説明

限界値探査装置及び方法

【課題】制御パラメータの限界値を迅速に探査し、制御可能領域を効率よく生成することができる限界値探査装置及び方法を提供すること。
【解決手段】限界値探査装置10は、エンジンの動作状態を測定し、測定した結果がエンジンの所定の動作条件を超えるまで、探査始点から、探査方向に制御パラメータの値を変化させて、制御パラメータの限界値を探査し、境界領域を生成する。次に、限界値探査装置10は、生成した境界領域を構成する限界点のうち当該境界領域を生成するときに新たに探査した第1の限界点と、当該第1の限界点に隣り合う第2の限界点との間の安定点であって当該境界領域上の安定点を決定し、第1の限界点を探査したときの探査始点から当該決定した安定点への方向を探査方向とし、安定点を探査始点として、限界値を探査し、探査した限界点と、当該境界領域を構成する限界点とによって境界領域を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、限界値探査装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エンジンは、高性能化により、多くの制御パラメータによって制御されて動作する。この制御パラメータによって制御されるエンジンの特性は、実験計画法(DOE)によって配置された所定数の計測点における計測データに基づいて、モデル化されている。例えば、排ガス(NOx)量の少ないエンジンにするために、このような計測データに基づいたモデルを使用して、コモンレール圧や、燃料噴射時期等の制御パラメータが最適化される。
【0003】
このモデルは、エンジンの動作範囲を幾何学的に表わした実行可能領域という、制御パラメータの限界点を頂点とする凸多面体で表わされる。この凸多面体上の限界点に対応する制御パラメータの限界値を探査する技術を開示する特許文献1及び2が知られている。
【0004】
特許文献1で開示するエンジン用試験装置は、複数の運転条件をパラメータとする座標系にてエンジンの運転可能領域Xを探索するときに、運転可能領域X内に第一探索開始点を配置し、第一探索開始点を起点として複数の探索点を所定方向に順次配列することにより運転可能領域Xの境界探索(以下、第一境界探索という。)を行う。次に、エンジン用試験装置は、第一境界探索にて取得された運転可能領域Xの境界点に基づいて運転可能領域A1を仮算出し、この運転可能領域A1の略重心Gに第二探索開始点を配置し、第二探索開始点を起点として複数の探索点を所定方向に配列することにより運転可能領域Xの境界探索(以下、第二境界探索という。)を行い、且つ、第一境界探索及び第二境界探索にて取得された運転可能領域Xの境界点に基づいて運転可能領域A2を算出する。このようにエンジン用試験装置は、第一境界探索及び第二境界探索を含む複数の境界探索を行い、一回のみの境界探索を行って運転可能領域が取得される構成と比較して、運転可能領域Xの探索精度を向上させることができる。
【0005】
特許文献2で開示するエンジン用試験装置は、複数の運転条件をパラメータとする座標系にてエンジンの運転可能領域Xを探索するときに、運転可能領域X内に第一探索開始点を配置し、第一探索開始点を起点として複数の探索点を所定方向に順次配列することにより運転可能領域Xの境界探索(以下、第一境界探索という。)を行う。次に、エンジン用試験装置は、第一境界探索にて取得された運転可能領域Xの境界点に基づいて運転可能領域A1を仮算出し、この運転可能領域A1内であって探索点の配置密度が疎な領域a1内に第二探索開始点を配置し、第二探索開始点を起点として複数の探索点を所定方向に配列することにより運転可能領域Xの境界探索(以下、第二境界探索という。)を行い、且つ、第一境界探索及び第二境界探索にて取得された運転可能領域Xの境界点に基づいて運転可能領域A2を算出する。このエンジン用試験装置は、第一境界探索及び第二境界探索を含む複数の境界探索を行い、運転可能領域Aを取得するので、一回のみの境界探索が行われて運転可能領域が取得される構成と比較して、運転可能領域Xの探索精度を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−202975号公報
【特許文献2】特開2008−202976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1で開示される技術は、運転可能領域の略重心を探索開始点として運転可能領域を探索し、探索した運転可能領域の略重心を次の探索開始点として運転可能領域をさらに探索していくので、運転可能領域を生成する際に重複して探索する部分がある。また、特許文献2で開示される技術は、運転可能領域内であって探索点の配置密度が疎な領域内に探索開始点を配置して探索し、探索した運転可能領域内における探索点の配置密度が疎な領域内に次の探索開始点を配置して運転可能領域をさらに探索するので、同様に、運転可能領域を生成する際に重複して探索する部分がある。
【0008】
そこで、制御パラメータの限界値を迅速に探査し、制御可能領域を効率よく生成することができる装置及び方法が求められている。
【0009】
本発明は、制御パラメータの限界値を迅速に探査し、制御可能領域を効率よく生成することができる限界値探査装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0011】
