説明

除去可能保護カバー

除去可能カバーを有する基板が提供される。除去可能カバーは二以上の除去可能フィルムを含んでおり、少なくとも一つのフィルムは他のフィルムとは異なる除去工程によって除去可能である。例えば、一部の例では、一のフィルムは熱処理によって除去可能な有機フィルムであり、他のフィルムは熱処理に耐えるが弱酸又は弱塩基に溶解する無機フィルムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス等の基板のための除去可能カバーを提供するものである。より具体的には、本発明は基板の表面に付着されてそのような表面を汚染から保護することができる除去可能カバーを提供する。
【背景技術】
【0002】
ガラス及び他の基板を、製造、発送、保管、組込み、仕上げ、及び他の工程の間における引掻きのような機械的損傷及び/又は化学的汚染から防ぐのは困難なことがある。汚染は様々な様態で生じ得る。例えば、製造、保管、及び輸送環境は、生産される基板を汚染し得る有機物、残留物、及び他の化学物質を時には含んでいる。たとえば、生産工程で用いられる様々な溶剤、硬化剤製品、及びシーラントは、生産されるガラス上に蓄積する残留物を時には生み出す。ガラス製品を生産する際に用いられる取り扱い用機器がガラス上に跡を残すこともある。例えば、真空吸引カップがガラスシートを取り扱うために一般的に用いられて、前記真空吸引カップの跡がガラス上に時々残されることがある。
【0003】
一部の生産者は、ガラスを汚染及び/又は引掻きから保護するために、除去可能フィルムをガラスの上に置いてきた。例えば、無機フィルムが除去可能カバーとして用いられてきた。前記無機フィルムは米国特許第6902813号及び第6921579号明細書に記載されており、その各々の内容の全ては引用により本明細書に組み入れられる。無機フィルムは、熱処理によってではないが、洗浄手順によってしばしば除去可能にされる。米国特許第6682773号明細書に記載されているように有機フィルムも除去可能カバーとして用いられており、前記特許明細書の内容の全ては引用により本明細書に組み入れられる。これらの炭素含有有機フィルムはしばしば、洗浄手順によってではないが、熱処理によって除去可能である。
【0004】
一部の無機カバーは、特に引掻きに対する適切な保護を与えるためには時々柔軟であり過ぎるか又は薄過ぎる。結果として、無機カバーは、完全な保護を提供するためにより厚いフィルムとしてしばしば付着される。しかしながら、より厚いフィルムは、除去するのが時には困難となる。例えば、より厚いフィルムを洗浄手順によって除去するとき、フィルム材料は泡立ち、このことは基板上への前記材料の再付着を引き起こす。ウィンド洗浄機は時々、前記材料が基板から完全に除去されることを確実にするために多大な洗浄時間を注ぎ込む。有機フィルムはしばしば、無機フィルムより優れた引掻きに対する保護を提供する。しかしながら、除去可能有機保護カバーは通常は、製造工程の早い段階、例えば焼戻しの際に除去される。従って、基板が焼戻し炉又は他の熱処理装置から移送されると、基板は再び露出されて引掻き及び/又は化学的汚染に対して損傷を受けやすいままになる。
【0005】
従って、製造工程のほぼ全ての間においてガラス基板を保護するガラス基板用の除去可能カバーを提供することが望ましい。また、除去が容易な除去可能カバーを提供することも望ましい。
【発明の開示】
【0006】
一部の実施形態では、除去可能カバーを有するガラス基板が提供され、前記カバーは、少なくとも無機材料と有機材料とを含んでおり、前記無機材料は、前記有機材料とは異なる除去工程によって除去可能なものである。無機材料は、弱酸又は弱塩基に溶解性の酸化物及び/又は窒化物を含み得る。一部の例では、無機材料は酸化亜鉛を含んでいる。有機材料は、熱処理によって除去可能な炭素含有材料を含み得る。一部の例では、炭素含有材料は基本的に炭素から構成される。前記有機材料は、水洗浄によって除去可能なセパレータ材料でもあり得る。前記セパレータ材料は、水溶性ポリマー、可塑剤、一以上のアルコール、複数の粒子、及び水を含み得る。
【0007】
一部の例では、除去可能カバーは二以上のフィルムを含み、無機材料は無機フィルムを含み、有機材料は有機フィルムを含む。除去可能カバーは、基板表面から外方へ無機フィルム及び有機フィルムを含み得る。無機フィルムと有機フィルムはそれぞれ100オングストローム未満の厚さを有することが可能である。ある特定の例では、無機フィルムは約20オングストロームから約50オングストロームの間の厚さを有し、有機フィルムは約10オングストロームから約60オングストロームの間の厚さを有する。
【0008】
他の例では、除去可能カバーは、無機材料及び有機材料の両方を含む混合フィルムを含んでいる。混合フィルムは、外側部分と内側部分とを含み、有機材料は外側部分により高い濃度で存在し、無機材料は内側部分により高い濃度で存在する。ある特定の例では、外側部分は実質的に有機材料を含んでおり、内側部分は実質的に無機材料を含んでいる。また混合フィルムは、漸変フィルムであることも可能であり、前記漸変フィルムでは基板表面から外方に移動すると有機材料の濃度が次第に高まると共に無機材料の濃度が次第に低下する。
【0009】
一部の例では、機能性被膜が基板と除去可能カバーとの間に配置される。機能性被膜は、低放射率被膜又は光触媒被膜も可能である。ある特定の例では、機能性被膜は最も外側の誘電体フィルムを含んでおり、前記誘電体フィルムは、除去可能カバーに存在しない無機材料にして、上記無機材料又は除去可能カバーを取り除くために用いられる除去工程によって除去され得ない無機材料を含んでいる。
【0010】
さらに、保護フィルムが機能性被膜と除去可能カバーとの間に配置されることが可能であり、保護フィルムは弱酸又は弱塩基に対して耐久性のある材料を含んでいる。一部の例では、保護フィルムは炭素を含んでいる。また保護フィルムは100オングストローム未満の厚さを有している。一部の例では、無機材料は、保護フィルムの上に置かれ、また無機材料の上に置かれた有機材料を焼き落すガラス焼戻しを被覆基板が受けるとき保護フィルムが焼き落されることを防ぐ。除去可能カバーを成膜する方法も提供される。一部の実施形態では、前記方法は、機能性被膜を有するガラス基板を提供する段階と、除去可能カバーを機能性被膜上に成膜する段階とを含んでおり、除去可能カバーは少なくとも無機材料及び有機材料を含んでおり、無機材料は、有機材料とは異なる除去工程によって除去可能である。一部の例では、前記方法は、炭素を含む保護フィルムを機能性被膜と除去可能カバーとの間に成膜する段階を含んでいる。
【0011】
除去可能カバーを成膜する段階は、基板表面から外方へ無機フィルム及び有機フィルムを成膜する段階を含み得る。一部の例では、無機フィルム及び有機フィルムはスパッタ成膜される。有機フィルムは、炭素を含む標的をスパッタすることにより成膜され得る。また有機フィルムは標的をスパッタすることにより成膜されて、水溶性ポリマー、可塑剤、一以上のアルコール、複数の粒子、及び水を含むセパレータ材料を付着させる。
【0012】
除去可能カバーを成膜する段階は、無機材料及び有機材料の混合フィルムを成膜する段階も含むことが可能である。一部の例では、混合フィルムを成膜する段階は、炭素含有雰囲気中で無機材料から成る標的をスパッタする段階を含んでいる。他の例では、混合フィルムを成膜する段階は、有機材料を含む少なくとも一つの標的及び有機材料を含む少なくとも一つの標的を共にスパッタする段階を含む。他の例では、混合フィルムを成膜する段階は、増大する濃度の有機材料と減少する濃度の無機材料とをスパッタする段階を含んでいる。
