説明

防汚性付与皮革

【課題】アクリル樹脂を中心に形成することを前提とし、自動車内部固有の汚れに対して防汚性を有するとともに、付着した汚れは、除去しやすい状態で付着している特性を有する、耐摩耗性、及び柔軟性を付与した天然皮革のトップコート層の提供。
【解決手段】アクリル樹脂(3〜15重量%)、アクリルシリカ樹脂(15〜20重量%)、アクリルポリシロキサン樹脂(15〜20重量%)、アクリルウレタン樹脂(10〜15重量%)、ウレタン樹脂(8〜13重量%)、イソシアネート架橋剤(20〜30重量%)及びシリコーン系触感剤(8〜15重量%)(以上固形分合計100重量%)からなる塗膜を天然皮革のトップコート層として設けたる天然皮革。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防汚性付与皮革に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーシートや自動車内装部品は天然皮革や人工皮革が用いられてきた。これらの天然皮革は人工皮革と比較すると使用者に心地よい感触を与えることができ、又天然皮革特有の感触及び雰囲気をかもしだすことができることなどから、その評価は高い。使用頻度も高く、厳しい条件下に使用することに対処するためにカーシートや自動車内装部品は天然皮革では、優れた強度及び、耐摩耗性を有すると共に柔軟性及び柔らかさを有していることが必要とされ、汚れに対して十分な対策がはかられていることが要求されている。
【0003】
天然皮革にこのような特性を付与するために天然皮革の表面にコーティング層を設け、特にそのトップコート層に以下の特性を有することとし、解決をはかってきた。
天然皮革の表面に樹脂からなる塗料によるコーティング層のトップコート層には、優れた強度、耐摩耗性、柔軟性及び柔らかさを有していること、つや消しが行なわれていること、自動車内での汚れに対する防汚及び付着した汚れを除去できる特性を有しているものを求めて開発が行われてきた。
【0004】
天然皮革のトップコート層に用いられる樹脂としてはアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル又はこれらを含む共重合体を用いることが知られている(特許文献1 特表2008−501830号公報、特許文献2 特開平2006−89725号公報、特許文献3 特開平8−48732号公報、特許文献4 特開平6−17100号公報、特許文献5 特開平4―165000号公報、特許文献6 特開昭60−141709号公報、特許文献7 米国特許第4314800号明細書、特許文献8 米国特許第4491645号明細書、特許文献9 米国特許第2746837号明細書)。
トップコート層に用いられる樹脂の塗料であるアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル又はこれらを含む共重合体は、強度などの点で優れていることが注目され、この長所を活かしつつ他の特性を付与する努力が行われている。
【0005】
汚れ落としについての発明ではカーシート用や自動車内装部品を意図したアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル又はこれらを含む共重合体においては、従来知られていない。トップコート層に用いられるアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル又はこれらを含む共重合体を用いる天然皮革のトップコート層にあっては、汚れに対する防汚及び付着した汚れを除去する点の対策が必要とされている。
【0006】
他の樹脂に用いられている汚れに対する対策は、自動車内という特有の環境下天然皮革の表面に設けた塗膜層の汚れを防止する又は除去することに直ちにこれを適用でできるというものではない。
樹脂にシリコーンやシリカを樹脂などに添加するものとしては以下の場合が知られている。
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などの自動車用塗装剤に、加水分解性シリル基を有する化合物またはその加水分解物を含む自動車部材(特許文献10 特開平7−308634号公報)が知られている。使用形態は自動車部材の塗装に用いるものである。また、水垢などの汚れ防止を主目的とするものである。使用する環境が相違する自動車内部の天然皮革の塗膜中に含まれる成分というものではないし、表面に付着する固有の汚れを対象とするものではない。
水性分散体(アクリル樹脂)と、コロイダルシリカと、特定の界面活性剤とからなる外装塗料用水性被覆組成物(特許文献11 特開2004−300308号公報)は、雨筋状汚染または雨染みの汚染を低減でき、とくに塗膜形成直後からの汚れの防止をねらうものであり、自動車内部にある天然皮革の塗膜層にて添加して、その汚れを対象とするものではない。
ベースポリマーとしてシリコーン変性ウレタン樹脂を含み、当該シリコーン変性ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂を構成するイソシアネートとポリオールとの少なくとも一方がシリコーン変性されているウレタン樹脂である塗膜層を形成する(特許文献12 特開2003−343158号公報)。木質系キッチン収納扉を対象にするものであり、使用する材質及び使用する環境、用いる樹脂も相違する。
繊維布帛基材の少なくとも片面に、アクリルシリコン系化合物を主成分とする膜及び水系ポリウレタン樹脂膜を有し、アクリルシリコン系化合物を主成分とする膜、水系ポリウレタン樹脂膜、繊維布帛基材の順に積層されている合成皮革(特許文献13 特開2007−191820号公報)。接着層を介して、水系ポリウレタン樹脂膜を有し、水系ポリウレタン樹脂膜のもう一方の片面に直接アクリルシリコン系化合物を主成分とする層を有する防汚性ウレタン樹脂膜を有する防汚性合成皮革を対象としているものである。
【0007】
自動車内で付着する汚れの特徴は、(1)乗降の際に通常より大きい摩擦が生じるために衣類の染料(代表的な染料としてはジーンズ染料)による汚れ、(2)人の皮脂が付着したことによる汚れ、(3)車内での飲食によるコーヒーやケチャップの細かい飛まつによる汚れ、(3)自動車のドアを開閉することによる車外の浮遊する塵や埃が車内の持ち込まれる結果による汚れ及び(4)車外に発生する排気ガスの煤(カーボンブラック)などを取り込んでしまうことによる汚れなどが挙げられる。これは種々雑多な種類の汚れであり、自動車内発生する固有の汚れであり、一般的に表面に付着する汚れとは相違している。
これらの汚れがカーシートなどに付着し、蓄積されている状態では、長時間の使用に伴って発生する汚れとなって不快感を与えるばかりでなく、場合によっては白やベージュでは汚れが目立つ結果となり、用いる塗料の色の選択にまで影響を与えることとなる。
【0008】
自動車の諸設備に対して、汚れを防止するうえから、一般的な汚れに対する対策などとして、以下の対策が講じられている。
(1)汚れが付着することを防止し、例え、汚れが付着した場合であっても、フッ素樹脂やシリコーン樹脂を用いる方法がある。これは衣服などに対しても行うことができる。特定の汚れを意識せず、汚れが固定化されにくい表面を形成すること、その結果、汚れは表面にこびりつくようには固定化されず、水などにより洗い流されやすい表面を形成する。この方法では諸設備の表面がコーティングされる結果、諸設備が本来有している軟らかさとか、感触を損なう結果となることがあり、使用感として、滑りやすくなるなどの問題点が指摘されている。