(1) エンジンを制御するための制御パラメータの限界値を探査する限界値探査装置であって、探査を開始するための探査始点を決定する探査始点決定手段と、探査する方向である探査方向を決定する探査方向決定手段と、前記エンジンの動作状態を測定するエンジン測定手段と、前記エンジン測定手段によって測定された結果が前記エンジンの所定の動作条件を超えるまで、前記探査始点決定手段によって決定された探査始点から、前記探査方向決定手段によって決定された探査方向に前記制御パラメータの値を変化させて、制御パラメータの限界値を探査する限界値探査手段と、前記限界値探査手段によって限界値を探査させ、探査された限界値に対応する限界点によって境界領域を生成する境界領域生成手段と、生成された境界領域を構成する限界点のうち当該境界領域を生成するときに新たに探査された第1の限界点と、当該第1の限界点に隣り合う第2の限界点との間の安定点であって当該境界領域上の安定点を決定する安定点決定手段と、生成された境界領域を構成する前記第1の限界点を探査したときの探査始点から、前記安定点決定手段によって決定された安定点への方向を探査方向とし、当該安定点を探査始点として、前記限界値探査手段によって限界値を探査させ、探査された限界値に対応する限界点と、当該境界領域を構成する限界点とによって境界領域を生成する境界領域再生成手段と、を備える限界値探査装置。
【0012】
(1)の構成によれば、本発明に係る限界値探査装置は、探査を開始するための探査始点を決定し、探査する方向である探査方向を決定し、エンジンの動作状態を測定し、測定した結果がエンジンの所定の動作条件を超えるまで、探査始点から、探査方向に制御パラメータの値を変化させて、制御パラメータの限界値を探査する。そして、本発明に係る限界値探査装置は、探査始点及び探査方向に基づいて限界値を探査し、探査した限界値に対応する限界点によって境界領域を生成する。次に、本発明に係る限界値探査装置は、生成した境界領域を構成する限界点のうち当該境界領域を生成するときに新たに探査した第1の限界点と、当該第1の限界点に隣り合う第2の限界点との間の安定点であって当該境界領域上の安定点を決定し、第1の限界点を探査したときの探査始点から、決定した安定点への方向を探査方向とし、安定点を探査始点として、限界値を探査し、探査した限界値に対応する限界点と、当該境界領域を構成する限界点とによって境界領域を生成する。
【0013】
すなわち、本発明に係る限界値探査装置は、生成した境界領域を構成する限界点のうち当該境界領域を生成するときに新たに探査した限界点と、その限界点に隣り合う限界点との間の安定点を探査始点とし、安定点に基づく方向を探査方向として、限界値をさらに探査し、境界領域を生成する。したがって、本発明に係る限界値探査装置は、限界点によって構成される境界領域上の点から限界値をさらに探査するので、制御パラメータの限界値を迅速に探査し、制御可能領域を効率よく生成することができる。
【0014】
(2) 前記限界値探査手段は、二分法によって前記制御パラメータの値を変化させる、(1)に記載の限界値探査装置。
【0015】
したがって、(2)に係る限界値探査装置は、制御パラメータの限界値をさらに迅速に探査することができる。
【0016】
(3) 前記安定点決定手段と、前記境界領域再生成手段と、を繰り返す繰り返し手段を、さらに備える(1)又は(2)に記載の限界値探査装置。
【0017】
(3)の構成によれば、(3)に係る限界値探査装置は、境界領域上の安定点を決定し、決定した安定点に基づく探査方向及び探査始点によって限界値を探査し、探査した限界値に対応する限界点によって境界領域を生成することを繰り返す。したがって、(3)に係る限界値探査装置は、限界値によって構成される境界領域上の点から限界値をさらに探査することを繰り返すので、制御可能領域をさらに効率よく生成することができる。
【0018】
(4) 前記境界領域再生成手段は、前記安定点決定手段によって安定点を決定できない場合に、決定できなかった安定点への探査方向の限界値を探査させないで、決定できた前記安定点への探査方向で探査された限界値に対応する限界点と、生成されている境界領域の限界点とによって境界領域を生成する、(1)から(3)のいずれかに記載の限界値探査装置。
【0019】
(4)の構成によれば、限界値探査装置は、安定点を決定できない場合に、決定できなかった安定点への探査方向の限界値を探査しないで、境界領域を生成する。したがって、(4)に係る限界値探査装置は、制御可能領域をさらに効率よく生成することができる。
【0020】
