説明

限界電流式酸素センサ

【課題】 耐熱性及び耐熱衝撃性に優れる限界電流式酸素センサを提供するものである。
【解決手段】 リード線(白金線)3が接合されている一対の電極1、1′が異なる表面に形成された固体電解質2を、上記電極のうち片側の電極1′が覆われるように細孔5を有するセラミックス円板4の外周部に耐熱材料で接着固定化し、かつ細孔5を有するセラミックス円板4で覆われた側のリード線(白金線)3を細孔5から引き出してなる限界電流式酸素センサ。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体電解質を用いた酸素センサに係り、特にガス機器など高温の環境にそのまま装着して使用できる易構造、高耐熱性の限界電流式酸素センサに関する。
【0002】
【従来の技術】限界電流式酸素センサとしては、特開平6−102234号公報、特開平6−82418号公報、特開平7−113782号公報等に示されるように様々な構造、製作方法等が知られている。
【0003】例えば、薄膜法は、特開平6−102234号公報、特開平7−113782号公報等に示されるように基板上にジルコニア固体電解質膜とこのジルコニア固体電解質膜に接して同一平面上で対向する一対以上の白金電極とその表面を覆う絶縁膜とを形成し、基板又は絶縁膜に酸素ガスの拡散を制限する材料を用いた限界電流式酸素センサがある。
【0004】また、特開平6−82418号公報に示されるように両面に白金電極を形成したジルコニア固体電解質板の片側の電極を覆うように密封部材で内部室を形成し、内部室の表面にはヒーター回路が形成され、またジルコニア固体電解質板には酸素ガスの拡散律速状態を生じさせるための拡散孔が形成されている限界電流式酸素センサがある。
【0005】しかしながら、ガス機器などの高温の燃焼炎にさらされる環境内に設置して使用しようとすると、いずれの限界電流式酸素センサも白金電極層、絶縁膜層等の耐熱性の不足又は急激な加熱、冷却に耐えられずに使用できないという問題点がある。また、これらの限界電流式酸素センサは検出部に関することが記載されているのみで、リード線の取出、装着等に予想される耐熱性、耐熱衝撃性については何ら示されない。
【0006】一方、特開平7−318533号公報、特開平8−5605号公報等に示されるように袋管状固体電解質焼結体の両面に白金電極を形成し、その外周側白金電極の表面に酸素ガスの拡散律速状態を生じさせるための絶縁膜を形成し、固体電解質の内側に加熱ヒーターを設置した限界電流式酸素センサがある。この形状は耐熱性又は装着には容易な構造であるが、袋管状の広い表面に酸素ガスの拡散律速層を形成する必要性と、耐熱衝撃性が優れないジルコニア固体電解質が高温の先端部から室温温度の装着部にまで使用されるため、やはり急激な加熱、冷却に耐えられないという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明は、耐熱性及び耐熱衝撃性に優れる限界電流式酸素センサを提供するものである。請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、量産性及び信頼性に優れる限界電流式酸素センサを提供するものである。請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、拡散作用に優れる限界電流式酸素センサを提供するものである。請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、応答性及びリード線の接続に優れる限界電流式酸素センサを提供するものである。請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、製造が容易な限界電流式酸素センサを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、リード線が接合されている一対の電極が異なる表面に形成された固体電解質を、上記電極のうち片側の電極を覆うようにして細孔を有するセラミックス円板の外周部に耐熱材料で接着固体化し、かつ細孔を有するセラミックス円板で覆われた側のリード線を上記細孔から引き出してなる限界電流式酸素センサに関する。
