説明

防振アクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラ

【課題】静止画撮影時及び動画撮影時の双方において適切な像ブレ補正を行うことができる防振アクチュエータを提供する。
【解決手段】本発明は、動画撮影及び静止画撮影における像振れを補正する防振アクチュエータ(10)であって、固定部(12)と、像振れ防止用レンズ(16)が取り付けられた可動部(14)と、可動部支持手段(18)と、可動部を駆動する駆動手段(20,22)と、動画撮影モード又は静止画撮影モードの何れであるかを判断する撮影モード判定手段(40)と、振れ検出センサー(34)と、検出された振れに基づいて駆動手段を制御して、撮像される画像が安定するように可動部を移動させる制御手段(36)と、撮影モード判定手段により判定された撮影モードに基づいて、振れ検出センサーによって検出され、駆動手段の制御に利用される振れ検出値の最大値を制限する最大値制限手段(44)と、を有することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防振アクチュエータに関し、特に、動画撮影及び静止画撮影における像振れを補正するために、レンズ鏡筒内に配置された像振れ防止用レンズを移動させる防振アクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
特許第4387028号公報(特許文献1)には、撮像装置、撮像方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が記載されている。この撮像装置は、手ブレを検出する手ブレ検出手段を備えると共に、この手ブレ検出手段によって検出された手ブレに基づいて静止画撮影モードにおける像ブレ補正量を演算する静止画補正量演算手段、及び動画撮影モードにおける像ブレ補正量を演算する動画補正量演算手段を備えている。これらの静止画補正量演算手段および動画補正量演算手段は、それぞれ並列して像ブレ補正量を演算し、静止画撮影モードが選択されている場合、並列的に静止画補正量演算手段によって演算されている像ブレ補正量に基づいて像ブレが補正され、動画撮影モードが選択されている場合には動画補正量演算手段によって演算されている像ブレ補正量に基づいて像ブレが補正される。
【0003】
また、手ブレ検出手段は、手ブレによる回転角速度を検出するように構成されており、動画補正量演算手段は、手ブレ検出手段によって検出された回転角速度のうちの所定の低周波帯域の回転角速度をフィルタリングするフィルタリング手段を備えている。さらに、動画補正量演算手段は、フィルタリング手段によってフィルタリングされた回転角速度を積分した値に基づいて、動画補正量を計算している。特許第4387028号公報記載の撮像装置においては、このように、低周波帯域の回転角速度をフィルタリングして除去し、フィルタリングされた回転角速度を積分した値に基づいて動画補正量を計算することによって、静止画撮影時および動画撮影時の双方において最適かつ迅速な像ブレ補正を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4387028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許第4387028号公報記載の撮像装置においては、低周波帯域の回転角速度をフィルタリングして除去し、フィルタリングされた値に基づいて動画補正量を計算しているので、ソフトウェアによる処理が複雑化するという問題がある。また、手ブレ検出手段によって検出された回転角速度のデータに対して低周波帯域をカットするフィルタリング演算を行うと、フィルタリング演算に伴い回転角速度信号に位相遅れが発生するという問題がある。さらに、フィルタリング演算を行うと、ソフトウェアによって行うべき演算量が増加し、像ブレ補正の処理速度が遅くなるという問題がある。或いは、像ブレ補正の処理速度を速くするために、高性能なマイクロプロセッサが必要とされ、像ブレ補正装置(防振アクチュエータ)のコストが高くなるという問題がある。
【0006】
一方、低周波帯域をカットするフィルタリングをアナログ回路で実現しようとすると、別にローカットフィルタ回路が必要となるため部品点数が多くなり、コストが高くなる。また、アナログ回路によるフィルターは、使用中の温度変化等により出力電圧がドリフトし、正確な回転角速度信号が得られなくなるという問題がある。
【0007】
