陳列用包装パッケージ
【課題】 商品価値が無くなるような致命的な破損が生じにくく、占有空間を小さく抑えることができ、商品の詳細な把握が視覚的且つ触覚的にできる陳列用包装パッケージを提供すること。
【解決手段】 保形性が高い厚紙又は硬紙により全体が形成された箱状の陳列用包装パッケージＰであって、パッケージ本体１の底壁又は／及び底壁から立ち上がる壁面に、商品の一部を当該パッケ−ジ本体１外に配置させるための開口部１０を設けると共に、パッケージ本体１を、少なくとも前記商品の一部が占める空間分だけ小型化してある。前記パッケージ本体１は、展開及び組み立て可能である。
【解決手段】 保形性が高い厚紙又は硬紙により全体が形成された箱状の陳列用包装パッケージＰであって、パッケージ本体１の底壁又は／及び底壁から立ち上がる壁面に、商品の一部を当該パッケ−ジ本体１外に配置させるための開口部１０を設けると共に、パッケージ本体１を、少なくとも前記商品の一部が占める空間分だけ小型化してある。前記パッケージ本体１は、展開及び組み立て可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、陳列用包装パッケージ、特に、保形性が高い厚紙や硬紙等により形成され、商品の一部がパッケージ本体外に配置される陳列用包装パッケージに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
陳列用包装パッケージは、商品の売れ行きにも大きな影響をあたえ、商品の「顔」とも言える。近年の陳列用包装パッケージとしては、例えば、ブリスターパッケージや、箱型形態のものが主流となっており、店頭においてもこれらパッケージを多く見かける。
【０００３】
ブリスターパッケージは、平面視の大きさが商品よりもかなり大きな平板状の台紙に、商品の形状に合わせて膨らみ部を設けた透明樹脂製のカバーを着脱可能に取り付けて成るものであり、台紙に取り付けられた商品はカバーの膨らみ部で包み込まれるようになっている（例えば、特許文献１。）。
【０００４】
したがって、このパッケージの場合、透明樹脂部を透して商品のほぼ全体（正面、両側面、上下面が視覚的に認定できることになるから、販売業者側からいえば視覚的に十分に商品のアピールができ、購入者側からいえば購入前に商品の欠点・利点、デザイン性等の良否がある程度判断できるというのメリットがある。
【０００５】
他方、箱型形態のパッケージは、基本的には厚紙で形成されており、その一部を透視可能な透明樹脂により形成してある。
【０００６】
したがって、このパッケージの場合、ブリスターパッケージに比べて多少劣るものの、透明樹脂部を通してある程度商品を視覚的に認定できるので、上記ブリスターパッケージとほぼ同等のメリットを有すると考えられる。
【０００７】
しかしながら、上記パッケージは、以下の(1) 〜(3) に示すような問題を有する。
(1) 作業者の取り扱いや輸送時の振動等により、透明樹脂部分が破損（亀裂や潰れのうち、特に亀裂）する危険性が高く、このような事態が生じた場合には商品価値は全く無くなってしまう。
(2) 商品の占有空間に対して、ブリスターパッケージは平面視の面積が大きいことから全体が占める空間が必要以上に大きくなり、箱型形態のパッケージにおいても立体的に過大となる。したがって、これらのパッケージでは、一定空間において多くの数量を陳列できない。
(3) ブリスターパッケージ及び箱型形態のパッケージは基本的に商品が動かないように完全にパックされているので、商品によっては詳細な特性を把握しにくいことがある。
【特許文献１】特開２０００−１４２７８９号（図１参照）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