【0013】
被覆ガラス基板を保護する方法も提供される。一部の実施形態では、前記方法は、有機材料と、有機材料とは異なる除去工程によって除去可能な無機材料とを少なくとも含む除去可能カバーを基板の上に成膜する段階と、無機材料を無傷に保つ間に有機材料を除去する段階と、無機材料を除去する段階とを順番に含んでいる。
【0014】
一部の例では、除去可能カバーを成膜する段階は、基板から外方へ無機フィルム及び有機フィルムを成膜する段階を含んでいる。有機フィルムを成膜する段階は、熱処理によって除去可能な炭素含有フィルムを成膜する段階、又は水による洗浄によって除去可能なセパレータを成膜する段階を含み得る。無機フィルムを成膜する段階は、弱酸又は弱塩基による洗浄によって除去可能な酸化物及び/又は窒化物を成膜する段階を含むことが可能である。他の例では、除去可能カバーを成膜する段階は、無機材料及び有機材料の両方を含む混合フィルムを成膜する段階含む。
【0015】
一部の例では、無機材料を無傷に保つ間に有機材料を除去する段階は、基板を熱処理する段階を含んでいる。他の例では、前記除去する段階は水で基板を洗浄する段階を含んでいる。一部の例では、無機材料を除去する段階は、弱酸又は弱塩基を使って露出された無機材料を洗浄する段階を含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下の詳細な説明は、図を参照して読み取られるべきであり、前記図においては、異なる図における類似の要素は同様の参照符号を有している。必ずしも縮尺にしたがって描かれたものではない前記図は、選ばれた実施例を描いており、また本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本技術分野に知識を有する者は、示された実施例が本発明の範囲に含まれる多くの変更例を有することを理解するであろう。
【0017】
本発明の多くの実施形態は被覆基板を含んでいる。種々様々な基板のタイプが本発明における使用に適している。一部の実施例では、基板10は、概ね対向する第1主表面12及び第2主表面14を有するシート状の基板である。例えば、基板は透明材料のシート(即ち透明シート)であり得る。しかしながら、基板がシートであること、又は透明であることは必要とされない。
【0018】
基板は、任意選択的に、種々の建築資材の任意の構成要素であり得る。予想される用例は、基板が、サッシ(例えば、窓枠又はドア枠)、羽目板(例えば、アルミニュウム羽目板)、テントパネル、防水シート(例えば、フルオロカーボンポリマー防水シート)、プラスチックフィルム(例えば、フルオロカーボンプラスチックフィルム)、屋根板、窓用ブラインド(例えば、金属、プラスチック、又は紙製窓用ブラインド)、紙製スクリーン(例えば、障子)、手すり、バラスター、又はエスカチオンである実施形態を含んでいる。一実施形態では、基板は、壁タイル、天井タイル、若しくは床タイルのようなセラミックタイルである。他の実施形態では、基板はガラスブロックである。種々の適切なガラスブロックは、サン・ゴバン・オーバーランド(Saint-Gobain Oberland)(ドイツ、コーブレンツ)から商業的に入手することができる。更に他の実施形態では、基板はポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、テレフタレートフィルム等である。この種類の適切なフィルムは日本曹達株式会社(日本、東京)から商業的に入手することができる。更に別の実施形態では、基板は騒音低減フェンス又は騒音低減壁のようなフェンス又は壁である。
【0019】
多くの用途のために、基板は、ガラス又は透明プラスチックのような透明(又は少なくとも半透明)の材料からなる。例えば、特定の実施形態では、基板はガラスシート(例えば、窓ガラス)である。様々な公知のガラスのタイプが使用可能であり、ソーダ石灰ガラスが一般に好適であろう。特定の好適な実施形態では、基板は、窓、天窓、ドア、シャワードア、又は他のグレージングの部分である。一部の例では、基板は、自動車の風防ガラス、自動車の側窓、外部又は内部のバックミラー、バンパー、ハブキャップ、風防ガラスワイパー、又は自動車のボンネットパネル、側面パネル、トランクパネル、若しくはルーフパネルの部分である。他の実施形態では、基板は、水槽ガラス板、プラスチック水槽窓、又は温室ガラス板である。さらに別の実施形態では、基板は、冷蔵庫のドア又は窓の部分のような冷蔵庫パネルである。
【0020】
様々なサイズの基板が本発明において使用され得る。一般的に、大面積基板が用いられる。特定の実施形態は、少なくとも約0.5m、好適には約1m、ことによるとより好適には少なくとも約1.5m、(例えば約2mから約4mの間の)一部の例では少なくとも約3mの主寸法(例えば、長さ又は幅)を有する基板10を含んでいる。一部の実施形態では、基板は、約3mから約10mの間の長さ及び/又は幅を有する特大ガラスシート、例えば、約3.5mの幅と約6.5mの長さとを有するガラスシートである。約10mより長い長さ及び/又は幅を有する基板も予想される。
【0021】
一部の実施形態では、基板10は、ほぼ正方形又は長方形のガラスシートである。この実施形態における基板は、前掲の段落及び/又は以下の段落に記載された寸法のいずれかを有することが可能である。特定の一実施例では、基板は、約3mから約5mの間の例えば約3.5mの幅と、約6mから約10mの間の例えば約6.5mの長さとを有する略長方形のガラスシートである。
【0022】
種々の厚さの基板が本発明において使用され得る。一部の実施形態では、(任意選択的にガラスシートであり得る)基板10は約1〜5mmの厚さを有している。特定の実施形態は、約2.3mmから約4.8mmの間の厚さ、おそらくより好適には約2.5mmから約4.8mmの間の厚さを有する基板10を含んでいる。特定の一実施形態では、約3mmの厚さを有する一枚のガラス(例えば、ソーダガラス)が用いられる。一グループの実施形態では、(ガラス、プラスチック、又は他の材料であり得る)基板の厚さは約4mmから約20mmの間にある。この範囲の厚さは、例えば、水槽に有用である(この場合基板は任意選択的にガラス又はアクリル樹脂であり得る)。基板がフロートガラスである場合、通常それは約4mmから約19mmの間の厚さを有する。他のグループの実施形態では、基板は、約0.35mmから約1.9mmの間の厚さを有する(例えば、ガラスの)薄いシートである。この種の実施形態は、一枚の表示ガラス等である基板10を含んでいる。
【0023】
基板の表面を保護するための除去可能カバーが提供される。前記カバーは二以上の材料を含んでおり、少なくとも一つの材料が、他の材料とは異なる除去工程によって除去可能である。各材料は、単一保護フィルムの部分、又は多層保護フィルムの一以上のフィルムの部分であり得る。同様に各フィルムは、各材料の別個の層、又は二以上の材料の混合物を含む混合フィルムであり得る。
【0024】
