説明

関節型駆動機構

【課題】小さな作動音で、対象物を確実に把持することが出来る、新規な構造の関節型駆動機構を、軽量コンパクトに実現して、提供することにある。
【解決手段】関節型駆動機構10において、アーム部材18,20を支軸22,26周りの一方向に駆動する第一の駆動手段38と、アーム部材18,20を支軸22,26周りの他方向に駆動する第二の駆動手段40として、何れも、誘電体エラストマーからなる誘電膜44の両面に電極層46a,46bを形成した誘電体素子42を用いて形成された電歪アクチュエータを採用すると共に、第一の駆動手段38と第二の駆動手段40におけるバネ定数を相互に異ならせた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばロボットの腕や指等に適用される、関節型駆動機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばロボットの腕や指等に適用される関節型駆動機構がある。この関節型駆動機構は、アーム部材が支軸を中心として揺動可能とされた構造を有しており、電気モータ等の駆動手段によってアーム部材が揺動せしめられるようになっている。例えば、特許文献1(特開2003−89087号公報)に記載されているのが、それである。
【0003】
この特許文献1に記載の関節型駆動機構では、電気モータの動力がワイヤによって各アーム部材に伝達されることにより、複数のアーム部材が揺動せしめられるようになっている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の関節型駆動機構では、折曲側への駆動手段のみが設けられており、かかる駆動手段の駆動力がワイヤによって伝達されるようになっていることから、アーム部材の折曲状態からの伸展駆動が迅速且つ正確には実現され難い。また、駆動手段として電気モータを用いると、電気モータへの非通電時には、電気モータのディテントトルクがワイヤを介してアーム部材に及ぼされる。それ故、例えば特許文献1の関節型駆動機構をロボットハンドの指に適用すると、対象物を把持する際にコンプライアンスの調節が難しく、対象物をその形状や硬さに応じて確実且つ柔軟に掴み、把持状態を安定して維持することは困難であった。
【0005】
なお、駆動手段として空気圧や油圧を利用することも考えられるが、空気圧や油圧を利用して充分に大きな駆動力を発揮させようとすると、大型化が問題となり易く、人型ロボット等に適用し得る軽量コンパクトな関節型駆動機構を実現することは難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−89087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、静粛な作動で、対象物を確実且つ柔軟に掴むことが出来る、新規な構造の関節型駆動機構を、軽量コンパクトに実現して、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0009】
すなわち、本発明は、支軸周りでアーム部材が揺動駆動される関節型駆動機構において、アーム部材を支軸周りの一方向に駆動する第一の駆動手段と、アーム部材を支軸周りの他方向に駆動する第二の駆動手段として、何れも、誘電体エラストマーからなる誘電膜の両面に電極層を形成した誘電体素子を用いて形成された電歪アクチュエータを採用すると共に、第一の駆動手段と第二の駆動手段におけるバネ定数を相互に異ならせたことを特徴とする。
【0010】
本発明に従う構造とされた関節型駆動機構においては、アーム部材の支軸周りでの揺動駆動を実現する駆動手段として、アーム部材に対して揺動方向一方の側への駆動力を及ぼす第一の駆動手段と、揺動方向他方の側への駆動力を及ぼす第二の駆動手段が設けられている。それ故、アーム部材が、それら第一,第二の駆動手段によって、揺動方向の両側に迅速且つ正確に揺動駆動される。
【0011】
しかも、第一の駆動手段のバネ定数と、第二の駆動手段のバネ定数とを、相互に異ならせることにより、アーム部材の支軸周りでの揺動において、一方向への駆動力と、他方向への駆動力とを、相互に異ならせることが出来る。これによれば、例えば、ロボットのハンド等に本発明を適用する場合に、指を曲げる側で大きな駆動力を発揮させて、把持対象物を確実に掴ませることが出来る。
【0012】
また、第一の駆動手段及び第二の駆動手段として、何れも電歪アクチュエータが採用されていることにより、アーム部材に外力が及ぼされた場合に、電歪アクチュエータの弾性に基づくコンプライアンス性が有効に発揮される。それ故、例えば、複数のアーム部材によって対象物を掴む際に、対象物の強度が小さい場合にも破壊することなく、対象物の形状に応じた適当な力で掴むことが出来る。
【0013】
また、第一の駆動手段及び第二の駆動手段として、何れも電歪アクチュエータが採用されている。それ故、アーム部材の駆動時に、第一,第二の駆動手段から作動音が生じるのを回避することが出来て、静粛性の向上を実現することが可能である。
