説明

防塵フィルタ自動交換装置、防塵フィルタ自動交換方法およびプログラム

【課題】防塵フィルタを自動的に交換することができ、かつ、防塵フィルタの風の流路にまだ位置させていない使用部分の残量が所定の量以下になったことを管理者が能動的に調べなくても知ることを可能とする。
【解決手段】BMC15は、風量センサ13および温度センサ14からそれぞれ受け取った風量および温度差に基づいて、防塵フィルタ2の目詰まり状態を検知する。BMC15は、風量センサ13および温度センサ14から受け取った値が所定の境界条件を超えた場合に、防塵フィルタ2が目詰まりしていると判定し、上部モータ3および下部モータ4を動作させて、まだ風の流路に位置させていない防塵フィルタ2に交換する。また、BMC15は、上部モータ3の内部にストックしているまだ風の流路に位置させていない防塵フィルタ2の使用部分の残量が所定の量以下になったか否かを判定し、残量が所定の量以下になった場合、報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風の発生装置を備える機器の防塵フィルタを自動で交換する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
防塵フィルタの目詰まりを検知し、防塵フィルタを自動で交換する技術が存在する。
【0003】
たとえば、特許文献1は、吸気管内に発生させた吸気圧を圧力センサにより検出し、所要の設定吸気圧を保持するように制御する吸気圧制御装置を有する精紡機において、吸気圧が所要の警報設定値を越えて上昇し、かつ所要の遅延時聞を経過したことによりフィルタを交換すべく判定するフィルタ交換判定装置と、このフィルタ交換判定装置の交換指令によりフィルタを自動的に交換するフィルタオートチェンジャとを備えたことを特徴とする精紡機用吸気管フィルタ自動交換制御装置を開示している。
【0004】
特許文献2は、エアーフィルタの目詰まり状態を正確に把握してエアーフィルタを自動的に交換し、また目詰まり検出精度の向上をはかるエアーフィルタの自動交換装置を開示している。特許文献2の技術では、外気を取り入れ、装置内部の空気を清浄化するエアーフィルタは無端エンドレス状に形成され上下にベルト歯車を有する。エアーフィルタへの塵埃付着(目詰まり)に伴い風量計から送風機部の風量減少データが、またサーミスタから温度上昇に伴う抵抗値減少データが判定部に入り、予め設定したしきい値を超えたとき判定部はスイッチを動作させてモータ部に電源を供給しエアーフィルタ駆動部および歯車を動かす。これによりベルト歯車及びエアーフィルタが移動し、目詰まりしていないエアーフィルタの未使用部分が使用位置にきて自動的に交換が行われる。
【0005】
特許文献3は、フィルタに目詰まりが生じた場合には、自動的に新しいフィルタに置き換えられるようにする吸気装置を備えた画像形成装置を開示している。特許文献3の画像形成装置は、吸気ダクトと、吸気ファンと、フィルタと、フィルタを移動可能に支持する可動支持手段と、電動モータと、吸気ダクト中の風速を検知する風速計と、コントローラとを備えている。コントローラは、風速計により検知された風速が所定値未満又は以下と判断したとき、電動モータを用いて可動支持手段を駆動してフィルタを所定量だけ移動させてからフィルタの移動を停止する。
【0006】
特許文献4は、フィルタ交換を自動的に行うことによって静圧室内のフィルタ交換の際の作業環境の改善、作業工数の低減を図ることができる塗装室天井フィルタ自動交換システムを開示している。特許文献4の塗装室天井フィルタ自動交換システムは、静圧室内の空気の圧力を測定し、測定された空気圧に基づきフィルタ交換を指示する。塗装室天井フィルタ自動交換システムは、フィルタ交換が指示されると、フィルタ押さえ枠を上下動させ、ロール状フィルタを巻き取りながら塗装室天井部に未使用のフィルタを設置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭60−177969号公報
【特許文献2】特開2001−113111号公報
【特許文献3】特開2008−096885号公報
【特許文献4】特開2009−195787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
関連する技術では、管理者は、自動交換用のフィルタの未使用部分の残量を目視で確認しなければならないという問題点がある。フィルタの交換を自動にしたことによって、管理者のファイルタを交換しなければならないという意識が薄れ、自動交換用のフィルタの未使用部分の残量のチェックを怠ってしまう可能性がある。また、フィルタの未使用部分の残量を定期的にチェックすることは管理者にとって負担である。
【0009】
特許文献1ないし4に記載の技術は、自動交換用のフィルタの未使用部分の残量が所定の量以下になったとき、管理者に報知するものではない。
【0010】
本発明は、防塵フィルタを自動的に交換することができ、かつ、防塵フィルタのまだ風の流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下になったことを管理者が能動的に調べに行かなくても知ることができる防塵フィルタ自動交換装置、防塵フィルタ自動交換方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点に係る防塵フィルタ自動交換装置は、
風の発生装置を備える機器の風の流路を横断して覆うことができる使用部分を2カ所以上有する防塵フィルタと、
前記風の発生装置によって発生する前記流路を通過する気体の風量を検出する風量検出手段と、
前記風量が所定の境界条件を超えているか否かで、前記防塵フィルタが目詰まりしているか否かを判定する目詰まり判定手段と、
