説明

防犯機能付き携帯電話機

【課題】防犯機能の他人等による強制停止を防いだ防犯機能付き携帯電話機を提供すること。
【解決手段】本発明の防犯機能付き携帯電話機1は、下側本体2と、二次電池7と、二次電池7を収納するための電池収納部3と、電池収納部3を覆うカバー10と、所定の操作により警報音等を発生する警報発生手段と、を備えた防犯機能付き携帯電話機1であって、カバー10の先端に位置する側壁近傍にカバーキャップ8を取り付けるための取付穴13が形成され、取付穴13を介してカバーキャップ8によってカバー10を電池収納部3を覆った状態で固定するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防犯機能付き携帯電話機に関し、特に、例えば防犯機能として防犯ブザー等を備える携帯電話機において、防犯ブザー作動時にこの防犯ブザーの作動が強制的に停止されることを防ぐための防犯機能付き携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
防犯を目的とする防犯ブザーが、現在特に子供や女性に広く普及している。しかし、この防犯ブザーは常に携帯しておく必要があり、また、緊急時に瞬時に作動させる必要があることから、この防犯ブザーの機能を一般的に常に手の届く所に携帯される携帯電話機に備えたものが特許文献にも紹介されている(例えば特許文献1〜3参照)。
【0003】
図5は下記特許文献1に開示された警報ブザー付き携帯電話機の斜視図である。
【0004】
下記特許文献1に開示された警報ブザー付き携帯電話機は、携帯電話機本体108の正面に、電話番号表示等を行う液晶画面109と、ダイヤルしたり、携帯電話機の機能を操作したりする複数のボタン110とが設けられている。また、正面上端部には、受信用スピーカーの音を外部に聞こえるようにする受信用穴111が穿孔され、下端部には、携帯電話機本体108内に内装された送信用の音声マイクに通話者の声が届くように通話用穴112が穿孔されている。そして、携帯電話機の背面には、携帯電話機本体108に内装された呼び出し音(いわゆる、着信音)を発生するスピーカーの音が外部に聞こえるようにする着信音用穴(図示せず)が穿孔されている。加えて、その上面には、伸縮自在とされた送受信用アンテナ113と、吊り紐101が取り付けられた警報発信用のスイッチ103とが設けられている。そして、このスイッチ103がオン状態、すなわち、吊り紐101が引っ張られて携帯電話機本体108から取り外された状態となったときに駆動する警報発生部を備えており、この警報発生部はスピーカーから例えば100dB以上の警報音を発生させるようになっている。また、警報発生部の駆動に伴い、警報が駆動された携帯電話機を特定するための信号を送信したり、特定の電話番号にダイヤルするようにしたり、加えてこのダイヤルにより特定の電話番号に接続された際に、所定のメッセージを送るようにすることもできるものである。
【0005】
また、下記特許文献2に開示された防犯または緊急避難機能を有する携帯電話機は、携帯電話機本体が防犯ブザーを備えているとともに、この防犯ブザーが携帯電話機のアンテナを引き抜くことにより鳴動するようになっている。詳しくは、携帯電話機本体には外周が胴体で覆われたアンテナガイドがある程度堅く嵌合しており、このアンテナガイドにはアンテナが比較的緩く摺動自在に嵌合しており、通常時はアンテナ部分のみ引出されて使用され、緊急時にはアンテナ部分を強く引っ張ることにより、アンテナガイドを本体から引き抜くことによって防犯ブザーが鳴動するものである。
【0006】
さらに、下記特許文献3に開示された防犯機能付き携帯電話は、防犯機能を備えるとともに、この防犯機能が作動しているときに他人が勝手に警報を止めることを防止したものであって、本先行技術の携帯電話は、携帯電話本体と、この携帯電話本体に内蔵された防犯ブザー及びこの防犯ブザーの入力スイッチと、暗証番号記憶手段と、この暗証番号記憶手段内に記憶された暗証番号を入力することにより前記防犯ブザーを停止させる停止手段と、を備えている。そして、入力スイッチは携帯電話本体の外面より低く押した状態で防犯ブザーを作動させる押しボタンスイッチからなり、この押しボタンスイッチは、停止手段により防犯ブザーが停止されたときに、携帯電話本体の外面に突出する位置に復帰するようになしている。これにより、暗証番号を知らない他人は防犯ブザーを解除することができず、以って警報機としての機能を高めることができたものである。
【特許文献1】特開2003−60752号公報(段落[0018]、[0021]〜[0024]、図1)
【特許文献2】特開2003−60753号公報([請求項1]、[請求項2]、段落[0012]〜[0014])
