説明

陽圧式防護服

【課題】 動きやすく、安全性が高く、着用者のストレスの低減が図れ、さらに取り扱いに便利な陽圧式防護服を得る。
【解決手段】 顔を含めた頭部、胴部、腕部、脚部を含めて全体を覆う繋ぎ式のタイプの防護服本体2を備え、防護服本体2は、空気の圧送によりその内部を陽圧にするための空気供給手段7を備え、防護服本体1にはその内部の空気が必要圧以上になると放圧する放圧部8を備えている陽圧式防護服1において、空気供給手段7はベスト式エアバックであって、防護服本体2の内側で着用者が着用するベスト型エアバッグ本体10を備え、ベスト型エアバッグ本体10は、防護服本体2を気密的に貫通してベスト型エアバッグ本体10内へ外部より空気の圧送を行う空気供給ホース11を備え、さらに、ベスト型エアバッグ本体10は内部に供給された空気を貯留するとともに、内部空気圧によりベスト型エアバッグ本体10に貯留した空気を放出し、防護服本体2内を陽圧にする空気放出手段16を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔を含めた頭部、胴部、腕部、脚部を含めて全体を覆う繋ぎタイプの防護服本体を備え、前記防護服本体の内部に空気の圧送により陽圧にすることにより外部の空気を防護服本体内に入り込ませないタイプで、劣悪な環境から人体を守る陽圧式防護服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の陽圧式防護服1は、図6に示すように、防護服本体2を備え、該防護服本体2は顔を含めた頭部3、胴部4、腕部5、脚部6を含めて全体を覆う繋ぎ式のタイプであつて、前記防護服本体2はその内部に空気の圧送により陽圧にするための空気供給手段7を備え、前記防護服本体2にはその内部の空気が必要圧以上になると放圧する放圧部8を備えている(例えば、特許文献1参照。)。頭部3は、前部が見えるように透明板部3aを備えている。腕部5は、着用者の手を覆う手袋部5aを備えている。脚部6は、着用者の足を覆う足袋部6aを備えている。
【0003】
この空気供給手段7は、防護服本体2の内面に空気分岐部19を固定し、この空気分岐部19に防護服本体2の外部から空気供給ホース11を接続して図示しないコンプレッサー等から空気を圧送し、また空気分岐部19には胴部4、腕部5及び脚部6などに空気を放出する複数本の空気分配ホース20を防護服本体2の内面に沿わせて固定し、各空気分配ホース20の先端の各空気放出部20aから放出する空気により防護服本体2の内部を陽圧にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−275537号公報 図13
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような構造の陽圧式防護服1では、この防護服本体2の内部に空気分岐部19から多数本の空気分配ホース20が複雑に分岐し、防護服本体2の内面に固定されているので、着用者が非常に動き難く、その行動が制限されるといった問題がある。
また、このような陽圧式防護服1では、着用者が屈伸動作を行った場合、屈んだ時に放圧部8からこの防護服本体2の内部の空気が外部に一気に放圧され、伸びた時に防護服本体2の内部が一瞬陰圧になり、放圧部8などから外部の空気が防護服本体2の内部に吸引されることがあり、外部の汚染されている空気が防護服本体2内に入ってしまう恐れがあるといった問題がある。
また、このような陽圧式防護服1では、防護服本体2の内部に圧送された空気が該防護服本体2内に各空気放出部20aから局所的に放出分散されるので、空気の流れが速く、流れの速い乾燥空気が顔面を流れるため着用者の目が乾き易きやすいといった問題がある。
また、各空気放出部20aから空気を防護服本体2の内部に放出させているので、各空気放出部20aでの空気放出時の流速によって風切り音がかなり高く、騒音レベルが100dB程度になり、着用者に不快感を与え、着用者のストレスを増加させるおそれがあるといった問題がある。
また、このような陽圧式防護服1では、空気供給手段7の構成が複雑で、空気分岐部19や複数本の空気分配ホース20など部品点数が多く、陽圧式防護服1への固定作業が面倒であり、また、このような陽圧式防護服1では、防護服本体2が傷み使用できなくなったような場合、空気供給手段7を再利用しようとしたときにユーザーの段階では作業が難しいといった問題がある。