【0014】
しかも、誘電体素子を用いて形成された電歪アクチュエータは、軽量且つコンパクトに形成することが可能であることから、関節型駆動機構の軽量化や小型化を有利に実現することが出来る。
【0015】
また、本発明に係る関節型駆動機構においては、第一の駆動手段及び第二の駆動手段を構成する電歪アクチュエータが、初期状態において何れも駆動力伝達経路方向に延伸されていることが望ましい。
【0016】
これによれば、第一の駆動手段を構成する誘電体素子の弾性と、第二の駆動手段を構成する誘電体素子の弾性とによって、アーム部材に支軸回りの両方向に向かって付勢力が及ぼされる。かかる付勢力によって、電圧を印加しない初期状態においてアーム部材のがたつきが防止される。
【0017】
また、本発明に係る関節型駆動機構では、第一の駆動手段及び第二の駆動手段の少なくとも一方において、電歪アクチュエータと並列的に外部付勢手段が設けられている構成が、好適に採用される。
【0018】
これによれば、アーム部材を外部付勢手段で付勢することにより、第一の駆動手段及び第二の駆動手段によるアーム部材の揺動駆動を補助することが出来て、例えば、アーム部材による対象物の把持を、より安定して実現することが出来る。なお、外部付勢手段としては、特に限定されるものではないが、第一の駆動手段又は第二の駆動手段に付勢力を及ぼすコイルスプリング等や、アーム部材に対して揺動方向の付勢力を及ぼすトーションスプリング等のバネ手段が、好適に採用される。また、外部付勢手段は、第一駆動手段及び第二の駆動手段の何れか一方に対して並列に設けられていても良い。
【0019】
また、本発明に係る関節型駆動機構では、第一の駆動手段及び第二の駆動手段の少なくとも一方において、電歪アクチュエータの複数が並列的に設けられている構成が、好適に採用される。
【0020】
これによれば、並列的に設けられた複数の電歪アクチュエータによって、アーム部材の揺動駆動をより効果的に生ぜしめることが出来る。特に、印加電圧の制御によってバネ定数を調節可能な電歪アクチュエータの複数が、並列的に設けられていることにより、各電歪アクチュエータのバネ定数を適当に制御することで、アーム部材の揺動駆動をより高度にコントロールすることも可能となる。なお、第一駆動手段及び第二の駆動手段の何れか一方が、並列に設けられた複数の電歪アクチュエータで構成されていても良い。
【0021】
また、本発明に係る関節型駆動機構においては、第一の駆動手段及び第二の駆動手段において、電歪アクチュエータが誘電体素子の複数を積層させた構造とされており、第一の駆動手段における誘電体素子の積層方向が動力伝達経路方向に対して直交せしめられていると共に、第二の駆動手段における誘電体素子の積層方向が動力伝達経路方向に対して平行とされていても良い。
【0022】
これによれば、第一の駆動手段における印加電圧の制御と、第二の駆動手段における印加電圧の制御を、単一の制御とすることが出来る。即ち、積層構造の電歪アクチュエータでは、電圧の印加によって積層方向での収縮と積層方向に直交する面方向での伸展が生ぜしめられる。それ故、第一の駆動手段と第二の駆動手段において誘電体素子の積層方向が互いに直交せしめられることにより、電圧の印加時又は印加停止時に、駆動力伝達経路方向において、第一の駆動手段と第二の駆動手段の何れか一方が伸長せしめられると共に、何れか他方が収縮せしめられる。それ故、同一の電圧印加タイミングによって、アーム部材の揺動駆動を有効に実現することが出来る。
【0023】
また、本発明に係る関節型駆動機構においては、アーム部材の複数が前記支軸によって直列的に連結されていても良い。
【0024】
これによれば、例えば、ロボットハンドにおける指部等の多関節型駆動機構に本発明に従う構造の関節型駆動機構を適用して、軽量化や小型化、電歪アクチュエータの弾性を利用したコンプライアンス性の付与、高精度且つ高出力な作動等を、何れも有効に実現することが出来る。
【0025】
また、上記の如き多関節型駆動機構に本発明を適用する場合には、第一の駆動手段及び第二の駆動手段から少なくとも二つのアーム部材に駆動力を伝達する駆動力伝達機構が設けられていても良く、第一の駆動手段及び第二の駆動手段の駆動力によって、特別な電気的制御を必要とすることなく、複数のアーム部材を連動して揺動駆動させることが出来る。なお、駆動力伝達機構としてワイヤを用いれば、駆動力伝達機構における異音の発生を防止することが出来ると共に、特別な制御を必要とすることなく、各アーム部材の揺動変位量を外力に応じて相違させることが出来て、対象物の保持を容易に実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第一の実施形態としてのロボットハンドをモデル的に示す説明図であって、(a)が指部の伸展状態を、(b)が指部によって対象物を掴んだ状態を、それぞれ示す。