【0009】また、本発明は、固体電解質が、ジルコニア固体電解質である限界電流式酸素センサに関する。また、本発明は、耐熱材料が、アルミナ、ジルコニアの1種以上を主成分とし、珪酸塩又はリン酸塩を副成分とした耐熱材料である限界電流式酸素センサに関する。また、本発明は、電極が、ジルコニア成分を電極材料全成分に対して7〜40重量%含有した電極である限界電流式酸素センサに関する。さらに、本発明は、細孔が、複数個形成されており、そのうちの1箇所の細孔からリード線を引き出してなる限界電流式酸素センサに関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において固体電解質の材料としては、酸素イオン伝導性と熱安定性がよく、例えば安定化剤として酸化イットリウムを6〜10モル%、好ましくは7〜9モル%添加したジルコニアを用いることが好ましい。固体電解質の形状については特に制限はないが、円板状に形成することが好ましい。さらに本発明においては、円板状の一部を切り掛け構造として組み立ての利便性を考慮したり、円板状の片側面又は両面に凹凸を形成して厚さを不均一にし、熱衝撃性の向上を図ることができる。
【0011】一方、細孔を有するセラミックス円板に用いられる材料としては、固体電解質と同様なジルコニアを用いることが好ましい。セラミックス円板に形成する細孔は、直径が1.0mm以下であることが好ましく、0.3〜0.8mmの範囲であることがさらに好ましい。直径が小さい場合は、孔の形成が困難なうえに限界電流値が小さく、ばらつきが大きくなり、機器のノイズと判別し難くなる傾向がある。一方直径が大きい場合は、限界電流値が大きくなり、作動温度が高くなる傾向がある。なお細孔の数は1個でも機能上問題はないが、複数個形成してリード線の引き出し孔と酸素の拡散律速孔とに機能を分離すれば、性能が安定し、組み立ても容易であるので好ましい。
【0012】細孔を有するセラミックス円板の片側の面に固体電解質を接着固定するがこの際、固体電解質の細孔を有するセラミックス円板に覆われる側の電極面(以下下部電極面とする)に接着剤として用いる耐熱材料が付着しないように細孔を有するセラミックス円板上部の内周部分、詳しくは固体電解質の下部電極面に相対する部分に凹部を形成し、該凹部底面とは空間をもたせて凹部以外の外周部に固体電解質を接着すれば、電極の性能を低下させず安定に維持できるので好ましい。また細孔を有するセラミックス円板が平板で固体電解質の下面に凹部を形成し、該凹部に下部電極を形成したものを用いても上記と同様の効果が得られる。
【0013】固体電解質を接着するのに用いられる耐熱材料は、アルミナ、ジルコニアの1種以上を主成分とし、無水珪酸、水ガラス等の珪酸塩又はリン酸アルミニウム等のリン酸塩を副成分とした気密性に優れる耐熱性接着剤ペーストを用いることが好ましいが、本発明においては固体電解質の材料をペースト状にしたものを用いて差し支えない。
【0014】固体電解質の表面に形成する電極は、白金、ロジウム、パラジウム等の金属又はそれらの合金が用いられ、電極を形成するには前記の金属又はそれらの合金をペースト化して印刷、焼成すればよい。
【0015】本発明においては、上記の金属又はそれらの合金にジルコニア成分を混合した材料を電極材料として用い、固体電解質の焼成とペースト(電極材料)の焼付けを同時に行えば、電極の内部抵抗が高くなるのを防止し、低温においても応答性がよく、低抵抗の電極が得られるので好ましい。
【0016】なおジルコニア成分は、応答性、抵抗及びリード線との接続の関係で、電極材料全成分に対して7〜40重量%含有することが好ましく、13〜25重量%含有することがさらに好ましい。ジルコニア成分の組成は、固体電解質と同様に安定化剤として酸化イットリウムを使用し、該酸化イットリウムの含有量を固体電解質と同等か又はそれより多く含有させる事が好ましく、例えば該酸化イットリウムを6〜12モル%添加したジルコニア成分を用いることが好ましく、7〜11モル%添加したジルコニア成分を用いることがさらに好ましい。
【0017】電極に接合するリード線は白金が使用できるが、使用温度が高い場合、また燃料に対する空気の混合比率が低い環境で使用される場合は、ロジウムを添加した白金を用いることが好ましい。リード線の線径は0.12〜0.15mm程度であれば使用しやすいので好ましい。なお上記のリード線を薄く板状に加工して用いると高温、還元状態での断線に対して耐久性が向上する場合があるので好ましい。
【0018】電極とリード線の接合は、電気溶接又は550℃以上の温度で荷重を加え、リード線を塑性変形させて電極と物理的に接続する加熱加圧接合法が作業が容易であり、耐熱、耐久性及び性能の安定性の点で好ましい。接続強度は、線径が0.12mmの白金線で50g以上が好ましく、100g以上であることがさらに好ましい。