前記目詰まり判定手段が前記防塵フィルタが目詰まりしていると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分を前記流路に移動させ、前記防塵フィルタの前記流路に位置させていた使用部分を前記流路から除去する移動手段と、
前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であるか否かを判定する残量判定手段と、
前記残量判定手段が、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であることを報知する第1報知手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の観点に係る防塵フィルタ自動交換方法は、
風の発生装置を備える機器に適用する防塵フィルタ自動交換装置が実行する防塵フィルタ自動交換方法であって、
前記風の発生装置によって発生する風の流路を通過する気体の風量を検出する風量検出ステップと、
前記風量が所定の境界条件を超えているか否かで、前記流路を横断して覆うことができる使用部分を2カ所以上有する防塵フィルタが目詰まりしているか否かを判定する目詰まり判定ステップと、
前記目詰まり判定ステップで前記防塵フィルタが目詰まりしていると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分を前記流路に移動させ、前記防塵フィルタの前記流路に位置させていた使用部分を前記流路から除去する移動ステップと、
前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であるか否かを判定する残量判定ステップと、
前記残量判定ステップで、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であることを報知する第1報知ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、コンピュータに、
機器が備える風の発生装置によって発生する風の流路を通過する気体の風量を検出する風量検出ステップと、
前記風量が所定の境界条件を超えているか否かで、前記流路を横断して覆うことができる使用部分を2カ所以上有する防塵フィルタが目詰まりしているか否かを判定する目詰まり判定ステップと、
前記目詰まり判定ステップで前記防塵フィルタが目詰まりしていると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分を前記流路に移動させ、前記防塵フィルタの前記流路に位置させていた使用部分を前記流路から除去する移動ステップと、
前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であるか否かを判定する残量判定ステップと、
前記残量判定ステップで、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であることを報知する第1報知ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、防塵フィルタを自動的に交換することができ、かつ、防塵フィルタのまだ風の流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下になったことを管理者が能動的に調べに行かなくても知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る防塵フィルタ自動交換装置を適用したサーバの外観を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る防塵フィルタ自動交換装置を適用したサーバの構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るBMCの機能構成例を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係る風量センサが検出する風量の値および温度センサが検出する温度差の値の時間変化を示す図である。
【図5】実施の形態に係る風量及び温度差の境界条件の例を示す図である。
【図6】実施の形態に係る防塵フィルタ自動交換の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係るベースボードマネージメントコントローラのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一または相当する部分には同じ符号を付す。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る防塵フィルタ自動交換装置を適用したサーバの外観を示す図である。サーバ1のフロントベゼルは、ローラ型の上部モータ3および下部モータ4と、連続シートの防塵フィルタ2を内蔵している。防塵フィルタ2は、使用部分が風の流路であるサーバ1の前面を覆っている。上部モータ3の内部には防塵フィルタ2のまだサーバ1の前面に位置させていない使用部分がロール状にストックされている。下部モータ4の内部には防塵フィルタ2の目詰まりしていると判定された使用部分がロール状に巻き取られている。上部モータ3および下部モータ4が回転することにより、サーバ1の前面に位置させている防塵フィルタ2の面内で、次にサーバ1の前面に移動させるまだサーバ1の前面に位置させていない使用部分とは反対方向に防塵フィルタ2が移動する。これにより、まだサーバ1の前面に位置させていない使用部分がサーバ1の前面に移動する。また、サーバ1を冷却する風はサーバ1の前面から後ろへと流れる。
【0018】