(5) エンジンを制御するための制御パラメータの限界値を探査する限界値探査装置が実行する方法であって、探査を開始するための探査始点を決定する探査始点決定ステップと、探査する方向である探査方向を決定する探査方向決定ステップと、前記エンジンの動作状態を測定するエンジン測定ステップと、前記エンジン測定ステップによって測定された結果が前記エンジンの所定の動作条件を超えるまで、前記探査始点決定ステップによって決定された探査始点から、前記探査方向決定ステップによって決定された探査方向に前記制御パラメータの値を変化させて、制御パラメータの限界値を探査する限界値探査ステップと、前記限界値探査ステップによって限界値を探査させ、探査された限界値に対応する限界点によって境界領域を生成する境界領域生成ステップと、生成された境界領域を構成する限界点のうち当該境界領域を生成するときに新たに探査された第1の限界点と、当該第1の限界点に隣り合う第2の限界点との間の安定点であって当該境界領域上の安定点を決定する安定点決定ステップと、生成された境界領域を構成する前記第1の限界点を探査したときの探査始点から、前記安定点決定ステップによって決定された安定点への方向を探査方向とし、当該安定点を探査始点として、前記限界値探査ステップによって限界値を探査させ、探査された限界値に対応する限界点と、当該境界領域を構成する限界点とによって境界領域を生成する境界領域再生成ステップと、を備える方法。
【0021】
(5)の構成によれば、本発明に係る方法は、生成した境界領域を構成する限界点のうち当該境界領域を生成するときに新たに探査した限界点と、その限界点に隣り合う限界点との間の安定点を探査始点とし、安定点に基づく方向を探査方向として、限界値をさらに探査し、境界領域を生成する。したがって、本発明に係る方法は、制御パラメータの限界値を迅速に探査し、制御可能領域を効率よく生成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、制御パラメータの限界値を迅速に探査し、制御可能領域を効率よく生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の特徴を示す図である。
【図2】図1に続く図である。
【図3】本発明の一実施形態である限界値探査装置の限界値の探査を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る限界値探査装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る限界値探査装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る限界値探査装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る限界値探査装置の境界領域生成処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る限界値探査装置の安定点決定処理の内容を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る限界値探査装置の境界領域再生成処理の内容を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る限界値探査装置の限界値探査処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態に係る限界値探査装置の測定処理の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本発明の特徴を示す図である。図1(1)は、限界値探査装置10が制御パラメータの限界値(2つの制御パラメータの組み合わせ)を探査するために、最初に所定の方向(例えば、4方向)を探査し、限界点を探し出したことを示す図である。図1(2)は、限界値探査装置10が、制御パラメータの限界値をさらに探査し、限界点を探し出したことを示す図である。
【0026】
図1(1)の例は、2つの制御パラメータについて、限界値探査装置10が、最初の探査始点100と最初の探査方向151,152,153,154とを決定し、探査した限界値に対応する限界点101,102,103,104によって境界領域190を生成したことを示す例である。最初の探査始点100は、エンジンの動作条件内であることが既知の点である。最初の探査方向151,152,153,154は、例えば、2つの制御パラメータ(P1、P2)の場合、P1の制御パラメータのみを増減する探査方向151,153と、P2の制御パラメータのみを増減する探査方向152,154との4方向である。限界値探査装置10が限界値を探査する例は、図3に示す。
【0027】
図1(2)の例は、限界値探査装置10が、図1(1)の例で生成した境界領域からさらに境界領域を生成したことを示す例である。限界値探査装置10は、生成した境界領域を構成する限界点101,102,103,104のうち第1の限界点101と、当該第1の限界点101に隣り合う第2の限界点102との間の安定点であって境界領域190上の安定点111を決定する。安定点は、例えば、限界点101と限界点102との中間の点(3次元以上の場合、面の重心点)である。次に、限界値探査装置10は、第1の限界点101を探査したときの探査始点100から当該決定した安定点111への方向を探査方向251とし、当該決定した安定点111を探査始点として限界値を探査する。そして、限界値探査装置10は、同様に、安定点112,113,114を探査始点として探査方向252,253,254に、限界値を探査して、探査した限界値に対応する限界点201,202,203,204と、境界領域190を構成する限界点101,102,103,104とによって境界領域290を生成する。
【0028】
