説明

防草材

【課題】 アスファルトコンクリート部とコンクリート部との境界部分に繁殖する雑草対策に関し、一度の防草処理で長期に渡って防草効果が継続して得られ、速やかな防草処理が可能で、防草処理後の美観が損なわれない雑草防止材とその施工方法を提供する。
【解決手段】 水硬性成分と改質アスファルトエマルジョンとを含む雑草防止材であり、水硬性成分100質量部に対して、改質アスファルトエマルジョンの固形分を25〜50質量部含む防草材を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雑草の繁殖を防止する防草材およびその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日本国内では、アスファルトコンクリート舗装の道路の総延長が圧倒的に大きい状況にある。これらのアスファルトコンクリート舗装部分と道路縁石のコンクリートブロックとの境界部分や、アスファルトコンクリート舗装部分と中央分離帯の境界部分、あるいはアスファルトコンクリート舗装と歩道の境界ブロックとの境界部分などでは、多種多様な雑草が繁殖して美観が損なわれていることが多い。
【0003】
雑草の繁殖力及び成長力は極めて強く、定期的に刈り取り作業を行っても、雑草は速やかに成長し、再び美観の悪化を招いてしまう。また、刈り取り作業は、手作業が必要なことが多く、その労力やコストの負担は非常に大きい。
【0004】
このようなアスファルトコンクリート舗装部分と道路縁石のコンクリートブロックとの境界部分に繁殖する雑草対策としては、一度の防草処理により長期に渡って防草効果が継続して得られることが理想的である。また、防草処理時の通行規制に伴う経済的損失の最小化と防草作業の安全性確保の観点から、防草処理に要する時間を極力短くすることが求められ、さらには防草処理後には、黒いアスファルトコンクリート舗装と白いコンクリート境界ブロックとの色彩上の美観が損なわれないことが求めれる。
【0005】
これらの雑草繁殖対策として、特許文献1には、常温でペースト状か可塑性を有し、空気に触れて自然硬化するビニル系エマルジョン樹脂を用いた隙間防草材を、コンクリート製品の舗装材に押しつけ転圧する防草構造が開示されている。
【0006】
また、雑草の発生を防止するシーリング材とシーリング構造として、特許文献2に無機硬化組成物と樹脂エマルション組成物からなる混合物で、樹脂エマルション組成物として、エチレン− 酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ゴム、アスファルト乳剤から選ばれる少なくとも1種類以上の樹脂エマルション組成物を含んだ雑草防止シーリング材が開示されている。
【0007】
硬化時間及び流動性の変化が小さく、水和硬化速度が速やかで、しかも十分な仮防水性を有するポリマーセメント組成物として、特許文献3に、アルミナセメントを含む水硬性組成物とゴムアスファルトエマルジョンとを用いた、作業性及び施工性に優れる下地調整材が開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開平8−27757号公報
【特許文献2】特開2005−87041号公報
【特許文献3】特開2005−239490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、これらのアスファルトコンクリート部とコンクリート部との境界部分に繁殖する雑草対策に関し、一度の防草処理で長期に渡って防草効果が継続して得られ、速やかな防草処理が可能で、防草処理後の美観が損なわれない防草材とその施工方法を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明は、水硬性成分と改質アスファルトエマルジョンとを含む防草材であり、水硬性成分100質量部に対して、改質アスファルトエマルジョンの固形分を25〜50質量部含む防草材である。
【0011】
以下に本発明の防草材の好ましい様態を示す。なお、本発明ではこれらを複数組合わせることができる。
1)改質アスファルトエマルジョンが、黒色系顔料を含むこと。
2)水硬性成分が、さらに金属系膨張材を含むこと。
3)水硬性成分が、アルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏及び凝結調整剤を含むこと。
4)防草材の混練物を、アスファルトコンクリート構造体とコンクリート構造体との隙間に充填及び/又は塗布する防草材の施工方法であること。
【発明の効果】
【0012】
本発明の防草材は、水硬性成分と改質アスファルトエマルジョンとを含むポリマーセメントモルタルであり、流動性が良好で、適正な可使時間を有しつつも速硬性に優れ、アスファルトコンクリート構造体ともコンクリート構造体とも良好な接着性を有し、さらに色調がアスファルトコンクリートと近似している。
【0013】