なお、防塵フィルタ2のまだサーバ1の前面に位置させていない使用部分および目詰まりしていると判定された使用部分は、ロール状に保持されていなくてもよい。たとえば、屏風状に折りたたまれていてもよい。また、防塵フィルタ2は、連続シートでなく、枚葉式であってもよい。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態に係る防塵フィルタ自動交換装置を適用したサーバの構成例を示すブロック図である。図2の例では、サーバ1は、防塵フィルタ2、上部モータ3、下部モータ4、マザーボード11、CPU12、風量センサ13、温度センサ14、BMC(ベースボードマネージメントコントローラ)15および冷却ファン16を備える。このうちの、防塵フィルタ2、上部モータ3、下部モータ4、風量センサ13、温度センサ14およびBMC(ベースボードマネージメントコントローラ)15で防塵フィルタ自動交換装置は構成される。BMC15は、防塵フィルタ2、上部モータ3、下部モータ4、風量センサ13および温度センサ14を制御する。
【0020】
マザーボード11上には、CPU12、風量センサ13、温度センサ14、BMC15が設置されている。
【0021】
CPU12は、サーバ1を制御するCPU(Central Processing Unit)である。防塵フィルタ自動交換装置は、防塵フィルタ2の目詰まりによってCPU12を冷却する気体の風量が減少し、サーバ1内の温度上昇によりCPU12が故障することを予防する。
【0022】
風量センサ13は、冷却ファン16によって発生するサーバ1の前面から後ろに流れる気体の風量を検出し、その値をBMC15に送る。
【0023】
温度センサ14は、サーバ1の内部と外部との温度差を検出し、その値をBMC15に送る。外部温度がほぼ一定とみなせる場合は、サーバ1の内部の温度を検出するだけでもよい。
【0024】
BMC15は、風量センサ13および温度センサ14からそれぞれ受け取った風量の値および温度差の値に基づいて、防塵フィルタ2の目詰まり状態を検知する。BMC15は、あらかじめ記憶しているの温度差と風量のテーブルを参照し、風量センサ13および温度センサ14から受け取った値が所定の境界条件を超えた場合に、防塵フィルタ2が目詰まりしていると判定する。BMC15は、防塵フィルタ2が目詰まりしていると判定すると、上部モータ3および下部モータ4を動作させて、防塵フィルタ2の目詰まりしていると判定した使用部分をサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分に交換する。さらに、BMC15は、上部モータ3の内部にストックしている防塵フィルタ2のサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分の残量が所定の量以下になったか否かを判定し、防塵フィルタ2のサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分の残量が所定の量以下になった場合、報知する。なお、BMC15は、CPU12とは独立して、防塵フィルタ自動交換装置を制御する。
【0025】
図3は、本発明の実施の形態に係るBMCの機能構成例を示すブロック図である。BMC15は、風量取得部151、温度差取得部152、目詰まり判定部153、記憶部154、出力部155、残量判定部156、報知部157を備える。
【0026】
風量取得部151は、風量センサ13から冷却ファン16によって発生した気体の風量の値を取得する。
【0027】
温度差取得部152は、温度センサ14からサーバ1の内部と外部との温度差の値を取得する。
【0028】
目詰まり判定部153は、風量取得部151が取得した風量の値と、温度差取得部152が取得した温度差の値とが、記憶部154が記憶する境界条件を超えているか否かを判定する。境界条件を超えていた場合は、目詰まり判定部153は、防塵フィルタ2が目詰まりしていると判定し、出力部155に上部モータ3および下部モータ4を駆動させる。
【0029】
記憶部154は、防塵フィルタ2を交換するか否かを判断するための境界条件をあらかじめ記憶している。
【0030】
出力部155は、目詰まり判定部153からの指示により、上部モータ3および下部モータ4を駆動させる信号を出力する。
【0031】
残量判定部156は、出力部155が、上部モータ3および下部モータ4を駆動させる信号を出力した回数に基づいて、上部モータ3にストックされている防塵フィルタ2のサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分の残量が所定の量以下になったか否かを判定する。残量が所定の量以下になったと判定した場合は、残量判定部156は、報知部157に、防塵フィルタ2のサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分の残量が所定の量以下になったことを報知させる。所定の量とは、たとえば、自動交換1回分の量である。
【0032】
なお、残量判定部156は、上部モータ3および下部モータ4を駆動させる信号を出力した回数だけでなく、たとえば、上部モータ3にストックされているロール状の防塵フィルタ2のサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分のロール径や重量で残量が所定の量以下になったか否かを判定してもよい。
【0033】
報知部157は、残量判定部156からの指示により、防塵フィルタ2のサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分の残量が所定の量以下になったことを報知する。報知方法はメールを送信してもよいし、警告音を出力してもよいし、LEDなどのランプを点灯させてもよい。
【0034】
図4は、実施の形態に係る風量センサが検出する風量の値および温度センサが検出する温度差の値の時間変化を示す図である。図4(a)のグラフは、縦軸を風量センサ13が検出する風量の値、横軸を時間とする。図4(a)に示すように、風量センサ13が検出する風量の値は、時間の経過と共に発生する防塵フィルタ2の目詰まりによって、指数関数的に減少する。図4(b)のグラフは、縦軸を温度センサ14が検出する温度差の値、横軸を時間とする。図4(b)に示すように、温度センサ14が検出する温度差の値は、防塵フィルタ2の目詰まりに伴う風量の減少によって、指数関数的に上昇する。