【0019】固体電解質を接着するのに用いる耐熱材料の一部が電極の表面を覆うと応答性が低下するなど電極の作用を妨げるため、電極の表面にフェノール樹脂、アクリル樹脂、水分散ワックス等耐熱接着剤ペーストに溶解しない有機材料を塗布した後、細孔を有するセラミックス円板の片側面に固体電解質を接着し、その後加熱して電極上の有機材料を消失させれば、耐熱材料が電極の表面に覆うことなく、耐熱材料と電極とが分離できるので好ましい。
【0020】限界電流式酸素センサの限界電流は燃焼雰囲気の酸素分圧で変化するが、温度によっても影響される。したがって限界電流式酸素センサから得られた限界電流に対して固体電解質の近傍に設置した熱電対の出力を用いて温度補正することで、様々な温度に変化する燃焼ガスの空燃比を正確に測定する事が出来る。熱電対を用いる場合は、白金又は白金ロジウム線を用いることが好ましく、熱電対の一方の線は電極に用いたリード線を併用すると構造が簡単であるので好ましい。
【0021】本発明になる限界電流式酸素センサは、例えば固体電解質の材料を成形し、得られた固体電解質の異なる表面に一対の電極を形成した後、この2つの電極からリード線を引き出し、また別途細孔を設けたセラミックス円板を成形し、次いでセラミックス円板に設けた細孔から下部電極に接合したリード線を引き出した後、固体電解質と細孔を設けたセラミックス円板とを耐熱材料で接着固定化することにより得られる。
【0022】以下、本発明の実施例の形態を図面を用いて詳述する。図1は本発明の一実施例になる限界電流式酸素センサの断面図、図2は図1(実施例1)の限界電流式酸素センサに用いられる凹型セラミックス円板の断面図、図3は図1(実施例1)の限界電流式酸素センサで測定した印加電圧と電流の関係を示すグラフ、図4は本発明の他の一実施例になる限界電流式酸素センサに用いられる凹型ジルコニア固体電解質円板の断面図、図5は本発明の他の一実施例になる限界電流式酸素センサの断面図、図6は図5(実施例2)の限界電流式酸素センサで測定した印加電圧と電流の関係を示すグラフ及び図7R>7は実施例1と実施例3の限界電流式酸素センサで測定した空気燃料比率が2.0のときの印加電圧と電流との関係を示すグラフである。
【0023】図1、図2、図4及び図5において、一対の白金電極1、1′がジルコニア固体電解質円板2の両面に形成されており、この白金電極1、1′には白金線3が接合されている。凹型セラミックス円板4には細孔5が設けられており、この細孔5から白金電極1′に接合した白金線3が引き出され、ジルコニア固体電解質円板2の白金電極1′を覆うようにして、該ジルコニア固体電解質円板2と細孔5を設けた凹型セラミックス円板4が耐熱接着剤層6によって接着固定化されている。なお図4及び図5において7は凹型ジルコニア固体電解質円板及び図5において8はセラミックス円板である。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。なお本発明はこれらに制限されない。
実施例18モル%の酸化イットリウムで安定化したジルコニア固体電解質成形材料を、直径が4.7mmで厚さが0.9mmの円板状に成形し、大気中で1100℃で1時間仮焼成した。この後円板状の仮焼成体の両面に白金ペースト(田中貴金属工業(株)製、商品名TR706)を20μmの厚さに塗布して大気中で1570℃で2時間焼成して、図1に示すように異なる表面に直径が3.0mmの一対の白金電極1、1′を形成した直径が4.0mmで厚さが0.8mmのジルコニア固体電解質円板2を得た。
【0025】一方、上記で得たジルコニア固体電解質成形材料を、図2に示すような形状に成形後、大気中で1570℃で2時間焼成して、外径(寸法A)が4.0mm、厚さ(寸法B)が1.5mm、内径(寸法C)が2.5mmで深さ(寸法D)が0.6mmの凹部10及び中央部に直径(寸法E)が0.6mmの細孔5を形成した凹型セラミックス円板4を得た。
【0026】次にジルコニア固体電解質円板2の両面に形成された白金電極1、1′に、650℃で1.96×104Paの条件で加熱加圧して直径が0.12mmの白金線(リード線)3を接合した。接合した白金線3を白金電極1に対して直角に引っ張り接着強度を測定したところ55gであった。
【0027】次いで上記で得た白金線付きジルコニア固体電解質円板2の白金電極1′に接合した白金線3を凹型セラミックス円板4に形成した細孔5から引き出した後、該白金線付きジルコニア固体電解質円板2と凹型セラミックス円板4の外周部とを耐熱性接着剤ペースト(日産化学工業(株)製、ボンド×64)を用いて接着固定化して耐熱接着剤層6を形成した限界電流式酸素センサを得た。
