説明

降車者の足下を照らすランプを備えた車両

【課題】一般的な四輪自動車のように車外と車内とを隔絶するドアを有していない構成であっても、降車時に降車者の足下を光により明るく照らし、降車者の降車の安全性を確保する。
【解決手段】電動車いす1におけるシート31の座部33の下側に降車ランプ91を設け、主電源スイッチ17がオフとなり、かつシート31が横向き位置となったときに降車ランプ91を点灯させる。降車ランプ91の照射範囲は、電動車いす1の側方の地面が含まれるように設定されているので、降車ランプ91の点灯により、降車者の足下を明るく照らすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降車者の足下を照らすランプを備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車外と車内とを隔絶するドアを有し、乗降時にドアを開閉する一般的な四輪自動車には、ドアを開けたときに降車者の足下を照らすランプがドアに設けられている場合が多い。
【0003】
一方、下記の特許文献1には、シートに設けられた肘掛けに方向指示灯を取り付けた小型電動車両が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4529629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
暗所における車両からの降車の安全性を確保するためには、降車時に降車者の足下を照らすランプを車両に設けることが望ましい。
【0006】
ところが、電動車いすやオートバイ等は、一般的な四輪自動車のように車外と車内とを隔絶するドアを有していないため、降車者の足下を照らすランプをドアに設けるといった構成を採用することはできない。
【0007】
また、上記特許文献1の段落0026には、小型電動車両の肘掛け(アームレスト116)を跳ね上げたときに、肘掛けに取り付けられた方向指示灯(ウィンカ11)が高い位置で点灯するので、乗降時に高い安全性を確保することができる旨が記載されている。しかし、この記載から、当該方向指示灯により降車者の足下を明るく照らすことができるかどうかは不明である。また、上記特許文献1の段落0028には、小型電動車両の肘掛けに取り付けられた方向指示灯により夜間運転時において足下を照らすことができる旨が記載されている。しかし、この記載から、夜間において車両の運転を終えて車両から降りる者の足下を当該方向指示灯によって明るく照らすことができるかどうかは不明である。このように、上記特許文献1は、降車時に降車者の足下を明るく照らす点については示唆していない。
【0008】
また、車両の運転者は、車両の運転を終え、車両の主電源スイッチをオフにしてから車両から降りるのが通常である。この場合、主電源スイッチをオフにすることにより、フロントランプ、テールランプ、方向指示灯等はすべて消えてしまう。車両の運転を終えた時点が夜間であったり、車両の運転を終えた場所がガレージ内であった場合には、車両の主電源スイッチをオフにすることにより運転者の周囲が急に真っ暗になるため、その後の降車は危険を伴うことがある。
【0009】
この点、上記特許文献1に記載の小型電動車両の肘掛けに取り付けられているものは方向指示灯であるため、当該車両の主電源スイッチがオフになった後は消えてしまう。すなわち、上記特許文献1には、主電源スイッチをオフにした後に降車者の足下をランプで照らす点については何ら示唆されていない。
【0010】
また、暗所における車両に対する降車の安全性を確保するために、降車時に降車者の足下を照らすランプを車両に単に追加するだけでは例えば次のような問題がある。すなわち、降車時に降車者の足下を照らすランプを車両に単に追加するだけでは、当該ランプをオン、オフするための特別な操作が必要となるため車両の操作が煩雑になる。また、車両に設けるランプないし灯火器の個数が増加するため車両の製造コストが上昇する。また、当該ランプを稼働させるために消費電力が増加する。また、当該ランプの点けっぱなしにより周囲の者に迷惑をかけてしまうことがあり得る。
【0011】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の第1の課題は、一般的な四輪自動車のように車外と車内とを隔絶するドアを有していない構成において、降車時に降車者の足下を光により明るく照らすことができる車両を提供することにある。
【0012】
また、本発明の第2の課題は、一般的な四輪自動車のように車外と車内とを隔絶するドアを有していない構成において、降車時に降車者の足下を照らすランプのオン、オフの手間を軽減することができる車両を提供することにある。
【0013】
また、本発明の第3の課題は、ランプないし灯火器の個数を増加させることなく降車時に降車者の足下を光により照らす機能を追加することができ、製造コストの上昇を抑制することができる車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の第1の車両は、車輪を有する車体と、前記車体に設けられ、前記車輪の回転動力を作り出す動力源と、前記車体に設けられ、オン時には前記動力源の駆動操作を可能にし、オフ時には前記動力源の駆動操作を不能にする主電源スイッチと、前記車体の前部に設けられたハンドルと、前記ハンドルの後方に配置され、前向き位置と横向き位置との間で回転可能に前記車体に設けられたシートとを備えた車両であって、前記車体または前記シートに設けられ、前記シートが横向き位置であるときに、前記車体の側方の地面であって前記シートに座っている者が足を置く領域を照射するランプと、前記ランプを制御するランプ制御手段と、前記主電源スイッチがオフになった後でも前記ランプに電力を供給することができる電力供給手段とを備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明の第1の車両によれば、シートを横向き位置にしたときに、前記ランプの光を車両側方の地面に照射し、シートに座っている者、または降車のためにシートから立ち上がった者の足下を明るく照らすことができる。これにより、降車時における降車者による足下の状況確認を容易にすることができる。