従って、本発明は、演算による位相遅れや、フィルタリング回路による温度ドリフト等の悪影響を回避しながら、静止画撮影時及び動画撮影時の双方において適切な像ブレ補正を行うことができる防振アクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、動画撮影及び静止画撮影における像振れを補正するために、レンズ鏡筒内に配置された像振れ防止用レンズを移動させる防振アクチュエータであって、固定部と、像振れ防止用レンズが取り付けられた可動部と、この可動部を、固定部に対して移動可能に支持する可動部支持手段と、固定部と可動部の間に駆動力を作用させ、固定部に対して可動部を駆動する駆動手段と、動画を撮影するための動画撮影モード、又は静止画を撮影するための静止画撮影モードの何れであるかを判断する撮影モード判定手段と、レンズ鏡筒の振れを検出する振れ検出センサーと、この振れ検出センサーによって検出された振れに基づいて駆動手段を制御して、撮像される画像が安定するように可動部を移動させる制御手段と、撮影モード判定手段により判定された撮影モードに基づいて、振れ検出センサーによって検出され、駆動手段の制御に利用される振れ検出値の最大値を制限する最大値制限手段と、を有することを特徴としている。
【0009】
このように構成された本発明においては、像振れ防止用レンズが取り付けられた可動部は、可動部支持手段により、固定部に対して移動可能に支持される。制御手段は、レンズ鏡筒の振れを検出する振れ検出センサーによって検出された振れに基づいて駆動手段を制御し、駆動手段は、固定部と可動部の間に駆動力を作用させて可動部を駆動する。また、撮影モード判定手段は、動画を撮影するための動画撮影モード、又は静止画を撮影するための静止画撮影モードの何れであるかを判断する。最大値制限手段は、撮影モード判定手段により判定された撮影モードに基づいて、振れ検出センサーによって検出され、駆動手段の制御に利用される振れ検出値の最大値を制限し、各撮影モードにおいて撮像される画像が安定するように適切な振れ補正が実行される。
【0010】
このように構成された本発明によれば、最大値制限手段が振れ検出値の最大値を制限するだけで各撮影モードにおいて画像が適切に安定化されるので、演算による位相遅れや、フィルタリング回路による温度ドリフト等の悪影響を回避しながら、静止画撮影時及び動画撮影時の双方において適切な像ブレ補正を行うことができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、最大値制限手段は、撮影モード判定手段により判定された撮影モードが動画撮影モードである場合において、振れ検出値の最大値を、静止画撮影モードにおける最大値よりも低く制限する。
【0012】
このように構成された本発明によれば、動画撮影モードにおける振れ検出値の最大値が、静止画撮影モードにおける最大値よりも低く制限されるので、動画撮影時において振れ補正量が過剰になることによる動画の不自然な振れを抑制しながら、静止画撮影時においては、十分な振れ補正を行うことができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、振れ検出センサーは、振れ角速度を検出するセンサーであり、最大値制限手段は、駆動手段の制御に利用される振れ角速度の最大値を制限する。
【0014】
このように構成された本発明によれば、振れ検出センサーの検出値の最大値を制限するだけで、動画撮影時、静止画撮影時の双方において、効果的な振れ補正を行うことができる。
【0015】
また、本発明は、カメラ本体に取り付けて使用され、動画撮影及び静止画撮影における像振れ補正機能を備えたレンズユニットであって、レンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒の中に配置された撮像用レンズと、レンズ鏡筒に対して固定された固定部と、像振れを補正するために移動される像振れ防止用レンズと、この像振れ防止用レンズが取り付けられた可動部と、この可動部を、固定部に対して移動可能に支持する可動部支持手段と、固定部と可動部の間に駆動力を作用させ、固定部に対して可動部を駆動する駆動手段と、カメラ本体における設定が、動画を撮影するための動画撮影モードにされているか、又は静止画を撮影するための静止画撮影モードにされているかを、カメラ本体から読み込む撮影モード読込手段と、この撮影モード読込手段から読み込まれた撮影モードが、動画撮影モード又は静止画撮影モードの何れであるかを判断する撮影モード判定手段と、レンズ鏡筒の振れを検出する振れ検出センサーと、この振れ検出センサーによって検出された振れに基づいて駆動手段を制御して、撮像される画像が安定するように可動部を移動させる制御手段と、撮影モード判定手段により判定された撮影モードに基づいて、振れ検出センサーによって検出され、駆動手段の制御に利用される振れ検出値の最大値を制限する最大値制限手段と、を有することを特徴としている。
【0016】
