説明

隔離環境用電気パッチパネル

スルーホールパネル(60)は、選択された隔離レベルで維持されるホットゾーン(10)とその選択された隔離レベルで維持されないコールドゾーン(14)との間のバリア(12)に取り付けられる。密閉してシールされる電気フィードスルー(70)はそれぞれ、ハウジング(72)と、コールド側及びホット側の電気レセプタクル(74、75)とを含み、そのスルーホールパネルのスルーホール(68)を通して、コールド及びホットゾーンのそれぞれに延びるコールド及びホット側の電気レセプタクルと共に密閉してシールされる。そのホットゾーンにさらされるスルーホールパネルの表面とフィードスルーの部分とは、実質的に、そのホットゾーンで用いられる腐食性の汚染除去剤に対する耐性を示す。そのコールドゾーンにおける医用撮像装置(16、18)は、ホットゾーン(10)と連通し且つコールドゾーン(14)から隔離された全体的に管状である画像化ウィンドウ(20)の内部容積(22)を画像化する。ホットゾーン(10)における補助的装置(30、32)は、そのフィードスルーを介してその医用撮像装置と動作可能に電気的に通信する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、国立衛生研究所(NIH)によって与えられた認可番号N01−A0−60001の下で政府支援により為されたものである。政府は、本発明における一定の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
下記は、環境隔離及び安全の技術に関し、また、一例として、生物学的な病原菌を隔離するよう構成される封じ込め環境で伝染性の対象物を画像化するための医用撮像装置を参照して説明される。下記は、放射能のある、有毒な、生物学的に伝染性の、或いは、他の有害な物質、対象、又は、目的物等を調査し、処理し、或いは、操作し若しくは封じ込めるための隔離環境において、より全般的に応用される。反対に、それは、通常の環境条件から汚染物質を制限するようコントロールされたクリーンルーム、無菌室、不活性ガス環境等のような隔離された環境と共に応用される。
【0003】
生物学的に有害で、且つ、極めて感染しやすい病気は、益々増大する公衆衛生の関心事である。増加する飛行機での旅行は、病原菌の迅速で世界的な拡がりを促進する。バイオ・テロリズムは、公衆が有毒な病原菌にさらされるという点で、別の起こり得るルートである。病原菌の発生に対する効果的な対応は、感染性因子(すなわち、ウイルス、バクテリア、プリオン等のタイプ又は種である。)、(薬又は他のタイプの治療のような)反作用剤の効果、(空気感染、接触感染等のような)感染経路、症状が発生する前の潜伏期間等に関する知識によって促進される。この知識は、適切に生物学的に隔離された環境で実施されなければならない適切な研究室での研究によって得られる。
【0004】
国立衛生研究所(NIH)及び疾病対策センター(CDC)は、有毒な病原菌の生物学的研究を行う研究室の運営上の基準を公表した。四つの隔離レベルである、バイオセーフティ・レベル1(BSL−1)、BSL−2、BSL−3、及びBSL−4が定義された。隔離水準は、BSLレベルが上がるにつれて強化される。BSL−3レベルは、研究室の作業エリアのアクセス廊下からの物理的な分離、及び、コントロールされた空気流のような隔離ステップを要求する。BSL−4は、専用の空気流を備えた、隔離された研究室スペース(時には“ホットゾーン”と称される。)を要求する。そのホットゾーンは、浮遊する病原菌の漏れを防止するために環境から密封された部屋、部屋の区画、又は、建物であり、そのホットゾーン内で働く研究室の人員は、自給式呼吸器を備えた密封環境スーツを着用する。そのホットゾーンを退出する研究室の人員及び何れのアイテムも、BSL−4環境の外側にある“コールドゾーン”に入るのが許可される前には、特定の汚染除去手順を受けなければならない。BSL−4のホットゾーンの表面はまた、Clydox-S、Microchem、OuatTB、Para-Formaldehyde(パラホルムアルデヒド)、Chlorine-Dioxide(二酸化塩素)、Vaporized Hydrogen Peroxide(気化過酸化水素)、及び、Ammonium Carbonate(炭酸アンモニウム)等のような、生物学的な汚染除去で通常用いられる各種腐食性洗浄剤に対して耐性を示すべきである。BSL−4環境の設計における他の要因は、(有毒物質(すなわちHASMAT)スーツやグローブを備えた他の隔離スーツを着用しながらでは操作が困難である小さなファスナやコントロールボタン等のような)細かい操作機構を最小限に抑え或いは排除し、隔離スーツを破り、破裂させ、切り取り、或いは、裂き得る鋭いエッジ、コーナー、又は粗い機構を排除し、また、そのホットゾーンにおけるシステム及び構成要素のための高いレベルの冗長性又は予備(バックアップ)を提供することを含む。
【0005】
BSL−4環境のためのこれらの考慮はまた、通常の環境条件から汚染物質を制限するようコントロールされたクリーンルーム、無菌室、不活性ガス環境等のような他の隔離環境にも適用可能である。例えば、実験動物の不注意による感染を避けるために無菌ゾーンで薬剤開発実験を実施することは有利的となり得る。
【0006】
機能的な隔離ゾーンを提供するために、水、電気、空気等の種々の消耗材は、その隔離ゾーンを密封する一以上のバリアを通って出入りしなければならない。典型的には、そのバリアは、適切に生物学的に不浸透性であり、ステンレス鋼、又は、ステンレス鋼若しくはテフロンでコーティングされた鋼鉄等のような耐腐食性の材料でできた壁である。そのバリアは、腐食性化学物質を用いた汚染除去に適しているべきである。既存のBSL−4環境の隔離では、例えば、電気フィードスルーワイヤは、通常、そのバリア内に埋め込まれる。例えば、電気ワイヤのための通常のアプローチは、その電気ワイヤがそのホットゾーンに入る地点で、そのバリアにドリルで開口を作り、電気ワイヤの埋め込まれる部分の絶縁材を剥ぎ、そして、その剥ぎ取られたワイヤ部分をそのバリアのドリルで開けられた開口に埋め込むことである。