【0016】
また、車両を運転していた者が運転を終えて主電源スイッチをオフにした後であっても、前記ランプをオンにすることができ、前記ランプにより降車者の足下を明るく照らすことができる。これにより、暗所にて車両の主電源スイッチをオフにしてしまったことにより車両のフロントランプやテールランプ等が消えてしまった後でも、前記ランプで足下を照らすことができるので、暗所における降車の安全性を確保することができる。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の第2の車両は、上述した本発明の第1の車両において、前記ランプは、前記シートの座部の下側に取り付けられ、前記シートの回転移動と共に移動することを特徴とする。
【0018】
本発明の第2の車両によれば、シートが前向き位置から横向き位置に移動するのに伴って前記ランプが移動し、シートが横向き位置になった状態で、前記ランプから発せられる光により車両の側方の地面を含む領域を照射することが可能になる。前記ランプをシートの座部の下側に取り付けることにより、前記ランプが降車者の降車の邪魔になることを防止でき、また前記ランプを追加したために車体が大型化するのを防止できる。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の第3の車両は、上述した本発明の第1または第2の車両において、前記主電源スイッチがオフであるか否かを検出する主電源スイッチ検出手段を備え、前記ランプ制御手段は、前記主電源スイッチ検出手段により前記主電源スイッチがオフであることが検出されたときに前記ランプをオンにすることを特徴とする。
【0020】
本発明の第3の車両によれば、主電源スイッチをオフにすると前記ランプが自動的にオンになるので、降車する者は、主電源スイッチをオフにした後、シートを横向き位置にするだけで足下を前記ランプにより明るく照らすことができる。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の第4の車両は、上述した本発明の第1または第2の車両において、前記シートの位置を検出するシート位置検出手段を備え、前記ランプ制御手段は、前記シート位置検出手段により前記シートが前記前向き位置でないことが検出されたときに前記ランプをオンにすることを特徴とする。
【0022】
本発明の第4の車両によれば、シートを横向き位置にすれば前記ランプが自動的にオンになる。したがって、前記ランプをオンにするための特別な操作は不要であり、操作が煩雑化するのを防止することができる。
【0023】
上記課題を解決するために、本発明の第5の車両は、上述した本発明の第3の車両において、前記シートの位置を検出するシート位置検出手段を備え、前記ランプ制御手段は、前記主電源スイッチ検出手段により前記主電源スイッチがオフであることが検出され、かつ前記シート位置検出手段により前記シートが前記前向き位置でないことが検出されたときに、前記ランプをオンにすることを特徴とする。
【0024】
本発明の第5の車両によれば、主電源スイッチをオフにしてシートを横向き位置にすれば前記ランプが自動的にオンになる。したがって、前記ランプをオンにするための特別な操作は不要であり、操作が煩雑化するのを防止することができる。
【0025】
また、降車する者が主電源スイッチをオフにしても、シートを前向き位置にしたままの状態では前記ランプがオンにならないので、前記ランプによる不要な光の照射を防止することができる。
【0026】
上記課題を解決するために、本発明の第6の車両は、上述した本発明の第1または第2の車両において、前記主電源スイッチがオフであるか否かを検出する主電源スイッチ検出手段を備え、前記ランプ制御手段は、前記主電源スイッチ検出手段により前記主電源スイッチがオフであることが検出された時点から所定の時間が経過した後、前記ランプを自動的にオフにすることを特徴とする。
【0027】
本発明の第6の車両によれば、ランプがオンになった状態で長時間放置されることを防止することができる。これにより、ランプによる不要な光の照射を抑制することができ、消費電力の削減、または夜間における光の照射による周囲の者への迷惑を軽減することができる。
【0028】
上記課題を解決するために、本発明の第7の車両は、上述した本発明の第1ないし第6のいずれかの車両において、前記動力源としてのモータと、前記モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリを充電する充電器と、前記充電器を外部電源と接続する接続手段とを備え、前記ランプ制御手段は、前記接続手段を前記外部電源と接続して前記充電器により前記バッテリの充電を行っているときには前記ランプを点灯または点滅させ、前記バッテリの充電を終えたときには前記ランプを消灯させることを特徴とする。
【0029】
本発明の第7の車両によれば、降車者の足下を照らす前記ランプを充電確認のためのランプとしても用いることができ、充電確認のための専用ランプを排除して、車両に取り付けるべきランプないし灯火器の個数を減らすことができる。
【0030】