そこでこの発明では、商品価値が無くなるような致命的な破損が生じにくく、占有空間を小さく抑えることができ、商品の詳細な把握が視覚的且つ触覚的にできる陳列用包装パッケージを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
（請求項１記載の発明）
この発明は、厚紙又は硬紙により全体が形成された箱状の陳列用包装パッケージであって、パッケージ本体の底壁又は／及び底壁から立ち上がる壁面に、商品の一部を当該パッケ−ジ本体外に配置させるための開口部を設けると共に、パッケージ本体を、少なくとも前記商品の一部が占める空間分だけ小型化してある。
（請求項２記載の発明）
この発明は、シャックル若しくは耐引張性を有する屈曲可能な紐状長尺物が錠本体と協働して全体としてループ状に形成し得る二輪車用錠のうち、当該錠本体並びにシャックル若しくは紐状長尺物の一部をパッケージ本体外に配置させる態様で包装する陳列用包装パッケージであって、厚紙又は硬紙により全体が形成された箱状であると共に、パッケージ本体の底壁又は／及び底壁から立ち上がる壁面に、シャックル若しくは紐状長尺物が挿通される開口部を設けると共に、前記パッケージ本体を、少なくともパッケージ本体外に出される錠本体並びにシャックル若しくは紐状長尺物が占める空間部分だけ小型化してある。
（請求項３記載の発明）
この発明の陳列用包装パッケージは、上記請求項１又は２記載の発明に関し、パッケージ本体は展開及び組み立て可能である。
（請求項４記載の発明）
この発明の陳列用包装パッケージは、上記請求項２記載の発明に関し、パッケージ本体には、シャックル若しくは紐状長尺物の各端部を挿通させる左右対称の２個の開口部が形成されている。
【発明の効果】
【００１０】
この発明の陳列用包装パッケージでは、商品価値が無くなるような致命的な破損が生じにくく、占有空間を小さく抑えることができ、商品の詳細な把握が視覚的且つ触覚的にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下にこの発明の陳列用包装パッケージを実施するための最良の形態としての実施例について詳細に説明する。
【実施例１】
【００１２】
図１はこの発明の実施例１の陳列用包装パッケージＰに二輪車用ワイヤー錠８の一部を収容させた状態を示す斜視図、図２は組み立て途中の陳列用包装パッケージＰと二輪車用ワイヤー錠８の斜視図、図３はこの発明の陳列用包装パッケージＰを構成するパッケージ本体１を展開した状態の平面図を示している。
（この陳列用包装パッケージＰの概要について）
この陳列用包装パッケージＰは、図１に示すように、商品を、ワイヤー８１（課題を解決するための手段の欄に記載の紐状長尺物に対応する）が錠本体８０と協働して全体としてループ状に形成し得る二輪車用錠８とした場合の例であり、錠本体８０及びワイヤー８１の一部をパッケージ本体１外に配置させ、ワイヤー８１の他部のみをパッケージ本体１内に収容させるものである。なお、商品を、ワイヤー８１にかえて二輪車用チェーン錠としてもよい。
（この陳列用包装パッケージＰの構成について）
この陳列用包装パッケージＰは、図１に示すように、保形性が高い厚紙又は硬紙により形成された直方体状の箱体であり、パッケージ本体１の底壁に、ワイヤー８１が挿通される二個の開口部１０を設けると共に、前記パッケージ本体１を、当該パッケージ本体１外に配置される錠本体８０及びワイヤー８１の占有空間Ｋ分（同図の二点鎖線で示す）だけ小型化してある。なお、この陳列用包装パッケージＰの前後壁には、図１に示すように、円孔１１，１１を穿設すると共にこの円孔１１，１１相互間に円筒管１２を架設してあり、これら円孔１１，１１及び円筒管１２により吊り下げ用孔１３を形成してある。
【００１３】
パッケージ本体１を構成する厚紙又は硬紙は、取扱時や輸送時における外力や振動等があっても破損しないように、例えば、０．５〜２．０ｍｍ（好ましくは０．８〜１．５ｍｍ）程度の所謂板紙、ボール紙、合紙、ダンボール紙等が使用されている。
【００１４】