【図2】同ロボットハンドの要部をモデル的に示す説明図であって、電圧の非印加状態を示す。
【図3】同ロボットハンドの要部をモデル的に示す説明図であって、電圧の印加状態を示す。
【図4】同アクチュエータの配設状態をモデル的に示す斜視図であって、(a)が第一のアクチュエータを示すと共に、(b)が第二のアクチュエータを示す。
【図5】同ロボットハンドのアクチュエータを構成する誘電体素子の断面をモデル的に示す説明図であって、(a)が非通電時を示すと共に、(b)が通電時を示す。
【図6】本発明の第二の実施形態としてのロボットハンドの要部をモデル的に示す説明図。
【図7】本発明の別の一実施形態としてのロボットハンドを構成する電歪アクチュエータの横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0028】
先ず、図1には、本発明に従う構造とされた関節型駆動機構の第一の実施形態として、ロボットハンド10が概略的に示されている。ロボットハンド10は、高剛性の部材とされた掌部12と、掌部12に取り付けられた指部14とを、含んで構成されている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、図1〜3における上下方向を言うものとする。
【0029】
より詳細には、ロボットハンド10は、図1の(a)に示されているように、一対の指部14,14が掌部12の上下両端部に対して揺動可能に取り付けられた構造とされている。そして、図1の(b)に示されているように、一対の指部14,14が揺動駆動されることにより、対象物16がそれら一対の指部14,14の間で掴まれるようになっている。
【0030】
指部14は、図2,図3に示されているように、それぞれ長手状とされたアーム部材としての第一の指片18及び第二の指片20を、直列的に連結した構造を有している。また、第一の指片18の第二の指片20と反対側の端部が掌部12に対して取り付けられている。
【0031】
また、第一の指片18は、第一の指片18の長手方向と略直交する方向(図2における紙面直交方向)に延びる支軸としての第一の揺動軸22によって、掌部12に対して揺動可能に連結されており、それら第一の指片18と掌部12との連結部分が第一の関節部24とされている。更に、第一の指片18と第二の指片20は、第一の揺動軸22と略平行に延びる支軸としての第二の揺動軸26によって、相対的に揺動可能な態様で直列的に連結されており、それら第一の指片18と第二の指片20との連結部分が第二の関節部28とされている。
【0032】
また、第一,第二の指片18,20には、一対の指部14,14の対向側となる揺動方向一方の端部に、ガイドピン30が取り付けられている。ガイドピン30は、第一の揺動軸22及び第二の揺動軸26と略平行に設けられており、指部14の長さ方向で互いに離隔して複数が配されている。なお、掌部12にも同様のガイドピン30が設けられており、第一の指片18の揺動方向一方の端部に沿った位置に配されている。
【0033】
また、第二の指片20の先端側(第一の指片18と反対側)の端部には、固定片32が設けられている。固定片32は、略板状とされており、第一,第二の揺動軸22,26と平行且つ第二の指片20の長手方向に対して略直交する方向に広がっている。
【0034】
また、固定片32には、駆動力伝達機構を構成する第一のワイヤ34と第二のワイヤ36の一方の端部が取り付けられている。第一のワイヤ34は、ガイドピン30によって案内されて、第一,第二の指片18,20に沿って延びており、第一,第二の指片18,20の揺動方向一方の側に配されている。第二のワイヤ36は、第一,第二の揺動軸22,26によって案内されて、第一,第二の指片18,20に沿って延びており、第一,第二の指片18,20の揺動方向他方の側に配されている。要するに、第一のワイヤ34と第二のワイヤ36は、揺動方向に所定距離を隔てて並列に設けられている。
【0035】
ここにおいて、第一のワイヤ34の他方の端部に第一の駆動手段としての第一のアクチュエータ38が取り付けられていると共に、第二のワイヤ36の他方の端部に第二の駆動手段としての第二のアクチュエータ40が取り付けられている。第一,第二のアクチュエータ38,40は、何れも、図4に示されているように、誘電体素子としての誘電体シート42の複数を積層させた構造の電歪アクチュエータとされている。誘電体シート42は、図5に示されているように、誘電体エラストマーで形成された誘電膜44の両面に電極層46a,46bが形成された構造を有している。なお、図4,5,後述する図7においては、構造の理解を容易とするために、誘電体シート42,誘電膜44,電極層46の厚さ寸法や変形量等を誇張して示す。また、図4においては、(a)が第一のアクチュエータ38を、(b)が第二のアクチュエータ40を示す。
【0036】