上記課題を解決するために、本発明の第8の車両は、上述した本発明の第7の車両において、前記ランプ制御手段は、前記バッテリの充電を行っている期間において前記ランプから発せられる光の強度を、前記バッテリの充電を行っていない期間において前記ランプをオンにしたときに前記ランプから発せられる光の強度よりも低くすることを特徴とする。
【0031】
本発明の第8の車両によれば、降車時においては、降車者の足下を前記ランプにより明るく照らすことができる一方、充電時においては、前記ランプの点灯または点滅によって消費する電力を抑えながら、充電中であることの確認を可能にすることができる。
【0032】
上記課題を解決するために、本発明の第9の車両は、上述した本発明の第7または第8の車両において、前記接続手段は充電コネクタを含み、前記シートの下側に収納され、前記ランプの照射範囲には、前記シートの下側に収納されている前記充電コネクタが含まれることを特徴とする。
【0033】
本発明の第9の車両によれば、充電を開始する際に、周囲が暗くても、利用者は充電コネクタを容易に見つけ出すことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、一般的な四輪自動車のように車外と車内とを隔絶するドアを有していない構成であっても、降車時に降車者の足下を光により明るく照らすことができ、降車者の降車の安全性を確保することができる。また、降車時に降車者の足下を照らすランプのオン、オフの手間を軽減することができる。また、ランプないし灯火器の個数を増加させることなく降車時に降車者の足下を光により照らす機能を追加することができ、製造コストの上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施形態である電動車いすを側方から見た外観図である。
【図2】本発明の第1の実施形態である電動車いすを上方から見た外観図である。
【図3】本発明の第1の実施形態である電動車いすを後方から見た外観図である。
【図4】本発明の第1の実施形態である電動車いすにおけるシートの2通りの位置を示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態である電動車いすにおけるシート回転機構を示す説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態である電動車いすにおけるシート回転機構の動作を示す説明図である。
【図7】図6中の矢示A−A方向から見たシート回転機構および図6中の矢示B−B方向から見たシート回転機構をそれぞれ示す説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態である電動車いすにおいてシートに取り付けられた降車ランプを示す説明図である。
【図9】図8中の矢示CーC方向から見た降車ランプを示す断面図である。
【図10】図9中の矢示D−D方向から見た降車ランプを示す断面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態である電動車いすにおける降車ランプの照射範囲を示す説明図である。
【図12】本発明の第1の実施形態である電動車いすにおける降車ランプの照射範囲を示す説明図である。
【図13】本発明の第1の実施形態である電動車いすにおける降車ランプの照射範囲を示す説明図である。
【図14】本発明の第1の実施形態である電動車いすの電気的構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第1の実施形態である電動車いすにおける降車ランプの制御処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施形態である電動車いすにおける降車ランプの制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0037】
(第1の実施形態)
図1ないし図3は本発明の車両の第1の実施形態である電動車いすを示しており、図1が当該電動車いすを側方から見た図であり、図2が当該電動車いすを上方から見た図であり、図3が当該電動車いすを後方から見た図である。
【0038】
図1において、電動車いす1は、主として高齢者または歩行困難者向けの移動手段として用いられる電動式の車いすである。電動車いす1の車体は、その骨格を形成する車体フレーム11と、車体フレーム11の前部下側に回転可能に設けられた一対の前輪12と、車体フレーム11の後部下側に回転可能に設けられた一対の後輪13とを備えている。また、車体フレーム11の前部上側には上下方向に伸張したハンドル支持部14が設けられ、ハンドル支持部14の上端側にはハンドル15が回動可能に支持されている。また、ハンドル支持部14内には、ハンドル15の回動を各前輪12に伝達して各前輪12の向きを変えるステアリングシャフト(図示せず)が設けられている。
【0039】
また、ハンドル支持部14の側面には主電源スイッチ17が取り付けられている。主電源スイッチ17は、オン時には後述するモータ28の駆動操作を可能にし、オフ時にはモータ28の駆動操作を不能にするスイッチであり、電動車いす1のいわゆるメインスイッチである。また、図2に示すように、ハンドル支持部14の上端側には操作パネル18および一対のバックミラー19が取り付けられ、ハンドル支持部14の前側には、かご20およびフロントライト21が取り付けられている。
【0040】
また、車体フレーム11上においてハンドル支持部14の後方には、電動車いす1の運転者が運転時に両足を置くステップ部23が設けられている。また、車体フレーム11においてステップ部23の後方には機器収容部24が設けられ、機器収容部24内には、バッテリ25、充電器26、および電動車いす1を制御するための電気回路を備えたコントローラ27等が収容されている。また、図3に示すように、車体フレーム11の後部下側であって一対の後輪13の間には、動力源としてもモータ28が設けられている。モータ28は各後輪13を回転させる動力を作り出す。これにより、電動車いす1の走行が実現する。さらに、機器収容部24の後ろ側には一対の反射板29が設けられている。