前記材料の少なくとも一つは、他の材料とは異なる除去工程により除去可能である。例えば、一部の例では、材料の一つが熱処理によって除去されることが可能であり、他の材料が熱処理に耐えることができる。熱処理に耐える材料は、熱処理以外の工程、例えば洗浄工程によって除去可能であり得る。同様に他の例では、材料の一つが、一つの洗浄剤を使う洗浄によって除去可能であるのに対して、他の材料がそのタイプの洗浄剤を使う洗浄に耐えることができる。例えば、一つの材料は水による洗浄によって除去可能であるのに対して、他の材料は水には耐えるが、例えば弱酸又は弱塩基のような他の洗浄剤を使った洗浄によって除去可能である。本発明の発明者は、異なる工程によって除去可能な二以上の材料からなる除去可能カバーが基板表面に対して優れた保護を提供することを見出した。更に、前記カバーの各材料は、それが除去される前の製造工程中の所望の段階中に前記表面を保護する。
【0025】
好適には、保護の必要な基板表面の全てが除去可能カバーで被覆される。前記カバーは、基板表面上にだけ、又は基板表面上に成膜された一以上の機能性被膜上に備えられることが可能である。多くの場合、カバーは機能性被膜を備える基板表面上に設けられる。例えば、そのような実施形態が図1に示され、そこでは基板10は、表面12上に機能性被膜20を有して提供される。カバー50は機能性被膜20上に設けられている。機能性被膜20は単一のフィルム又は複数のフィルムを含み得る。本技術分野で知られている任意の所望の機能性被膜が使用され得る。機能性被膜20は、該被膜20の上に直接に置かれているカバーを除去するために使用される除去工程によって除去され得ないことが好適である。一時的な保護から利益を受ける機能性被膜のタイプにはほとんど制限がない。従って、除去可能カバーは、任意のタイプ及び性質の被膜を保護するために使用され得る。
【0026】
一部の例では、機能性被膜20は低放射率フィルムである。低放射率被膜は本技術分野で知られており、特に適した被膜は、米国特許出願第09/728435号及び11/360266号明細書に記載されており、前記明細書の各々の全ての教示は引用により本明細書に組み入れられる。他の場合では、機能性被膜20は、例えば光触媒被膜又は親水性被膜のような少保守性被膜である。少保守性被膜も本技術分野で知られており、特に適した被膜が米国特許出願第11/021482号、第11/179178号、第11/179852号、第11/129820号、及び第11/293032号明細書に記載されており、前記明細書の各々の全ての内容は引用により本明細書に組み入れられる。特定の実施形態では、機能性被膜20は光触媒被膜である。光触媒被膜は、好適には二酸化チタン含有被膜である。
【0027】
他の例では、機能性被膜が基板の一つの主要表面上に設けられ、他の機能性被膜が基板の反対側の主要表面上に設けられ、除去可能カバーが一方又は両方の機能性被膜上に設けられる。図2は一つの実施形態を示しており、そこでは基板10はその一方の表面12の上に機能性被膜20を有し、反対側の表面14の上に機能性被膜20’を有して提供される。カバー50が機能性被膜20の上に設けられ、他のカバー50’が機能性被膜20’の上に設けられる。
【0028】
特定の実施形態では、表面12は、例えば雨との周期的な接触のような屋外環境に曝されることになっている。そのような表面上に成膜された被膜は、該被膜の上に時々成膜される有機物質に曝される。そのような表面上に提供される機能性被膜は、好適には少保守性被膜である。少保守性被膜はその上に堆積した有機物質を除去するのを助ける。表面12が屋外環境に曝されるものであるとき、表面14は、屋内環境又は断熱ガラスユニットの中間窓ガラス空間のいずれかに曝される表面である。一部の例では、この表面14の上に備えられる機能性被膜20’は低放射率被膜である。多層カバーが、少保守性被膜及び低放射率被膜の各々の上に備えられて、生産工程における所望の段階の間にこれら被膜を一時的に保護することが可能である。勿論、これらの除去可能カバーは、それらがその保護機能を一度発揮すると取り除かれ、その結果基板が窓枠内に取り付けられると(又はそうではなくその最終目的地に配置されると)前記カバーはもはや存在しない。
【0029】
図3に示される特定の実施形態では、保護フィルム60は、除去可能カバー50と、下に置かれた機能性フィルム20との間に成膜されることが可能である。保護フィルム60は、好適には製造中に取り除かれず、その結果前記フィルムは下に置かれた機能性被膜を永久的に保護する。そのようなフィルム60は、下に置かれた機能性被膜20が少保守性被膜ではない場合に好適に用いられる。少保守性被膜は、それらが屋外環境の汚染物質に直接に曝される場合に最もよく機能する。結果として、少保守性被膜の上にフィルムを残さないことが望ましい。一部の例では、フィルム60は低放射率被膜の上に備えられる。
【0030】
保護フィルム60は、該フィルム60の上に直接に置かれるカバー50の材料を除去するために用いられる除去工程に耐える任意のフィルムであり得る。例えば、上に置かれる材料が特定の洗浄工程によって除去可能であるとき、フィルム60はその洗浄工程に対して好適に耐久性があり、その結果フィルム60は前記材料が除去されたとき除去されない。一部の例では、無機フィルムは弱酸又は弱塩基による洗浄によって除去可能であり、フィルム60は弱酸又は弱塩基に対して耐久性がある。また、フィルム60が炭素含有フィルムであり、且つ熱処理によって除去可能な外側フィルム54がフィルム52の上に設けられた場合、フィルム60は、上に重なるフィルム52によって保護(即ち被覆)されたままである限り同じ熱処理によっては除去されないだろう。
【0031】
ほとんどの場合、保護フィルム60は表面上に永久的に残る。つまり、上に重なるカバーの材料が除去されると、基板は、保護フィルム60を除去する任意の種類の除去処理を再び受けることはない。保護フィルムは、本技術分野で知られているフィルム成膜方法を使って機能性被膜の上に成膜され得る。一部の例では、フィルム60はスパッタリングによって成膜される。好適な実施形態では、保護フィルムは、それが約10オングストロームから約60オングストロームの間の厚さを有するように成膜される。保護フィルムは除去可能カバー50のために記述された実施形態の任意のものに設けられることが可能である。
【0032】
一部の実施形態では、除去可能カバーは、異なる材料から成る二以上の除去可能フィルムを含んでおり、一のフィルムは他のフィルムとは異なる工程によって除去可能である。そのような実施形態が図4に示されており、そこではカバーは内側フィルム52と外側フィルム54とを含んでいる。内側フィルム52は、外側フィルム54とは異なる工程によって除去可能である。ある特定の例では、内側フィルム52及び外側フィルム54は約100オングストローム未満の厚さをそれぞれが有している。一部の例では、内側フィルム52は、約20オングストロームから約50オングストロームの間の厚さを有しており、外側フィルム54は、約10オングストロームから約60オングストロームの間の厚さを有している。一以上のフィルムの使用は、各フィルムが薄い厚さで成膜されることを可能にし、その結果、各フィルムは容易に除去され得る。各フィルムそれ自身が薄い厚さのものであるとはいえ、組み合わされたフィルムのカバーは下に置かれた表面に優れた保護を提供する厚さを有する。
【0033】