埋め込み前にそのワイヤを剥ぐことは、有利的に、良好なシールを促進し、且つ、その絶縁材を通じた、或いは、その絶縁材とそのワイヤとの間の接合部分のところにおける、或いは、その絶縁材とその埋め込み材料(potting material)との間の接合部分のところにおける、潜在的な漏れ経路を排除する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電気ワイヤをそのバリア内に埋め込むことは、既知の不利点を有する。埋め込みは、労働集約的であり、永久的に設置される電気ワイヤを結果としてもたらす。後の再配線は、その埋め込まれたシールを破く前にその隔離ゾーンの封じ込めを破る必要がある。BSL−4の隔離ゾーンの場合、そのバリアを通過する電気ワイヤの連続的な長さには、そのコールドゾーンにおけるワイヤ部分が汚染除去されないとしても、そのホット側で用いられる腐食性の汚染除去用化学物質に対する耐性を示す絶縁材を備えた、そのコールドゾーンにおける部分が含まれる。これらの不利点は、そのバリアを通過する電気ワイヤの数が増えるにつれて増大する。しかしながら、埋め込みアプローチは、BSL−4及び他の隔離環境で使用され続けている。
【0008】
本願は、生物学的に隔離された環境(例えば、BSL−3及びBSL−4環境である。)、原子力隔離環境、有毒隔離環境、周囲大気隔離環境等のような隔離環境で使用される、上述の問題及びその他の問題を克服した、新規の改良された電気パッチパネルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様に従って、電気パッチパネルは、隔離ゾーンと周囲ゾーンとの間のバリアを横切って電力又は電気信号をやり取りする際の使用のために開示される。スルーホールパネルは、その隔離ゾーンとその周囲ゾーンとの間のバリアに取り付けられる。複数の電気フィードスルーのそれぞれは、そのスルーホールパネルのスルーホールに配置されるハウジングと、その周囲ゾーンにさらされる周囲側の電気レセプタクルと、その隔離ゾーンにさらされ、その周囲側の電気レセプタクルに電気的に接続される隔離側の電気レセプタクルと、その隔離側の電気レセプタクルをその周囲側の電気レセプタクルから隔離するハウジングに配置される埋め込み材料とを含む。そのスルーホールの縁とその電気フィードスルーとの間の接合部分又は隙間は、その隔離ゾーンとその周囲ゾーンとの間で圧力差が維持され得るように、密封される。
【0010】
別の態様に従って、医用撮像システムが開示される。医用撮像装置は、コールドゾーンに置かれ、ホットゾーンに置かれる対象物を画像化するよう配置される。少なくとも一つの電気フィードスルーは、そのホットゾーンとそのコールドゾーンとの間のバリアに密封されるハウジングを含み、コールド側の電気レセプタクルは、そのコールドゾーンからアクセス可能であり、また、ホット側の電気レセプタクルは、そのホットゾーンからアクセス可能である。医用撮像装置は、少なくとも一つの電気フィードスルーを介してそのホットゾーンから電気的にアクセス可能である。
【0011】
別の態様に従って、生物学的隔離システムが開示される。ホットゾーンは、生物学的隔離の選択された水準で維持される。スルーホールパネルは、そのホットゾーンとその生物学的隔離の選択された水準で維持されていないコールドゾーンとの間のバリアに取り付けられる。密閉してシールされた複数の電気フィードスルーが提供され、それぞれが、ハウジングと、コールド側の電気レセプタクルと、ホット側の電気レセプタクルとを含む。その密閉してシールされた電気フィードスルーは、そのホットゾーンに延びるホット側の電気レセプタクル及びそのコールドゾーンに延びるコールド側の電気レセプタクルと共に、そのスルーホールパネルのスルーホールに、密閉してシールされる。そのホットゾーンにさらされるスルーホールパネルの表面とそのホットゾーンにさらされる密閉してシールされる電気フィードスルーの一部とは、実質的に、そのホットゾーンの汚染除去で用いられる一以上の腐食性生物学的汚染除去剤に対する耐性を示す。
【0012】
別の態様に従って、隔離ゾーンのバリアを横切る電気的接続を提供する方法が開示される。隔離ゾーンのバリアに開口が形成される。密封された電気フィードスルーは、そのバリアの開口に挿入される。その密封された電気フィードスルーのハウジングとそのバリアの縁との間の接合部分又は隙間は密封される。
【0013】
別の態様に従って、画像化のための生物学的封じ込め環境が開示される。隔離ゾーンは、生物学的隔離の選択されたレベルで維持される。医用撮像装置は、その隔離ゾーンの外側に配置される。チューブが、その隔離ゾーンからその医用撮像装置の画像化領域に延び、それを介してその隔離ゾーンにおける対象が、その隔離ゾーンの封じ込めを破ることなく、その画像化領域に導入され得る。密閉してシールされた複数の電気フィードスルーがその隔離ゾーンを区切るバリアを貫通する。密閉してシールされた電気フィードスルーのそれぞれは、その隔離ゾーンの外側からアクセス可能なコールド側電気レセプタクルとその隔離ゾーンの内側からアクセス可能なホット側電気レセプタクルとを備える密閉してシールされたハウジングを含む。その密閉してシールされた電気フィードスルーは、その隔離ゾーンとその医用撮像装置との間の電気通信を提供する。
【発明の効果】
【0014】
一つの有利点は、封じ込めを破ることなく隔離環境の内外への電気的接続の再構成を可能にするという点にある。
【0015】
別の有利点は、封じ込めを破ることなく隔離環境の内外への電気的接続における冗長性をもたらす点にある。
【0016】
別の有利点は、隔離環境の内外への電気的接続のより効率的な構造にある。
【0017】
当業者は、下記の詳細な説明を読んで理解することで本発明の更なる有利点を正しく認識するであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、種々の構成要素及び構成要素の配置で形を成し得、また、種々のステップ及びステップの配置で形を成し得る。図面は、好適な実施例の説明のみを目的としたものであり、本発明を限定するものとして解釈されることはない。
【実施例】
【0019】