【0041】
また、ハンドル15の後方であって機器収容部24の上側には、電動車いす1の運転者が運転時に座るシート31が設けられている。また、シート31の下側にはシート支持部32が設けられている。シート支持部32は上下方向に伸び、その下端側が車体フレーム11側に固定されている。また、シート支持部32の上端側にはシート31が回転可能に支持されている。シート31は、運転者が座ったとき運転者の尻が接触する座部33、当該運転者が背中をもたせかける背もたれ部34、および当該運転者が肘を置く一対の肘掛け部36を備えている。
【0042】
また、シート31の下側、具体的には機器収容部24とシート31との間には、図1に示すように、充電ケーブル(図示せず)、および充電コネクタ(接続手段)としての充電プラグ56が設けられている。充電ケーブルの一端側は充電器26に接続され、充電ケーブルの他端側には充電プラグ56が接続されている。電動車いす1の走行中等は、充電ケーブルおよび充電プラグ56は、シート31の下面に取り付けられた充電ケーブル収容部58に収容されている。一方、充電器26に充電するときには、充電ケーブル収容部58から充電プラグ56および充電ケーブルを引き出し、充電プラグ56を例えばコンセントに接続する。
【0043】
さらに、シート31の下側には降車ランプ91が設けられている。降車ランプ91については後述する。
【0044】
図4ないし図7は、シート31の回転およびシート31の位置検出に関する構成を示している。シート31は、図4に示すように、シート支持部32を回転軸として左方向におよそ90度回転することができる。また、図示していないが、シート31は、シート支持部32を回転軸として右方向にもおよそ90度回転することができる。ここで、図4(1)に示すように、シート31が前方を向いている位置を「前向き位置」という。シート31が前向き位置であるとき、シート31に座した者は電動車いす1が前進する方向を向く。電動車いす1の運転中(走行中)、シート31は前向き位置である。一方、シート31が前向き位置からおよそ90度回転した位置を「横向き位置」といい、横向き位置のうち、図4(2)に示すように、シート31が前向き位置から左方向におよそ90度回転した位置を「左向き位置」といい、図示しないが、シート31が前向き位置から右方向におよそ90度回転した位置を「右向き位置」という。シート31が左向き位置または右向き位置であるとき、シート31に座した者は、電動車いす1が前進する方向に対しておよそ90度回転した方向、すなわち電動車いす1の側方を向く。電動車いす1の停止中はシート31を左向き位置または右向き位置にすることができる。シード31を左向き位置または右向き位置にすることにより、運転者(乗降者)はシート31に楽に座ることができ、電動車いす1に容易に乗ることができ、また、シート31から楽に立ち上がることができ、電動車いす1から容易に降りることができる。
【0045】
このようなシート31の回転は、図5ないし図7に示すシート回転機構71により実現される。すなわち、図5に示すように、シート31の下側にはシート回転機構71が設けられている。シート回転機構71はフックプレート72および回転レバー74を備えている。
【0046】
フックプレート72は、シート支持部32または車体フレーム11側の一部に回転不能に固定されており、シート31が回転しても回転しない。そして、フックプレート72の周縁部には、図6に示すように、5つの係合凹凸部73A、73B、73C、73D、73Eがそれぞれ所定の位置に、周方向に所定の間隔をもって形成されている。
【0047】
一方、回転レバー74はシートベース38に取り付けられている(図8参照)。すなわち、シート31は、座部33および背もたれ部34の骨格を構成するシートフレーム37と、シートフレーム37をシート支持部32上に支持するシートベース38とを備えており、回転レバー74はシートベース38の後端側に取り付けられている。回転レバー74は、シート31が回転したときにはシート31と共に移動する。回転レバー74はレバー軸75を備え、レバー軸75はシートベース38の後端側に図5中の矢示X、Y方向に回転可能に支持されている。また、レバー軸75は、ばね76により図5中の矢示X方向に付勢されている。また、レバー軸75の一端側には把持部77が設けられ、他端側には係止部78が設けられている。係止部78は、その基端側がレバー軸75の軸方向中間部に不動に固定され、先端側がレバー軸75の径に対し平行な方向に伸びている。そして、係止部78には、図6(1)に示すように、係合凹凸部73A、73B、73C、73D、73Eと係合する係合孔79が形成されている。
【0048】