(2)MPCポリマーなどの親水性物質や繊維用再汚染防止剤(例えば、一方社油脂株式会社製プリシェードSRなど)が挙げられるが、これも汚れを特定化せずに、汚れと一体化して水拭きなどにより除去されやすい状態に保つものである。
何回も除去作業を進めると、これらも汚れと共に除去されるので、定期的に塗り替え作業が必要となるなどが問題点として指摘されている。
これらは塗膜層の表面に付着させるなどして用いるものであり、塗膜層の材料中にこれらを取り込むという考え方はない。
【0009】
現在ポリウレタン樹脂塗料によるトップコート層を形成する場合については以下のことが知られている。
現在カーシートなどに自動車用に天然皮革のコーティング層のトップコート層として、広く用いられている樹脂は先に述べたようにポリウレタンである(特許文献14 特開平08−060553号公報)。ブロック化イソシアネートプレポリマーを乳化して得られる水性分散液にアミノ基を有する脂肪族ポリオール添加するもの(特許文献15、特公平3−70752号)、ニ官能性イソシアネートに、ニ官能性ポリヒドロキシル化合物、連鎖延長剤及び連鎖反応停止剤を反応させて末端芳香族アミノ基を含むポリウレタンを生成させるもの(特許文献15、特開平06−220399号公報、特許文献16特開平2−187477号公報)などが知られている。なお、ポリウレタンにアクリル樹脂を組み合わせることも知られている(特許文献17特開平5−209150号公報)が、ポリウレタンのみのコーティング層に押され、ポリウレタンに対して積極的にアクリル樹脂を用いることも行われていない。
【0010】
ポリウレタン樹脂による塗膜形成では、塗膜自体が光沢を有することが嫌われ、このために、シリカをつや消し剤として添加して、塗膜の表面が、「てかる」状態を避けることが広く行われた。このシリカを用いることは硬さを増してしまうという弊害が生ずることから嫌われ、以下のようなポリウレタン樹脂とシリカ化合物を組み合わせて用いることが知られている。しかしながら、これを汚れに対する対策とされているものではない。
(A)アルコキシシラン変性されていないPU分散液40〜95%、及び(B)シリカゾル分散液5〜60%の組合せを含み、上記割合(%)は、不揮発性画分の質量に基づき、合計で100質量%である水性シリカゾル変性PU分散液(特許文献18 特表2003−534423号公報)。
アルコキシシラン変性PU分散液の耐薬品性および硬度のさらなる向上を、シリカゾルとの組合せで達成する(特許文献19 米国特許第5,945,476号明細書 特許文献20 米国特許5,952,445号明細書、特許文献21 米国特許第5,859,118号明細書、特許文献22 米国特許第5,859,118号明細書、特許文献23 米国特許第5,932,652号明細書など)。
又、シリコーン系化合物とポリウレタン樹脂を組み合わせて用いる上塗り剤も知られている(特許文献24 特開2007−314919号公報)。水性ポリウレタン樹脂(A)100質量部、ポリイソシアネート系架橋剤(B)40〜100質量部、シリコーン系化合物(C)5〜25質量部、およびフィラー(D)5〜120質量部を含有する水性樹脂組成物からなることを特徴とする皮革用表面仕上げ剤。皮革の最表面層への、着色および光沢の調整、触感の付与、耐摩耗性の付与等を施し、意匠性および表面強度を向上させることができる。
【0011】
以上述べてきたことをまとめると、以下の通りである。
【0012】
トップコート層に用いられるアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル又はこれらを含む共重合体を用いる天然皮革のトップコート層の汚れに対する防汚及び付着した汚れを除去する汚れ手段が求められている。
【特許文献1】特表2008−501830号公報
【特許文献2】特開平2006−89725号公報
【特許文献3】特開平8−48732号公報
【特許文献4】特開平6−17100号公報
【特許文献5】特開平4―165000号公報
【特許文献6】特開昭60−141709号公報
【特許文献7】米国特許第4314800号明細書
【特許文献8】米国特許第4491645号明細書
【特許文献9】米国特許第2746837号明細書
【特許文献10】特開平7−308634号公報
【特許文献11】特開2004−300308号公報
【特許文献12】特開2003−343158号公報
【特許文献13】特開2007−191820号公報
【特許文献14】特開平08−060553号公報
【特許文献15】特公平3−70752号公報
【特許文献16】特開平2−187477号公報
【特許文献17】特開平5−209150号公報
【特許文献18】特表2003−534423号公報
【特許文献19】米国特許第5,945,476号明細書
【特許文献20】米国特許第5,952,445号明細書
【特許文献21】米国特許第5,859,118号明細書
【特許文献22】米国特許第5,859,118号明細書
【特許文献23】米国特許第5,932,652号明細書
【特許文献24】特開2007−314919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、天然皮革のコーティング層中のトップコート層について、アクリル樹脂を中心に樹脂として形成することを前提とし、自動車内部固有の汚れに対して防汚性を有するとともに、付着した汚れは、除去しやすい状態で付着している特性を有する、耐摩耗性、及び柔軟性を付与した天然皮革のコーティング層中のトップコート層を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、アクリル樹脂を中心に形成することを前提とし、自動車内部固有の汚れを対象とする防汚性を有するとともに、付着した汚れは、除去しやすい状態で付着している特性を有する、耐摩耗性、及び柔軟性を付与したトップコート層についてアクリル樹脂を中心に樹脂として形成することアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル又はこれらを含む共重合体を得ることについて鋭意研究を進めた。
(1)アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル又はこれらを含む共重合体を含むアクリル樹脂による塗膜形成あたっては任意成分として、つや消し剤として珪酸ペーストや珪酸塩を用いること(特開平6−17100号公報、特開平8−48732号公報、消泡剤としてシリコーンを用いること(特開平2006−89725号公報)が既に知られていた。
ところで、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル又はこれらを含む共重合体を含むアクリル樹脂を中心に形成する際に、アクリルシリカ樹脂及び(又は)アクリルポリシロキサン樹脂を樹脂として組み合わせることは、つや消し剤などの分野を含めても従来行われていなかった。