【特許文献3】特開2002−57816号公報(段落[0003]、[0005]、[0007]、[0023])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記各特許文献に開示された携帯電話機においては、防犯ブザーの機能を携帯電話機に備えるようにしたことによって別途防犯ブザーを持ち歩くことなく、非常時には迅速に防犯ブザーを作動させることができ好ましい。また、上記特許文献3に開示された携帯電話機においては、防犯機能が作動した状態で他人が勝手に防犯ブザーを停止させないように、物理的に防犯ブザーを停止させる機能を持たず、暗証番号によってのみ停止できるようにしたので、警報機能がより向上し、好ましい。
【0008】
しかしながら、上記各特許文献に開示された防犯機能を備える携帯電話機の防犯ブザーの鳴動あるいは非常時における通信機能は、何れも携帯電話機本体の電源である二次電池から電源をとって作動するものである。すなわち、この防犯機能は例えば上記特許文献3に示すような機構を備えていたとしても、携帯電話の二次電池を取り外されてしまうと防犯機能は実質機能しなくなり、暗証番号を入力することなく防犯機能を停止されてしまうという問題点がある。加えて、既存の携帯電話機に使用されている二次電池は、携帯電話機背面に設けられた収納部に容易に着脱できる状態で収納され、カバーで覆っただけの極めて簡単な構造によって固定されているものであるので、緊急時にもすばやく取り外すことができてしまう。
【0009】
本発明者らは上記問題点に鑑みて、防犯機能をより有効に動作させるための構成を種々検討した結果、携帯電話機の二次電池は、通常使用時には特に取り外す必要がない点に着目し、二次電池を覆うように取り付けられるカバーを容易に取り外すことが難しい固定手段を用いて固定するようになせば、上記問題点を解決することができることを見出し、本発明に至ったものである。
【0010】
すなわち、本発明の目的は、防犯機能の他人等による強制停止を防いだ防犯機能付き携帯電話機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の防犯機能付き携帯電話機は、携帯電話機本体と、二次電池と、該二次電池を収納するための電池収納部と、該電池収納部を覆うカバーと、頭部と垂下部とからなり前記携帯電話機本体及び前記カバーの一部を覆うカバーキャップと、所定の操作により警報音等を発生する警報発生手段と、を備えた防犯機能付き携帯電話機であって、前記カバーの先端に位置する側壁近傍に前記カバーキャップを取り付けるための取付穴が形成されているとともに該側壁から外方に延びてその先端部に係止段部が形成された舌片が設けられ、該側壁が当接する前記携帯電話機本体の当接面に設けられたスリット内に前記舌片が挿入されるとともに、前記カバーキャップの取り付けにより前記カバーキャップの垂下部が前記取付穴に挿入されることで抜け止めがなされることを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の防犯機能付き携帯電話機において、前記カバーキャップは特定の工具を用いて解除がなされるものであることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の防犯機能付き携帯電話機において、前記カバーキャップの頭部は面取り加工が施されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の防犯機能付き携帯電話機において、前記カバーには、前記カバーキャップの外周面に対応して突条が形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の防犯機能付き携帯電話機において、前記カバーと該カバーの当接する側の前記携帯電話機本体のうち前記カバーキャップの頭部外周面が当接する部分には切り欠きが形成され、該切り欠きは前記カバーキャップの頭部を収納できる大きさを有していることを特徴とする。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の防犯機能付き携帯電話機において、前記カバーキャップの垂下部には一又は複数の鉤爪が形成されており、前記取付穴に面した側壁部には前記鉤爪を嵌挿できる大きさを有する鉤穴が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上記構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏するものである。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、電池収納部に二次電池を収納した状態でカバーを取り付け、このカバーをカバーキャップを用いて固定したことにより、例えばユーザが防犯目的で携帯電話機の警報発生手段を作動させたとき、他人によって携帯電話機の電池が取り外されることによってこの警報発生手段が強制的に停止される恐れがなく、高い防犯機能を維持することができる。すなわち、従来は容易にカバーを取り外すことができたために二次電池を簡単に取り外すことができたが、カバーキャップを用いることでカバーの取り外し前に該カバーキャップの取り外しを必要としたため、二次電池の取り外しを容易に行えないようにできる。また、カバーキャップは簡単な構成からなるので、作製が容易である。