【0028】この後、得られた限界電流式酸素センサを幅が10mm、長さが45mm及び厚さが0.6mmのアルミナ製の板にのせて、先端を1300℃の燃焼炎中に設置して、限界電流式酸素センサの白金線3への印加電流と流れる電流を測定したところ、図3に示すように限界電流式酸素センサ特有の限界電流特性が測定された。また3分間毎の燃焼、冷却サイクルを5千サイクル繰り返してもその特性に変化は見られなかった。
【0029】実施例2実施例1で得たジルコニア固体電解質成形材料を、外径が4.7mm、厚さが1.8mm及び内径が3.0mmで深さが0.75mmの凹部を設けて円板状に成形し、大気中で1100℃で1時間仮焼成した。この後、円板状の仮焼成体の両面に実施例1で用いた白金ペーストを20μmの厚さに塗布して大気中で1570℃で2時間焼成して、図4に示すように異なる表面に直径が3.0mmの一対の白金電極1、1′を形成した外径(寸法F)が4.0mm、厚さ(寸法G)が1.5mm及び内径(寸法H)が2.5mmで深さ(寸法I)が0.6mmの凹部11を形成した凹型ジルコニア固体電解質円板7を得た。
【0030】一方、図5に示すように実施例1で得たジルコニア固体電解質成形材料を、直径が4.7mmで厚さが0.9mmの円板を成形し、外周から1.2mmの位置に直径が0.3mmの細孔5及び中央部に直径が0.5mmの細孔5′を形成した後、大気中で1570℃で2時間焼成して、直径が4.0mmで厚さが0.8mmのセラミックス円板8を得た。
【0031】次に凹型ジルコニア固体電解質円板7の両面に形成された白金電極1、1′に、650℃で1.96×104Paの条件で加熱加圧して直径が0.12mmの白金線(リード線)3を接合した。
【0032】次いで上記で得た白金線付き凹型ジルコニア固体電解質円板7の白金電極1′に接合した白金線3をセラミックス円板8に形成した0.3mmの細孔5から引き出した後、該白金線付き凹型ジルコニア固体電解質円板7と該白金線付き凹型ジルコニア固体電解質円板7の突起部に相対するセラミックス円板8の外周部とを耐熱性接着剤ペースト(アロン化成(株)製、商品名アロンセラミックスD)を用いて接着固定化して耐熱接着剤層6を形成すると共に細孔5と白金線3との隙間に上記の耐熱性接着剤ペーストを充填して封着層9を形成して限界電流式酸素センサを得た。
【0033】次に得られた限界電流式酸素センサを実施例1と同様のアルミナ製の板にのせて、先端を1300℃の燃焼炎中に設置して、限界電流式酸素センサの白金線3への印加電圧と流れる電流を測定したところ、図6に示すように限界電流式酸素センサ特有の限界電流特性が測定された。また3分間毎の燃焼、冷却サイクルを5千サイクル繰り返してもその特性に変化は見られなかった。
【0034】実施例3実施例1で用いた白金ペーストに代えて、白金粉末(徳力化学研究所製、商品名TP−1)82重量%に実施例1で得たジルコニア固体電解質成形材料を18重量%添加して均一に混合し、さらにこの混合物100重量部に対してポリビニルアルコール(PVA)を0.5重量%含有した2ブトキシエトキシジエタノールを20重量部添加して均一に混合して得られた白金ペーストを用いて白金電極を形成した以外は実施例1と同様の工程を経て限界電流式酸素センサを得た。
【0035】次に得られた限界電流式酸素センサと白金ペースト中にジルコニア成形材料を添加しないで白金電極を形成した実施例1で得た限界電流式酸素センサを実施例1と同様のアルミナ製の板にのせて、先端を1000℃の燃焼炎中に設置して、限界電流式酸素センサの白金電極への印加電圧と流れる電流を測定したところ、図7R>7に示すようにジルコニア固体電解質成形材料を添加して白金電極を形成した限界電流式酸素センサは、ジルコニア固体電解質成形材料を添加せずに白金電極を形成した実施例1の限界電流式酸素センサに比較し、より低い温度で限界電流特性を示すことが明らかである。
【0036】比較例18モル%の酸化イットリウムで安定化したジルコニア固体電解質材料を成形し、1570℃で1時間焼成して幅が7mm、長さが40mm及び厚さが0.6mmのジルコニア固体電解質板を得た。次にジルコニア固体電解質板を鏡面研磨した後、図8の(a)及び(b)に示すように該ジルコニア固体電解質板12の両面に一方の端部から1.5mmの部分に、蒸着法により厚さが1.5μmで直径が3mmの白金電極13及び白金電極13から別の端部まで幅が0.5mmの接続リード14を形成し、さらに接続リード14に実施例1と同様の方法で白金線3を接合した。