図2は、図1に続く図である。図2の例は、限界値探査装置10が、図1(2)の例で生成した境界領域290からさらに限界値を探査することを示す例である。図2において、限界値探査装置10は、生成した境界領域290を構成する限界点のうち境界領域290を生成するときに新たに探査した第1の限界点201と、第1の限界点201に隣り合う第2の限界点101との間の安定点であって境界領域290上の安定点211を決定する。そして、限界値探査装置10は、第1の限界点201を探査したときの探査始点である安定点111から決定した安定点211への方向を探査方向351とし、安定点211を探査始点として、限界値を探査する。同様に、限界値探査装置10は、安定点111,112,113,114から決定した安定点212,213,214,215,216,217,218への方向を探査方向352,353,354,355,356,357,358とし、安定点212,213,214,215,216,217,218を探査始点として、限界値を探査する。
【0029】
図3は、本発明の一実施形態である限界値探査装置10の限界値の探査を説明するための図である。図3の例は、限界値探査装置10が、探査始点から探査方向へ、制御パラメータの値を変化させながら、エンジンの動作状態を測定していることを示す例である。
【0030】
図3において、限界値探査装置10は、探査始点100の値を制御パラメータに設定し、エンジンの動作状態を測定し、測定結果が所定の動作条件内であることを判断する。次に、限界値探査装置10は、二分法により、探査始点100と目標限界点900との中間点を算出し、算出した中間点を測定点901とし、測定点901の値を制御パラメータに設定し、エンジンの動作状態を測定し、測定結果が所定の動作条件内であることを判断する。同様に、限界値探査装置10は、測定結果が所定の動作条件内である場合に、二分法により、測定点901と目標限界点900との中間点を算出し、算出した中間点を次の測定点902とし、測定点902の値を制御パラメータに設定して測定する。同様に、限界値探査装置10は、二分法による測定を繰り返す。
【0031】
そして、限界値探査装置10は、測定点903において測定結果がエンジンの動作条件を超えたと判断すると、直前の、測定結果がエンジンの動作条件を超えない測定点902に戻る。次に、限界値探査装置10は、二分法により、測定点902と測定点903との中間点を算出し、算出した中間点を次の測定点911とし、測定点911の値を制御パラメータに設定して測定する。そして、同様に、限界値探査装置10は、二分法による測定を繰り返し、測定結果がエンジンの動作条件を超えたと判断すると、直前の、測定結果がエンジンの動作条件を超えない測定点に戻り、二分法による測定を繰り返す。
【0032】
このようにして、限界値探査装置10は、測定結果がエンジンの動作条件を超える測定点913と、直前の、測定結果がエンジンの動作条件を超えない測定点912との間隔が、目標の精度である場合に、測定結果がエンジンの動作条件を超えない測定点912を探査した限界点101とする。
【0033】
図4は、本発明の一実施形態に係る限界値探査装置10の機能を示す機能ブロック図である。限界値探査装置10は、探査始点決定手段としての探査始点決定部11と、探査方向決定手段としての探査方向決定部12と、エンジン測定手段としてのエンジン測定部13と、限界値探査手段としての限界値探査部14と、境界領域生成手段としての境界領域生成部15と、安定点決定手段としての安定点決定部16と、境界領域再生成手段としての境界領域再生成部17と、繰り返し手段としての繰り返し部18とを備える。そして、限界値探査装置10は、エンジンを制御するための制御パラメータの限界値を探査する。このような限界値探査装置10について、各部ごとに詳述する。
【0034】
探査始点決定部11は、探査を開始するための探査始点を決定する。例えば、探査始点決定部11は、探査始点の制御パラメータの値を決定する。
【0035】
探査方向決定部12は、探査する方向である探査方向を決定する。例えば、制御パラメータが2つ(P1及びP2)の場合、探査方向決定部12は、P1のみを変化させたり、P1とP2との変化させる割合を変えたりして、探査方向を決定する。
【0036】
エンジン測定部13は、エンジンの動作状態を測定する。例えば、エンジン測定部13は、制御パラメータ(例えば、コモンレール圧や、燃料噴射時期等)を用いてエンジンを動作させ、動作状態(例えば、排ガス(NOx)量等)を測定できるシステム(例えば、ECU(Electronic Control Unit)制御システム)に制御パラメータの値を送信し、エンジンの動作状態を測定した測定結果を受信する。
【0037】
限界値探査部14は、エンジン測定部13によって測定された結果がエンジンの所定の動作条件を超えるまで、探査始点決定部11によって決定された探査始点から、探査方向決定部12によって決定された探査方向に制御パラメータの値を変化させて、制御パラメータの限界値を探査する。限界値探査部14は、上述のように二分法によって制御パラメータの値を変化させて(図3参照)、限界値を探査する。探査始点決定部11〜限界値探査部14によって一の限界点が求められる。
【0038】
