説明

集塵フィルタ、集塵装置、及び、ガスタービンの吸気装置。

【課題】小型で、粉塵保持容量及び集塵率を向上させつつ、濾材の接触による寿命の低下を防止することが可能な集塵フィルタ、集塵装置及びガスタービンの吸気装置を提供する。
【解決手段】集塵フィルタ10は、略長方形状に形成され、短辺12aに沿う方向を稜線11cとして相対的に粗な繊維層と密な繊維層とを有する濾材シート11を交互に凹凸状に複数回曲げてなり、互いの長辺12bを合わせるようにして濾過方向Pと直交する方向にジグザグ状に配設された複数のフィルタ単体12と、隣り合う該フィルタ単体12の長辺12b同士を接着固定する背板13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体に含まれる塵埃を除去する集塵フィルタ、該集塵フィルタを備えた集塵装置、及び、該集塵装置を備えてガスタービンの空気圧縮機に吸気を行うガスタービンの吸気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンの吸気装置では、大気から吸気を行って、当該吸気された空気を空気圧縮機で圧縮し、タービンに供給して出力を発生させている。ここで、吸気された空気に塵埃が含まれると、この塵埃がタービンの動翼に付着し、これにより流体抵抗が増大することで出力ロスが増大し、結果として発電出力が低下してしまう問題が生じる。このため、ガスタービンの吸気装置では、大気に含まれる塵埃を除去するための集塵装置が搭載されている。このような集塵装置は、単一、または、複数の集塵フィルタを組み合わせることで構成されている。複数の集塵フィルタで構成されている場合には、上流側で目の粗い粗塵フィルタで、比較的大きな粒径の塵埃を除去し、下流側で目の細かい中性能フィルタや高性能フィルタで、比較的小さな粒径の塵埃を除去するように構成されている。
【0003】
近年、ガスタービンのさらなる高出力化を目的として、集塵装置においても、さらに小型で、フィルタの交換寿命が長く、かつ、集塵率の高いものが要求されている。具体的には、上流側に設けられた粗塵フィルタと、下流側に設けられた集塵フィルタとを備えていて、該集塵フィルタが中性能フィルタに利用される不織布と高性能フィルタに利用する不織布とを一体成形した積層濾材からなる。そして、この集塵フィルタが、上記積層濾材をミニプリーツ形状とし、かつ、ミニプリーツ形状の折り目に沿って大きく折り曲げるようにして、全体断面形状が複数の連続したV字形状に形成されているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第03/043717号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のような集塵フィルタでは、高性能の積層濾材からならなる故に、積層濾材の上流側と下流側とで大きな気圧差が発生する。このため、連続したV字形状に形成された積層濾材には、気圧差により曲げる力が作用し、V字形状の折れ線を基端とし、ミニプリーツ状に形成する折れ線の角度を変化させるようにして撓んでしまうこととなり、隣り合う積層濾材同士が接触してしまう場合があった。そして、このように接触することで、実質的なフィルタ面積が小さくなってしまい、フィルタ寿命が低下してしまう問題があった。このため、特に発電用のガスタービンに使用される集塵フィルタとしては、フィルタ交換のために稼働を停止することができず、約1年の連続運転に耐える必要があり、必要な集塵性能を確保しつつ、寿命のより長いものが望まれていた。
【0006】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、小型で、粉塵保持容量及び集塵率を向上させつつ、濾材の接触による寿命の低下を防止することが可能な集塵フィルタ、集塵装置及びガスタービンの吸気装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の集塵フィルタは、略長方形状に形成され、短辺に沿う方向を稜線として相対的に粗な繊維層と密な繊維層とを有する濾材シートを交互に凹凸状に複数回曲げてなり、互いの長辺を合わせるようにして濾過方向と直交する方向にジグザグ状に配設された複数のフィルタ単体と、隣り合う該フィルタ単体の長辺同士を接着固定する背板とを備えることを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、各フィルタ単体の粗な繊維層と密な繊維層とを有する濾材シートによって濾過方向に流通する流体中に含まれる塵埃を取り除くことができる。