開口部１０，１０は、図１に示すように、パッケージ本体１の縦中央線に対して左右対称に設けられており、その大きさは二本のワイヤー８１が余裕を持って挿通させ得る大きさに設定してある。
【００１５】
吊り下げ用孔１３は、店頭におかれている展示台の吊り下げ棒の径よりも少し大きく設定してある。
【００１６】
パッケージ本体１の前後面には、特に図示しないが、商品に関する説明書（例えば、製造業者、販売業者、開錠方法、施錠方法、注意書等が印刷形成されている。
（パッケージ本体１を展開したもの及び商品の収容を考慮した組み立て手順について）
パッケージ本体１は、糊等の接着剤を用いることなく組み立てができるように、図３に示すような展開されたものを使用している。
【００１７】
「パッケージ本体１の展開図」
このパッケージ本体１は、図３に示すように、上面部１００を介して前面部１０１と後面部１１１とを一体的に形成してあり、前記前面部１０１には、挿入片１０３を有した側面部１０２、挿入片１０５を有した側面部１０４、挿入片１０７及び折曲片１０８，１０９を有した下面部１０６を備え、前記後面部１１１には、挿入孔１１３を有した側面部１１２、挿入孔１１５を有した側面部１１４、挿入孔１１７を有する下面部１１６を備えるものとしている。なお、図３中、符号Ｌで示したものは、全て折曲線である。
【００１８】
「商品の収容を考慮したパッケージ本体１の組み立て手順について」
(1) 図２において、側面部１０４、側面部１１４及び挿入片１０５を折曲線Ｌで折り曲げ、前記挿入片１０５を挿入孔１１５に挿入する。同様に、側面部１０２、側面部１１２及び挿入片１０３を折曲線Ｌで折り曲げ、前記挿入片１０３を挿入孔１１３に挿入する。この作業により、側面部１０４と側面部１１４、側面部１０２と側面部１１２により両方の側壁が形成できる。
(2) 図２において、二重巻き状態にしたワイヤー８１の上側部を側壁面相互間に挿入し、この状態を維持しながら円孔１１，１１相互間に円筒管１２を挿入架設する。この状態においては、円筒管１２は二重巻き状態のワイヤー８１内に挿入されている。したがって、パッケージ本体１から二輪車用ワイヤー錠８が外れ落ちることはない。
(3) 次に、図２において、下面部１０６、挿入片１０７、折曲片１０８，１０９及び下面部１１６を折曲線Ｌで折り曲げ、前記挿入片１０７を挿入孔１１７に挿入する。この作業により下面部１０６と下面部１１６により底壁が形成できる。なお、上記折曲片１０８，１０９の折り曲げ作業により底壁には二つの開口部１０，１０が形成されるが、このとき二重巻き状態にしたワイヤー８１の下側部分が前記開口部１０，１０から外部に導き出され、錠本体８０がパッケージ本体外に配置されているようにする。
(4) 上記(1) 〜(3) の作業により、二輪車用ワイヤー錠８は図１に示す如く、パッケージ本体１内に納められる。
（この陳列用包装パッケージＰの優れた作用・効果について）
(1) この陳列用包装パッケージＰは、０．５〜２．０ｍｍ（好ましくは０．８〜１．５ｍｍ）程度の保形性が高い所謂板紙、ボール紙、合紙、ダンボール紙等が使用されているから、作業者による取り扱いや輸送時の振動等により、破損（亀裂や潰れのうち、特に亀裂）する危険性は極めて低く、その結果、商品として販売できないような重大な事態は生じにくい。
(2) パッケージ本体１は、少なくとも当該パッケージ本体１外に出た錠本体８０及びワイヤー８１が占める空間部Ｋ分だけ小型化してある（図１参照）から、全体の大きさは小さなパッケージ本体１と当該パッケージ本体１外に出た錠本体８０及びワイヤー８１だけになる。したがって、この陳列用包装パッケージＰを使用した場合、一定空間において多くの数量を陳列できることになる。
(3) この陳列用包装パッケージＰでは、顧客による注目度が高いと考えられる部分（錠本体８０及びワイヤー８１部分）を全面から見ることができると共に、手で触れることができるので、顧客は商品の詳細な特性を十分に把握でき、販売業者側は顧客に対して視覚的且つ触覚的に十分にアピールできる。