本発明の防草材をアスファルトコンクリート舗装部分と道路縁石のコンクリートブロックとの境界部分等の雑草対策に用いた場合、水和硬化速度が大きいことから防草処理に要する時間が短く作業性が良好であり、アスファルトコンクリート舗装部分と道路縁石のコンクリートブロックとの境界部分等を密実に充填して、両方の構造体と良好な接着状態を得ることができる。
【0014】
また、本発明の防草材は、遮水効果が高く、黒色で遮光性が高いことから、施工部の下層から新たな雑草の生育を防止する効果が高く、一度の防草処理によって長期に渡って防草効果が継続して得られる。
さらに、本発明の防草材を用いた硬化体は黒色系であるため、アスファルトコンクリート舗装と色調が近似していることから美観に優れた仕上がりが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の防草材において、改質アスファルトエマルジョンは、防草材の硬化体とアスファルトコンクリート構造体との接着強度向上、耐クラック性、硬化体表面の耐摩耗性を向上、さらに硬化体の色調をアスファルトコンクリート構造体と近似させるために添加する。
【0016】
本発明の防草材において、改質アスファルトエマルジョンの配合量は、水硬性成分100質量部に対して改質アスファルトエマルジョンの固形分を、好ましくは25〜50質量部、さらに好ましくは28〜47質量部、より好ましくは30〜45質量部、特に好ましくは33〜42質量部を配合することが好ましい。
【0017】
改質アスファルトエマルジョンの固形分は、上記範囲より多い場合、流動性及び硬化速度の著しい低下を招くため好ましくなく、上記範囲より少ない場合、防草材の硬化体とアスファルトコンクリートとの接着強度の低下を生じる場合がある。
【0018】
改質アスファルトエマルジョンは、公知の樹脂及びアスファルト成分が含水溶媒に分散した改質アスファルトエマルジョンである。
【0019】
改質アスファルトエマルジョンは、公知の製造方法により得られるものを用いることができ、例えば、水又は含水溶媒中で乳化剤の存在下に、アスファルト及び/ 又はアスファルトにゴム、ポリマーなどを混和して改質したアスファルト(改質アスファルト)と、ゴム及び/又はポリマーとが乳化分散しているものなどを用いることが出来る。
【0020】
特に改質アスファルトエマルジョンは、水又は含水溶媒中で乳化剤の存在下に、アスファルトにゴム、ポリマーなどを混和して改質したアスファルト、又は改質したアスファルトとさらにゴム及び/又はポリマーとが乳化分散しているものなどを用いることが出来る。
【0021】
改質アスファルトエマルジョンは、ゴムおよび/またはポリマーと、加熱溶融したアスファルトまたはアスファルトにゴムおよび/またはポリマーなどを混和した改質アスファルトとを乳化機を通して混合する方法などの公知の方法で製造したものをもちいることができる。
【0022】
乳化剤としては、公知のものを用いることができ、アニオン性、ノニオン性、カチオン性又は両性の界面活性剤やポリビニルアルコールなどの保護コロイドなどを挙げることができる。
【0023】
改質アスファルトエマルジョンに含まれる固形分は、含水の改質アスファルトエマルジョンでは、35〜70質量%、さらに45〜65質量%が、取扱性及び作業性の面から好ましい。
【0024】
改質アスファルトエマルジョンにおいて、
1)ゴム成分としては、天然ゴム、エチレンプロピレンジエン共重合ゴム、エチレンブテン共重合ゴム、ポリイソプレン、イソプレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・イソプレンブロック共重合ゴム、及びこれらの水素添加物、メタクリレートとブタジエンの共重合体、アクリレートとブタジエンの共重合体、アクリルニトリルとブタジエンの共重合体、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソブレチン、ブチルゴム、ポリウレタンなど及びこれらのカルボキシル基やグリシジル基などの官能基を導入した変性物、
2)ポリマー成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン、エチレン・アクリレート共重合体、エチレン・メタクリレート共重合体、酢酸ビニール・アクリレート共重合体、酢酸ビニール・メタアクリレート共重合体、エチレン・酢酸ビニール共重合体、酢酸ビニール・脂肪酸ビニルエステル共重合体、酢酸ビニールとマレイン酸、フマール酸、イタコン酸などのジエステルの共重合体、アルキルメタクリレート・アルキルアクリレート共重合体、スチレン・アルキルアクリレート共重合体、エチレン・アルキルアクリレート共重合体、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、など及びこれらの重合体にカルボキシル基、マレイン酸などの酸変性などの官能基を導入した変性物などである。