ここで、フィルタ単体が互いの長辺を合わせて短辺をジグザグにするように配設されており、さらに、各フィルタ単体の濾材シートが交互に凹凸状に複数回曲げて構成されている。このため、全体の寸法を最小限としつつ、濾材シートの面積を大きくして高い粉塵保持容量と集塵率とで流体中の塵埃を除去することができる。また、凹凸状に曲げられる稜線を短辺に沿う方向とすることで、稜線を含む断面V字状の各部分の長さ、すなわち、当該部分を梁としてスパン長を短く設定することができ、各断面V字状の部分において、気圧差によって生じる曲げの変形量を小さくすることができる。さらに、各断面V字状の部分は、両端でフィルタ単体の長辺を固定する背板に接着固定されているため、両端を固定端とする梁として曲げによる変形量をより小さくすることができ、これにより隣り合う濾材シート同士が接触して寿命が低下してしまうのを防止することができる。
【0009】
また、上記の集塵フィルタにおいて、前記背板は、接着固定する前記フィルタ単体同士を所定の角度となるように支持する支持部を有することがより好ましい。
【0010】
この構成によれば、支持部により各単体フィルタ同士を所定の角度となるようにして確実に固定することができ、これにより隣り合う濾材シート同士の接触により生じる濾過面積の減少による寿命の低下をより確実に防止することができる。
【0011】
また、上記の集塵フィルタにおいて、前記背板は、略板状の本体部と、該本体部の周縁を囲む壁部とを有し、前記本体部と前記壁部とで、前記フィルタ単体のそれぞれの長辺部分が挿入され、当該長辺部分を固定するための接着剤を収容する収容部を形成していることがより好ましい。
【0012】
この構成によれば、背板の本体部と壁部とで形成される収容部に接着剤を収容することができるので、各フィルタ単体を容易かつ確実に固定することができ、各断面V字状の部分の曲げによる変形量をさらに抑えることができる。
【0013】
また、上記の集塵フィルタにおいて、前記フィルタ単体の前記濾材シートは、前記稜線を折れ線として山谷状に折り曲げられていることがより好ましい。
【0014】
この構成によれば、フィルタ単体の濾材シートが稜線を折れ線として山谷状に折り曲げられていることで、濾材シートの面積をより大きくして粉塵保持容量(フィルタの交換寿命)をさらに向上させることができるとともに、同じフィルタ単体の濾材シート同士が接触してしまうことも確実に防止することができる。
【0015】
また、上記の集塵フィルタにおいて、前記フィルタ単体の前記濾材シートは、ガラス繊維と樹脂繊維とで構成され、該樹脂繊維を加熱状態で変性させることによって前記折れ線が形成されていることがより好ましい。
【0016】
この構成によれば、濾材シートがガラス繊維と樹脂繊維で構成されていることで、粉塵保持容量と集塵率とをさらに向上させることができる。さらに、樹脂繊維を加熱状態で変性させることによって上記折れ線を鋭く折り曲げることができ、濾材シートの面積をさらに大きくして粉塵保持容量と集塵率とを向上させることができる。また、折れ線においてガラス繊維が毛羽立ってしまうことを、樹脂繊維を変性させて覆うことで防止することができ、ハンドリング性の向上も図ることができる。
【0017】
また、本発明の集塵装置は、上記の集塵フィルタを備えることを特徴としている。
【0018】
この構成によれば、上記集塵フィルタによって小型かつ寿命が長く、高い粉塵保持容量と集塵率とで塵埃を除去することができる。
【0019】
また、本発明のガスタービンの吸気装置は、上記の集塵装置を備えることを特徴としている。
【0020】
この構成によれば、上記集塵装置によって、ガスタービンの稼働を停止させてしまうことなく、省スペース化を図りつつ高い粉塵保持容量と集塵率とで塵埃を除去することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の集塵フィルタでは、複数のフィルタ単体とこれを固定する背板により、小型で、粉塵保持容量及び集塵率を向上させつつ、濾材の接触による寿命の低下を防止することができる。