さらに、本発明は、動画撮影及び静止画撮影における像振れ補正機能を備えたカメラであって、カメラ本体と、レンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒の中に配置された撮像用レンズと、レンズ鏡筒に対して固定された固定部と、像振れを補正するために移動される像振れ防止用レンズと、この像振れ防止用レンズが取り付けられた可動部と、この可動部を、固定部に対して移動可能に支持する可動部支持手段と、固定部と可動部の間に駆動力を作用させ、固定部に対して可動部を駆動する駆動手段と、動画を撮影するための動画撮影モード、又は静止画を撮影するための静止画撮影モードの何れであるかを判断する撮影モード判定手段と、レンズ鏡筒の振れを検出する振れ検出センサーと、この振れ検出センサーによって検出された振れに基づいて駆動手段を制御して、撮像される画像が安定するように可動部を移動させる制御手段と、撮影モード判定手段により判定された撮影モードに基づいて、振れ検出センサーによって検出され、駆動手段の制御に利用される振れ検出値の最大値を制限する最大値制限手段と、を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明の防振アクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラによれば、演算による位相遅れや、フィルタリング回路による温度ドリフト等の悪影響を回避しながら、静止画撮影時及び動画撮影時の双方において適切な像ブレ補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態によるカメラの断面図である。
【図2】本発明の実施形態によるカメラに備えられている防振アクチュエータの側面断面図である。
【図3】防振アクチュエータの可動部を取り外した状態を示す正面図である。
【図4】防振アクチュエータの可動部の正面図である。
【図5】コントローラにおける信号処理を模式的に示すブロック図である。
【図6】振れ補正制御の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1乃至図6を参照して、本発明の実施形態によるカメラを説明する。図1は本発明の実施形態によるカメラの断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態のカメラ1は、レンズユニット2と、カメラ本体4と、を有する。レンズユニット2は、レンズ鏡筒6と、このレンズ鏡筒の中に配置された複数の撮像用レンズ8と、像振れ防止用レンズ16を所定の平面内で移動させる防振アクチュエータ10と、レンズ鏡筒6の振れ角速度を検出する振れ検出センサーであるジャイロ34a、34b(図1には34aのみ図示)と、を有する。
【0020】
本発明の実施形態のカメラ1は、ジャイロ34a、34bによって角速度を検出し、検出された角速度に基づいて防振アクチュエータ10を作動させて像振れ防止用レンズ16を移動させ、カメラ本体4内の撮像素子7に合焦される画像を安定化させている。また、本実施形態のカメラ1は、カメラ本体4に設けられたモード切替スイッチ4aを操作することにより、静止画を撮影するための静止画撮影モードと、動画を撮影するための動画撮影モードを切り換えることができるように構成されている。本実施形態においては、ジャイロ34a、34bとして、圧電振動ジャイロを使用している。なお、本実施形態においては、像振れ防止用レンズ16は、1枚のレンズによって構成されているが、画像を安定させるためのレンズは、複数枚のレンズ群であっても良い。本明細書において、像振れ防止用レンズとは、画像を安定させるための1枚のレンズ及びレンズ群を含むものとする。
【0021】
レンズユニット2は、カメラ本体4に取り付けて使用される交換レンズユニットであり、入射した光を撮像素子7に結像させるように構成されている。
概ね円筒形のレンズ鏡筒6は、内部に複数の撮像用レンズ8を保持しており、一部の撮像用レンズ8を移動させることによりピント調整を可能としている。
【0022】
次に、図2乃至図4を参照して、防振アクチュエータ10を説明する。図2は防振アクチュエータ10の側面断面図である。図3は防振アクチュエータ10の可動部を取り外した状態を示す正面図であり、図4は防振アクチュエータ10の可動部の正面図である。なお、図2は、防振アクチュエータ10を図3のII−II線に沿って破断した状態を示す断面図である。
【0023】
図2乃至図4に示すように、防振アクチュエータ10は、レンズ鏡筒6内に固定された固定部である固定板12と、この固定板12に対して並進移動可能に支持された可動部である移動枠14と、この移動枠14を支持する可動部支持手段である3つのスチールボール18と、を有する。さらに、防振アクチュエータ10は、固定板12に取り付けられた第1駆動用コイル20a、及び第2駆動用コイル20bと、移動枠14の、各駆動用コイル20a、20bに夫々対応する位置に取り付けられた第1駆動用磁石22a、及び第2駆動用磁石22bと、各駆動用コイル20a、20bの内側に夫々配置された位置センサーである第1磁気センサー24a、及び第2磁気センサー24bと、を有する。
【0024】
また、防振アクチュエータ10は、各駆動用磁石の磁力によって移動枠14を固定板12に吸着させるために、固定板12の裏側に取り付けられた2つの吸着用ヨーク26と、各駆動用磁石の磁力を固定板12の方に効果的に差し向けるように、各駆動用磁石の反対側の面に取り付けられたバックヨーク28と、を有する。なお、第1駆動用コイル20a、第2駆動用コイル20b、及びこれらに対応する位置に夫々取り付けられた第1駆動用磁石22a、第2駆動用磁石22bは、固定板12と移動枠14の間に駆動力を作用させ、固定板12に対して移動枠14を駆動する駆動手段を構成する。