【0025】
アスファルトとしては、天然アスファルトやアスファルタイトなど天然に産するもの、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、カットバックアスファルト等の石油アスファルト、又はこれらのアスファルトの混合物などを好ましく用いることができる。
【0026】
アスファルトは、プロセスオイル、潤滑油などのオイル、アンスラセンオイル、パイン油、クレオソート油などを少量添加したものを用いることができる。また、老化防止剤を添加することもできる。
【0027】
本発明の防草材は、改質アスファルトエマルジョンを必須成分としており、その硬化体の色調は、アスファルトコンクリートの色調と近似しており、防草処理後には、黒いアスファルトコンクリート構造体の一部に視覚的に認識されることから美観が損なわれない。
【0028】
本発明ではさらに、防草材の硬化体の色調を黒いアスファルトコンクリート構造体の色調に調和させるため、黒色系顔料を用いることが好ましい。
【0029】
黒色系顔料としては、カーボンブラック、ケッチェンブラック、黒色酸化鉄、黒色チタンなどを用いることができ、改質アスファルトエマルジョン又は水硬性成分のいずれかに配合することが出来る。
【0030】
黒色系顔料の添加量は、色調を合わせる対象のアスファルトコンクリート構造体の色調によって異なるが、改質アスファルトエマルジョンの固形分100質量部に対して、好ましくは0.01〜10.0質量部の範囲で添加することが好ましい。
【0031】
本発明の防草材において改質アスファルトエマルジョンと混合して用いる水硬性成分が具備すべき重要な要件の一つは、適度な可使時間を保持しつつ、速硬性を有することであり、これらの特性は水硬性成分の種類と配合割合、及び、凝結調整剤の種類と添加量に大きく依存する。
ポルトランドセメント系では硬化速度が遅く、乾燥収縮が大きいと言う欠点を有しており、一方、アルミナセメント系では硬化速度面では改善されるものの、流動性が低く、強度が低いと言う欠点を有している。
【0032】
本発明の水硬性成分は、アルミナセメントを必須成分として含み、さらに必要に応じてポルトランドセメント、石膏及びリチウム塩を含むことが好ましい。
【0033】
水硬性成分は、アルミナセメント100質量部に対し、ポルトランドセメントを好ましくは20〜200質量部、さらに好ましくは40〜150質量部、より好ましくは60〜120質量部、特に好ましくは70〜100質量部を含み、石膏を好ましくは10〜80質量部、さらに好ましくは12〜60質量部、より好ましくは14〜50質量部、特に好ましくは16〜40質量部を含むことが、適度な急硬性を有し、高い流動性及び強度、且つ寸法安定性の良さの理由で好ましい。
水硬性成分は、さらに高炉スラグを含むことができる。
【0034】
アルミナセメントについては、潜在的に急硬性を有している。アルミナセメントは鉱物組成が異なるものが数種知られ市販されており、何れも主成分はモノカルシウムアルミネート(CA)であるが、強度および着色性の面からは、CA成分が多く且つC4AFなどの少量成分が少ないアルミナセメントが好ましい。また、潜在水硬性を有する高炉スラグの存在は、その欠点である硬化体強度の経時的な低下を抑制する効果があるために添加することが好ましい。
【0035】
ポルトランドセメントについては、普通ポルトラントセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトラントセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、及び高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントなどの各種混合セメントを一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0036】
石膏ついては、無水石膏、半水石膏、二水石膏などの各種石膏がその種を問わず1種又は2種以上の混合物として使用できる。石膏は急硬性を有し、また、硬化後の寸法安定性の保持成分として働くものである。
【0037】
本発明の防草材は、アスファルトコンクリート構造体とコンクリート構造体との境界部分に密実に充填して、両方の構造体と良好な接着状態を得ることができ、長期に渡って防草効果が継続して得られる。
【0038】
本発明の防草材では、金属系膨張材を用いることにより防草材の硬化体とアスファルトコンクリート構造体との接着状態および防草材の硬化体とコンクリート構造体との接着状態をさらに向上することができる。
金属系膨張材としては、アルミニウム粉、鉄粉等の使用が好ましく、特に比重が小さく反応性が高いことから、アルミニウム粉の使用が特に好ましい。アルミニウム粉は、JIS・K−5906「塗装用アルミニウム粉」の第2種に準ずるものが好適に使用できる。