境界領域生成部15は、探査始点決定部11〜限界値探査部14によって、例えば探査方向を変えて、限界値を探査させ、探査された限界値に対応する限界点によって境界領域を生成する。例えば、境界領域生成部15は、制御パラメータが2つの場合に、図1(1)のように、制御パラメータの限界値による境界領域(3つ以上の制御パラメータの場合、凸多面体)を生成する。
【0039】
安定点決定部16は、生成された境界領域を構成する限界点のうち当該境界領域を生成するときに新たに探査された第1の限界点と、当該第1の限界点に隣り合う第2の限界点との間の安定点であって当該境界領域上の安定点を決定する。安定点は、2つの制御パラメータでは中間点である。安定点決定部16は、算出した中間点の値を制御パラメータとしてエンジンの動作状態を測定した結果、所定の動作条件内の結果を得た場合、中間点を安定点とする。安定点決定部16は、算出した中間点の値を制御パラメータとしてエンジンの動作状態を測定した結果、所定の動作条件内の結果を得られなかった場合、安定点がない(凸面ではない)とする。
【0040】
境界領域再生成部17は、生成された境界領域を構成する第1の限界点を探査したときの探査始点から、安定点決定部16によって決定された安定点への方向を探査方向とし、安定点を探査始点として、限界値探査部14によって限界値を探査させ、探査された限界値に対応する限界点と、当該境界領域を構成する限界点とによって境界領域を生成する。境界領域再生成部17は、安定点決定部16によって安定点が決定されなかった場合、安定点が決定されなかった方向での限界値探査部14による探査をさせない。
【0041】
繰り返し部18は、安定点決定部16と、境界領域再生成部17との処理を繰り返す。例えば、図2のように、境界領域上の安定点に基づいてさらに限界点を探査させる。繰り返し部18は、全ての探査方向における限界値を、要求された測定精度内で探査した場合に、繰り返しを終了する。繰り返し部18は、繰り返し回数を受け付け、受け付けた回数によって処理を繰り返す、としてもよい。
【0042】
図5は、本発明の一実施形態に係る限界値探査装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。限界値探査装置10は、CPU(Central Processing Unit)1010、バスライン1005、通信I/F1040、メインメモリ1050、BIOS(Basic Input Output System)1060、I/Oコントローラ1070、キーボード/マウス1100、及び表示装置1022を備える。
【0043】
I/Oコントローラ1070には、ハードディスク1074、半導体メモリ1078、等の記憶手段を接続することができる。
【0044】
BIOS1060は、限界値探査装置10の起動時にCPU1010が実行するブートプログラムや、限界値探査装置10のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0045】
ハードディスク1074は、限界値探査装置10が本発明の機能を実行するためのプログラムを記憶しており、さらに、各種データベースを構成可能である。
【0046】
限界値探査装置10に提供されるプログラムは、ハードディスク1074、又はメモリカード等の記録媒体に格納されて提供される。このプログラムは、I/Oコントローラ1070を介して、記録媒体から読み出され、又は通信I/F1040を介してダウンロードされることによって、限界値探査装置10にインストールされ実行されてもよい。
【0047】
前述のプログラムは、専用通信回線に接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又は光ディスクライブラリ等の記憶装置を記録媒体として使用し、通信回線を介して限界値探査装置10に提供されるとしてもよい。
【0048】
ここで、表示装置1022は、限界値探査装置10による演算処理結果の画面を表示したりするものであり、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。
【0049】
また、通信I/F1040は、限界値探査装置10を専用ネットワークを介して端末(例えば、測定対象の装置やECU制御システム等)と接続できるようにするためのネットワーク・アダプタである。
【0050】
図6は、本発明の一実施形態に係る限界値探査装置10の処理内容を示すフローチャートである。なお、本処理は、例えば、プログラム開始指令を受け付けて開始し、プログラム終了指令又は終了条件により終了する。
【0051】
ステップS101において、CPU1010は、最初の探査始点及び探査方向を決定する。より具体的には、CPU1010は、所定の制御パラメータの値(例えば、エンジンの所定の動作条件における中心の値)と、所定の方向(例えば、制御パラメータが2つの場合、平面座標におけるX軸方向及びY軸方向)とを最初の探査始点及び探査方向とする。その後、CPU1010は、処理をステップS102に移す。
【0052】
ステップS102において、CPU1010は、境界領域生成処理(後述する図7参照)を行う。その後、CPU1010は、処理をステップS103に移す。
【0053】
ステップS103において、CPU1010は、安定点決定処理(後述する図8参照)を行う。その後、CPU1010は、処理をステップS104に移す。
【0054】
