種々の方式が考えられる。その一例を図12に示す。図12において図5と同じ符号を付した部品や部分は同一の作用効果を持つため詳細な説明は省略する。
図12の関数発生器においては、入力の交流電源電圧の瞬時値をA/D変換器53でデジタル信号に変換し、データテーブル第0TB72で2乗データを得る。カウンタ73は1個で、同期信号発生器22の論理が「1」の期間中は高速の第2クロック58のクロック信号を計数し、論理が「0」の期間中は低速の第1クロック56のクロック信号を計数するように論理回路が構成されている。また、カウンタ73の出力は、同期信号発生器の論理が「0」の期間中に上記の2乗データを第1メモリー61に書き込み、論理が「1」の期間中に反転アドレスで読み出すように論理回路が構成されている。
第1メモリー61から読み出された2乗データは累積加算機能を持ったレジスタ62で累積加算されて、この信号をアドレスとして調光特性データテーブル第1TB64、第2TB65、または第3TB66に書き込まれたデータが読み出され、同期信号発生器22の出力が論理「1」の期間中に第2メモリー68に書き込まれ、論理「0」の期間中に読み出され、D/A変換器69でアナログ値に変換されて関数発生器の出力となる。
【0048】
これらの構成によれば、本発明の関数発生器を論理回路素子を使用して実現することも、ワンチップマイクロコンピュータを使用して実現することも可能である。また、入力及び出力のみを三相用の三系統とし、内部のデータ処理としては、CPU処理により同時に行い、三相用関数発生器とすることも可能である。
【0049】
次に、本発明の関数発生器を備えた調光装置の構成例を図1に示す。図1において関数発生器6は、図5または図12に示すものを用いる。そのほかの部品は、従来の調光装置を説明したときと同様である。
図1において1は調光装置の電源部で、一般に三相4線式変圧器であり、変圧器の出力電力は電源線路2を通じて調光装置3に供給される。この電源線路2には大容量のケーブルやバスダクトが使われるが、当然、この電源線路2には線路抵抗とインダクタンスが存在し、受電端の調光器入力電圧には線路電流に基づく電圧降下を生じる。
【0050】
図1の4は調光装置の主幹過電流遮断器でその2次側は個々の調光器本体5に接続される。
調光器本体5には、R相、S相、T相の電源に同期した関数発生器6の出力(Fu)と外部操作器9(一般には照明操作卓と呼ばれる。)の出力を制御出力分配器7で各調光器本体5に分配された制御入力(Vin)が接続され、調光器本体5の出力は調光装置の出力端子から照明灯8に接続され、照明灯の明るさは個々に調光される。
【0051】
調光器本体5は、図2に示したものを用いる。調光器本体5の内部構成を図2に示す。図2において11は調光器の交流電源で、過電流遮断器12、逆並列に接続されたサイリスタ素子13、14及びリアクタ16が負荷照明灯8に直列に接続され、サイリスタ素子13、14による位相角電力制御によって負荷照明灯8に供給する電力が制御され調光動作が行われる。CRアブゾーバ15がサイリスタ素子13、14に並列に接続され、サージ電圧がサイリスタ素子13、14に印加された場合、これを吸収してサイリスタ素子を保護する。また、リアクタ16はサイリスタ素子13、14の点弧に伴う急峻な電流の立上りを抑制して、劇場やTVスタジオに併設される音響機器へのノイズ障害などを低減する。
【0052】
調光器本体5の制御信号入力(Vin)と関数信号入力(Fu)はコンパレータ(比較器)17で比較され、制御信号入力Vinの電圧値が関数信号入力Fuの瞬時値を超えた時、コンパレータ17の出力端子に出力電圧を生じ、フォトトライアック18が導通してサイリスタ素子13、14を点弧位相角制御する。
【0053】
この動作の詳細を図6の波形図に示す。 図6において波形101は電源波形で波形102は後述する同期信号発生器の出力で電源波形が瞬時値の0V近傍を通過する毎に発生する同期信号である。波形103は代表的な関数信号で、電源に同期し、同期信号を含んでいる。
【0054】
いま、制御信号入力(Vin)を0Vから上昇して行くとVin1のとき、位相角α1で関数信号波形の瞬時値を超え、この位相角α1でコンパレータ17の出力によりフォトトライアック18が導通し、サイリスタ素子13、14が導通を開始し、調光器本体5の出力電圧波形は波形107となる。更に制御信号入力(Vin)をVin2、Vin3、Vin4と連続的に上昇して行くと、サイリスタ素子13、14の点弧位相角はα2、α3、α4と減少して行き、出力電圧波形は波形106、波形105、波形104となって、出力電圧も連続的に上昇して行き調光動作が行われる。 従って調光器本体5の制御信号入力に対する出力電圧の調光特性は関数信号波形によって定まり、この関数信号波形を変化させることによって、調光特性を任意に変化させることができる。