【0037】この後、一方の白金電極13及び接続リード14を形成した面にポリシラザランに10重量%のポリアクリルアミンを添加したペーストを塗布し、窒素雰囲気中で600℃で焼付けて多孔質の絶縁膜15を形成した限界電流式酸素センサを得た。得られた限界電流式酸素センサについて限界電流特性を測定したところ、600℃では良好な限界電流特性が測定されたが、1350℃の燃焼炎中に入れたところ、約30秒間で断線し、機能しなくなった。そのため燃焼炎中から取り出して調査したところ、多孔質の絶縁膜15は剥離し、電極の白金は丸く凝集して導電性を失っていた。
【0038】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、耐熱性及び熱衝撃性に優れる限界電流式酸素センサである。請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、量産性及び信頼性に優れる限界電流式酸素センサである。請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、拡散作用に優れる限界電流式酸素センサである。請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、応答性及びリード線の接続に優れる限界電流式酸素センサである。請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、製造が容易な限界電流式酸素センサである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例になる限界電流式酸素センサの断面図である。
【図2】図1(実施例1)の限界電流式酸素センサに用いられる凹型ジルコニア円板の断面図である。
【図3】図1(実施例1)の限界電流式酸素センサで測定した印加電圧と電流の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の他の一実施例になる限界電流式酸素センサに用いられる凹型ジルコニア固体電解質円板の断面図である。
【図5】本発明の他の一実施例になる限界電流式酸素センサの断面図である。
【図6】図5(実施例2)の限界電流式酸素センサで測定した印加電圧と電流の関係を示すグラフである。
【図7】実施例1と実施例3の限界電流式酸素センサで測定した空気燃料比率が2.0のときの印加電圧と電流の関係を示すグラフである。
【図8】(a)は従来の薄膜法によって得られる限界電流式酸素センサの平面図及び(b)はその側面図である。
【符号の説明】
1、1′ 白金電極
2 ジルコニア固体電解質円板
3 白金線
4 凹型セラミックス円板
5、5′ 細孔
6 耐熱接着剤層
7 凹型ジルコニア固体電解質円板
8 セラミックス円板
9 封着層
10 凹部
11 凹部
12 ジルコニア固体電解質板
13 白金電極
14 接続リード
15 多孔質の絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】 リード線が接合されている一対の電極が異なる表面に形成された固体電解質を、上記電極のうち片側の電極を覆うようにして細孔を有するセラミックス円板の外周部に耐熱材料で接着固定化し、かつ細孔を有するセラミックス円板で覆われた側のリード線を上記細孔から引き出してなる限界電流式酸素センサ。
【請求項2】 固体電解質が、ジルコニア固体電解質である請求項1記載の限界電流式酸素センサ。
【請求項3】 耐熱材料が、アルミナ、ジルコニアの1種以上を主成分とし、珪酸塩又はリン酸塩を副成分とした耐熱材料である請求項1又は2記載の限界電流式酸素センサ。
【請求項4】 電極が、ジルコニア成分を電極材料全成分に対して7〜40重量%含有した電極である請求項1、2又は3記載の限界電流式酸素センサ。
【請求項5】 細孔が、複数個形成されており、そのうちの1箇所の細孔からリード線を引き出してなる請求項1、2、3又は4記載の限界電流式酸素センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2000−131271(P2000−131271A)
【公開日】平成12年5月12日(2000.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−303816
【出願日】平成10年10月26日(1998.10.26)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】