誘電膜44は、誘電体エラストマーによって形成された矩形薄膜形状を有している。誘電体エラストマーとしては、例えば、シリコンエラストマー、アクリルエラストマー、ポリウレタン、ニトリル系ゴム、水素添加ニトリル系ゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、熱可塑性エラストマー、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を含んだ共重合体、フルオロエラストマー、シリコン成分およびアクリル成分を含む共重合体、シリコンエラストマーおよびアクリルエラストマーを含んだポリマーブレンド等が適宜に採用可能である。なお、誘電膜44は、高い電圧が印加されることから、絶縁破壊強度の大きいものを採用することが望ましい。本実施形態においては、誘電膜44は、シリコーンゴムから形成されている。また、誘電膜44の厚さは特に限定されるものではなく、要求される伸縮量等に応じて適宜に決定され得る。例えば、第一,第二のアクチュエータ38,40の小型化、低電位駆動化、および変形量を大きくする等の観点からは誘電膜44の厚さ寸法は小さい方が好ましく、この場合には、絶縁破壊強度等をも考慮して、誘電膜44の厚さは、好適には1μm以上1000μm(1mm)以下、より好適には5μm以上200μm以下とされる。
【0037】
電極層46a,46bは、後述する誘電膜44の伸縮に応じて伸縮可能であることが望ましい。電極層46a,46bとしては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等の導電性カーボンに、バインダーとしてオイルやエラストマーを混合したペーストまたは塗料から電極を形成することが好ましい。バインダーとなるエラストマーとしては、例えば、シリコーンゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、ヒドリン系ゴム、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム等の柔軟なものが好適に採用され得る。また、誘電膜44の伸縮性をより有利に確保するために、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等の導電性微粉体を、誘電膜44の表面に直接付着させて電極を形成しても良い。本実施形態においては、電極層46a,46bは、カーボンブラックパウダーを誘電膜44の両面の略全体に塗布することによって形成されている。
【0038】
このような構造とされた誘電体シート42は、電極層46a,46bが直流電源48およびスイッチ50と電気的に接続される。そして、図5(a)に示す電圧印加前の状態から、図5(b)に示すように、電極層46a,46bに直流電圧(以下、単に電圧とする)を印加すると、両電極層46a,46b間の静電引力によって、誘電膜44が膜厚方向(図5中、上下方向)に圧縮される。これにより、誘電膜44の膜厚が小さくなる。そして、膜厚が小さくなるのに応じて、誘電膜44の面が広くなる。従って、誘電膜44が電極層46a,46bと共に伸張せしめられて、誘電体シート42が面の広がり方向に伸張せしめられる。
【0039】
一方、図5(a)に示すように、電極層46a,46bへの印加電圧を除去すると、誘電膜44の膜厚方向に作用せしめられていた圧縮力が解除される。これにより、誘電膜44自身の復元力によって、誘電膜44の膜厚が大きくなる。そして、膜厚が大きくなるのに応じて、誘電膜44の面が小さくなる。従って、誘電膜44が電極層46a,46bと共に収縮せしめられて、誘電体シート42が面の広がり方向で収縮せしめられることとなる。
【0040】
そして、このような構造とされた誘電体シート42の複数が、誘電膜44と電極層46a,46bの重ね合わせ方向で積層されることにより、第一,第二のアクチュエータ38,40が形成されている。特に本実施形態においては、電極層46a、誘電膜44、電極層46b、誘電膜44、電極層46aの順で厚さ方向に積層されており、積層方向で隣り合う誘電体シート42,42の間で、電極層46a又は電極層46bが共通して用いられている。
【0041】
また、第一のアクチュエータ38には、第一のワイヤ34の他方の端部が取り付けられていると共に、第二のアクチュエータ40には、第二のワイヤ36の他方の端部が取り付けられている。そこにおいて、本実施形態では、図4に示されているように、第一のアクチュエータ38における複数の誘電体シート42の積層方向と、第二のアクチュエータ40における複数の誘電体シート42の積層方向が、互いに略直交する方向とされている。そして、第一のワイヤ34の張力が、第一のアクチュエータ38に対して、誘電体シート42の積層方向に直交する方向に及ぼされるようになっていると共に、第二のワイヤ36の張力が、第二のアクチュエータ40に対して、誘電体シート42の積層方向に直交する方向に及ぼされるようになっている。要するに、第一のアクチュエータ38における誘電体シート42の積層方向が、駆動力伝達方向である第一のワイヤ34の延出方向に対して直交せしめられていると共に、第二のアクチュエータ40における誘電体シート42の積層方向が、駆動力伝達方向である第二のワイヤ36の延出方向に対して平行とされている。