【実施例２】
【００１９】
図４はこの発明の実施例２の陳列用包装パッケージＰに二輪車用南京錠９の一部を収容させた状態を示す断面図を示している。
【００２０】
この実施例の陳列用包装パッケージＰは、基本的構成は上記実施例１と同様の形態を採っているが、図４に示すように、円筒管１２を使用することなく、パッケージ本体１と同等の厚紙又は硬紙で構成された三角形状の押上部材３により二輪車用南京錠９（シャックル９１と錠本体９０より成る）のシャックル９１の屈曲部をパッケージ本体１内の上部に留めるようにしている。
【００２１】
上述した如く、この陳列用包装パッケージＰは、主要部分について実施例１と同様の形態を採っているので、実施例１の欄で記載したものと同様の作用・効果を有していることが明らかである。
（その他の実施の形態）
上記実施例１，２では、開口部１０をパッケージ本体１の底壁に設けているが、これに限定されることなく、側壁であっても、底壁及びこれから立ち上がる壁面であってもよい。また、開口部１０は商品の形態に合わせて一個であっても三個以上であってもよい。
【００２２】
上記実施例１，２では、パッケージ本体１を直方体としているが、これに限定されることなく、その他の形状の箱体、例えば、正面視形状が円形、楕円形、三角形、正方形、多角形、台形等であってもよい。
【００２３】
上記実施例１，２では、陳列用包装パッケージＰに収容される対象物を二輪車用錠としているが、これに限られるものではない。つまり、商品は如何なるものであってもよく、商品の一部（特にアピールしたい部分）をパッケ−ジ本体１外に配置させるための開口部１０を設け、前記パッケージ本体１を、前記商品の一部が占める空間分だけ小型化してあるものは、全て本願発明の技術的範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】この発明の実施例１の陳列用包装パッケージに二輪車用ワイヤー錠の一部を収容させた状態を示す斜視図。
【図２】組み立て途中の陳列用包装パッケージと二輪車用ワイヤー錠の斜視図。
【図３】前記陳列用包装パッケージを展開した状態の平面図。
【図４】この発明の実施例２の陳列用包装パッケージに二輪車用南京錠の一部を収容させた状態を示す断面図。
【符号の説明】
【００２５】
Ｐ 陳列用包装パッケージ
１ 開口部
１１ 円孔
８ 二輪車用ワイヤー錠
８０ 錠本体
８１ ワイヤー（紐状長尺物）
９ 二輪車用南京錠
９０ 錠本体
９１ シャックル
【技術分野】
【０００１】
この発明は、陳列用包装パッケージ、特に、保形性が高い厚紙や硬紙等により形成され、商品の一部がパッケージ本体外に配置される陳列用包装パッケージに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
陳列用包装パッケージは、商品の売れ行きにも大きな影響をあたえ、商品の「顔」とも言える。近年の陳列用包装パッケージとしては、例えば、ブリスターパッケージや、箱型形態のものが主流となっており、店頭においてもこれらパッケージを多く見かける。
【０００３】
ブリスターパッケージは、平面視の大きさが商品よりもかなり大きな平板状の台紙に、商品の形状に合わせて膨らみ部を設けた透明樹脂製のカバーを着脱可能に取り付けて成るものであり、台紙に取り付けられた商品はカバーの膨らみ部で包み込まれるようになっている（例えば、特許文献１。）。
【０００４】
したがって、このパッケージの場合、透明樹脂部を透して商品のほぼ全体（正面、両側面、上下面が視覚的に認定できることになるから、販売業者側からいえば視覚的に十分に商品のアピールができ、購入者側からいえば購入前に商品の欠点・利点、デザイン性等の良否がある程度判断できるというのメリットがある。
【０００５】
他方、箱型形態のパッケージは、基本的には厚紙で形成されており、その一部を透視可能な透明樹脂により形成してある。