金属系膨張材の添加量は、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏の合計質量100質量部に対して、好ましくは0.0001〜0.01質量部、さらに好ましくは0.0002〜0.008質量部、より好ましくは0.0003〜0.006質量部、特に0.0005〜0.005質量部の範囲で用いることにより、アスファルトコンクリート構造体とコンクリート構造体との接着状態をさらに向上することができる。
【0039】
本発明の防草材では、凝結調整剤としては、凝結促進に働く成分である凝結促進剤、凝結遅延に働く成分である凝結遅延剤などを用いる。
【0040】
凝結調整剤としては、凝結促進剤及び凝結遅延剤を併用して用いることが好ましい。
【0041】
凝結調整剤は、凝結促進剤と凝結遅延剤を併用添加することで、例えば、30分以上の可使時間を可能とする流動性の保持と、その後の速やかな硬化による即日の軽歩行が可能となる速硬性・速乾性が確保でき、また、スラリーの移動と表層の乾燥によるシワ、気泡抜け跡の発生や、低温での表面硬化不良などによる表面粉化、高温における凝結時のひび割れ発生の危険性が低減され、良好な表面性状を有する硬化体が得られる。さらに、低温から高温の広範囲において上記の超速硬性、流動保持性及び優れた硬化体性状の両立が可能である。
【0042】
凝結調整剤は、防草材の特性を損なわない範囲で適宜添加することができ、凝結促進剤及び凝結遅延剤の成分、添加量及び混合比率を適宜選択して、流動性、可使時間を調整することができる。
【0043】
凝結調整剤は、流動性及び可使時間を調整に用いる場合、リチウム塩とナトリウム塩の合計質量が、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏の合計質量100質量部に対して0.05〜4質量部、さらに0.1〜3質量部、特に0.3〜2質量部の範囲で添加することが好ましい。
【0044】
凝結促進剤としては、公知の凝結促進剤を用いることが出来る。凝結促進剤の一例として、炭酸リチウム、塩化リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、水酸化リチウム、酢酸リチウム、酒石酸リチウム、リン酸リチウム、クエン酸リチウムなどの有機酸などの、無機リチウム塩や有機リチウム塩などのリチウム塩を用いることが出来る。特に炭酸リチウムは、効果、入手容易性、価格の面から好ましい。
【0045】
凝結促進剤としては、特性を妨げない粒径を用いることが好ましく、粒径は50μm以下のものが好ましい。
【0046】
特にリチウム塩を用いる場合、リチウム塩の粒径は50μm以下、さらに30μm以下、特に10μm以下が好ましく、粒径が上記範囲より大きくなるとリチウム塩の溶解度が小さくなるために好ましくない。
【0047】
凝結遅延剤としては、公知の凝結遅延剤を用いることが出来る。凝結遅延剤の一例として、硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムなど有機酸などの、無機ナトリウム塩や有機ナトリウム塩などのナトリウム塩を用いることが出来る。特に重炭酸ナトリウムや酒石酸ナトリウムは、効果、入手容易性、価格の面から好ましい。なお、添加量が多いと、流動性の低下、硬化不良を招いたり、ブリージング水の発生による表面不良が生じることがあるので、注意が必要である。
【0048】
高炉スラグについては、乾燥収縮による硬化体の耐クラック性を高めるだけでなく、アルミナセメントの硬化体強度を向上させる効果も有している。
【0049】
高炉スラグは、JIS・A−6206に規定されるブレーン比表面積3000cm/g以上ものを用いることができる。
【0050】
水硬性成分において、高炉スラグの添加量は、アルミナセメント100質量部に対して50〜250質量部とするのが好ましく、少なすぎると収縮が大きくなり、多すぎると強度低下を招くことがある。
【0051】
本発明の防草材は、さらに目的に応じて本発明の特性を損なわない範囲で、細骨材、増量材、減水剤、増粘剤、消泡剤などを適宜選択して添加することができる。
【0052】
本発明の防草材に減水剤を添加することにより、改質アスファルトエマルジョンと混合して得られるペースト状やスラリー状の防草材の材料分離を抑制することができ、かつ高強度の硬化体を得るには水/水硬性成分比を下げる必要があるが、水/水硬性成分比を低くしても高い流動性を確保することができる。
【0053】
本発明の防草材に増粘剤を添加することにより、改質アスファルトエマルジョンと混合して得られるペースト状やスラリー状の防草材の高い流動性を確保したまま、材料分離を充分なレベルまで抑えることができる。
【0054】
本発明の防草材に消泡剤を添加することにより、改質アスファルトエマルジョンと混合して得られる防草材の硬化体が緻密化し、アスファルトコンクリート構造体およびコンクリート構造体との接着強度を保持する上で好ましい。