また、本発明の集塵装置では、小型かつ寿命が長く、高い粉塵保持容量と集塵率とで塵埃を除去することができる。
また、本発明のガスタービンの吸気装置では、ガスタービンの稼働を停止させてしまうことなく、省スペース化を図りつつ高い粉塵保持容量と集塵率とで塵埃を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態の集塵装置の概要図である。
【図2】本発明の実施形態の集塵フィルタの一部を破断した斜視図である。
【図3】本発明の実施形態の集塵フィルタの正面図である。
【図4】本発明の実施形態の集塵フィルタの側面図である。
【図5】本発明の実施形態の集塵フィルタの上面図である。
【図6】本発明の実施形態の集塵フィルタの分解図である。
【図7】本発明の実施形態の集塵フィルタのフィルタ単体の詳細を示す側方視した断面図である。
【図8】本発明の実施形態の集塵フィルタの詳細を示す上方視した断面図である。
【図9】本発明の実施形態の集塵フィルタにおいて、背板の変形例を示す上方視した断面図である。
【図10】本発明の実施形態の集塵フィルタにおいて、背板の他の変形例を示す上方視した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の集塵フィルタ及び集塵装置及び吸気装置の各実施形態を、図面を参照しながら以下に説明するが、本発明がこれらのみに限定解釈されるものでないことは勿論である。なお、各実施形態の説明においては、本発明の集塵フィルタ/集塵装置を、ガスタービンの吸気装置に装備し、この吸気装置の吸気口より、空気圧縮機に取り込まれる吸気から大気塵除去して清浄化する場合を例に説明するものとする。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の集塵装置1は、例えば2段式であり、図示しない空気圧縮機に接続された吸気口2aを形成するハウジング2と、ハウジング2内で濾過方向Pに最も上流側に配置された粗塵フィルタ(プレフィルタ)3と、ハウジング2内で粗塵フィルタ3よりも下流側に配置された高容量HEPAフィルタ(集塵フィルタ)10とを備える。
【0025】
以下に、高容量HEPAフィルタ10の詳細について説明する。図2から図6に示すように、高容量HEPAフィルタ10は、いずれも粗塵フィルタ3よりも相対的に細かい目を有する第一の繊維層11a及び第二の繊維層11b(図7参照)が積層された濾材シート11からなる複数のフィルタ単体12と、フィルタ単体12同士を固定する背板13と、固定された複数のフィルタ単体12を囲むように配設されたフィルタ枠14とを備える。
【0026】
図7に示すように、濾材シート11において、第一の繊維層11aは、第二の繊維層11bよりも濾過方向Pに上流側となるように積層され、相対的に目の粗い構成となっている。より詳しくは、濾材シート11は、ガラス繊維と、ポリエステル繊維などの樹脂繊維で形成されており、ガラス繊維の充填密度が厚さ方向に異なることで第一の繊維層11aと第二の繊維層11bとを構成している。線径が比較的大きいポリエステル繊維は、その柔軟性により密に絡み合うことができ、粒径が中〜大の粉塵を効果的に除去することができる。一方、このポリエステル繊維よりも線径の小さいガラス繊維は、ポリエステル繊維が密に絡み合った組織内にバランス良く混成して、より小さい粒子径の粉塵を効果的に除去することができるようになっている。なお、第一の繊維層11aと第二の繊維層11bとで、ガラス繊維及びポリエステル繊維の線径を異なるものとしても良い。そして、第一の繊維層11aにおけるガラス繊維の線径をポリエステル繊維の線径で割り算した比を第一繊維比URとし、第二の繊維層11bにおけるガラス繊維の線径をポリエステル繊維の線径で割り算した比を第二繊維比DRとした場合に、第一繊維比UR<第二繊維比DRとしても良い。また、本実施形態では、二層の繊維層で構成したが、三層以上としても良い。
【0027】