一部の例では、フィルム52又は54の一方が、熱処理によって除去可能な材料から構成されることが可能であり、その場合他方のフィルムは熱処理に対して耐久性のある材料から構成されることが可能である。熱処理に対して耐久性のあるフィルムは、熱処理以外の例えば洗浄工程による除去のような任意の工程によって除去可能であり得る。他の例では、フィルム52又は54の一方のフィルムは、一つの特定な洗浄剤を使った洗浄によって除去可能な材料から構成されることが可能であり、他方のフィルムは、その洗浄剤に対して耐久性がある。例えば、一方のフィルムは水による洗浄によって除去可能であるのに対して、他方のフィルムは水に対して耐久性はあるが弱酸又は弱塩基の洗浄溶液を使った洗浄によって除去可能である。フィルムの任意の組み合わせは、一方のフィルムが他方のフィルムとは異なる工程によって除去可能である限り使用され得る。
【0034】
一方のフィルムが熱処理によって除去可能であり、他方のフィルムが熱処理に耐える一つの実施形態では、熱処理によって除去可能なフィルムは有機フィルムであることが可能で、熱処理に耐えるフィルムは無機フィルムであることが可能である。本明細書で用いられる用語の“有機フィルム”は、一以上の有機材料からなるそのほぼ全厚さを有するフィルムを意味する。同様に、用語の“無機フィルム”は、一以上の無機材料からなるそのほぼ全厚さを有するフィルムを意味する。有機フィルム又は無機フィルムのどちらも、着色剤又は芳香剤のような一以上の識別材料を含むことも可能である。特定の適した識別材料又は存在指標が、米国特許出願第10/866936号明細書に記載されており、前記明細書の全内容は引用により本明細書に組み入れられる。
【0035】
ある特定の例では、有機フィルムは炭素含有フィルムである。炭素含有フィルムは、被覆基板を熱処理することによって除去される。炭素含有フィルムは、一部の実施形態では、炭素含有被膜の全重量を基礎において、好適には炭素が約50重量%より多く、より好適には約75重量%より多く、更に好適には約90重量%より多く、最も好適には約100重量%である。従って、特定の実施形態では炭素含有フィルムは基本的に炭素から構成される。
【0036】
熱処理中に、炭素は酸化してそれにより表面から取り除かれる。適切な熱処理は、限定するものではないが、焼戻し、アニーリング、ベンディング、及び熱的燃焼を含んでいる。好適な実施形態では、被覆基板は焼戻しを受け、前記焼戻しはまた露出されている有機フィルムを除去する。焼戻し中に、ガラスは、制御された速度で冷却される前に高温にさらされる。例えば、強化ガラスは一般的にガラスの融点まで又は融点近くの温度まで加熱される。より詳しくは、600℃オーダーの焼戻し温度が一般的である。さらに、ガラスはこの高温度を長時間(例えば、数時間)受ける。
【0037】
同様にある特定の例では、無機フィルムは、中性のpHを有する水の中で安定であるが、少なくともわずかに酸性の又はわずかに塩基性の洗浄剤の中で、分解、溶解、若しくは軟化するか又はそうでなければ溶解性のフィルムである。例えば、無機フィルムは、弱酸又は弱塩基中で溶解する材料から形成され得る。好適な実施形態では、前記フィルムは、家庭用の普通の酢のような弱い有機酸中で溶解する材料から作られる。種々の酢の酸性度は異なる一方で、普通の家庭用の酢のpHは約3と見積もられる。代わりに、無機フィルムが、弱いアンモニア溶液のような弱い塩基中で溶解する材料から形成され得る。例えば、一つのそのような実施形態では、前記フィルムは普通の家庭用のアンモニア溶液中で溶解する材料を含んでおり、前記アンモニア溶液は約11から約12.5の間のpHを有するものと見積もられる。
【0038】
一部の実施形態では、無機フィルムは弱酸又は弱塩基中で溶解する酸化物又は塩基物を含んでいる。好適な実施形態では、無機フィルムは金属酸化物フィルムからなる。用語の“金属”は、本明細書では、金属、メタロイド、又はセミメタルを指す。好適な金属酸化物は、亜鉛、ビスマス、カドミウム、鉄、及びニッケルからなるグループから選択された金属の酸化物を含む。このグループの酸化物は、水中において安定であるが、弱酸又は弱塩基の存在するところにおいては分解する傾向を有する。従って、それらは弱酸又は弱塩基の洗浄剤を使って洗浄したとき容易に除去される。
【0039】
特定の実施形態では、無機フィルムは酸化亜鉛を含んでいる。酸化亜鉛は幾つかの理由から除去可能フィルムとしてうまく働く。例えば、酸化亜鉛は厚さが約100オングストローム未満のとき下に置かれた表面を汚染物質から保護することに有効であることが見出されている。更に、酸化亜鉛は、弱酸又は弱塩基(例えば、酢)を使って洗浄したとき、完全で均一な様態で除去することが特に容易であることが発見された。酸化亜鉛は、非常な高速でスパッタされることも可能であり、その結果比較的低コストで成膜される。
【0040】
好適な一実施形態では、無機フィルムは、少なくとも約25オングストローム、より好適には約25オングストロームから約60オングストロームの間、ことによると最適には約25オングストロームから約45オングストロームの間の厚さを有するスパッタされた酸化亜鉛フィルムを含んでいる。この厚さの範囲のスパッタされた酸化亜鉛フィルムは、基板の表面を汚染物質から保護することにおいて特に有効である一方で、弱酸又は弱塩基を適用したときに完全で均一な様態で確実に除去可能であることが見出されている。更に、そのような酸化亜鉛のカバーは、ガラス焼戻し処置に耐える傾向があり、したがって上に重なる炭素含有フィルムと一緒に焼戻し中に除去されることはないだろう。
【0041】
特定の実施形態では、内側フィルム52は熱処理に耐える無機フィルムであり、外側フィルム54は熱処理によって除去可能な有機フィルムである。内側フィルム52は好適には機能性被膜20の上に直接に成膜される。この場合には、フィルム52の下にある機能性被膜20は、好適には所望の洗浄剤及び/又は洗浄手順に耐える材料から形成され、それ故フィルム52は下に置かれた機能性被膜20を乱すことなく除去され得る。例えば、機能性被膜20は、容認できない引掻き傷又は他の損傷を受けることなく、普通の窓洗浄技術の厳しさに耐える十分な機械的耐久性を好適に有する。フィルム52が弱酸又は弱塩基を使った洗浄によって除去される場合には、機能性被膜表面が、少なくともわずかに酸性又は塩基性の洗浄液による攻撃に耐える(即ち、前記洗浄液中で安定である)ことも望ましい。好適には、この表面は弱酸又は弱塩基による攻撃に耐える。最適には、それは弱酸及び弱塩基との接触による影響を全く受けない。
【0042】
フィルム52は、本技術分野で知られているフィルム成膜方法を使用して基板又は機能性被膜の上に成膜されることが可能である。ある特定の例では、前記フィルムはスパッタリングにより付着される。スパッタリング技術及び装置は本技術分野でよく知られている。ある特定の例では、フィルム52はスパッタ金属酸化物フィルムから有利に形成され得る。スパッタ金属酸化物フィルムは、さまざまなスパッタ成膜工程を用いて成膜される。そのようなフィルムを成膜するための一つの可能性は、所望の金属酸化物それ自身から作られた標的をアルゴンのような不活性雰囲気中でスパッタすることである。しかしながら、金属酸化物から作られた標的は、純粋金属の標的のように確実にスパッタしない傾向を有する、というのも金属酸化物はそれらのそれぞれの金属よりはるかに小さな導電性を有するからである。従って、金属酸化物標的を直流スパッタ装置において確実にスパッタすることは難しい。従って通常は、金属酸化物フィルムは、酸化雰囲気中で金属標的をスパッタすることによって成膜される。例えば、酸化亜鉛のフィルムは、酸化雰囲気(例えば、圧力約8×10−3mbarの酸素)中において亜鉛標的をスパッタすることにより成膜され得る。