ステップS104において、CPU1010は、境界領域再生成処理(後述する図9参照)をする。その後、CPU1010は、処理をステップS105に移す。
【0055】
ステップS105において、CPU1010は、測定値が精度内か否かを判断する。すなわち、CPU1010は、境界領域の限界点を探査する際の測定値が目標の精度の範囲内か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1010は、処理をステップS106に移し、NOの場合、CPU1010は、処理をステップS103に移す。
【0056】
ステップS106において、CPU1010は、境界領域を生成するための制御パラメータの組み合わせである状態点について、全ての探査が完了か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1010は、境界領域を生成して処理を終了し、NOの場合、CPU1010は、次の状態点について境界領域を探査するために処理をステップS101に移す。
【0057】
図7は、本発明の一実施形態に係る限界値探査装置10の境界領域生成処理の内容を示すフローチャートである。
【0058】
ステップS201において、CPU1010は、限界値探査処理のための探査始点及び探査方向を設定する。その後、CPU1010は、処理をステップS202に移す。
【0059】
ステップS202において、CPU1010は、限界値探査処理(後述する図10参照)を行う。その後、CPU1010は、処理をステップS203に移す。
【0060】
ステップS203において、CPU1010は、4方向の探査を行ったか否かを判断する。すなわち、CPU1010は、制御パラメータが2つの場合、1の制御パラメータについて増加方向と、減少方向との限界探査を行い、合計4方向の限界探査を行ったか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1010は、処理をステップS204に移し、NOの場合、CPU1010は、処理をステップS201に移す。
【0061】
ステップS204において、CPU1010は、境界領域を生成する。より具体的には、CPU1010は、探査した限界点に基づいて線形計画法による領域を構築する。その後、CPU1010は、処理を終了し、本処理に移るステップの次のステップに処理を戻す。
【0062】
図8は、本発明の一実施形態に係る限界値探査装置10の安定点決定処理の内容を示すフローチャートである。
【0063】
ステップS211において、CPU1010は、限界点を設定し、設定した限界点に隣り合う限界点を抽出する。その後、CPU1010は、処理をステップS212に移す。
【0064】
ステップS212において、CPU1010は、中間点を算出する。より具体的には、CPU1010は、限界点に対応する制御パラメータの値と、ステップS211において抽出した限界点に対応する制御パラメータの値とに基づいて中間の値を算出する。その後、CPU1010は、処理をステップS213に移す。
【0065】
ステップS213において、CPU1010は、測定処理(後述する図11参照)を行う。その後、CPU1010は、処理をステップS214に移す。
【0066】
ステップS214において、CPU1010は、測定結果が所定の動作条件内か否かを判断する。すなわち、CPU1010は、測定結果(例えば、測定したNOxの値)が所定の値(例えば、NOxの上限値)より小さいか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1010は、処理をステップS215に移し、NOの場合、CPU1010は、処理をステップS216に移す。
【0067】
ステップS215において、CPU1010は、中間点を安定点とする。その後、CPU1010は、処理を終了し、本処理に移るステップの次のステップに処理を戻す。
【0068】
ステップS216において、CPU1010は、中間点を安定点としない。すなわち、CPU1010は、設定した限界点と、設定した限界点に隣り合う限界点との間に、安定点を決定できなかったというフラグを作成する。その後、CPU1010は、処理を終了し、本処理に移るステップの次のステップに処理を戻す。
【0069】
図9は、本発明の一実施形態に係る限界値探査装置10の境界領域再生成処理の内容を示すフローチャートである。
【0070】
ステップS221において、CPU1010は、限界値探査処理のための探査始点及び探査方向を設定する。より具体的には、CPU1010は、安定点を探査始点として設定し、限界点を探査したときの探査始点から安定点への方向を探査方向として設定する。その後、CPU1010は、処理をステップS222に移す。
【0071】
ステップS222において、CPU1010は、限界値探査処理(後述する図10参照)を行う。その後、CPU1010は、処理をステップS223に移す。
【0072】
ステップS223において、CPU1010は、探査始点及び探査方向について全て探査したか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1010は、処理をステップS224に移し、NOの場合、CPU1010は、次の探査開始点及び探査方向を設定するために、処理をステップS221に移す。
【0073】
