説明

関節を備えた床側面整列装置

開示されているのは、床側面整列装置のうち、特に隣接する床材同士の隙間を架橋するものについてである。前記床側面整列装置は、ベース形状部(1)と、少なくとも1つの横方向に突出したカバー翼(12、13)が備えられたカバー形状部(3)と、ベース形状部(1)とカバー形状部(3)との間の接続部としての役割を果たすウェブ部材(2)と、継ぎ目装置(7、8)とを含んでいる。前記継ぎ目装置は、ベース形状部(1)、または、カバー形状部(3)に設けられた受け口(7)と、回動可能なウェブ部材(2)の下端、または、上端に形成される継ぎ目部材(8)とから成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床側面整列装置に関するものであり、請求項1および2によれば、特に2つの隣接する床材同士の継ぎ目を架橋する床側面整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
床用の継ぎ目架橋装置が、DE19951516A1に開示されており、例えば、継ぎ目のどちらか一方の側の高さが異なる寄木張りの床において、継ぎ目を架橋することを可能にする。この公知の継ぎ目架橋装置は、ほぼL字型のベース形状部(profile)から成り、床にネジ留めされ、2つの側部が継ぎ目内を上方に延びている。横に突出した2つのカバー翼を有するカバー形状部が継ぎ目を覆うように配置されて架橋され、取り付けられた状態においてカバー翼は隣接する床材を覆うように位置し、異なる高さの床材に弾力的に適合可能である。公知の継ぎ目架橋装置によれば、カバー形状部とベース形状部との間にウェブ部材(web arrangement)が備えられ、上記ウェブ部材はカバー形状部をベース形状部に対して横向きにガイドする。このため、ウェブ部材は、その下側に、長手方向に延びてベース形状部の2つの側部を取り囲む2つのウェブを有している。ウェブ部材は、上側にも、カバー形状部の下側に設けられた2つのウェブによって包み込まれる2つのウェブを有しており、ベース形状部に対するカバー形状部の横向きの動きが保証され、それにもかかわらず、ベース形状部に対してカバー形状部の高さを調節することが可能である。ベース形状部へのカバー形状部の装着は、ここでは、ネジまたはスナップ式連結部によって行われている。
【0003】
この公知の3部から成る継ぎ目架橋装置によれば、両側の異なる高さの床材に適合させる場合、カバー形状部のカバー翼のうち、1つまたは両方を曲げることは不可欠である。隣接する床材間を架橋できる高さの差異は、それゆえ、相対的に制限される。本発明は、序文で述べたタイプの継ぎ目架橋装置を、互いに隣接する床材間の高さのより大きな差異も架橋できるように改良する目的に基づいている。
【発明の開示】
【0004】
本発明は請求項1の特徴によって実現され、他の実施例においては、請求項2の特徴によって実現される。
【0005】
本発明は、関節装置を有する床側面整列装置を備えることについての一般的な技術の教示を含んでおり、大きく異なる厚さの差を有する床材間に継ぎ目を架橋する場合、カバー形状部は、カバー形状部のカバー翼を曲げることなく、どんなに特別大きな程度であろうと、薄い床材の側へ傾くことができる。
【0006】
ここで、上記関節装置は、カバー形状部とウェブ部材間、ウェブ部材とベース形状部間のうち、両方もしくはどちらか一方に、任意に備えられてよい。好ましくは、カバー形状部とウェブ部材間の結合は固定的であり、ウェブ部材とベース形状部間の結合は関節を成すように、規定の回動軸が備えられている。
【0007】
上記関節装置は、ベース形状部またはカバー形状部上に配置された関節腔と、ウェブ部材上に配置された関節要素とから成ることが好ましい。しかしながら、関節装置がウェブ部材上に配置された関節腔と、カバー形状部またはベース形状部上に配置された関節要素とから成ることも可能である。
【0008】
上記関節要素は、例えば、部分的に円筒型の形をしており、相応する形状を持ち部分的に中空円筒型の関節腔に係合する。しかしながら、関節要素が部分的に球型であり、部分的に中空球型あるいは部分的に中空円筒型の関節腔に係合することも可能である。唯一の重大なファクターは、形や大きさに関して、回動する関節結合が形成されるように関節要素が関節腔に適合することである。
【0009】
好ましい実施形態においては、関節腔がベース形状部の2つの側部の間に形成され、これら側部は継ぎ目内を上方に延び上がっている。関節腔と関節要素の間の結合はスナップ固定、解除の両方またはいずれか一方が可能なように設計されてもよく、取り付け中に関節要素が簡単に関節腔の中に押し込まれる、または横に押入れられる。これはベース形状部がそれ自身で取り付けられるという利点を提供し、続いてウェブ部材の装着のみを行えばよいので、それにより取り付けがかなり簡単になる。