図1を参照すると、隔離設備は、バリア12によってコールドゾーンすなわち周囲ゾーン14から隔離された、ホットゾーンすなわち隔離ゾーン10を含む。単一の代表的なバリア12が示されるが、典型的には、ホットゾーン10は、例えば、密封された部屋を定義する四つの壁、一つの床、及び一つの天井による複数のそのようなバリアによって囲まれ、或いは、密閉される。アクセスは、エアロックドアシステム(図示せず。)を通じて提供される。更に、代表的なバリア12は透明バリアとして示されるが、そのバリアは、透明であってもよく、半透明であってもよく、不透明であってもよい。例えば、実施例によっては、ホットゾーン10は、ステンレス鋼の壁、床、及び天井によって囲まれる。ホットゾーン10は、伝染性のウイルス、バクテリア、プリオン、胞子等の病原菌や感染物質を封じ込め、或いは封じ込めることができ、また、神経ガス若しくは他の毒性化学物質、放射性物質等の別の危険因子(ハザード)を封じ込め或いは封じ込めることができる。その病原菌は、空気、物理的接触、経口、体液の交換等によって伝染し得る。その病原菌は、実際には、ホットゾーン10内の空気中や表面に存在し得、或いは、グローブボックス又は他の封じ込め装置内に収容され得る。前者の場合、ホットゾーン10は、その病原菌の一次封じ込めを提供する。後者の場合、ホットゾーン10は、その病原菌がそのグローブボックス又は他の一次封じ込めから抜け出した場合におけるその病原菌のためのバックアップの又はフェイルセーフの封じ込めを提供する。ホットゾーン10は、生物学的に汚染され、或いは、潜在的に生物学的に汚染されたホットゾーンであるが、他の実施例では、そのホットゾーンは、放射能がある若しくは潜在的に放射能があるホットゾーン、又は、化学的に汚染された若しくは潜在的に化学的に汚染されたホットゾーン等であってもよい。
【0020】
ホットゾーン10に病原菌が実際に存在すること、或いは、存在する可能性があることを考慮して、適切な生物学的安全基準が採用される。実施例によっては、ホットゾーン10は、ホットゾーン10を密閉してシールすること、ホットゾーン10がコールドゾーン14に対して負の圧力差を有するように維持すること、ホットゾーン10から汚染物質を定期的に除去すること、ホットゾーン10へのアクセスを、自給式呼吸器を備えた密封環境スーツを着た有資格者に限定すること、(その密封環境スーツの不注意による破裂を防止するために)ホットゾーン10における尖った物やコーナーを制限し或いは排除すること、ホットゾーン10から出る人員又は物のための適切な汚染除去手順(プロトコル)を採用すること等の予防措置が課されるバイオセーフティ・レベル4(BSL−4)に維持される。他の実施例では、そのホットゾーンで採用される安全基準は、そのホットゾーンに存在する或いは潜在的に存在する病原菌、放射性物質、毒性物質等の種類に基づいて選択される。
【0021】
図1の隔離設備は、コールドゾーン14に配置される一以上の医用撮像装置16、18であり、ホットゾーン10に置かれた実験室の試験動物、感染者、病原菌を運び得る植物といった病原菌を伝染させる媒介生物等の対象を画像化するよう構成される一以上の医用撮像装置16、18を含む。一以上の医用撮像装置16、18は、例えば、磁気共鳴(MR)スキャナ、ポジトロン放出断層撮影(PET)スキャナ、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)データを得るためのガンマカメラ、透過型コンピュータ断層撮影(TCT)スキャナ、X線撮像装置等を含み得る。そのような医用撮像装置16、18は、通常は高額であり、通常は多数の部品を含み、それらのいくつかは、ホットゾーン10の汚染除去に用いられる腐食性物質と不適合であり得る。
【0022】
従って、医用撮像装置16、18は、コールドゾーン14に配置され、ホットゾーン10をコールドゾーン14から隔離するバリア12に配置される適切な画像化ウィンドウ又は管20を通して、ホットゾーン10に置かれた対象を画像化する。図示された実施例では、画像化ウィンドウ20は、全体的に中空であり、ホットゾーン10に通じる開口24を有する内部容積22を定義するために、コールドゾーン14内に延びる。全体的に中空の画像化ウィンドウ20における内部容積22は、例えば、開口24の縁をバリア12で密閉してシールし、且つ、密封キャップ又は他の閉鎖物(その閉鎖物は同じ材料で作られていてもよく、また、任意的にはその管と連続的である。)を遠端のところに有することによって、コールドゾーン14から隔離される。図示された実施例では、全体的に中空である画像化ウィンドウ20は、円筒形を有し、第一医用撮像装置16の穴24を通過し、且つ、第二医用撮像装置18の穴26を通過する。当然のことながら、図示された円筒形で全体的に中空である画像化ウィンドウ20は一つの例であり、他の意図される実施例では、その画像化ウィンドウは、全体的に中空であり、テーパーを持つ円錐形状を有していてもよく、或いは、円形、楕円形、正方形、長方形、又は、別の形状の断面を有していてもよく、また、その画像化ウィンドウは、(例えば、カメラの形をとった医用撮像装置がホットゾーン10に置かれた対象を撮像できるようにするのに適した)平面的なものであってもよい。
【0023】
画像化ウィンドウ20は、コールドゾーン14に配置された医用撮像装置16、18によって、ホットゾーン10にある対象が画像化されるようにする。画像診断技術に応じて、画像化ウィンドウ20は、光学的に透明であってもよく、そうでなくてもよい。例えば、MRスキャナの場合、画像化ウィンドウ20は、光学的に不透明であっても透明であってもよいが、無線周波電磁界並びに印加磁場及び傾斜磁場が画像化ウィンドウ20を実質的に妨げられずに通過できるよう非磁性であるべきである。CTによる画像化の場合には、画像化ウィンドウ20は、発信されたX線に対し実質的に透過的である物質で作られるべきである。PET又はSPECTによる画像化の場合には、画像化ウィンドウ20は、放射されたガンマ線やその対象に投与される放射性医薬品によって放射される他の放射線に対して実質的に透過的である物質で作られるべきである。写真による画像化の場合には、画像化ウィンドウ20は、光学的に透明であるべきである。
【0024】