【0025】
さらに、図1に示すように、防振アクチュエータ10は、制御手段であるコントローラ36を有する。コントローラ36は、第1、第2磁気センサー24a、24bによって検出された位置検出信号をフィードバックして、ジャイロ34a、34bによって検出された振れが補正されるように、駆動手段を制御して移動枠14を移動させる。また、コントローラ36は、撮影モード読込手段38と、撮影モード判定手段40と、最大値制限手段44(以上、図5)と、を内蔵しており、後述するように、撮影モードに応じて適切な像振れ防止制御を実行するように構成されている。なお、本実施形態においては、コントローラ36は、マイクロプロセッサ、メモリ、及びこれに格納されたプログラム(以上、図示せず)等により構成されている。
【0026】
防振アクチュエータ10は、光軸に直交する平面内において、レンズ鏡筒6に固定された固定板12に対して移動枠14を並進移動させ、これにより移動枠14に取り付けられた像振れ防止用レンズ16を移動させてレンズ鏡筒6が振動しても撮像素子7に結像される像が乱れることがないように駆動される。
【0027】
固定板12は概ねドーナツ板状の形状を有し、その上に第1、第2駆動用コイル20a、20bが配置されている。図3に示すように、これら2つの駆動用コイルは、その中心が、レンズユニット2の光軸を中心とする円周上にそれぞれ配置されている。本実施形態においては、第2駆動用コイル20bは光軸の鉛直上方に配置され、第1駆動用コイル20aは鉛直に対して直角の位置に配置されている。従って、第1駆動用コイル20a、第2駆動用コイル20bは互いに直角をなすように配置されている。
【0028】
第1、第2駆動用コイル20a、20bは、夫々、その巻線が角の丸い矩形状に巻かれている。第1、第2駆動用コイル20a、20bは、夫々同一の概ね長方形状であり、その長辺を横切る中心線が、水平軸線、鉛直軸線と夫々一致するように配置されている。即ち、第1、第2駆動用コイル20a、20bは、その長辺が、光軸Aを中心とする円の円周方向に向くように配置されている。
【0029】
移動枠14は、概ねドーナツ板状の形状を有し、固定板12と平行に、固定板12と重なるように配置されている。移動枠14の中央の開口には、像振れ防止用レンズ16が取り付けられている。移動枠14には、第1、第2駆動用コイル20a、20bに対応する位置に、第1、第2駆動用磁石22a、22bが夫々配置されている。第1、第2駆動用磁石22a、22bは、概ね長方形状であり、その長辺を横切る中心線が、水平軸線、鉛直軸線と夫々一致するように配置されている。また、第1、第2駆動用磁石22a、22bは、その短辺を横切る中心線が着磁境界線Cとなるように着磁されている。即ち、第1、第2駆動用磁石22a、22bとも、着磁境界線Cが光軸Aを中心とする円の円周方向に向くように配置されている。
【0030】
図2及び図3に示すように、3つのスチールボール18は、固定枠12と移動枠14の間に挟持され、光軸Aを中心とする円の円周上に夫々、中心角120゜の間隔を隔てて配置されている。各スチールボール18は、固定枠12の、各スチールボール18に対応する位置に形成された凹部30の中に配置され、脱落が防止される。また、後述するように、移動枠14は駆動用磁石により固定板12に吸着されるので、各スチールボール18は固定板12と移動枠14の間に挟持される。これにより、移動枠14は固定板12に平行な平面上に支持され、各スチールボール18が挟持されながら転がることによって、移動枠14の固定板12に対する任意の方向の並進運動が許容される。
【0031】
また、本実施形態においては、スチールボール18として鋼製の球体を使用しているが、スチールボール18は必ずしも球体でなくても良い。即ち、防振アクチュエータ10の作動中において固定板12及び移動枠14と接触する部分が概ね球面の形状を有する形態であればスチールボール18として使用することができる。なお、本明細書において、このような形態を球状体という。
【0032】
バックヨーク28は概ね長方形状であり、移動枠14の駆動用磁石が取り付けられていない側の面の、各駆動用磁石に対応する位置に夫々取り付けられている。これらのバックヨーク28により、各駆動用磁石の磁束が、固定板12の方に効率良く差し向けられる。
【0033】
吸着用ヨーク26は概ね長方形状であり、固定板12の駆動用コイルが取り付けられていない側の面の、各駆動用コイルに対応する位置に夫々取り付けられている。各駆動用磁石がこれらの吸着用ヨーク26に及ぼす磁力により、移動枠14は固定板12に吸着される。
【0034】
図2に示すように、第2駆動用磁石22bの着磁境界線Cは、長方形の第2駆動用磁石22bの各短辺の中点を通るように位置すると共に、第2駆動用磁石22bの厚さ方向にも極性が変化している。本実施形態においては、図2における左下の角がS極、右下がN極、左上がN極、右上がS極になっている。また、第1駆動用磁石22aも同様に着磁されており、移動枠14への取り付け方向が第2駆動用磁石22bに対して90゜回転されている(図4)。なお、本明細書において、着磁境界線Cとは、駆動用磁石の両端を夫々S極、N極としたとき、その中間のS極からN極に極性が変化する点を連ねた線を言うものとする。