【0010】
少なくとも一つのベース面が関節要素上に形成され、少なくとも一つの反対面が関節腔上に形成されることは有利である。これにより、関節要素が関節腔の中に安定して保持されるため、容易な取り付けが実現される。しかし、一方で、カバー形状部を、異なる高さの継ぎ目の側面エッジに適用した場合、容易に回動可能となる。
【0011】
ストップ面またはストップエッジが、ベース形状部の上記側部の長手方向のふちに形成され、反対面がウェブ部材の割り当てられた外側の面上に形成されることは有利である。これにより、関節要素が誤って関節腔の外へと回転して外れることを防ぐ。
【0012】
さらに、本発明の好ましい実施形態においては、ウェブ部材に対するカバー形状部の高さ調整可能な横方向の動きがもたらされている。このため、カバー形状部は、その下側に継ぎ目にまで及び、ウェブ部材の上側に配置され上方へと延びる2つのウェブを横に包み込む2つのウェブを有しており、カバー形状部の2つのウェブの間の内側の距離は、好ましくは、カバー形状部がスライドしてウェブ部材に対して高さ調整できるように、ウェブ部材のウェブ間の外側の距離と同じである。ここで、ウェブ部材へのカバー形状部の装着は、例えば、カバー形状部の2つのウェブの間にある孔を挿通するネジであって、ウェブ部材の2つのウェブの間に形成されたネジ溝に係合するネジを用いて行われる。
【0013】
この代わりに、カバー形状部のウェブ部材への装着は、ウェブ部材のウェブの外側とカバー形状部のウェブの内側とに配置され、それぞれ互いにふたつ一組で係合するスナップ方式の手段によっても実現できる。
【0014】
特に、長手方向に延びるくぼみか、少なくとも開口部が、カバー形状部の2つのウェブの間の下側と、取り付けられた状態においてウェブ部材の2つのウェブが下方への高さ調整機能を拡大するように係合できるウェブ部材のウェブの上方側とに設けられる場合、有利になる。
【0015】
既に上述したとおり、ベース形状部は、好ましくは、継ぎ目内を上方に延び、その間に関節腔が形成される2つの側部を備えている。ここで、特に、カバー形状部の2つのウェブがウェブ部材の2つのウェブを横に包み込んだ場合、有利であり、関節腔の幅とベース形状部の側部の間の外側の距離とが、カバー形状部の2つのウェブの間の内側の距離と同じまたは小さい結果、要求されれば、カバー形状部は可能な限り下方へ押されることができる。
【0016】
ベース形状部のL字型のデザインによれば、カバー形状部の2つの下方へ延びるウェブが異なる長さの場合、有利である。なぜなら、そうでない場合、ベース形状部の水平側部の上方に位置するカバー形状部のウェブは、下方への高さ調整機能を、勝手に早々と制限してしまうからである。カバー形状部の2つのウェブの長さの差は、それゆえ、好ましくは、ベース形状部の水平方向の側部品の厚さと同じである。
【0017】
ベース形状部に対するカバー形状部の横向きの回転範囲は、好ましくは、360°の完全な円に関して±20°の範囲内である。しかし、より大きい、または、より小さい回転角であってもよい。
【0018】
さらに、有利な実施形態は2つの関節溝の配置から成り、2つの関節溝は、異なる高さレベルにおいて、互いに隣接して位置し、溝の一つはベース上に形成される。ベース形状部の端に、より高く関節溝を設けることは有益であるが、他の実施形態は、より低い関節溝をベース形状部の外側に形成し、より高い関節溝を、より中心寄りの内側に設けるような備えとしてもよい。
【0019】
さらに、本発明は継ぎ目架橋形状部について上述した用途に制限されるものではないと言える。実際、本発明はステア(stair)エッジ形状部やコーナーエッジ形状部の骨組みにおいても利用可能である。
【0020】
本発明の他の有利なさらなる発展は、サブクレームにおいて特徴づけられ、また、本発明に係る実施形態の好ましい例についての図を用いた説明とともに以下により詳細に記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
異なる取り付け状態について図1aから図1cに示される継ぎ目架橋装置は3つの部分に形成され、基本的にベース形状部1、ウェブ部材2、およびカバー形状部3から成る。
【0022】
ベース形状部1は、基本的にL字型にデザインされ、ネジ(図示せず)を用いて床にネジ留めされる水平側部4を有している。さらに、ベース形状部1は、継ぎ目内を上方に延びる2つの側部5、6を有し、それらの間には部分的に中空円筒型の関節腔7が形成される。関節腔7には、ウェブ部材2の下方に形成されて部分的に円筒の関節要素8が係合し、ウェブ部材2がベース形状部1に対して回動可能となっている。