【0042】
かくの如き第一,第二のワイヤ34,36の第一,第二のアクチュエータ38,40への取付状態において、第一,第二のアクチュエータ38,40の伸縮変形に基づく駆動力が、第一,第二のワイヤ34,36の張力として第一,第二の指片18,20に伝達されるようになっている。即ち、電極層46a,46bへの電圧の印加前及び印加停止時には、第一のワイヤ34の経路方向における第一のアクチュエータ38の長さ寸法が小さくされると共に、第二のワイヤ36の経路方向における第二のアクチュエータ40の長さ寸法が大きくされる。これにより、第一,第二の指片18,20には、第一のワイヤ34の張力と第二のワイヤ36の張力との差に基づいて、折曲側への駆動力が及ぼされる。一方、電極層46a,46bへの電圧の印加時には、第一のワイヤ34の経路方向における第一のアクチュエータ38の長さ寸法が大きくされると共に、第二のワイヤ36の経路方向における第二のアクチュエータ40の長さ寸法が小さくされる。これにより、第一,第二の指片18,20には、第一のワイヤ34の張力と第二のワイヤ36の張力との差に基づいて、伸展側への駆動力が及ぼされる。
【0043】
その結果、図2に示されているように、電極層46a,46bに電圧を印加しない状態において第一,第二の関節部24,28で折り曲げられた指部14は、電極層46a,46bに電圧が印加されることにより、図3に示されているような伸展状態に切り替えられる。更に、電極層46a,46bへの電圧印加が停止されると、電圧印加によって伸ばされていた指部14は、図2に示されているような折曲状態に切り替えられる。
【0044】
なお、図中において必ずしも明らかではないが、本実施形態では、第一の指片18と第二の指片20の揺動方向での相対的な駆動量を制限するストッパ機構が設けられている。このストッパ機構としては、特に限定されるものではないが、例えば、第一の指片18に設けられた第一のストッパと、第二の指片20に設けられた第二のストッパとの当接によって、それら第一,第二の指片18,20の相対変位を制限する構造の他、第一,第二のワイヤ34,36の張力を利用して、それら第一,第二の指片18,20の相対変位を制限する構造等も採用され得る。好適には、第一の指片18と第二の指片20の相対的な揺動変位が、ストッパ機構によって弾性的に規制される。
【0045】
また、本実施形態では、電極層46a,46bに電圧を印加する前の初期状態において、第一,第二のアクチュエータ38,40には、第一,第二のワイヤ34,36の張力によって、駆動力伝達方向での初期延伸が施されている。これにより、第一,第二のワイヤ34,36の弛みが防止されて、第一,第二のアクチュエータ38,40の伸縮変形に基づく駆動力が、第一,第二のワイヤ34,36を介して第一,第二の指片18,20に速やかに且つ確実に伝達される。
【0046】
ここにおいて、第一のアクチュエータ38のバネ定数が、第二のアクチュエータ40のバネ定数よりも、大きく設定されている。これにより、第一のアクチュエータ38によって指部14に及ぼされる折曲側への駆動力:F1が、第二のアクチュエータ40によって指部14に及ぼされる伸展側への駆動力:F2よりも、大きくされている。
【0047】
また、第一のアクチュエータ38のバネ定数が、第二のアクチュエータ40のバネ定数よりも大きく設定されていることにより、電圧の印加停止による第一のアクチュエータ38の収縮変形量が、電圧印加による第二のアクチュエータ40の収縮変形量よりも、大きくされている。その結果、電圧印加の停止による第一のアクチュエータ38の収縮変形に基づいた第一,第二の指片18,20の揺動変位量が、電圧印加による第二のアクチュエータ40の収縮変形に基づいた第一,第二の指片18,20の揺動変位量よりも、大きくされている。
【0048】
このような本実施形態に従う構造のロボットハンド10では、指部14が、誘電体エラストマーからなる誘電膜44の伸縮を利用した第一,第二のアクチュエータ38,40によって屈伸駆動せしめられるようになっていることから、駆動時の静粛性を極めて高度に実現することが出来る。しかも、第一,第二のアクチュエータ38,40の駆動力が、第一,第二のワイヤ34,36によって、指部14に伝達されるようになっていることから、駆動力の伝達経路において異音が発生するのも防止されている。
【0049】
また、誘電体シート42で構成された第一,第二のアクチュエータ38,40は、軽量コンパクトに形成することが可能であり、第一,第二のアクチュエータ38,40の装着スペースを小さくすることが出来ると共に、ロボットハンド10全体の小型化を実現することが出来る。特に本実施形態では、第一,第二のアクチュエータ38,40の駆動力が、第一,第二のワイヤ34,36によって、第二の指片20に及ぼされることにより、第一の指片18と第二の指片20が互いに連動して駆動せしめられるようになっている。それ故、電歪アクチュエータの数を少なくすることが出来て、ロボットハンド10の更なる軽量化や小型化を実現することが出来る。