【0018】
また、請求項2に記載の発明によれば、カバーキャップの取り外し手段として、特定の工具を用いるようなもの、例えば各種ペンチやプライヤ等を用いる必要があるようになせば、容易にカバーキャップを取り外すことができなくなり、上記請求項1の効果をより得られるようになる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明によれば、前記カバーキャップの頭部は面取り加工が施されていることより、このカバーキャップの端部がバッグの収納部や洋服のポケット等から取り出す際に引っ掛かり等が生じる恐れもない。
【0020】
また、請求項4に記載の発明によれば、前記カバーには、前記カバーキャップの外周面に対応して突条が形成されているため、カバーとカバーキャップとの間の隙間が覆われ、この隙間を利用したカバーキャップの簡単な取り外しを避けることができる。また、カバーキャップの端部が引っ掛かりを生じる恐れもない。
【0021】
また、請求項5に記載の発明によれば、切り欠きにカバーキャップの頭部を収納することができカバーキャップが携帯電話機本体外部に露出することがないので、カバーキャップの簡単な取り外しを避けることができ、引っ掛かり等が生じる恐れもない。また、携帯電話機本体の美観が向上する。
【0022】
また、請求項6に記載の発明によれば、カバーキャップの垂下部には一又は複数の鉤爪が形成されており、この鉤爪が鉤穴に嵌挿できるようになっているため、カバーキャップの取り付けがより強固となり、もってカバーキャップの簡単な取り外しを避けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための防犯機能付き携帯電話機を例示するものであって、本発明をこれらに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。なお、以下には本発明の一実施例として防犯機能を備える折畳み式の携帯電話機について説明する。また、本発明の携帯電話機の備える防犯機能、すなわち警報発生手段は上述した従前の構造であっても、その他の構造であっても良く、適宜選択すればよいものであるのでこの警報発生手段に関する説明は以下では省略する。
【実施例1】
【0024】
図1は本発明の実施例1に係る携帯電話機の下側本体の裏面図、図2は図1のA−A線で切断した断面図であり、図2(a)はその全体図、図2(b)は図2(a)のB部拡大図、図3はカバーを示す平面図である。実施例1の携帯電話機1は、表示部、各種操作ボタン、アンテナ、マイク及びスピーカー等を備えた公知の携帯電話機であり、ヒンジ機構5(図2(a)参照)により上側本体(図示省略)と下側本体2とが折畳み可能となっている。なお、公知の携帯電話機の構造については説明を省略し、また、携帯電話機1の上側本体についても公知の構造を採用するものとして図示及びその説明を省略する。
【0025】
この携帯電話機1の下側本体2の裏面には、図1及び図2に示すように、その上部に着信等を通知するスピーカー用のスピーカー穴6が設けられているとともに、その下方にはカバー10に覆われた、二次電池7が収納される電池収納部3が設けられている。この電池収納部3は所定の深さを有する開口が方形状の凹部から構成されている。また、この電池収納部3には図1における下方に位置する一側面に二次電池7の端子と接続する端子(図示省略)が構成されており、この端子が形成された側面に対向する他の側面に近接する底面には、カバーキャップ8の垂下部8bが位置する溝部4が形成されている。
【0026】
カバーキャップ8は頭部8aと垂下部8bとから構成されており、垂下部8bが後述の取付穴13に挿入されることでカバー10の抜け止めが可能になる。カバーキャップ8の頭部8aの径は垂下部8bの径よりも大きく形成されており、一方がカバー10の一部を覆い、他方が携帯電話機の下側本体2の一部を覆うようにカバー10に取り付けられる。この頭部8aは面取りされており、バッグや衣服のポケットから取り出す際に引っ掛かり等を生じる恐れもない。また、図1に示すように、頭部8aを犬等の動物やアニメのキャラクター等の形状に模して形成すれば、防犯機能付き携帯電話機の主なユーザである女性や子供にとって視覚的に美観を有する効果がある。
【0027】