【0006】
本発明の目的は、動きやすく、安全性が高く、着用者のストレスの低減が図れ、さらに取り扱いに便利な陽圧式防護服を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、顔を含めた頭部、胴部、腕部、脚部を含めて全体を覆う繋ぎ式のタイプの防護服本体を備え、前記防護服本体は、空気の圧送によりその内部を陽圧にするための空気供給手段を備え、前記防護服本体にはその内部の空気が必要圧以上になると放圧する放圧部を備えている陽圧式防護服において、前記空気供給手段はベスト式エアバックであって、前記防護服本体の内側で着用者が着用するベスト型エアバッグ本体を備え、前記ベスト型エアバッグ本体は、前記防護服本体を気密的に貫通して前記ベスト型エアバッグ本体内へ外部より空気の圧送を行う空気供給ホースを備え、さらに、前記ベスト型エアバッグ本体は内部に供給された空気を貯留するとともに、内部空気圧により前記ベスト型エアバッグ本体に貯留した空気を放出し、前記防護服本体内を陽圧にする空気放出手段を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記ベスト型エアバッグ本体が備えている前記空気放出手段は、前記ベスト型エアバッグ本体を、前記ベスト型エアバッグ本体の内部空気圧がある一定の圧力を超えると少量の空気を通過させる通気度の低い生地で構成したものであることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の、前記ベスト型エアバッグ本体が備えている前記空気放出手段は、前記ベスト型エアバッグ本体を、前記ベスト型エアバッグ本体の内部空気圧がある一定の圧力を超えると少量の空気を通過させる通気度の低い生地で構成するとともに、前記ベスト型エアバッグ本体の背部に小孔を設けたものであることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の、前記ベスト型エアバッグ本体に備えた空気供給ホースは、その先端にサイレンサーを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の陽圧式防護服によれば、前記空気供給手段はベスト式エアバックであって、前記防護服本体の内側で着用者が着用するベスト型エアバッグ本体を備え、前記ベスト型エアバッグ本体は、前記防護服本体を気密的に貫通して前記ベスト型エアバッグ本体内へ外部より空気の圧送を行う空気供給ホースを備え、さらに、前記ベスト型エアバッグ本体は内部に供給された空気を貯留するとともに、内部空気圧により前記ベスト型エアバッグ本体に貯留した空気を放出し、前記防護服本体内を陽圧にする空気放出手段を備えているので、着用者は前記防護服本体内に前記ベスト式エアバックを着用すればよく、従来の空気分岐部から多数本の前記空気分配ホースを内面に沿って固定する空気供給手段をもつ陽圧式防護服に比べ、着用者が非常に動き易く、その行動が制限されない。
また、着用者が屈伸動作を行った場合、屈んだ時に放圧部から前記防護服本体の内部の空気が外部に一気に放圧され、伸びあがることにより防護服本体の内部が一瞬陰圧になったとき、前記ベスト型エアバッグ本体に貯留した空気が防護服本体の陰圧となった内部に吸引されて一気に放出され、防護服本体の内部を陽圧に戻すので、着用者が屈伸動作を行うことにより防護服本体の内部が一瞬陰圧になった場合、防護服本体内に外部の汚染されて空気が吸引され入り込むといった事態を防止することができる。
また、前記空気供給手段が前記ベスト式エアバックなので、前記防護服本体から容易に外すことができ、前記防護服本体が傷んで使用できなくなった時に前記ユーザーの段階でも再利用の作業を容易に行うことができる。また、従来の空気供給手段に比べ部品点数が少なく、コストを低減することができる。
【0012】