【0043】
外側有機フィルム54も、本技術分野で知られたフィルム成膜方法を使用して内側フィルム52の上に成膜され得る。一部の例では、フィルム54はスパッタリングによって成膜される。例えば、スパッタラインが提供されることが可能であり、そこでは陰極ベイの一つが炭素含有スパッタ標的又は黒鉛スパッタ標的である。同様に、炭素含有フィルムを提供するために、標的が炭素含有雰囲気中でスパッタされることが可能である。他の例では、フィルム54は炭素アーク蒸着によって成膜される。
【0044】
他の実施形態では、除去可能カバーは二以上の材料からなる単一のフィルムとして提供され、そこでは一つの材料は他の材料とは異なる除去工程によって除去可能である。図5は、除去可能カバー50が第1材料Aの部分と第2材料Bの部分とを含んでいる本発明の実施形態を示している。第1材料A及び第2材料Bの各々は同一のフィルムの部分であって、異なる工程によって除去可能である。一部の例では、第1材料Aは熱処理に耐える無機材料であり、第2材料Bは熱処理によって除去可能な有機材料である。そのような例では、被覆基板は、外側の第2材料Bを除去するために製造中の所望の段階で熱処理を受けるようにされ得る。第1材料Aは、熱処理を生き延びて、その保護機能がもはや要求されなくなるまで被覆基板を保護することに役立つ。この材料Aは、例えば弱酸又は弱塩基を使った洗浄のような洗浄工程によって後で除去されることが可能である。
【0045】
図6は、除去可能カバー50が第1材料Aと第2材料Bとの混合体を含む他の実施形態を示している。この図に描かれた好適な例では、第1材料Aは無機材料であり、第2材料Bは有機材料である。第2材料Bはカバー50の最も外側の部分に高い濃度で好適に存在する。特定の実施形態では、除去可能カバー50は、金属、炭素、酸素、及び/又は窒素含有混合フィルムとして提供される。例えば、前記フィルムは、炭素含有金属酸化物、炭素含有金属窒化物、又は炭素含有酸素窒化物の層であり得る。第1材料Aは好適には、金属酸化物、金属窒化物、又は金属酸素窒化物であり、第2材料Bは好適には炭素である。特に好適な実施形態では、前記カバーは、酸化チタンと炭素、酸化亜鉛と炭素、又は窒化珪素と炭素を含んでいる。好適な例では、前記フィルムにおける炭素濃度は最も外側の領域で最大である。例えば一部の例では、前記フィルムは、基板の表面から外側に移動したとき炭素の濃度が次第に高まる漸変フィルムである。従って、炭素の濃度はカバー50の最も外側の領域で最大である。
【0046】
図6の除去可能カバー50は、被覆基板を所望の製造工程の間に保護することにも役立つ。第1材料Aが無機材料であって、第2材料Bが有機材料である場合には、前記カバーは、有機材料をカバーから焼き落すために熱処理を受けることが可能であり、基板が断熱ガラスユニットに取り付けられる前に又はそうでなければその意図された目的に使用される前に無機材料をより少ない有機材料とともに(実質的に有機材料なしで)残す。基板が組み付けられると、残っている無機材料(例えば、金属酸化物、金属窒化物、又は金属酸素窒化物)は熱処理以外の工程、例えば洗浄工程によって除去されることが可能である。この実施形態の除去可能フィルムは、好適には約100オングストローム未満、より好適には約75オングストローム未満、最適には約50オングストローム未満である。
【0047】
金属、炭素、酸素、及び/又は窒素含有除去可能フィルムは、例えば最後の被覆領域が炭素含有雰囲気を有する塗布機内で金属標的をスパッタすることによって成膜されることが可能である。前記炭素含有雰囲気は二酸化炭素雰囲気であることが有利である。従って、被覆基板は図13に示される一つ以上のスパッタベイを通過する。金属酸化物及び炭素を含むフィルムが成膜されるとき、基板は、反応性雰囲気中でスパッタされる金属標的を有する一つ以上のスパッタベイを最初に通過する。前記反応性雰囲気は、好適にはアルゴン及び酸素を含む。次に基板は同じ金属標的を有する一つ以上の最終スパッタベイを通過するが、前記金属標的は炭素含有雰囲気中でスパッタされる。前記炭素含有雰囲気は、好適には二酸化炭素及び酸素及び任意選択的にアルゴンを含んでいる。同様に、金属窒化物及び炭素を含むフィルムが成膜されるとき、基板は窒素雰囲気中でスパッタされる金属標的を有する一つ以上のスパッタベイを最初に通過する。次いで、基板は同じ金属標的を有する一つ以上の最終スパッタベイを通過するが、前記金属標的は炭素含有雰囲気中でスパッタされる。炭素含有雰囲気は、好適には二酸化炭素及び窒素を含む。特定の実施形態では、混合フィルムは、フィルム材料の全量に対する原子比率で好適には少なくとも約15原子%の比率で有機材料が存在するように成膜される。特に好適な例では、有機材料は、少なくとも約30原子%及びより好適には少なくとも約40原子%の比率で存在する。一部の例では、有機材料と無機材料は例えばそれぞれ約50原子%のようなほぼ等しい原子%で存在する。
【0048】
図7を参照して説明すると、一部の実施形態では、除去可能カバー50は、内側誘電体フィルム52と、第1材料及び第2材料の混合体を有する外側フィルム54とを含んでいる。外側フィルムは図6の除去可能カバーのためにすでに説明された特徴のどれをも有することが可能である。一部の実施形態では、内側誘電体フィルム52は外側フィルム54中に存在しない誘電体材料から作られている。例えば、一部の実施形態では、外側フィルム54は、酸化チタン及び炭素、又は窒化珪素及び炭素を含むのに対して、内側フィルム52は、酸化亜鉛、酸化錫、又は亜鉛酸化錫フィルムを含んでいる。
【0049】
他の実施形態では、内側誘電体フィルム52は、外側フィルム54内に存在する誘電体材料から作られている。ある特定の例では、内側誘電体フィルム52は酸化チタンを含んでおり、外側フィルム54は酸化チタンおよび炭素を含んでいる。他の例では、内側誘電体フィルム52は窒化珪素を含んでおり、外側フィルム54は窒化珪素及び炭素を含んでいる。一部の実施形態では、外側フィルム及び内側フィルムは互いの方へ徐々に変化することが可能である。
【0050】
特定の実施形態では、内側フィルム52は低放射率フィルムスタックのもっとも外側の誘電体フィルムである。例えば、内側フィルム52は、次のフィルムスタック、つまり基板表面から外方へ、ベースフィルム領域/赤外線反射フィルム領域/中間被膜/赤外線反射フィルム領域/フィルム52と並んだフィルムスタックの部分であり得る。さらに、図7で示される除去可能カバー50は、例えば、最終被覆領域が炭素含有雰囲気を有するスパッタチャンバ内で金属標的をスパッタすることにより成膜され得る。前記炭素含有雰囲気は二酸化炭素雰囲気であることが有利であり得る。
【0051】