カバー10は、図3に示すように、携帯電話機1の外装に用いられる材料と同一の材料、例えばプラスティック材等から構成されており、その形状は電池収納部3を覆う大きさの扁平な板体からなる。
【0028】
カバーキャップ8の取付穴13が形成されたカバー10の一側面には、外方に向かって延び、且つその先端部に係止突起15a(図3参照)が形成された舌片15が設けられており、この舌片15は、下側本体2にカバー10を取り付けた際に、下側本体2の電池収納部3の溝部4が形成された位置に近接する側面に設けられたスリット16(図4(a)参照)内に収納され、係止突起15aがスリット16内で係止されることにより、抜け止めがなされるようになっている。
【0029】
また、このカバー10の図3における上方に位置する側面には、外周が略円弧状である突条9が形成されており、この突条9はカバーキャップ8の外周面の形状と一致しており、突条9の内周面はカバーキャップ8の外周面より若干大きめに形成されている。
【0030】
この突条9は、図2(b)に示すように、カバーキャップ8の頭部8aとカバー10の外表面との間の隙間を覆うように覆設されており、この隙間を利用したカバーキャップ8の簡単な取り外しを避けることができる。また、カバーキャップ8の端部がバッグや衣服のポケットの中で引っ掛かりを生じる恐れもない。
【0031】
この突条9bに囲まれるように、カバーキャップ8を取り付けるための取付穴13がカバー10上に形成されている。この取付穴13はカバーキャップ8の垂下部8bを挿入するための大きさを有しているが、カバーキャップ8の不用意な取り外れを防止すべく、垂下部8bの形状とほぼ同形状をなすこととするのがよい。また、カバーキャップ8の頭部8aの径より小さく形成されている。このカバー10へのカバーキャップ8の取り付けにより、上述の係止突起15aの係止と相俟ってさらに強固にカバー10の抜け止めがなされる。この取り付けにより、この取付穴13周辺の上面はカバーキャップ8の頭部8aの座部となる。
【0032】
なお図示はしないが、突条9の代わりに、取付穴13周辺のカバー10と下側本体2のうちカバーキャップ8の頭部8a外周面が当接する部分に切り欠きを形成し、頭部8aが収納できるようにしてもよい。これにより、頭部8aは携帯電話機1の外部に露出することがないので、カバーキャップ8の取り外しがさらに困難になってより強固にカバー10の抜け止めがなされ、引っ掛かり等が生じる恐れもない。
【0033】
次に上述した構成のカバー10をカバーキャップ8を用いて携帯電話機1の下側本体2に固定する方法について主に図4を参照して説明する。なお、図4は実施例1の携帯電話機に二次電池を固定する工程を順に示した図である。
【0034】
この固定に際しては、図4(a)に示すように、先ず下側本体2の電池収納部3内に、二次電池7をその端子が電池収納部3の一側面に設けられた端子に接続するように収納し、次いで、この電池収納部3を覆うようにカバー10を取り付ける。この取り付けは、例えばカバー10を電池収納部3に対して若干下方にずらした位置で電池収納部3を覆うように配置した後、カバー10を上方にスライドさせてカバー10の舌片15が下側本体2に設けられたスリット16内に挿入されるようにして取り付けられる。
【0035】
上述のようにカバー10が取り付けられると、次いでこのカバー10の固定を行う。この固定は図4(b)に示すようにカバーキャップ8の垂下部8bがカバー10に形成された取付穴13に挿入されることで行われるものであるが、好ましくは垂下部8bに鉤爪(図示省略)を設け、該鉤爪が挿入される鉤穴部13aを形成することとしてもよい。これにより、鉤爪が鉤穴部13aに嵌挿されることでより強固なカバーキャップ8の取り付けを実現することができ、カバー10の容易な取り外しを防止できる。鉤爪は垂下部8bが取付穴13に挿入され溝部4に位置するように所定の剛性を備えていることが望ましい。
【0036】
カバーキャップ8の取り付けに関しては、カバーキャップ8自体が簡単な構成からなるので特別な工具を必要としなくてもよいが、取り外しに関しては簡単に取り外しができないものである必要がある。好ましくは、カバーキャップの取り外し手段として、特定の工具、例えば各種ペンチやプライヤ等を用いるようにしてもよい。
【0037】
上述のようにカバーキャップ8により固定されたカバー10は、カバーキャップ8を取り外すことなく取り外しを行うことが不可能となったが、下側本体2の裏面からカバーキャップ8の頭部8aが露出しており、美観を損ねるため、上述のように取付穴13周辺のカバー10と下側本体2のうち頭部8a外周面が当接する部分に切り欠きを形成し、頭部8aが収納できるようにしてもよい。これにより、頭部8aは携帯電話機1の外部に露出することがないので、下側本体2の裏面の外観に凹凸がなくなり携帯電話機1の美観を向上させることができる。