有利的には、医用撮像装置16、18は、コールドゾーン14に配置され、それ故に、ホットゾーン10に配置される人員やアイテムに適用される汚染除去や他の生物学的安全手順を受けない。医用撮像装置16、18は、例えば、密封環境スーツを着用しない、コールドゾーン14に配置された人員によって操作され得る。しかしながら、いくつかの場合には、一以上の補助的装置30、32がホットゾーン10に配置され、且つ、画像化ウィンドウ20を通じてホットゾーン10に配置されたその対象を画像化するために、医用撮像装置16、18と協調するよう構成される。図示された実施例では、それら補助的装置は、医用撮像装置16、18のうちの一つにおける画像化容積と同じ空間を占めるようにその内部容積22にその対象を移動させるのに用いられる対象テーブル30、及び、MRスキャナと一緒に用いられ得るような局所無線周波数(RF)コイル32を含む。心電図(EKG)モニタ、呼吸モニタ、SpOモニタ、温度計、スピーカ、マイクロフォン、ディスプレイ、カメラ、モニタ、ワークステーションインタフェース、ヒータ、自動ドア駆動部等のような他の装置もまた補助的装置として考えられる。
【0025】
図1及び2を参照すると、図1において、対象テーブル30は、全体的に中空である画像化ウィンドウ20の内部容積22から完全に引き出されたテーブルトップ又はパレット34と共に示される。更に、図1は、第一医用撮像装置16から距離Dだけ遠ざかるように動かされた第二医用撮像装置18を示す。図示された実施例では、第二医用撮像装置18は、医用撮像装置16、18の特定の修理やメンテナンスを容易にするように、レール36上を遠ざけられる。例えば、医用撮像装置16、18の一つがCTスキャナである場合、医用撮像装置16、18を距離Dだけ離すことは、取り換えのためにX線管(図示せず。)にアクセスするための、CTスキャナにおけるガントリーハウジングパネルの取り外しを容易にし得る。図2は、第一医用撮像装置16に隣接して移動させられた(すなわち、レール36に沿ってその第二医用撮像装置を第一医用撮像装置16の方に移動させることによって分離距離Dが取り除かれた)第二医用撮像装置18を有する隔離システムを示す。更に、図2において、テーブルトップ又はパレット34は、全体的に中空である画像化ウィンドウ20の内部容積22内に移動させられ、且つ、第一医用撮像装置16の穴22と一列に並べられた。図示された実施例では、テーブルトップ又はパレット34のこの挿入は、その上にテーブルトップ又はパレット34が置かれる中間サポート42(後部台座44を含む。)を、全体的に中空である画像化ウィンドウ20の内部容積22内に移動させる、床に取り付けられた駆動システム40によって実現される。図示されてはいないが、その例において、対象テーブル30、テーブルトップ又はパレット34は、中間サポート42に組み込まれた第二駆動システム(図示せず。)の機構を通じて第二医用撮像装置18の穴28と協調するように、全体的に中空である画像化ウィンドウ20の内部容積22内に更に移動させられ得る。対象テーブル30は、説明に役立つ一例であり、他の対象テーブルの構造が採用されてもよい。更に、対象テーブル30及び局所RFコイル32は、ホットゾーン10に配置される補助的装置の説明に役立つ一例であり、一組の心電図(EKG)リード、呼吸モニタ等のような他の補助的装置がホットゾーン10に配置されてもよい。
【0026】
電気パッチパネル40は、医用撮像装置16、18と補助的装置30、32との間の電気的相互接続を提供するためにバリア12に取り付けられる。図示されていないが、電気パッチパネル40は、電力又は他の目的のための信号の入口及び出口を供給するようにしてもよい。パッチパネル40を介したやりとりの種類におけるいくつかの例には、例えば、コールドゾーン14におけるRF送信機(図示せず。)によって生成される無線周波数励起信号のRFコイル32への伝達、RFコイル32からコールドゾーン14におけるRF受信機(図示せず。)への磁気共鳴信号の伝達、対象テーブル30に電力を供給し、且つ/或いは対象テーブル30を制御するためのコールドゾーン14からホットゾーン10への電力及び/又は制御信号の伝達、ホットゾーンにおけるEKGリードからコールドゾーン14に配置されたEKGモニタへのEKG信号の伝達(EKG関連の構成要素は図示せず。)、映像又は音響のフィード(図示せず。)等がある。
【0027】
図1及び2において、一例であるコールドケーブルすなわち周囲側ケーブル42は、医用撮像装置16、18のMRスキャナをパッチパネル40のコネクタに接続し、一方で、対応するホットケーブルすなわち隔離側ケーブル44は、そのパッチパネルのコネクタからホットゾーン10に配置されたユーザパネル46のコネクタに延びる。ユーザケーブル48は、ユーザパネル46のコネクタから局所RFコイル32に続き、コールド側ケーブル42及びホット側ケーブル44、電気パッチパネル40、ユーザパネル46、並びに、ユーザケーブル48の組み合わせが、ホットゾーン10に配置された局所RFコイル32とコールドゾーン14に配置されたMRスキャナとの接続をもたらすようにする。同様に、一例であるコールドケーブルすなわち周囲側ケーブル52は、医用撮像装置16、18の一つをパッチパネル40のコネクタに接続し、一方で、対応するホットケーブルすなわち隔離側ケーブル54は、そのパッチパネルのコネクタから対象テーブル30に続き、コールド側ケーブル52及びホット側ケーブル54、並びに電気パッチパネル40の組み合わせが、ホットゾーン10に配置された対象テーブル30とコールドゾーン14に配置された医用撮像装置との接続をもたらすようにする。
【0028】
コールド側ケーブル42、52は、コールドゾーン14に配置され、それ故に、ホットゾーン10で採用される汚染除去手順を受けない。従って、コールド側ケーブル42、52は、ホットゾーン10における汚染除去で使用される腐食性物質に耐えるように設計されていない絶縁を持つことができる。対照的に、ホット側ケーブル44、54は、ホットゾーン10に配置され、それ故に、ホットゾーン10で採用されるBSL−4又は他の隔離基準に従った汚染除去を受ける。従って、ホット側ケーブル44、54は、ホットゾーン10における汚染除去で使用される腐食性物質又は高温に耐えるよう設計された絶縁を有する。例えば、ホット側ケーブル44、54は、ポリテトラフルオレチレン(PTFE)の絶縁を含み得る。図1及び2において、コールド側ケーブル42、52とホット側ケーブル44、54との間の違いは、コールド側ケーブル42、52を示すための破線と、ホット側ケーブル44、54を示すための実線とを用いて表示される。
【0029】