【0055】
図7は各種の調光特性の例で、横軸は制御信号入力で0Vから10Vまで変化させた場合の出力電圧と白熱灯照明器具の照度を縦軸の%目盛りで表示している。 図7で108は電圧リニアの特性で、白熱灯の照度は印加電圧の3.38乗に比例するところから照度は111で示すようになる。
【0056】
劇場の舞台照明では制御信号入力に対する照度の特性が2.7乗のとき、視感覚の点から使いやすいとされ、2.7乗の照度特性は112となり、この特性を得るための出力電圧は2.7/3.38=0.8乗から109の電圧特性となる。また、TVスタジオでは照度が暗い範囲の明かりは使用できないため、照度特性は113の2.3乗特性が多用され、2.3/3.38=0.68乗から110の電圧特性となる。これらの調光特性は関数波形を目的に応じて選択することで達成できる。
【0057】
図4は関数発生器に組み込まれる同期信号発生器22の一例で、11は交流電源、35は交流電源電圧に含まれる切込みなどの高調波電圧を除去するためのフィルタ回路、36は同期信号のパルス幅を調整する可変抵抗器、37は光アイソレータでその出力は交流電源電圧瞬時値が0V近傍で光アイソレータの一次側電流が0となるので、二次側には電源電圧に同期した出力が得られる。38はプルアップ抵抗、39は同期パルスを整形するシュミット回路IC、40は論理を合わせるためのインバータICである。
なお、この同期信号発生器22には出願番号 2005-302927「調光装置用同期検出回路及び調光装置」で提案された同期信号発生器を使用することが望ましく、より高性能の同期信号が得られる。
【0058】
このように調光装置3に供給される交流電源電圧を検出し、交流電源電圧瞬時値の0V近傍で同期信号を発生する同期信号発生器22を設け、この同期信号の論理が「0」の期間中に交流電源電圧の瞬時値の2乗値データを第1メモリー61に書き込み、論理が「1」の期間中に第1メモリー61のデータを反転したアドレスで読み出して、加算機能を持ったレジスタ62で累積加算し、このレジスタ62の出力をアドレスとして、調光特性データテーブル64,65,66を読み出し、論理「1」の期間中に第2メモリー68に書き込み、論理「0」の期間中に第2メモリー68のデータを読み出して出力することを特徴とする関数発生器を使用し、この関数発生器の出力電圧と外部操作器から供給される調光信号電圧をコンパレータ17で比較して、調光信号電圧が関数信号を超えた時、点弧信号を発生し、サイリスタ素子13,14を位相制御することによって、調光装置3に供給される電源電圧の電圧値や波形歪みの変動に対して、安定な調光器出力電圧を照明灯に供給できる。
【0059】
以上のように、本発明は、調光装置に供給される電源電圧が変動したりその波形が歪んでも、調光器の出力電圧が変化しないように、関数発生器の関数波形が電源の歪みに応じて交流電源の半サイクルごとに電圧の実効値を出力して自動的に変化し、サイリスタの点弧位相角を調整するため、調光装置の出力電圧の変化が少なく、結果として照明の明るさの変化を少なくできる。その作用効果を図13で具体的に説明する。
【0060】
図13において、波形133は歪みのない正弦波電源であり、この場合の2.3乗特性の関数波形を波形135に示す。 波形134は歪みがある電源電圧で、このように電源電圧が歪んだ場合の関数波形は波形136に自動的に変化する。これらの関数波形を調光器本体に入力し、調光操作を行った場合、調光入力信号をVin0からVin1(25%)、Vin2(50%)、Vin3(75%)に上昇して行くと、電源電圧に歪みがない関数波形135の場合にはサイリスタの点弧位相角が、α10、α20、α30と進んで行くが、電源電圧に歪みがある場合の関数波形136では、α1X、α2X、α3Xとなってサイリスタの点弧位相角が更に進み、この動作によって調光器本体の出力電圧値は補正され、図7に示したような理想的な調光特性が得られる。そのため、本発明によれば、劇場の舞台照明やTVスタジオの照明の進行に支障を来たさない照明効果が期待できる。
【0061】
なお、本発明に係る関数発生器(図5、図12)を使用した調光装置では、供給電源電圧の変動や波形歪みに対して、制御は半サイクル間の遅れが生じるが、主な照明灯が比較的容量の大きな白熱電球であることから、その熱慣性のため、制御の半サイクルの遅れは問題とはならない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る調光装置の一例である。
【図2】図1の調光機本体の詳細図である。
【図3】図1の関数発生器の従来のものの例である
【図4】図1の同期信号発生器の詳細図である。
【図5】本発明に係る関数発生器の一例である。
【図6】電源が歪みを有しない場合の関数発生器を使用した調光器の動作を示すものである。
【図7】各種の調光特性を示すものである。