ステップS224において、CPU1010は、境界領域を生成する。より具体的には、CPU1010は、安定点を探査始点として探査した限界点と、前回において境界領域を構成した限界点とに基づいて線形計画法による領域を構築する。その後、CPU1010は、処理を終了し、本処理に移るステップの次のステップに処理を戻す。
【0074】
図10は、本発明の一実施形態に係る限界値探査装置10の限界値探査処理の内容を示すフローチャートである。
【0075】
ステップS301において、CPU1010は、測定処理のための測定点として探査始点を設定する。その後、CPU1010は、処理をステップS302に移す。
【0076】
ステップS302において、CPU1010は、測定処理(後述する図11参照)を行う。その後、CPU1010は、処理をステップS303に移す。
【0077】
ステップS303において、CPU1010は、測定結果が所定の動作条件を超えたか否かを判断する。すなわち、CPU1010は、測定結果(例えば、測定したNOxの値)が所定の値(例えば、NOxの上限値)より大きいか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1010は、処理をステップS305に移し、NOの場合、CPU1010は、処理をステップS304に移す。
【0078】
ステップS304において、CPU1010は、二分法により次の測定点を算出する。より具体的には、CPU1010は、測定点と、目標限界点との中間の値を算出する。その後、CPU1010は、処理をステップS302に移す。
【0079】
ステップS305において、CPU1010は、測定値が精度内か否かを判断する。すなわち、CPU1010は、測定点における制御パラメータの値と、前回の測定点における制御パラメータとの差が目標の精度の範囲内か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1010は、処理をステップS308に移し、NOの場合、CPU1010は、処理をステップS306に移す。
【0080】
ステップS306において、CPU1010は、直前の測定点に戻る。より具体的には、CPU1010は、今回の測定点を目標限界点とし、前回の測定点における制御パラメータの値を設定する。その後、CPU1010は、処理をステップS307に移す。
【0081】
ステップS307において、CPU1010は、二分法により次の測定点を算出する。より具体的には、CPU1010は、ステップS306において設定した目標限界点と、制御パラメータの値との中間の値を算出し、算出した値を制御パラメータに設定する。その後、CPU1010は、処理をステップS302に移す。
【0082】
ステップS308において、CPU1010は、直前の測定点における制御パラメータの値を限界値とする。その後、CPU1010は、処理を終了し、本処理に移るステップの次のステップに処理を戻す。
【0083】
図11は、本発明の一実施形態に係る限界値探査装置10の測定処理の内容を示すフローチャートである。
【0084】
ステップS401において、CPU1010は、制御パラメータの値を設定する。より具体的には、CPU1010は、エンジンを動作させるシステム(例えば、ECUシステム)に、制御パラメータを送信する。その後、CPU1010は、処理をステップS402に移す。
【0085】
ステップS402において、CPU1010は、測定を行う。より具体的には、CPU1010は、エンジンを動作させるシステム(例えば、ECUシステム)から、動作結果としての測定結果を受信する。その後、CPU1010は、処理をステップS403に移す。
【0086】
ステップS403において、CPU1010は、測定値は所定の動作条件を超えたか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1010は、処理をステップS405に移し、NOの場合、CPU1010は、処理をステップS404に移す。
【0087】
ステップS404において、CPU1010は、測定値は安定したか否かを判断する。すなわち、CPU1010は、受信した測定結果が変化しないで一定の値を示しているか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU1010は、処理をステップS405に移し、NOの場合、CPU1010は、処理をステップS402に移す。
【0088】
ステップS405において、CPU1010は、測定値を返す。その後、CPU1010は、処理を終了し、本処理に移るステップの次のステップに処理を戻す。
【0089】
本実施形態によれば、限界値探査装置10は、探査を開始するための探査始点を決定し、探査する方向である探査方向を決定し、エンジンの動作状態を測定し、測定した結果がエンジンの所定の動作条件を超えるまで、探査始点から、探査方向に制御パラメータの値を変化させて、制御パラメータの限界値を探査する。そして、限界値探査装置10は、探査始点及び探査方向に基づいて限界値を探査し、探査した限界値に対応する限界点によって境界領域を生成する。次に、限界値探査装置10は、生成した境界領域を構成する限界点のうち当該境界領域を生成するときに新たに探査した第1の限界点と、当該第1の限界点に隣り合う第2の限界点との間の安定点であって当該境界領域上の安定点を決定し、第1の限界点を探査したときの探査始点から当該決定した安定点への方向を探査方向とし、安定点を探査始点として、限界値を探査し、探査した限界値に対応する限界点と、当該境界領域を構成する限界点とによって境界領域を生成する。