図1及び2への参照を続けながら、更に図3及び4を参照し、電気パッチパネル40を更に説明する。パッチパネル40は、バリア12における開口62(図3において透視的に示される。)と連携して取り付けられるスルーホールパネル60を含む。適切なファスナ64は、スルーホールパネル60をバリア12に締め付ける。環状ガスケット66(図3において透視的に示される。)、Oリング、又は他のシールは、締め付けられたスルーホールパネル60を介して開口62を密閉してシールするように、スルーホールパネル60とバリア12との間で、開口62の縁の周りに配置される。スルーホールパネル60は、電気フィードスルー70が挿入される複数のスルーホール68を含む。図3では、説明目的のために、単一のスルーホール68が、挿入される電気フィードスルーが無い状態で示される。しかしながら、完全に組み立てられた電気パッチパネル40では、全てのスルーホール68が、そのスルーホールの密閉シールをもたらすために、挿入される電気フィードスルー又は何らかの他の適切なプラグを有する。図4では、それら電気フィードスルーが示されていない。図示された電気パッチパネル40は、バリア12に取り付けられたスルーホールパネル60を含む。しかしながら、例えば、電気フィードスルーを直接的に受け入れるために、直接的にバリア12にドリルで穴を空けてスルーホールを作ることによって、そのスルーホールパネルをそのバリアに統合することも考えられる。
【0030】
図5及び6を参照すると、コールド側ケーブル52の一つとホット側ケーブル54の一つとを接続する電気フィードスルー70の例が更に説明される。電気フィードスルー70は、スルーホールパネル60におけるスルーホール68の一つに配置されるハウジング72を含む。コールドすなわち周囲側電気レセプタクル74は、ハウジング72からコールドゾーン14内に延びる。ホットすなわち隔離側電気レセプタクル75は、ハウジング72からホットゾーン10内に延びる。図示された実施例では、コールド側レセプタクル74は、バイオネット(bayonet)型の止めピン76と、コールド側ケーブル52における対になるコネクタ78のソケット(図示せず。)に適合する導電ピン77とを含み、一方で、ホット側レセプタクル75は、バイオネット型の止めピン80と、ホット側ケーブル54における対になるコネクタ82のピン(図示せず。)を受け入れる導電ソケット81を含む。しかしながら、より大まかには、コールド側電気レセプタクル及びホット側電気レセプタクルのそれぞれは、メス型レセプタクルであってもオス型レセプタクルであってもよく、また、プラグやソケット等の形を取ってもよく、また、図示されたバイオネット型の止めピン、ネジ式の機械的接続、又は、摩擦による締め付け接続等のような、実質的に何れのタイプの締め付け機構を用いるようにしてもよい。一以上の導電体84がハウジング72内に配置され、コールド側電気レセプタクル74の導電ピン77とホット側電気レセプタクル75の導電ソケット81とを電気的に接続する。ハウジング72内に一以上の導電体84を埋め込むために、且つ、ホット側電気レセプタクル75をコールドすなわち周囲側電気レセプタクル74から隔離するために、埋め込み材料86がハウジング72内に配置される。更に、図示された導電体84は真っ直ぐであるが、それら導電体は、ねじられ、曲げられ、或いは、コールド側及びホット側電気レセプタクルのそれぞれにおける導電ピン又は導電ソケットの様々な空間的配置を収容するように形作られてもよい。概して、ホット側及びコールド側電気レセプタクルの導体ピン及び/又は導体ソケットは、どのような構造を有していてもよい。
【0031】
密封ファスナは、そのスルーホール68における電気フィードスルー70のそれぞれを固定し、スルーホール68の縁と電気フィードスルー70との間の接合部分又は隙間を密封する。図示された実施例では、密封ファスナは、ホットゾーン10に配置されるネジ式ナット90とかみ合う、ハウジング72上のネジ切り88を含む。ナット90のネジ切り88への締め付けは、ナット90とハウジング72のフランジ92とを引き合わせ、スルーホール68の縁がハウジングフランジ92とナット90との間で固定されるようにする。図示された密封ファスナはまた、スルーホール68の縁と電気フィードスルー70との間の接合部分又は隙間の密閉したシールを確実なものとするために、スルーホール68の縁とナット90との間に配置される環状の密封ガスケット94を含む。電気フィードスルー70の埋め込み材料86と密封ファスナ88、90、92、94とは、ホットゾーン10をコールドゾーン14から隔離するために、協調して、スルーホール68の開口を密封する。その密封ファスナは、任意的に、他の構造を有していてもよく、且つ/或いは、ワッシャ等の他の構成部品を含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施例では、電気フィードスルー70は、Douglas Electrical Components, Inc. (Rockaway, New Jersey, USA)から入手できるPotConTMバルクヘッドコネクタに基づいている。そのPotConTMコネクタは、電気を真空室に出入り(ポート)させるためのバルクヘッドコネクタであり、ハウジングと、そのハウジング内に低ガス放出エポキシ封止材と共に入れられる導体と、そのハウジングの大気側及び真空側にある電気レセプタクルと、真空気密シールをもたらすニトリルゴムの密封ガスケットとを含む。しかしながら、ホットゾーンにさらされる電気パッチパネル40の少なくともその部分は、電気パッチパネル40の汚染除去に用いられる一以上の腐食性物質に対する実質的な耐性を示すべきである。BSL−4の隔離基準に適合する汚染除去に用いられる典型的な腐食性物質には、Clydox-S、Microchem、OuatTB、Para-Formaldehyde(パラホルムアルデヒド)、Chlorine-Dioxide(二酸化塩素)、Vaporized Hydrogen Peroxide(気化過酸化水素)、及び、Ammonium Carbonate(炭酸アンモニウム)が含まれる。強酸化剤は、通常、BSL−4レベルの汚染除去で用いられる効果的な腐食性物質である。PotConTMバルクヘッドコネクタのニトリルゴム密封ガスケットは、実質的には、これらの腐食性物質に対する耐性を示さない。従って、いくつかの実施例では、PotConTMバルクヘッドコネクタは、電気フィードスルー70として用いられるが、そのニトリルゴム密封ガスケットは、Clydox-S、Microchem、OuatTB、Para-Formaldehyde(パラホルムアルデヒド)、Chlorine-Dioxide(二酸化塩素)、Vaporized Hydrogen Peroxide(気化過酸化水素)、及び、Ammonium Carbonate(炭酸アンモニウム)に対する実質的な耐性を示すポリテトラフルオレチレン(PTFE)のような、より耐腐食性のある物質でできた環状ガスケットに置き換えられる。バリア12へスルーホールパネル60を密封するための密封ガスケット66もまた、適切にPTFEで作られる。PTFEに加えて他の適切な耐腐食性材料が、ガスケット66、94及びホット側ケーブル44、54の絶縁に用いられてもよい。