(2)本発明者らは、アクリル樹脂に対して、アクリルシリカ樹脂及びアクリルポリシロキサン樹脂を添加する場合には、透明性が向上し、具体的には透明な状態が得られることを、実験を通して今回新たに見出した。また、これとは別の現象である、前記のアクリル樹脂にアクリルシリカ樹脂及びアクリルポリシロキサン樹脂などを添加する場合には、カーシートなどの自動車の使用に伴う汚れ防止に役立つこと、同時に汚れが付着した場合でも除去しやすい結果となることを、実験を通して、本発明者らは今回始めて見出した。
(3)しかしながら、アクリル樹脂に対して、アクリルシリカ樹脂及びアクリルポリシロキサン樹脂を用いる場合には、耐摩耗性の点で十分な結果を得ることができないことがわかった。
そこで、アクリル樹脂を中心に形成することを前提とし、自動車内部固有の汚れを対象とする防汚性を有するとともに、付着した汚れを除去しやすい特性を有する、耐摩耗性、及び柔軟性を付与したトップコート層に、アクリル樹脂、アクリルシリカ樹脂及びアクリルポリシロキサン樹脂を添加し、さらにポリウレタン樹脂成分、イソシアネート架橋剤成分及びシリコーン系触感剤を添加したトップコート層とすると、強度の他に自動車内部固有の汚れを対象とする防汚性を有するとともに、付着した汚れを除去しやすい特性を有する、耐摩耗性、及び柔軟性を付与したトップコート層を得ることができることを、本発明者らは実験により見出した。
(4)具体的には、以下の通りである。
(a)アクリル樹脂(3〜15重量%、固形分)、アクリルシリカ樹脂(15〜20重量%、固形分)、アクリルポリシロキサン樹脂(15〜20重量%、固形分)、アクリルウレタン樹脂(10〜15重量%、固形分)、ウレタン樹脂(8〜13重量%、固形分)、イソシアネート架橋剤(20〜30重量%、固形分)及びシリコーン系触感剤(8〜15重量%、固形分)(以上固形分合計100重量%)からなる塗膜を天然皮革のトップコート層として設けた天然皮革。
(b)アクリル樹脂(3〜15重量%、固形分)、アクリルシリカ樹脂(15〜25重量%、固形分)、アクリルポリシロキサン樹脂(20〜40重量%、固形分)、ウレタン樹脂(5〜15重量%、固形分)、及びイソシアネート架橋剤(20〜35重量%、固形分)(以上固形分合計100重量%)からなる塗膜を天然皮革のトップコート層として設けたことを特徴とする天然皮革。
【発明の効果】
【0015】
天然皮革のコーティング層中のトップコート層について、アクリル樹脂を中心に形成した樹脂からなる層を前提とし、自動車内部固有の汚れを対象とする防汚性を有するとともに、付着した汚れを除去しやすい特性を有する、耐摩耗性、及び柔軟性を付与したトップコート層を有する天然皮革を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
天然皮革製造工程は以下の通りである。
天然皮革を製造する工程は、皮をなめすための準備工程、クロム又はクロムフリーなめし剤によるなめし工程、芳香族スルホン酸(主としてナフタレン及びフェノールのスルホン酸)のホルムアルデヒド縮合物などの合成なめし剤による再なめし・染色・加脂工程とこれに続く乾燥工程、及び仕上げ工程からなる一連の工程を得て製造される天然皮革であって、再なめし・染色・加脂工程とこれに続く乾燥工程がセッター工程、がら干し乾燥工程、味取り工程、バイブレーション工程及びバフ工程からなり、仕上げ工程のプレヒート工程を経て、裏のり工程を経た後、天然皮革をカーシートや自動車内装用部品に用いた場合の耐摩耗性を向上させるために以下の三層の形成をおこなう。ベースコート層を形成する工程、型押しをする工程、カラーコート層を形成する工程、トップコート層を形成する工程、バイブレーション工程、裏すき工程を経て天然皮革を製造するための一連の工程は終了する。
これらの工程は、個々の条件及び工程の組合せについては改良が進められているものの、各工程で行う操作自体は、独立しており、ほぼ定まっているといってよく、公知の工程である。
【0017】
本発明の対象となる塗膜はもっとも表面にあるトップコート層であり、トップコート層を形成する樹脂からなる塗料を、いかに形成するかということは技術のうえで重要なテーマである。
トップコート層はベースコート層及びカラーコート層の上に形成する。本発明の説明については、ベースコート層形成工程、カラーコート層形成工程、トップコート層形成工程について説明する。
【0018】
(1)ベースコート層は、塗膜層の最下層にあたり、皮革の表面にある凹凸を平らにし、安定して上部に層を形成する準備のための層である。この層を形成するにあたっては、樹脂、顔料、助剤、触感剤及レべリング剤及び水からなる組成物を皮革の表面に塗布する。固形分となる樹脂と顔料と助剤の割合は、50〜75:5〜20:10〜30(合計100%、重量比)である。樹脂には、二液性ポリウレタン樹脂が用いられる。顔料には色付けしたい色の顔料を用いる。助剤には界面活性剤、増粘剤、調整剤、マット剤などが含まれる。樹脂、顔料、助剤、触感剤及レべリング剤と、水分の割合は20〜40:80〜60(合計100%.重量比)である。塗布方法には水溶液を含んだ状態で、はけ塗り、スプレー、カーテン塗装、ロール塗装が適宜選択して使用される。塗布量は70から150g/m、塗布後に温風を表面にあてて水分を蒸発させる。膜厚は20〜50μmである。
次いで、型押しを行なう。型押しは、革表面に高圧プレスにより凹凸を出す加工で、革にさまざまな模様(シボ)をつけるものである。次に、空打ち工程そしてステーキング工程により、皮革繊維をほぐし風合いを調整する。
【0019】
(2)カラーコート層は、塗装幕の中間層にあたり、皮革を着色するための顔料及び染料を存在させるための層であって、皮革から見てベースコートの上部に設けられている。この層を形成するにあたっても、樹脂、顔料、助剤、架橋剤、触感剤及び水からなる組成物を皮革の表面に塗布する。固形分となる樹脂と顔料と助剤と架橋剤と触感剤の割合は、45〜75:10〜30:0〜15:0〜20:0〜10(合計100%、重量比)である。樹脂には、二液性ポリウレタン樹脂が用いられる。顔料には色付けしたい色の顔料を用いる。助剤には界面活性剤(レベリング剤等)、増粘剤、調整剤などが含まれる。樹脂、顔料、助剤、触感剤及と、水分の割合は20〜40:80〜60(合計100%.重量比)である。塗布方法には水溶液を含んだ状態で、はけ塗り、スプレー、カーテン塗装、ロール塗装が適宜選択して使用される。塗布量は20〜70g/m、塗布後に温風を表面にあてて水分を蒸発させる。膜厚は5〜25μmである。
【0020】
(3)トップコート層は、カラーコート層の表面に形成される。
本発明では、このトップコート層を、アクリル樹脂を用いることを前提とし、耐摩耗性、柔軟性及び防汚性を付与したトップコート層を有する天然皮革を提供することである。
【0021】
本発明では、アクリル樹脂を中心に形成することを前提とし、自動車内部固有の汚れを対象とする防汚性を有するとともに、付着した汚れを除去しやすい特性を有する、耐摩耗性、及び柔軟性を付与したトップコート層として、以下の(a)及び(b)の2種類のトップコート層がある。
【0022】
(a)のトップコート層は以下の通りである。
アクリル樹脂(3〜15重量%、固形分)、アクリルシリカ樹脂(15〜20重量%、固形分)、アクリルポリシロキサン樹脂(15〜20重量%、固形分)、アクリルウレタン樹脂(10〜15重量%、固形分)、ウレタン樹脂(8〜13重量%、固形分)、イソシアネート架橋剤(20〜30重量%、固形分)及びシリコーン系触感剤(8〜15重量%、固形分)(以上固形分合計100重量%)からなる塗膜を天然皮革のトップコート層として設けた天然皮革(請求項1)。