請求項2に記載の陽圧式防護服によれば、請求項1に記載の、前記ベスト型エアバッグ本体が備えている前記空気放出手段は、前記ベスト型エアバッグ本体を、前記ベスト型エアバッグ本体の内部空気圧がある一定の圧力を超えると少量の空気を通過させる通気度の低い生地で構成したものであるので、前記防護服本体における空気の流れが遅く、空気の流れによる着用者の目の乾きを抑えることができ、また、着用時は前記ベスト型エアバッグ本体は膨らみ着用者の身体に密着し、そして、前記ベスト型エアバッグ本体から身体との接点に満遍なく空気が少量づつ放出されるので、身体表面の気化熱を奪う効果があり、涼しさを感じることができる。
【0013】
請求項3に記載の陽圧式防護服によれば、請求項1に記載の、前記ベスト型エアバッグ本体が備えている前記空気放出手段は、前記ベスト型エアバッグ本体を、前記ベスト型エアバッグ本体の内部空気圧がある一定の圧力を超えると少量の空気を通過させる通気度の低い生地で構成するとともに、前記ベスト型エアバッグ本体の背部に小孔を設けたものであるので、前記防護服本体における空気の流れが遅く、空気の流れによる着用者の目の乾きを抑えることができ、また、着用時は前記ベスト型エアバッグ本体は膨らみ着用者の身体に密着し、そして、前記ベスト型エアバッグ本体から身体との接点に満遍なく空気が少量づつ放出するので、身体表面の気化熱を奪う効果があり、涼しさを感じることができる。さらに、前記ベスト型エアバッグ本体の背部に設けた小孔から空気が容易に放出されるので、防護服本体の内部が一瞬陰圧になったとき、前記ベスト型エアバッグ本体に貯留した空気が小孔から一気に放出され、防護服本体の内部を瞬時に陽圧に戻すことができ、着用者が屈伸動作を行うことにより防護服本体の内部が一瞬陰圧になった場合、防護服本体内に外部の汚染された空気が吸引され入り込むといった事態を一層確実に防止することができる。
【0014】
請求項4に記載の陽圧式防護服によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の、前記ベスト型エアバッグ本体に備えた空気供給ホースは、その先端にサイレンサーを備えているので、空気供給ホースから前記ベスト型エアバッグ本体内に空気を放出する時に生じる風切り音を前記サイレンサーにより低減でき、着用者のストレスを軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る陽圧式防護服の実施の一例を示す正面図である。
【図2】本発明に係る陽圧式防護服における空気供給手段となるベスト式エアバックの斜視図である。
【図3】図2に示すベスト式エアバックの正面図である。
【図4】図2に示すベスト式エアバックの背面図である。
【図5】防護服本体とベスト型エアバッグ本体との空気供給の接続状態を示す断面図である。
【図6】従来の陽圧式防護服を示す概略構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る陽圧式防護服を実施するための形態を、図1乃至図5を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る陽圧式防護服の実施の一例を示す正面図、図2は本発明に係る陽圧式防護服における空気供給手段となるベスト式エアバックの斜視図、図3は図2に示すベスト式エアバックの正面図、図4は図2に示すベスト式エアバックの背面図、図5は防護服本体とベスト型エアバッグ本体との空気供給の接続状態を示す断面図である。
【0017】
この陽圧式防護服1は、図1に示すように、防護服本体2を備え、該防護服本体2は顔を含めた頭部3、胴部4、腕部5、脚部6を含めて全体を覆う繋ぎ式のタイプである。頭部3は、前部が見えるように透明板部3aを備えている。腕部5は、着用者の手を覆う手袋部5aを備えている。脚部6は、着用者の足を覆う足袋部6aを備えている。防護服本体2は、空気の圧送によりその内部を陽圧にするための空気供給手段7を備えている。また、防護服本体2は、その内部の空気が必要圧以上になると空気を放出することにより放圧する放圧部8を備えている。また、防護服本体2には、着用者が防護服本体2を着脱するためのシール性を備えた着脱用開閉部9が設けられている。
【0018】
前記空気供給手段7は図2乃至図5に示すようなベスト式エアバックであって、防護服本体2の内側で着用者が着用するベスト型エアバッグ本体10を備えている。ベスト型エアバッグ本体10は、防護服本体2を気密的に貫通してベスト型エアバッグ本体10内へ外部より空気の圧送を行う空気供給ホース11を備えている。空気供給ホース11の先端にはサイレンサー12を備えている。