【0035】
BMC15の目詰まり判定部153は、風量の値および温度差の値があらかじめ設定された境界条件を超えていた場合は、防塵フィルタ2が目詰まりしていると判定する。目詰まり判定部153が防塵フィルタ2が目詰まりしていると判定した場合、出力部155は、上部モータ3および下部モータ4を動作させて、防塵フィルタ2の目詰まりしていると判定した使用部分をサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分に交換する。
【0036】
防塵フィルタ2がサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分に交換されたことにより、風量センサ13が検出する風量の値は最大値に戻る。そして、再び時間の経過と主に発生する目詰まりによって、指数関数的に減少する。また、風量センサ13が検出する風量の値は最大値に戻ったことにより、温度センサ14が検出する温度差の値は小さくなる。そして、再び防塵フィルタ2の目詰まりに伴う風量の減少によって、指数関数的に大きくなる。これを繰り返し、BMC15があらかじめ設定された境界条件を超えていた場合に上部モータ3および下部モータ4を動作させて防塵フィルタ2の目詰まりしていると判定した使用部分をサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分に交換することにより、風量の値および温度差の値が所定の範囲内に保たれる。
【0037】
図5は、実施の形態に係る風量及び温度差の境界条件の例を示す図である。図5(a)は、記憶部154が記憶する風量及び温度差の境界条件を表すデータテーブルの例である。図中の○は防塵フィルタ2の自動交換を行うことを示すフラグである。図5(a)の例では、サーバ1内の風量が小さくなれば、サーバ1の内部と外部とが小さい温度差でも防塵フィルタ2の自動交換を行う。また、温度差が大きくなれば、風量が大きくても防塵フィルタ2の自動交換を行う。さらに、サーバ1の内部の温度が、所定の温度(例えば70℃)を超えた場合、CPU12を保護するため、サーバ1の強制終了を行ってもよい。なお、図5(a)のフラグの設定は一例であり、管理者が任意に設定できるものとする。
【0038】
目詰まり判定部153は、このようなデータテーブルを参照し、風量取得部151が取得した風量の値に該当する列と、温度差取得部152が取得した温度差の値に該当する行とが交差するボックスにフラグ(○)があるか否かを判定する。フラグがあった場合、目詰まり判定部153は、出力部155に上部モータ3および下部モータ4を駆動させて、防塵フィルタ2の目詰まりしていると判定した使用部分をサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分に交換する。
【0039】
あるいは、風量及び温度差の時間変化のグラフから、境界条件を設定してもよい。図5(b)は、防塵フィルタ2を交換しなかった場合の、風量および温度差の時間変化を示すグラフを重ねたグラフである。縦軸を風量および温度差の値とし、正の方向に風量および温度差は大きくなる。また、横軸を時間とする。防塵フィルタ2に付着する埃の量が徐々に増加し、防塵フィルタ2が目詰まりを起こすため、時間経過にしたがって風量は指数関数的に減少する。これに伴い、サーバ1の内部の温度差が指数関数的に大きくなる。
【0040】
たとえば、この風量のグラフと温度差のグラフが交差する点の風量の値Pwおよび温度差の値Ptを境界条件(Pw,Pt)とする。すなわち、目詰まり判定部153は、風量取得部151が取得した風量の値がPw以下になった場合、および/または、温度差取得部152が取得した温度差の値がPt以上になった場合、目詰まり判定部153は、防塵フィルタ2が目詰まりしていると判定する。そして、出力部155は、上部モータ3および下部モータ4を駆動させて、防塵フィルタ2の目詰まりしていると判定した使用部分をサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分に交換する。なお、図5(b)の境界条件は一例であり、管理者が任意に設定できるものとする。
【0041】
図6は、実施の形態に係る防塵フィルタ自動交換の動作の一例を示すフローチャートである。防塵フィルタ自動交換処理は、サーバ1の電源がONになると開始し、電源がOFFになると終了する。
【0042】
まず、サーバ1の電源がONになると冷却ファン16が稼働する。BMC15の風量取得部151は、風量センサ13が検出した風量の値を取得する(ステップS11)。また、温度差取得部152は、温度センサ14が検出したサーバ1内の温度差の値を取得する(ステップS12)。
【0043】
目詰まり判定部153は、記憶部154が記憶する境界条件を参照して、取得した風量の値および温度差の値が境界条件を超えるか否かを判定する(ステップS13)。風量の値および温度差の値が境界条件を超えなかった場合(ステップS13;NO)、ステップS11に戻り、ステップS11〜ステップS13を繰り返す。風量の値および温度差の値が境界条件を超えた場合(ステップS13;YES)、目詰まり判定部153は、防塵フィルタ2が目詰まりしていると判定する。目詰まり判定部153が防塵フィルタ2が目詰まりしていると判定すると、出力部155は上部モータ3および下部モータ4を動作させ、防塵フィルタ2の目詰まりしていると判定した使用部分をサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分に交換する(ステップS14)。
【0044】