【図8】電源電圧の正常な正弦波と歪波形の例を示すものである。
【図9】電源歪による調光特性の誤差の例を示すものである(2.7乗特性)。
【図10】電源が正弦波である場合の本発明に係る関数発生器の動作を示すものである。
【図11】電源が歪波形である場合の本発明に係る関数発生器の動作を示すものである。
【図12】本発明に係る関数発生器の他の例である。
【図13】本発明の効果を示すものである
【符号の説明】
【0063】
1:電源部
2:電源線路
3:調光装置
4:過電流遮断器
5:調光器本体
6:関数発生器
7:制御信号分配器
8:白熱灯
9:外部操作器
11:交流電源
51:電源トランス
52:2乗器
53:A/D変換器
55:インバータ
56:第1クロック
57:第1カウンタ
58:第2クロック
59:第2カウンタ
60:インバータ
61:第1メモリ
62:レジスタ
63:エッジ検出器
64:第1テーブル
65:第2テーブル
66:第3テーブル
67:特性切替器
68:第2メモリ
69: D /A変換器
70:加算器
71:出力端子
72:第0テーブル
73:カウンタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調光装置に供給される交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し論理が「1」となる同期信号を発生する同期信号発生器と、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に交流電源電圧の瞬時値の2乗値データが書き込まれる第1メモリーと、
前記同期信号の論理が「1」の期間中に第1メモリーのデータを反転したアドレスで読み出して累積加算するレジスタと、
前記2乗値データと調光装置の出力電圧とを対応させた調光特性データテーブルと、
前記レジスタの出力をアドレスとして前記データテーブルに書かれた調光特性を読み出し前記同期信号の論理が「1」の期間中に前記調光装置の出力電圧が書き込まれる第2メモリーとを備え、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に第2メモリーのデータを読み出して出力することにより、交流電源電圧の半サイクルごとに所望の調光特性を持った電圧の実効値を出力することを特徴とする調光装置に用いられる関数発生器。
【請求項2】
調光装置に供給される交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し論理が「1」となる同期信号を発生する同期信号発生器と、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に電源電圧の瞬時値データが書き込まれる第1メモリーと、
前記同期信号の論理が「1」の期間中に第1メモリーのデータを反転したアドレスで読み出して該データを2乗した値を累積加算するレジスタと、
前記累積加算した2乗値データと調光装置の出力電圧とを対応させた調光特性データテーブルと、
前記レジスタの出力をアドレスとして前記データテーブルに書かれた調光特性を読み出し前記同期信号の論理が「1」の期間中に前記調光装置の出力電圧が書き込まれる第2メモリーとを備え、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に第2メモリーのデータを読み出して出力することにより、交流電源電圧の半サイクルごとに所望の調光特性を持った電圧の実効値を出力することを特徴とする調光装置に用いられる関数発生器。
【請求項3】
前記関数発生器をワンチップマイクロコンピュータで構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の調光装置に用いられる関数発生器。
【請求項4】
交流電源電圧に同期した関数発生器の波形と制御信号の比較によりサイリスタの点弧位相角を決定し負荷へ供給する電力を制御する調光装置において、請求項1から3のいずれか一項に記載した関数発生器を備えたことを特徴とする調光装置。
【請求項5】
調光装置に供給される交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し論理が「1」となる同期信号を発生するステップと、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に電源電圧の瞬時値の2乗値データを第1メモリーに書き込むステップと、
前記同期信号の論理が「1」の期間中に第1メモリーのデータを反転したアドレスで読み出して、加算機能を持ったレジスタで累積加算するステップと、
前記レジスタの出力をアドレスとして、調光特性データテーブルを読み出し、前記同期信号の論理が「1」の期間中に第2メモリーに書き込むステップと、