【0023】
さらに、ウェブ部材2は、その上側に、上方に延びる2つの平行側部9、10を有しており、その間には、ネジ(図示せず)に対応するネジ込み溝11が形成され、そして、カバー形状部3をウェブ部材2にネジ留めするためのカバー形状部3の孔(図示せず)を用いることによって実現される。
【0024】
従来の技術においては、カバー形状部3は、取り付けられた状態において、隣接する床材を覆って隣接する床材との間の高さの差を平らにするために簡単に曲げることができる2つのカバー翼12、13を有している。2つのカバー翼12、13は、それぞれ、それらの上面に、カバー形状部3上で滑るのを防ぐためのひだを有している。
【0025】
カバー形状部3の下側には、取り付けられた状態においてウェブ部材2の側部9、10を両端から包み込む2つのウェブ14、15が配置されている。そして、これにより、カバー形状部3がウェブ部材2に対して回転するのを防いでいる。カバー形状部3が有する2つのウェブ14、15間の内側の距離は、それゆえ、ウェブ部材の2つの側部9、10間の外側の距離とほとんど同じであり、カバー形状部3はウェブ部材2に対して高さ調整をしながら横方向に動かすことができる。
【0026】
カバー形状部3の下側に2つのウェブ14、15の間にあって、ウェブ部材2の側部9、10の上方には、部材の下方への高さ調整機能を拡張するネジ溝形状のくぼみ16が配置されている。
【0027】
さらに、カバー形状部3の2つのウェブ14、15は長さが異なる。それゆえ、カバー形状部3のウェブ14は、ウェブ14がベース形状部1の水平側部4に早々と置かれるのを防ぐため、ベース形状部1の水平側面部4の厚さの分だけ短くなっている。
【0028】
好ましい実施形態においては、ベース形状部1の2つの側部5、6間の外側の距離はウェブ部材の2つの側部9、10間の外側の距離とほとんど同じであり、回動性能を無視する場合、カバー形状部3のウェブ14がベース形状部1の水平側部4上に位置する程度まで、カバー形状部3は押し下げられ、カバー形状部3のウェブ15は直接、床上に位置する。
【0029】
図2aから図2cに示される継ぎ目架橋装置は上述した図1aから図1cに図示された継ぎ目架橋装置と大部分で一致しており、以下では、同じ参照番号が用いられ、大部分で上記記載が参照される。
【0030】
図2aから図2cにおいて図示される継ぎ目架橋装置の特別な特徴は、基本的に、すでに下方へと傾いているカバー形状部3のカバー翼13から成る。それゆえ、この継ぎ目架橋装置は、特に、右側において、より薄い床材が用いられる架橋継ぎ目に適している。
【0031】
図3aから図3cに図示されるコーナーエッジ形状部装置は、大部分において、図1aから図1cに図示した上述の継ぎ目架橋装置に一致しており、以下では、同じ参照番号が用いられ、前記記載が参照される。
【0032】
図3aから図3cに図示されるコーナーエッジ形状部装置の特別な特徴は、基本的に、片側にカバー翼12のみを有するカバー形状部3から成るが、カバー形状部3の反対側には、ウェブ15が、例えば部屋内部の垂直な壁に対して位置することができる制限面を形成している。
【0033】
図4aと図4bに、本発明のさらなる実施形態が図示されている。この実施形態によれば、詳細Iの拡大図に示されているように、少なくとも1つのベース面18、18’が関節要素8上に形成されている。対応する反対面17、17’が関節腔7に形成されている。このデザインによれば、フィットした状態では、ウェブ部材2は安定した位置が与えられる。反対に、ウェブ部材2が、固定点20を回転軸または関節点として傾くことはもちろん可能である。このため、関節腔を形成している溝と関節要素とは対応する形状をしている。実施形態の例において示されているように、ベース面17、17’は基本的に屋根の形状をしている。屋根の棟は、実質的に円形の関節要素8の中心に実質的に位置する。しかしながら、ベース面17、17’と対応する反対面18とを水平面として設計することも可能である。ベースおよび反対両面を、上記中心を通る水平面以外の水平面に設定することは、その分野の専門家の裁量である。
【0034】
一つの改良においては、関節要素の角度に対して関節腔8の屋根の角度は小さくてもよい。これによっては安定性は得られないが、ウェブ部材の良好な回動性能を得る。
【0035】
図示された実施形態によれば、ウェブ部材の下方の外周表面は、実質的には水平面の形状である。傾動の範囲は、ベース形状部またはウェブ部材のそれぞれの表面のストップ面21と22によって制限され、ストップ面は少なくとも部分的には下方の水平な上記外周表面によって形成されている。
【0036】