【0019】
本例では、ベスト型エアバッグ本体10にサイレンサー12が貫通し、その貫通部分はシール部13でシールされている。また、空気供給ホース11が防護服本体2に貫通している貫通部分もシール部14でシールされている。シール部14は、防護服本体2に空気供給ホース11を貫通させた後にシールを行うようになっている。ベスト型エアバッグ本体10を防護服本体2から外す場合には、シール部14を壊して空気供給ホース11を防護服本体2から引き抜けばよい。空気供給ホース11の先端には、図示しない他の空気供給ホースに接続するプラグ15を備えている。
【0020】
前記ベスト型エアバッグ本体10は内部に供給された空気を貯留するとともに、内部空気圧によりベスト型エアバッグ本体10に貯留した空気を放出し、防護服本体2内を陽圧にする空気放出手段16を備えている。前記空気放出手段16にあっては、内部に供給された空気を貯留するとともに、内部空気圧によりベスト型エアバッグ本体10に貯留した空気を放出できるものであればその構成に特に限定されない。
【0021】
本例では、空気放出手段16は、ベスト型エアバッグ本体10を、ベスト型エアバッグ本体10の内部空気圧が一定の圧力を超えると少量の空気を通過させる通気度の低い生地で構成したものである。通気度の低い生地として、例えば不織布がある。本例では、不織布としてデュポン社製のタイベック(登録商標)を使用している。
さらに、本例では、空気放出手段16として、前記ベスト型エアバッグ本体10を、ベスト型エアバッグ本体10の内部空気圧が一定の圧力を超えると少量の空気を通過させる通気度の低い生地とした構成に加え、ベスト型エアバッグ本体10の背部に小孔17を設けた構成としている。
【0022】
ベスト型エアバッグ本体10は、前身頃を開いて着用者が着る形式となっており、前身頃の合わせ部位には前身頃を閉じるファスナー18が設けられている。
【0023】
以上のように構成された陽圧式防護服1によれば、空気供給手段7はベスト式エアバックであって、防護服本体2の内側で着用者が着用するベスト型エアバッグ本体10を備え、ベスト型エアバッグ本体10は、防護服本体2を気密的に貫通してベスト型エアバッグ本体10内へ外部より空気の圧送を行う空気供給ホース11を備え、さらに、ベスト型エアバッグ本体10は内部に供給された空気を貯留するとともに、内部空気圧により前記ベスト型エアバッグ本体10に貯留した空気を放出し、防護服本体2内を陽圧にする空気放出手段16を備えているので、着用者は防護服本体2内にベスト型エアバッグ本体10を着用すればよく、従来の空気分岐部から多数本の空気分配ホースを内面に沿って固定する空気供給手段をもつ陽圧式防護服に比べ、着用者が非常に動き易く、その行動が制限されない。
【0024】
また、着用者が屈伸動作を行った場合、屈んだ時に放圧部8から防護服本体2の内部の空気が外部に一気に放圧され、伸びあがることにより防護服本体2の内部が一瞬陰圧になったとき、ベスト型エアバッグ本体10に貯留した空気が防護服本体2の陰圧となった内部に吸引されて一気に放出され、防護服本体2の内部を陽圧に戻すので、着用者が屈伸動作を行うことにより防護服本体2の内部が一瞬陰圧になった場合、防護服本体2内に外部の汚染されて空気が吸引され入り込むといった事態が防止できる。
【0025】
また、本例では、ベスト型エアバッグ本体10が備えている空気放出手段7は、ベスト型エアバッグ本体10を、ベスト型エアバッグ本体10の内部空気圧がある一定の圧力を超えると少量の空気を通過させる通気度の低い生地、例えば不織布で構成したものであるので、防護服本体2における空気の流れが遅く、空気の流れによる着用者の目の乾きを抑えることができ、また、着用時はベスト型エアバッグ本体10は膨らみ着用者の身体に密着し、そして、ベスト型エアバッグ本体10から身体との接点に満遍なく空気が少量づつ放出するので、身体表面の気化熱を奪う効果があり、涼しさを感じることができる。
【0026】