一方、残量判定部156は、上部モータ3にストックされた防塵フィルタ2のサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分の残量が所定の量以下になったか否かを判定する(ステップS15)。防塵フィルタ2のサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分の残量が所定の量以下になっていない場合(ステップS15;NO)、ステップS11に戻り、ステップS11〜ステップS15を繰り返す。防塵フィルタ2のサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分の残量が所定の量以下になった場合(ステップS15;YES)、残量判定部156は、報知部157に防塵フィルタ2のサーバ1の前面にまだ位置させていない使用部分の残量が所定の量以下になったことを報知させ(ステップS16)、処理を終了する。
【0045】
以上説明したように、実施の形態の防塵フィルタ自動交換装置によれば、防塵フィルタ2を自動的に交換することができ、かつ、防塵フィルタ2の風の流路にまだ位置させていない使用部分の残量が所定の量以下になったことを管理者が能動的に調べに行かなくても知ることができる。これにより、メンテナンスが容易となるので、自動交換用の防塵フィルタ2の風の流路にまだ位置させていない使用部分の残量切れを防止し、防塵フィルタ自動交換装置を適用した機器の冷却効果を維持することが可能となる。
【0046】
なお、本実施の形態では、サーバ1内の風量の減少は防塵フィルタ2の目詰まりによるものとしているが、実際には冷却ファン16の故障による可能性もある。そこで、目詰まり判定部153は、風量の減少が冷却ファン16の故障によるものか否かを判定することとしてもよい。
【0047】
この場合、目詰まり判定部153は、風量の減少が冷却ファン16の故障によるものであると判定すると、報知部157に、管理者に冷却ファン16の故障を報知させる。また、目詰まり判定部153は、風量の減少が冷却ファン16の故障によるものであると判定すると、温度差取得部152が取得した温度差の値とが記憶部154が記憶する境界条件を超えていても、防塵フィルタ2が目詰まりしていないと判定する。
【0048】
また、風量の減少が冷却ファン16の故障によるものか否かの判定は、たとえば、風量の時間変化のグラフの形に基づいて行う。実際に、防塵フィルタ2の目詰まりによる風量の減少と、冷却ファン16の故障による風量の減少とを測定して、両者の判定基準となる風量の時間変化のパターンを作成し、あらかじめ記憶部154に記憶させるとよい。
【0049】
また、本実施の形態では、サーバ1内の風量およびサーバ1の内部と外部との温度差に基づいて、防塵フィルタ2の目詰まりを判定する場合を説明した。防塵フィルタ2の目詰まり判定は、サーバ1内の風量のみに基づいて行ってもよいし、サーバ1の内部と外部との温度差のみに基づいて、防塵フィルタ2の目詰まりを判定してもよい。サーバ1の内部と外部との温度差のみに基づいて、防塵フィルタ2の目詰まりを判定する場合、風量と温度差の相関関係を示すデータをあらかじめ記憶し、検出した温度差に対応する風量に基づいて目詰まりを判定してもよい。さらに、外部温度がほぼ一定とみなせる場合や、外部温度が既知の場合などは、内部温度のみに基づいて、防塵フィルタ2の目詰まりを判定してもよい。
【0050】
また、本実施の形態では、上部モータ3および下部モータ4が回転することにより、ロール連続シート状の防塵フィルタ2が使用位置に移動することとしているが、防塵フィルタ2は、枚葉式であってもよい。この場合、防塵フィルタ2の自動交換はたとえばスライド式で行う。
【0051】
また、本実施の形態では、本発明の防塵フィルタ自動交換装置をサーバに適用する場合を例に説明した。本実施の形態のフィルタ自動交換装置は、エアコンや空気清浄機、掃除機など、風の発生装置を備える他の機器に適用することも可能である。
【0052】
図7は、本発明の実施の形態に係るベースボードマネージメントコントローラのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。BMC(ベースボードマネージメントコントローラ)15は、図7に示すように、制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35、入出力部36および送受信部37を備える。主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35、入出力部36および送受信部37はいずれも内部バス30を介して制御部31に接続されている。
【0053】
制御部31はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部33に記憶されている制御プログラム39に従って、BMC15の目詰まり判定部153および残量判定部156の各処理を実行する。
【0054】
主記憶部32はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、外部記憶部33に記憶されている制御プログラム39をロードし、制御部31の作業領域として用いられる。
【0055】
外部記憶部33は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、BMC15の処理を制御部31に行わせるためのプログラムをあらかじめ記憶し、また、制御部31の指示に従って、このプログラムが記憶するデータを制御部31に供給し、制御部31から供給されたデータを記憶する。BMC15の記憶部154は、外部記憶部33に構成される。
【0056】
操作部34はキーボードおよびマウスなどのポインティングデバイス等と、キーボードおよびポインティングデバイス等を内部バス30に接続するインタフェース装置から構成されている。風量及び温度差の境界条件をあらかじめ入力する場合などは、操作部34を介して、指示が制御部31に供給される。