図4aでは、自由な側部9、10の上方の領域において、傾斜突起19がウェブ部材2上に形成されている。図4bは、概略的に、カバー形状部3がウェブ部材2上に正常に置かれた場合、傾斜突起19に起因して、配置されている部品である側部9と14の互いに向かい合う壁の間に形成する隙間Sを図示している。この傾斜突起19は、特定の角度でカバー形状部3が内側へ傾動することを可能にする。傾動は、隙間Sを通り抜けてカバー形状部3の側部14がウェブ部材2の下方の領域にぶつかるまで発生する。同時に、図面の左上に位置するウェブ部材2のエッジ19’がウェブ15の内側の壁15’にぶつかる(詳細II参照)。これにより、2つの部品は傾いてネジ留めによりこの位置を保つ。
【0037】
図5から図7において、ベース形状部1とウェブ部材2の断面図が示されている。ウェブ部材2とベース形状部3の間にはストップが形成されており、その効果はウェブ部材の傾動を制限することである。ストップはストップ面22、22’、ウェブ部材、およびベース形状部の側部5、6の自由端上に配置されるストップ面21、21’によって形成される(図6)。関節要素の中心点と関連して、ストップ面の角度位置がこのようにして回動の程度を決定する。
【0038】
図7aから図7cは、ウェブ部材2の右側(図7a)と左側(図7c)の極端な位置として選ばれ得る角度位置を概略的に示している。図7bは通常の直立した状態の位置にあるウェブ部材2を示している。関節腔と関節要素の寸法は軽いクランプ留めがなされるように設計され、ウェブ部材2は位置の組合せに関係してあらかじめ定まる慣性を有する。このようにすることで、カバー形状部3は、ネジが挿入される前にウェブ部材2が外れることを心配することなく、簡単に取り付けられる。
【0039】
図8aから図8cには、本発明に係る床側面整列装置の実施形態の次の例が図示されている。この実施形態によれば、伸張部24がカバー形状部のウェブ14、15上に形成され、好ましくはウェブ14、15のどちらか1つまたは両方の下方の端に沿って規定の長さに形成される。
【0040】
ベース形状部4の対応する部分に、伸張部24を差し込むことができる収納部25が備えられている。図8aは、カバー形状部3がウェブ部材2の上に置かれた組み立て状態を示している。ここでウェブ部材2は、ほぼ垂直に上方へと延びている。
【0041】
図8bは、装着状態のカバー形状部を示しており、最も深い位置に斜めに置かれている。伸張部24は、ここで、収納部25に差し込まれている。傾いた状態であっても、収納部25は伸張部を収容するのに十分に広いことがわかる。
【0042】
図8cは、反対側に傾いた位置における床側面を示している。右側のウェブは、この図面においては伸張部24とともに備えられているが、ウェブ部材2のストップ面21がベース形状部の側部6上の反対面22に対してぶつかるまで、カバー形状部がさらに右側に傾いた場合であっても対応する収納部25に差し込めることがわかる。
【0043】
図9は、シングルウェブ26がカバー形状部3上に配置される実施形態の次の例を示している。シングルウェブ26はネジ孔の領域において非連続であり、ネジ溝27が形成されている。ネジ溝27は、余裕をもってネジが回し入れられるような比率である。シングルウェブ26はネジ込み溝11の中に滑り込ませて挿入できる。
【0044】
図10は、図9に係る実施形態のさらなる発展を示している。この実施形態によれば、伸張部24はシングルウェブ26の下方の端に形成されている。これらの伸張部24は、挿入高さをより大きくできる。すなわち、ベース形状部1とカバー形状部3の間の最大距離を大きくできる。伸張部24は、シングルウェブ26に沿って予め定められた一定の間隔で形成され、ここで場合によっては、好ましい実施形態はネジ溝27を下方において架橋する伸張部24からなる。このようにして、カバー形状部3の特別高い安定性が得られる。
【0045】
下方の端に、ウェブ部材は、伸張部24がウェブ部材2を通りウェブ部材2の外へ出ることを可能とする収納部25’を底部に有する。ベース形状部1はウェブ部材2の下に収納部25とともに備えられ、これらの収納部25の幅は突起部24を収納するのに十分である。ベース形状部1における収納部25の長さは、あらかじめ定められた長さLBに及ぶ。長さLBは、突起部24の長手方向の長さLVとウェブ部材2上にある関節要素8の長手方向の拡張部分LGの範囲によって構成される。長さLBは、それゆえ、カバー形状部3に沿ったシングルウェブ26上の突起部24の距離に対しての長さでもある。このタイプの装置を用いて、溝11の中に突起部24を有するウェブ26を挿入し、突起部4と突起部24の隣に位置する関節要素部分とが収納部25の中にうまく納まるようにこのあらかじめ組み立てられたユニットをベース形状部1上に設置することが可能である。カバー形状部はこのとき右へ押され、関節要素8が横から関節腔7の中へ差し込まれる。突起部24の深さは、突起部24の下方の端24’がベース形状部1の収納部25の下方の端25’と同一平面になるまで収納部25を貫通するように選ばれる。このとき横方向の動きは、突起部24が関節腔7の下の面端7’に対してぶつかるため、長さLGに制限される。