【0033】
有利的に、コールド側電気レセプタクル74及びホット側電気レセプタクル75は、ホットゾーン10の封じ込めシールを破ることなくパッチパネル40からのケーブルの抜き差しを可能にする。再度図3を参照すると、パッチパネル40の例では、種々の電気フィードスルー70が全て同じではなく、むしろ、異なる数及び/又は構造(例えば、空間的配置である。)の導体ピン又は導体ソケットをそれぞれ有する複数の異なる種類の電気フィードスルー70があることが見て取れる。
【0034】
更に、同じタイプの追加的な電気フィードスルー70を含めることで、そのパッチパネルに冗長性を持たせることが自然(straightforward)である。冗長性は、追加的な電気フィードスルー70を追加するために封じ込めを破るようなことなく、能力増強が後日に追加されるのを可能にする。未使用の冗長的なフィードスルーにおけるホット側電気レセプタクル75は、任意的に、病原菌がその未使用の冗長的な電気フィードスルーを介して抜け出す可能性を更に低減させるために、例えば図3で示されるキャップ100のようなキャップによって栓をされる。有利的には、そのような未使用のレセプタクルから延びる外部配線は存在しない。
【0035】
電気フィードスルー70は、ケーブルの抜き差しを促進するが、パッチパネル40でのそのような抜き差しを頻繁に行うことは不利点となり得る。例えば、局所RFコイル32は、例えば、異なる局所RFコイル又は局所RFコイルアレイと取り換えるために、或いは、MRスキャナに組み込まれる全身RFコイルを採用する大容量の画像化を実行する場合にその局所RFコイルを完全に取り除くために、頻繁に抜き差しされ得る。パッチパネル40でのそのような頻繁な抜き差しは、その電気フィードスルーの損傷や摩耗の可能性を生む場合があり、それは、結果として、その電気フィードスルーが電気的に機能しない状態となり、且つ/或いは、その電気フィードスルーのシール漏れを発生させ得る。そのような場合には、図1及び2で示されるユーザパネル46が便利である。これらの図で示されるように、ホット側ケーブル44は、パッチパネル40の電気フィードスルーからユーザパネル46の電気的接続に続く。そして、ユーザは、パッチパネル40に過度のストレスを掛けることなく局所RFコイル32の抜き差しを達成するために、都合良く、ユーザパネル46にユーザケーブル48を差し、また、ユーザパネル46からユーザケーブル48を抜くことができる。
【0036】
図示されたパッチパネル40は、一以上の医用撮像装置16、18と一以上の補助的装置30、32とを動作可能なように電気的に接続する。しかし、当然のことながら、そのパッチパネルはまた、生物学的な、放射能のある、或いは、有毒化学物質の隔離システムにおけるホットゾーンに入る且つ/或いはホットゾーンから出る実質的に如何なる種類の電力及び/又は電気信号の入口及び/又は出口を提供するために用いられてもよい。BSL−4に適合したホットゾーン10は、説明に役立つ例であり、また、本書で説明されたパネル40のようなパッチパネルは、他のBSLレベルの生物学的ホットゾーン、BSLレベル基準に加えた他の隔離基準に従う生物学的ホットゾーン、原子力ホットゾーン、又は、有毒化学薬品ホットゾーン等と共に使用され得る。
【0037】
本発明は、好適な実施例を参照して説明された。上述の詳細な説明を読んで理解することで改良及び変更が為され得る。本発明は、添付の請求項又はそれらの均等物の範囲内となる限りにおいて、そのような改良及び変更の全てを含むものと解釈されることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】ホットゾーンにある対象を画像化するよう構成される二つの医用撮像装置を包含するコールドゾーンに隣接するBSL−4の隔離レベルで維持されたホットゾーンを含む隔離設備の斜視図を示す。
【図2】対象テーブルが第一の医用撮像装置の方に延ばされた図1の隔離設備の概略図を示す。
【図3】ホットゾーンから見た、図1及び2のパッチパネルの図を概略的に示す。
【図4】ホットゾーンとコールドゾーンとの間のバリアに取り付けられたパッチパネルのスルーホールプレートの側断面図を概略的に示す。
【図5】パッチパネルにおける電気フィードスルーのうちの一つの分解側断面図を概略的に示す。
【図6】電気フィードスルーとかみ合うように適所にあるホット側ケーブル及びコールド側ケーブルと共に、パッチパネルにおける電気フィードスルーのうちの一つの側断面図を概略的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔離ゾーンと周囲ゾーンとの間のバリアを横切る電力又は電気信号のやりとりに使用される電気パッチパネルであって:
前記隔離ゾーンと前記周囲ゾーンとの間の前記バリアに取り付けられるスルーホールパネル;及び
複数の電気フィードスルーであり、それぞれが、前記スルーホールパネルのスルーホールに配置されるハウジングと、前記周囲ゾーンにさらされる周囲側電気レセプタクルと、前記隔離ゾーンにさらされ、且つ、前記周囲側電気レセプタクルに電気的に接続される隔離側電気レセプタクルと、前記隔離側電気レセプタクルを前記周囲側電気レセプタクルから隔離する前記ハウジング内に配置される埋め込み材料とを含み、前記隔離ゾーンと前記周囲ゾーンとの間で圧力差が維持され得るように、前記スルーホールの縁と当該電気フィードスルーとの間の接合部分又は隙間がシールされる、複数の電気フィードスルー;
を有する電気パッチパネル。
【請求項2】