シート31が前向き位置にあるときには、図6(1)に示すように、フックプレート72の係合凹凸部73Cと、回転レバー74の係止部78の係合孔79とが係合し、ばね76の矢示X方向の付勢力によりこの状態が維持される。これにより、シート31は、運転者等が回転レバー74を操作しない限り、前向き位置に固定される。一方、シート31が左向き位置にあるときには、図6(2)に示すように、フックプレート72の係合凹凸部73Aと、回転レバー74の係止部78の係合孔79とが係合し、ばね76の矢示X方向の付勢力によりこの状態が維持される。これにより、シート31は、運転者等が回転レバー74を操作しない限り、左向き位置に固定される。また、シート31が右向き位置にあるときには、フックプレート72の係合凹凸部73Eと、回転レバー74の係止部78の係合孔79とが係合し、ばね76の矢示X方向の付勢力によりこの状態が維持される。これにより、シート31は、運転者等が回転レバー74を操作しない限り、右向き位置に固定される。シート31を前向き位置から左向き位置または右向き位置へ回転させるときには、運転者等は回転レバー74の把持部77を握り、これを上向きに持ち上げる。これにより、レバー軸75がばね76の付勢力に抗して矢示Y方向に回転し、係止部78の係合孔79が係合凹凸部73Cから外れる。この状態で、運転者等はシート31に左回転方向または右回転方向に力を加えることによりシート31を回転させることができる。シート31を左向き位置または右向き位置から前向き位置へ回転させるときも同様である。なお、回転レバー74を操作しつつシート31を回転させ、フックプレート72の係合凹凸部73Bと、回転レバー74の係止部78の係合孔79とを係合させることにより、シート31を左斜め前方に向いた状態で位置決めすることができる。また、回転レバー74を操作しつつシート31を回転させ、フックプレート72の係合凹凸部73Dと、回転レバー74の係止部78の係合孔79とを係合させることにより、シート31を右斜め前方に向いた状態で位置決めすることもできる。
【0049】
また、シート31の下側には、シート31の位置、すなわち、シート31が前向き位置にあるか否かを検出するシート位置検出器80が設けられている。シート位置検出器80は、シートベース38の後端側に取り付けられ(図8参照)、シート31が回転したときにはシート31と共に移動する。図6および図7に示すように、シート位置検出器80はレバースイッチ81を備え、レバースイッチ81は、回転レバー74の係止部78の先端側と接触している。
【0050】
図6(1)に示すように、フックプレート72に形成された5つの係合凹凸部73A、73B、73C、73D、73Eのうち、係合凹凸部73Cは、他の係合凹凸部73A、73B、73D、73Eのいずれよりもフックプレート72の中心(シート支持部32の中心、すなわちシート31の回転中心)に接近した位置に形成されている。このため、図7(1)に示すように、シート31が前向き位置にあり、フックプレート72の係合凹凸部73Cと回転レバー74の係止部78の係合孔79とが係合しているときは、フックプレート72の係合凹凸部73A、73B、73D、73Eのいずれかと回転レバー74の係止部78の係合孔79とが係合しているときと比較して、回転レバー74のレバー軸75の矢示X方向の回転量が大きく、この結果、回転レバー74の係止部78の矢示Z方向の移動量が大きい。このように係止部78の移動量が大きいとき、シート位置検出器80のレバースイッチ81が係止部78に押され、シート位置検出器80がオンになる。一方、図7(2)に示すように、シート31が前向き位置以外の位置(例えば左向き位置)にあり、フックプレート72の係合凹凸部73A、73B、73D、73Eのいずれか(例えば係合凹凸部73A)と回転レバー74の係止部78の係合孔79とが係合しているときは、フックプレート72の係合凹凸部73Cと回転レバー74の係止部78の係合孔79とが係合しているときと比較して、回転レバー74のレバー軸75の矢示X方向の回転量が小さく、この結果、回転レバー74の係止部78の矢示Z方向の移動量が小さい。このように係止部78の移動量が小さいときには、シート位置検出器80のレバースイッチ81は係止部78に押されていない状態となり、シート位置検出器80はオフになる。このように、シート位置検出器80は、シート31が前向き位置のときにはオンとなり、シート31が左向き位置および右向き位置のときにはそれぞれオフとなる。シート位置検出器80は、そのオン、オフ状態を示すシート位置検出信号をコントローラ27に出力する。
【0051】
図8ないし図10は降車ランプに関する構成を示している。また、図11ないし図13は当該降車ランプの照射範囲を示している。図8に示すように、シート31の座部33の下側に位置するシートベース38の前端側には、降車ランプ91が設けられている。図9に示すように、降車ランプ91は、左右方向に長い形状を有している。降車ランプ91は、下向きに開口したハウジング92と、ハウジング92内に収容され、複数の発光ダイオード(LED)が搭載された基板93と、ハウジング92の開口部を閉塞し、光透過性を有し、光を拡散させるレンズ94とを備えている。降車ランプ91は、シートベース38の前端側に形成された左右方向に長い長穴であるランプ取付孔39に、降車ランプ91のハウジング92を、シートベース38の下から上に向けて挿入することにより、シートベース38に取り付けられている。図9に示すように、基板93には、複数の発光ダイオードが基板93の左端から右端にかけて所定の間隔を持って左右方向に並べて配置されている。各発光ダイオードは下向きに光を発する。レンズ94の面は、図10に示すように、各発光ダイオードから発せられた光を、シート31前端側の真下方向と真下よりもやや前寄りとなる斜め方向に拡散するように傾斜している。また、基板93に搭載された各発光ダイオードは、図示しないケーブルを介してコントローラ27に電気的に接続されている。
【0052】
図11に示すように、降車ランプ91は、シート31が横向き位置にあるときに、電動車いす1の側方の地面であってシート31に座っている者(降車者)が足を置く領域を明るく照射する。これにより、シート31に座っている者、または降車のためにシート31から立ち上がった者の足下を明るく照らすことができる。降車者は、降車時に足下の状況確認を容易にかつ確実に行うことができる。すなわち、図12に示すように、電動車いす1の前後方向において、降車ランプ91の照射範囲Rの長さL1は、横向き位置にあるシート31の幅とほぼ同じか、それよりも長くなるように設定されているが、この長さL1をさらに長くし、照射範囲Rを拡げてもよい。また、図13に示すように、電動車いす1の左右方向において、降車ランプ91の照射範囲Rの長さL2は、横向き位置にあるシート31に座った者の足の踵から爪先にかけてのすべてが当該照射範囲Rに含まれるように設定されているが、この長さL2をさらに長くし、照射範囲Rを拡げてもよい。