【0038】
以上の工程で取り付けられ固定されたカバー10を取り外す際には、先ずカバーキャップ8をペンチやプライヤ等で頭部8aを掴んで引き上げる等により取り外した後、係止突起15aの係止が解除される方向にカバー10を押圧しながら下側本体2の下方向にスライドさせることにより取り外しを行うようになる。このように構成することによって、緊急時に防犯機能を作動させた携帯電話機1から他人が勝手に二次電池7を取り外すことを防止し、防犯機能が不必要に停止される危険性がなくなる。すなわち、従来の携帯電話機では、容易に二次電池の取り外しが行えてしまったために防犯機能を実現するための電源である二次電池7を取り外されると防犯機能は実質機能しなくなっていたが、本発明のようにカバーキャップ8を取り外さなければ二次電池7を取り外すことができないようにすれば、他人がたまたまこのカバーキャップ8の取り外し手段を持ち合わせているようなことがない限り、二次電池7を取り外すことによって防犯機能を停止することはできない。加えて、防犯機能は上述のとおり、通常その機能を停止させるときには暗証番号等を用いて行うものであるから、本発明の構造によって不都合が生じることもなく、また二次電池を取り外さなければいけない状態、例えばメンテナンスのために一時的に取り外すような場合にはメーカー等に任せればよく、何らの支障も生じない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は本発明の実施例1に係る携帯電話機の下側本体の裏面図である。
【図2】図2は図1のA−A線で切断した断面図であり、図2(a)はその全体図、図2(b)は図2(a)のB部拡大図である。
【図3】図3はカバーを示す平面図である。
【図4】図4は実施例1の携帯電話機に二次電池を固定する工程を順に示した図である。
【図5】図5は先行技術の警報ブザー付き携帯電話機の斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1 携帯電話機
2 下側本体
3 電池収納部
4 溝部
5 ヒンジ機構
6 スピーカー穴
7 二次電池
8 カバーキャップ
8a 頭部
8b 垂下部
9 突条
10 カバー
13 取付穴
13a 鉤穴部
15 舌片
15a 係止突起
16 スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話機本体と、二次電池と、該二次電池を収納するための電池収納部と、該電池収納部を覆うカバーと、頭部と垂下部とからなり前記携帯電話機本体及び前記カバーの一部を覆うカバーキャップと、所定の操作により警報音等を発生する警報発生手段と、を備えた防犯機能付き携帯電話機であって、
前記カバーの先端に位置する側壁近傍に前記カバーキャップを取り付けるための取付穴が形成されているとともに該側壁から外方に延びてその先端部に係止段部が形成された舌片が設けられ、該側壁が当接する前記携帯電話機本体の当接面に設けられたスリット内に前記舌片が挿入されるとともに、前記カバーキャップの取り付けにより前記カバーキャップの垂下部が前記取付穴に挿入されることで抜け止めがなされることを特徴とする防犯機能付き携帯電話機。
【請求項2】
前記カバーキャップは特定の工具を用いて解除がなされるものであることを特徴とする請求項1に記載の防犯機能付き携帯電話機。
【請求項3】
前記カバーキャップの頭部は面取り加工が施されていることを特徴とする請求項1に記載の防犯機能付き携帯電話機。
【請求項4】
前記カバーには、前記カバーキャップの外周面に対応して突条が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の防犯機能付き携帯電話機。
【請求項5】
前記カバーと該カバーの当接する側の前記携帯電話機本体のうち前記カバーキャップの頭部外周面が当接する部分には切り欠きが形成され、該切り欠きは前記カバーキャップの頭部を収納できる大きさを有していることを特徴とする請求項1に記載の防犯機能付き携帯電話機。
【請求項6】
前記カバーキャップの垂下部には一又は複数の鉤爪が形成されており、前記取付穴に面した側壁部には前記鉤爪を嵌挿できる大きさを有する鉤穴が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の防犯機能付き携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−28715(P2008−28715A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−199349(P2006−199349)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】