【0050】
また、第一,第二のワイヤ34,36によって第一,第二のアクチュエータ38,40の駆動力が伝達されることから、第一の指片18と第二の指片20が、特別な電気制御を必要とすることなく、互いに異なる適当な駆動量で連動して駆動される。それ故、第一の指片18と第二の指片20の揺動変位量を外力に応じて相違させて、対象物16の保持を容易に実現可能となる。
【0051】
また、指部14に対して折曲側への駆動力を及ぼす第一のアクチュエータ38と、指部14に対して伸展側への駆動力を及ぼす第二のアクチュエータ40が、それぞれ独立して設けられている。それ故、ロボットハンド10においては、指部14の伸縮両側への迅速且つ正確な駆動を実現することが出来る。しかも、電圧の印加停止時に、第一のアクチュエータ38が駆動力伝達経路方向で収縮すると共に、第二のアクチュエータ40が駆動力伝達経路方向で伸長するようになっている。それ故、対象物16の把持状態を非通電で維持することが出来て、電力消費量の低減を図ることも出来る。
【0052】
また、第一のアクチュエータ38のバネ定数と、第二のアクチュエータ40のバネ定数を相互に異ならせることにより、対象物16を掴む際に、指部14に対して折曲側に向かって大きな駆動力を及ぼすことが出来て、対象物16を確実に掴み、保持することが可能になると共に、指部14の折曲側への駆動変位量を大きく確保して、対象物16のサイズや形状の違いに幅広く対応することが出来る。
【0053】
また、ロボットハンド10では、第一のアクチュエータ38を構成する誘電体シート42の積層方向が、第一のワイヤ34の延出方向である駆動力伝達方向に対して直交する方向とされていると共に、第二のアクチュエータ40を構成する誘電体シート42の積層方向が、第二のワイヤ36の延出方向である駆動力伝達方向に対して平行な方向とされている。それ故、電圧印加時に、第一のアクチュエータ38が駆動力伝達方向において収縮せしめられると共に、第二のアクチュエータ40が駆動力伝達方向において伸長せしめられる一方、電圧印加停止時に、第一のアクチュエータ38が駆動力伝達方向において伸長せしめられると共に、第二のアクチュエータ40が駆動力伝達方向において収縮せしめられる。従って、電圧の印加と印加停止との制御を、第一のアクチュエータ38と第二のアクチュエータ40との間で共通化することが出来て、制御のタイムラグによる駆動効率低下等を防ぐことが出来る。
【0054】
次に、図6には、本発明に従う構造とされた関節型駆動機構の第二の実施形態であるロボットハンドの要部が示されている。なお、以下の説明において、前記第一の実施形態と実質的に同一の部材及び部位については、図中に同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
【0055】
より詳細には、第二の実施形態に係るロボットハンドにおいては、第一の駆動手段が、第一のアクチュエータ38と第三のアクチュエータ52によって構成されていると共に、第二の駆動手段が、第二のアクチュエータ40と第四のアクチュエータ54によって構成されている。第三,第四のアクチュエータ52,54は、第一,第二のアクチュエータ38,40と同様に、何れも複数の誘電体シート42を積層させた構造を有しており、積層方向が互いに直交する方向とされている。
【0056】
そして、第三のアクチュエータ52が、第三のワイヤ56を介して、第一のアクチュエータ38における第一のワイヤ34の取付側に連結されている。これにより、第一のアクチュエータ38と第三のアクチュエータ52の間でそれらの弾性に基づく引張力が及ぼされて、第一のアクチュエータ38及び第三のアクチュエータ52が電圧の印加されていない初期状態において延伸されている。
【0057】
一方、第四のアクチュエータ54が、第四のワイヤ58を介して、第二のアクチュエータ40における第二のワイヤ36の取付側に連結されている。これにより、第二のアクチュエータ40と第四のアクチュエータ54の間でそれらの弾性に基づく引張力が及ぼされて、第二のアクチュエータ40及び第四のアクチュエータ54が電圧の印加されていない初期状態において延伸されている。
【0058】
また、本実施形態では、掌部12と第一の指片18を連結する第一の揺動軸22と、第一の指片18と第二の指片20を連結する第二の揺動軸26に、外部付勢手段としてのトーションスプリング60が配設されている。これにより、第一の指片18と第二の指片20が、トーションスプリング60の付勢力によって、伸展側に向かって常時付勢されている。その結果、第一のアクチュエータ38は、電圧の印加されていない初期状態において、トーションスプリング60の付勢力によっても延伸されている。
【0059】