【0053】
さらに、降車ランプ91の照射範囲R内に、シート31の下側に収納されている充電プラグ56が含まれるように照射範囲Rを拡げてもよい。これにより、充電を開始する際に、周囲が暗くても、運転者等は充電プラグ56を容易に見つけ出すことができる。
【0054】
図14は、降車ランプ91の制御に関する電気的構成を示している。機器収容部24内に収容されたコントローラ27には、図14に示すように、主電源スイッチ17、充電器26、シート位置検出器80、および降車ランプ91がそれぞれケーブルを介して接続されている。コントローラ27は、主電源スイッチ17がオンかオフかを示す検出信号を主電源スイッチ17から受け取る。また、コントローラ27は、充電動作を行っているか否かを示す検出信号を充電器26から受け取る。また、コントローラ27は、シート31が前向き位置か否かを示すシート位置検出信号をシート位置検出器80から受け取る。また、コントローラ27は、降車ランプ91の点灯、点滅、消灯を切り換える制御信号を降車ランプ91に出力する。また、コントローラ27には、演算処理回路(CPU)、メモリ等が内蔵されており、また、コントローラ27はタイマ60としての機能を有している。また。コントローラ27は図示しないアクセルの状態、速度等を検出する機能や、モータ28、電磁ブレーキ、充電器26等を制御する機能をも備えている。例えば、コントローラ27は、シート位置検出器80によりシート31が前向き位置であるか否かを検出し、シート31が前向き位置でない場合には、モータ28を駆動させないようにする機能を備えている。なお、コントローラ27は、ランプ制御手段、電力供給手段、および主電源スイッチ検出手段の具体例であり、また、コントローラ27は、シート位置検出器80と共にシート位置検出手段の具体例である。
【0055】
コントローラ27は、主電源スイッチ17がオフになり、バッテリ25からモータ28、フロントライト21等への電力の供給が絶たれた後も、所定の時間内においては、バッテリ25からの電力の供給を受けて動作を継続することができる。そして、コントローラ27は、主電源スイッチ17がオフになった後も、一定の条件が充たされたとき、降車ランプ91に電力を供給し、降車ランプ91を点灯させることができる。
【0056】
すなわち、コントローラ27は、主電源スイッチ17から受け取った検出信号により主電源スイッチ17がオフであることを検出し、かつシート位置検出器80から受け取ったシート位置検出信号によりシート31が前向き位置でないことを検出したとき、降車ランプ91を点灯させる制御信号を降車ランプ91に出力し、降車ランプ91を点灯させる。これにより、電動車いす1の運転者は、電動車いす1の運転を終えて主電源スイッチ17をオフにした後であっても、シート31を横向き位置にすることにより降車ランプ91を点灯させ、降車の際に足下を明るく照らすことができる。すなわち、運転者が電動車いす1を暗所に停めて主電源スイッチ17をオフにした場合には、フロントライト21が消灯して当該運転者の周りが真っ暗になるが、このような場合でも、当該運転者は、シート31を回転させるだけの簡単な操作で降車ランプ91を点灯させ、降車の際に足下を明るく照らすことができる。シート31を回転させて横向き位置にする動作は、運転者が降車時に行うごく自然な動作であり、周囲が真っ暗でも、当該運転者は容易にかつ確実に回転レバー74を操作してシート31を回転させて降車ランプ91を点灯させ、降車ランプ91により明るく照らされた足下を確認しながら、安全に降車することができる。さらに、電動車いす1の周辺を広範にわたり照らすことができるので、充電を開始する際に、周囲が暗くても、運転者または他の利用者は充電プラグ56を差し込むACコンセントを容易に見つけ出すことができる。
【0057】
また、コントローラ27は、降車ランプ91が点灯している状態において、シート位置検出器80からのシート位置検出信号により、シート31が前向き位置であることを検出したとき、降車ランプ91を消灯させる制御信号を降車ランプ91に出力し、降車ランプ91を消灯させる。これにより、運転者または他の利用者は、横向き位置にあるシート31を回転させて前向き位置にするといった簡単な操作を行うだけで、降車ランプ91を消すことができる。
【0058】
また、コントローラ27は、主電源スイッチ17がオフであることを検出してから所定の時間(例えば5分ないし10分程度)が経過した後に、電動車いす1のシステム全体の電源を自動的に切断する。その結果、降車ランプ91は、シート31が前向き位置以外の位置であっても消灯する。これにより、運転者等がシート31を前向き位置に戻さなくても、降車ランプ91が自動的に消灯する。したがって、降車ランプ91が点灯状態のまま長時間放置されることを防止することができ、消費電力の削減、または夜間における光の照射による周囲の者への迷惑を軽減することができる。
【0059】
図15は、コントローラ27による降車ランプ91の点灯、消灯を制御する処理の具体例を示している。図15において、運転者が電動車いす1の運転を終え、コントローラ27が、アクセルのオフを検出し(ステップS1:YES)、続いて速度がゼロであることを検出したとき(ステップS2)、コントローラ27は電磁ブレーキをオンにする(ステップS3)。