【０００６】
したがって、このパッケージの場合、ブリスターパッケージに比べて多少劣るものの、透明樹脂部を通してある程度商品を視覚的に認定できるので、上記ブリスターパッケージとほぼ同等のメリットを有すると考えられる。
【０００７】
しかしながら、上記パッケージは、以下の(1) 〜(3) に示すような問題を有する。
(1) 作業者の取り扱いや輸送時の振動等により、透明樹脂部分が破損（亀裂や潰れのうち、特に亀裂）する危険性が高く、このような事態が生じた場合には商品価値は全く無くなってしまう。
(2) 商品の占有空間に対して、ブリスターパッケージは平面視の面積が大きいことから全体が占める空間が必要以上に大きくなり、箱型形態のパッケージにおいても立体的に過大となる。したがって、これらのパッケージでは、一定空間において多くの数量を陳列できない。
(3) ブリスターパッケージ及び箱型形態のパッケージは基本的に商品が動かないように完全にパックされているので、商品によっては詳細な特性を把握しにくいことがある。
【特許文献１】特開２０００−１４２７８９号（図１参照）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
そこでこの発明では、商品価値が無くなるような致命的な破損が生じにくく、占有空間を小さく抑えることができ、商品の詳細な把握が視覚的且つ触覚的にできる陳列用包装パッケージを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
（請求項１記載の発明）
この発明は、厚紙又は硬紙により全体が形成された箱状の陳列用包装パッケージであって、パッケージ本体の底壁又は／及び底壁から立ち上がる壁面に、商品の一部を当該パッケ−ジ本体外に配置させるための開口部を設けると共に、パッケージ本体を、少なくとも前記商品の一部が占める空間分だけ小型化してある。
（請求項２記載の発明）
この発明は、シャックル若しくは耐引張性を有する屈曲可能な紐状長尺物が錠本体と協働して全体としてループ状に形成し得る二輪車用錠のうち、当該錠本体並びにシャックル若しくは紐状長尺物の一部をパッケージ本体外に配置させる態様で包装する陳列用包装パッケージであって、厚紙又は硬紙により全体が形成された箱状であると共に、パッケージ本体の底壁又は／及び底壁から立ち上がる壁面に、シャックル若しくは紐状長尺物が挿通される開口部を設けると共に、前記パッケージ本体を、少なくともパッケージ本体外に出される錠本体並びにシャックル若しくは紐状長尺物が占める空間部分だけ小型化してある。
（請求項３記載の発明）
この発明の陳列用包装パッケージは、上記請求項１又は２記載の発明に関し、パッケージ本体は展開及び組み立て可能である。
（請求項４記載の発明）
この発明の陳列用包装パッケージは、上記請求項２記載の発明に関し、パッケージ本体には、シャックル若しくは紐状長尺物の各端部を挿通させる左右対称の２個の開口部が形成されている。
【発明の効果】
【００１０】
この発明の陳列用包装パッケージでは、商品価値が無くなるような致命的な破損が生じにくく、占有空間を小さく抑えることができ、商品の詳細な把握が視覚的且つ触覚的にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下にこの発明の陳列用包装パッケージを実施するための最良の形態としての実施例について詳細に説明する。
【実施例１】
【００１２】
図１はこの発明の実施例１の陳列用包装パッケージＰに二輪車用ワイヤー錠８の一部を収容させた状態を示す斜視図、図２は組み立て途中の陳列用包装パッケージＰと二輪車用ワイヤー錠８の斜視図、図３はこの発明の陳列用包装パッケージＰを構成するパッケージ本体１を展開した状態の平面図を示している。
（この陳列用包装パッケージＰの概要について）