このような本実施形態に従う構造のロボットハンドでは、第三,第四のアクチュエータ52,54が、第一,第二のアクチュエータ38,40に対して補助的に機能することで、指部14をより効率的に駆動させることが出来る。具体的には、例えば、指部14の折曲状態からの伸展時に、第一のアクチュエータ38の伸長と第二のアクチュエータ40の収縮に加えて、第三のアクチュエータ52を伸長させると共に、第四のアクチュエータ54を収縮させる。これにより、第一,第二のアクチュエータ38,40の伸縮が、第三,第四のアクチュエータ52,54の伸縮によってサポートされて、指部14の伸展が、よりスムーズに且つ大きな変位と駆動力をもって実現される。また、各アクチュエータの伸縮を反転させることにより、指部14の折曲時にも、同様の効果を得ることが出来るのは言うまでもない。
【0060】
また、本実施形態では、トーションスプリング60によって指部14に伸展側への付勢力が常時及ぼされている。それ故、指部14の伸展駆動をより迅速に行うことが出来る。
【0061】
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0062】
例えば、前記第一,第二の実施形態では、第一,第二のアクチュエータ38,40が、何れも複数の誘電体シート42を積層した構造とされていたが、例えば、図7に示されているような筒形のアクチュエータ62を、第一,第二の駆動手段の少なくとも一方に採用して、電圧印加のオンとオフを切り替えることによる軸方向への伸縮を利用して駆動力を得ることも出来る。なお、筒形アクチュエータ62の複数を併設して一つの駆動手段を構成することも出来る。
【0063】
かかる筒形アクチュエータ62は、誘電体素子としての誘電体シート64を巻回して形成されている。誘電体シート64は、誘電体エラストマーで形成した誘電膜44の両面に電極層46a,46bが形成されると共に、一方の電極層46aの誘電膜44と反対側の面には絶縁層66が形成された積層構造を有している。絶縁層66としては、誘電体シート64が巻回された状態で、径方向で互いに隣接せしめられる電極層46aと電極層46b間の導通を防止し得るものであれば何等限定されるものではないが、電極層46a,46bの伸縮に応じて伸縮可能であるものが好適に採用される。例えば、シリコーンゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、ヒドリン系ゴム、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム等の柔軟なものが好適に採用される。更に、絶縁層66を、誘電膜44と同じ材質で形成すれば、より大きな駆動力を得ることが出来る。また、絶縁層66を誘電膜44と異なる材質で形成して、例えば絶縁層66を誘電膜44よりも誘電率や導電率の低い材料で形成することによって、より大きな絶縁性を得る等することも可能である。
【0064】
また、前記第一,第二の実施形態では、第一,第二のアクチュエータ38,40の駆動力が第一,第二のワイヤ34,36によって第二の指片20に伝達されることにより、第一,第二の指片18,20が連動して揺動せしめられるようになっているが、例えば、第一の指片18を揺動させるための電歪アクチュエータと、第二の指片20を揺動させるための電歪アクチュエータとが、個別に設けられていても良い。これによれば、各電歪アクチュエータのバネ定数や印加電圧の制御等を異ならせることにより、第一の指片18と第二の指片20を容易に独立作動させることが出来る。更に、ワイヤを用いた駆動力伝達機構に比べて、摩擦等による機械的なエネルギー損失を低減することが出来て、エネルギー効率の向上を図ることも出来る。なお、軽量コンパクトな電歪アクチュエータを用いることにより、複数の電歪アクチュエータが設けられた態様を有利に実現することが出来る。
【0065】
また、前記第一,第二の実施形態では、第一のアクチュエータ38における誘電体シート42の積層方向と、第二のアクチュエータ40における誘電体シート42の積層方向とが、互いに略直交せしめられているが、第一のアクチュエータにおける誘電体シート42の積層方向と、第二のアクチュエータにおける誘電体シート42の積層方向は、互いに略同一方向や直交以外の傾斜方向等でも良く、必ずしも直交していなくても良い。なお、このように同一方向や傾斜方向に積層されている場合には、例えば、第一のアクチュエータと第二のアクチュエータで電圧印加の制御を異ならせることにより、第一のアクチュエータの伸縮と第二のアクチュエータの伸縮が、前記第一,第二の実施形態と同様に逆位相で生ぜしめられる。
【0066】
また、前記第一,第二の実施形態では、第一の指片18と第二の指片20を揺動軸回りで揺動可能な態様で直列的に連結した構造が示されているが、本発明は、必ずしも前記実施形態に示された多関節型の駆動機構にのみ適用されるものではなく、例えば、第二の関節部を省略されたアーム部材を掌部等のベースに対して揺動可能に連結した構造を有する揺動アーム等の単関節型駆動機構にも適用可能である。また、本発明が多関節型の駆動機構に適用される場合には、関節部(揺動軸)の数は限定されるものではなく、3つ以上のアーム部材を支軸によって連結した構造であっても良い。