【0055】
本発明の防草材に消泡剤及び増粘剤を併用添加することにより、改質アスファルトエマルジョンと混合して得られる防草材とその施工物に、骨材分離の抑制、気泡発生の抑制、硬化体表面の改善に好ましい効果を与えるために好ましい。
【0056】
本発明の防草材に減水剤及び凝結調整剤を併用添加することにより、改質アスファルトエマルジョンと混合して得られる防草材とその施工物に、凝結速度を調整し、適正な可使時間と速やかな硬化特性を両立する上で好ましい。
【0057】
細骨材としては、珪砂、川砂、海砂、スラグ砂、各種砕石が使用できる。細骨材の粒径は0.5mm以下のものを用いることが好ましい。
また、細骨材の添加量はアルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏の合計質量100質量部に対し、20〜150質量部、さらに30〜130質量部、特に40〜100質量部とするのが好ましい。骨材が水硬性成分に対し上記範囲より大きい場合、材料分離や流動性低下を招くだけでなく、硬化特性が損なわれることがあり好ましくない。
【0058】
増量材としては、フライアッシュ、石灰石粉、シリカ質粉などの公知の増量材を添加することが出来る。
【0059】
増量材の添加により、流動性が改善される効果が得られるが、添加量が多すぎると強度発現性の低下を招くので、その添加量はアルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏の合計質量100質量部に対して150質量部以下とするのが好ましい。また増量材の粒径は0.5mm以下とすることが効果の点から好ましい。
【0060】
減水剤は、ナフタレン系、ポリカルボン酸、ポリエーテル系、メラミン系などの市販のものがその種類を問わず使用できる。
【0061】
減水剤の添加量は、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏の合計質量100質量部に対して、好ましくは0.05〜3質量部、さらに好ましくは0.07〜2質量部、特に好ましくは0.1〜1質量部であり、添加量が上記範囲より少ない場合十分な効果が発現しない場合があり、上記範囲より多くても添加量に見合った効果が得られず不経済であり、さらに場合によっては防草材の硬化不良を招く場合があり好ましくない。
【0062】
消泡剤は、シリコン系、アルコール系、ポリエーテル系、フッ素系などの合成物質又は植物由来の天然物質など、公知のものを用いることが出来る。
【0063】
消泡剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏の合計質量100質量部に対して、消泡剤が0.2〜3質量部、さらに0.04〜2質量部、特に0.06〜1.5質量部の範囲であると、防草材の硬化体が緻密化し、アスファルトコンクリート構造体およびコンクリート構造体との接着強度が高く保持できることから好ましい。
【0064】
増粘剤は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系、ゼラチン、ベクチンなどの蛋白質系、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマー系、ラテックス系などを用いることが出来、特にセルロース系などを用いることが出来る。
【0065】
増粘剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏の合計質量100質量部に対して0.01〜0.5質量部、さらに0.01〜0.3質量部、特に0.01〜0.2質量部含むことが好ましい。増粘剤の添加量が多くなると、流動性の低下を招く恐れがあり好ましくない。
【0066】
本発明の水硬性成分は、一般的な混合機で混合して組成物を均一に調整することができる。混合機としては、公知の混合機を用いることが出来、例えば、ナウターミキサ、リボンミキサ、オムニミキサなどを挙げることが出来る。
【0067】
本発明の水硬性成分は、一般的な混合機で混合して組成物を均一に調整し、粉体状態で一般に使用されているセメントの包装袋、紙袋、ポリエチレン袋、ポリビニール袋の他に、外気接触が無い金属性・有機質系の密閉容器などで貯蔵することができる。
【0068】
本発明では、水硬性成分、改質アスファルトエマルジョン、さらに必要に応じて水と混ぜて、モルタル、グラウト材などを調整し、アスファルトコンクリート構造体とコンクリート構造体との隙間に充填及び/又は塗布する防草材として使用することができる。
【0069】
本発明では、水硬性成分、改質アスファルトエマルジョン、さらに必要に応じて水を混合攪拌することにより、施工性、速硬性、接着性、及び美観に優れた防草材として使用できる。
【0070】