各電気フィードスルーをそのスルーホールに固定し、且つ、前記スルーホールの前記縁と前記電気フィードスルーとの間の前記接合部分又は隙間をシールする密封ファスナであり、前記電気フィードスルーの前記埋め込み材料と当該密封ファスナとが協調して、前記圧力差が前記隔離ゾーンと前記周囲ゾーンとの間で維持され得るように、前記隔離ゾーンを前記周囲ゾーンから隔離する、密封ファスナを更に含む、
請求項1に記載の電気パッチパネル。
【請求項3】
前記隔離ゾーンは、BSL−4の隔離で維持されているホットゾーンであり、
前記周囲ゾーンは、BSL−4の隔離で維持されていないコールドゾーンであり、且つ、
前記隔離ゾーンにさらされる当該電気パッチパネルの少なくともその部分は、実質的に、前記ホットゾーンの汚染除去で用いられるBSL−4の汚染除去用化学物質に対する耐性を示す、
請求項1に記載の電気パッチパネル。
【請求項4】
選択された電気フィードスルーの前記ホット側レセプタクルに接続されるかみ合いコネクタと、実質的に前記BSL−4の汚染除去用化学物質に対する耐性を示す絶縁材とを有するホット側電気ケーブル;及び
コールド側電気ケーブルであり、前記選択された電気フィードスルーの前記コールド側レセプタクルに接続されるかみ合いコネクタを有し、当該コールド側電気ケーブルと前記ホット側電気ケーブルとが前記選択された電気フィードスルーを介して電気的に接続されるところのコールド側電気ケーブル;を更に含む、
請求項3に記載の電気パッチパネル。
【請求項5】
前記コールド側電気ケーブルは、実質的にBSL−4の汚染除去用化学物質に対する耐性を示さない、
請求項4に記載の電気パッチパネル。
【請求項6】
前記スルーホールの前記縁と前記電気フィードスルーとの間の前記接合部分又は隙間をシールするために前記ハウジングの周りに配置される環状のガスケットを更に含む、
請求項3に記載の電気パッチパネル。
【請求項7】
前記環状のガスケットは、ポリテトラフルオレチレンのガスケットである、
請求項6に記載の電気パッチパネル。
【請求項8】
前記隔離ゾーンにさらされる当該電気パッチパネルの少なくともその部分は、生物学的汚染除去用化学物質に対する耐性を示す、
請求項1に記載の電気パッチパネル。
【請求項9】
各スルーホールの前記埋め込み材料は、前記周囲側電気レセプタクルからの前記隔離側電気レセプタクルの真空気密隔離をもたらす、
請求項1に記載の電気パッチパネル。
【請求項10】
前記隔離環境は、BSL−4の隔離基準に適合し、且つ、
各電気フィードスルーの前記埋め込み材料、及び、前記スルーホールの前記縁と前記電気フィードスルーとの間の前記接合部分又は隙間のシールは、前記BSL−4の隔離基準に適合する、前記周囲ゾーンからの前記隔離ゾーンの隔離をもたらす、
請求項1に記載の電気パッチパネル。
【請求項11】
前記電気フィードスルーの少なくともいくつかは、前記周囲側電気レセプタクルの対応する導体に電気的に接続される複数の導体を備える隔離側電気レセプタクルを含む、
請求項1に記載の電気パッチパネル。
【請求項12】
前記隔離側電気レセプタクル及び前記周囲側電気レセプタクルにおける前記導体は、導体ピン及び導体ソケットを含むグループから選択される、
請求項11に記載の電気パッチパネル。
【請求項13】
前記複数の電気フィードスルーは、異なるタイプの複数の隔離側電気レセプタクルを含み、且つ、隔離側電気レセプタクルの各タイプの少なくとも二つを含む、
請求項1に記載の電気パッチパネル。
【請求項14】
コールドゾーンに置かれる医用撮像装置であり、ホットゾーンに置かれる対象を画像化するために配置される医用撮像装置;及び
前記ホットゾーンと前記コールドゾーンとの間のバリア内に密封されるハウジング、前記コールドゾーンからアクセス可能なコールド側電気レセプタクル、及び、前記ホットゾーンからアクセス可能なホット側電気レセプタクルを含む少なくとも一つの電気フィードスルーであり、前記医用撮像装置は、当該少なくとも一つの電気フィードスルーを介して前記ホットゾーンから電気的にアクセス可能であるところの少なくとも一つの電気フィードスルー;
を有する医用撮像システム。
【請求項15】
前記ホットゾーンを前記コールドゾーンから隔離する前記バリアのところに配置される画像化ウィンドウを更に含む、
請求項14に記載の医用撮像システム。
【請求項16】
前記画像化ウィンドウは、全体的に中空であり、前記ホットゾーンに通じる開口を有する内部容積を定義するために前記コールドゾーンに延び、前記全体的に中空である画像化ウィンドウの前記内部容積は、前記コールドゾーンから隔離される、
請求項15に記載の医用撮像システム。
【請求項17】
前記全体的に中空である画像化ウィンドウは、前記内部容積が前記医用撮像装置の画像化容積と同じ空間を占めるように、前記コールドゾーンに延び、
当該医用撮像システムは、
対象テーブルであり、該対象テーブル上に置かれる対象を前記医用撮像装置の前記画像化容積内に位置付けるために、前記全体的に中空である画像化ウィンドウの前記内部容積内に延びるよう構成される対象テーブルを更に含む、
請求項16に記載の医用撮像システム。
【請求項18】
前記医用撮像装置は、ポジトロン放出断層撮影(PET)スキャナ、コンピュータ断層撮影(CT)スキャナ、磁気共鳴(MR)スキャナ、及び、X線撮像装置のうちの少なくとも一つである、
請求項17に記載の医用撮像システム。
【請求項19】
前記ホットゾーンに配置され、且つ、前記少なくとも一つの電気フィードスルーを介して前記コールドゾーンに配置される前記医用撮像装置に電気的に接続される少なくとも一つの補助的装置を更に含む、
請求項14に記載の医用撮像システム。
【請求項20】
前記医用撮像装置は、磁気共鳴スキャナであり、且つ、
前記少なくとも一つの補助的装置は、一以上の局所無線周波数コイルであり、前記ホットゾーンに配置され、且つ、前記少なくとも一つの電気フィードスルーを介して前記コールドゾーンに配置される前記磁気共鳴スキャナに動作可能なように電気的に接続される一以上の局所無線周波数コイルを含む、
請求項19に記載の医用撮像システム。
【請求項21】
前記バリアは、前記少なくとも一つの電気フィードスルーの前記ハウジングが密封される、少なくとも一つのスルーホールを含むスルーホールパネルを含む、
請求項14に記載の医用撮像システム。
【請求項22】
前記ホットゾーンに配置され、少なくとも一つのホット側電気ケーブルによって前記少なくとも一つの電気フィードスルーに接続されるユーザ電気パネル;及び