【0046】
図10aは、個々の要素が組み合わせられる位置にある分解組立図におけるベース形状部1、ウェブ部材2、およびカバー形状部3の構成要素を示しており、挿入後に、矢印Aの方向へ押しこまれる。図10bは組み立てられた形状部の断面の概略図である。ウェブ26はベース形状部の下方の端に対してぴったりくっついて位置していることがわかる。この実施形態によれば、ウェブ26の厚さと関節腔7の上部の挿入点の隙間が互いに予め定められた関係を有している必要は無い。しかしながら、図11に図示されている実施形態の例は、図10に図示されている実施形態の改良であり、ウェブ26が伸張部24とともに上端が開いている関節腔7に挿入され、要求に応じて左または右に押し込めるように設計されている。ウェブ部材2の収納部25’、すなわち関節要素8が除去されて突起部24の自由な通過が可能となる部分、だけが長さLVを有している。同様に、ウェブ部材は、関節要素8が形成される長さLGの部分が備えられている。ベース形状部には、ウェブ部材2のLG部分が挿入される関節腔領域7に切欠または収納部25が形成される。ウェブ26の厚さ、そして突起部24の厚さもまた、関節腔7の開口部Dの隙間より小さいため、突起部24は関節腔の中に入る。もし、ウェブ部材が上述したように位置していれれば、要求に応じて、左または右に押される。
【0047】
図12には、中心部が下方の端に関節要素8が形成されているシングルウェブ26’から成る床側面整列装置の次の実施形態が図示されている。ウェブ26’は取り付けネジ(図示せず)をねじ込むネジ孔またはネジ込み溝11’を規定の距離離れて有している。カバー形状部3の構造は基本的に図1の実施形態の例に係るカバー形状部に一致する。しかし、ウェブ14とウェブ15の間の距離は単一のウェブ26の厚さに適合している。ネジ孔またはネジ込み溝11’は予め定められた量までウェブの中に延びている。
【0048】
この実施形態によれば、伸張部24は側部14と15上に形成されてもよい。これらは対応する収納部25の中へと延び、関節腔の部分は除去されている。
【0049】
中心部2の挿入を容易にするために、収納部25’によって予め定められた範囲においてウェブ26の下の関節要素8が除去され、関節要素部分8’が残る。収納部25によれば、これらの関節要素部分8’はベース形状部上に置かれ、関節腔部分7’へと横方向に押し込まれる。この実施形態によれば、ベース形状部1の中へのウェブ部材2の挿入の後、カバー形状部は伸張部24が備わっている場合ウェブ部材2と共に横方向へ押し込めない。容易な取り付けを可能にするため、突起部24に対して予め定められた寸法の関係にあるシングルウェブに複数の孔または溝11’が備わるように準備がなされる。
【0050】
図13は、床側面整列装置の特に簡単な実施形態を示している。ここでは、ウェブ14と15とが省かれている。ネジ11”だけがウェブ部材2の溝11の中にねじ込まれている。所望の安定性を得るために、床側面整列装置のこの実施形態によれば、前述した実施形態の例について必要としたよりも多くの数のネジが単位長さあたりに用いられる。
【0051】
図14aから図14cにおいては、本発明に係る床側面整列装置の実施形態の次の例が図示されている。この実施形態によれば、ベース形状部は互いに隣接し異なる高さの面に配置されている2つの関節腔溝29と30を有している。図14aにおいて、ウェブ部材2は、ベース28上に形成されている上側の関節腔溝30に設置される。材料の節約に関する理由により、ベース28は領域28’において材料の節約がもたらされる橋型に形成されてもよい。図14bはウェブ部材2が下側の関節腔溝29に設置されている装置を示している。この実施形態においてもベース形状部1に形成されている収納部25に相応して挿入できる伸張部24がウェブ14と15に形成できることは自明である。この実施形態の例についてベース形状部とウェブ部材が簡単な配置と横への押し込みによって組み立てられるように設計できることもまた自明である。この実施形態の例についてもまた、カバー形状部3とウェブ部材2との間の傾き角を可能にする傾斜突起19が備えられてもよい。
【0052】
本発明は上記で開示した好ましい実施形態の例に制限されない。実際には、たくさんの変形、改良、および異なる実施形態において記載された個々の詳細の組合せが考えられ、それらは本発明の裏側にある思想も利用しており、保護範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1a】3部からなる回動継ぎ目架橋形状部である。