この陳列用包装パッケージＰは、図１に示すように、商品を、ワイヤー８１（課題を解決するための手段の欄に記載の紐状長尺物に対応する）が錠本体８０と協働して全体としてループ状に形成し得る二輪車用錠８とした場合の例であり、錠本体８０及びワイヤー８１の一部をパッケージ本体１外に配置させ、ワイヤー８１の他部のみをパッケージ本体１内に収容させるものである。なお、商品を、ワイヤー８１にかえて二輪車用チェーン錠としてもよい。
（この陳列用包装パッケージＰの構成について）
この陳列用包装パッケージＰは、図１に示すように、保形性が高い厚紙又は硬紙により形成された直方体状の箱体であり、パッケージ本体１の底壁に、ワイヤー８１が挿通される二個の開口部１０を設けると共に、前記パッケージ本体１を、当該パッケージ本体１外に配置される錠本体８０及びワイヤー８１の占有空間Ｋ分（同図の二点鎖線で示す）だけ小型化してある。なお、この陳列用包装パッケージＰの前後壁には、図１に示すように、円孔１１，１１を穿設すると共にこの円孔１１，１１相互間に円筒管１２を架設してあり、これら円孔１１，１１及び円筒管１２により吊り下げ用孔１３を形成してある。
【００１３】
パッケージ本体１を構成する厚紙又は硬紙は、取扱時や輸送時における外力や振動等があっても破損しないように、例えば、０．５〜２．０ｍｍ（好ましくは０．８〜１．５ｍｍ）程度の所謂板紙、ボール紙、合紙、ダンボール紙等が使用されている。
【００１４】
開口部１０，１０は、図１に示すように、パッケージ本体１の縦中央線に対して左右対称に設けられており、その大きさは二本のワイヤー８１が余裕を持って挿通させ得る大きさに設定してある。
【００１５】
吊り下げ用孔１３は、店頭におかれている展示台の吊り下げ棒の径よりも少し大きく設定してある。
【００１６】
パッケージ本体１の前後面には、特に図示しないが、商品に関する説明書（例えば、製造業者、販売業者、開錠方法、施錠方法、注意書等が印刷形成されている。
（パッケージ本体１を展開したもの及び商品の収容を考慮した組み立て手順について）
パッケージ本体１は、糊等の接着剤を用いることなく組み立てができるように、図３に示すような展開されたものを使用している。
【００１７】
「パッケージ本体１の展開図」
このパッケージ本体１は、図３に示すように、上面部１００を介して前面部１０１と後面部１１１とを一体的に形成してあり、前記前面部１０１には、挿入片１０３を有した側面部１０２、挿入片１０５を有した側面部１０４、挿入片１０７及び折曲片１０８，１０９を有した下面部１０６を備え、前記後面部１１１には、挿入孔１１３を有した側面部１１２、挿入孔１１５を有した側面部１１４、挿入孔１１７を有する下面部１１６を備えるものとしている。なお、図３中、符号Ｌで示したものは、全て折曲線である。
【００１８】
「商品の収容を考慮したパッケージ本体１の組み立て手順について」
(1) 図２において、側面部１０４、側面部１１４及び挿入片１０５を折曲線Ｌで折り曲げ、前記挿入片１０５を挿入孔１１５に挿入する。同様に、側面部１０２、側面部１１２及び挿入片１０３を折曲線Ｌで折り曲げ、前記挿入片１０３を挿入孔１１３に挿入する。この作業により、側面部１０４と側面部１１４、側面部１０２と側面部１１２により両方の側壁が形成できる。
(2) 図２において、二重巻き状態にしたワイヤー８１の上側部を側壁面相互間に挿入し、この状態を維持しながら円孔１１，１１相互間に円筒管１２を挿入架設する。この状態においては、円筒管１２は二重巻き状態のワイヤー８１内に挿入されている。したがって、パッケージ本体１から二輪車用ワイヤー錠８が外れ落ちることはない。
(3) 次に、図２において、下面部１０６、挿入片１０７、折曲片１０８，１０９及び下面部１１６を折曲線Ｌで折り曲げ、前記挿入片１０７を挿入孔１１７に挿入する。この作業により下面部１０６と下面部１１６により底壁が形成できる。なお、上記折曲片１０８，１０９の折り曲げ作業により底壁には二つの開口部１０，１０が形成されるが、このとき二重巻き状態にしたワイヤー８１の下側部分が前記開口部１０，１０から外部に導き出され、錠本体８０がパッケージ本体外に配置されているようにする。