前記同期信号の次の論理が「0」の期間中に第2メモリーのデータを読み出すステップと
を含むことにより、交流電源電圧の半サイクルごとに所望の調光特性を持った電圧の実効値を出力することを特徴とする関数発生器を備えた調光装置の調光方法。
【請求項1】
調光装置に供給される交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し論理が「1」となる同期信号を発生する同期信号発生器と、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に交流電源電圧の瞬時値の2乗値データが書き込まれる第1メモリーと、
前記同期信号の論理が「1」の期間中に第1メモリーのデータを反転したアドレスで読み出して累積加算するレジスタと、
前記2乗値データと調光装置の出力電圧とを対応させた調光特性データテーブルと、
前記レジスタの出力をアドレスとして前記データテーブルに書かれた調光特性を読み出し前記同期信号の論理が「1」の期間中に前記調光装置の出力電圧が書き込まれる第2メモリーとを備え、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に第2メモリーのデータを読み出して出力することにより、交流電源電圧の半サイクルごとに所望の調光特性を持った電圧の実効値を出力することを特徴とする調光装置に用いられる関数発生器。
【請求項2】
調光装置に供給される交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し論理が「1」となる同期信号を発生する同期信号発生器と、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に電源電圧の瞬時値データが書き込まれる第1メモリーと、
前記同期信号の論理が「1」の期間中に第1メモリーのデータを反転したアドレスで読み出して該データを2乗した値を累積加算するレジスタと、
前記累積加算した2乗値データと調光装置の出力電圧とを対応させた調光特性データテーブルと、
前記レジスタの出力をアドレスとして前記データテーブルに書かれた調光特性を読み出し前記同期信号の論理が「1」の期間中に前記調光装置の出力電圧が書き込まれる第2メモリーとを備え、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に第2メモリーのデータを読み出して出力することにより、交流電源電圧の半サイクルごとに所望の調光特性を持った電圧の実効値を出力することを特徴とする調光装置に用いられる関数発生器。
【請求項3】
前記関数発生器をワンチップマイクロコンピュータで構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の調光装置に用いられる関数発生器。
【請求項4】
交流電源電圧に同期した関数発生器の波形と制御信号の比較によりサイリスタの点弧位相角を決定し負荷へ供給する電力を制御する調光装置において、請求項1から3のいずれか一項に記載した関数発生器を備えたことを特徴とする調光装置。
【請求項5】
調光装置に供給される交流電源電圧瞬時値の0V近傍を検出し論理が「1」となる同期信号を発生するステップと、
前記同期信号の論理が「0」の期間中に電源電圧の瞬時値の2乗値データを第1メモリーに書き込むステップと、
前記同期信号の論理が「1」の期間中に第1メモリーのデータを反転したアドレスで読み出して、加算機能を持ったレジスタで累積加算するステップと、
前記レジスタの出力をアドレスとして、調光特性データテーブルを読み出し、前記同期信号の論理が「1」の期間中に第2メモリーに書き込むステップと、
前記同期信号の次の論理が「0」の期間中に第2メモリーのデータを読み出すステップと
を含むことにより、交流電源電圧の半サイクルごとに所望の調光特性を持った電圧の実効値を出力することを特徴とする関数発生器を備えた調光装置の調光方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−34175(P2008−34175A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−204500(P2006−204500)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(390032573)丸茂電機株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(390032573)丸茂電機株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
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