図8は、保護カバー50が一つの材料から形成された内側フィルム52と、セパレータ材料から形成された外側フィルム54とを有する実施形態を図示している。適切なセパレータ材料は米国特許出願第10/313543号明細書に記載されており、前記明細書の全ての内容は引用により本明細書に組み入れられる。セパレータ材料から成る外側フィルム54は、やはり内側フィルム52とは異なる除去工程によって除去可能である。好適な実施例では、セパレータ材料はフィルム54とフィルム54に接着された複数の粒子56とを含んでいる。外側フィルム54は水により除去可能な材料を好適に含んでいる。前記フィルムは好適には、水溶性ポリマー、可塑剤、一以上のアルコール、複数の粒子、及び水である。水溶性ポリマーは、水性溶液によって前記フィルムが容易に除去されることを可能にする任意の適切なポリマーであり得る。好適な実施形態では、前記水溶性組成はポリビニルアルコール(PVA)を含んでいる。他の適切なポリマーは、限定するものではないが、ポリビニルクロライドを含んでいる。特定の実施形態では、前記可塑剤はグリセリンを含んでいる。グリセリンは市販品であり、その主な成分はグリセロールである。
【0052】
一以上のアルコールは、各々が10炭素未満の炭素分を有する一以上のアルコールを好適に含んでいる。更に好適には、一以上のアルコールは各々が6炭素未満の炭素分を有している。前記組成に用いられ得るアルコールは、限定するものではないが、メタノール、エタノール、プロパノール、プロペノール、ブタノール、ブテノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、及びデカノールを含む。好適な実施形態では、一以上のアルコールは、エタノール、メタノール、及びイソプロピルアルコールの組合せを含んでいる。
【0053】
複数の粒子56は、2枚のガラスを分離した状態で保つことができる任意の粒子を含む。粒子56は、本発明の精神と範囲から逸れることなく様々な材料を含むことが可能である。いくつかの用途に適した材料の例はルーサイト(LUCITE)を含んでいる。
【0054】
好適な実施形態では、フィルム54の組成は、ポリビニルアルコール、グリセリン、一以上のアルコール、及び水を含んでいる。更に好適な実施形態では、前記フィルムの組成は、約1%から約15%の間のポリビニルアルコール、約0.2%から0.8%の間のグリセリン、25%までの一以上のアルコール、及び水からなる残部を含んでいる。更に好適な実施形態では、フィルムの組成は、約2%から約5%の間のポリビニルアルコール、約1%から2%の間のグリセリン、約10%までのアルコール、及び水からなる残部を含んでいる。他の好適な実施形態では、前記フィルムの組成は、ポリビニルアルコール、グリセリン、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、及び水を含んでいる。更に好適な実施形態では、前記フィルムの組成は、2%から約5%のポリビニルアルコール、約1%から2%の間のグリセリン、約5%のエタノール、約1%未満のメタノール、約1%未満のイソプロピルアルコール、及び水からなる残部を含んでいる。
【0055】
一部の実施形態では、フィルム54は、それが(例えば、従来型のガラス洗浄機を通り抜けるとき)水を使って容易に除去されるように選択されたフィルム厚さを有している。特定の有用な実施形態では、フィルム54は、約8ミクロン未満、好適には約1.0ミクロン未満、及びことによると最適には約0.8ミクロン未満の厚さを有する。図8の実施形態におけるフィルム52は水を使った洗浄に耐える材料を好適に含んでいる。ある特定の例では、フィルム52は弱酸又は弱塩基において溶解する材料を含んでいる。そのような場合、フィルム54は水を使った洗浄によって最初に除去され、その際水は下に置かれたフィルム52を無傷のままに保つ。フィルム52は弱酸又は弱塩基を使った洗浄によって後で除去される。
【0056】
図5〜8に示された実施形態のいずれにおいても、図3に記載されて説明された保護フィルム60は除去可能カバー50と下に置かれた機能性フィルム20との間に成膜されることが可能である。やはり、前記保護フィルムは製造中に除去されないことが好適であり、その結果保護フィルムは下に置かれた機能性被膜を永久的に保護することに役立つ。
【0057】
図9を参照して説明すると、基板10は断熱ガラスユニット110の部分であり得る。典型的には、断熱ガラスユニット110は、外側窓ガラス10と、窓ガラス間空間800によって分けられた内側窓ガラス10’とを有する。(任意選択的に窓枠の部品であることが可能な)スペーサ900が、窓ガラス10及び10’を分けるために普通に設けられる。前記スペーサは、接着剤700を使って各窓ガラスの内側表面に固定され得る。一部の例では、端部シーラント600も設けられる。図示された実施形態では、外側窓ガラス10は外側表面12と内側表面14とを有する。内側窓ガラス10’は内側表面16と外側表面18とを有している。窓ガラス10は、外側表面12が屋外環境に曝されるように、枠(例えば、窓枠)に取り付けられることが可能である。内側表面14及び16は両方とも断熱ガラスユニットの窓ガラス間空間800内の雰囲気に曝される。
【0058】
一部の例では、図9に示される断熱ガラスユニットに配置された基板10の外側表面12は少保守性被膜20を含んでいる。同様に、同じ基板10の内側表面14は低放射率被膜20’を含んでいる。勿論、他の任意の機能性被膜を外側表面12又は内側表面14のどちらにも設けることが可能である。本発明の除去可能カバーは、基板12の製造中にこれら表面のどちらにも保護を提供するだろう。除去可能カバーはすでに説明した実施形態のどの特徴も有することが可能である。一部の例では、除去可能カバーの任意のフィルムは、基板を断熱ガラスユニットに組み付ける前に除去されるだろう。これは、断熱ガラスユニットの窓ガラス間空間に面していている基板の表面14に設けられる任意のフィルムに特に当てはまる。他の例では、一以上のフィルムが断熱ガラスユニットの表面12をなお保護しているが、その表面は屋外環境への曝露を予定されている。ほとんどの例では、その少保守性被膜を露出させてその特性を利用することが求められるまで、少なくとも一つのフィルムが、少保守性被膜20に対する保護を提供するために表面12上に残っている。
【0059】
図10は、基板10(それはガラス板であってよい)が(例えば建物99の外壁98の)窓枠95に取り付けられた窓ガラスである実施形態を例示している。特定の応用例では、そのような窓の被覆された第1表面(即ち、表面12)は、機能性被膜20を保持していて、雨と周期的に接触する屋外環境へ曝露される。好適には、この例における機能性被膜は親水性又は少保守性被膜である。除去可能カバーは、機能性被膜20に対する保護を製造中に提供するためにこの表面12上に設けられる。しかしながら、この除去可能カバーのフィルム部分は製造中に通常は除去される。しかしながら、一部の例では、これらフィルムの一つがこの表面12上に残り、それが窓枠95に完全に組み込まれて使用される準備が整うまで機能性被膜20を保護する。一部の実施形態では、そのように残っているフィルムは、洗浄によって除去可能な無機フィルムである。基板が完全に窓枠95に取り付けられると、下に置かれた機能性被膜は屋外環境に好適に曝される。これは、親水性の機能性被膜が使用される場合に特に当てはまる、というのも泥が親水性被膜それ自身に直接に接触するなら親水性被膜は自己清浄化においてより効果的であるためである。
【0060】