(a)のトップコート層の説明は以下の通りである。
アクリル樹脂を中心に形成する成分とは、アクリル樹脂(3〜15重量%、固形分)、アクリルシリカ樹脂(15〜20重量%、固形分)、アクリルポリシロキサン樹脂(15〜20重量%、固形分)、アクリルウレタン樹脂(10〜15重量%、固形分)を用いる点にある。
前記アクリル樹脂にアクリルシリカ樹脂及びアクリルポリシロキサン樹脂、アクリルウレタン樹脂(10〜15重量%、固形分)を添加することにより、透明性が向上し、透明な状態が得ることができ、同時に、アクリル樹脂のみを用いる場合に比較して、アクリル樹脂にアクリルシリカ樹脂及びアクリルポリシロキサン樹脂、アクリルウレタン樹脂(10〜15重量%、固形分)を用いることにより、カーシートなどの自動車の使用に伴う汚れ防止に役立つこと、同時に汚れが付着した場合でも除去しやすい結果となる。
アクリル樹脂を中心に形成した樹脂成分の場合には、耐摩耗性及び柔軟性が十分ではない。そこで、ウレタン樹脂(8〜13重量%、固形分)、イソシアネート架橋剤(20〜30重量%、固形分)を添加する。イソシアネート架橋剤(20〜30重量%、固形分)により前記ウレタン樹脂に架橋剤を作用させることにより耐摩耗性及び柔軟性を増進させて、アクリル樹脂を中心に形成する成分による問題点を補い、アクリル樹脂を中心に形成することを前提とし、自動車内部固有の汚れを対象とする防汚性を有するとともに、付着した汚れを除去しやすい特性を有する、耐摩耗性、及び柔軟性を付与したトップコート層を有する天然皮革を得ることができる。
さらに、シリコーン系触感剤(8〜15重量%、固形分)を用いることにより、
アクリル樹脂を中心に形成する成分による問題点である触感や滑りやすさを向上させることができる。
各組成の割合は前記作用を十分に発揮させる上で必要な範囲として定められているものであり、前記の各範囲が有効となる。
【0023】
(b)のトップコート層としては以下の通りである。
アクリル樹脂(3〜15重量%、固形分)、アクリルシリカ樹脂(15〜25重量%、固形分)、アクリルポリシロキサン樹脂(20〜40重量%、固形分)、ウレタン樹脂(5〜15重量%、固形分)、及びイソシアネート架橋剤(20〜35重量%、固形分)(以上固形分合計100重量%)からなる塗膜を天然皮革のトップコート層として設けた天然皮革(請求項2)。
【0024】
(b)のトップコート層の説明は以下の通りである。
アクリル樹脂を中心に形成する成分とは、アクリル樹脂(3〜15重量%、固形分)、アクリルシリカ樹脂(15〜25重量%、固形分)、及びアクリルポリシロキサン樹脂(20〜40重量%、固形分)を用いる点にある。
前記アクリル樹脂にアクリルシリカ樹脂及びアクリルポリシロキサン樹脂を添加することにより、透明性が向上し、透明な状態が得ることができ、同時に、アクリル樹脂のみを用いる場合に比較して、アクリル樹脂にアクリルシリカ樹脂及びアクリルポリシロキサン樹脂を用いることにより、カーシートなどの自動車の使用に伴う汚れ防止に役立つこと、同時に汚れが付着した場合でも除去しやすい結果となる。
アクリル樹脂を中心に形成した樹脂成分の場合には、耐摩耗性及び柔軟性が十分ではない。そこで、ウレタン樹脂(5〜15重量%、固形分)、及びイソシアネート架橋剤(20〜35重量%、固形分)(以上固形分合計100重量%)を添加する。イソシアネート架橋剤(20〜35重量%、固形分)により前記ウレタン樹脂に架橋剤を作用させることにより耐摩耗性及び柔軟性を増進させて、アクリル樹脂を中心に形成する成分による問題点を補い、アクリル樹脂を中心に形成することを前提とし、自動車内部固有の汚れを対象とする防汚性を有するとともに、付着した汚れを除去しやすい特性を有する、耐摩耗性、及び柔軟性を付与したトップコート層を有する天然皮革を得ることができる。
同意にアクリル樹脂を中心に形成する成分による問題点である触感や滑りやすさを向上させることができる。
各組成の割合は前記作用を十分に発揮させる上で必要な範囲として定められているものであり、前記の各範囲が有効となる
【0025】
アクリル樹脂を中心に形成する成分であるアクリル樹脂は、以下の二種類の重合体を意味する。
(1)(a)アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルからなる成分、及び(b)アクリル酸及び/又はメタクリル酸からなる成分を含み、これらの成分を乳化重合させて得られる重合体である。また、これらに(c)グリシジルアクリレート及び/又はグリシジルメタクリレートからなる成分、(d)ヒドロキシエチルアクリレート及び/又はヒドロキシエチルメタクリレートからなる成分、及び(e)ジメタクリル酸エチレングリコール及び/又はジメタクリル酸ジエチレングリコールからなる成分を混合して得られる重合体である。
(2)アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルに、アクリル酸又はメタクリル酸からなる基幹ポリマーを形成し、基幹ポリマーにアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルをグラフと重合させて得られるグラフト重合体である。
【0026】
前記の各成分を組み合わせた(a)及び(b)天然皮革のトップコート層は従来知られていない。
トップコート層を形成するには天然皮革塗膜形成用組成物を用いて形成する条件は以下の通りである。
塗布方法には水溶液を含んだ状態で、はけ塗り、スプレー、カーテン塗装、ロール塗装が適宜選択して使用される。塗布量は20〜70g/m、塗布後に温風を表面にあてて水分を蒸発させる。膜厚は5〜25μmである。
【0027】
以下に、トップコート層を形成するには天然皮革塗膜形成用各成分について説明する。
【0028】
アクリル樹脂成分について
アクリル樹脂成分は従来知られている公知のものを使用できる。
具体的には、(1)(a)アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルからなる成分、及び(b)アクリル酸及び/又はメタクリル酸からなる成分を含み、これらの成分を乳化重合させて得られる重合体である。このほかに以下に述べる(c)から(e)の成分に含まれる成分を任意の成分を含むことができる。
(c)グリシジルアクリレート及び/又はグリシジルメタクリレートからなる成分、(d)ヒドロキシエチルアクリレート及び/又はヒドロキシエチルメタクリレートからなる成分、及び(e)ジメタクリル酸エチレングリコール及び/又はジメタクリル酸ジエチレングリコールからなる成分である。以上の成分を混合し乳化重合させて得られる重合体である。
【0029】
(1) 上記(a)から(e)成分を混合して乳化重合させ場合は以下の通りである。
(a)アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルからなる成分(エステル中にアルコール成分の炭素数は1〜8)、
(b)アクリル酸及び/又はメタクリル酸からなる成分、
(c)グリシジルアクリレート及び/又はグリシジルメタクリレートからなる成分、
(d)ヒドロキシエチルアクリレート及び/又はヒドロキシエチルメタクリレートからなる成分、及び
(e)ジメタクリル酸エチレングリコール及び/又はジメタクリル酸ジエチレングリコールからなる成分。