(4) 上記(1) 〜(3) の作業により、二輪車用ワイヤー錠８は図１に示す如く、パッケージ本体１内に納められる。
（この陳列用包装パッケージＰの優れた作用・効果について）
(1) この陳列用包装パッケージＰは、０．５〜２．０ｍｍ（好ましくは０．８〜１．５ｍｍ）程度の保形性が高い所謂板紙、ボール紙、合紙、ダンボール紙等が使用されているから、作業者による取り扱いや輸送時の振動等により、破損（亀裂や潰れのうち、特に亀裂）する危険性は極めて低く、その結果、商品として販売できないような重大な事態は生じにくい。
(2) パッケージ本体１は、少なくとも当該パッケージ本体１外に出た錠本体８０及びワイヤー８１が占める空間部Ｋ分だけ小型化してある（図１参照）から、全体の大きさは小さなパッケージ本体１と当該パッケージ本体１外に出た錠本体８０及びワイヤー８１だけになる。したがって、この陳列用包装パッケージＰを使用した場合、一定空間において多くの数量を陳列できることになる。
(3) この陳列用包装パッケージＰでは、顧客による注目度が高いと考えられる部分（錠本体８０及びワイヤー８１部分）を全面から見ることができると共に、手で触れることができるので、顧客は商品の詳細な特性を十分に把握でき、販売業者側は顧客に対して視覚的且つ触覚的に十分にアピールできる。
【実施例２】
【００１９】
図４はこの発明の実施例２の陳列用包装パッケージＰに二輪車用南京錠９の一部を収容させた状態を示す断面図を示している。
【００２０】
この実施例の陳列用包装パッケージＰは、基本的構成は上記実施例１と同様の形態を採っているが、図４に示すように、円筒管１２を使用することなく、パッケージ本体１と同等の厚紙又は硬紙で構成された三角形状の押上部材３により二輪車用南京錠９（シャックル９１と錠本体９０より成る）のシャックル９１の屈曲部をパッケージ本体１内の上部に留めるようにしている。
【００２１】
上述した如く、この陳列用包装パッケージＰは、主要部分について実施例１と同様の形態を採っているので、実施例１の欄で記載したものと同様の作用・効果を有していることが明らかである。
（その他の実施の形態）
上記実施例１，２では、開口部１０をパッケージ本体１の底壁に設けているが、これに限定されることなく、側壁であっても、底壁及びこれから立ち上がる壁面であってもよい。また、開口部１０は商品の形態に合わせて一個であっても三個以上であってもよい。
【００２２】
上記実施例１，２では、パッケージ本体１を直方体としているが、これに限定されることなく、その他の形状の箱体、例えば、正面視形状が円形、楕円形、三角形、正方形、多角形、台形等であってもよい。
【００２３】
上記実施例１，２では、陳列用包装パッケージＰに収容される対象物を二輪車用錠としているが、これに限られるものではない。つまり、商品は如何なるものであってもよく、商品の一部（特にアピールしたい部分）をパッケ−ジ本体１外に配置させるための開口部１０を設け、前記パッケージ本体１を、前記商品の一部が占める空間分だけ小型化してあるものは、全て本願発明の技術的範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】この発明の実施例１の陳列用包装パッケージに二輪車用ワイヤー錠の一部を収容させた状態を示す斜視図。
【図２】組み立て途中の陳列用包装パッケージと二輪車用ワイヤー錠の斜視図。
【図３】前記陳列用包装パッケージを展開した状態の平面図。
【図４】この発明の実施例２の陳列用包装パッケージに二輪車用南京錠の一部を収容させた状態を示す断面図。
【符号の説明】
【００２５】
Ｐ 陳列用包装パッケージ
１ 開口部
１１ 円孔
８ 二輪車用ワイヤー錠
８０ 錠本体
８１ ワイヤー（紐状長尺物）
９ 二輪車用南京錠