【0035】
このように着磁されていることにより、第1、第2駆動用磁石22a、22bは、長方形の第1、第2駆動用コイル20a、20bの長辺の部分に磁気を及ぼす。これにより、第1駆動用コイル20aに電流が流れると、第1駆動用磁石22aとの間に水平方向の駆動力が発生し、第2駆動用コイル20bに電流が流れると、鉛直方向の駆動力が発生する。
【0036】
図2及び図3に示すように、各駆動用コイルの内側には、位置センサーである第1磁気センサー24a、第2磁気センサー24bが夫々配置されている。本実施形態においては、磁気センサーとしてホール素子を使用している。
磁気センサーからの出力信号は、磁気センサーの感度中心点Sが駆動用磁石の着磁境界線C上に位置する場合には0であり、駆動用磁石が移動し、磁気センサーの感度中心点Sが駆動用磁石の着磁境界線C上から外れると、磁気センサーの出力信号が変化する。防振アクチュエータ10の通常の作動中においては、駆動用磁石の移動量は微小であり、磁気センサーは、駆動用磁石の着磁境界線Cに直交する方向の移動距離にほぼ比例した信号を出力する。
【0037】
このため、第1磁気センサー24aは水平方向の移動枠14の並進移動量にほぼ比例した信号を出力し、第2磁気センサー24bは鉛直方向の移動枠14の並進移動量にほぼ比例した信号を出力する。これら第1、第2磁気センサー24a、24bによって検出された信号に基づいて、移動枠14の固定枠12に対する変位を検出することができる。
【0038】
ジャイロ34a、34bは、レンズユニット2に取り付けられ、カメラ1の回転角速度を検出するように構成されている。また、ジャイロ34aは、光軸Aに直交する平面内のY軸を中心とする回転角速度(ヨー角速度)を検出し、ジャイロ34bは、X軸を中心とする回転角速度(ピッチ角速度)を検出するように配置されており、各方向の回転角速度を検出できるように構成されている。ジャイロ34a、34bにより検出された角速度信号は、コントローラ36に入力される。
【0039】
コントローラ36は、ジャイロ34a、34bの検出信号に基づいて、防振アクチュエータ10を制御し、撮像素子7上に形成される画像の振れを抑制するように構成されている。コントローラ36は、ジャイロ34a、34bから入力された信号に基づいて、像振れ防止用レンズ16を移動させるべき位置を計算する。さらに、コントローラ36は第1、第2駆動用コイル20a、20bに電流を流し、像振れ防止用レンズ16を計算された位置に向けて移動させる。移動された像振れ防止用レンズ16の位置は、第1、第2磁気センサー24a、24bによって検出され、コントローラ36にフィードバックされる。
【0040】
なお、コントローラ36は、各検出信号をデジタルデータに変換するA/D変換器、デジタルデータをアナログ信号に変換して出力するD/A変換器等を内蔵するように構成することができ、或いは、コントローラ36を、各種演算回路、フィルター等のアナログ回路等を内蔵するように構成することもできる。
【0041】
次に、図5及び図6を参照して、コントローラ36による防振アクチュエータ10の制御を説明する。図5はコントローラ36における信号処理を模式的に示すブロック図である。図6は、振れ補正制御の手順を示すフローチャートである。
【0042】
図5に示すように、コントローラ36は、第1A/Dコンバータ42、D/Aコンバータ50、及び第2A/Dコンバータ52を内蔵している。また、コントローラ36は、内蔵されたマイクロプロセッサ(図示せず)の演算により、撮影モード読込手段38、撮影モード判定手段40、最大値制限手段44、及び積分手段46を実現している。
【0043】
まず、撮影モード読込手段38は、カメラ本体4に設けられたモード切替スイッチ4aの状態を読み込む。撮影モード判定手段40は、撮影モード読込手段38によって読み込まれたモード切替スイッチ4aの状態が、動画撮影モードであるか、又は静止画撮影モードであるか判断する。一方、第1A/Dコンバータ42にはジャイロ34a、34bからの検出信号が入力され、ジャイロ34a、34bによって検出された角速度信号が、振れ検出値であるx方向、y方向の角速度の数値データx’、y’に変換される。変換された角速度の数値データx’、y’は、最大値制限手段44によって、その最大値が制限される。この最大値制限手段44による最大値の制限は、撮影モード判定手段40によって判定された動画撮影モード又は静止画撮影モードに基づいて行われる。最大値の制限については後述する。
【0044】
最大値制限手段44によって最大値が制限された角速度x’、y’は、積分手段46によって時間で積分され、x方向、y方向の振れ角度x、y(ヨー角度、ピッチ角度)が計算される。
【0045】
一方、第1、第2磁気センサー24a、24bによる検出信号は、第2A/Dコンバータ52により数値データSx、Syに変換される。なお、第1、第2磁気センサー24a、24bによる検出信号は、像振れ防止用レンズ16のx方向、y方向の移動距離を表すものであり、第2A/Dコンバータ52により変換された数値データSx、Syは、x、y方向の振れ角度に換算されている。