【図1b】3部からなる回動継ぎ目架橋形状部である。
【図1c】3部からなる回動継ぎ目架橋形状部である。
【図2a】3部からなる回動継ぎ目架橋形状部の他の実施形態の例である。
【図2b】3部からなる回動継ぎ目架橋形状部の他の実施形態の例である。
【図3a】3部からなる回動コーナーエッジ形状部である。
【図3b】3部からなる回動コーナーエッジ形状部である。
【図3c】3部からなる回動コーナーエッジ形状部である。
【図4a】ベース形状部−ウェブ部材の組合せの次の実施形態の変形例である。
【図4b】ベース形状部−ウェブ部材の組合せの次の実施形態の変形例である。
【図5】ウェブ部材の実施形態の側断面図である。
【図6】関節腔を備えたベース形状部の断面図である。
【図7a】異なる回動位置における図5および図6の要素の組み立て断面図である。
【図7b】異なる回動位置における図5および図6の要素の組み立て断面図である。
【図7c】異なる回動位置における図5および図6の要素の組み立て断面図である。
【図8a】カバー形状部の拡張されたウェブとベース形状部の収納部を備えた図1aから図1cの実施形態に係る3部から成る継ぎ目架橋形状部である。
【図8b】カバー形状部の拡張されたウェブとベース形状部の収納部を備えた図1aから図1cの実施形態に係る3部から成る継ぎ目架橋形状部である。
【図8c】カバー形状部の拡張されたウェブとベース形状部の収納部を備えた図1aから図1cの実施形態に係る3部から成る継ぎ目架橋形状部である。
【図9】カバー形状部上にシングルウェブを備えた次の実施形態の例である。
【図10a】ウェブ部材上に形成された短い伸張部を備えたシングルウェブによるさらなる実施形態の例である。
【図10b】ウェブ部材上に形成された短い伸張部を備えたシングルウェブによるさらなる実施形態の例である。
【図11a】ウェブ部材上に形成された拡大された伸張部を備えたシングルウェブによるシングルウェブによるさらなる実施形態の例である。
【図11b】ウェブ部材上に形成された拡大された伸張部を備えたシングルウェブによるシングルウェブによるさらなる実施形態の例である。
【図12】ウェブ部材上のシングルウェブとウェブ部材上に形成されたシングルウェブによるさらなる実施形態の例でる。
【図13】ウェブのないカバー形状部によるさらなる実施形態の例である。
【図14a】一つ以上の関節面による次の実施形態の例である。
【図14b】一つ以上の関節面による次の実施形態の例である。
【図14c】一つ以上の関節面による次の実施形態の例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に隣接する2つの床材間の架橋用の床側面整列装置であって、
ベース形状部(1)と、
少なくとも1つの横に突出したカバー翼(12、13)を有するカバー形状部(3)と、
ベース形状部(1)とカバー形状部(3)との間の結合部としてのウェブ部材(2)と、
関節装置(7、8)とを備えており、
関節装置(7、8)は、ベース形状部(1)またはカバー形状部(3)上に配置された関節腔(7)と回動するウェブ部材(2)の下端または上端に形成された関節要素(8)とを含んでいる床側面整列装置。
【請求項2】
特に隣接する床材間の架橋用の床側面整列装置であって、
ベース形状部(1)と、
少なくとも1つの横に突出したカバー翼(12、13)を有するカバー形状部(3)と、
ベース形状部(1)とカバー形状部(3)との間の結合部としてのウェブ部材(2)と、
ウェブ部材(2)上に形成された関節腔(7)とカバー形状部(3)またはベース形状部(1)上に配置された関節要素(8)とから成る関節装置(7、8)とを備えている床側面整列装置。
【請求項3】
クレーム1または2に記載の床側面整列装置であって、
関節要素(8)が少なくとも部分的に円筒型で、関節腔(7)は少なくとも部分的に中空円筒型であることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項4】
クレーム1または2に記載の床側面整列装置であって、
関節要素(8)が少なくとも部分的に球型で、関節腔(7)は少なくとも部分的に中空球型あるいは部分的に中空円筒型であることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項5】
クレーム1から5のいずれか1項に記載の床側面整列装置であって、
ベース形状部(1)は、間に関節腔(7)が形成されている上方に延びる2つの側部(5、6)を備えていることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項6】