【0067】
また、前記第二の実施形態では、第一のアクチュエータ38に第三のアクチュエータ52が連結されていると共に、第二のアクチュエータ40に第四のアクチュエータ54が連結されているが、それら第三のアクチュエータ52と第四のアクチュエータ54は、何れか一方のみが設けられていても良い。
【0068】
また、前記第二の実施形態では、第三,第四のアクチュエータ52,54を設けた構造が示されているが、例えば、これら第三,第四のアクチュエータ52,54に代えて或いは加えて、外部付勢手段としてのコイルスプリングを予め圧縮又は延伸された状態で設けても良い。なお、コイルスプリングを第一,第二のアクチュエータ38,40のそれぞれに取り付ける場合には、それらコイルスプリングのバネ定数や予圧縮又は予延伸の量等を相違させて、コイルスプリングの弾性に基づく付勢力を互いに異ならせることが望ましい。また、コイルスプリングは、必ずしも一組が設けられていなくても良く、第一のアクチュエータ38と第二のアクチュエータ40の何れか一方にのみ連結されていても良い。
【0069】
また、第一,第二のアクチュエータ38,40の如き駆動手段は、必ずしもワイヤによって駆動力を伝達するように設けられていなくても良く、例えば、アーム部材に対して剛結されていても良いし、ギヤ機構等を介してアーム部材に駆動力を伝達するように設けられていても良い。要するに、第一,第二の駆動手段の駆動力がアーム部材に及ぼされるようになっていれば、第一,第二の駆動手段とアーム部材との連結構造は、特に限定されるものではない。また、第三,第四のアクチュエータ52,54の如き外部付勢手段も、必ずしもワイヤによって駆動力を伝達するように設けられていなくても良く、例えば、第一,第二の駆動手段やアーム部材に対して直接的に或いはギヤ機構を介して連結されていても良い。
【符号の説明】
【0070】
10:ロボットハンド、12:掌部、14:指部、18:第一の指片、20:第二の指片、22:第一の揺動軸、26:第二の揺動軸、34:第一のワイヤ、36:第二のワイヤ、38:第一のアクチュエータ、40:第二のアクチュエータ、42,64:誘電体シート、44:誘電膜、46:電極層、52:第三のアクチュエータ、54:第四のアクチュエータ、60:トーションスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支軸周りでアーム部材が揺動駆動される関節型駆動機構において、
前記アーム部材を前記支軸周りの一方向に駆動する第一の駆動手段と、該アーム部材を該支軸周りの他方向に駆動する第二の駆動手段として、何れも、誘電体エラストマーからなる誘電膜の両面に電極層を形成した誘電体素子を用いて形成された電歪アクチュエータを採用すると共に、該第一の駆動手段と該第二の駆動手段におけるバネ定数を相互に異ならせたことを特徴とする関節型駆動機構。
【請求項2】
前記第一の駆動手段及び前記第二の駆動手段を構成する前記電歪アクチュエータが、初期状態において何れも駆動力伝達経路方向に延伸されている請求項1に記載の関節型駆動機構。
【請求項3】
前記第一の駆動手段及び前記第二の駆動手段の少なくとも一方において、前記電歪アクチュエータと並列的に外部付勢手段が設けられている請求項1又は2に記載の関節型駆動機構。
【請求項4】
前記第一の駆動手段及び前記第二の駆動手段の少なくとも一方において、前記電歪アクチュエータの複数が並列的に設けられている請求項1乃至3の何れか一項に記載の関節型駆動機構。
【請求項5】
前記第一の駆動手段及び前記第二の駆動手段において、前記電歪アクチュエータが前記誘電体素子の複数を積層させた構造とされており、該第一の駆動手段における該誘電体素子の積層方向が動力伝達経路方向に対して直交せしめられていると共に、該第二の駆動手段における該誘電体素子の積層方向が動力伝達経路方向に対して平行とされている請求項1乃至4の何れか一項に記載の関節型駆動機構。
【請求項6】
前記アーム部材の複数が前記支軸によって直列的に連結されている請求項1乃至5の何れか一項に記載の関節型駆動機構。
【請求項7】
前記第一の駆動手段及び前記第二の駆動手段から少なくとも二つの前記アーム部材に駆動力を伝達する駆動力伝達機構が設けられている請求項6に記載の関節型駆動機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−207985(P2010−207985A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58306(P2009−58306)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】