さらに、本例では、空気放出手段16として、前記ベスト型エアバッグ本体10を、ベスト型エアバッグ本体10の内部空気圧がある一定の圧力を超えると少量の空気を通過させる通気度の低い生地とした構成に加え、ベスト型エアバッグ本体10の背部に小孔17を設けた構成としているので、ベスト型エアバッグ本体10の背部に設けた小孔17から空気が容易に放出され、防護服本体2の内部が一瞬陰圧になったとき、ベスト型エアバッグ本体10に貯留した空気が小孔17から一気に放出され、防護服本体2の内部を瞬時に陽圧に戻すことができ、着用者が屈伸動作を行うことにより防護服本体2の内部が一瞬陰圧になった場合、防護服本体2内に外部の汚染された空気が吸引され入り込むといった事態を一層確実に防止することができる。
【0027】
また、ベスト型エアバッグ本体10に備えた空気供給ホース11は、その先端にサイレンサー12を備えているので、空気供給ホース11からベスト型エアバッグ本体10内に空気を放出する時に生じる風切り音をサイレンサー12により低減でき、着用者のストレスを軽減できる。
【0028】
さらには、空気供給手段7がベスト式エアバックなので、防護服本体2から容易に外すことができ、防護服本体2が傷んで使用できなくなった時にユーザーの段階でも再利用の作業を容易に行うことができる。また、従来の空気供給手段に比べ部品点数が少なく、コストを低減することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 陽圧式防護服
2 防護服本体
3 頭部
3a 透明板部
4 胴部
5 腕部
5a 手袋部
6 脚部
6a 足袋部
7 空気供給手段
8 放圧部
9 着脱用開閉部
10 ベスト型エアバッグ本体
11 空気供給ホース
12 サイレンサー
13、14 シール部
15 プラグ
16 空気放出手段
17 小孔
18 ファスナー
19 空気分岐部
20 空気分配ホース
20a 空気放出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔を含めた頭部、胴部、腕部、脚部を含めて全体を覆う繋ぎ式のタイプの防護服本体を備え、前記防護服本体は、空気の圧送によりその内部を陽圧にするための空気供給手段を備え、前記防護服本体にはその内部の空気が必要圧以上になると放圧する放圧部を備えている陽圧式防護服において、
前記空気供給手段はベスト式エアバックであって、前記防護服本体の内側で着用者が着用するベスト型エアバッグ本体を備え、前記ベスト型エアバッグ本体は、前記防護服本体を気密的に貫通して前記ベスト型エアバッグ本体内へ外部より空気の圧送を行う空気供給ホースを備え、さらに、前記ベスト型エアバッグ本体は内部に供給された空気を貯留するとともに、内部空気圧により前記ベスト型エアバッグ本体に貯留した空気を放出し、前記防護服本体内を陽圧にする空気放出手段を備えていることを特徴とする陽圧式防護服。
【請求項2】
前記ベスト型エアバッグ本体が備えている前記空気放出手段は、前記ベスト型エアバッグ本体を、前記ベスト型エアバッグ本体の内部空気圧がある一定の圧力を超えると少量の空気を通過させる通気度の低い生地で構成したものであることを特徴とする請求項1に記載の陽圧式防護服。
【請求項3】
前記ベスト型エアバッグ本体が備えている前記空気放出手段は、前記ベスト型エアバッグ本体を、前記ベスト型エアバッグ本体の内部空気圧がある一定の圧力を超えると少量の空気を通過させる通気度の低い生地で構成するとともに、前記ベスト型エアバッグ本体の背部に小孔を設けたものであることを特徴とする請求項1に記載の陽圧式防護服。
【請求項4】
前記ベスト型エアバッグ本体に備えた空気供給ホースは、その先端にサイレンサーを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の陽圧式防護服。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−81692(P2013−81692A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224795(P2011−224795)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(398067650)アゼアス株式会社 (2)
【Fターム(参考)】