本発明の水硬性成分と改質アスファルトエマルジョン、さらに必要に応じて水とを一定比率で混合した本発明の防草材は、5℃〜35℃の温度範囲において可使時間が0.5〜3時間と実用上に支障がない長さを有し、乾燥及び水和による硬化時間を0.5時間〜6時間とすることが出来、速やかに防草作業を完結することができる。
【0071】
また、本発明の防草材の硬化体は、防水性能としてJIS A 1404(1時間、9.8kPa)の透水量が1g以下の防水性を有しており、防草処理部分の下層から新たに雑草が生育するのを防水する効果も有している。
【0072】
本発明の防草材の施工方法について一例に基づいて説明する。
図1は、アスファルトコンクリート舗装1の車道、コンクリート製境界ブロック3、及び、アスファルトコンクリート舗装2の歩道で構成された一般的な道路の部分断面の模式図である。
【0073】
図1(a)は、アスファルトコンクリート舗装1、2とコンクリート製境界ブロック3との境界部の隙間部分4又はひび割れ部分4に土砂や埃が堆積し、そこに雑草が繁茂している状態を示している。
【0074】
本発明では、図1(b)に示すように、雑草5を除去し、さらにアスファルトコンクリート舗装1、2とコンクリート製境界ブロック3との境界部の隙間部分4又はひび割れ部分4の土砂や埃を除去する。土砂や埃の除去は、へらや金属ブラシなどの器具を用いて除去することができる。
【0075】
次に、図1(c)に示すように、境界ブロックなどのコンクリート製部材の表面を、防草材が付着しないようにマスキングテープや新聞等9を用いて養生を行なう。これは、本発明の防草材の色調がアスファルトコンクリートに近似しており、コンクリート部材に付着して、汚れることを防止するものである。
【0076】
マスキング作業が終了したら、水硬性成分と改質アスファルトエマルジョンと、さらに必要に応じて水とを、高速羽根式攪拌機を用いて混合・分散し、本発明の防草材を調製する。
図1(d)に示すように、アスファルトコンクリート舗装1、2とコンクリート製境界ブロック3との境界部の隙間部分10又はひび割れ部分10に、アスファルトコンクリート舗装の表面高さまで本発明の防草材を充填・塗布し、表面を刷毛などにより平滑に均した後、防草材を乾燥・硬化させる。
防草材の充填量・塗布量は、境界部の隙間部分又はひび割れ部分の幅や深さによって異なるが、100〜500g/mを充填することが好ましい。
防草材を充填・塗布した後、2時間以上経過したら、図1(e)に示すように、養生処理のためのマスキングテープ等を取り除いて、防草処理を終了する。
【0077】
本発明の防草材は、水硬性成分と改質アスファルトエマルジョンとを含むポリマーセメントモルタルであり、流動性が良好で、適正な可使時間を有しつつも速硬性に優れ、アスファルトコンクリート構造体ともコンクリート構造体とも良好な接着性を有し、さらに色調がアスファルトコンクリートと近似している。
【0078】
本発明の防草材をアスファルトコンクリート舗装部分と道路縁石のコンクリートブロックとの境界部分等の雑草対策に用いた場合、一度の防草処理により長期に渡って防草効果が継続して得られ、また、水和硬化速度が大きいことから防草処理に要する時間が短く作業性が良好であり、アスファルトコンクリート舗装部分と道路縁石のコンクリートブロックとの境界部分等を密実に充填して、両方の構造体と良好な接着状態を得ることができ、さらに黒いアスファルトコンクリート舗装と色調が近似していることから美観に優れた仕上がりが得られることから、その利用価値は極めて大きい。
【実施例】
【0079】
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本発明で用いた原料及び評価方法は、以下の通りである。
【0080】
使用原料:実施にあたっては次の原料を使用した。
1)樹脂エマルジョン:
・改質アスファルト系エマルジョン :クィックベース主剤、宇部興産社製。
・エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン :アクアシャッターAS原液、宇部興産社製。
・アクリル系エマルジョン :アクアシャッターAS(AC)原液、宇部興産社製。
2)水硬性成分:
・アルミナセメント:フォンジュ、ラファージュアルミネート社製、ブレーン比表面積3100cm/g。
・ポルトランドセメント:早強ポルトランドセメント、宇部興産社製、ブレーン比表面積4500cm/g。
・石膏:II型無水石膏、セントラル硝子社製、ブレーン比表面積3460cm/g。
・骨材:6号珪砂。
・流動化剤 :メラミン系流動化剤、シーカメント、日本シーカ社製。
・硬化促進剤:炭酸リチウム、本荘ケミカル社製。
・凝結開始遅延剤:クエン酸ナトリウム(扶桑化学工業社製)、重炭酸ナトリウム(東ソー社製)。
・消泡剤 :ポリエーテル系消泡剤、サンノプコ社製。
・黒色顔料 :Bayferrox318、オゼキ社製。
・金属膨張材:アルミニウム粉(粒度44μm以下を60重量%以上含有、大和金属粉工業社製、ALCファイン及びK−250の混合品)。