また、図2、及び、図6から図8に示すように、フィルタ単体12は、略長方形状に形成され、短辺12aに沿う方向を稜線11cとして濾材シート11を凹凸状に複数回曲げて構成されている。本実施形態では、上記稜線11cにおいて、折れ線を形成し、これにより山谷状に折り曲げられて、所謂ミニプリーツ状に形成されている。このような山谷状の構成は、稜線11cにおいて50℃から110℃の間で熱プレスを行うことで形成することができ、これによりガラス繊維を分断するとともに、ポリエステル繊維を加熱状態で変性させて溶着させることによって形状記憶させるとともに、分断したガラス繊維を覆うことができる。
【0028】
そして、複数のフィルタ単体12は、濾過方向Pと直交する幅方向Qに、互いの長辺12bを合わせるようにしてジグザグ状に配設されており、長辺12b同士が背板13に接着固定されている。背板13は、略板状の本体部13aと、本体部13aの周縁を囲み、該本体部13aとで接着剤15を収容する収容部13cを形成する壁部13bと、収容部13c内に配設されてフィルタ単体12を支持する支持部13dとを有する。収容部13cは、壁部13bの高さ寸法により、フィルタ単体12の長辺12b部分を挿入するとともに、接着剤15を充填可能な深さを有している。また、図6及び図8に示すように、支持部13dは、断面略三角形状で、隣り合うフィルタ単体12のそれぞれが垂直となるように配置し当接する二つの支持面13eを有しており、これよりフィルタ単体12は、上記ジグザグ状となるように互いに角度を有して、接着剤15により接合固化されている。なお、接着剤15としては、ウレタン系接着剤など様々なものが選択可能であるが、二液式であることが好ましい。
【0029】
また、図2及び図3に示すように、フィルタ枠14は、ジグザグ状に配設されたフィルタ単体12のそれぞれの短辺12aが当接する上壁14a及び下壁14bと、両端のフィルタ単体12の長辺12bが当接する両側壁14cとで構成された矩形状枠である。そして、上壁14a、下壁14b、及び、両側壁14cの内面には接着剤15が施されており、フィルタ単体12との間を埋めつつ固定している。
【0030】
次に、この実施形態の集塵装置1、及び、高容量HEPAフィルタ10の作用について説明する。図1に示すように、吸気口2aから流体として空気が吸気されて濾過方向Pに流入すると、まず粗塵フィルタ3を通過することで、その目の大きさに応じて例えば、粒子径が1μmの大気塵が30%〜50%程度集塵除去される。次に、高容量HEPAフィルタ10の各フィルタ単体12の濾材シート11を通過する。そして、濾材シート11において、例えば、第一の繊維層11aを通過することにより、0.3μmの粒子を30%〜70%除去し、さらに、第二の繊維層11bを通過することにより、0.3μmの粒子を99.9%以上除去することが可能となっている。
【0031】
ここで、フィルタ単体12が互いの長辺12bを合わせて短辺12aがジグザグ状となるように配設されていることで、流体の通過面積を大きくしている。さらに、各フィルタ単体12の濾材シート11が交互に凹凸状に複数回曲げてなり、特に、稜線11cを折れ線として山谷状に折り曲げられていることで、流体の通過面積をさらに大きくしている。このため、全体の寸法を最小限としつつ高い粉塵保持容量及び集塵率で吸気した空気に含まれる塵埃を除去することができる。
【0032】
また、濾材シート11の濾過方向Pの上流側と下流側とには、濾材シート11を通過するときの圧力損失により気圧差が生じており、当該気圧差で濾材シート11が撓むように力が作用する。しかしながら、凹凸状に曲げられる稜線11cを短辺12aに沿う方向とすることで、稜線11cを含む断面V字状の各部分の長さ、すなわち当該部分を梁としてのスパン長を短く設定することができるので、各断面V字状の部分において、気圧差によって生じる曲げの変形量を小さくすることができる。さらに、各断面V字状の部分は、両端でフィルタ単体12の長辺12bを固定する背板13に接着固定されているため、両端を固定端とする梁として曲げによる変形量をより小さくすることができる。このため、図8において二点鎖線で示すような隣り合うフィルタ単体12の濾材シート11同士が撓んで接触してしまうことがなく、これにより寿命が低下してしまうのを防止することができる。また、図7に示すように、本実施形態では、上記のとおり、各フィルタ単体12の濾材シート11も稜線11cを折れ線として山谷状に折り曲げられていることで、二点鎖線で示すような状態となって同じフィルタ単体12の濾材シート11同士が接触してしまうことも確実に防止することができる。