得られる全体量のa成分の固形分は90〜99重量%、b、c、d及びe成分から選ばれる1成分の固形分として10〜1重量%を含有する(固形分合計100重量%)。これらを界面活性剤の存在下に,pH7未満で硫酸鉄(II)が存在し、又は存在しない状態で、過酸化水素及びアスコルビン酸や過硫酸アルカリの存在する水溶液の状態で乳化重合を行うことによりアクリル樹脂成分を得ることができる(特開昭60−141709号公報、特開平4−165000号公報)。
アクリル系モノマーについて説明する。アクリル系モノマーとしては、ラジカル重合が可能なものであれば特に制限はなく、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、オクチル、2−エチルヘキシルなどの炭素1〜8アルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル又はアクリル酸エステルである。
(b)から(e)の原料物質は公知物質であり、その化合物を用いる。
【0030】
(2)グラフト重合によるものの一例を挙げれば以下の通りである。
エチルアクリレート/メタクリル酸からなる基幹ポリマー上にエチルメタクリレートをグラフト重合しているグラフトポリマーであり、各重量比率が69.65:0.35:30であるもの。
エチルアクリレート300g、メタクリル酸1.51gを乳化剤として炭素数15のパラトルエンスルホナートのナトリウム塩3.1g、アンモニウムパーオキシスルホネート0.62g、FeSO0.84mg及び水566gからなる乳化液を、30℃に加温し、不活性ガスである窒素ガスの存在下にNaFe0.31gと混合する。温度は8〜10分間に103℃に上昇させる。次にエチルメタクリレート129gを15分以内にわたり滴加する。最終段階には60分90℃で攪拌し、冷却して分散液を取り出し、アンモニアを吹き込むと、透明なフィルム状のグラフと重合体を得ることができる。
同様にして、エチルアクリレート272g、メタクリル酸8gを乳化剤として炭素数15のパラトルエンスルホナートのナトリウム塩3g、アンモニウムパーオキシスルホネート0.62g、FeSO0.8mg及び水566gからなる乳化液を、30℃に加温し、不活性ガスである窒素ガスの存在下にNaFe0.31gと混合する。温度は8〜10分間に95℃に上昇させる。次にエチルメタクリレート129gを15分以内にわたり滴加する。最終段階では、エチルアクリレート/メタクリル酸からなる基幹ポリマー上にエチルメタクリレートをグラフト重合しているグラフトポリマーであり、各重量比率が68.25:2:30であるものを得る(特開平6−17100号公報、特開平8−48732号公報)。
【0031】
これらはいずれも公知物質であり、適宜購入して使用することができる。具体的には、Clariant社製Merio ResinA−966、Aqualen.Top2005、Lanxess社製SB300などを挙げることができる。
【0032】
アクリルシリカ樹脂について
シリカとアクリル樹脂を混合させ均一化されたものを用いる。
一例を挙げると以下の通りである。
少なくとも1種の表面変性された二酸化ケイ素を、アクリレートをベースとして混合され、構造粘性に調節されている塗料配合物(特開2006−002152号公報、特開2006−002151号公報)。
二酸化ケイ素は、沈降シリカ、熱分解法シリカ、シリカゲル、変性された熱分解法シリカ並びに前記二酸化ケイ素の混合物から成る群から選択されたものを用いる。二酸化ケイ素の表面を少なくとも1種のポリマーで変性させ、これを表面変性された二酸化ケイ素と呼称する。熱分解法シリカをベースとして製造されたシリカとは、この場合、DE2414478に記載された熱分解法シリカをベースとして製造することができるシリカである。
表面変性とは、二酸化ケイ素粒子の表面に、有機成分の化学的により表面変性された二酸化ケイ素の場合、二酸化ケイ素粒子の少なくとも一部の表面の少なくとも一部が表面変性剤で被覆されている。
塗料配合物を製造し、表面変性された二酸化ケイ素を添加し、かつ完成された塗料配合物を23℃、相対湿度50%で1日貯蔵した後、わずかに攪拌し、剪断された状態(6回転/分)に処理する。わずかに剪断された状態とは、Haake粘度計6Rを用いて6回転/分で、室温で測定された動粘度に相当する。強力に剪断された状態とは、Haake粘度計6Rにより60回転/分で、室温で測定された動粘度に相当する。
塗料配合物は、 塗料配合物を製造し、表面変性された二酸化ケイ素を添加し、かつ完成された塗料配合物を23℃、相対湿度50%で1日貯蔵した後の、わずかに剪断された状態(6回転/分)で測定された本発明による塗料配合物の粘度のもとで、塗料配合物を製造し、かつ完成された塗料配合物を23℃、相対湿度50%で1日貯蔵した後の、わずかに剪断された状態(6回転/分)で測定された、表面変性された二酸化ケイ素なしの同一の塗料配合物の粘度よりも、最高で15%低い二酸化ケイ素を含有する。
塗料配合物は、チキソトロープの、溶剤を含有する塗装工用塗料中で、2.4のチキソトロピー指数TI 6/60を有し、構造粘性に調節された水性分散液塗料中で有利には、1.6以上のチキソトロピー指数TI 6/60を有し、0.5〜15質量%、有利に1〜10質量%の割合の、少なくとも1種の表面変性された二酸化ケイ素を含有する。
本発明の意味における典型的な塗料配合物は、アルキド樹脂をベースとする、チキソトロープに調節された、溶剤を含有する塗料、並びに、アクリレート、アクリレート/ポリウレタン又はその混成物をベースとする、構造粘性に調節された、水性分散液塗料又は水性分散液透明塗料であり、艶消し塗料配合物である。
【0033】
これらはいずれも公知物質であり、適宜購入して使用することができる。具体的には、Clariant社製Merio ResinA−966、Aqualen.Top2005、Lanxess社製Hydrolac AD−1、Sthal社製RA−2398、RA−8895などを挙げることができる。
【0034】
アクリルポリシロキサン樹脂の成分について
アクリル樹脂とポリシロキサンを混合し均一な状態なったものである。具体的な一例を挙げると以下の通りである。
例えば、以下のアクリルポリシロキサン樹脂が知られている(特開2007−099953号公報)。
「下記一般式(I)
【化1】


〔式中、R,R,Rはそれぞれ炭素数1〜20の1価炭化水素基又は1価のハロゲン化炭化水素基であり、Yはラジカル反応性基又はSH基を含む有機基であり、Xは水素原子、1価の低級アルキル基又は式RSiで示される基(RはR又はYであり、R,R,Yは前記と同じである)であり、mは1〜10,000の整数、nは1以上の整数である。〕で表されるオルガノポリシロキサンの1種又は2種以上の水中油型エマルジョンに
(2)下記一般式(II)
【化2】


(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜18のアルキル基又はアルコキシ置換アルキル基である。)で表されるアクリル系単量体及びメタクリル系単量体から選択される1種又は2種以上の単量体を、(2)成分全量の70質量%以上含む単量体又は混合単量体を、(1)成分のオルガノポリシロキサンと(2)成分の単量体又は混合単量体とが5:95〜95:5の質量比となるように添加して前記オルガノポリシロキサンに(2)成分を乳化グラフト共重合させてなるグラフト共重合エマルジョンとする。さらに以下のポリシロキサンと混合する。