被覆基板を製造する方法も提供される。除去可能カバーの各フィルムはよく知られた様々な被覆技術によって成膜されることが可能である。適切な被覆技術は、限定するものではないが、化学蒸着(CVD)、プラズマ増強化学蒸着、熱分解蒸着、及びスパッタリングを含んでいる。特定の実施形態では、フィルムは、スパッタリングによって、任意選択的には低温で(例えば、基板を約250℃以下、おそらくより好適には200℃以下に保持しながら)成膜される。スパッタリングは本技術分野においてよく知られている。図11は、例示的なマグネトロンスパッタチャンバ200を図示している。マグネトロンスパッタチャンバ及び関係する機器は様々な供給源(例えば、レイボールド(Leybold))から商業的に入手可能である。有用なマグネトロンスパッタ技術及び機器は、チェーピン(Chapin)に対して発行された米国特許第4166018号の明細書に記載されており、前記明細書の全ての教示は引用により本明細書に組み入れられる。
【0061】
図解されているスパッタチャンバ200は、共にスパッタキャビティ202を区画形成するベース(又は“床”)220、複数の側壁222、及び天井(又は“上蓋”若しくは“カバー”)230を含んでいる。図11では、二つの上部標的280が基板走行路45の上方に取り付けられている。基板10は、フィルム成膜の間に任意選択的に複数の離間された運搬ローラ210の上を基板走行路45に沿って運搬される。これは決して求められることではないが、図11では二つの上部標的が設けられている。例えば、単一の上部又は下部標的が代わりに各スパッタチャンバに使用されてもよい。さらに、円筒状の標的が図示されているが、スパッタチャンバは一つ以上の上部及び/又は下部の平面的な標的を含むことが可能である。
【0062】
好適には、カバーのフィルムのスパッタリングは、基板を約250℃未満の温度、より好適には200℃未満の温度に維持しながら(例えば、基板の補助加熱なしで)実施される。そのような場合、被膜は好適には、成長するフィルムへエネルギーを供給するどんな補助的手段もなく(例えば、従来型のスパッタリングのプラズマ及びイオン衝撃から普通に生じる加熱以外は基板を加熱することなしに)スパッタ成膜される。他の例では、フィルムは、補助加熱(又は他の補助的エネルギー供給)を含むスパッタ成膜技術によって成膜される。
【0063】
特定の実施形態では、保護カバーが単一の基板の対向する両面に設けられ、これらカバーのフィルムのスパッタリングが双方向スパッタチャンバ内で実施される。図12は、例示的な双方向スパッタチャンバ300を図示している。双方向スパッタチャンバは米国特許出願第09/868542号、第10/911155号、及び第10/922719号明細書に記載されており、前記特許明細書の各々の全ての教示は引用により本明細書に組み入れられる。図解されているスパッタチャンバ300は、共にスパッタキャビティ302を区画形成する、ベース(又は“床”)320、複数の側壁322、及び天井(又は“上蓋”若しくは“カバー”)330を含んでいる。二つの上部標的380aが基板走行路45の上方に取り付けられており、また二つの下部標的380bが基板走行路の下方に取り付けられている。基板10は、フィルム成膜の間に、任意選択的に複数の離間された運搬ローラ310の上を基板走行路45に沿って運搬される。基板の一方の表面に一のフィルムを成膜し、反対側の表面に他のフィルムを成膜するために、上部標的380a及び下部標的380bの両方が同時にスパッタされる。特定の実施形態では、上部標的380aは、基板の表面12に除去可能な多層オーバーコートの一以上のフィルムを下方に成膜するためにスパッタされる。下部標的380bは、基板の表面14に多層の除去可能カバーを上方に成膜するためにやはりスパッタされる。
【0064】
本発明の好適な実施形態が説明されてきたが、様々な変更、適応、及び修正が、本発明の精神及び添付された特許請求の範囲から逸脱することなく為されてよいことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施例による、除去可能カバーをもつ被覆表面を有する基板の模式的横断面図である。
【図2】本発明の他の実施例による、各々が除去可能カバーをもつ二つの被覆表面を有する基板の模式的横断面図である。
【図3】本発明の更に他の実施例による、保護フィルムと除去可能カバーの両方をもつ被覆表面を有する基板の模式的横断面図である。
【図4】本発明の他の実施例による、除去可能カバーをもつ被覆表面を有する基板の模式的横断面図である。
【図5】本発明の更に他の実施例による、除去可能カバーをもつ被覆表面を有する基板の模式的横断面図である。
【図6】本発明の更に他の実施例による、除去可能カバーをもつ被覆表面を有する基板の模式的横断面図である。
【図7】本発明の更に他の実施例による、除去可能カバーをもつ被覆表面を有する基板の模式的横断面図である。
【図8】本発明の更に他の実施例による、除去可能カバーをもつ被覆表面を有する基板の模式的横断面図である。
【図9】本発明の特定の実施例による、二つの被覆表面を有する窓ガラスを含む多重窓ガラス式断熱ガラスユニットの部分切取り模式的横断面図である。
【図10】本発明の特定の実施例による、機能性被膜をもつ窓ガラスの部分切取り斜視図であり、前記窓ガラスは建物の外壁に取り付けられている。
【図11】本発明の特定の方法において用いられるようにされたスパッタチャンバの模式的側面図である。
【図12】本発明の特定の方法において用いられるようにされた双方向スパッタチャンバの模式的側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
除去可能カバーを有するガラス基板であって、前記カバーは少なくとも無機材料及び有機材料を含んでおり、前記無機材料は前記有機材料とは異なる除去工程によって除去可能である、ガラス基板。
【請求項2】
前記除去可能カバーは二以上のフィルムを含んでおり、前記無機材料は無機フィルムを含んでおり、及び前記有機材料は有機フィルムを含んでいる、請求項1に記載のガラス基板。
【請求項3】
前記除去可能カバーは前記基板の表面から外方へ前記無機フィルムと前記有機フィルムとを含んでいる、請求項2に記載のガラス基板。
【請求項4】
前記無機フィルム及び前記有機フィルムの各々は100オングストローム未満の厚さを有している、請求項3に記載のガラス基板。
【請求項5】
前記無機フィルムは約20オングストロームから約50オングストロームの間の厚さを有しており、前記有機フィルムは約10オングストロームから約60オングストロームの間の厚さを有している、請求項4に記載のガラス基板。
【請求項6】
前記除去可能カバーは前記無機材料及び前記有機材料の両方を含む混合フィルムを含んでいる、請求項1に記載のガラス基板。
【請求項7】
前記混合フィルムは外側部分と内側部分とを有しており、前記有機材料は前記外側部分に高い濃度で存在し、前記無機材料は前記内側部分に高い濃度で存在する、請求項6に記載のガラス基板。
【請求項8】
前記外側部分は実質的に有機材料を含んでおり、前記内側部分は実質的に無機材料を含んでいる、請求項7に記載のガラス基板。
【請求項9】
前記混合フィルムは、前記基板の表面から外側に移動すると、有機材料の濃度が次第に高まると共に無機材料の濃度が次第に低下する漸変フィルムである、請求項6に記載のガラス基板。
【請求項10】
前記無機材料は弱酸又は弱塩基中で溶解する酸化物及び/又は窒化物を含む、請求項1に記載のガラス基板。
【請求項11】
前記無機材料は酸化亜鉛を含む、請求項1に記載のガラス基板。
【請求項12】
前記有機材料は熱処理によって除去可能な炭素含有材料を含む、請求項1に記載のガラス基板。