【0033】
また、本実施形態の背板13の支持部13dにより各フィルタ単体12同士を所定の角度となるようにして確実に固定することができ、これにより隣り合うフィルタ単体12の濾材シート11同士の接触による寿命の低下をより確実に防止することができる。さらに、背板13の本体部13aと壁部13bとで形成される収容部13cに接着剤15を収容することができるので、各フィルタ単体12を容易かつ確実に固定することができ、各断面V字状の部分の曲げによる変形量をさらに抑えることができる。
【0034】
また、本実施形態では、ポリエステル繊維を加熱状態で変性させることによって稜線11cとなる上記折れ線を鋭く折り曲げることができ、濾材シート11の面積をさらに大きくして粉塵保持容量及び集塵率を向上させることができる。また、稜線11cにおいてガラス繊維が毛羽立ってしまうことを、ポリエステル繊維を変性させて覆うことで防止することができ、ハンドリング性の向上も図ることができる。
【0035】
なお、本実施形態では、背板13において、内部に支持部13dを有するものとしたが、図10に示すように無い構成とし、単に接着剤15でフィルタ単体12同士を所定角度となるように固定しても良い。また、図9に示すように、背板13の本体部13a自体を折り曲げて支持部を構成しても良い。
【0036】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1 集塵装置
10 高容量HEPAフィルタ(集塵フィルタ)
11 濾材シート
11a 第一の繊維層
11b 第二の繊維層
11c 稜線
12 フィルタ単体
12a 短辺
12b 長辺
13 背板
13a 本体部
13b 壁部
13c 収容部
13d 支持部
14 フィルタ枠
15 接着剤
P 濾過方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略長方形状に形成され、短辺に沿う方向を稜線として相対的に粗な繊維層と密な繊維層とを有する濾材シートを交互に凹凸状に複数回曲げてなり、互いの長辺を合わせるようにして濾過方向と直交する方向にジグザグ状に配設された複数のフィルタ単体と、
隣り合う該フィルタ単体の長辺同士を接着固定する背板とを備えることを特徴とする集塵フィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載の集塵フィルタにおいて、
前記背板は、接着固定する前記フィルタ単体同士を所定の角度となるように支持する支持部を有することを特徴とする集塵フィルタ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の集塵フィルタにおいて、
前記背板は、略板状の本体部と、該本体部の周縁を囲む壁部とを有し、前記本体部と前記壁部とで、前記フィルタ単体のそれぞれの長辺部分が挿入され、当該長辺部分を固定するための接着剤を収容する収容部を形成していることを特徴とする集塵フィルタ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の集塵フィルタにおいて、
前記フィルタ単体の前記濾材シートは、前記稜線を折れ線として山谷状に折り曲げられていることを特徴とする集塵フィルタ。
【請求項5】
請求項4に記載の集塵フィルタにおいて、
前記フィルタ単体の前記濾材シートは、ガラス繊維と樹脂繊維とで構成され、該樹脂繊維を加熱状態で変性させることによって前記折れ線が形成されていることを特徴とする集塵フィルタ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の集塵フィルタを備えることを特徴とする集塵装置。
【請求項7】
請求項6に記載の集塵装置を備えることを特徴とするガスタービンの吸気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−162458(P2010−162458A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5603(P2009−5603)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(501004903)エイコーフィルター株式会社 (1)
【Fターム(参考)】