下記平均組成式(III)
(化3)
Si(OH)(OX)(4−a−b−p−q)/2

(但し、Rは炭素数1〜10の非置換の1価炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜10の置換の1価炭化水素基を表し、Xは炭素数1〜6の1価炭化水素基を表す。a,b,p,qは各々0.50≦a≦1.80、0≦b≦1.00、0<p≦1.50、0≦q≦0.50、0.50≦a+b≦1.80、0<p+q≦1.50、0.50<a+b+p+q≦2.0の範囲を満たす正数を表す。)
で示されるシリコーン樹脂とラジカル重合性ビニルモノマーを混合し、乳化重合して得られるシリコーン樹脂含有エマルジョンを配合した塗料組成物。
【0035】
これら公知物質であり、適宜購入して使用することができる。
具体的には、Sthal社製A−1000などを挙げることができる。
【0036】
アクリルウレタン樹脂について
アクリルウレタン樹脂の場合の一例を挙げれば以下の通りである(特許第3289951号)。
(A)成分:(A)と(B)の合計を基準にして70〜98重量%であり、(a)(1)エチレン系不飽和モノマー類のポリマー及び(2)ポリウレタンまたはブロック化したイソシアネートプレポリマーから成る群から選択される1種または1種以上のポリマー類と、(b)任意に、有機溶媒[ここで、成分(A)は、遊離のイソシアネート基を含有しておらず、そして成分(B)若しくは成分(B)の出発材料に反応し得る基を有意量含有しておらず、そして2000〜100,000mPa・sの粘度(23℃で測 定)を有し、そしてここで、(a):(b)の重量比は100:0〜5:95である];
(B)成分:(A)と(B)の合計を基準にして2〜30重量%であり、成分(A)中で製造しそれに分散させた重付加生成物[ここで、上記重付加生成物は、ポリウレタン、ポリウレタン尿素、またはポリ尿素であるか、或はそれらの混合物(これらは、成分(B)100g当たり0.5〜20ミリ当量に相当する量で、イオン基および潜在的イオン基から選択される親水性基を有しているが、遊離のイソシアネート、ヒドロキシル、またはアミノ基は本質的に全く有していない)である];
及び(C)任意に、架橋剤;から成る混合物を、成分(A)中その場で成分(B)を生じさせることによって製造するコーティング組成物。
【0037】
これら公知物質であり、適宜購入して使用することができる。
具体的には、Sthal社製RH−6677などを挙げることができる。
【0038】
ウレタン樹脂
ニ液性脂肪族ポリウレタンについては以下の通りである。
ここで言うニ液性脂肪族ポリウレタンは水性であり、塗料として使用されるものである。
天然皮革に塗膜形成するに際しては使用時に水性のポリオールと硬化剤として水性ポリ脂肪族イソシネートを混合して反応させて用いる。
二液性脂肪族ポリウレタンは一定時間内に塗布作業などの処理を進めなければならないという、ポットライフの問題があるものの、本発明の場合には天然皮革の処理には6時間程度の間に処理すればよく、作業として問題を起こすことはない。できあがり塗膜は安定化したものが得られ、又、塗膜は黄色に変化しないのなどの利点を有している。
水性ポリ脂肪族イソシネートは、以下のようにして製造する。
脂肪族イソシアネートである、1,4−ジイソシアナトブタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,5−ジイソシアナト−2,2−ジメチルペンタン、 2,2,4−および2,4,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,10−ジイソシアナトデカンなどのイソシアネートなどの脂肪族イソシ ネートを変性してウレトジオン基、イソシアヌレート基、ウレタン基、アロファネート基、ビューレット基および/またはオキサジアジン基を有するポリイソシ アネートを含むものとし、エチレンオキシド単位を含むポリアルキレンオキシドポリエーテルアルコールと反応させてポリイソシアネート混合物を製造する(特許第2961475明細書などに記載がある)。
水性ポリオールとしては、カルボキシル基含有ジオールである、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸、ジメチロールヘプタン酸、ジメチロールオ クタン酸、ジメチロールノナン酸を用いることができる。中でも工業的コスト等の点からジメチロールブタン酸、ジメチロールヘプタン酸、ジメチロールノナン 酸が好ましく、最も好ましいのはジメチロールブタン酸である。カルボキシル基含有ジオールは公知の合成方法により得られることができ通常はアルキルアルデ ヒドにホルマリンを塩基性触媒存在下でアルドール縮合させ、次いで過酸化物を作用させてアルデヒド基を酸化することによって得られる(特許3493796号明細書、特開平8−359884号公報などに記載がある)。
混合するときのNCO/OHは、1.3から1.5の範囲とする。
ポリイソシアネート成分を、ポリマーポリオールおよび低分子量連鎖延長剤と完全に反応させて、ポリウレタンを得る。その後に任意に分離することができる溶媒を使用する。
また、中和することができる基を塩の形態に転化させ、分散液を、水を用いて製造する。中和度およびイオン性基含有量に依存して、分散液を、実質的に溶液の外観を有するような非常に微細に分散させることができる。
【0039】
これらはいずれも公知物質であり、適宜購入して使用することができる。具体的には、Lanxess社製61UD、61UD、85UDHydrholac
HW、Hydrholac UD−2、Stahl社製RU13−045、RU22−063、WT13−045、WT13−485、BASF社製FinishPF、FinishPUM、Clariant社製Promul95A,TopD−2017がある。
【0040】
イソシアネート架橋剤について
架橋剤には前記水性ポリ脂肪族イソシネートを用いることができる。この架橋剤についてよく知られており、たとえば、特許第2961475号明細書などに記載されている。
前記ジメチロールアルカン酸とポリテトラメチレンエーテルグリコールからなるOH基を用いることにより水性ポリウレタン樹脂として数平均分子量18000から35000程度の水性ポリウレタン樹脂塗料を得ている(特許3493796号明細書、特開平8−359884号公報)。ポリウレタン樹脂の数平均分子量は通常1,2000〜20000、更に35,000の範囲、70000程度の水性ポリウレタンを得ている。ここで数平均分子量とはテトラヒドロフランに ポリウレタン樹脂を1重量%溶解してGPC(ゲルーミエーション・クロマトグラフ)で測定し、ポリスチレン換算した数値である。分子量の測定は、以後この測定方法を用いている。
最終のポリウレタンの分子量の目標にしたがって、反応に関与するポリ脂肪族イソシネート及びポリオールの分子量を調節することが行われる。