【0046】
次に、積分手段46によって計算された振れ角度x、yから、第2A/Dコンバータ52により変換された数値データSx、Syが差し引かれる。差し引かれた数値データは、D/Aコンバータ50に入力され、数値データに比例した電流が、第1、第2駆動用コイル20a、20bに流される。なお、ジャイロ34aの出力信号に基づいて計算された振れ角度xを補償できる水平方向位置に像振れ防止用レンズ16が移動されている場合には、振れ角度xと数値データSxが一致するため、これらの差は0となり、第1駆動用コイル20aには電流が流れなくなる。同様に、振れ角度yを補償できる鉛直方向位置に像振れ防止用レンズ16が移動されている場合には、振れ角度yと数値データSyが一致し、第2駆動用コイル20bには電流が流れなくなる。
【0047】
次に、図6を参照して、振れ補正制御の手順を説明する。図6に示すフローチャートは、カメラ1の作動中において、コントローラ36によって所定時間毎に繰り返し実行されるサブルーチンである。
【0048】
まず、図6のステップS1においては、振れ補正開始フラグが有効か否かが判断される。振れ補正開始フラグは、カメラ本体4に設けられた手ブレ補正機能の起動スイッチ(図示せず)の状態に基づいて値が変更されるフラグであり、手ブレ補正機能がオンにされている場合には「有効」にされ、オフにされている場合には「無効」にされる。振れ補正開始フラグが有効である場合にはステップS2に進み、無効である場合には、振れ補正制御を実行しないため、図6のフローチャートの一回の処理を終了する。
【0049】
ステップS2においては、ジャイロ34a、34bにより検出された角速度信号をA/D変換した角速度のデータx’、y’が、第1A/Dコンバータ42から読み込まれる。
【0050】
次に、ステップS3においては、コントローラ36に内蔵された撮影モード読込手段38により、モード切替スイッチ4aによってカメラ本体4において設定された撮影モードが、カメラ本体4から読み込まれる。
【0051】
ステップS4においては、コントローラ36に内蔵された撮影モード判定手段40により、モード切替スイッチ4aの設定状態が動画撮影モード、又は静止画撮影モードの何れであるかが判断される。動画撮影モードである場合にはステップS5に進み、静止画撮影モードである場合にはステップS6に進む。
【0052】
ステップS5においては、コントローラ36に内蔵された最大値制限手段44により、角速度のデータx’、y’の値が所定の範囲内に制限される。即ち、角速度のデータx’が所定の角速度最大値ωxmaxよりも大きい場合には、x’の値がωxmaxに置き換えられ、角速度のデータx’がマイナス側の角速度最大値−ωxmaxよりも小さい場合には、x’の値が−ωxmaxに置き換えられる。同様に、角速度のデータy’の値も、±ωymaxの範囲内に制限される。本実施形態においては、水平方向及び鉛直方向の角速度は夫々±1.35deg/secの範囲内に制限され、好ましくは、角速度を±1.1deg/sec乃至±1.6deg/secに制限する。
【0053】
なお、最大値制限手段44による最大値の制限が行われていない場合においても、実際には、ジャイロ34a、34bの検出能力の限界や、コントローラ36における信号処理上の制限(例えば、第1A/Dコンバータ42の許容入力)等により、角速度の値には最大値が存在する。従って、最大値制限手段44による最大値の制限とは、静止画撮影モードにおける角速度の最大値よりも低い値に角速度の最大値を制限することを意味する。好ましくは、動画撮影モードにおける角速度の最大値を、静止画撮影モードにおける角速度の最大値の約1/2〜1/3程度に制限する。
【0054】
次に、ステップS6においては、積分手段46により、角速度のデータx’、y’が積分され、振れ角度x、yが算出される。なお、動画撮影モードに設定されている場合には、ステップS5において所定範囲に制限された角速度データが積分される。
【0055】
ステップS7においては、第1、第2磁気センサー24a、24bによる検出信号が、第2A/Dコンバータ52によりA/D変換されることにより、x、y方向の振れ角度に換算された数値データSx、Syが算出される。
【0056】
次いで、ステップS8においては、ステップS6において算出された振れ角度x、yからステップS7において算出された数値データSx、Syが減じられ、これらの差に相当する電流が第1、第2駆動用コイル20a、20bに流され、移動枠14が駆動される。
【0057】
ステップS9においては、振れ補正開始フラグが有効か否かが再び判断される。振れ補正開始フラグが有効である場合には、ステップS2に戻り、ステップS2〜S9の処理が繰り返される。また、ステップS2〜S9による振れ補正制御中に手ブレ補正機能がオフにされた場合には、振れ補正開始フラグは「無効」に変更され、この場合には、ステップS10に進む。
【0058】