【0060】
続いて、コントローラ27は、主電源スイッチ17がオフであるか否かを検出し、主電源スイッチ17がオフであるときには(ステップS4:YES)、タイマ60により時間の計測を開始する(ステップS5)。
【0061】
続いて、コントローラ27は、シート31が前向き位置であるか否かを検出し、シート31が前向き位置でないときには(ステップS6:NO)、降車ランプ91を点灯させる(ステップS7)。
【0062】
続いて、コントローラ27は、ステップS5において時間の計測を開始した時点から所定の時間が経過したか否かを判断し、所定の時間が経過したときには(ステップS8:YES)、電動車いす1のシステム全体の電源を切断する。その結果、降車ランプ91が消灯する(ステップS9)。
【0063】
(第2の実施形態)
図16は、本発明の第2の実施形態の電動車いす1における降車ランプ91の点灯、消灯を制御する処理の具体例を示している。本発明の第2の実施形態の特徴は、降車ランプ91が、降車時に降車者の足下を照らすランプとしての機能だけでなく、充電時において充電中であることを示すランプとしての機能を併せ持つ点にある。このように、降車ランプ91に複数の機能を持たせることで、電動車いす1に設けるランプないし灯火器の個数を減らすことができる。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態と比較して、概してコントローラ27の制御処理の内容が異なるだけなので、以下の説明において、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付す。
【0064】
図16において、運転者が電動車いす1の運転を終え、コントローラ27が、アクセルのオフを検出し(ステップS11:YES)、続いて速度がゼロであることを検出したとき(ステップS12)、コントローラ27は電磁ブレーキをオンにする(ステップS13)。
【0065】
続いて、コントローラ27は、主電源スイッチ17がオフであるか否かを検出し、主電源スイッチ17がオフであるときには(ステップS14:YES)、タイマ60により時間の計測を開始する(ステップS15)。
【0066】
続いて、コントローラ27は、シート31が前向き位置であるか否かを検出し、シート31が前向き位置でないときには(ステップS16:NO)、降車モードとなり、降車ランプ91を通常の強度で点灯させる(ステップS17)。
【0067】
続いて、コントローラ27は、充電が開始されたか否かを検出し、充電が開始されていないときには(ステップS18:NO)、コントローラ27は、ステップS15において時間の計測を開始した時点から所定の時間が経過したか否かを判断し、所定の時間が経過したときには(ステップS19:YES)、電動車いす1のシステム全体の電源を切断する。その結果、降車ランプ91が消灯する(ステップS20)。
【0068】
一方、運転者等が充電プラグ56をコンセントに接続して、充電を開始すると、コントローラ27は、充電器26からの検出信号に基づいて充電が開始されたことを検出し、充電モードとなる(ステップS21)。充電モードにおいて、コントローラ27は、降車ランプ91を点灯させる。これにより、降車ランプ91は、充電時において充電中であることを示すランプとして機能する。
【0069】
ここで、コントローラ27は、充電モードにおいては、降車ランプ91を減光する。すなわち、コントローラ27は、充電モードにおいて降車ランプ91から発せられる光の強度を、降車モードにおける上記通常の強度よりも低くする。これにより、降車時においては、降車者の足下を降車ランプ91により明るく照らすことができる一方、充電時においては、降車ランプ91の点灯によって消費する電力を抑えながら、充電中であることの確認を可能にすることができる。
【0070】
なお、上述した第2の実施形態において、降車モードおよび充電モードの間で、降車ランプ91から発せられる光の色を変更してもよい。例えば、降車ランプ91から発せられる光の色を、降車モードでは白色にし、充電モードでは赤色にしてもよい。
【0071】
また、上述した各実施形態では、充電ケーブルおよび充電プラグ56をシート31の下側に収容する場合を例にあげたが、本発明はこれに限らず、充電プラグのみをシート31の下側に取り付けてもよい。この場合には、降車ランプ91の照射範囲Rに充電プラグが含まれるようにすることが望ましい。なお、この場合、充電の際には、電動車いす1と分離した充電ケーブルを用いて、充電プラグとコンセントとの間を接続する。
【0072】
また、上述した各実施形態において、コントローラ27は、降車ランプ91の制御を専ら行うためのコントローラとしても設けてもよいし、電動車いす1の走行制御を行うコントローラの一部の機能として実現してもよい。
【0073】
また、上述した各実施形態では、降車ランプ91の光源として複数の発光ダイオードを用いる場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。降車ランプ91の光源として単一または複数の電球を用いることもできる。
【0074】
また、上述した各実施形態では、主電源スイッチ17がオフとなり、シート31が前向き位置以外の位置となったときに降車ランプ91を点灯させる場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。主電源スイッチ17がオフとなったときに直ちに降車ランプ91を点灯させてもよい。
【0075】