前記ホットゾーンに配置される少なくとも一つの装置に動作可能なように接続される第一端と前記ユーザ電気パネルに取り外し可能に接続可能な第二端とを有する少なくとも一つのユーザケーブル;を更に含む、
請求項14に記載の医用撮像システム。
【請求項23】
前記ホットゾーンは、前記BSL−4の隔離基準に適合して隔離される、
請求項14に記載の医用撮像システム。
【請求項24】
生物学的隔離における選択されたレベルで維持されるホットゾーン;
前記ホットゾーンと生物学的隔離の前記選択されたレベルで維持されていないコールドゾーンとの間のバリアに取り付けられるスルーホールパネル;及び
密閉してシールされる複数の電気フィードスルーであり、それぞれが、ハウジング、コールド側電気レセプタクル、及び、ホット側電気レセプタクルを含み、前記密閉してシールされる電気フィードスルーは、前記ホットゾーンに延びる前記ホット側電気レセプタクル及び前記コールドゾーンに延びる前記コールド側電気レセプタクルと共に、前記フィードスルーパネルのスルーホールに密閉してシールされ、前記ホットゾーンにさらされる前記スルーホールパネルの表面と前記ホットゾーンにさらされる前記密閉してシールされる電気フィードスルーの一部とが実質的に前記ホットゾーンの汚染除去で用いられる一以上の腐食性生物学的汚染除去剤に対する耐性を示すところの、密閉してシールされる複数の電気フィードスルー;
を有する、生物学的隔離システム。
【請求項25】
前記ホットゾーンは、BSL−4レベルの生物学的隔離で隔離される、
請求項24に記載の生物学的隔離システム。
【請求項26】
密閉してシールされる電気フィードスルーのそれぞれは、埋め込み材料であり、前記ハウジング内に配置され、前記ホット側電気レセプタクル及び前記コールド側電気レセプタクルを相互に隔離する密閉シールを提供し、前記密閉してシールされる電気フィードスルーと前記スルーホールの縁との間の隙間又は接合部分のシールに貢献しないところの埋め込み材料を含む、
請求項24に記載の生物学的隔離システム。
【請求項27】
密閉してシールされる電気フィードスルーのそれぞれは、前記密閉してシールされる電気フィードスルーと前記スルーホールの縁との間の前記隙間又は接合部分を密閉してシールする環状のガスケットを更に含む、
請求項26に記載の生物学的隔離システム。
【請求項28】
前記環状のガスケットは、強酸化剤に対する耐性を示す、
請求項27に記載の生物学的隔離システム。
【請求項29】
前記コールドゾーンに配置される一以上の医用撮像装置;及び
前記ホットゾーンに通じ且つ前記コールドゾーンから隔離される内部容積を有する全体的に管状の画像化ウィンドウであり、前記一以上の医用撮像装置が、前記画像化ウィンドウの前記内部容積の少なくとも一部と同じ空間を占める容積を画像化するよう配置されるところの全体的に管状の画像化ウィンドウ;を更に含む、
請求項24に記載の生物学的隔離システム。
【請求項30】
前記ホットゾーンに配置され、前記密閉してシールされる複数の電気フィードスルーを介して前記コールドゾーンに配置される前記一以上の医用撮像装置と動作可能に電気的にやり取りする一以上の補助的装置を更に含む、
請求項29に記載の生物学的隔離システム。
【請求項31】
隔離ゾーンのバリアを横切る電気的接続を提供する方法であって:
隔離ゾーンのバリアに開口を形成する形成ステップ;
シールされた電気フィードスルーを前記バリアにおける前記開口に挿入する挿入ステップ;及び
前記シールされた電気フィードスルーのハウジングと前記バリアの縁との間の接合部分又は隙間をシールするシールステップ;
を有する方法。
【請求項32】
前記シールされた電気フィードスルーを介して前記隔離ゾーンの外側に配置される画像化システムに電気的にアクセスするアクセスステップを更に含む、
請求項31に記載の方法。
【請求項33】
動作的に同じである二以上のシールされた電気フィードスルーを用いて前記バリアを横切る対応する二以上の冗長的な電気的接続を生成するために、開口を形成する前記形成ステップ、前記挿入ステップ、及び、前記シールステップを繰り返す繰り返しステップを更に含む、
請求項31に記載の方法。
【請求項34】
未使用の冗長的なシールされた電気フィードスルーの隔離側電気レセプタクルにキャップを取り付ける取り付けステップを更に含む、
請求項33に記載の方法。
【請求項35】
生物学的隔離における選択されたレベルで維持される隔離ゾーン;
前記隔離ゾーンの外側に配置される医用撮像装置;
管であり、前記隔離ゾーンから前記医用撮像装置の画像化領域に延び、該管を介して前記隔離ゾーンにおける対象が前記隔離ゾーンの封じ込めを破ることなく前記画像化領域に導入され得るところの管;及び
前記隔離ゾーンを区切るバリアを貫通する、密閉してシールされる複数の電気フィードスルーであり、それぞれが、前記隔離ゾーンの外側からアクセス可能なコールド側電気レセプタクル及び前記隔離ゾーンの内側からアクセス可能なホット側電気レセプタクルを有する密閉してシールされるハウジングを含み、前記隔離ゾーンと前記医用撮像装置との間の電気的なやりとりを提供するところの、密閉してシールされる複数の電気フィードスルー;
を有する画像化のための生物学的封じ込め環境。
【請求項36】
前記管は、円筒状及びテーパー状のうちの一つであり、また、円形、楕円形、正方形、又は長方形の断面のうちの一つを有する、
請求項35に記載の生物学的封じ込め環境。
【請求項37】
前記バリアにおける開口を密封するパネルであり、前記密閉してシールされる複数の電気フィードスルーが、当該パネルを密封し且つ貫通するところのパネルを更に有する、
請求項35に記載の生物学的封じ込め環境。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−544340(P2009−544340A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514469(P2009−514469)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/069836
【国際公開番号】WO2007/146588
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】