クレーム1から5のいずれか1項に記載の床側面整列装置であって、
関節要素(8)上に少なくとも1つのベース面(17、17’)が形成され、関節腔(7)上に少なくとも1つの反対面(18、18’)が形成されていることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項7】
クレーム6に記載の床側面整列装置であって、関節腔(7)の中にベース面(17、17’)が急勾配の屋根のように形成され、対応して関節要素(8)上に反対面(18、18’)が形成されていることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項8】
クレーム1から7のいずれか1項に記載の床側面整列装置であって、
ストップ面(21、21’)が側部(5、6)のそれぞれの側に形成され、反対面(22、22’)がウェブ部材(2)上に形成されていることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項9】
クレーム1から7のいずれか1項に記載の床側面整列装置であって、
ストップ面(21、21’)がそれぞれ側部(5、6)の長手方向のふちに形成され、反対面(22、22’)がウェブ部材(2)の割り当てられた外側の面に形成されていることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項10】
クレーム1から9のいずれか1項に記載の床側面整列装置であって、
ウェブ部材(2)が間に溝(11)を形成している平行する2つのウェブ(9、10)を有し、カバー形状部(3)もまた外側からウェブ(9、19)を包み込む2つのウェブ(14、15)を有していることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項11】
クレーム1から9のいずれか1項に記載の床側面整列装置であって、
ウェブ部材(2)が間に溝(11)を形成している平行する2つのウェブ(9、10)を有し、カバー形状部(3)は上記溝(11)の中に挿入されるウェブ(26)を有していることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項12】
クレーム1から9のいずれか1項に記載の床側面整列装置であって、
ウェブ部材(2)はウェブ(26)を有し、カバー形状部(3)は互いに離れて外側からウェブ(26)を包み込む2つの平行なウェブ(14、15)を有していることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項13】
クレーム9または12のいずれかに記載の床側面整列装置であって、
ネジ用のネジ込み溝(11)として、少なくとも部分的において、ウェブ部材(2)の2つの側部(9、10)の間に溝が形成され、ネジが貫通する少なくとも1つの孔がカバー形状部(3)に設けられていることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項14】
クレーム9または12のいずれかに記載の床側面整列装置であって、
カバー形状部(3)は複数の孔が備えられ、それらを用いることによってネジを用いてネジ込み溝(11)にカバー形状部(3)がねじ込まれることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項15】
クレーム11に記載の床側面整列装置であって、
カバー形状部(3)のウェブ(14、15)と中心形状部(2)の側部(9、10)とが密接に組み合わさっていることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項16】
クレーム10または11のいずれかに記載の床側面整列装置であって、
カバー形状部(3)のウェブ(14、15)とウェブ部材(2)のウェブ(9、10、26)は相互のスナップ式の締結のためのスナップオン手段を有することを特徴とする床側面整列装置。
【請求項17】
クレーム8から12のいずれか1項に記載の床側面整列装置であって、
中心形状部(2)の側部(9、10)の上方にあるカバー形状部(3)の下側に、長手方向に延びる溝型のくぼみ(16)、または、少なくとも1つの開口/収納部(25)が形成されていることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項18】
前記クレーム11から14のいずれか1項に記載の床側面整列装置であって、
ベース形状部(1)における関節腔(7)の隙間Dはウェブ部材(2)の2つのウェブ(9、10)間の内側の距離よりも大きいことを特徴とする床側面整列装置。
【請求項19】