ステップS10においては、手ブレ補正終了処理が実行され、図6のフローチャートの一回の処理が終了する。本実施形態においては、手ブレ補正終了処理として、まず、移動枠14が所定の制御中心位置に移動される。この制御中心位置においては、移動枠14に取り付けられた像振れ防止用レンズ16の光軸と他の撮像用レンズ8の光軸が一致する。次に、防振アクチュエータ10に備えられた係止機構(図示せず)により、移動枠14が制御中心位置に係止される。
【0059】
次に、図1を参照して、本発明の実施形態によるカメラ1の作用を説明する。まず、カメラ1の手ブレ防止機能の起動スイッチ(図示せず)をオンにすることにより、レンズユニット2に備えられた防振アクチュエータ10が作動される。レンズユニット2に取り付けられたジャイロ34a、34bは、角速度の信号をコントローラ36に出力する。コントローラ36は、角速度の信号に基づいて、レンズ鏡筒6の振れが補正されるように、像振れ防止用レンズ16を時々刻々移動させ、カメラ本体4の撮像素子7に合焦される像が安定化される。
【0060】
また、カメラ本体4のモード切替スイッチ4aが動画撮影モードに設定され、動画が撮影されている場合には、最大値制限手段44によりジャイロ34a、34bにより検出された角速度信号の最大値が制限される。このため、動画撮影時においては、角速度の大きな振れに対する画像の補正が頭打ちにされ、防振アクチュエータ10による振れ補正が抑制される。動画撮影中においては、撮影者が意図的にカメラ1を動かして被写体を追う場合があり、この振れを補正するために移動枠14が大きく移動されると、やがて移動枠14は機械的な可動端に達してしまい、このとき撮影された動画が不自然に振れてしまう。本実施形態のカメラ1では、動画撮影モードにおいては、防振アクチュエータ10による振れ補正が抑制されるため、移動枠14が機械的な可動端に達することは少なく、撮影された動画の不自然な振れを抑制することができる。また、動画においては、連続的に撮像された各画像の細かな振れは認識されにくいため、振れ補正を抑制しても画質の低下は認識されにくい。
【0061】
一方、カメラ本体4のモード切替スイッチ4aが静止画撮影モードに設定され、静止画を撮影する場合には、最大値制限手段44による角速度信号の最大値制限は行われない。このため、防振アクチュエータ10による振れ補正機能は最大限活用され、撮影される静止画の振れは十分に抑制される。また、静止画撮影においては、角速度信号の最大値制限が行われていなくても、撮影者が意図していないカメラ1の振れにより移動枠14が機械的な可動端に達することは少なく、カメラ1のファインダー(図示せず)に形成される像が不自然に振れることは少ない。
【0062】
本発明の実施形態のカメラ1によれば、最大値制限手段44が角速度のデータx’、y’の最大値を制限するだけで各撮影モードにおいて画像が適切に安定化される。このため、検出信号に対する複雑な演算によって発生する位相遅れや、周波数選択性のフィルタリング回路を追加することによって発生する温度ドリフト等の悪影響を回避しながら、静止画撮影時及び動画撮影時の双方において適切な像ブレ補正を行うことができる。
【0063】
また、本実施形態のカメラ1によれば、動画撮影モードにおける角速度検出値の最大値が、静止画撮影モードにおける最大値よりも低く制限されるので、動画撮影時において振れ補正量が過剰になり、撮影された動画が不自然に振れるのを抑制することができる。即ち、動画撮影時においては、撮影者がカメラを意図的に動かすことが多く、このようなカメラの動きによる画像の振れを補正するように防振アクチュエータ10が作動すると、移動枠14の移動量が過大になり、移動枠14は機械的な可動端まで達してしまう。このような場合には、移動枠14の可動端で突然振れ補正が働かなくなり、撮像された動画は不自然に大きく振れる結果となる。本実施形態のカメラ1においては、動画撮影モードにおいて振れ補正が抑制されるので、移動枠14の過大な移動による大きな振れの発生を抑制することができる。一方、静止画撮影モードにおいては、角速度検出値の最大値は、静止画撮影モードにおける最大値よりも大きくされるので、防振アクチュエータ10による振れ補正能力を最大限活用することができる。
【0064】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態では、本発明をレンズ交換式のデジタルカメラに適用していたが、レンズユニットとカメラ本体が一体化されたカメラに本発明を適用することもできる。また、この場合には、動画撮影モードと静止画撮影モードを切り替えるモード切替スイッチは、レンズユニット側、カメラ本体側どちらに設けることもできる。
【符号の説明】
【0065】
1 本発明の実施形態のカメラ
2 レンズユニット
4 カメラ本体
4a モード切替スイッチ
6 レンズ鏡筒
7 撮像素子
8 撮像用レンズ
10 防振アクチュエータ
12 固定板(固定部)
14 移動枠(可動部)
16 像振れ防止用レンズ
18 スチールボール(可動部支持手段)
20a 第1駆動用コイル
20b 第2駆動用コイル
22a 第1駆動用磁石
22b 第2駆動用磁石
24a 第1磁気センサー(位置センサー)