【0090】
さらに、限界値探査装置10は、二分法によって制御パラメータの値を変化させ、安定点に基づく限界点の探査と、境界領域の生成とを繰り返す。また、限界値探査装置10は、安定点を決定できない場合に、決定できなかった安定点への探査方向の限界値を探査させないで、境界領域を生成する。したがって、限界値探査装置10は、制御パラメータの限界値を迅速に探査し、制御可能領域を効率よく生成することができる。
【0091】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0092】
10 限界値探査装置
11 探査始点決定部
12 探査方向決定部
13 エンジン測定部
14 限界値探査部
15 境界領域生成部
16 安定点決定部
17 境界領域再生成部
18 繰り返し部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンを制御するための制御パラメータの限界値を探査する限界値探査装置であって、
探査を開始するための探査始点を決定する探査始点決定手段と、
探査する方向である探査方向を決定する探査方向決定手段と、
前記エンジンの動作状態を測定するエンジン測定手段と、
前記エンジン測定手段によって測定された結果が前記エンジンの所定の動作条件を超えるまで、前記探査始点決定手段によって決定された探査始点から、前記探査方向決定手段によって決定された探査方向に前記制御パラメータの値を変化させて、制御パラメータの限界値を探査する限界値探査手段と、
前記限界値探査手段によって限界値を探査させ、探査された限界値に対応する限界点によって境界領域を生成する境界領域生成手段と、
生成された境界領域を構成する限界点のうち当該境界領域を生成するときに新たに探査された第1の限界点と、当該第1の限界点に隣り合う第2の限界点との間の安定点であって当該境界領域上の安定点を決定する安定点決定手段と、
生成された境界領域を構成する前記第1の限界点を探査したときの探査始点から、前記安定点決定手段によって決定された安定点への方向を探査方向とし、当該安定点を探査始点として、前記限界値探査手段によって限界値を探査させ、探査された限界値に対応する限界点と、当該境界領域を構成する限界点とによって境界領域を生成する境界領域再生成手段と、
を備える限界値探査装置。
【請求項2】
前記限界値探査手段は、二分法によって前記制御パラメータの値を変化させる、請求項1に記載の限界値探査装置。
【請求項3】
前記安定点決定手段と、前記境界領域再生成手段と、を繰り返す繰り返し手段を、さらに備える請求項1又は2に記載の限界値探査装置。
【請求項4】
前記境界領域再生成手段は、前記安定点決定手段によって安定点を決定できない場合に、決定できなかった安定点への探査方向の限界値を探査させないで、決定できた前記安定点への探査方向で探査された限界値に対応する限界点と、生成されている境界領域の限界点とによって境界領域を生成する、請求項1から3のいずれかに記載の限界値探査装置。
【請求項5】
エンジンを制御するための制御パラメータの限界値を探査する限界値探査装置が実行する方法であって、
探査を開始するための探査始点を決定する探査始点決定ステップと、
探査する方向である探査方向を決定する探査方向決定ステップと、
前記エンジンの動作状態を測定するエンジン測定ステップと、
前記エンジン測定ステップによって測定された結果が前記エンジンの所定の動作条件を超えるまで、前記探査始点決定ステップによって決定された探査始点から、前記探査方向決定ステップによって決定された探査方向に前記制御パラメータの値を変化させて、制御パラメータの限界値を探査する限界値探査ステップと、
前記限界値探査ステップによって限界値を探査させ、探査された限界値に対応する限界点によって境界領域を生成する境界領域生成ステップと、
生成された境界領域を構成する限界点のうち当該境界領域を生成するときに新たに探査された第1の限界点と、当該第1の限界点に隣り合う第2の限界点との間の安定点であって当該境界領域上の安定点を決定する安定点決定ステップと、
生成された境界領域を構成する前記第1の限界点を探査したときの探査始点から、前記安定点決定ステップによって決定された安定点への方向を探査方向とし、当該安定点を探査始点として、前記限界値探査ステップによって限界値を探査させ、探査された限界値に対応する限界点と、当該境界領域を構成する限界点とによって境界領域を生成する境界領域再生成ステップと、
を備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−242163(P2011−242163A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112358(P2010−112358)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000145806)株式会社小野測器 (230)
【Fターム(参考)】