脂肪族イソシアネートである、1,4−ジイソシアナトブタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,5−ジイソシアナト−2,2−ジメチルペンタン、 2,2,4−および2,4,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,10−ジイソシアナトデカンなどのイソシアネートなどの脂肪族イソシ ネートを変性してウレトジオン基、イソシアヌレート基、ウレタン基、アロファネート基、ビューレット基および/またはオキサジアジン基を有するポリイソシ アネートを含むものとし、エチレンオキシド単位を含むポリアルキレンオキシドポリエーテルアルコールと反応させてポリイソシアネート混合物を製造することができる。
【0041】
これらはいずれも公知物質であり、適宜購入して使用することができる。具体的には、Lanxess社製Hydrholac TS、Stahl社製WT7370、RH−6677がある。
【0042】
シリコーン系触感剤について
リコーン系触感剤は、トップコート塗膜が形成された仕上がりの状態で天然皮革皮膜の触感が好ましい状態であるようにするために添加される。例としてヒドロキシポリジメチルシロキサン、アミノポリジメチルシロキサン、ヒドロキシポリジエチルシロキサン、ポリジメチルポリエポキシドポリシロキサン、ヒドロキシポリジフェニルシロキサン、アミノポリジエチルシロキサン、ジアルキルシロキサン(アルキル基としては、炭素数1〜10の1価脂肪族炭化水素であり、例えば、メチル基、エチル基、デシル基等)が挙げられる等が挙げられる。反応性シリコーンの分子量は約200〜10000、好ましくは300〜9000、より好ましくは1000〜5000である。
シリコーンは以下の一般式(IV)で表される公知のシリコーン樹脂を用いることができる。
【化4】


RはCH、又はCである。
nは10以上100以下の整数である。
このシリコーンは改質したものを用いることができる。
改質されたシリコーンは2から3の官能性を有するポリジアルキル置換ポリシロキサンを意味する。このアルキル基は、それぞれ、1から10個の炭素を有し、官能基はカルビノール、アミノ、チオール、エポキシなどの基であってよい。ヒドロキシポリジメチルシロキサン(例えば、ダウ社のDC1248、QA−3667、信越化学株式会社のX−22−160C)、アミノポリジメチルシロキ サン(ダウ社のDC−536ゲネシポリマー社のGP−4)、ポリジアルポリエポキシドポリシロキサンなどがある。
これらの分子量は200から10000 程度である。
【0043】
これらはいずれも公知物質であり、適宜購入して使用することができる。具体的には、Lanxess社製Rosilk2000、AQUADERM addtiveSF、AQUADERM addtiveGF、Stahl社製HM182、HM51−760、HM13−362、HM2812、HM1179、Clariant社製MelioWF−5233を挙げることができる。
【0044】
レベリング剤及び増粘剤については以下の通りである。
Lanxess FluidH
Stahl LA−746、RM−4442
ユニオンペイント株式会社 74−96レベラ−LV3
【0045】
本発明の効果を確認するために、汚れ試験及び耐磨耗試験をおこなう。
【0046】
汚れ試験方法の操作は以下の通りである。
使用する摩擦試験機は図1に示す通りである。
1 試験対象をとなる試験片を縦、横方向に30mm×250mmの試験片を採取する。
2 試験片を摩擦試験機の試験台に固定する。
3 幅30mm×長さ50mmの形状の汚れ付着布(ジーンズ及び汚染布)を採取する。
4 3で作成した汚れ付着布を、摩擦試験機の摩擦子に、図2に示されている状態で固定する。
5 汚れ付着布を水で濡らす。このとき、水がたれない程度に濡らすことが必要である。
6 水で濡らされた摩擦子は試験台の正面から見たときに水平に当たっている状態になっているように調節する。
7 摩擦子は往復速度30回/分、移動距離100mmあたり1kgの荷重をかけて、50往復行う。
8 摩擦子による試験後、試験片を試験台より取り外して、汚れが付着していない部分と汚れが付着している部分に対して、測色機により両者の色差を測定する。測定時の試験片の状態は図3に示すとおりである。色差より、試験片は汚れが付着しやすいか、付着しにくいか(防汚性)を判定することができる。
9 測色機は、L a bを計測できるものを選定して用いる。
10 付着した汚れが除去しやすいかどうかについては、汚れが付着した状態で、その半分の部分を、濡れた布(キムワイプを用いることでもよい)により、ふき取り、ふき取りを行った部分について、前記8と同じ操作により、測色機により両者の色差を測定する。測定時の試験片の状態は図4に示すとおりである。
11 色差は数値で表現している。数値が小さいほど、防汚性が高いこいとを意味している。
1.0以下は目視でほとんど汚れがわからない程度の範囲を意味している。
0〜1 5級
1〜2 4級
2〜3 3級
3〜4 2級
4以上 1級
【0047】
一般メーカーで用いている方法は以下の通りである。
汚れが付着した付着布を使用する点では同じである。この場合に汚れが付着し、乾いた状態の付着布を使用している。一方、本発明の方法では汚れが付着し、濡れた状態の付着布を使用している。本発明で得られる結果は汚れの測定方法として十分に信頼できるものとなっている。
汚れが付着し、濡れた状態の付着布を使用した理由は自動車内の汚れの付着が、この状態に近いことを想定して採用したものである。自動車内部に汚れが付着するときの状態は乾いた状態で付着することは少ない。汚れの付着しやすい場合は、雨で濡れた状態にある場合及び夏場などの汗をかいたときの場合を想定したことによるものである。
往復運動により汚れを付着させることについては以下の通りである。
自動車内の着席時、乗降時ともに、衣服や素肌とカーシートは擦れ合う状態で汚れが付着することを再現しようとしたものである。
デニム(染料)布を採用した理由は、ジーンズを着用している者の着座・乗降時のジーンズから染料が付着する場合を想定して採用した。
カーボン付着布は自動車の外気及び外気が進入して着座・乗降時に塵や埃が、人とカーシートの間に挟まれてカーシートに付着する場合を想定して採用した。
【0048】
耐摩耗性について
耐摩耗性を有することは、自動車シート用革において特に重要視される性能である。耐摩耗性については、ワイゼンビーク摩耗試験およびテーバー摩耗試験により評価した。
(1)ワイゼンビーク摩耗試験
乾布を用いる場合と湿布を用いる場合がある。
乾布を用いる場合の耐摩耗性の評価は、以下の通りである。
長さ230mm×幅約60mmの試験片を、縦方向(頭―尻方向)と横方向(背―腹方向)からそれぞれ1枚ずつとる。 その後、ワイゼンビーク摩耗試験機(Wyzenbeek Tester、SCHAP SPECIALTY MACHINE、INC.製)に固定し、摩擦子に乾布の綿帆布を用い、試験片と接触させる。
往復摩耗を行い、塗膜が剥がれ下地が見えた摩耗状態の摩耗回数で摩耗性能を評価する。170回以上であれば、経験に基づいて自動車シート用革として好適であると判断する。湿布を用いる場合の耐摩耗性の評価は、以下の通りである。
摩擦子に使用する綿帆布を水に十分に浸したあとで前記摩擦試験を行う。摩擦試験方法は、乾布試験と同じ。50回以上であれば、経験に基づいて自動車シート用革として好適であると判断する。
(2)テーバー式摩耗試験
直径150mmの試験片をテーバー式ローターリー摩耗試験機のテーブルに取り付け、その上に荷重1kgをかけたCS−10摩耗輪を乗せて試験機を動かし(試験機の回転速度は70rpmとする)、同時に集塵機も作動させる。試験回数2000回を行い、その後の塗膜の摩耗状況を目視観察し、等級をつける。