24b 第2磁気センサー(位置センサー)
26 吸着用ヨーク
28 バックヨーク
30 凹部
34a、34b ジャイロ(振れ検出センサー)
36 コントローラ(制御手段)
38 撮影モード読込手段
40 撮影モード判定手段
42 第1A/Dコンバータ
44 最大値制限手段
46 積分手段
50 D/Aコンバータ
52 第2A/Dコンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画撮影及び静止画撮影における像振れを補正するために、レンズ鏡筒内に配置された像振れ防止用レンズを移動させる防振アクチュエータであって、
固定部と、
上記像振れ防止用レンズが取り付けられた可動部と、
この可動部を、上記固定部に対して移動可能に支持する可動部支持手段と、
上記固定部と上記可動部の間に駆動力を作用させ、上記固定部に対して上記可動部を駆動する駆動手段と、
動画を撮影するための動画撮影モード、又は静止画を撮影するための静止画撮影モードの何れであるかを判断する撮影モード判定手段と、
上記レンズ鏡筒の振れを検出する振れ検出センサーと、
この振れ検出センサーによって検出された振れに基づいて上記駆動手段を制御して、撮像される画像が安定するように上記可動部を移動させる制御手段と、
上記撮影モード判定手段により判定された撮影モードに基づいて、上記振れ検出センサーによって検出され、上記駆動手段の制御に利用される振れ検出値の最大値を制限する最大値制限手段と、
を有することを特徴とする防振アクチュエータ。
【請求項2】
上記最大値制限手段は、上記撮影モード判定手段により判定された撮影モードが動画撮影モードである場合において、振れ検出値の最大値を、静止画撮影モードにおける最大値よりも低く制限する請求項1記載の防振アクチュエータ。
【請求項3】
上記振れ検出センサーは、振れ角速度を検出するセンサーであり、上記最大値制限手段は、上記駆動手段の制御に利用される振れ角速度の最大値を制限する請求項1又は2記載の防振アクチュエータ。
【請求項4】
カメラ本体に取り付けて使用され、動画撮影及び静止画撮影における像振れ補正機能を備えたレンズユニットであって、
レンズ鏡筒と、
このレンズ鏡筒の中に配置された撮像用レンズと、
上記レンズ鏡筒に対して固定された固定部と、
像振れを補正するために移動される像振れ防止用レンズと、
この像振れ防止用レンズが取り付けられた可動部と、
この可動部を、上記固定部に対して移動可能に支持する可動部支持手段と、
上記固定部と上記可動部の間に駆動力を作用させ、上記固定部に対して上記可動部を駆動する駆動手段と、
上記カメラ本体における設定が、動画を撮影するための動画撮影モードにされているか、又は静止画を撮影するための静止画撮影モードにされているかを、上記カメラ本体から読み込む撮影モード読込手段と、
この撮影モード読込手段から読み込まれた撮影モードが、動画撮影モード又は静止画撮影モードの何れであるかを判断する撮影モード判定手段と、
上記レンズ鏡筒の振れを検出する振れ検出センサーと、
この振れ検出センサーによって検出された振れに基づいて上記駆動手段を制御して、撮像される画像が安定するように上記可動部を移動させる制御手段と、
上記撮影モード判定手段により判定された撮影モードに基づいて、上記振れ検出センサーによって検出され、上記駆動手段の制御に利用される振れ検出値の最大値を制限する最大値制限手段と、
を有することを特徴とするレンズユニット。
【請求項5】
動画撮影及び静止画撮影における像振れ補正機能を備えたカメラであって、
カメラ本体と、
レンズ鏡筒と、
このレンズ鏡筒の中に配置された撮像用レンズと、
上記レンズ鏡筒に対して固定された固定部と、
像振れを補正するために移動される像振れ防止用レンズと、
この像振れ防止用レンズが取り付けられた可動部と、
この可動部を、上記固定部に対して移動可能に支持する可動部支持手段と、
上記固定部と上記可動部の間に駆動力を作用させ、上記固定部に対して上記可動部を駆動する駆動手段と、
動画を撮影するための動画撮影モード、又は静止画を撮影するための静止画撮影モードの何れであるかを判断する撮影モード判定手段と、
上記レンズ鏡筒の振れを検出する振れ検出センサーと、
この振れ検出センサーによって検出された振れに基づいて上記駆動手段を制御して、撮像される画像が安定するように上記可動部を移動させる制御手段と、
上記撮影モード判定手段により判定された撮影モードに基づいて、上記振れ検出センサーによって検出され、上記駆動手段の制御に利用される振れ検出値の最大値を制限する最大値制限手段と、
を有することを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−50592(P2013−50592A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188648(P2011−188648)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000133227)株式会社タムロン (355)
【Fターム(参考)】