【0057】
表示部35は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、風量及び温度差の境界条件をあらかじめ入力する場合などは、操作画面を表示する。また、防塵フィルタの残量が少なくなったことの報知を、表示部35に表示してもよい。表示部35は、発光ダイオード(LED)またはランプなどを備えてもよいし、さらにブザーやスピーカを備えてもよい。LEDを点灯したりブザーで音響を出力してりして、防塵フィルタの残量が少なくなったことを報知することができる。
【0058】
入出力部36は、風量センサ13、温度センサ14およびモータ制御部17と接続するシリアルインタフェースまたはパラレルインタフェースから構成されている。モータ駆動部17は、図7には示されていない上部モータ3および下部モータ4(図2参照)に接続し、それらを駆動する電力と信号を供給する。制御部31は、入出力部36を介して、風量センサ13および温度センサ14からそれぞれ検出した風量および温度もしくは温度差のデータを取得する。制御部31はまた、入出力部36を介してモータ駆動部17に指令して、上部モータ3および下部モータ4を作動させる。
【0059】
送受信部37は、ネットワークに接続する網終端装置または無線通信装置、およびそれらと接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェースから構成されている。送受信部37は、BMC15の報知部157として機能する。すなわち、制御部31は、送受信部37を介して、ネットワークに接続された端末またはメールサーバなどに、防塵フィルタの残量が少なくなったことを報知する情報を送信する。
【0060】
図3に示すBMC15の風量取得部151、温度差取得部152、目詰まり判定部153、記憶部154、出力部155、残量判定部156および報知部157の処理は、制御プログラム39が、制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35、入出力部36および送受信部37を資源として用いて処理することによって実行する。
【0061】
その他、前記のハードウェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0062】
制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、内部バス30などから構成される制御処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行するBMC15を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することでBMC15を構成してもよい。
【0063】
また、BMC15の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0064】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0065】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0066】
(付記1)
風の発生装置を備える機器の風の流路を横断して覆うことができる使用部分を2カ所以上有する防塵フィルタと、
前記風の発生装置によって発生する前記流路を通過する気体の風量を検出する風量検出手段と、
前記風量が所定の境界条件を超えているか否かで、前記防塵フィルタが目詰まりしているか否かを判定する目詰まり判定手段と、
前記目詰まり判定手段が前記防塵フィルタが目詰まりしていると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分を前記流路に移動させ、前記防塵フィルタの前記流路に位置させていた使用部分を前記流路から除去する移動手段と、
前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であるか否かを判定する残量判定手段と、
前記残量判定手段が、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であることを報知する第1報知手段と、
を備えることを特徴とする防塵フィルタ自動交換装置。
【0067】
(付記2)
前記機器の内部と外部との温度差を検出する温度検出手段をさらに備え、
前記目詰まり判定手段は、前記風量および前記温度差の少なくとも一方が所定の境界条件を超えているか否かで、前記防塵フィルタが目詰まりしているか否かを判定することを特徴とする付記1に記載の防塵フィルタ自動交換装置。
【0068】
(付記3)
前記防塵フィルタは連続シートであり、
前記移動手段は、前記流路に位置させている前記防塵フィルタの面内で、前記流路に移動させる前記位置させていない使用部分とは反対方向に前記防塵フィルタを移動させることを特徴とする付記1または2に記載の防塵フィルタ自動交換装置。
【0069】
(付記4)
前記風の発生装置が故障している否かを判定する故障判定手段と、
前記故障判定手段が前記風の発生装置が故障していると判定した場合に、前記風の発生装置が故障していることを報知する第2報知手段と、をさらに備え、
前記故障判定手段が前記風の発生装置が故障していると判定した場合、前記目詰まり判定手段は、前記防塵フィルタが目詰まりしていないと判定することを特徴とする付記1ないし3のいずれか1項に記載の防塵フィルタ自動交換装置。
【0070】
(付記5)
前記残量判定手段は、前記移動手段が前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分を前記流路に移動させた回数に基づいて、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であるか否かを判定することを特徴とする付記1ないし4のいずれか1項に記載の防塵フィルタ自動交換装置。