【請求項13】
前記炭素含有材料は基本的に炭素から成る、請求項12に記載のガラス基板。
【請求項14】
前記有機材料は水を使った洗浄によって除去可能なセパレータ材料である、請求項1に記載のガラス基板。
【請求項15】
前記セパレータ材料は、水溶性ポリマー、可塑剤、一以上のアルコール、複数の粒子、及び水を含む、請求項14に記載のガラス基板。
【請求項16】
該ガラス基板と前記除去可能カバーとの間に配置された機能性被膜を更に含む、請求項1に記載のガラス基板。
【請求項17】
前記機能性被膜は低放射率被膜である、請求項16に記載のガラス基板。
【請求項18】
前記機能性被膜は光触媒被膜である、請求項16に記載のガラス基板。
【請求項19】
前記機能性被膜と前記除去可能カバーとの間に配置された保護フィルムを更に含む請求項16に記載のガラス基板であって、前記保護フィルムは弱酸又は弱塩基に耐える材料を含んでいる、請求項16に記載のガラス基板。
【請求項20】
前記保護フィルムは炭素を含んでいる、請求項19に記載のガラス基板。
【請求項21】
前記保護フィルムは100オングストローム未満の厚さを有している、請求項19に記載のガラス基板。
【請求項22】
前記無機材料が前記保護フィルムの上に重なる請求項1に記載のガラス基板であって、被覆された前記基板が、前記無機材料の上に重なる有機材料を焼き落すガラス焼戻しを受けるとき、前記無機材料は前記保護フィルムが焼き落とされることを防ぐ、請求項1に記載のガラス基板。
【請求項23】
前記機能性被膜が最も外側の誘電体フィルムを含む請求項16に記載のガラス基板であって、前記誘電体フィルムは、前記除去可能カバーに存在しない無機材料を含んでおり、該無機材料は、前記無機材料又は前記除去可能カバーを除去するために用いられる前記除去工程によっても除去され得ない無機材料である、請求項16に記載のガラス基板。
【請求項24】
機能性被膜を有するガラス基板を準備する段階と、
少なくとも無機材料と有機材料とを含む除去可能カバーを前記機能性被膜の上に成膜する段階と、を含む除去可能カバーを成膜する方法であって、
前記無機材料は前記有機材料とは異なる除去工程によって除去可能である、除去可能カバーを成膜する方法。
【請求項25】
除去可能カバーを成膜する前記段階は、前記基板の表面から外方へ無機フィルムと有機フィルムとを成膜する段階を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
無機フィルム及び有機フィルムを成膜する前記段階は、前記無機フィルム及び前記有機フィルムをスパッタ成膜する段階を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記有機フィルムを成膜する前記段階は、炭素を含む標的をスパッタする段階含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記有機フィルムを成膜する前記段階は、水溶性ポリマー、可塑剤、一以上のアルコール、複数の粒子、及び水を含むセパレータを付着させる、標的をスパッタする段階を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
除去可能カバーを成膜する前記段階は、無機材料及び有機材料の混合フィルムを成膜する段階を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
混合フィルムを成膜する前記段階は、無機材料から成る標的を炭素含有雰囲気中でスパッタする段階を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
混合フィルムを成膜する前記段階は、有機材料を含む少なくとも一つの標的及び有機材料を含む少なくとも一つの標的を共にスパッタする段階を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
混合フィルムを成膜する前記段階は、高まる濃度の有機材料及び低下する濃度の無機材料をスパッタする段階を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
炭素を含む保護フィルムを前記機能性被膜と前記除去可能カバーとの間に成膜する段階を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
被覆ガラス基板を保護する方法であって、
有機材料と、該有機材料とは異なる除去工程によって除去可能な無機材料とを少なくとも含む除去可能カバーを前記基板上に成膜する段階と、
前記無機材料を無傷のままにしておく間に前記有機材料を除去する段階と、
前記無機材料を除去する段階と、を順番に含む被覆ガラス基板を保護する方法。
【請求項35】
除去可能カバーを成膜する前記段階は、前記基板から外方へ無機フィルムと有機フィルムとを成膜する段階を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
有機フィルムを成膜する前記段階は、熱処理によって除去可能な炭素含有フィルムを成膜する段階を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
有機フィルムを成膜する前記段階は、水を使った洗浄によって除去可能なセパレータを成膜する段階を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
無機フィルムを成膜する前記段階は、弱酸又は弱塩基を使った洗浄によって除去可能な酸化物及び/又は窒化物を成膜する段階を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
除去可能カバーを成膜する前記段階は、無機材料及び有機材料の両方を含む混合フィルムを成膜する段階を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記無機材料を無傷のままにしておく間に前記有機材料を除去する前記段階は、前記基板を熱処理する段階を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記無機材料を無傷のままにしておく間に前記有機材料を除去する前記段階は、前記基板を水で洗浄する段階を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
前記無機材料を除去する前記段階は、露出された無機材料を弱酸又は弱塩基で洗浄する段階を含む、請求項34に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−531178(P2009−531178A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503149(P2009−503149)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/064342
【国際公開番号】WO2007/112229
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(502058127)カーディナル・シージー・カンパニー (4)
【氏名又は名称原語表記】CARDINAL CG COMPANY
【Fターム(参考)】