９０ 錠本体
９１ シャックル
【特許請求の範囲】
【請求項１】
厚紙又は硬紙により全体が形成された箱状の陳列用包装パッケージであって、パッケージ本体の底壁又は／及び底壁から立ち上がる壁面に、商品の一部を当該パッケ−ジ本体外に配置させるための開口部を設けると共に、パッケージ本体を少なくとも前記商品の一部が占める空間分だけ小型化してあることを特徴とする陳列用包装パッケージ。
【請求項２】
シャックル若しくは耐引張性を有する屈曲可能な紐状長尺物が錠本体と協働して全体としてループ状に形成し得る二輪車用錠のうち、当該錠本体並びにシャックル若しくは紐状長尺物の一部をパッケージ本体外に配置させる態様で包装する陳列用包装パッケージであって、厚紙又は硬紙により全体が形成された箱状であると共に、パッケージ本体の底壁又は／及び底壁から立ち上がる壁面に、シャックル若しくは紐状長尺物が挿通される開口部を設けると共に、前記パッケージ本体を、少なくとも当該パッケージ本体外に出ている錠本体並びにシャックル若しくは紐状長尺物が占める空間部分だけ小型化してあることを特徴とする陳列用包装パッケージ。
【請求項３】
パッケージ本体は、展開及び組み立て可能であることを特徴とする請求項１又は２記載の陳列用包装パッケージ。
【請求項４】
パッケージ本体には、シャックル若しくは紐状長尺物の各端部を挿通させる左右対称の２個の開口部が形成されていることを特徴とする請求項２記載の陳列用包装パッケージ。
【請求項１】
厚紙又は硬紙により全体が形成された箱状の陳列用包装パッケージであって、パッケージ本体の底壁又は／及び底壁から立ち上がる壁面に、商品の一部を当該パッケ−ジ本体外に配置させるための開口部を設けると共に、パッケージ本体を少なくとも前記商品の一部が占める空間分だけ小型化してあることを特徴とする陳列用包装パッケージ。
【請求項２】
シャックル若しくは耐引張性を有する屈曲可能な紐状長尺物が錠本体と協働して全体としてループ状に形成し得る二輪車用錠のうち、当該錠本体並びにシャックル若しくは紐状長尺物の一部をパッケージ本体外に配置させる態様で包装する陳列用包装パッケージであって、厚紙又は硬紙により全体が形成された箱状であると共に、パッケージ本体の底壁又は／及び底壁から立ち上がる壁面に、シャックル若しくは紐状長尺物が挿通される開口部を設けると共に、前記パッケージ本体を、少なくとも当該パッケージ本体外に出ている錠本体並びにシャックル若しくは紐状長尺物が占める空間部分だけ小型化してあることを特徴とする陳列用包装パッケージ。
【請求項３】
パッケージ本体は、展開及び組み立て可能であることを特徴とする請求項１又は２記載の陳列用包装パッケージ。
【請求項４】
パッケージ本体には、シャックル若しくは紐状長尺物の各端部を挿通させる左右対称の２個の開口部が形成されていることを特徴とする請求項２記載の陳列用包装パッケージ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００６−２３２３７０（Ｐ２００６−２３２３７０Ａ）
【公開日】平成１８年９月７日（２００６．９．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−５３１３３（Ｐ２００５−５３１３３）
【出願日】平成１７年２月２８日（２００５．２．２８）
【出願人】（０００１１１０２９）株式会社ニッコー (26)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年９月７日（２００６．９．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年２月２８日（２００５．２．２８）
【出願人】（０００１１１０２９）株式会社ニッコー (26)
【Ｆターム（参考）】
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