【0071】
(付記6)
風の発生装置を備える機器に適用する防塵フィルタ自動交換装置が実行する防塵フィルタ自動交換方法であって、
前記風の発生装置によって発生する風の流路を通過する気体の風量を検出する風量検出ステップと、
前記風量が所定の境界条件を超えているか否かで、前記流路を横断して覆うことができる使用部分を2カ所以上有する防塵フィルタが目詰まりしているか否かを判定する目詰まり判定ステップと、
前記目詰まり判定ステップで前記防塵フィルタが目詰まりしていると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分を前記流路に移動させ、前記防塵フィルタの前記流路に位置させていた使用部分を前記流路から除去する移動ステップと、
前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であるか否かを判定する残量判定ステップと、
前記残量判定ステップで、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であることを報知する第1報知ステップと、
を備えることを特徴とする防塵フィルタ自動交換方法。
【0072】
(付記7)
前記機器の内部と外部との温度差を検出する温度検出ステップをさらに備え、
前記目詰まり判定ステップでは、前記風量および前記温度差の少なくとも一方が所定の境界条件を超えているか否かで、前記防塵フィルタが目詰まりしているか否かを判定することを特徴とする付記6に記載の防塵フィルタ自動交換方法。
【0073】
(付記8)
前記防塵フィルタは連続シートであり、
前記移動ステップでは、前記流路に位置させている前記防塵フィルタの面内で、前記流路に移動させる前記位置させていない使用部分とは反対方向に前記防塵フィルタを移動させることを特徴とする付記6または7に記載の防塵フィルタ自動交換方法。
【0074】
(付記9)
前記風の発生装置が故障している否かを判定する故障判定ステップと、
前記故障判定ステップで前記風の発生装置が故障していると判定した場合に、前記風の発生装置が故障していることを報知する第2報知ステップと、をさらに備え、
前記故障判定ステップで前記風の発生装置が故障していると判定した場合、前記目詰まり判定ステップでは、前記防塵フィルタが目詰まりしていないと判定することを特徴とする付記6ないし8のいずれか1項に記載の防塵フィルタ自動交換方法。
【0075】
(付記10)
前記残量判定ステップは、前記移動ステップで前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分を前記流路に移動させた回数に基づいて、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であるか否かを判定することを特徴とする付記6ないし9のいずれか1項に記載の防塵フィルタ自動交換方法。
【0076】
(付記11)
コンピュータに、
機器が備える風の発生装置によって発生する風の流路を通過する気体の風量を検出する風量検出ステップと、
前記風量が所定の境界条件を超えているか否かで、前記流路を横断して覆うことができる使用部分を2カ所以上有する防塵フィルタが目詰まりしているか否かを判定する目詰まり判定ステップと、
前記目詰まり判定ステップで前記防塵フィルタが目詰まりしていると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分を前記流路に移動させ、前記防塵フィルタの前記流路に位置させていた使用部分を前記流路から除去する移動ステップと、
前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であるか否かを判定する残量判定ステップと、
前記残量判定ステップで、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であることを報知する第1報知ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0077】
1 サーバ
2 防塵フィルタ
3 上部モータ
4 下部モータ
11 マザーボード
12 CPU
13 風量センサ
14 温度センサ
15 BMC
16 冷却ファン
17 モータ駆動部
31 制御部
33 主記憶部
33 外部記憶部
34 操作部
35 表示部
36 入出力部
37 送受信部
39 制御プログラム
151 風量取得部
152 温度差取得部
153 目詰まり判定部
154 記憶部
155 出力部
156 残量判定部
157 報知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
風の発生装置を備える機器の風の流路を横断して覆うことができる使用部分を2カ所以上有する防塵フィルタと、
前記風の発生装置によって発生する前記流路を通過する気体の風量を検出する風量検出手段と、
前記風量が所定の境界条件を超えているか否かで、前記防塵フィルタが目詰まりしているか否かを判定する目詰まり判定手段と、
前記目詰まり判定手段が前記防塵フィルタが目詰まりしていると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分を前記流路に移動させ、前記防塵フィルタの前記流路に位置させていた使用部分を前記流路から除去する移動手段と、
前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であるか否かを判定する残量判定手段と、
前記残量判定手段が、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であることを報知する第1報知手段と、