【0081】
試験体の流動性評価は以下の方法で行った。
改質アスファルトエマルジョンと水硬性成分を所定の重量割合(17:25)で混合し、3分間攪拌した防草材(ポリマーセメントモルタル)について、JASS15M−103に準拠して流動性の評価を行なった。
厚さ5mmのみがき板ガラスの上に内径50mm、高さ51mmの塩化ビニル製パイプ(内容積100ml)を置き、練り混ぜた防草材(ポリマーセメントモルタル)を充填した後、パイプを引き上げる。広がりが静止した後、直角2方向の直径を測定し、その平均値をフロー値とした。フロー値は材料混合攪拌終了直後と、混合から30分経過後、軽く材料を練り返して測定した。
【0082】
防草材(ポリマーセメントモルタル)の硬化時間は、以下の方法で測定した。
改質アスファルトエマルジョンと水硬性成分を混合して調製した防草材(ポリマーセメントモルタル)について、ゴム硬度計(高分子計器製)を用い硬度90以上となった時を硬化時間とした。
【0083】
透水量の測定は、JIS A 1404建築用セメント防水剤の試験方法にしたがって実施した。
【0084】
色調評価は、以下の方法で測定した。
防草材(ポリマーセメントモルタル)を、120×200×15mmの型枠に充填して乾燥・硬化させた硬化体の表面を、ハンディー色差計(日本電色工業(株)製、NR−3000)(光源:C/2°)を用いて、明度L、色相a、色相bを測定した。
【0085】
次に比較のため、舗装用アスファルトの硬化体の明度La、色相aa、色相baおよびコンクリート硬化体の明度L、色相a、色相bを測定した。
測定結果は、表2に示す。
【0086】
防草材(ポリマーセメントモルタル)と舗装用アスファルトの硬化体及び防草材(ポリマーセメントモルタル)とコンクリート硬化体の色差ΔEa及びΔEcは、以下の数式(1)及び数式(2)により算出した。この色差ΔE*の値が小さいほど、2物体間の色の違いが小さいことを示す。
【0087】
【数1】

【0088】
[実施例1〜3、比較例1〜4]
表1に示す水硬性成分をホバートミキサーにより混合、攪拌し、水硬性粉体を得た。得られた水硬性粉体と改質アスファルトエマルジョンまたはエチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンとを、表1に示す割合で高速羽根式攪拌機を用いて3分間混合攪拌して防草材(ポリマーセメントモルタル)を調製し、流動性、硬化時間、透水量を測定した。
【0089】
次に、防草材(ポリマーセメントモルタル)を、120×200×15mmの型枠に充填して乾燥・硬化させた硬化体を用いて色調測定を行い、舗装用アスファルトの硬化体およびコンクリート硬化体との色差を数式(1)及び数式(2)により算出した。その結果は表1に示す。
【0090】
【表1】

【0091】
【表2】

【0092】
エマルジョンとして改質アスファルトエマルジョンを用いた実施例1〜3の場合、防草材(ポリマーセメントモルタル)の流動性は、混練直後から30分経過した時点まで良好な流動性を示し、硬化時間も2.5時間と短い。これらの防草材(ポリマーセメントモルタル)を用いることにより、実用上充分な作業時間を確保でき、速やかな防草材施工が可能となる。
硬化体の透水性においても極めて小さく、防草材の硬化体は充分に水の浸透を抑止できる。
また、色調については、実施例1〜3のいずれもアスファルトとの色差が、比較例1及び3と比較して明らかに小さい。
さらに、黒色顔料を添加した実施例2の場合、アスファルトとの色差をより小さくできている。
【0093】
エマルジョンとして改質アスファルトエマルジョンを用い、水硬性成分としてアルミナセメントのみを用いた比較例4では、アスファルトとの色差について実施例1〜3に近いものが得られるものの、硬化時間が10時間以上と長く、良好な施工性は得られなかった。
【0094】
本発明で用いる水硬性成分とエチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンを用いた比較例2では、2つの材料が混じりあわず、混練が行えなかった。
【0095】
本発明で用いる水硬性成分とアクリル系エマルジョンを用いた比較例3の場合、硬化時間は良好なものの、流動性の経時変化が大きく、さらにアスファルトとの色差およびコンクリートとの色差のいずれも大きかった。
【0096】
[実施例4]
自社研究所内のアスファルトコンクリート舗装とコンクリート製境界ブロックとの境界部のひび割れ部分から雑草が繁茂している箇所(10m長)を選定し、実施例1の配合で調製した本発明の防草材の施工テストを実施した。
まず、雑草を手作業で除去し、幅2〜10mmのひび割れ部分に詰まっている土砂を、20〜50mmの深さまで金属へらと金属ブラシを用いて除去し、続いて、花壇とアスファルトコンクリート舗装の境界ブロックの表面を、マスキングテープと新聞を用いて養生処理を行った。
【0097】