前記クレームのいずれか1項に記載の床側面整列装置であって、
ベース形状部(1)は略L字型であり、略水平側部(4)と
略垂直側部(5、6)とを有することを特徴とする床側面整列装置。
【請求項20】
前記クレームのいずれかに1項に記載の床側面整列装置であって、
カバー形状部(3)の2つの下方に延びるウェブ(14、15)のうち少なくとも1つが互いに隔てられた伸張部(24)達を有し、それに対してベース形状部(1)に形成された収納部(25)達が配置されていることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項21】
前記クレームのいずれかに1項に記載の床側面整列装置であって、
ウェブ部材(2)上とベース形状部(1)上に、関節装置(7、8)の領域において、収納部(25’、25)が部分的に形成され、その寸法は、上方の関節要素(8、7)のLG部分が下方の関節要素(7、8)の2つの部分の間の収納部(25)に挿入されるように選ばれることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項22】
クレーム17に記載の床側面整列装置であって、
ベース形状部(1)の水平側部(4)の厚さにほぼ対応する長さの差が、カバー形状部(3)の2つのウェブ(14、15)の間に与えられていることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項23】
前記クレームのいずれか1項に記載の床側面整列装置であって、
ベース形状部に対するカバー形状部(3)の側方への回動領範囲が、360度の完全な円に関して±20度であることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項24】
前記クレームのいずれか1項に記載の床側面整列装置であって、
継ぎ目架橋形状部、ステアエッジ形状部、または、コーナーエッジ形状部の形態における設計を特徴とする床側面整列装置。
【請求項25】
クレーム1から20のいずれか1項に記載の床側面整列装置であって、
関節腔(7)と関節要素(8)との間の結合が解除可能であることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項26】
クレーム1から25のいずれか1項に記載の床側面整列装置であって、
一方では互いに割り当てられたウェブ部材(2)の少なくとも1つの側壁上に、他方ではカバー形状部(3)のウェブ(14、15)上に、傾斜突起部(19)が形成されていることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項27】
クレーム1から26のいずれか1項に記載の床側面整列装置であって、
ベース形状部(1)上に関節腔の代わりに、2つの関節溝(29、30)が、異なる高さレベルで形成されていることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項28】
クレーム27に記載の床側面整列装置であって、
2つの関節溝(29、30)の間に所望の破損継ぎ目(breakage seam)が形成されていることを特徴とする床側面整列装置。
【請求項29】
クレーム27または28に記載の床側面整列装置であって、
上側の関節溝はベース(28)上に配置されていることを特徴とする床側面整列装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13】
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【図14a】
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【図14b】
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【図14c】
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【公表番号】特表2007−509260(P2007−509260A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535967(P2006−535967)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/010456
【国際公開番号】WO2005/049938
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(506139897)ヘルム.フリードル.キューネ ゲーエムベーハー ウント コンパニー (2)
【Fターム(参考)】