を備えることを特徴とする防塵フィルタ自動交換装置。
【請求項2】
前記機器の内部と外部との温度差を検出する温度検出手段をさらに備え、
前記目詰まり判定手段は、前記風量および前記温度差の少なくとも一方が所定の境界条件を超えているか否かで、前記防塵フィルタが目詰まりしているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の防塵フィルタ自動交換装置。
【請求項3】
前記防塵フィルタは連続シートであり、
前記移動手段は、前記流路に位置させている前記防塵フィルタの面内で、前記流路に移動させる前記位置させていない使用部分とは反対方向に前記防塵フィルタを移動させることを特徴とする請求項1または2に記載の防塵フィルタ自動交換装置。
【請求項4】
前記風の発生装置が故障している否かを判定する故障判定手段と、
前記故障判定手段が前記風の発生装置が故障していると判定した場合に、前記風の発生装置が故障していることを報知する第2報知手段と、をさらに備え、
前記故障判定手段が前記風の発生装置が故障していると判定した場合、前記目詰まり判定手段は、前記防塵フィルタが目詰まりしていないと判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の防塵フィルタ自動交換装置。
【請求項5】
前記残量判定手段は、前記移動手段が前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分を前記流路に移動させた回数に基づいて、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であるか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の防塵フィルタ自動交換装置。
【請求項6】
風の発生装置を備える機器に適用する防塵フィルタ自動交換装置が実行する防塵フィルタ自動交換方法であって、
前記風の発生装置によって発生する風の流路を通過する気体の風量を検出する風量検出ステップと、
前記風量が所定の境界条件を超えているか否かで、前記流路を横断して覆うことができる使用部分を2カ所以上有する防塵フィルタが目詰まりしているか否かを判定する目詰まり判定ステップと、
前記目詰まり判定ステップで前記防塵フィルタが目詰まりしていると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分を前記流路に移動させ、前記防塵フィルタの前記流路に位置させていた使用部分を前記流路から除去する移動ステップと、
前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であるか否かを判定する残量判定ステップと、
前記残量判定ステップで、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であることを報知する第1報知ステップと、
を備えることを特徴とする防塵フィルタ自動交換方法。
【請求項7】
前記機器の内部と外部との温度差を検出する温度検出ステップをさらに備え、
前記目詰まり判定ステップでは、前記風量および前記温度差の少なくとも一方が所定の境界条件を超えているか否かで、前記防塵フィルタが目詰まりしているか否かを判定することを特徴とする請求項6に記載の防塵フィルタ自動交換方法。
【請求項8】
前記防塵フィルタは連続シートであり、
前記移動ステップでは、前記流路に位置させている前記防塵フィルタの面内で、前記流路に移動させる前記位置させていない使用部分とは反対方向に前記防塵フィルタを移動させることを特徴とする請求項6または7に記載の防塵フィルタ自動交換方法。
【請求項9】
前記風の発生装置が故障している否かを判定する故障判定ステップと、
前記故障判定ステップで前記風の発生装置が故障していると判定した場合に、前記風の発生装置が故障していることを報知する第2報知ステップと、をさらに備え、
前記故障判定ステップで前記風の発生装置が故障していると判定した場合、前記目詰まり判定ステップでは、前記防塵フィルタが目詰まりしていないと判定することを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の防塵フィルタ自動交換方法。
【請求項10】
コンピュータに、
機器が備える風の発生装置によって発生する風の流路を通過する気体の風量を検出する風量検出ステップと、
前記風量が所定の境界条件を超えているか否かで、前記流路を横断して覆うことができる使用部分を2カ所以上有する防塵フィルタが目詰まりしているか否かを判定する目詰まり判定ステップと、
前記目詰まり判定ステップで前記防塵フィルタが目詰まりしていると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分を前記流路に移動させ、前記防塵フィルタの前記流路に位置させていた使用部分を前記流路から除去する移動ステップと、
前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であるか否かを判定する残量判定ステップと、
前記残量判定ステップで、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であると判定した場合、前記防塵フィルタのまだ前記流路に位置させていない使用部分の残量が所定の量以下であることを報知する第1報知ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−66190(P2012−66190A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212814(P2010−212814)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】