評価の等級は以下の通りとする。
等級5:全く観察されない。
等級4:わずかに認められるが、めだたない。
等級3:わずかではあるが、明らかに認められるもの。
等級2:やや著しいもの。
等級1:かなり著しいもの。
4級以上であれば、経験に基づいて自動車シート用革として好適であると判断する。
【0049】
以下に実施例により具体的に説明する。本発明はこれに限定されるものではない。
参考例1
【0050】
ベースコート層の形成について、
(1)天然皮革基材表面(バフ加工有り)の上に、ベースコートを形成した。手順は以下の例である。
ベースコート層は、塗膜層の最下層にあたり、皮革の表面にある凹凸を平らにし、安定して上部に層を形成する準備のための層である。この層を形成するにあたっては、樹脂、顔料、助剤、触感剤及レべリング剤及び水からなる組成物を皮革の表面に塗布した。
固形分となる樹脂と顔料と助剤の割合は、60:15:25(合計100%、重量比)であった。樹脂には、二液性ポリウレタン樹脂を用いた。顔料には色付けしたい色の顔料を用いた。助剤には界面活性剤、増粘剤、調整剤、マット剤、粘着防止剤などを用いた。 樹脂、顔料、助剤、触感剤及レべリング剤と、水分の割合は35:65(合計100%.重量比)である。塗布方法には水溶液を含んだ状態で、はけ塗り、スプレー、カーテン塗装、ロール塗装が適宜選択して使用される。塗布量は100g/m、塗布後に温風を表面にあてて水分を蒸発させた。
要求されている各種シボをプレス処理にて施した(今回はベースコートの上に行ったが、以後のカラーコートまたはトップコート後に行うこともある)。
空打ち工程そしてステーキング工程により、皮革繊維をほぐし風合いを調整する(これらの工程においても、カラーコートまたはトップコート後に行うこともある)。
(2)カラーコートの形成を行った。
ベースコート表面上にカラーコートを形成した。カラーコート層は、塗装幕の中間層にあたり、皮革を着色するための顔料及び染料を存在させるための層であって、皮革から見てベースコートの上部に設けられている。この層を形成するにあたっても、樹脂、顔料、助剤、架橋剤及び水からなる組成物を皮革の表面に塗布する。固形分となる樹脂と顔料と助剤と架橋剤の割合は、60:20:10:10(合計100%、重量比)である。樹脂には、二液性ポリウレタン樹脂が用いられる。顔料には色付けしたい色の顔料を用いる。助剤には界面活性剤(レベリング剤等)、増粘剤、調整剤、マット剤、粘着防止剤などが含まれる。樹脂、顔料、助剤、触感剤及と、水分の割合は30:70(合計100%.重量比)である。塗布方法には水溶液を含んだ状態で、はけ塗り、スプレー、カーテン塗装、ロール塗装が適宜選択して使用される。塗布量は35g/m、塗布後に温風を表面にあてて水分を蒸発させた。
【実施例1】
【0051】
前記で形成したカラーコート表面上にトップコートを形成した。トップコート層の塗布量は35g/mであった。
成分内容は以下の通りであった。
アクリル樹脂(5重量%、固形分)、アクリルシリカ樹脂(17重量%、固形分)、アクリルポリシロキサン樹脂(17重量%、固形分)、アクリルウレタン樹脂(12重量%、固形分)、ウレタン樹脂(11重量%、固形分)、イソシアネート架橋剤(20〜30重量%、固形分)及びシリコーン系触感剤(11重量%、固形分)、レベリング剤及び増粘剤(1重量%)のトップコート層を形成した。
【実施例2】
【0052】
前記で形成したカラーコート表面上にトップコートを形成した。トップコート層の塗布量は35g/mであった。
成分内容は以下の通りであった。
アクリル樹脂(9重量%、固形分)、アクリルシリカ樹脂(20重量%、固形分)、アクリルポリシロキサン樹脂(35重量%、固形分)、ウレタン樹脂(8重量%、固形分)、及びイソシアネート架橋剤(28重量%、固形分)(以上固形分合計100重量%)からなるトップコート層を形成した。
比較例1
【0053】
前記で形成したカラーコート表面上にトップコートを形成した。トップコート層の塗布量は35g/mであった。
各成分組成は以下の通りであった。アクリルウレタン樹脂(42重量%、固形分)、イソシアネート架橋剤(32重量%、固形分)及びシリコーン系触感剤(13重量%、固形分)、レベリング剤及び増粘剤(3重量%)からなる塗膜を天然皮革のトップコート層を形成した。
比較例2
【0054】
前記で形成したカラーコート表面上にトップコートを形成した。トップコート層の塗布量は35g/mであった。
各成分組成は以下の通りであった
アクリルウレタン樹脂(8重量%、固形分)、ウレタン樹脂(20重量%、固形分)、イソシアネート架橋剤(26重量%、固形分)及びシリコーン系触感剤(8重量%、固形分)(以上固形分合計100重量%)からなる塗膜を天然皮革のトップコート層を形成した。
【0055】
上記のそれぞれを表1に示した。
【表1】

【0056】
表2に試験結果を示す。
【表2】

【0057】
実施例1及び2は、従来のポリウレタン樹脂を用いた場合に比較して汚れがつきにくい状態にすることができたことを示している(比較例1及び2は汚れがつきやすいことを示している。)。また、実施例1及び2では同じく付着した汚れが落ちやすいことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】汚れ試験方法に使用する摩擦試験機を示す図である。
【図2】汚れ試験方法に使用する摩擦試験機の摩擦子を示す図である。
【図3】汚れが付着していない部分と汚れが付着している部分に対して、測色機により両者の色差を測定する試験片を示す図である。
【図4】汚れが付着している部分の一部の汚れを拭いて測色機により両者の色差を測定する試験片を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル樹脂(3〜15重量%、固形分)、アクリルシリカ樹脂(15〜20重量%、固形分)、アクリルポリシロキサン樹脂(15〜20重量%、固形分)、アクリルウレタン樹脂(10〜15重量%、固形分)、ウレタン樹脂(8〜13重量%、固形分)、イソシアネート架橋剤(20〜30重量%、固形分)及びシリコーン系触感剤(8〜15重量%、固形分)(以上固形分合計100重量%)からなる塗膜層を天然皮革のトップコート層として設けたことを特徴とする天然皮革。
【請求項2】
アクリル樹脂(3〜15重量%、固形分)、アクリルシリカ樹脂(15〜25重量%、固形分)、アクリルポリシロキサン樹脂(20〜40重量%、固形分)、ウレタン樹脂(5〜15重量%、固形分)、及びイソシアネート架橋剤(20〜35重量%、固形分)(以上固形分合計100重量%)からなる塗膜層を天然皮革のトップコート層として設けたことを特徴とする天然皮革。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−241963(P2010−241963A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92344(P2009−92344)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(591189535)ミドリホクヨー株式会社 (37)
【Fターム(参考)】