また、上述した各実施形態では、降車ランプ91をシート31に取り付ける場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。一対の降車ランプを電動車いす1の左側と右側にそれぞれ取り付けてもよい。この場合、各降車ランプはシート31の回転を妨げない位置に配置する。また、左側に取り付けた降車ランプは、シート31が左向き位置となったときに、シート31の座面33の下側に位置し、電動車いす1の左方の地面であってシート31に座っている者が足を置く領域を照射するように配置する。同様に、右側に取り付けた降車ランプは、シート31が右向き位置となったときに、シート31の座面33の下側に位置し、電動車いす1の右方の地面であってシート31に座っている者が足を置く領域を照射するように配置する。そして、例えば、シート位置検出器80およびコントローラ27により、シート31が左向き位置になったことが検出されたとき、コントローラ27により、左側の降車ランプを点灯させる。同様に、シート位置検出器80およびコントローラ27により、シート31が右向き位置になったことが検出されたとき、コントローラ27により、右側の降車ランプを点灯させる。
【0076】
また、本発明の車両は、上記各実施形態で述べたような4輪で単一のシート31を有する電動車いす1に限らない。本発明は例えば二輪車や三輪車にも適用可能である。また、動力源がエンジンである車両にも本発明を適用することができる。さらには、自動車の福祉車両にも本発明を適用することができる。
【0077】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1 電動車いす
11 車体フレーム
12 前輪
13 後輪
15 ハンドル
17 主電源スイッチ
25 バッテリ
26 充電器
27 コントローラ(ランプ制御手段、電力供給手段、主電源スイッチ検出手段、シート位置検出手段)
28 モータ(動力源)
31 シート
32 シート支持部
56 充電プラグ(接続手段)
58 充電ケーブル収容部
60 タイマ
71 シート回転機構
80 シート位置検出器(シート位置検出手段)
91 降車ランプ(ランプ)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を有する車体と、
前記車体に設けられ、前記車輪の回転動力を作り出す動力源と、
前記車体に設けられ、オン時には前記動力源の駆動操作を可能にし、オフ時には前記動力源の駆動操作を不能にする主電源スイッチと、
前記車体の前部に設けられたハンドルと、
前記ハンドルの後方に配置され、前向き位置と横向き位置との間で回転可能に前記車体に設けられたシートとを備えた車両であって、
前記車体または前記シートに設けられ、前記シートが横向き位置であるときに、前記車体の側方の地面であって前記シートに座っている者が足を置く領域を照射するランプと、
前記ランプを制御するランプ制御手段と、
前記主電源スイッチがオフになった後でも前記ランプに電力を供給することができる電力供給手段とを備えていることを特徴とする車両。
【請求項2】
前記ランプは、前記シートの座部の下側に取り付けられ、前記シートの回転移動と共に移動することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記主電源スイッチがオフであるか否かを検出する主電源スイッチ検出手段を備え、
ランプ制御手段は、前記主電源スイッチ検出手段により前記主電源スイッチがオフであることが検出されたときに前記ランプをオンにすることを特徴とする請求項1または2に記載の車両。
【請求項4】
前記シートの位置を検出するシート位置検出手段を備え、
前記ランプ制御手段は、前記シート位置検出手段により前記シートが前記前向き位置でないことが検出されたときに前記ランプをオンにすることを特徴とする請求項1または2に記載の車両。
【請求項5】
前記シートの位置を検出するシート位置検出手段を備え、
前記ランプ制御手段は、前記主電源スイッチ検出手段により前記主電源スイッチがオフであることが検出され、かつ前記シート位置検出手段により前記シートが前記前向き位置でないことが検出されたときに、前記ランプをオンにすることを特徴とする請求項3に記載の車両。
【請求項6】
前記主電源スイッチがオフであるか否かを検出する主電源スイッチ検出手段を備え、
前記ランプ制御手段は、前記主電源スイッチ検出手段により前記主電源スイッチがオフであることが検出された時点から所定の時間が経過した後、前記ランプを自動的にオフにすることを特徴とする請求項1または2に記載の車両。
【請求項7】
前記動力源としてのモータと、
前記モータに電力を供給するバッテリと、
前記バッテリを充電する充電器と、
前記充電器を外部電源と接続する接続手段とを備え、
前記ランプ制御手段は、前記接続手段を前記外部電源と接続して前記充電器により前記バッテリの充電を行っているときには前記ランプを点灯または点滅させ、前記バッテリの充電を終えたときには前記ランプを消灯させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の車両。
【請求項8】
前記ランプ制御手段は、前記バッテリの充電を行っている期間において前記ランプから発せられる光の強度を、前記バッテリの充電を行っていない期間において前記ランプをオンにしたときに前記ランプから発せられる光の強度よりも低くすることを特徴とする請求項7に記載の車両。
【請求項9】
前記接続手段は充電コネクタを含み、前記シートの下側に収納され、
前記ランプの照射範囲には、前記シートの下側に収納されている前記充電コネクタが含まれることを特徴とする請求項7または8に記載の車両。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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