水硬性成分と改質アスファルトエマルジョンとを、高速羽根式攪拌機を用いて混合・分散して本発明の防草材を調製した。この防草材を、ポリエチレン製の漏斗を介して、10m長のひび割れ部にアスファルトコンクリート舗装の表面高さまで充填した。次に、小型の鏝を用いて防草材を平滑に均した後、2時間後にマスキングテープと新聞を除去した。
【0098】
本発明の防草材を施工し、マスキングテープなどを除去した状態を観察したが、施工した本発明の防草材が黒色系で、アスファルトコンクリート舗装の色と色彩が近く、殆ど施工箇所が目立たなかった。
【0099】
本発明の防草材を施工した箇所を3ヵ月後に観察したが、新たな雑草の生育は殆ど確認されなかった。また、本発明の防草材を充填した箇所は、施工直後よりさらに目立たなくなっており、アスファルトコンクリート舗装と一体化していた。
【0100】
[比較例5]
改質アスファルトエマルジョンの替わりに、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンを用いた比較例1の配合条件で、ポリマーセメントモルタルを調製した以外は実施例4と同様にして、自社研究所内で施工テストを行った。
【0101】
エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンを用いたポリマーセメントモルタルは、薄茶色を呈しており、施工後の状態を観察したところ、アスファルトコンクリート舗装の黒灰色と境界ブロックのコンクリート色(灰白色)との間に、薄茶色の帯が認められ防草処理を施した跡が明確に視認された。
【0102】
改質アスファルトエマルジョンの替わりに、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンを用いた場合についても、施工した箇所を3ヵ月後に観察した。施工箇所から新たに雑草が生育している様子は殆ど確認されなかったが、施工箇所は薄茶色を呈し、施工直後ほどではないが、黒色系のアスファルトコンクリート舗装とも灰白色系のコンクリート境界ブロックとも色彩的に一体化していなかった。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】アスファルトコンクリート舗装の車道、コンクリート製境界ブロック、及び、アスファルトコンクリート舗装の歩道で構成された一般的な道路の部分断面の模式図である。(a):雑草が生育している防草処理前の状態である。(b):雑草を除去し、さらに、アスファルトコンクリート舗装とコンクリート製境界ブロックとの隙間に堆積した土砂や埃を除去した状態である。(c):コンクリート製境界ブロックの表面にマスキングテープなどで養生した状態である。(d):アスファルトコンクリート舗装とコンクリート製境界ブロックとの隙間に、本発明の防草材を充填及び/又は塗布して施工した状態である。(e):マスキングテープ等を除去し、防草処理が終了した状態である。
【符号の説明】
【0104】
1:車道のアスファルトコンクリート舗装
2:歩道のアスファルトコンクリート舗装
3:コンクリートブロック(境界ブロック)
4:土砂または埃
5:雑草
6:コンクリート製排水溝
7:路盤
8:境界部の隙間部分(空間)又はひび割れ部分(空間)
9:マスキングテープ等(マスキング材)
10:防草材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水硬性成分と改質アスファルトエマルジョンとを含む防草材であり、水硬性成分100質量部に対して、改質アスファルトエマルジョンの固形分を25〜50質量部含むことを特徴とする防草材。
【請求項2】
防草材が、さらに黒色系顔料を含むことを特徴とする請求項1に記載の防草材。
【請求項3】
水硬性成分が、さらに金属系膨張材を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の防草材。
【請求項4】
水硬性成分が、アルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏、凝結調整剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防草材。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の防草材の混練物を、アスファルト構造体とコンクリート構造体との隙間に充填及び/又は塗布する防草材の施工方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−262861(P2007−262861A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93181(P2006−93181)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】